(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記流体通流室として、他の前記流体通流室と連通接続されて、その他の前記流体通流室からの流体が直接流入可能な直接流入用流体通流室が備えられている請求項1に記載の吸収式冷凍機。
前記低温再生器から流出した冷媒にて前記吸収器から流出した吸収液を加熱する冷媒熱交換器が備えられ、その冷媒熱交換器が、前記第1対向室モジュールにて構成されている請求項1又は2に記載の吸収式冷凍機。
前記第1積層体は、前記第1外板と前記第1区画体との間、又は、前記第2区画体と前記第2外板との間に、第1追加区画体及び第1追加伝熱板の第1単位追加体を追加して積層自在に構成され、
前記第1追加区画体は、前記第1追加伝熱板を挟んで前記第1対向室モジュールと対向する位置に第1追加流体通流室を形成自在に構成され、
前記第2積層体は、前記第3外板と前記第3区画体との間、又は、前記第4区画体と前記第4外板との間に、第2追加区画体及び第2追加伝熱板の第2単位追加体を追加して積層自在に構成され、
前記第2追加区画体は、前記第2追加伝熱板を挟んで前記第2対向室モジュールと対向する位置に第2追加流体通流室を形成自在に構成されている請求項1〜4の何れか1項に記載の吸収式冷凍機。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明に係る吸収式冷凍機の実施形態について図面に基づいて説明する。
<第1実施形態>
この第1実施形態における吸収式冷凍機は、吸収剤を臭化リチウム水溶液とし、冷媒を水とした二重効用吸収式冷凍機100にて構成されている。この二重効用吸収式冷凍機100は、再生器1として、バーナ2により冷媒Aと吸収剤との混合液である吸収液Kを加熱する高温再生器3とその高温再生器3から供給される吸収液K2を高温再生器3からの冷媒蒸気A1により加熱する低温再生器4とを備えている。そして、二重効用吸収式冷凍機100は、冷媒蒸気A1を凝縮させる凝縮器5と、その凝縮器5からの冷媒液A2を蒸発させる蒸発器6と、その蒸発器6からの冷媒蒸気A1を低温再生器4からの吸収液K3に吸収させる吸収器7とを備えている。
図1は冷媒熱交換器10を備えたフローを示しているが、冷媒熱交換器10を無くし、低温再生器4で熱を与えた高温再生器3からの冷媒蒸気A1を凝縮器5に入れることもできる。
【0033】
吸収液Kが通流する流路として、吸収器7から高温再生器3へ吸収液K1(低濃度の吸収液)を供給する第1溶液流路R1と、高温再生器3から低温再生器4へ吸収液K2(中濃度の吸収液)を供給する第2溶液流路R2と、低温再生器4から吸収器7へ吸収液K3(高濃度の吸収液)を供給する第3溶液流路R3と、第1溶液流路R1の吸収液K1を第2溶液流路R2の吸収液K2に合流させる第4溶液流路R4とが備えられている。
【0034】
冷媒Aが通流する流路として、低温再生器4にて発生された冷媒蒸気A1を凝縮器5に供給する第1冷媒流路S1と、凝縮器5にて凝縮された冷媒液A2を蒸発器6に供給する第2冷媒流路S2と、蒸発器6にて蒸発された冷媒蒸気A1を吸収器7に供給する第3冷媒流路S3と、低温再生器4からの冷媒液A2を第2冷媒流路S2の冷媒液A2に合流させる第4冷媒流路S4と、蒸発器6の冷媒液A2を第4冷媒流路S4の冷媒液A2に合流させて蒸発器6に戻す第5冷媒流路S5とが備えられている。
【0035】
冷却用流体としての冷却水Bが通流する流路として、吸収器7に冷却水Bを供給して吸収器7内を通流させた後、凝縮器5に冷却水Bを供給して凝縮器5内を通流させる冷却水流路Cが備えられている。また、冷房等に用いる冷熱用水Eが通流する流路として、蒸発器6に冷熱用水Eを供給して蒸発器6内を通流させた後、冷熱用水Eを冷房等に用いる箇所に供給する冷熱用水流路Fが備えられている。
【0036】
第1溶液流路R1には、吸収液K1の通流方向の上流側から順に、低温再生器4から流出した第3溶液流路R3の吸収液K3にて第1溶液流路R1の吸収液K1を加熱する低温溶液熱交換器8と、高温再生器3から流出した第2溶液流路R2の吸収液K2にて第1溶液流路R1の吸収液K1を加熱する高温溶液熱交換器9とが備えられている。第4溶液流路R4には、低温再生器4から流出した冷媒液A2にて第4溶液流路R4の吸収液K1を加熱する冷媒熱交換器10が備えられている。
【0037】
第1溶液流路R1において、吸収器7と第4溶液流路R4との接続箇所との間の部位に溶液ポンプP1が備えられている。第5冷媒流路S5において、蒸発器6と第4冷媒流路S4との接続箇所との間の部位に冷媒ポンプP2が備えられている。
第2溶液流路R2において高温溶液熱交換器9と第4溶液流路R4との接続箇所との間の部位、第3溶液流路R3において低温溶液熱交換器8と吸収器7との間の部位、第4溶液流路R4において冷媒熱交換器10と第2溶液流路R2との接続箇所との間の部位、第2冷媒流路S2において凝縮器5と第4冷媒流路S4との接続箇所との間の部位、及び、第4冷媒流路S4において冷媒熱交換器10と第5冷媒流路S5との接続箇所との間の部位の夫々には、制限抵抗となる第1〜第5膨張弁D1〜D5の夫々が備えられている。外部に設置することも可能であるが、抵抗を固定してもよい場合は内部に設置することが可能である。本実施形態では固定抵抗とし、内部に設けている。
【0038】
第1実施形態における二重効用吸収式冷凍機100の動作について説明する。
まず、冷媒Aの流れについて説明する。
高温再生器3にて吸収液K1から発生した冷媒蒸気A1を加熱源として低温再生器4にて吸収液K2から発生した冷媒蒸気A1を、第1冷媒流路S1により凝縮器5に供給して、凝縮器5において冷媒蒸気A1を凝縮させる。凝縮器5にて凝縮された冷媒液A2を、第2冷媒流路S2により蒸発器6に供給するとともに、蒸発器6内の冷媒液A2も第5冷媒流路S5により循環されて、蒸発器6において冷媒液A2を蒸発させる。また、低温再生器4からの冷媒液A2も第4冷媒流路S4により蒸発器6に供給されており、その冷媒液A2も蒸発器6において蒸発される。そして、蒸発器6にて蒸発された冷媒蒸気A1を、第3冷媒流路S3により吸収器7に供給して、吸収器7において冷媒蒸気A1が吸収剤に吸収されて吸収液となる。
【0039】
次に、吸収液Kの流れについて説明する。
吸収器7にて冷媒蒸気A1が吸収剤に吸収された吸収液K1を、第1溶液流路R1により高温再生器3に供給している。このとき、第1溶液流路R1では、低温溶液熱交換器8と高温溶液熱交換器9とにより順次吸収液K1を加熱して、その加熱した吸収液K1を高温再生器3に供給している。高温再生器3においてバーナ2により吸収液K1を加熱して、吸収液K1から冷媒蒸気A1を発生させる。高温再生器3にて冷媒蒸気A1が発生された吸収液K2を第2溶液流路R2により低温再生器4に供給している。このとき、第4溶液流路R4にて供給される吸収液K1も合流させて、合流後の吸収液K4を低温再生器4に供給している。低温再生器4において高温再生器3から供給される高温の冷媒蒸気A1にて吸収液K4を加熱して、吸収液K4から冷媒蒸気A1を発生させる。低温再生器4にて冷媒蒸気A1が発生された吸収液K3を第3溶液流路R3によって吸収器7に供給している。
【0040】
このように、二重効用吸収式冷凍機100は、高温再生器3、低温再生器4、凝縮器5、蒸発器6、吸収器7、低温溶液熱交換器8、高温溶液熱交換器9、及び、冷媒熱交換器10の複数の機器を備えて構成されている。
この第1実施形態では、二重効用吸収式冷凍機100を構成する複数の機器のうち、高温再生器3を除く複数の機器、及び、それら複数の機器を接続する流路等が、
図1に示すように、第1積層体11と第2積層体12の2つの積層体から構成されている。
【0041】
以下、
図2〜4に基づいて、第1積層体11及び第2積層体12の構成について説明する。
図2は、第1積層体11の分解斜視図を示しており、
図3は、第2積層体12の分解斜視図を示しており、
図4は、第1積層体11と第2積層体12とから二重効用吸収式冷凍機100を構成するに当たり、第1積層体11と第2積層体12とを積層して組み付けた状態での斜視図を示している。
【0042】
図2に示すように、第1積層体11は、第1外板13、第1区画体14、第1伝熱板15、第2区画体16、第2外板17を順に積層して構成されている。第1外板13、第1区画体14、第1伝熱板15、第2区画体16、第2外板17の夫々が、平面視で長方形状に形成されており、その厚みが薄い薄型に形成されている。そして、第1積層体11は、第1外板13、第1区画体14、第1伝熱板15、第2区画体16、第2外板17を順に積層してロウ付けにより互いを接着させて製造されている。
【0043】
図3に示すように、第2積層体12も、第1積層体11と同様に、第3外板18、第3区画体19、第2伝熱板20、第4区画体21、第4外板22を順に積層して構成されている。第3外板18、第3区画体19、第2伝熱板20、第4区画体21、第4外板22の夫々が、平面視で長方形状に形成されており、その厚みが薄い薄型に形成されている。そして、第2積層体12は、第3外板18、第3区画体19、第2伝熱板20、第4区画体21、第4外板22を順に積層してロウ付けにより互いを接着させて製造されている。
【0044】
第1積層体11及び第2積層体12は、第1伝熱板15及び第2伝熱板20の長手方向(
図2〜
図4中X方向)を第1積層体11及び第2積層体12の上下方向とし、且つ、第1伝熱板15及び第2伝熱板20の短手方向(
図2〜
図4中Y方向)を第1積層体11及び第2積層体12の左右方向として縦長形状に形成されている。ここで、以下、第1伝熱板15及び第2伝熱板20の長手方向(
図2〜
図4中X方向)を「第1積層体11及び第2積層体12の上下方向」とし、第1伝熱板15及び第2伝熱板20の短手方向(
図2〜
図4中Y方向)を「第1積層体11及び第2積層体12の左右方向」として説明する。
【0045】
第1積層体11における第1区画体14は、
図2及び
図5に示すように、第1伝熱板15と第1外板13との間の空間を複数の空間に区切る枠体にて構成されており、その枠体にて区切られた空間を第1流体通流室25として区画形成している。第1区画体14にて形成される複数の第1流体通流室25内の夫々には、第1伝熱フィン23が備えられている。
図2では第1伝熱フィン23を省略して図示している。ここで、第1伝熱フィン23の形状については、各種の形状が適応可能であり、例えば、波形状としたり、フィンピッチを変更させたオフセットフィンとしたり、コルゲートフィンとすることができ、また、適用箇所によって仕様を変えてもよい。第1伝熱フィン23の材質は、例えば、銅とすることができる。
【0046】
第1積層体11における第2区画体16も、第1区画体14と同様に、
図2及び
図6に示すように、第1伝熱板15と第2外板17との間の空間を複数の空間に区切る枠体にて構成されており、その枠体にて区切られた空間を第2流体通流室26として区画形成している。第2区画体16にて形成される複数の第2流体通流室26内の夫々にも、第1伝熱フィン23が備えられている。
図2では第1伝熱フィン23を省略して図示している。
【0047】
図3及び
図7に示すように、第2積層体12における第3区画体19も、及び、
図3及び
図8に示すように、第2積層体12における第4区画体21も、第1積層体11における第1区画体14や第2区画体16と同様に、第3外板18と第2伝熱板20との間の空間及び第2伝熱板20と第4外板22との間の空間を複数の空間に区切る枠体にて構成されており、その枠体にて区切られた空間を第3流体通流室27及び第4流体通流室28として区画形成している。第3区画体19及び第4区画体21にて形成される複数の第3流体通流室27及び第4流体通流室28内の夫々にも、第2伝熱フィン24が備えられている。
図3では、第2伝熱フィン24を省略して図示している。第2伝熱フィン24の形状や材質は、例えば、第1伝熱フィン23と同様とすることができる。
【0048】
図2に示すように、第1積層体11において、第1区画体14によって第1外板13と第1伝熱板15との間に複数の第1流体通流室25a〜25dが第1伝熱板15に沿う方向で並ぶ形態で区画形成されている。また、第1積層体11において、第2区画体16によって第2外板17と第1伝熱板15との間に複数の第1流体通流室25a〜25dと第1伝熱板15を挟んで対向する位置に複数の第2流体通流室26a〜26dが第1伝熱板15に沿う方向で並ぶ形態で区画形成されている。第1流体通流室25と第2流体通流室26は同数備えられており、この第1実施形態では4つ備えられている。第1伝熱板15を挟んで対向位置する第1流体通流室25と第2流体通流室26との2つの流体通流室を1組とする第1対向室モジュール29が第1伝熱板15に沿う方向で並ぶ形態で複数形成されている。ここで、第1伝熱板15に沿う方向とは、第1伝熱板15の表面に沿った方向で、例えば、
図2中X方向及びY方向としている。
【0049】
図3に示すように、第2積層体12において、第3区画体19によって第3外板18と第2伝熱板20との間に複数の第3流体通流室27a〜27cが第2伝熱板20に沿う方向で並ぶ形態で区画形成されている。また、第2積層体12において、第4区画体21によって第4外板22と第2伝熱板20との間に複数の第3流体通流室27a〜27cと第2伝熱板20を挟んで対向する位置に複数の第4流体通流室28a〜28cが第2伝熱板20に沿う方向で並ぶ形態で区画形成されている。第3流体通流室27と第4流体通流室28とは同数備えられており、この第1実施形態では3つ備えられている。第2伝熱板20を挟んで対向位置する第3流体通流室27と第4流体通流室28との2つの流体通流室を1組とする第2対向室モジュール30が第2伝熱板20に沿う方向で並ぶ形態で複数形成されている。ここで、第2伝熱板20に沿う方向とは、第2伝熱板20の表面に沿った方向で、例えば、
図3中X方向及びY方向としている。
【0050】
第1積層体11及び第2積層体12には、複数の第1〜第4流体通流室25〜28に対して流体を流入可能な流入部31、及び、複数の第1〜第4流体通流室25〜28から流体を排出可能な排出部32が備えられている。流入部31及び排出部32は、区画体や外板を貫通する貫通孔を形成することで、第1〜第4流体通流室25〜28の夫々に流体を流入可能及び排出可能に構成されている。
【0051】
図2に示すように、第1積層体11には、第1対向室モジュール29として、1組目〜4組目までの4つの第1対向室モジュール29a〜29dが形成されている。そして、
図5及び
図6に示すように、1組目〜4組目の4つの第1対向室モジュール29a〜29dにおける第1流体通流室25a〜25d及び第2流体通流室26a〜26dの夫々に第1伝熱フィン23が備えられており、伝熱性能の向上を図っているとともに、第1積層体11の強度の向上を図っている。
図3に示すように、第2積層体12には、第2対向室モジュール30として、1組目〜3組目までの3つの第2対向室モジュール30a〜30cが形成されている。そして、
図7及び
図8に示すように、1組目〜3組目の3つの第2対向室モジュール30a〜30cにおける第3流体通流室27a〜27c及び第4流体通流室28a〜28cの夫々に第2伝熱フィン24が備えられており、伝熱性能の向上を図っているとともに、第2積層体12の強度の向上を図っている。
【0052】
以下、第1流体通流室25及び第2流体通流室26については、複数の第1対向室モジュール29a〜29dのどの組に属するかに対応して添え字をa〜dの何れかを付記する。例えば、1組目の第1対向室モジュール29aに属する第1流体通流室25及び第2流体通流室26は、第1流体通流室25a及び第2流体通流室26aとする。第3流体通流室27及び第4流体通流室28についても、複数の第2対向室モジュール30a〜30cのどの組に属するかに対応して添え字をa〜cの何れかを付記する。
【0053】
低温再生器4、高温溶液熱交換器9、及び、低温溶液熱交換器8が、第1積層体11の第1対向室モジュール29にて構成され、蒸発器6、吸収器7、及び、凝縮器5が、第2積層体12の第2対向室モジュール30にて構成されている。具体的には、
図2に示すように、第1積層体11では、低温再生器4が1組目の第1対向室モジュール29aにて構成されており、冷媒熱交換器10が2組目の第1対向室モジュール29bにて構成されており、低温溶液熱交換器8が3組目の第1対向室モジュール29cにて構成されており、高温溶液熱交換器9が4組目の第1対向室モジュール29dにて構成されている。第2積層体12では、
図3に示すように、凝縮器5が1組目の第2対向室モジュール30aにて構成されており、蒸発器6が2組目の第2対向室モジュール30bにて構成されており、吸収器7が3組目の第2対向室モジュール30cにて構成されている。
【0054】
図2に示すように、第1積層体11では、1組目の第1対向室モジュール29aが上側に配置されており、2組目〜4組目の第1対向室モジュール29b〜29dが下方側に配置されている。2組目〜4組目の第1対向室モジュール29b〜29dは、左側から順に、2組目の第1対向室モジュール29b、3組目の第1対向室モジュール29c、4組目の第1対向室モジュール29dに配置されている。これにより、1組目の第1対向室モジュール29aにて構成される低温再生器4を上側に配置し、2組目の第1対向室モジュール29bにて構成される冷媒熱交換器10を右下側に配置し、3組目の第1対向室モジュール29cにて構成される低温溶液熱交換器8を下方中央部に配置し、4組目の第1対向室モジュール29dにて構成される高温溶液熱交換器9を左下側に配置している。
【0055】
図3に示すように、第2積層体12では、1組目の第2対向室モジュール30aが上側に配置されており、2組目の第2対向室モジュール30bが右下側に配置され、3組目の第2対向室モジュール30cが左下側に配置されている。これにより、1組目の第2対向室モジュール30aにて構成される凝縮器5を上側に配置し、2組目の第2対向室モジュール30bにて構成される蒸発器6を右下側に配置し、3組目の第2対向室モジュール30cにて構成される吸収器7を左下側に配置している。
【0056】
第1積層体11では、第1区画体14にて区画形成される第1流体通流室25と第2区画体16にて区画形成される第2流体通流室26との間で流体の行き来がないように第1伝熱板15にて区切るだけでなく、第1区画体14にて区画形成される第1流体通流室25と第2区画体16にて区画形成される第2流体通流室26とを連通するための連通室33が複数備えられている。
【0057】
図2に示すように、第1区画体14には、第1区画体14において上側に位置する第1流体通流室25aの上側に、横長状の第1連通室33aが区画形成されている。この第1連通室33aは、第1伝熱板15に形成された複数の第1貫通孔部34aを通して、第2区画体16において上側に位置する第2流体通流室26aの上端部に連通されている。そして、第1連通室33aは、第1区画体14によって、左下側に位置する第1流体通流室25dに連通されている。
第1区画体14には、第1区画体14において上側に位置する第1流体通流室25aの下側に、横長状の第2連通室33bが区画形成されている。この第2連通室33bは、第1伝熱板15に形成された横長状の第1開口部35aを通して、第2区画体16において上側に位置する第2流体通流室26aの下方側部に連通されている。そして、第2連通室33bは、第1区画体14によって、下方中央部に位置する第1流体通流室25cに連通されている。
【0058】
また、第1積層体11では、第1区画体14において左下側に位置する第1流体通流室25dと第2区画体16において右下側に位置する第2流体通流室26bとを連通するために、第1区画体14により区画形成された横長状の第3連通室33c、第1伝熱板15に形成された第2開口部35b、第2区画体16により形成された横長状の第5連通室33eが備えられている。
さらに、第1積層体11では、第2区画体16において上側に位置する第2流体通流室26aの左側に、第1区画体14と第2区画体16との間に第1伝熱板15が存在しない部位を有している。これにより、第1区画体14にて形成される区画空間と第2区画体16にて形成される区画空間とが合体した第4連通室33dが備えられている。この第4連通室33dは、第2区画体16によって、上側に位置する第2流体通流室26aに連通されており、上下方向で流体の通流方向が反転する流路状に形成されている。
【0059】
図3に示すように、第2積層体12にも、第3区画体19にて区画形成される第3流体通流室27と第4区画体21にて区画形成される第4流体通流室28とを連通させるための複数の連通室33が備えられている。
第4区画体21において上側に位置する第4流体通流室28aの下側に、横長状の第6連通室33fが区画形成されている。この第6連通室33fは、第2伝熱板20に形成された複数の第2貫通孔部34bを通して、第3区画体19において左下側に位置する第3流体通流室27cの上端部に連通されている。
第4区画体21において右下側に位置する第4流体通流室28bの上側に、横長状の第7連通室33gが区画形成されている。この第7連通室33gは、その左端部が、第2伝熱板20に形成された第3開口部35cを通して、第3区画体19において上側に位置する第3流体通流室27aの右端部に連通されているとともに、その中央部が、第2伝熱板20に形成された複数の第3貫通孔部34cを通して、第3区画体19において右下側に位置する第3流体通流室27bの上端部に連通されている。
【0060】
また、第3区画体19及び第4区画体21において右下側に位置する第3流体通流室27b及び第4流体通流室28bと第3区画体19及び第4区画体21において左下側に位置する第3流体通流室27c及び第4流体通流室28cとの間には、第3区画体19と第4区画体21との間に第2伝熱板20が存在しない部位を有している。これにより、第3区画体19にて形成される空間と第4区画体21にて形成される空間とが合体した第8連通室33hが備えられている。この第8連通室33hは、第3区画体19によって、右下側に位置する第3流体通流室27b及び左下側に位置する第3流体通流室27cに連通されている。第2伝熱板20が存在しない部位は、上述の部位だけでなく、第3区画体19及び第4区画体21において右下側に位置する第3流体通流室27b及び第4流体通流室28bの下側、及び、第3区画体19及び第4区画体21において左下側に位置する第3流体通流室27c及び第4流体通流室28cの下側も、第2伝熱板20が存在していない。これにより、この第2伝熱板20が存在していない部位も、第3区画体19にて形成される空間と第4区画体21にて形成される空間とが合体した第9連通室33iとなっている。この第9連通室33iは、第3区画体19によって、その左上側に位置する第3流体通流室27cに連通されているとともに、その上側に位置する第8連通室33hにも連通されている。
【0061】
以下、高温再生器3を除く、低温再生器4、凝縮器5、蒸発器6、吸収器7、低温溶液熱交換器8、高温溶液熱交換器9、及び、冷媒熱交換器10の夫々の機器について説明する。
【0062】
〔低温再生器〕
図2に示すように、上側に位置する1組目の第1対向室モジュール29aでは、高温再生器3から流出した冷媒蒸気A1を第1流体通流室25aに通流させ、且つ、高温溶液熱交換器9から流出した吸収液K2と冷媒熱交換器10から流出した吸収液K1が混合した吸収液K4を第2流体通流室26aに通流させている。これにより、冷媒蒸気A1にて吸収液K4を加熱して吸収液K4から冷媒蒸気A1を発生させる低温再生器4が、1組目の第1対向室モジュール29aにて構成されている。
【0063】
第1流体通流室25aに流入される冷媒蒸気A1は、第1流入部31aにより第1流体通流室25aの右上端部に流入されている。第1流体通流室25aを通流した冷媒蒸気A1は冷媒液A2となって、その右下端部から、第1積層体11の外部に排出されることなく、第1流体通流室25bの上端部に直接流入されている。
【0064】
第2流体通流室26aに流入される吸収液K4は、第1区画体14において左下側に位置する第1流体通流室25dから第1区画体14において上端部に位置する第1連通室33aへの流入、及び、その第1連通室33aから複数の第1貫通孔部34aを通して、第1積層体11の外部に排出されることなく、第2流体通流室26aの上端部に直接流入されている。これにより、第2流体通流室26aが直接流入用流体通流室として構成されており、吸収液K4を低温再生器4に直接流入可能に構成されている。第2流体通流室26aを通流した吸収液K4は、その左端部から、第2流体通流室26aに連通された第4連通室33dに供給されて、その第4連通室33dにて吸収液K4から冷媒蒸気A1が分離される。このようにして、第4連通室33dは、吸収液K4から冷媒蒸気A1を分離させる分離室として構成されており、分離された冷媒蒸気A1は、その左上端部から、第1排出部32aにより第1積層体11の外部に排出されている。
【0065】
〔冷媒熱交換器〕
右下側に位置する2組目の第1対向室モジュール29bでは、低温再生器4から流出した冷媒液A2を第1流体通流室25bに通流させ、且つ、吸収器7から流出した吸収液K1を第2流体通流室26bに通流させている。これにより、低温再生器4から流出した冷媒液A2にて吸収器7から流出した吸収液K1を加熱する冷媒熱交換器10が、2組目の第1対向室モジュール29bにて構成されている。
【0066】
第1流体通流室25bに流入される冷媒液A2は、第1流体通流室25aとの連通により、第1積層体11の外部に排出されることなく、第1流体通流室25bの上端部に直接流入されている。これにより、第1流体通流室25bが直接流入用流体通流室として構成されており、低温再生器4から冷媒熱交換器10に冷媒液A2を直接流入可能に構成されている。第1流体通流室25bを通流した冷媒液A2は、その右下端部から、第2排出部32bにより第1積層体11の外部に排出されている。
【0067】
第2流体通流室26bに流入される吸収液K1は、第2流入部31bにより第2流体通流室26bの下端部に流入されている。第2流体通流室26bを通流した吸収液K1は、その上端部から第5連通室33eに流入し、その第5連通室33eの左端部から第2開口部35bを通して第1区画体14において上下方向の中央部に位置する第3連通室33cに流入して、第1連通室33aの吸収液K2に合流されている。
【0068】
〔低温溶液熱交換器〕
下方中央部に位置する3組目の第1対向室モジュール29cでは、低温再生器4を流出した吸収液K3を第1流体通流室25cに通流させ、且つ、吸収器7を流出した吸収液K1を第2流体通流室26cに通流させている。これにより、低温再生器4を流出した吸収液K3にて吸収器7を流出した吸収液K1を加熱する低温溶液熱交換器8が、3組目の第1対向室モジュール29cにて構成されている。
【0069】
第1流体通流室25cに流入させる吸収液K3は、第2区画体16において上側に位置する第2流体通流室26aの下方側端部から、第1積層体11の外部に排出されることなく、第1開口部35aを通して第1区画体14において上下方向の中央部に位置する第2連通室33bに流入し、その第2連通室33bから第1流体通流室25cの左下端部に直接流入されている。これにより、第1流体通流室25cが直接流入用流体通流室として構成されており、低温再生器4から低温溶液熱交換器8に吸収液K3を直接流入可能に構成されている。第1流体通流室25cを通流した吸収液K3は、その右下端部から、第3排出部32cにより第1積層体11の外部に排出されている。
【0070】
第2流体通流室26cに流入させる吸収液K1は、第2流入部31bにより第2流体通流室26cの右下端部に流入されている。第2流入部31bは、第2流体通流室26bと第2流体通流室26cの両者に吸収液K1を流入させるために用いられている。第2流体通流室26cを通流した吸収液K1は、その左上端部から、第1積層体11の外部に排出されることなく、第2流体通流室26dに直接流入されている。
【0071】
〔高温溶液熱交換器〕
左下側に位置する4組目の第1対向室モジュール29dでは、高温再生器3を流出した吸収液K2を第1流体通流室25dに通流させ、且つ、低温溶液熱交換器8を流出した吸収液K1を第2流体通流室26dに通流させている。これにより、高温再生器3を流出した吸収液K2にて低温溶液熱交換器8を流出した吸収液K1を加熱する高温溶液熱交換器9が、4組目の第1対向室モジュール29dにて構成されている。
【0072】
第1流体通流室25dに流入させる吸収液K2は、第3流入部31cにより第1流体通流室25dの左下端部に流入されている。第1流体通流室25dを通流した吸収液K2は、その右上端部から、第1積層体11の外部に排出されることなく、第1連通室33aに流入されている。
【0073】
第2流体通流室26dに流入させる吸収液K1は、第2流体通流室26cとの連通により、第1積層体11の外部に排出されることなく、第2流体通流室26dの右上端部に直接流入されている。これにより、第2流体通流室26dが直接流入用流体通流室として構成されており、低温溶液熱交換器8から高温溶液熱交換器9に吸収液K1を直接流入可能に構成されている。第2流体通流室26dを通流した吸収液K1は、その左下端部から、第4排出部32dにより第1積層体11の外部に排出されている。
【0074】
〔凝縮器〕
図3に示すように、上側に位置する1組目の第2対向室モジュール30aでは、低温再生器4から流出した冷媒蒸気A1を第3流体通流室27aに通流させ、且つ、吸収器7を流出した冷却水Bを第4流体通流室28aに通流させている。これにより、低温再生器4から流出した冷媒蒸気A1を冷却水Bにより凝縮させる凝縮器5が、1組目の第2対向室モジュール30aにて構成されている。
【0075】
第3流体通流室27aに流入させる冷媒蒸気A1は、第4流入部31dにより第3流体通流室27aの左上端部に流入されている。第3流体通流室27aを通流した冷媒蒸気A1は、冷媒液A2となって、その右端部から、第2積層体12の外部に排出されることなく、第3開口部35cを通して、第4区画体21において右上端部に位置する第7連通室33gに流入されている。
【0076】
第4流体通流室28aに流入させる冷却水Bは、第4流体通流室28cとの連通により、第2積層体12の外部に排出されることなく、第4流体通流室28aの左下端部に直接流入されている。これにより、第4流体通流室28aが直接流入用流体通流室として構成されており、吸収器7から凝縮器5に冷却水Bを直接流入可能に構成されている。第4流体通流室28aを通流した冷却水Bは、その右上端部から、第5排出部32eにより第2積層体12の外部に排出されている。
【0077】
〔蒸発器〕
右下側に位置する2組目の第2対向室モジュール30bでは、凝縮器5及び冷媒熱交換器10を流出した冷媒液A2並びに蒸発器6にて循環される冷媒液A2を第3流体通流室27bに通流させ、且つ、冷熱用水Eを第4流体通流室28bに通流させている。これにより、凝縮器5及び冷媒熱交換器10を流出した冷媒液A2並びに蒸発器6にて循環される冷媒液A2を冷熱用水Eにより蒸発させる蒸発器6が、2組目の第2対向室モジュール30bにて構成されている。
【0078】
第3流体通流室27bに流入させる冷媒液A2は、第2積層体12の外部に排出されていない冷媒液A2と第2積層体12の外部から流入された冷媒液A2とが合流されて、第3流体通流室27bに流入されている。第2積層体12の外部に排出されていない冷媒液A2については、第3区画体19において上側に位置する第3流体通流室27aから、第2積層体12の外部に排出されることなく、第3開口部35cを通して第7連通室33gの左端部に流入している。一方、第2積層体12の外部から流入される冷媒液A2については、
図2において右下側に位置する第1流体通流室25bから外部に排出されて冷媒熱交換器10を流入した冷媒液A2と、
図3において第3流体通流室27bの右下端部から外部に排出されて蒸発器6にて循環される冷媒液A2とが合流され、第8流入部31hにより第7連通室33gの右端部に流入している。そして、第7連通室33gにて冷媒液A2が混合されて、その第7連通室33gから複数の第3貫通孔部34cを通して、第3流体通流室27bの上端部に流入されている。第3流体通流室27bを通流した冷媒液A2は、冷媒蒸気A1となって、その左端部から、第8連通室33hを通して、第3流体通流室27cに直接流入されている。また、第3流体通流室27bを流通して冷媒液A2のままのものは、その右下端部から、第6排出部32fにて第2積層体12の外部に排出され、第8流入部31hにより第7連通室33gの右端部に流入されて循環されている。
【0079】
第4流体通流室28bに流入させる冷熱用水Eは、第5流入部31eにより第4流体通流室28bの右下端部に流入されている。第4流体通流室28bを通流した冷熱用水Eは、その右上端部から、第7排出部32gにより第2積層体12の外部に排出されている。
【0080】
〔吸収器〕
左下側に位置する3組目の第2対向室モジュール30cでは、低温溶液熱交換器8を流出した吸収液K3及び蒸発器6を流出した冷媒蒸気A1を第3流体通流室27cに通流させ、且つ、冷却水Bを第4流体通流室28cに通流させている。これにより、低温溶液熱交換器8を流出した吸収液K3に蒸発器6を流出した冷媒蒸気A1を吸収させる吸収器7が、3組目の第2対向室モジュール30cにて構成されている。
【0081】
第3流体通流室27cに流入させる吸収液K3は、第6流入部31fにより第4区画体21において上下方向の中間部に位置する第6連通室33fの右端部に流入され、その第6連通室33fから複数の第2貫通孔部34bを通して、第3流体通流室27cの上端部に流入されている。また、第3流体通流室27cに流入させる冷媒蒸気A1は、第3区画体19において右下側に位置する第3流体通流室27bから、第2積層体12の外部に排出されることなく、第8連通室33hを通して、第3流体通流室27cに流入されている。そして、第3流体通流室27cを通流する吸収液K3に冷媒蒸気A1が吸収されている。第3流体通流室27cの下側に位置する第9連通室33iには、吸収液K3に冷媒蒸気A1が吸収された吸収液K1が溜められており、その吸収液K1が、第9連通室33iの下端部から、第8排出部32hにより第2積層体12の外部に排出されている。
【0082】
第4流体通流室28cに流入させる冷却水Bは、第7流入部31gにより第4流体通流室28cの左下端部に流入されている。第4流体通流室28cを通流した冷却水Bは、その左上端部から、第4流体通流室28aに直接流入されている。
【0083】
〔単位追加体〕
上述の第1積層体11において、図示は省略するが、第1外板13と第1区画体14との間、又は、第2区画体16と第2外板17との間に、第1追加区画体及び第1追加伝熱板の第1単位追加体を追加して積層自在に構成されている。ここで、第1追加区画体は、第1区画体14や第2区画体16と同様に、複数の空間に区画自在な枠体にて構成されており、その区画空間の夫々に伝熱フィンが備えられる。そして、第1追加区画体は、第1追加伝熱板を挟んで第1対向室モジュール29と対向する位置に流体を通流可能な第1追加流体通流室を第1伝熱板15に沿う方向で並ぶ形態で区画形成自在に構成されている。これにより、第1単位追加体を必要に応じて追加して積層させて第1積層体11を構成することにより、求められている能力に的確に対応することができる。
【0084】
また、第2積層体12についても、第1積層体11と同様に、第3外板18と第3区画体19との間、又は、第4区画体21と第4外板22との間に、第2追加区画体及び第2追加伝熱板の第2単位追加体を追加して積層自在に構成されている。第2追加区画体も、第3区画体19や第4区画体21と同様に、複数の空間に区画自在な枠体にて構成されており、その区画空間の夫々に伝熱フィンが備えられる。これにより、第2単位追加体を必要に応じて追加して積層させて第2積層体12を構成することにより、求められている能力に的確に対応することができる。
【0085】
このようにして、第1積層体11と第2積層体12とによって、高温再生器3を除く、低温再生器4、凝縮器5、蒸発器6、吸収器7、低温溶液熱交換器8、高温溶液熱交換器9、及び、冷媒熱交換器10を構成することができる。そこで、二重効用吸収式冷凍機100を構成するに当たり、
図4に示すように、第1積層体11と第2積層体12とを積層して、第1積層体11の流入部や排出部と第2積層体12の排出部や流入部との接続や溶液ポンプP1や冷媒ポンプP2の装着を行うとともに、高温再生器3(図示省略)を取り付けることで、二重効用吸収式冷凍機100を製造するようにしている。
【0086】
<
参考形態>
上記第1実施形態では、吸収式冷凍機を二重効用吸収式冷凍機100にて構成しているが、この
参考形態では、吸収式冷凍機を単効用吸収式冷凍機101にて構成している。この
参考形態における単効用吸収式冷凍機101でも、吸収剤を臭化リチウム水溶液とし、冷媒を水としている。単効用吸収式冷凍機101は、二重効用吸収式冷凍機100に対して、構成する機器の数等が異なるだけであるので、この
参考形態では、第1積層体及び第2積層体にて構成する機器について中心に説明し、その他の構成については簡単に説明する。
【0087】
この単効用吸収式冷凍機101では、
図9に示すように、再生器として、加熱温水Gを熱源として吸収液Kから冷媒蒸気A3を発生させる再生器1を1つ備えているだけであり、溶液熱交換器についても、再生器1から流出した吸収液Kにて吸収器7を流出した吸収液Kを加熱する溶液熱交換器50の1つを備えているだけである。
【0088】
吸収液Kが通流する流路として、吸収器7から再生器1へ吸収液K5(低濃度の吸収液)を供給する第5溶液流路R5と、再生器1から吸収器7へ吸収液K6(高濃度の吸収液)を供給する第6溶液流路R6とが備えられている。
【0089】
冷媒Aが通流する流路として、再生器1にて発生された冷媒蒸気A3を凝縮器5に供給する第6冷媒流路S6と、凝縮器5にて凝縮された冷媒液A4を蒸発器6に供給する第7冷媒流路S7と、蒸発器6にて蒸発された冷媒蒸気A3を吸収器7に供給する第8冷媒流路S8とが備えられている。第7冷媒流路S7の途中部位に、第6膨張弁D6が備えられており、第6溶液流路R6において溶液熱交換器50と吸収器7との間の部位に、第7膨張弁D7が備えられている。
冷却水Bが通流する冷却水流路C、及び、冷熱用水Eが通流する冷熱用水流路Fについては、上記第1実施形態と同様であるが、再生器1に加熱温水Gを供給する加熱温水流路Hが備えられている。
【0090】
参考形態における単効用吸収式冷凍機101の動作について説明する。
まず、冷媒Aの流れについて説明する。
再生器1にて吸収液K5から発生した冷媒蒸気A3を、第6冷媒流路S6により凝縮器5に供給して、凝縮器5において冷媒蒸気A3を凝縮させる。凝縮器5にて凝縮された冷媒液A4を、第7冷媒流路S7により蒸発器6に供給して、蒸発器6において冷媒液A4を蒸発させる。そして、蒸発器6にて蒸発された冷媒蒸気A3を、第8冷媒流路R8により吸収器7に供給して、吸収器7において冷媒蒸気A3が吸収剤に吸収されて吸収液となる。
【0091】
次に、吸収液Kの流れについて説明する。
吸収器7にて冷媒蒸気A3が吸収剤に吸収された吸収液K5を、第5溶液流路R5により再生器1に供給している。このとき、第5溶液流路R5では、第6溶液流路R6の吸収液K6にて吸収液K5を加熱しており、その加熱された吸収液K5を再生器1に供給している。再生器1において加熱温水Gにより吸収液K5を加熱して、吸収液K5から冷媒蒸気A3を発生させる。再生器1にて冷媒蒸気A3が発生された吸収液K6を第6溶液流路R6により吸収器7に供給している。
【0092】
このように、単効用吸収式冷凍機101は、再生器1、凝縮器5、蒸発器6、吸収器7、溶液熱交換器50の複数の機器を備えて構成されている。この
参考形態では、単効用吸収式冷凍機101を構成する複数の機器、及び、それら複数の機器を接続する流路等が、第1積層体51と第2積層体52の2つの積層体から構成されている。
【0093】
以下、
図10〜
図12に基づいて、
図10は、第1積層体51の分解斜視図を示しており、
図11は、第2積層体52の分解斜視図を示しており、
図12は、第1積層体51と第2積層体52とから単効用吸収式冷凍機101を構成するに当たり、第1積層体51と第2積層体52とを積層して組み付けた状態での斜視図を示している。
【0094】
上記第1実施形態と同様に、
図10に示すように、第1積層体51は、第1外板53、第1区画体54、第1伝熱板55、第2区画体56、第2外板57を順に積層して構成されている。
図11に示すように、第2積層体52も、第3外板58、第3区画体59、第2伝熱板60、第4区画体61、第4外板62を順に積層して構成されている。そして、第3外板58については、
図13に示すように、外側の第3外板58aと断熱体58bと内側の第3外板58bとの3枚の板体からなる断熱外板にて構成されている。また、図示は省略するが、第4外板62についても、第3外板58と同様に、3枚の板体からなる断熱外板にて構成されている。
【0095】
以下、第1伝熱板55及び第2伝熱板60の長手方向(
図10〜
図12中X方向)を「第1積層体51及び第2積層体52の上下方向」とし、第1伝熱板55及び第2伝熱板60の短手方向(
図10〜
図12中Y方向)を「第1積層体51及び第2積層体52の左右方向」として説明する。
【0096】
図10に示すように、第1積層体51では、第1区画体54により第1流体通流室65a,65bが区画形成されるとともに、第2区画体56により第2流体通流室66a,66bが区画形成されており、第1対向室モジュール69として、1組目及び2組目の2つの第1対向室モジュール69a、69bが形成されている。そして、
図14及び
図15に示すように、1組目及び2組目の2つの第1対向室モジュール69a、69bにおける第1流体通流室65a、65b及び第2流体通流室66a、66bの夫々に第1伝熱フィン63が備えられており、伝熱性能の向上を図っているとともに、第1積層体51の強度の向上を図っている。
図10では、第1伝熱フィン63を省略して図示している。
図11に示すように、第2積層体52では、第3区画体59により第3流体通流室67a〜67cが区画形成されるとともに、第4区画体61により第4流体通流室68a〜68cが区画形成されており、第2対向室モジュール70として、1組目〜3組目までの3つの第2対向室モジュール70a〜70cが形成されている。そして、
図16及び
図17に示すように、1組目〜3組目の3つの第2対向室モジュール70a〜70cにおける第3流体通流室67a〜67c及び第4流体通流室68a〜68cの夫々に第2伝熱フィン64が備えられており、伝熱性能の向上を図っているとともに、第2積層体52の強度の向上を図っている。
図11では、第2伝熱フィン64を省略して図示している。
【0097】
以下、第1流体通流室65及び第2流体通流室66については、複数の第1対向室モジュール69a,69bのどちらの組に属するかに対応して添え字をa,bの何れかを付記する。例えば、1組目の第1対向室モジュール69aに属する第1流体通流室65及び第2流体通流室66は、第1流体通流室65a及び第2流体通流室66aとする。第3流体通流室67及び第4流体通流室68についても、複数の第2対向室モジュール70a〜70cのどの組に属するかに対応して添え字をa〜cの何れかを付記する。
【0098】
再生器1、及び、溶液熱交換器50が、第1積層体51の第1対向室モジュール69にて構成され、蒸発器6、吸収器7、及び、凝縮器5が、第2積層体52の第2対向室モジュール70にて構成されている。具体的には、
図10に示すように、第1積層体51では、再生器1が1組目の第1対向室モジュール69aにて構成されており、溶液熱交換器50が2組目の第1対向室モジュール69bにて構成されている。
図11に示すように、第2積層体52では、凝縮器5が1組目の第2対向室モジュール70aにて構成されており、蒸発器6が2組目の第2対向室モジュール70bにて構成されており、吸収器7が3組目の第2対向室モジュール70cにて構成されている。
【0099】
図10に示すように、第1積層体51では、1組目の第1対向室モジュール69aが上側に配置されており、2組目の第1対向室モジュール69が下方側に配置されている。これにより、1組目の第1対向室モジュール69aにて構成される再生器1を上側に配置し、2組目の第1対向室モジュール69bにて構成される溶液熱交換器50を下方側に配置している。
【0100】
図11に示すように、第2積層体52では、1組目の第2対向室モジュール70aが上側に配置されており、2組目の第2対向室モジュール70bが右下側に配置され、3組目の第2対向室モジュール70cが左下側に配置されている。これにより、1組目の第2対向室モジュール70aにて構成される凝縮器5を上側に配置し、2組目の第2対向室モジュール70bにて構成される蒸発器6を右下側に配置し、3組目の第2対向室モジュール70cにて構成される吸収器7を左下側に配置している。
【0101】
この第2実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、第1積層体51において、第1区画体54にて区画形成される第1流体通流室65と第2区画体56にて区画形成される第2流体通流室66とを連通するための連通室73が複数備えられている。
【0102】
図10に示すように、第1積層体51において、第1区画体54において上側に位置する第1流体通流室65aの右側には、縦長状の第1連通室73aが区画形成されている。この第1連通室73aは、第1連通室73aの上端部が、第1伝熱板55に形成された第2開口部75bを通して、第2区画体56にて上端部に形成された横長状の第2連通室73bの右端部に連通されているとともに、第1連通室73aの下端部が、第1伝熱板55に形成された第1開口部75aを通して、第2区画体56にて上下方向の中間部に形成された横長状の第3連通室73cの右端部に連通されている。
【0103】
また、第1積層体51では、第1区画体54において上側に位置する第1流体通流室65aの左側に、第1区画体54と第2区画体56との間に第1伝熱板55が存在しない部位を有している。これにより、第1区画体54にて形成される区画空間と第2区画体56にて形成される区画空間とが合体した第4連通室73dが備えられている。この第4連通室73dは、第1区画体54によって、上側に位置する第1流体通流室65aに連通されており、上下方向で流体の通流方向が上側と下側とに分岐された流路状に形成されている。
【0104】
図11に示すように、第2積層体52にも、第3区画体59にて区画形成される第3流体通流室67と第4区画体61にて区画形成される第4流体通流室68とを連通させるための複数の連通室73が備えられている。
第4区画体61において上側に位置する第4流体通流室68aと右下側に位置する第4流体通流室68bとの間に、横長状の第5連通室73eが区画形成されている。この第5連通室73eは、第2伝熱板60に形成された複数の第2貫通孔部74bを通して、第3区画体59において右下側に位置する第3流体通流室67bの上端部に連通されている。
第4区画体61において上側に位置する第4流体通流室68aと左下側に位置する第4流体通流室68cとの間に、横長状の第6連通室73fが区画形成されている。この第6連通室73fは、第2伝熱板60に形成された複数の第3貫通孔部74cを通して、第3区画体59において左下側に位置する第3流体通流室67cの上端部に連通されている。
【0105】
また、第3区画体59及び第4区画体61において右下側に位置する第3流体通流室67b及び第4流体通流室68bと第3区画体59及び第4区画体61において左下側に位置する第3流体通流室67c及び第4流体通流室68cとの間には、第3区画体59と第4区画体61との間に第2伝熱板60が存在しない部位を有している。これにより、第3区画体59にて形成される空間と第4区画体61にて形成される空間とが合体した第7連通室73gが備えられている。この第7連通室73gは、第3区画体59によって、右下側に位置する第3流体通流室67b及び左下側に位置する第3流体通流室67cに連通されている。第2伝熱板60が存在しない部位は、上述の部位だけでなく、第3区画体59及び第4区画体61において右下側に位置する第3流体通流室67b及び第4流体通流室68bの下側、及び、第3区画体59及び第4区画体61において左下側に位置する第3流体通流室67c及び第4流体通流室68cの下側も、第2伝熱板60が存在していない。これにより、この第2伝熱板60が存在していない部位も、第3区画体59にて形成される空間と第4区画体61にて形成される空間とが合体した第8連通室73hとなっている。この第8連通室73hは、第3区画体59によって、その左上側に位置する第3流体通流室67cに連通されているとともに、その上側に位置する第7連通室73gにも連通されている。
【0106】
以下、再生器1、凝縮器5、蒸発器6、吸収器7、及び、溶液熱交換器50の夫々の機器について説明する。
【0107】
〔再生器〕
図10に示すように、上側に位置する1組目の第1対向室モジュール69aでは、溶液熱交換器50から流出した吸収液K5を第1流体通流室65aに通流させ、且つ、加熱温水Gを第2流体通流室66aに通流させている。これにより、加熱温水Gにて吸収液K5を加熱して吸収液K5から冷媒蒸気A3を発生させる再生器1が、1組目の第1対向室モジュール69aにて構成されている。
【0108】
第1流体通流室65aに流入される吸収液K5は、第2区画体56において上下方向の中間部に位置する第3連通室73cから、第1積層体51の外部に排出されることなく、第1開口部75aを通して第1区画体54において右端部に位置する第1連通室73aの下端部に流入し、その第1連通室73aの上端部から、第2開口部75bを通して第2区画体56の上端部に位置する第2連通室73bに流入し、その第2連通室73bから、複数の第1貫通孔部74aを通して、第1流体通流室65aの上端部に直接流入されている。これにより、第1流体通流室65aが直接流入用流体通流室として構成されており、溶液熱交換器50から再生器1に吸収液K5を直接流入可能に構成されている。第1流体通流室65aを通流した吸収液K5は、その左端部から、第1流体通流室6aに連通された第4連通室73dに供給されて、その第4連通室73dにて吸収液K5から冷媒蒸気A1が分離される。このようにして、第4連通室33dは、吸収液K1から冷媒蒸気A3を分離させる分離室として構成されており、分離された冷媒蒸気A3は、第4連通室33dの左上端部から、第1排出部72aにより第1積層体51の外部に排出されている。
【0109】
第2流体通流室66aに流入される加熱温水Gは、第1流入部71aにより第2流体通流室66aの右下端部に流入されている。第2流体通流室66aを通流した加熱温水Gは、その右上端部から、第2排出部72bにより第1積層体51の外部に排出されている。
【0110】
〔溶液熱交換器〕
下側に位置する2組目の第1対向室モジュール69bでは、再生器1から流出した吸収液K6を第1流体通流室65bに通流させ、且つ、吸収器7を流出した吸収液K5を第2流体通流室66bに通流させている。これにより、再生器1から流出した吸収液K6にて吸収器5を流出した吸収液K5を加熱する溶液熱交換器50が、2組目の第1対向室モジュール69bにて構成されている。
【0111】
第1流体通流室65bに流入される吸収液K6は、第1区画体54の左側に位置する第4連通室73dを通して、第1積層体51の外部に排出されることなく、第1流体通流室65bの左下端部に流入されている。これにより、第1流体通流室65bが直接流入用流体通流室として構成されており、再生器1から溶液熱交換器50に吸収液K6を直接流入可能に構成されている。第1流体通流室65bを通流した吸収液K6は、その右上端部から、第3排出部72cにより第1積層体51の外部に排出されている。
【0112】
第2流体通流室66bに流入される吸収液K5は、第2流入部71bにより第2流体通流室66bの右下端部に流入されている。第2流体通流室66bを通流した吸収液K5は、その左上端部から第3連通室73cに流入し、その第3連通室73cの右端部から第1開口部75aを通して第1区画体54において右端部に位置する第1連通室73aに流入し、その第1連通室73aから複数の第1貫通孔部74aを通して第1流体通流室65aの上端部に直接流入されている。
【0113】
〔凝縮器〕
図11に示すように、上側に位置する1組目の第2対向室モジュール70aでは、再生器1から流出した冷媒蒸気A3を第3流体通流室67aに通流させ、且つ、吸収器7を流出した冷却水Bを第4流体通流室68aに通流させている。これにより、再生器1から流出した冷媒蒸気A3を冷却水Bにより凝縮させる凝縮器5が、1組目の第2対向室モジュール70aにて構成されている。
【0114】
第3流体通流室67aに流入させる冷媒蒸気A3は、第3流入部71cにより第3流体通流室67aの左上端部に流入されている。第3流体通流室67aを通流した冷媒蒸気A3は、冷媒液A4となって、第3流体通流室67aの右下端部から、第2積層体52の外部に排出されることなく、第4区画体61において右側で上下方向の中間部に位置する第5連通室73eに流入し、その第5連通室73eから、複数の第2貫通孔部74bを通して、第3区画体59において右下側に位置する第3流体通流室67bの上端部に直接流入されている。
【0115】
第4流体通流室68aに流入させる冷却水Bは、第4流体通流室68cとの連通により、第2積層体52の外部に排出されることなく、第4流体通流室68aの左下端部に直接流入されている。これにより、第4流体通流室68aが直接流入用流体通流室として構成されており、吸収器7から凝縮器5に冷却水Bを直接流入可能に構成されている。第4流体通流室68aを通流した冷却水Bは、その右上端部から、第4排出部72dにより第2積層体12の外部に排出されている。
【0116】
〔蒸発器〕
右下側に位置する2組目の第2対向室モジュール70bでは、凝縮器5を流出した冷媒液A4を第3流体通流室67bに通流させ、且つ、冷熱用水Eを第4流体通流室68bに通流させている。これにより、凝縮器5を流出した冷媒液A4を冷熱用水Eにより蒸発させる蒸発器6が、2組目の第2対向室モジュール70bにて構成されている。
【0117】
第3流体通流室67bに流入させる冷媒液A4は、第3区画体59において上側に位置する第3流体通流室67aから、第2積層体52の外部に排出されることなく、第4区画体61において右側で上下方向の中間部に位置する第5連通室73eの右端部に流入し、その第5連通室73eから複数の第2貫通孔部74bを通して第3流体通流室67bの上端部に流入されている。これにより、第3流体通流室67bが直接流入用流体通流室として構成されており、凝縮器5から蒸発器6に冷媒液A4が直接流入可能に構成されている。第3流体通流室67bを通流した冷媒液A4は、冷媒蒸気A3となって、その左端部から、第7連通室73gを通して、第3流体通流室67cに直接流入されている。
【0118】
第4流体通流室68bに流入させる冷熱用水Eは、第4流入部71dにより第4流体通流室68bの右下端部に流入されている。第4流体通流室68bを通流した冷熱用水Eは、その右上端部から第6排出部72fにより第2積層体52の外部に排出されている。
【0119】
〔吸収器〕
左下側に位置する3組目の第2対向室モジュール70cでは、溶液熱交換器50を流出した吸収液K6及び蒸発器6を流出した冷媒蒸気A3を第3流体通流室67cに通流させ、且つ、冷却水Bを第4流体通流室68cに通流させている。これにより、溶液熱交換器50を流出した吸収液K6に蒸発器6を流出した冷媒蒸気A3を吸収させる吸収器7が、3組目の第2対向室モジュール70cにて構成されている。
【0120】
第3流体通流室67cに流入させる吸収液K6は、第5流入部71eにより第4区画体61において左側で上下方向の中間部に位置する第6連通室73fに流入し、その第6連通室73fから複数の第3貫通孔部74cを通して、第3流体通流室67cの上端部に流入されている。また、第3流体通流室67cに流入させる冷媒蒸気A3は、第3区画体59において右下側に位置する第3流体通流室67bから、第2積層体52の外部に排出されることなく、第7連通室73gを通して、第3流体通流室67cに流入されている。そして、第3流体通流室67cを通流する吸収液K6に冷媒蒸気A3が吸収されている。また、第3流体通流室67cの下側に位置する第8連通室73hには、吸収液K6に冷媒蒸気A3が吸収された吸収液K5が溜められており、その吸収液K5が、第8連通室73hの下端部から、第5排出部72eにより第2積層体52の外部に排出されている。
【0121】
第4流体通流室68cに流入させる冷却水Bは、第6流入部71fにより第4流体通流室68cの左下端部に流入されている。第4流体通流室68cを通流した冷却水Bは、その左上端部から第4流体通流室68aに直接流入されている。
【0122】
この
参考形態においても、上記第1実施形態と同様に、第1積層体51において、第1追加区画体及び第1追加伝熱板の第1単位追加体を追加して積層自在に構成されている。第2積層体52において、第2追加区画体及び第2追加伝熱板の第2単位追加体を追加して積層自在に構成されている。
【0123】
このようにして、第1積層体51と第2積層体52とによって、再生器1、凝縮器5、蒸発器6、吸収器7、溶液熱交換器50を構成することができる。そこで、単効用吸収式冷凍機101を構成するに当たり、
図12に示すように、第1積層体51と第2積層体52とを積層して、第1積層体51の流入部や排出部と第2積層体52の排出部や流入部との接続や溶液ポンプP1の装着を行うことで、単効用吸収式冷凍機101を製造するようにしている。
【0125】
<別実施形態>
(
1)上記第
1実施形態では、第1積層体の製造方法として、第1外板、第1区画体、第1伝熱板、第2区画体、第2外板を順に積層してロウ付けにより互いを接着させて製造しているが、例えば、第1外板、第1区画体、第1伝熱板、第2区画体、第2外板を順に積層してパッキン等により互いに接合することもできる。このようにパッキン等により接合すると、第1積層体を分解して点検作業を行うことが可能となる。
また、第2積層体についても、第1積層体と同様に、パッキン等により接合することもできる。
【0126】
(
2)上記第
1実施形態において、第1積層体にて形成する第1対向室モジュールの数、及び、第2積層体にて形成する第2対向室モジュールの数については、適宜変更が可能であり、上記第
1実施形態にて示したものに限るものではない。
【0127】
(
3)上記第
1実施形態では、吸収器7に冷却水Bを供給して吸収液と冷媒蒸気とを混合させているが、例えば、吸収器に戻す吸収液を冷却水等の冷却用流体にて冷却させる溶液冷却用熱交換器を吸収器とは別に備え、その溶液冷却用熱交換器を流出した吸収液を吸収器に供給してその吸収液と冷媒蒸気とを混合させることもできる。この場合には、溶液冷却用熱交換器も第1積層体に形成される第1対向室モジュール又は第2積層体に形成される第2対向室モジュールにて構成することができる。