(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
駐車場入口で入場する車両に入場時刻を記録した駐車券を発行する駐車券発行機と、駐車場入口で車両のナンバーを撮像するシステムと、駐車スペースに駐車した車両のナンバーを撮像するカメラと、駐車場内や駐車場の近隣で駐車料金の精算が可能な事前精算機と、駐車場入口の車両のナンバーの画像と駐車スペースに駐車した車両のナンバーの画像を少なくとも一時的に保管するサーバと、車両のナンバー画像からナンバー情報を読み取るナンバー読み取りシステムと、駐車場内のメイン走路から分岐するサブ走路との分岐位置近傍に設けられた走路誘導案内装置と、駐車場内のサブ走路の周囲に配置された複数の駐車スペースを一箇所づつ、若しくは複数箇所づつのブロックでその近傍に設けられて空き駐車スペースの有無を表示する駐車スペース誘導案内装置と、少なくとも当該走路誘導案内装置と駐車スペース誘導案内装置および事前精算機の状態を一括管理する管理PCと、を有する駐車スペース誘導システムであって、
前記ナンバー情報に紐付けして駐車スペースの各々の駐車位置情報を記録し、前記事前精算機で事前精算済みの車両の駐車スペースに対して、前記管理PCは出庫候補駐車スペースとして認識し、前記走路誘導案内装置および前記駐車スペース誘導案内装置の表示方法を変化させて知らせる出庫候補表示出力制御手段を有することを特徴とする駐車スペース誘導システム。
前記走路誘導案内装置には、その近傍のサブ走路の出庫候補駐車スペースの数を表示する機能を備えていることを特徴とする請求項1に記載の駐車スペース誘導システム。
前記出庫候補表示出力制御手段は、駐車スペース誘導案内装置に接続された駐車スペースの一つでも空きがあれば空車状態表示を出力し、前記駐車スペース誘導案内装置に接続された駐車スペースの全てが駐車中であれば満車状態表示を出力し、前記駐車スペース誘導案内装置に接続された駐車スペースの一つでも出庫候補駐車スペースがあれば出庫候補表示を出力することを特徴とする請求項1又は2に記載の駐車スペース誘導システム。
前記空車状態表示は前記駐車スペース誘導案内装置を第一の表示状態と成し、前記満車状態表示は前記駐車スペース誘導案内装置を第二の表示状態と成し、前記出庫候補表示は前記駐車スペース誘導案内装置を第三の表示状態と成すことを特徴とする請求項3に記載の駐車スペース誘導システム。
前記走路誘導案内装置にはその近傍のサブ走路の出庫候補駐車スペースの数を表示するに当たり、予め設定した整数値を閾値とし、当該閾値より前記出庫候補駐車スペースの数が増加した場合に、前記出庫候補駐車スペースの数から前記閾値を差し引いた数値を元に表示することを特徴とする請求項2に記載の駐車スペース誘導システム。
前記走路誘導案内装置が設置されたメイン走路から分岐するサブ走路の入口と出口に通過する車両を感知する走路感知手段を設け、前記出庫候補駐車スペースの数から前記サブ走路の走路感知手段により認識されるサブ走路に進入した車両を空き駐車スペース待ち車両と認識し、前記走路誘導案内装置の前記出庫候補駐車スペースの数を表示するに当たり、前記出庫候補駐車スペースの数から前記空き駐車スペース待ち車両の数を差し引いた数値を元に表示することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の駐車スペース誘導システム。
前記走路誘導案内装置には音声出力手段を設け、少なくともその近傍のサブ走路に前記出庫候補駐車スペースの表示数が1以上の場合には、当該出庫候補駐車スペースへの進行を促す音声案内を出力することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の駐車スペース誘導システム。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係る駐車スペース誘導システムの実施の形態を図面と共に説明すると、
図1は本発明の実施例に係る駐車スペース誘導システムが利用される大規模駐車場の概要図である。この実施例はショッピングセンター等の建物の地下1階の自走式の駐車場10を示したものであり、図示しないスロープのアプローチで、地上1階から接続された車両の入口20と出口30が設置され、入口20には駐車券発行機21と入口ゲート開閉機22(
図2参照)が設置され、出場口30には出口精算機31と出口ゲート開閉機32(
図2参照)が設置されていて、建物内の数箇所(例えば階段踊り場、各階のエレベータホール等)に複数の事前精算機60…(図面には1箇所のみ記載)が配備されている。
【0025】
また、複数の事前精算機60…の近傍の建物内の数箇所には、やはり複数の場内案内端末90…(図面には1箇所のみ記載)が配備され、駐車場レイアウトの表示や、ショッピングセンターの各フロアガイドなどが表示されているが、これは利用者の検索したい店名や、利用ガイドや、安売り情報など、様々な情報を表示することが出来る高機能な案内端末である。
【0026】
駐車場10内には、多数の駐車スペースTS…が区画されているが、夫々の駐車スペースTS…にはA1〜A9,H1〜H9といった様な駐車スペース番号が割り振られている。さらに駐車場10内には場内を走行する車両が往来するメイン走路と、メイン走路から枝分かれした一方通行のサブ走路が複数設けられている。メイン走路は
図1中の左右に2本が上下方向に施設され、サブ走路は
図1中の左右方向に4本が施設されている。また、サブ走路は図の上から交互の方向の一方通行(白矢印で表示)の走路となっている。
【0027】
多数の駐車スペースTS…は、
図1中で太線で示した様にそれぞれ3区画づつにブロック区画分けされた、多数の駐車スペースCB…によって構成されている。また、夫々の駐車ブロックCB毎に、駐車ブロック誘導案内装置80が、夫々の駐車ブロックCBの柱XZ(
図3参照)等に設置されている。さらに、メイン走路上のサブ走路SRとの分岐部には、天井から吊り下げられた走路誘導案内装置70(
図13参照)が設置され、各駐車スペースTS…には夫々天井配線具XVから吊り下げられた超音波式の駐車位置センサ50…(
図2、
図3参照)が、その駐車スペースTSの数の分だけ設置され、更に、メイン走路MRとサブ走路SRの天井には、各駐車ブロックCB毎に駐車スペース撮像用カメラ51…(
図1、
図2、
図3参照)が、駐車ブロックCBの数の分だけ設置されている。
【0028】
図2は、本発明の一実施例に係る駐車スペース誘導システムの要部の機器構成を示し、駐車スペース誘導システムが実施されている駐車場10の入口20と出口30、および一部駐車場10内部の機器構成を示す機器構成図である。
図2において、本発明の実施形態による駐車スペース案内システムが設置された駐車場10には、駐車場10に入場する車両CRLが通過する入場車路20A、駐車場10から出場する車両CRTが通過する出場車路30A、および駐車場10内において入場車両CRL…を駐車させる符号CEで全体的に示した駐車エリアが設けられ、さらに駐車エリアCE内には複数の駐車ブロックCB…と、夫々の駐車ブロックCBに3個づつの駐車スペースTS…が設けられている。また、入場車路20Aの両側にはアイランド20L,20Rがそれぞれ設けられている。出場車路30Aの両側にもアイランド30L,30Rがそれぞれ設けられている。
【0029】
更に、本発明に係る駐車スペース案内システムは、
図2に示すように、第1の入口ループコイル23A、第2の入口ループコイル23B、発光部24Aと受光部24Bとを有する入口トリガーセンサ、駐車券発行機21、入口ゲート開閉機22、および入口撮像装置25を備えている。第1の入口ループコイル23Aおよび第2の入口ループコイル23Bは入場車路20Aに埋設されている。また、入口トリガーセンサの受光部24B、駐車券発行機21、入口ゲート開閉機22、および入口撮像装置25は、入場車路20Aの車両進行方向右側のアイランド20R上に、車両進行方向に対して、この順番で設置されている。一方、入口トリガーセンサの発光部24Aは、入場車路20Aの車両進行方向左側のアイランド20L上において、上記の受光部24Bと対向する位置に設置されている。
【0030】
上述した第1の入口ループコイル23Aは、入場車両CRLの金属部分を検知するセンサとして機能する。入場車両CRLが第1の入口ループコイル23A上に達すると、第1の入口ループコイル23Aから出力される高周波信号が変化する。また、第1の入口ループコイル23Aはケーブル等を介して駐車券発行機21に接続されており、第1の入口ループコイル23Aから出力される高周波信号は駐車券発行機21に入力される。上述した第2の入口ループコイル23Bも第1の入口ループコイル23Aと同様の機能を有する。
【0031】
上記の駐車券発行機21は、第1の入口ループコイル23Aから出力される高周波信号の変化を検出することにより、入場車両CRLが入場車路20Aに進入したことを認識し、これに応じて駐車券(図示しない)の発行処理等を行う。駐車券発行機21により発行された駐車券を利用者が抜き取ったとき、駐車券発行機21はゲート開信号を出力する。即ち、駐車券発行機21は入口ゲート開閉機22にケーブル等を介して接続されており、駐車券発行機21から出力されたゲート開信号は入口ゲート開閉機22に入力され、入口ゲート開閉機22はゲート開信号に従って入口ゲートバー22Tを上げる。その後、入場車両CRLが入場車路20Aを進行して、入場車路20Aを通過し切ったとき、駐車券発行機21は、その旨を、第2の入口ループコイル23Bから出力される高周波信号の変化を検出することにより認識し、ゲート閉信号を入口ゲート開閉機22に出力する。これに応じ、入口ゲート開閉機22は入口ゲートバー22Tを下げる。
【0032】
また、入口撮像装置25は入口トリガーセンサ24Bおよび駐車券発行機21とそれぞれケーブル等を介して接続されている。入口撮像装置25は、駐車券発行機21からトリガー受付許可信号を受け取ってから、トリガー受付禁止信号を受け取るまでの間に限り、入口トリガーセンサ24Bからトリガー信号を受信したタイミングで入場車両CRLのナンバープレートNP(
図4参照)を撮像する。トリガー信号は、入口トリガーセンサの発光部24Aから受光部24Bに向けて発せられている赤外線ビームが、入場車両CRLにより遮られたときに出力される。また、入口撮像装置25は、ナンバープレートNPの撮像により得られたナンバープレート画像に対して画像認識処理を行い、入場車両CRLの車両ナンバーを認識し、この認識した車両ナンバー(車両特定情報)を駐車券発行機21に出力する。
【0033】
更に、本発明に係る駐車スペース案内システムは、
図2に示すように、第1の出口ループコイル33A、第2の出口ループコイル33B、発光部34Aと受光部34Bとを有する出口トリガーセンサ、出口精算機31、出口ゲート開閉機32、および出口撮像装置35を出場車路30Aに備えている。第1の出口ループコイル33Aおよび第2の出口ループコイル33Bは出場車路30Aに埋設されている。また、出口トリガーセンサの受光部34B、出口精算機31、出口ゲート開閉機32、および出口撮像装置35は、出場車路30Aの車両進行方向右側のアイランド30R上に、車両進行方向においてこの順番で設置されている。さらに、出口トリガーセンサの発光部34Aは、出場車路30Aの車両進行方向左側のアイランド30L上において、受光部34Bと対向する位置に設置されている。
【0034】
第1の出口ループコイル33Aは、前述した第1の入口ループコイル23Aと同様な機能を有し、出口精算機31にケーブル等を介して接続されており、第1の出口ループコイル33Aから出力される高周波信号は出口精算機31に入力される。第2の出口ループコイル33Bも第1の出口ループコイル33Aと同様の機能を有する。
【0035】
上述した出口精算機31は、第1の出口ループコイル33Aから出力される高周波信号の変化を検出することにより、出場車両CRTが出場車路30Aに進入したことを認識し、これに応じて精算処理等を行う。精算処理が完了したとき、出口精算機31は出口ゲート開閉機32に対してゲート開信号を出力する。出口精算機31は出口ゲート開閉機32にケーブル等を介して接続されており、出口精算機31から出力されたゲート開信号は出口ゲート開閉機32に入力され、出口ゲート開閉機32はゲート開信号に従って出口ゲートバー32Tを上げる。その後、出場車両CRTが出場車路30Aを進行して、出場車路30Aを通過し切ったとき、出口精算機31は、その旨を、第2の出口ループコイル33Bから出力される高周波信号の変化を検出することにより認識し、ゲート閉信号を出口ゲート開閉機32に出力する。これに応じて出口ゲート開閉機32は出口ゲートバー32Tを下げる。
【0036】
また、上記の出口撮像装置35は、出口トリガーセンサの受光部34Bおよび出口精算機31とそれぞれケーブル等を介して接続されている。この出口撮像装置35は、出口精算機31からトリガー受付許可信号を受け取ってからトリガー受付禁止信号を受け取るまでの間に限り、出口トリガーセンサ34Bからトリガー信号を受け取ったタイミングで出場車両CRTのナンバープレートNPの撮像を行う。尚、トリガー信号は、上記の出口トリガーセンサの発光部34Aから受光部34Bに向けて発せられている赤外線ビームが、出場車両CRTにより遮られたときに出力される。
【0037】
次に、本発明に係る駐車スペース案内システムは前述した事前精算機60…を備えている。事前精算機60…は、
図1に示すように駐車場10内において、例えば利用者用の通路やエレベータホール等、これから出場しようとする利用者が利用しやすい場所に複数設置されている。これから出場しようとする利用者は事前精算機60により駐車料金の精算を行うことができ、事前精算機60により精算を済ませた後は、出場時に出口精算機31により精算を行う必要がなくなる。
【0038】
また、本発明に係る駐車スペース案内システムは、
図2に記載の如く管理用パーソナルコンピュータ(管理PC41)、駐車場サーバ42、データベース43、場内案内サーバ44を備えている。これ等管理PC41、駐車場サーバ42およびデータベース43は、駐車場10内に設けられた管理室40内に設けられている。管理PC41は、駐車券発行機21、入口撮像装置25、出口精算機31、出口撮像装置35および各事前精算機60…と、ケーブルを介してそれぞれ接続されており、管理PC41、駐車券発行機21、入口撮像装置25、出口精算機31、出口撮像装置35、各場内案内端末90…および各事前精算機60…により、LAN(LocalAreaNetwork)100が形成されている。なお、図中49はハブであり、各所に適宜設置されている。
【0039】
これにより、上記の管理PC41、駐車券発行機21、入口撮像装置25、出口精算機31、出口撮像装置35、各場内案内端末90…および各事前精算機60…は、それぞれ相互に情報通信を行うことができる。また、上記のデータべース43には、契約車の車両ナンバーが記憶されており、管理PC41および駐車場サーバ42は必要に応じてデータベース43に記憶された契約車の車両ナンバーを参照することができる。更に、管理PC41または駐車場サーバ42等には、駐車中の車両CRの車両ナンバーとそれに関連する駐車情報、例えば駐車券番号・入場時刻などが記憶され、事前精算が済んだ車両CRの車両ナンバー、出場済みの出場車両CRTの駐車券番号等も記憶される。
【0040】
さらに、本発明の駐車スペース案内システムは、
図2と
図3に示すように、駐車エリアCEの各駐車スペースTS…毎に、駐車スペースTS…の数だけ設置された多数の超音波式の駐車位置センサ50…と、駐車場各フロアの要所毎に設置された複数の駐車スペース撮像カメラ51…を有しており、これらも駐車スペース誘導制御装置47や専用のシリアル通信ライン41Hで構築されたネットワークを介して通信制御装置45に接続され、最終的に管理PC41に接続されている。
【0041】
(駐車券発行機21の構成)
図5は前述した駐車券発行機21の構造を示している。
図5に示すように、駐車券発行機21は、CPU(CentralProcessingUnit)21Aおよびメモリ21Bを有し、これらはバス21Cを介して相互に接続されている。更に、駐車券発行機21は、カードリーダ/ライタ21E、駐車券発行釦21F、設定器21G、車両センサ21H、I/O信号端子(入出力端子)21J、表示器21K、スピーカ21L、インターホン21M、第1の通信部21N、第2の通信部21P等を備え、これらはインターフェース21Dおよびバス21Cを介してCPU21A及びメモリ21Bに接続されている。また、車両センサ21Hは、当該駐車券発行機21が設置された入場車路20A(
図2参照)に埋設された第1の入口ループコイル23A、および、第2の入口ループコイル23Bにそれぞれ接続されている。更に、第1の通信部21NはLAN100に接続され、第2の通信部21Pは当該駐車券発行機21が設置された入場車路20Aに配置された入口撮像装置25に接続され、I/O信号端子21Jは当該駐車券発行機21が設置された入場車路20Aに配置された入口ゲート開閉機22に接続されている。
【0042】
(出口精算機31・事前精算機60の構成)
図6は出口精算機31および事前精算機60の構造を示している。
図6に示すように、出口精算機31は、CPU31Aおよびメモリ31Bを有し、これらはバス31Cを介して相互に接続されている。更に、出口精算機31は、カードリーダ/ライタ31E、表示器31F、設定器31G、車両センサ31H、I/O信号端子(入出力端子)31J、取消釦31K、領収証発行釦31L、インターホン31M、領収証プリンタ31N、コインセレクタ31P、硬貨払い出し装置31Q、紙幣リーダ31R、スピーカ31S、ドア開センサ31T、第1の通信部31U、第2の通信部31V等を備え、これらはインターフェース31Dおよびバス31Cを介してCPU31Aおよびメモリ31Bに接続されている。
【0043】
また、上記の車両センサ31Hは、当該出口精算機31が設置された出場車路30Aに埋設されている第1の出口ループコイル33Aおよび第2の出口ループコイル33Bにそれぞれ接続されている。更に、第1の通信部31UはLAN100に接続され、第2の通信部31Vは当該出口精算機31が設置された出場車路30Aに配置された出口撮像装置35に接続され、I/O信号端子31Jは当該出口精算機31が設置された出場車路30Aに配置された出口ゲート開閉機32に接続されている。
【0044】
一方、事前精算機60は、出口精算機31と類似する構成を有する。すなわち、事前精算機60は、
図6に示す出口精算機31が有する構成要素のうち、車両センサ31H、I/O信号端子31Jおよび第2の通信部31Vから成る専用要素EX以外の構成要素を備え、更に、精算開始釦60Gおよび人感センサ60Sを備えている。
【0045】
(駐車スペース撮像用カメラ51の構成)
図7は駐車スペース撮像用カメラ51の構造を示している。
図7に示すように、駐車スペース撮像用カメラ51は、CPU51Aおよびメモリ51Bを有し、これらはバス51Cを介して相互に接続されている。更に、駐車スペース撮像用カメラ51は、撮像部51E、パン・チルト・ズーム駆動部51F、パン・チルト・ズーム検出部51G、画像送信部51H、データ送受信部51Jを備え、これらはインターフェース51Dおよびバス51Cを介してCPU51Aおよびメモリ51Bに接続されている。また、上記の画像送信部51Hとデータ送受信部51JはLAN100に接続され、当該駐車スペース撮像用カメラ51の画像と情報を前述した管理PC41との間で送受信できるようにネットワーク構成が成されている。
【0046】
図3は駐車場10の一つの駐車ブロックCBの外観を示している。
図3は
図1で示した駐車場10の平面図中の一つのサブ走路のD1〜D3で示した駐車スペースTS…と、3つの駐車スペースTS…で構成された一つの駐車ブロックCBを例示している。天井には天井配線具XVが吊り下げされて複数の駐車ブロックCB…を縦断している。また、各駐車スペースTS…上には各々超音波式の駐車位置センサ50…が設置されて、その下方の駐車車両CRの有無を検知して、前述のシリアル通信ライン41Hを介して駐車場サーバ42等に在車情報を送信する様になっている。
【0047】
また、駐車ブロックCB毎の境界には柱XZが立設され、その柱XZ毎に駐車スペース誘導案内装置80…が設置されている。駐車スペース誘導案内装置80は「まねき灯」と呼ばれ、駐車ブロックCB中に一台でも空き駐車スペースTSがあれば、その状況が遠くからでも視認出来るように、LED照明などをある色で点灯表示させている。例えば、3台分のうちの一つでも駐車スペースTSに空きがあれば、緑色のLEDを点灯させ、3つの駐車スペースTS…とも在車中であれば、赤色のLEDが点灯するようになっている。これらの制御は、
図2に示した駐車スペース誘導制御装置47に予めロジック回路が搭載され、そのロジックに従って表示状態を変化させているが、後述する通り管理PC41からその表示を強制的に切り替え制御できる仕組みも有している。
【0048】
また、
図1や
図2では駐車エリアCEのメイン走路とサブ走路の要所毎にカメラ51…が多数設置されているが、各々が前述した駐車スペース撮像用カメラ51であり、各駐車ブロック毎に1台づつ設置され、ハブ49を経由してLAN100により管理PC41に接続されている。
【0049】
駐車場10内や、建物内の他のフロアの例えばエレベータホールなどの多くの利用者が通過する箇所には、複数の事前精算機60…が配備されており、利用者が駐車した駐車車両CRに戻る前に料金精算処理を済ませておけば、出口車路30Aに進行した際に精算処理が不要となり、出口渋滞の様な事態を回避できる様に成っている。
【0050】
(入場・出場処理の説明)
図4は本発明の実施例に係る駐車スペース案内システムの入場車路20Aに進入する入場車両CRLの状態を示した説明図であり、図中2Hは
図2に示す入口撮像装置25が常時撮像のために監視している撮像エリアを示している。また、
図8は本発明の実施例に係る駐車スペース案内システムの、入場車路20Aに設けられた上記各装置の動作フローを示したものであって、先ず駐車券発行機21の動作を
図2並びに
図5の記載と共に説明すると、駐車券発行機21は、第1の入口ループコイル23Aから出力される高周波信号を監視している。入場車路20Aに進入した入場車両CRLが第1の入口ループコイル23A上に達すると、第1の入口ループコイル23Aから出力される高周波信号が変化する。駐車券発行機21はステップS1でこの高周波信号の変化を車両センサ21Hで検出し、入場車両CRLが入場車路20Aに進入したことを認識する。
【0051】
続いて、駐車券発行機21は、ステップS2でトリガー受付許可信号を入口撮像装置25に出力する。トリガー受付許可信号を受け取った入口撮像装置25は、トリガーセンサから出力されるトリガー信号を待つ。入場車両CRLが入口トリガーセンサの発光部24Aから受光部24Bに発せられている赤外線ビームを遮ったとき、トリガーセンサからトリガー信号が出力される。これに応じ、入口撮像装置25は入場車両CRLのナンバープレートNPを撮像し、これにより得られたナンバープレート画像に対して画像認識処理を行い、入場車両CRLの車両ナンバーを認識し、ステップS3でこの認識した車両ナンバー(車両特定情報)を駐車券発行機21に出力する。
【0052】
更に、入口撮像装置25は、認識した車両ナンバーを管理PC41に送信し、当該車両ナンバーの付された入場車両CRLが契約車(駐車場等の定期利用契約をしている利用者の車両)か否かを管理PC41に問い合わせ、管理PC41からの返答に基づいて、当該車両ナンバーの付された入場車両CRLが契約車か否かを示す認識結果情報を生成し、この認識結果情報を駐車券発行機21に送信する。駐車券発行機21は入口撮像装置25から車両ナンバーおよび認識結果情報を受信し、続いて、駐車券発行機21は、ステップS4に進んで認識結果情報に基づいて入場車両CRLが契約車であるか否かを判断する。入場車両CRLが契約車でない場合には、ステップS5に進んで駐車券発行機21は、例えば「釦を押して駐車券をお取り下さい。」などの音声ガイドをスピーカ21Lから出力し、同時に、表示器21Kに文字やアニメーションでその旨を表示出力する。
【0053】
一方、駐車場等の定期利用契約をしていない利用者が、ステップS6で駐車券発行機21の駐車券発行釦21Fを押下すると、これがCPU21Aによって認識される。これに応じて、駐車券発行機21は、新しい駐車券(図示せず)を利用者に発行する。
【0054】
駐車券発行機21は、ステップS7で上記の新しい駐車券の発行を例えば次のように行う。すなわち、通常の駐車券は、紙製の磁気式駐車券であり、例えば表面に磁気ストライプ部が形成された紙片により構成されている。磁気ストライプ部には情報を符号化して記録することができ、記録した情報を消去し、書き換えることができる。
【0055】
新しい駐車券として発行する前の駐車券には、磁気ストライプ部には入場情報も出場情報も記録されていない。駐車券発行機21は、このような駐車券の磁気ストライプ部に、IDコードや、駐車券番号や、今回の駐車場利用に係る入場情報(車両入場年月日および時分)、および今回の入場車両CRLの車両ナンバー等が記録される。
【0056】
また上記の駐車券には、当該駐車券が今回の駐車場利用に係る駐車券として駐車場10で使用可能であることを視認可能に示す駐車場10の番号(駐車場No)、車両入場年月日および車両入場時分が印字されている。また、入口撮像装置25から受け取った入場車両CRLの車両ナンバーは、入場車両CRLのナンバープレートNPに実際に記載されたすべての情報でなく、例えば4桁の一連番号だけを抽出して駐車券に記録・印字してもよい。
【0057】
ステップS8で利用者が駐車券を駐車券発行機21から抜き取ったのを検出したとき、続いて、ステップS9に進んで駐車券発行機21は入口ゲート開閉機22にゲート開信号を出力し、入口ゲート開閉機22のゲートバー22Tを上げる。続いて、入場車両CRLは、入場車路20Aを駐車場エリアCEに向けて通過する間、まず第2の入口ループコイル23B上に達し、次に第2の入口ループコイル23B上から離れる。駐車券発行機21は、この間において第2の入口ループコイル23Bから出力される高周波信号の変化を検出し、ステップS10で入場車両CRLが入場車路20Aを通過し切ったことを認識する。
【0058】
続いて、駐車券発行機21は、ステップS11で入口ゲート開閉機22にゲート閉信号を出力し、入口ゲート開閉機22のゲートバー22Tを下げる。次いで、駐車券発行機21は、ステップS12で入口撮像装置25にトリガー受付禁止信号を出力すると共に、今回発行した駐車券の駐車券番号、今回の駐車場利用に係る車両入場年月日、車両入場時分、車両ナンバー等を管理PC41に送信する。そして、これらの情報は必要に応じて管理PC41から出口精算機31、事前精算機60等に配信される。
【0059】
なお、入場車両CRLが契約車である場合には、駐車券発行機21は駐車券を発行せず、直ちに入口ゲート開閉機22を制御してゲートバー22Tを上げる。また、利用者がステップS6で駐車券発行釦を押下せずに、ステップS13で定期券を駐車券発行機21に挿入した場合には、駐車券発行機21はその定期券を読み取り、所定の処理(有効日付の確認等)を行った後、この定期券を駐車券発行機21の挿入口(図示せず)へ返却し、その定期券を利用者が抜き取ったのを検出してからゲートバー22Tを上げる。
【0060】
定期券は駐車場等の定期利用契約をした利用者に渡されるものであり、このような利用者の入場車両CRLは契約車として直ちに入場が許されるのであるが、ナンバープレートNPの撮像が違法なナンバー目隠しフィルタの装着などでうまくいかなかった場合や、契約後初めて入場する場合などの例外的な場合には、利用者は定期券を駐車券発行機21に挿入し、返却を受けてから入場する。
【0061】
出場車路30Aの状態は
図4で示した入場車路20Aとほぼ同じ構成であるが、駐車券発行機21に変わって出口精算機31が設置されている。
図9は本発明の実施例に係る駐車スペース案内システムの出場車路30Aにおける動作フローを示したものである。また、先ず駐車券を利用して駐車料金の精算を行う場合における出口精算機31の動作について、
図2の記載と共に説明すると、出口精算機31は、ステップS21で第1の出口ループコイル33Aから出力される高周波信号を監視している。出場車路30Aに進入した出場車両CRTが第1の出口ループコイル33A上に達すると、第1の出口ループコイル33Aから出力される高周波信号が変化する。出口精算機31はこの高周波信号の変化を車両センサ31Hにより検出し、出場車両CRTが出場車路30Aに進入したことを認識する。
【0062】
続いて、出口精算機31は、ステップS22でトリガー受付許可信号を出口撮像装置35に出力する。トリガー受付許可信号を受け取った出口撮像装置35は、入口撮像装置25と同様の動作を行って出場車両CRTのナンバープレートNPを撮像し、これにより得られたナンバープレート画像に対して画像認識処理を行い、出場車両CRTの車両ナンバーを認識し、この認識した車両ナンバー情報をステップS23で出口精算機31に出力する。更に、出口撮像装置31は、認識した車両ナンバーを管理PC41に送信し、ステップS24で当該車両ナンバーの付された出場車両CRTが、契約車(定期車)か、又は、事前精算機60により精算済みの車両(以下、これを「精算済み一般車」という)か、又は、契約車でも精算済み一般車でもない車両(以下、これを「未精算一般車」という。)か等を管理PC41に問い合わせる。
【0063】
そして、出口撮像装置31は、管理PC41からの返答に基づいて、当該車両ナンバーの付された出場車両CRTが契約車か、精算済み一般車両か、未精算一般車かを示す認識結果情報を生成し、この認識結果情報を出口精算機31に送信する。出口精算機31は出口撮像装置35から車両ナンバーおよび認識結果情報を受信し、続いて、出口精算機31は、認識結果情報に基づいて出場車両が契約車か、精算済み一般車両か、未精算一般車かを判断する。出場車両CRTが未精算一般車である場合には、出口精算機31は、次のステップS25で例えば「駐車券を入れて精算して下さい」などの音声ガイドをスピーカ31Sから出力し、同時に表示器31Fに文字やアニメーションでその旨を表示出力する。
【0064】
出場車両CRTが未精算一般車であると判断された場合、利用者は、ステップS26で今回の駐車場利用に係る駐車券を出口精算機31の挿入口(図示せず)に挿入し、出口精算機31はこの駐車券を受け取り、当該駐車券を受け取った出口精算機31は、ステップS27で駐車料金の精算処理を行う。具体的には、出口精算機31は、当該駐車券の磁気ストライプ部に記録された車両入場年月日および車両入場時分を読み取り、これらを現在時刻と比較して駐車時間を算出し、予め設定された料金体系に従って駐車料金を算出し、その駐車料金の支払いを利用者に要求し、利用者からこの駐車料金の支払いを受ける。
【0065】
続いて、ステップS29に進んで、出口精算機31は出口ゲート開閉機32にゲート開信号を出力し、出口ゲート開閉機32Tのゲートバーを上げる。続いて、出場車両CRTは、出場車路30Aを駐車場外に向けて通過する間、まず第2の出口ループコイル33B上に達し、次に第2の出口ループコイル33B上から離れる。出口精算機31は、この間において次のステップS30に進んで、第2の出口ループコイル33Bから出力される高周波信号の変化を検出し、出場車両CRTが出場車路30Aを通過し切ったことを認識する。
【0066】
続いて、次のステップS31に進んで、出口精算機31は、出口ゲート開閉機32にゲート閉信号を出力し、出口ゲート開閉機32のゲートバー32Tを下げる。続いて、出口精算機31は、ステップS32で出口撮像装置35にトリガー受付禁止信号を出力すると共に、今回精算した駐車券の駐車券番号、今回の駐車場利用に係る精算年月日、精算時分、車両ナンバー等を管理PC41に送信する。管理PC41は、今回精算した駐車券番号を、出場済み駐車券番号として管理PC41または駐車場サーバ42等に登録する。また、出場済み駐車券番号を出口精算機31及び事前精算機60に送信して、保持させてもよい。
【0067】
尚、ステップS24で出場車両CRTが契約車であると判断された場合には、出口精算機31は精算処理を行わずにステップS29に進んで、直ちに出口ゲート開閉機32を制御してゲートバー32Tを上げる。また、出場車両CRTが、事前精算機60により精算済みの車両である精算済み一般車であると判断された場合には、出口精算機31は、同様にステップS29に進んで精算処理を行わずに直ちに出口ゲート開閉機32を制御してゲートバー32Tを上げる。
【0068】
もっとも、ナンバープレートNPの撮影がうまくいかなかった場合など例外的な場合として、事前精算機60により精算を済ませたにもかかわらず、出口精算機31が利用者に
図8に記載の駐車券の挿入を要求する場合がある。この場合には、利用者は、事前精算機60により精算を済ませて返却された駐車券を、出口精算機31に挿入する。出口精算機31は、当該駐車券を受け取り、当該駐車券の磁気ストライプ部に記録されているIDコードが、精算済みを示すIDコードであり、当該駐車券の磁気ストライプ部に記録されている駐車場番号が当該駐車場の駐車場番号と同一であり、かつ、当該駐車券の磁気ストライプ部に記録されている駐車券番号が、出場済み駐車券番号として登録されていない場合には、当該駐車券は適正に精算が済んでいると判断し、当該駐車券を出口精算機31に回収してからゲートバー32Tを上げる。
【0069】
また、ステップS33で利用者が定期券を出口精算機31に挿入した場合には、出口精算機31はその定期券を読み取り、所定の処理(有効日付の確認等)を行った後、この定期券を出口精算機31の挿入口へ返却し、ステップS28でその定期券を利用者が抜取ったのを検出してから、ゲートバー32Tを上げる。定期券は駐車場等の定期利用契約をした利用者に渡されるものであり、このような利用者の車両は契約車として直ちに出場が許されるのであるが、ナンバープレートNPの撮像が違法なナンバー目隠しフィルタの装着などでうまくいかなかった場合などの例外的な場合には、利用者は定期券を出口精算機31に挿入し、返却を受けてから出場する。
【0070】
(事前精算機60の精算処理)
図10に示すステップS41で事前精算機60の人感センサ60S(
図6参照)が利用者の接近を検知したとき、または、ステップS42で利用者が
図6に示す精算開始釦60Gを押下したとき、事前精算機60は、ステップS43で利用者に駐車券の挿入を案内し、その後は出口精算機31の処理と同様の処理を行う。すなわち、事前精算機60は、IDコードを未精算コードから精算済みコードへの書換え、その他に入場年月日時分情報を精算年月日、時分情報に書き換える。事前精算機60から利用者に返却された駐車券の磁気ストライプ部には、前述したとおり各種の情報が記録されている。また、精算処理が完了した後、事前精算機60は、今回精算した駐車券の駐車券番号、今回の駐車場利用に係る精算年月日、精算時分、車両ナンバー等を
図2の管理PC41に送信する。なお、事前精算機60は通常は定期券の受付は行わない。また、事前精算機60は、上記
図10に示したステップS41〜S61の処理を行うが、その料金精算処理についての詳細な説明は、前述の出口精算機31の精算動作と同様であるため、これを省略する。
【0071】
(駐車スペース撮像用カメラ51の処理)
次に、
図2ならびに
図7の記載に従って、駐車スペース撮像用カメラ51の動作を説明すると、
図2において各駐車スペースTS…の天井より吊り下げられた超音波式の駐車位置センサ50…が、ほぼリアルタイムに駐車スペースTSへの駐車車両CRの出入りの有無を感知でき、その状態を管理室40の管理PC41に逐次送信しているが、駐車場10に入場した入場車両CRLが、例えば
図1、
図3に示す「D2」で示した駐車スペースTSに進入して駐車したとすると、その駐車スペースTSの上方に設置された超音波式の駐車位置センサ50が車両在りの検知信号を出力し、その情報は一旦センサ制御装置48で中継され、すぐさま管理PC41で検出される。
【0072】
管理PC41は「D2」の駐車スペースTSをカバーすることが出来るカメラ51に、当該駐車スペースTSを撮像する様指令を発信する。この状態は、まず
図11(1)で示した様な画角で画像がカメラ51によって得られるが、まだ画像の撮像と送信はおこなわれていない。カメラ51は
図7に示したデータ送受信部51Jで管理PC41の指令を受信して、撮像すべき画角を予め「D2」の駐車スペースTSの場合としてメモリ51Bに設定してある条件から決定して、当該駐車スペース「D2」の位置に向けて自身のパン・チルト・ズーム駆動部51Fを動作させ、自身のパン・チルト・ズーム検出部51Gの出力する位相データ(各回動部の位相角度)を検出しながら、前記駆動部51Fを駆動制御し、「D2」の位置の駐車車両CRの前面(サブ走路SR側の面)に画角とフォーカスを合わせ、そこで得られた画像をキャプチャー(画面をデジタル情報に変換)し、画像送信部51Hより「D2」のアドレスの画像である情報を付与して管理PC41に送信する。この際の画像を
図11(2)に示す。なお、この動作は昨今の360度全周囲カメラと言われる様なタイプのカメラであれば、容易に実施が可能であるが、簡素な固定焦点カメラを用いて画角を固定した撮像をおこない、後述する管理PC41側で画像のみをズーム(デジタルズーム)して,ナンバープレートNPの文字認識処理をするようにしても良い。
【0073】
(管理PC41の処理)
上記の管理PC41はその画像を受信してデータベース43の画像DBに記録する。また、管理PC41はその画像に含まれるナンバープレートNPの情報を読み取り(ナンバープレートパターンを切り出し、内部の各文字を抽出し、更に各文字を認識する)、ナンバープレート文字情報を生成する。生成したナンバー文字情報で、データベース43の在車DBを検索し、該当する駐車車両CR(同じナンバー文字情報の車両)を選定する。
【0074】
そして、すでに在車DBに記録されていたその車両の情報に加えて、前記の駐車位置情報(D2)を在車DBに追記する。これにより、各駐車車両CR…の入場時刻、駐車券番号、ナンバープレート文字情報、駐車スペースの位置情報(以下位置情報と言う)などが紐付けされることになる。
【0075】
また、管理PC41は駐車場10への車両の出入や定期契約データや在車数を記録管理するだけに留まらず、図示しない内部のCPUやメモリ(大容量のHDDも含む)により、メモリに記録されたプログラムに従ってCPUがディスプレイ上に現在の在車マップを表示したり、時間帯毎の料金の集計して表示したり、各駐車場機器のエラー情報を受信してアラーム表示したりと、複雑なマルチタスクを一括して管理して実行することが可能な高性能パーソナルコンピュータが採用させている。とりわけ、在車DBに記録された駐車場の各駐車スペースTS…の在車と空車の情報をプログラムされたロジックに基づいて、駐車ブロック誘導制御装置47を介して駐車スペース誘導案内装置80を制御し、車路誘導制御装置46を介して走路誘導案内装置80を制御する機能を有している。
【0076】
図12に本発明の実施例の在車DBに記録された在車テーブルの一例を示す。
図12(1)は駐車車両CRが入場した時点で新規の駐車券番号(No)の駐車車両CRのデータ「駐車券No12345;駐車場No01…」等が在車テーブルに追記され、その中には前述のとおりナンバープレート文字情報、例えば、「浦和333そ4249」も含まれている。なお、駐車位置には駐車場10の他のフロアとの識別のために、この事例の地下1F駐車場を示す「1−H1」の様にテーブルに追記している。
【0077】
また、
図12(2)は駐車スペースTSに駐車車両CRが進入して駐車した時点の在車テーブルの更新状態であり、前述の通り駐車した車両の駐車位置センサ50の応答によって、その駐車スペースTSの画像をズームアップして撮像し、その画像が管理PC41に送信され、管理PC41でナンバープレートNPを再度判読し、ナンバー文字情報が合致する(若しくは判読不可能以外が合致する)在車テーブルの駐車位置情報に、駐車位置センサ50の応答したアドレス(駐車位置センサ50毎に駐車スペースTSと同じアドレスが割り振られている)を駐車位置情報に記録する。同時に、ナンバー文字情報の判読不可部分があった場合には、ナンバー文字情報を自動更新(上書き)する。この実施例では、「駐車券No.1…」の在車テーブルに、駐車位置情報をし江mす「1−D2」が追記されている。
【0078】
(事前精算機60の処理)
利用者が駐車場10のどこかの駐車位置(駐車スペースTS)に駐車車両CRを停めて、用事を済ませてから駐車場10に戻った際に、どこに駐車いていたのかが判らなくなることがあるが、本発明の実施例ではこれを対策するために、利用者が事前精算機60で精算した際には、駐車位置情報の案内をする機能を事前精算機60において実現している。
【0079】
図6に示したとおり、事前精算機60には、案内画面を構成する表示器31F、精算開始釦60Gや取消釦31Kや領収証発行釦31L等を備え、図示しない駐車券の挿入口/取出口、紙幣挿入/払出口、硬貨投入口、等が設けられている。
【0080】
駐車券を利用者が駐車場10内若しくは近傍に設置された事前精算機60に挿入して駐車料金を精算すると、駐車券に精算時印字文字が印字されるが、その中に駐車位置情報を含めることで、利用者に駐車位置を知らせることが出来る。例えば、「1−D2」が「地下1階のD2」のアドレスという意味で、利用者はこれを保持して自分の車両の駐車位置を容易に探すことが出来る。なお、駐車券の他の余白部か、若しくは駐車券の裏面には、この表示内容に関する解説、意味などが予め印刷文字で表示されていることが望ましい。
【0081】
また、前記の駐車券を事前精算機60に挿入して精算した際、その駐車位置の案内を事前精算機60の表示器31F上に表示することで、利用者に駐車位置を知らせることも出来る。このような事前精算機60の動作は、
図10のフローチャートにおいて示されている。具体的にはステップS45で駐車券データを読取り、ステップS46その駐車券番号から管理PC41にナンバー照会をする。ナンバー照会とは、
図12(2)に示す様に在車テーブル駐車券データに対応した駐車位置データを読み込むことである。
【0082】
読み込んだ駐車位置データをステップS47で画面上にテキスト表示して、利用者に駐車位置を案内し、その後はステップS48で精算動作を行うが、その後ステップS49で駐車券に駐車位置を文字印字してから、ステップS50で駐車券を排出し、その時点での精算情報をステップS51で管理PCに送信すると、管理PC41では
図12(3)の様に前述の在車テーブルに精算年月日情報や、精算時分情報や、精算機番号などの情報を追記する。この精算年月日・時分・精算機番号が記録された駐車券Noの情報及びその駐車位置は、精算済み駐車スペースであり、後述する出庫候補駐車スペースという扱いになる。
【0083】
図13は、本発明の実施例の走路誘導案内装置70の外観図を示す。走路誘導案内装置70は、その筺体70Hが駐車場10の天井より天井吊り具70Tによって懸架されて、
図1に示す通り駐車場10のメイン走路MRのサブ走路SRとの分岐部近傍に複数設けられている。また、個々の走路誘導案内装置70の構成は、
図13(1)に示すような表示エリア71中に文字やキャラクターが表示できる多数のLEDを配置したドットマトリクスの表示盤(図示省略)が表裏に夫々配置されている。また内部には当該表示盤の表示制御コントローラと共に、通信制御装置が内蔵されており、管理PC41からの指令をシリアル通信ライン41H上の車路誘導制御装置46を介して受信することによって、様々な文字やキャラクターを表示できるようになっている。
【0084】
図13(1)に示した通常表示は、この様な駐車場10内に配置される走路誘導案内装置70では、上記の表示エリア71に対して通常は各分岐先のサブ走路SRの駐車スペースTS…の空き台数を表示したり、進行方向にある他の駐車場10への通路や、その先の満空状況なども表示するようになっている。さらに「場内徐行」や、事前精算の奨励文字をスクロールして表示するなど、車両を運転中の利用者への注意喚起などにも利用されている。
【0085】
ところで、本発明の第一の特徴として、この様な走路誘導案内装置70での駐車スペースTS…の空き台数を表示をするだけでなく、事前精算機60で事前精算済みの車両の駐車スペースTSに対して管理PC41はこれを出庫候補駐車スペースTS’として認識し、走路誘導案内装置70および駐車スペース誘導案内装置80の表示方法を変化させる出庫候補表示出力制御手段を有することを特徴としている。具体的には、
図13(2)に示す様に、仮にサブ走路SRの駐車スペースTS…が全て駐車中で空きが無い状態であっても、その中で既に事前精算している出庫候補駐車スペースTS’(例えば前記
図1に示す1−D2)があれば、その台数を「出庫準備」として、空き台数とは別に表示している。
【0086】
さらに、
図3で説明した駐車ブロック毎の駐車スペース誘導案内装置80の表示に関しても、その駐車ブロックCB内に出庫候補駐車スペースTS’がある場合には、前述の様に空き状態で緑色のLEDの点灯、空きが無い状態で赤色のLEDの点灯、に加えて、例えば出庫候補ありでは、緑色のLEDと赤色のLEDを交互に点灯、即ち赤と緑の点滅によって、出庫候補があることを識別可能に表示できる。若しくは、緑色LEDと赤色LEDを両方点灯させることで、橙色の点灯状態としてもよい。
【0087】
この様な駐車スペース誘導案内装置80の出庫候補の有無の情報は、前述の在車テーブルを管理PC41が判別して、該当するアドレスの駐車スペース誘導案内装置80を直接制御している駐車スペース誘導制御装置47に対して、シリアル通信ライン41Hを経由して出力される。
【0088】
これにより、多数の駐車スペースTSを有する比較的大規模駐車場において、駐車場内が混雑していても利用者が出庫候補の駐車スペースTS’の有無を知ることで、空きを見つけたい車両運転中の利用者が出庫候補のあるサブ車路SRを走行するようになり、その後すぐ出庫する駐車スペースTS’を見つけることが容易となる。
【0089】
また、本発明のメリットはこれに留まらず、上記の出庫候補の表示は、事前精算をしてこれから駐車場10から出場するために、自分の駐車した車両の駐車スペースTSを探している利用者にとっても、他の駐車スペースTSとの識別が出来るというメリットがある。即ち、利用者が駐車車両の位置を失念してしまった場合でも、利用者が事前精算をした際に駐車位置情報を提供でき、さらに実際の駐車位置には駐車スペース誘導案内装置80が出庫候補表示状態に表示されているので、利用者にとって頗る利便性の高い駐車場が実現することを可能にしている。
【0090】
また、走路誘導案内装置70においてサブ走路SRの状態を表示するにあたり、サブ走路SRの出庫候補駐車スペースTS’の数を表示するようにすれば、駐車スペースTSを探している利用者が出庫候補駐車スペースTS’の数の多いサブ走路SRを知ることができ、複数の出庫候補駐車スペースTS’の近傍で待機すれば、結果として駐車スペースTSの空き待ち時間を短くすることが出来る。
【0091】
この様な走路誘導案内装置70の表示状態は、前述の在車テーブルや他の駐車場の情報なども総合して管理する管理PC41が生成し、直接表示文字やキャラクターを制御する車路誘導制御装置46に対してシリアル通信ライン41Hを経由して出力される。
【0092】
また、駐車スペース誘導案内装置80は、その駐車スペース誘導案内装置に接続された駐車スペースTSの一つでも空きがあれば空車状態表示を出力し、同様に該当する駐車スペースTSの全てが駐車中であれば満車状態表示を出力し、同様に該当する駐車スペースTSの一つでも出庫候補があれば出庫候補表示を出力し、さらに、前述の通り、空車状態表示は駐車スペース誘導案内装置80をひとつの色表示を点灯し、満車表示は駐車スペース誘導案内装置80を他の色表示を点灯するか、若しくは、ひとつの色表示を消灯し、出庫候補表示は駐車スペース誘導案内装置を一の色と他の色を交互に点灯するか、若しくは、ひとつの色表示を点滅して表すことで、駐車スペース誘導案内装置80の表示状態の違いから、遠目でも駐車スペースの満空状態および出庫候補の有無を容易に知ることが出来る。また、当該駐車スペース誘導案内装置80は全ての駐車スペースTS毎に設ける必要は無く、ブロック毎に少ない数の駐車スペース誘導案内装置80を設置すれば良いので、駐車スペース誘導案内装置80の設置台数を少なく出来、全体の設備費の低減に役立つ。
【0093】
また、前記走路誘導案内装置70にその近傍のサブ走路SRの出庫候補駐車スペースTS’の数を表示するに当たり、予め設定した整数値を閾値とし、当該閾値より出庫候補駐車スペースTS’の数が増加した場合に、出庫候補駐車スペースTS’の数から閾値を差し引いた数値を表示する機能を有している。さらに走路誘導案内装置70が設置されたメイン走路MRから分岐するサブ走路SRの入口と出口に通過する車両を感知する走路感知手段を設け、出庫候補駐車スペースTS’の数からサブ走路の走路感知手段により認識される走路中に進入して空き駐車スペース待ちの車両の台数を認識し、走路誘導案内装置80に出庫候補駐車スペースTS’の数を表示するに当たり、出庫候補駐車スペースTS’の数から空き駐車スペース待ちの車両の台数を差し引いた数値を表示することも可能である。
【0094】
なお、サブ走路SRの先が袋小路になっているようなレイアウトの場合は、サブ走路SRの入口と出口を兼用して、走路感知手段に通過車両の進行方向の判別の機能を持たせ、同様にサブ走路SRに進入した車両とサブ走路SRから退出した車両をカウントすることもでき、複雑なレイアウトでこれらの走路感知手段を混在させることも可能である。
【0095】
このような機能を実施するにあたり、サブ走路SRの出庫候補駐車スペースTS’の数の閾値を1とすれば、少なくとも2台の出庫候補駐車スペースTS’の数がある場合に誘導されるため、駐車スペース空き待ちの利用者が出庫候補駐車スペースTS’であるにも関わらずにさらに駐車を継続する利用者がいた場合でも、他の出庫候補駐車スペースTS’の出庫が期待できるので、出庫候補駐車スペースTS’を待っているにも関わらずに長時間待機させられるような不都合が生ずることがない。また、メイン走路MRを通行中の車両に対しては、サブ走路SR上の空き駐車スペース待ちの車両の台数を差し引いて台数表示されるため、全般的に極めて合理的に駐車スペースTSの空き待ちと、駐車場内の出庫候補駐車スペースTSの捜索をすることが可能となる。
【0096】
図14に本発明の実施例に係る駐車スペース誘導システムの空き駐車スペーステーブルの説明図を示す。各駐車ブロックCB…には、アドレスがCB01,CB02…と割り振られ、その中に夫々駐車スペースTS(図中では位置)が1−A1,1−A2…と割り振られている。夫々の駐車スペースTSの空在状況は、駐車位置センサ50…の感知出力によって逐一更新されている。また、精算状況は在車であれば未精算か精算済みか、空車であれば該当なしとしてテーブルに記録される。これらのテーブルにおいて、予め複数の走路誘導案内装置70毎に、サブ走路SRの状況の表示が割り振られており、
図14では1−C1から1−D9までの駐車スペースTSがN番目の走路誘導案内装置70の表示範囲と成っている。
【0097】
この中に一台でも空があれば、前述の通り
図13(1)の「空き台数」をその台数分表示すればよいが、混雑していて満車であっても、
図14のテーブル上で「精算済み」の駐車スペースがあれば、その上位のブロック表示案内装置80(図では1D−2が空車で、その上位のCB10)が出庫候補の表示(点滅や、橙点灯)となり、さらにそのサブ走路SRの入口の走路誘導案内装置70に、「出庫準備1」として表示する。もちろん、台数を表示するのでなく、「出庫準備有り」のような有無を表示したり、さらに別の表示方法として例えば文字の表示色を変化させたり、図形を変えて表示させてもよい。
【0098】
また、走路誘導案内装置70には別途音声出力手段を設け、少なくともその近傍のサブ走路SRの出庫候補駐車スペースの表示数が1以上の場合には、当該出庫候補駐車スペースへの進行を促す音声案内を出力してもよい。具体的には、走路誘導案内装置70内部に音声合成装置、若しくは音声ファイル再生装置を内蔵し、管理PC41の指令によって適宜音声情報を出力するが、その際にはサブ走路SRの出庫候補駐車スペースTS’があれば、その旨を音声でガイドすればよい。当然、通常の空き駐車スペースがあれば、その様に案内し、空き駐車スペースが無い時に、出庫候補駐車スペースTS’への誘導案内として例えば、「この先に出庫準備中の車両があります。点滅中の表示の手前でお待ちください」の様に案内すれば良く、これによって利用者に駐車スペース空き待ちで待機すべき位置を容易に認識させることが出来る。
【0099】
また、本発明の実施に当たって、利用者に事前精算機60を利用してもらう割合を高める必要があるため、前述の如く例えば走路誘導案内装置70や、その他の機器類、或いは、専用の表示器等に、事前精算機60の利用を奨励する宣伝等を表示させたり、或いは、事前精算機60による精算をディスカウントする等のサービスを実施すれば、本発明を有効に利用することが可能になる。
【0100】
なお、本発明の実施例で説明した駐車場管理機器の構成は一例であり、特に事前精算機60はセントラルペイシステムとして利用者が車両に乗らずに精算できる機器であればよく、出口精算機31に変えて出口通過機(ラグタイムリーダ)を使用したり、有人の出口レジシステムなどと組み合わせての利用も考えれられる。
【0101】
上記に述べた本発明の実施形態は本発明の好適な具体例であり、技術的に好ましい種々の限定を付している場合もあるが、本発明の技術範囲は、特に本発明を限定する記載がない限りこれらの態様に限定されるものではない。