特許第5731269号(P5731269)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5731269
(24)【登録日】2015年4月17日
(45)【発行日】2015年6月10日
(54)【発明の名称】混合計量用組合せ秤
(51)【国際特許分類】
   G01G 19/387 20060101AFI20150521BHJP
【FI】
   G01G19/387 J
   G01G19/387 H
【請求項の数】3
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2011-101102(P2011-101102)
(22)【出願日】2011年4月28日
(65)【公開番号】特開2012-233740(P2012-233740A)
(43)【公開日】2012年11月29日
【審査請求日】2014年4月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000208444
【氏名又は名称】大和製衡株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086737
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 和秀
(72)【発明者】
【氏名】清水 勇起
【審査官】 森 雅之
(56)【参考文献】
【文献】 特許第5209562(JP,B2)
【文献】 特許第3607389(JP,B2)
【文献】 特公平5−27810(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G 19/387
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の品種の被計量物を混合して組合せ計量すると共に、混合された前記複数の品種の被計量物を、大袋に纏められる小袋として包装する包装機へ排出する混合計量用組合せ秤であって、
前記複数の品種の内の一つの品種の被計量物の目標組合せ重量として、第1の目標組合せ重量と第2の目標組合せ重量とが設定される設定手段と、
供給される前記被計量物を一時保持して排出する複数のホッパと、
前記複数のホッパから排出される被計量物を前記包装機へ排出する排出手段と、
運転中に、前記複数のホッパに供給される被計量物の重量に基づいて、前記第1の目標組合せ重量と前記第2の目標組合せ重量とを交互に切換えて組合せ演算を行うと共に、該組合せ演算では、前記一つの品種以外の他の品種の被計量物によって、前記複数の品種の被計量物の組合せ重量を合計した全体の組合せ重量が、所定重量範囲内となるように補正する組合せ演算手段と
前記組合せ演算手段の組合せ演算の結果に基づいて、前記複数のホッパの排出を制御する制御手段とを備え、
前記組合せ演算手段は、被計量物を排出すべきホッパの組合せとして、前記第1の目標組合せ重量に対応する第1の混合比率で前記複数の品種の被計量物を組合せた第1の排出組合せと、前記第2の目標組合せ重量に対応する第2の混合比率で前記複数の品種の被計量物を組合せた第2の排出組合せとを、交互に選択し、
前記制御手段は、前記組合せ演算手段で選択された前記第1の排出組合せのホッパの被計量物と、前記第2の排出組合せのホッパの被計量物とを、交互に排出させる、
ことを特徴とする混合計量用組合せ秤。
【請求項2】
複数の品種の被計量物を混合して組合せ計量すると共に、混合された前記複数の品種の被計量物を、大袋に纏められる小袋として包装する包装機へ排出する混合計量用組合せ秤であって、
前記複数の品種の内の一つの品種の被計量物の目標組合せ個数として、第1の目標組合せ個数と第2の目標組合せ個数とが設定されると共に、前記複数の各品種の被計量物の単体重量が設定される設定手段と、
供給される前記被計量物を一時保持して排出する複数のホッパと、
前記複数のホッパから排出される被計量物を前記包装機へ排出する排出手段と、
運転中に、前記複数のホッパに供給される被計量物の重量及び前記単体重量に基づいて、前記第1の目標組合せ個数と前記第2の目標組合せ個数とを交互に切換えて組合せ演算を行うと共に、該組合せ演算では、前記一つの品種以外の他の品種の被計量物によって、前記複数の品種の被計量物の組合せ個数を合計した全体の組合せ個数が、所定個数範囲内となるように補正する組合せ演算手段と、
前記組合せ演算手段の組合せ演算の結果に基づいて、前記複数のホッパの排出を制御する制御手段とを備え、
前記組合せ演算手段は、被計量物を排出すべきホッパの組合せとして、前記第1の目標組合せ個数に対応する第1の混合比率で前記複数の品種の被計量物を組合せた第1の排出組合せと、前記第2の目標組合せ個数に対応する第2の混合比率で前記複数の品種の被計量物を組合せた第2の排出組合せとを、交互に選択し、
前記制御手段は、前記組合せ演算手段で選択された前記第1の排出組合せのホッパの被計量物と、前記第2の排出組合せのホッパの被計量物とを、交互に排出させる、
ことを特徴とする混合計量用組合せ秤。
【請求項3】
記排出手段は、前記第1の排出組合せ及び前記第2の排出組合せにそれぞれ対応する第1の排出経路及び第2の排出経路を有し、
前記制御手段は、前記組合せ演算手段で選択された前記第1の排出組合せのホッパの被計量物と、前記第2の排出組合せのホッパの被計量物とを、対応する前記第1の排出経路と前記第2の排出経路とへ交互に排出させる、
請求項1または2に記載の混合計量用組合せ秤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の異なる品種の被計量物をミックスし、ミックスした全体がほぼ所定量となるように計量する、いわゆるミックス計量を行う混合計量用組合せ秤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の異なる品種の被計量物をミックスし、ミックスした全体の重量が所定重量範囲内となるように計量する、いわゆるミックス計量を行う混合計量用組合せ秤がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図7(a)は、かかる従来の混合計量用組合せ秤の概略側面図であり、図7(b)は、その組合せ秤の計量ホッパ及び集合シュートの概略平面図である。
【0004】
この混合計量用組合せ秤では、例えば、円状に配列された複数の計量ホッパ20の下方に単一の集合シュート21が配置されている。例えば、2品種の被計量物をミックス計量して排出する場合、複数の計量ホッパ20を各品種に対応するグループG1,G2に分けて、各グループの計量ホッパ20には、それぞれのグループに対応する品種の被計量物が分散フィーダ22からリニアフィーダ23及び供給ホッパ24を介して供給される。そして、グループ毎(品種毎)に被計量物の重量の組合せ計量を行うと共に、全品種を合わせた全体重量についても組合せ計量を行うことにより、全ての品種の各々について排出すべき計量ホッパ20の組合せを求める。この組合せに選択された計量ホッパ20から同時に被計量物が排出され、この排出された被計量物は、集合シュート21を滑り落ち、集合シュートの排出口21aから、例えば、包装機へ投入される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−198466号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般に、混合計量用組合せ秤から排出される複数の品種が混合された被計量物は、包装機で包装されて製品とされる。この製品の各品種の被計量物の混合割合である混合比率を変更したい場合がある。
【0007】
かかる場合に、従来の混合計量用組合せ秤では、運転を一旦停止して混合比率に応じたプログラムに設定を変更して運転を再開する必要があり、このため、稼動率が低下するという課題がある。
【0008】
また、例えば、包装機で包装された製品を小袋とし、この小袋の所定数を纏めて包装して大袋の製品とするような場合がある。かかる場合に、混合比率が異なる小袋を混ぜて大袋の製品を生産したいときがある。
【0009】
このように混合比率の異なる小袋を、1台の混合計量用組合せ秤を用いて生産する場合には、混合比率の異なる小袋の生産の度に、混合計量用組合せ秤の運転を停止して混合比率に応じたプログラムに設定を変更して運転を再開しなければならず、稼動率の低下が一層顕著になる。
【0010】
したがって、混合計量用組合せ秤の運転を停止することなく、混合比率の異なる小袋の生産ができるようにすることが望まれる。
【0011】
本発明は、上述のような点に鑑みてなされたものであって、複数の品種の被計量物を混合したミックス計量において、稼働率を低下させることなく、混合比率の異なるミックス計量を行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明では、次のように構成している。
【0013】
(1)本発明の混合計量用組合せ秤は、複数の品種の被計量物を混合して組合せ計量すると共に、混合された前記複数の品種の被計量物を、大袋に纏められる小袋として包装する包装機へ排出する混合計量用組合せ秤であって、前記複数の品種の内の一つの品種の被計量物の目標組合せ重量として、第1の目標組合せ重量と第2の目標組合せ重量とが設定される設定手段と、供給される前記被計量物を一時保持して排出する複数のホッパと、前記複数のホッパから排出される被計量物を前記包装機へ排出する排出手段と、運転中に、前記複数のホッパに供給される被計量物の重量に基づいて、前記第1の目標組合せ重量と前記第2の目標組合せ重量とを交互に切換えて組合せ演算を行うと共に、該組合せ演算では、前記一つの品種以外の他の品種の被計量物によって、前記複数の品種の被計量物の組合せ重量を合計した全体の組合せ重量が、所定重量範囲内となるように補正する組合せ演算手段と、前記組合せ演算手段の組合せ演算の結果に基づいて、前記複数のホッパの排出を制御する制御手段とを備え、前記組合せ演算手段は、被計量物を排出すべきホッパの組合せとして、前記第1の目標組合せ重量に対応する第1の混合比率で前記複数の品種の被計量物を組合せた第1の排出組合せと、前記第2の目標組合せ重量に対応する第2の混合比率で前記複数の品種の被計量物を組合せた第2の排出組合せとを、交互に選択し、前記制御手段は、前記組合せ演算手段で選択された前記第1の排出組合せのホッパの被計量物と、前記第2の排出組合せのホッパの被計量物とを、交互に排出させる
【0014】
本発明の混合計量用組合せ秤によると、少なくとも一つの品種について、設定手段に複数の目標組合せ重量を設定することにより、運転中には、前記複数の目標組合せ重量を切換えて組合せ演算を行うので、目標組合せ重量に対応した混合比率でミックス計量された被計量物を、各目標組合せ重量にそれぞれ対応して複数得ることができる。しかも、組合せ演算では、目標組合せ重量を切換える品種以外の他の品種の被計量物によって、複数の品種の被計量物の組合せ重量を合計した全体の組合せ重量が、所定重量範囲内となるように補正するので、得られる複数のミックス計量された被計量物は、いずれもその組合せ重量が、所定重量範囲内となる。
【0015】
これによって、当該混合計量用組合せ秤の運転を一旦停止させて混合比率の異なるプログラムに設定変更することなく、すなわち、稼働率を低下させることなく、所定重量範囲内であって、混合比率が異なる複数のミックス計量された被計量物を得ることができる。
【0017】
本発明によると、組合せ演算手段は、第1の目標組合せ重量と第2の目標組合せ重量とを交互に切換えて行う組合せ演算の度に、目標組合せ重量に対応した混合比率でミックス計量された被計量物のホッパを、被計量物を排出すべきホッパの組合せである排出組合せとして選択し、制御手段は、前記排出組合せのホッパの被計量物を排出させ、排出手段を介して包装機に投入することができ、これによって、包装機では、排出組合せのホッパの被計量物、すなわち、所定重量範囲内であって、目標組合せ重量に対応した混合比率でミックス計量された被計量物を包装して製品とすることができる。
【0021】
本発明によると、全体の組合せ重量は、所定重量範囲内であって、かつ、第1の混合比率でミックス計量された被計量物と第2の混合比率でミックス計量された被計量物とを交互に包装機へ排出することができ、これによって、包装機では、第1の混合比率の被計量物を包装した小袋と第2の混合比率の被計量物を包装した小袋とを交互に生産することができる。
【0022】
)本発明の混合計量用組合せ秤は、複数の品種の被計量物を混合して組合せ計量すると共に、混合された前記複数の品種の被計量物を、大袋に纏められる小袋として包装する包装機へ排出する混合計量用組合せ秤であって、前記複数の品種の内の一つの品種の被計量物の目標組合せ個数として、第1の目標組合せ個数と第2の目標組合せ個数とが設定されると共に、前記複数の各品種の被計量物の単体重量が設定される設定手段と、供給される前記被計量物を一時保持して排出する複数のホッパと、前記複数のホッパから排出される被計量物を前記包装機へ排出する排出手段と、運転中に、前記複数のホッパに供給される被計量物の重量及び前記単体重量に基づいて、前記第1の目標組合せ個数と前記第2の目標組合せ個数とを交互に切換えて組合せ演算を行うと共に、該組合せ演算では、前記一つの品種以外の他の品種の被計量物によって、前記複数の品種の被計量物の組合せ個数を合計した全体の組合せ個数が、所定個数範囲内となるように補正する組合せ演算手段と、前記組合せ演算手段の組合せ演算の結果に基づいて、前記複数のホッパの排出を制御する制御手段とを備え、前記組合せ演算手段は、被計量物を排出すべきホッパの組合せとして、前記第1の目標組合せ個数に対応する第1の混合比率で前記複数の品種の被計量物を組合せた第1の排出組合せと、前記第2の目標組合せ個数に対応する第2の混合比率で前記複数の品種の被計量物を組合せた第2の排出組合せとを、交互に選択し、前記制御手段は、前記組合せ演算手段で選択された前記第1の排出組合せのホッパの被計量物と、前記第2の排出組合せのホッパの被計量物とを、交互に排出させる
【0023】
本発明の混合計量用組合せ秤によると、少なくとも一つの品種について、設定手段に複数の目標組合せ個数を設定することにより、運転中には、前記複数の目標組合個数を切換えて組合せ演算を行うので、目標組合せ個数に対応した混合比率でミックス計量された被計量物を、各目標組合せ個数にそれぞれ対応して複数得ることができる。しかも、組合せ演算では、目標組合せ個数を切換える品種以外の他の品種の被計量物によって、複数の品種の被計量物の組合せ個数を合計した全体の組合せ個数が、所定個数範囲内となるように補正するので、得られる複数のミックス計量された被計量物は、いずれもその組合せ個数が、所定個数範囲内となる。
【0024】
これによって、当該混合計量用組合せ秤の運転を一旦停止させて混合比率の異なるプログラムに設定変更することなく、すなわち、稼働率を低下させることなく、所定個数範囲内であって、混合比率が異なる複数のミックス計量された被計量物を得ることができる。
【0025】
(3)本発明の混合計量用組合せ秤の他の実施態様では、前記排出手段は、前記第1の排出組合せ及び前記第2の排出組合せにそれぞれ対応する第1の排出経路及び第2の排出経路を有し、前記制御手段は、前記組合せ演算手段で選択された前記第1の排出組合せのホッパの被計量物と、前記第2の排出組合せのホッパの被計量物とを、対応する前記第1の排出経路と前記第2の排出経路とへ交互に排出させる
【0026】
この実施態様によると、目標組合せ重量または目標組合せ個数を交互に切換えて行う組合せ演算の度に、混合比率の異なる排出組合せが選択され、選択された排出組合せ毎、すなわち、混合比率毎に、対応する排出経路を介して包装機へ被計量物を投入することができるので、ミックス計量された被計量物をその混合比率毎に、対応する排出経路へ排出して包装機に投入することができ、異なる混合比率でミックス計量された被計量物を小袋としてそれぞれ包装することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によると、当該混合計量用組合せ秤の運転を一旦停止させて混合比率の異なるプログラムに設定変更することなく、すなわち、稼働率を低下させることなく、全体の組合せ重量または組合せ個数が所定範囲内であって、混合比率が異なる複数のミックス計量された被計量物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1図1は本発明の一実施形態の混合計量用組合せ秤を模式的に示す図であり、同図(a)は混合計量用組合せ秤を側方から見た一部断面の概略模式図、同図(b)は、混合計量用組合せ秤の2つの集合シュート及び計量ホッパを上方から見た概略模式図、同図(c)は、混合計量用組合せ秤の分散フィーダを上方から見た概略模式図である。
図2図2は、図1の計量ホッパ5の形状を模式的に示す図である。
図3図3図1の混合計量用組合せ秤の動作を説明するためのフローチャートである。
図4図4図3の組合せ演算の詳細を示すフローチャートである。
図5図5は排出命令信号による排出制御を示すフローチャートである。
図6図6は本発明の他の実施形態の混合計量用組合せ秤を模式的に示す図であり、同図(a)は混合計量用組合せ秤を側方から見た一部断面の概略模式図、同図(b)は、混合計量用組合せ秤の集合シュート及び計量ホッパを上方から見た概略模式図、同図(c)は、混合計量用組合せ秤の分散フィーダを上方から見た概略模式図である。
図7図7は従来例の混合計量用組合せ秤を模式的に示す図であり、同図(a)は混合計量用組合せ秤を側方から見た一部断面の概略模式図、同図(b)は、混合計量用組合せ秤の集合シュート及び計量ホッパを上方から見た概略模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面によって本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0031】
(実施形態1)
図1(a)は、本発明の一実施形態に係る混合計量用組合せ秤を側方から見た一部断面の概略模式図であり、図1(b)は、同組合せ秤の2つの集合シュート及び計量ホッパを上方から見た概略模式図であり、図1(c)は、同組合せ秤の分散フィーダを上方から見た概略模式図である。
【0032】
この実施形態の混合計量用組合せ秤(以下、単に「組合せ秤」ともいう)は、図1(a)に示すように、装置中央に配設されたセンター基体(ボディ)1の上部に、外部の供給装置(図示せず)から供給される被計量物を振動によって放射状に分散させる円錐形の分散フィーダ2が設けられている。分散フィーダ2の周囲には、分散フィーダ2から送られてきた被計量物を振動によって各供給ホッパ3に送り込むための複数のリニアフィーダ4が設けられている。各リニアフィーダ4の下方には、供給ホッパ3、計量ホッパ5がそれぞれ対応して設けられ、複数の供給ホッパ3及び計量ホッパ5はそれぞれセンター基体1の周囲に円状に配置されている。分散フィーダ2、リニアフィーダ4、供給ホッパ3及び計量ホッパ5は、センター基体1に取り付けられている。また、各計量ホッパ5には、計量ホッパ5内の被計量物の重量を計量するロードセル等の重量センサ6が取り付けられ、各重量センサ6による計量値は、センター基体1内に配設された制御装置10へ出力される。
【0033】
円状に列設された計量ホッパ5の下方には、略逆円錐状の内側シュート7が配設されると共に、内側シュート7の周囲には、上部開口が同心円状の外側シュート8が配設されている。各シュート7,8は、それぞれ下部排出口7a,8aをそれぞれ有している。各計量ホッパ5は、その下方の内側シュート7と外側シュート8とへ選択的に被計量物を排出可能なようにゲートが設けられた構成である。図2は、各計量ホッパ5の実物に近い形状を模式的に示す図であり、この図2に示すように、各計量ホッパ5には、内側シュート7へ被計量物を排出するためのゲート5aと、外側シュート8へ被計量物を排出するためのゲート5bとが設けられている。
【0034】
この組合せ秤の下方には、各シュート7,8の下部排出口7a,8aに対応する、例えば2台の包装機が配置されており、排出手段を構成する2つのシュート7,8を介して排出される被計量物は、それぞれ異なる排出経路を経て各包装機へ投入され、包装機でそれぞれ包装される。
【0035】
この実施形態では、一例として2つの第1,第2の品種A、Bの被計量物をミックス計量して2台の包装機へ排出し、2台の包装機で小袋の製品を生産する場合に適用して説明する。ミックス計量される各品種の被計量物は、特に限定されないが、例えば、ピーナツとおかき、あるいは、品種の異なるキャンディ同士などのミックス計量に好適である。
【0036】
ここでは、図1(b)に示す第1のグループG1の計量ホッパ5には、第1の品種Aの被計量物が供給され、第2のグループG2の計量ホッパ5には、第2の品種Bの被計量物が供給されるように構成されている。すなわち、図1(c)に示すように、分散フィーダ2上に、異なる品種A,Bの被計量物が混じらないようにするための仕切り板9が配設され、分散フィーダ2上の領域が仕切り板9によって2つの第1,第2の領域2a,2bに区画されている。外部の供給装置から、第1の領域2aに第1の品種Aの被計量物が供給され、第2の領域2bに第2の品種Bの被計量物が供給される。分散フィーダ2の第1の領域2aに供給された第1の品種Aの被計量物は、リニアフィーダ4及び供給ホッパ3を介して第1のグループG1の計量ホッパ5に供給される。同様に、分散フィーダ2の第2の領域2bに供給された第2の品種Bの被計量物は、リニアフィーダ4及び供給ホッパ3を介して第2のグループG2の計量ホッパ5に供給される。
【0037】
制御装置10は、例えばマイクロコンピュータによって構成され、各フィーダ2,4や各ホッパ3,5等の各部を制御して組合せ秤全体の動作を制御する。また、制御装置10は、組合せ演算手段としての機能を有し、各重量センサ6からの計量値に基づいて、後述する組合せ演算を行うことにより、排出手段としての各シュート7,8に対して、被計量物を排出すべき計量ホッパ5の組合せである排出組合せを決定する。
【0038】
この制御装置10に対して、種々の操作設定を行う操作設定表示部11は、例えばタッチパネル等を用いて構成され、組合せ秤の操作および後述の複数の目標組合せ重量等を含む運転パラメータ等の設定を行なうと共に、運転速度や組合せ秤計量値等を画面に表示する。
【0039】
この実施形態では、上述のように、2つの第1,第2の品種A、Bの被計量物をミックス計量するのであるが、両品種A,Bの被計量物を、異なる混合比率でミックス計量するものである。すなわち、この実施形態では、交互に、第1の混合比率と第2の混合比率となるようにミックス計量を行うものである。
【0040】
そして、第1の混合比率でミックス計量された被計量物は、例えば、一方の排出経路を構成する内側シュート7に排出し、第2の混合比率でミックス計量された被計量物は、他方の排出経路を構成する外側シュート8に排出し、各シュート7,8に対応する2台の包装機に投入され、各包装機によって、第1の混合比率の小袋と第2の混合比率の小袋とがそれぞれ生産される。
【0041】
その後、混合比率の異なる2種類の小袋は、例えば、各種類の小袋が同数となるように所定数ずつ纏められて包装され、大袋の製品とされる。
【0042】
このように混合計量用組合せ秤では、第1の混合比率でミックス計量された被計量物と第2の混合比率でミックス計量された被計量物とを交互に各包装機へ投入するために、設定手段としての操作設定表示部11では、運転開始前に、次のような設定が行なわれる。
【0043】
すなわち、操作設定表示部11では、第1の品種Aについては、目標組合せ重量を、第1の混合比率に対応する第1の目標組合せ重量と第2の混合比率に対応する第2の目標組合せ重量との2つ設定する。例えば、第1の品種Aの目標組合せ重量として第1の目標組合せ重量Taと第2の目標組合せ重量(Ta−α)とを設定する。ここで、αは、第1の品種Aの被計量物の単体重量の整数倍、例えば1倍の重量またはそれに近い重量とするのが好ましい。これによって、第2の目標組合せ重量(Ta−α)は、第1の目標組合せ重量Taに比べて第1の品種Aの個数が、例えば、1個少ない重量に相当することになる。操作設定表示部11では、第1の品種Aの目標組合せ重量に対する許容範囲を設定し、更に、第1,第2の両品種A,Bの被計量物の組合せ重量を合計した全体についての目標組合せ重量Ttと、その許容範囲とを設定する。
【0044】
制御装置10では、運転中に、第1の品種Aの目標組合せ重量を、第1の目標組合せ重量Taと第2の目標組合せ重量(Ta−α)とに交互に切換えて組合せ演算を行って被計量物を排出すべき計量ホッパ5の組合せである第1,第2の排出組合せをそれぞれ求める。このとき、目標組合せ重量の切換えによって生じる重量の差を、第2の品種Bの目標組合せ重量を変更して補正し、第1,第2の両品種A,Bの被計量物の組合せ重量を合計した組合せ重量が、全体についての前記目標組合せ重量Ttの許容範囲である所定重量範囲となるようにしている。
【0045】
この第1の品種Aの目標組合せ重量を、交互に切換える組合せ演算の一例を以下に説明する。
【0046】
この組合せ演算では、例えば、先ず、第1の品種Aの目標組合せ重量が、第1の目標組合せ重量Taである第1の混合比率に対応する第1の排出組合せを選択する。
【0047】
この第1の排出組合せを選択する組合せ演算では、第1の品種Aの被計量物が供給される第1のグループG1の計量ホッパ5の被計量物の重量を種々に組合せ、組合せた組合せ重量と第1の目標組合せ重量Taとの差の絶対値が最も小さく、第1の品種Aの目標組合せ重量の許容範囲内にある第1の品種Aについての計量ホッパ5の組合せを選択する。
【0048】
次に、両品種A,Bの被計量物の組合せ重量を合計した全体についての目標組合せ重量Ttから、前記選択した第1の品種Aの被計量物の組合せ重量を減算した重量を、第2の品種Bの目標組合せ重量とする。そして、第2の品種Bの被計量物が供給される第2のグループG2の計量ホッパ5の被計量物の重量を種々に組合せ、組合せた組合せ重量と前記第2の品種Bの目標組合せ重量との差の絶対値が最も小さく、全体についての許容範囲である所定重量範囲となる第2の品種Bについての計量ホッパ5の組合せを選択する。
【0049】
このようにして各品種A,Bについてそれぞれ選択した計量ホッパ5の組合せが、第1の排出組合せとなる。この第1の排出組合せの計量ホッパ5の被計量物を、第1の排出組合せに対応する、例えば内側シュート7へ排出する。これによって、第1の混合比率で第1,第2の品種A,Bの被計量物が混合された第1の排出組合せの被計量物が、内側シュート7に対応する一方の包装機で包装され、第1の混合比率の小袋が生産される。
【0050】
第1の排出組合せを選択した後の組合せ演算では、第1の品種の目標組合せ重量が、第2の目標組合せ重量(Ta−α)である第2の混合比率に対応する第2の排出組合せを選択する。
【0051】
この第2の排出組合せを選択する組合せ演算では、第1の品種Aの被計量物が供給される第1のグループG1の計量ホッパ5の被計量物の重量を種々に組合せ、組合せた組合せ重量と第2の目標組合せ重量(Ta−α)との差の絶対値が最も小さく、第1の品種Aの目標組合せ重量の許容範囲内にある第1の品種Aについての計量ホッパ5の組合せを選択する。
【0052】
次に、両品種A,Bの被計量物の組合せ重量を合計した全体についての目標組合せ重量Ttから、前記選択した第1の品種Aの被計量物の組合せ重量を減算した重量を、第2の品種Bの目標組合せ重量とする。そして、第2の品種Bの被計量物が供給される第2のグループG2の計量ホッパ5の被計量物の重量を種々に組合せ、組合せた組合せ重量と第2の品種Bの目標組合せ重量との差の絶対値が最も小さく、全体についての許容範囲である所定重量範囲となる第2の品種Bの計量ホッパ5の組合せを選択する。
【0053】
このようにして各品種A,Bについてそれぞれ選択した計量ホッパ5の組合せが、第2の排出組合せとなる。この第2の排出組合せの計量ホッパ5の被計量物を、第2の排出組合せに対応する、外側シュート8へ排出する。これによって、第2の混合比率で第1,第2の品種A,Bの被計量物が混合された第2の排出組合せの被計量物が、外側シュート8に対応する他方の包装機で包装され、第2の混合比率の小袋が生産される。
【0054】
このようにして、第1の混合比率で第1,第2の品種A,Bの被計量物が混合された第1の排出組合せの被計量物(第1の混合比率でミックス計量された被計量物)と、第2の混合比率で第1,第2の品種A,Bの被計量物が混合された第2の排出組合せ被計量物(第2の混合比率でミックス計量された被計量物)とが、交互に内側シュート7と外側シュート8とに排出されることになり、各包装機によって、第1の混合比率の小袋と第2の混合比率の小袋とが交互に生産されることになる。
【0055】
上記の組合せ演算の方法は、一例を示すものであって、各排出組合せを求めるための組合せ演算は、上記に限らず、複数の品種の被計量物をミックス計量する場合の他の公知の組合せ演算方法を用いることができる。
【0056】
図3は、この実施形態の混合計量用組合せ秤の全体の動作を説明するためのフローチャートである。
【0057】
先ず、制御装置10は、各品種A,Bの被計量物を分散フィーダ2に供給する供給装置の駆動停止を制御して、分散フィーダ2上への各品種A,Bの被計量物の供給量を制御する供給装置制御を行う(ステップs1)。
【0058】
次に、分散フィーダ2の駆動を制御して被計量物を周囲へ分散させてリニアフィーダ4へ供給する分散フィーダ制御を行う(ステップs2)。
【0059】
次に、リニアフィーダ4の駆動を制御して、空の供給ホッパ3に対応するリニアフィーダ4を振動させて被計量物を当該空の供給ホッパ3に供給するリニアフィーダ制御を行う(ステップs3)。
【0060】
次に、ステップs4の供給ホッパ制御に移る。この供給ホッパ制御では、空の計量ホッパ5に対応する供給ホッパ3の投入用のゲートを開放して、被計量物を当該空の計量ホッパ5へ投入し、ステップs5へ移る。
【0061】
ステップs5では、計量ホッパ5に被計量物が投入されると、対応する重量センサ6によって、前記計量ホッパ5に投入された被計量物の重量を計量し、計量値を制御装置10に取込む計量制御を行う。
【0062】
次に、各グループG1,G2の計量ホッパ5に投入されている各品種A,Bの被計量物の重量に基づいて、上述のように組合せ演算を行い、第1の排出組合せまたは第2の排出組合せの選択を行う(ステップs6)。
【0063】
その後、各包装機からの排出命令信号の入力に応じて混合比率に応じた排出経路を選択するように制御し(ステップs7)、計量ホッパ5のゲートを制御して、第1の排出組合せまたは第2の排出組合せの被計量物を、内側シュート7または外側シュート8へ排出する計量ホッパ制御を行い(ステップs8)、ステップs1に戻る。以下、上述と同様の計量サイクルを繰り返すことによって、第1の排出組合せまたは第2の排出組合せの被計量物が、対応する各包装機へそれぞれ排出され、各包装機によって、第1の混合比率の小袋と第2の混合比率の小袋とが交互に生産される。
【0064】
なお、上記ステップs6において、組合せ演算が成立せず、第1の排出組合せまたは第2の排出組合せが得られないときには、従来と同様に、例えば、所定の計量ホッパ5から被計量物を、包装機外へ強制的に排出させる。
【0065】
図4は、図3のステップs6の組合せ演算処理の詳細を示すフローチャートである。
【0066】
先ず、第1の品種Aの目標組合せ重量が、第1の目標組合せ重量Taである第1の混合比率に対応する第1の組合せ命令フラグがオンしているか否かを判断し(ステップs601)、オンしているときには、第1の品種Aについて、その目標組合せ重量を、第1の目標組合せ重量Taとして組合せ演算を行う(ステップs602)。この組合せ演算では、上述のように、第1の品種Aの被計量物が供給される第1のグループG1の計量ホッパ5の被計量物の重量を種々に組合せ、組合せた組合せ重量と第1の目標組合せ重量Taとの差の絶対値が最も小さく、第1の品種Aの目標組合せ重量の許容範囲内にある第1の品種Aについての計量ホッパ5の組合せを選択する。
【0067】
次に、第2の品種Bの目標組合せ重量を、両品種A,Bの被計量物の組合せ重量を合計した全体についての目標組合せ重量Ttから、ステップs602で選択した第1の品種Aの被計量物の組合せ重量を減算した重量とし、第2の品種Bについて組合せ演算を行う(ステップs603)。この組合せ演算では、上述のように、第2の品種Bの被計量物が供給される第2のグループG2の計量ホッパ5の被計量物の重量を種々に組合せ、組合せた組合せ重量と第2の品種Bの目標組合せ重量との差の絶対値が最も小さく、全体についての許容範囲である所定重量範囲となる第2の品種Bについて計量ホッパ5の組合せを選択する。
【0068】
上記ステップs602で選択された第1の品種Aの被計量物が供給されている第1のグループG1の計量ホッパ5と、ステップs603で選択された第2の品種Bの被計量物が供給されている第2のグループG2の計量ホッパ5とを合わせた計量ホッパ5の組合せが、第1の混合比率に対応する第1の排出組合せとなる。
【0069】
次に、第1の組合せ命令フラグをオフし(ステップs604)、第2の混合比率に対応する第2の組合せ命令フラグをオンして終了する(ステップs605)。
【0070】
ステップs601において、第1の組合せ命令フラグがオンしていないときには、第2の組合せ命令フラグがオンしているか否かを判断し(ステップs606)、オンしているときには、第1の品種Aについて、その目標組合せ重量を、第2の目標組合せ重量(Ta−α)として組合せ演算を行う(ステップs607)。この組合せ演算では、上述のように、第1の品種Aの被計量物が供給される第1のグループG1の計量ホッパ5の被計量物の重量を種々に組合せ、組合せた組合せ重量と第2の目標組合せ重量(Ta−α)との差の絶対値が最も小さく、第1の品種Aの目標組合せ重量の許容範囲内にある第1の品種Aについての計量ホッパ5の組合せを選択する。
【0071】
次に、第2の品種Bの目標組合せ重量を、両品種A,Bの被計量物の組合せ重量を合計した全体についての目標組合せ重量Ttから、ステップs607で選択した第1の品種Aの被計量物の組合せ重量を減算した重量とし、第2の品種Bについて組合せ演算を行う(ステップs608)。この組合せ演算では、上述のように、第2の品種Bの被計量物が供給される第2のグループG2の計量ホッパ5の被計量物の重量を種々に組合せ、組合せた組合せ重量と第2の品種Bの目標組合せ重量との差の絶対値が最も小さく、全体についての許容範囲である所定重量範囲となる第2の品種Bについて計量ホッパ5の組合せを選択する。
【0072】
上記ステップs607で選択された第1の品種Aの被計量物が供給されている第1のグループG1の計量ホッパ5と、ステップs608で選択された第2の品種Bの被計量物が供給されている第2のグループG2の計量ホッパ5とを合わせた計量ホッパ5の組合せが、第2の混合比率に対応する第2の排出組合せとなる。
【0073】
次に、第2の組合せ命令フラグをオフし(ステップs609)、第1の混合比率に対応する第1の組合せ命令フラグをオンして終了する(ステップs610)。
【0074】
以上のようにして、第1,第2の組合せ命令に応じて、第1の混合比率に対応する第1の排出組合せの被計量物または第2の混合比率に対応する第2の排出組合せの被計量物を交互に選択する。
【0075】
このようにして選択された被計量物の排出は、図5のフローチャートに示すように行われる。
【0076】
すなわち、第1の排出経路としての内側シュート7に対応する包装機から排出命令信号の入力があったか否かを判断し(ステップs701)、排出命令信号の入力があったときには、第1の混合比率に対応する第1の排出組合せの計量ホッパ5の被計量物を、内側シュート7へ排出し、対応する包装機へ投入して終了する(ステップs702)。包装機では、第1の混合比率の被計量物が包装されて小袋が生産される。
【0077】
ステップs701において、第1の排出経路に対応する包装機から排出命令信号の入力がないときには、第2の排出経路としての外側シュート8に対応する包装機から排出命令信号の入力があったか否かを判断し(ステップs703)、排出命令信号の入力があったときには、第2の混合比率に対応する第2の排出組合せの被計量物を、外側シュート8へ排出し、対応する包装機へ投入して終了する(ステップs704)。包装機では、第2の混合比率の被計量物が包装されて小袋が生産される。
【0078】
以上のように、混合計量用組合せ秤の運転を一旦停止させてプログラムの設定変更をする必要なく、すなわち、稼働率を低下させることなく、第1の混合比率でミックス計量された被計量物と第2の混合比率でミックス計量された被計量物とを交互に各包装機に投入して、各混合比率の小袋を交互に生産することができる。
【0079】
これによって、各混合比率の小袋を所定数纏めて大袋の製品を生産するような場合には、各包装機で交互に生産される混合比率の異なる小袋を纏めて大袋の製品を生産することが可能となり、例えば、予め第1の混合比率の小袋を所要数生産し、その後、運転を一旦停止したプログラムの設定を変更して第2の混合比率の小袋を所要数生産した後に、各混合比率の小袋を纏めて大袋を生産するのに比べて、効率的に大袋の製品を生産することができる。
【0080】
(実施形態2)
上述の実施形態では、2品種A,Bの被計量物のミックス計量に適用したけども、本発明は、3品種以上の被計量物のミックス計量にも同様に適用できるものである。
【0081】
図6(a)は、本発明の他の実施形態に係る混合計量用組合せ秤を側方から見た一部断面の概略模式図であり、図6(b)は、同組合せ秤の集合シュート及び計量ホッパを上方から見た概略模式図であり、図6(c)は、同組合せ秤の分散フィーダを上方から見た概略模式図であり、上述の図1に対応する部分には、同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0082】
この実施形態の混合計量用組合せ秤は、3つの第1〜第3の品種A,B,Cの被計量物をミックス計量するものであり、図6(b)に示すように、円状に配置された各計量ホッパ5が、品種A,B,C毎に第1〜第3の各グループG1〜G3にグループ分けされている。
【0083】
これらの各グループG1〜G3の計量ホッパ5に、被計量物が、品種毎にそれぞれ供給されるように、分散フィーダ2上の領域が、図6(c)に示されるように、仕切り板12によって、3つの第1〜第3の領域2a〜2cに区画されており、第1〜第3の各領域2a〜2cに各品種A〜Cの被計量物がそれぞれ供給される。
【0084】
分散フィーダ2の第1の領域2aに供給された第1の品種Aの被計量物は、リニアフィーダ4及び供給ホッパ3を介して第1のグループG1の計量ホッパ5に供給され、分散フィーダ2の第2の領域2bに供給された第2の品種Bの被計量物は、リニアフィーダ4及び供給ホッパ3を介して第2のグループG2の計量ホッパ5に供給され、分散フィーダ2の第3の領域2cに供給された第3の品種Cの被計量物は、リニアフィーダ4及び供給ホッパ3を介して第3のグループG3の計量ホッパ5に供給される。
【0085】
この実施形態においても、第1の品種Aについては、目標組合せ重量として第1の目標組合せ重量Taと第2の目標組合せ重量(Ta−α)とを設定する。また、第1の品種Aの目標組合せ重量に対する許容範囲を設定する。第2の品種Bについては、目標組合せ重量とその許容範囲とを設定する。更に、3つの品種A〜Cの被計量物の組合せ重量を合計した全体についての目標組合せ重量Ttと、その許容範囲とを設定する。
【0086】
この実施形態でも、第1の品種Aの目標組合せ重量が、第1の目標組合せ重量Taである第1の混合比率の第1の排出組合せと、第1の品種Aの目標組合せ重量が、第2の目標組合せ重量(Ta−α)である第2の混合比率の第2の排出組合せとを交互に選択する。
【0087】
第1の排出組合せを選択する組合せ演算では、第1の品種Aの被計量物が供給される第1のグループG1の計量ホッパ5の被計量物の重量を種々に組合せ、組合せた組合せ重量と第1の目標組合せ重量Taとの差の絶対値が最も小さく、第1の品種Aの目標組合せ重量の許容範囲内にある第1の品種Aについての計量ホッパ5の組合せを選択する。
【0088】
次に、第1の目標組合せ重量Taと選択した第1の品種の組合せ重量との差を補償するように第2の品種Bの目標組合せ重量を補正し、第2の品種Bの被計量物が供給される第2のグループG2の計量ホッパ5の被計量物の重量を種々に組合せ、組合せた組合せ重量と補正後の第2の品種Bの目標組合せ重量との差の絶対値が最も小さく、第2の品種Bの目標組合せ重量の許容範囲内にある第2の品種Bについての計量ホッパ5の組合せを選択する。
【0089】
次に、3つの品種A〜Cの被計量物の組合せ重量を合計した全体についての目標組合せ重量Ttから、前記選択した第1の品種Aの被計量物の組合せ重量と前記選択した第2の品種Bの被計量物の組合せ重量とを減算した重量を、第3の品種Cの目標組合せ重量とする。そして、第3の品種Bの被計量物が供給される第3のグループG3の計量ホッパ5の被計量物の重量を種々に組合せ、組合せた組合せ重量と第3の品種Cの目標組合せ重量との差の絶対値が最も小さく、全体についての許容範囲である所定重量範囲となる第3の品種Cについて計量ホッパ5の組合せを選択する。
【0090】
このようにして各品種A〜Cについてそれぞれ選択した計量ホッパ5の組合せが、第1の排出組合せとなる。この第1の排出組合せの計量ホッパ5の被計量物を、単一の集合シュート13へ排出する。これによって、第1の混合比率で第1〜第3の品種A〜Cの被計量物が混合された第1の排出組合せの被計量物が、集合シュート13の排出口13aを介して包装機に投入され、包装機で包装されて第1の混合比率の小袋が生産される。
【0091】
第1の排出組合せを選択した後の組合せ演算では、第1の品種Aの目標組合せ重量が、第2の目標組合せ重量(T−α)である第2の混合比率の第2の排出組合せを選択する。
【0092】
第2の排出組合せを選択する組合せ演算では、第1の品種Aの被計量物が供給される第1のグループG1の計量ホッパ5の被計量物の重量を種々に組合せ、組合せた組合せ重量と第2の目標組合せ重量(Ta−α)との差の絶対値が最も小さく、第1の品種Aの目標組合せ重量の許容範囲内にある第1の品種Aについての計量ホッパ5の組合せを選択する。
【0093】
次に、第2の目標組合せ重量(Ta−α)と選択した第1の品種Aの組合せ重量との差を補償するように第2の品種Bの目標組合せ重量を補正し、第2の品種Bの被計量物が供給される第2のグループG2の計量ホッパ5の被計量物の重量を種々に組合せ、組合せた組合せ重量と補正後の第2の品種Bの目標組合せ重量との差の絶対値が最も小さく、第2の品種Bの目標組合せ重量の許容範囲内にある第2の品種Bについての計量ホッパ5の組合せを選択する。
【0094】
次に、3つの品種A〜Cの被計量物の組合せ重量を合計した全体についての目標組合せ重量Ttから、前記選択した第1の品種Aの被計量物の組合せ重量と前記選択した第2の品種Bの被計量物の組合せ重量とを減算した重量を、第3の品種Cの目標組合せ重量とする。そして、第3の品種Bの被計量物が供給される第3のグループG3の計量ホッパ5の被計量物の重量を種々に組合せ、組合せた組合せ重量と第3の品種Cの目標組合せ重量との差の絶対値が最も小さく、全体についての許容範囲である所定重量範囲となる第3の品種Cについて計量ホッパ5の組合せを選択する。
【0095】
このようにして各品種A〜Cについてそれぞれ選択した計量ホッパ5の組合せが、第2の排出組合せとなる。この第2の排出組合せの計量ホッパ5の被計量物を、単一の集合シュート13へ排出する。これによって、第2の混合比率で第1〜第3の品種A〜Cの被計量物が混合された第2の排出組合せの被計量物が、集合シュート13の排出口13aを介して包装機に投入され、包装機で包装されて第2の混合比率の小袋が生産される。
【0099】
述の各実施形態では、組合せ重量について説明したけれども、本発明は、組合せ重量に限らず、組合せ個数にも同様に適用できるものである。
【0100】
例えば、2つの第1,第2の品種A、Bの被計量物をミックス計量する場合には、第1の品種Aについては、目標組合せ個数として、第1の混合比率に対応する第1の目標組合せ個数と第2の混合比率に対応する第2の目標組合せ個数との2つ設定する。また、第1の品種Aの目標組合せ個数に対する許容個数範囲を設定すると共に、第1の品種Aの被計量物の単体重量を設定する。更に、第1,第2の両品種A,Bの被計量物の組合せ個数を合計した全体についての目標組合せ個数と、その許容個数範囲とを設定すると共に、第2の品種の被計量物の単体重量を設定する。
【0101】
第1の品種Aの単体重量で、第1の品種Aの被計量物が供給される計量ホッパ5の被計量物の重量を除算することによって計量ホッパ5に供給されている第1の品種Aの個数を算出する。同様に、第2の品種Bの単体重量で、第2の品種Bの被計量物が供給される計量ホッパ5の被計量物の重量を除算することによって計量ホッパ5に供給されている第2の品種Bの個数を算出する。
【0102】
運転中に、第1の品種Aの目標組合せ個数を、第1の目標組合せ個数と第2の目標組合せ個数とに交互に切換えて組合せ演算を行う。このとき、目標組合せ個数の切換えによって生じる個数の差を、第2の品種Bの目標組合せ個数を変更して補正し、第1,第2の両品種A,Bの被計量物の組合せ個数を合計した組合せ個数が、全体についての目標組合せ個数の許容個数範囲となるようにすればよい。
【0103】
この個数の組合せ計量では、目標組合せ重量等を併せて設定し、個数についての上記組合せ条件に加えて、組合せ重量等についての組合せ条件を併用するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0104】
本発明は、複数の異なる品種の被計量物のミックス計量に有用であり、特に小袋入りの大袋の製品を生産するときに有用である。
【符号の説明】
【0105】
2 分散フィーダ
3 供給ホッパ
5 計量ホッパ
6 重量センサ
7 内側シュート
8 外側シュート
10 制御装置
11 操作設定表示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7