(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、ホッパおよびゲートは、菓子や果物等の物品に触れる部品である。従って、ホッパおよびゲートは、定期的に洗浄される必要がある。そうすると、ホッパおよびゲートに付着した水滴や物品片等(以下、水滴等)が、ホッパおよびゲートの周辺に飛散する虞がある。そのため、通常、ゲートの駆動部は、ケーシングの内側に保護されている。
【0004】
しかし、ケーシングの内側の駆動部からケーシングの外側のゲートまで機械的にのみ駆動力が伝達される場合、ケーシングの内外を空間的に分離することが難しくなる。ケーシングの内外を結ぶ機械要素が必要になるからである。そうすると、駆動部を水滴等から十分に保護することが難しくなる。
【0005】
本発明の課題は、ゲートを開閉する駆動部を水滴等から十分に保護することが可能な組合せ計量機のホッパアセンブリを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1観点に係る組合せ計量機のホッパアセンブリは、ケーシングと、ホッパと、ゲートと、マグネットカップリングと、駆動部とを備える。ホッパは、ケーシングの外側に配置される。ゲートは、ケーシングの外側に配置され、ホッパを開閉する。マグネットカップリングは、主動磁石と、従動磁石とを有する。主動磁石は、ケーシングの内側に配置される。従動磁石は、ケーシングの外側に配置され、主動磁石に追従する。駆動部は、ケーシングの内側に配置され、主動磁石を駆動することにより、従動磁石を介してゲートを開閉する。
【0007】
ここでは、ホッパおよびゲートが、ケーシングの外側に配置される。ホッパを開閉する駆動力をゲートに与える駆動部が、ケーシングの内側に配置される。駆動部からゲートまで駆動力を伝達する機構の部品である主動磁石と従動磁石とが、それぞれケーシングの内外に配置される。その結果、ホッパおよびゲートと、駆動部とを、ケーシングにより空間的に分離することができる。従って、ゲートを開閉する駆動部を水滴等から十分に保護することができる。
【0008】
第2観点に係る組合せ計量機のホッパアセンブリは、第1観点に係るホッパアセンブリであって、従動磁石は、ケーシングと接触しないように配置される。
【0009】
ここでは、従動磁石とケーシングとの摩擦による磨耗粉の発生が抑制される。従って、物品に磨耗粉が混ざるのを防ぐことができる。
【0010】
第3観点に係る組合せ計量機のホッパアセンブリは、第1観点又は第2観点に係るホッパアセンブリであって、可動部材をさらに備える。可動部材は、ケーシングの外側に配置され、従動磁石とゲートとに連結される。駆動部は、主動磁石を駆動することにより、従動磁石および可動部材を介してゲートを開閉する。
【0011】
ここでは、駆動部からマグネットカップリングに伝達された駆動力をゲートの開閉力に変換する可動部材が、ケーシングの外側に配置される。従って、可動部材のメンテナンスが容易になる。
【0012】
第4観点に係る組合せ計量機のホッパアセンブリは、第3観点に係るホッパアセンブリであって、可動部材は、第1レバー部材と、第2レバー部材と、中間レバー部材とを有する。第1レバー部材は、従動磁石に連結される。第2レバー部材は、ゲートに連結される。中間レバー部材は、第1レバー部材および第2レバー部材に揺動可能に連結される。
【0013】
ここでは、より複雑な構造を有する可動部材のメンテナンスが容易になる。
【0014】
第5観点に係る組合せ計量機のホッパアセンブリは、第1観点から第4観点に係るホッパアセンブリであって、ホッパ、ゲートおよび従動磁石は、ケーシングに対し一体的に着脱可能である。
【0015】
ケーシングの外側に配置される部品は、ケーシングに保護されることがなく、汚れ易い。ここでは、ケーシングの外側に配置されるホッパ、ゲートおよび従動磁石が、ケーシングに対し一体的に着脱可能である。従って、汚れ易い部品のメンテナンスが容易になる。
【0016】
第6観点に係る組合せ計量機のホッパアセンブリは、第3観点又は第4観点に係るホッパアセンブリであって、ホッパ、ゲート、従動磁石および可動部材は、ケーシングに対し一体的に着脱可能である。
【0017】
ケーシングの外側に配置される部品は、ケーシングに保護されることがなく、汚れ易い。ここでは、ケーシングの外側に配置されるホッパ、ゲート、従動磁石および可動部材が、ケーシングに対し一体的に着脱可能である。従って、汚れ易い部品のメンテナンスが容易になる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ホッパおよびゲートが、ケーシングの外側に配置される。ホッパを開閉する駆動力をゲートに与える駆動部が、ケーシングの内側に配置される。駆動部からゲートまで駆動力を伝達する機構の部品である主動磁石と従動磁石とが、それぞれケーシングの内外に配置される。その結果、ホッパおよびゲートと、駆動部とを、ケーシングにより空間的に分離することができる。従って、ゲートを開閉する駆動部を水滴等から十分に保護することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係るホッパアセンブリ100を有する組合せ計量機1について説明する。なお、以下の説明における「上流」、「下流」は、物品の搬送方向を基準とする。
【0021】
(1)組合せ計量機の全体構成
組合せ計量機1は、複数の計量ホッパ5内に貯留されている物品の重量をそれぞれ計量し、それらの計量値に基づいて組合せ演算を行う装置である。組合せ演算とは、合計が許容範囲内に収まるような計量値の組合せを導出する演算である。組合せ計量機1は、主としてポテトチップス等の食品を計量対象としているが、食品以外の物品を計量対象とすることも可能である。組合せ計量機1は、前段に配置された供給コンベア装置80から物品を連続的に受け取る。その後、組合せ計量機1は、供給コンベア装置80から受け取った物品を所定重量ずつ集合させ、所定重量の物品の集合体を後段の包装装置90へと供給する。
【0022】
図1および
図2に示すように、組合せ計量機1は、分散テーブル2と、複数の供給フィーダ3と、複数のプールホッパ4と、複数の第1ゲート41と、複数の第2ゲート42と、複数の計量ホッパ5と、複数のゲート51と、集合排出シュート7と、複数のロードセル12と、複数のプールホッパ開閉機構20と、複数の計量ホッパ開閉機構30と、本体ケーシング10と、複数の支持部材14と、複数の支持部材15と、制御部8とを有する。
【0023】
分散テーブル2は、供給コンベア装置80が物品を落下させる位置の真下に配置される。供給フィーダ3は、分散テーブル2の周囲に円形に等間隔に配置される。プールホッパ4は、供給フィーダ3の下方に配置される。ゲート41,42は、プールホッパ4の下部の排出口4bを開閉する。計量ホッパ5は、プールホッパ4の下方に配置される。ゲート51は、計量ホッパ5の下部の排出口5bを開閉する。プールホッパ4および計量ホッパ5は、それぞれ円形に等間隔に配置される。集合排出シュート7は、計量ホッパ5の下方に配置される。集合排出シュート7の排出口の真下には、包装装置90が配置される。ロードセル12は、計量ホッパ5内に貯留されている物品の重量を計量する。プールホッパ開閉機構20は、ゲート41,42を開閉する。計量ホッパ開閉機構30は、ゲート51を開閉する。支持部材14は、プールホッパ4を本体ケーシング10に固定する。支持部材15は、計量ホッパ5を本体ケーシング10に固定する。
【0024】
供給コンベア装置80によって分散テーブル2に供給された物品は、分散テーブル2から供給フィーダ3へ、供給フィーダ3からプールホッパ4へ、プールホッパ4から計量ホッパ5へ、計量ホッパ5から集合排出シュート7へ、集合排出シュート7から包装装置90へと順に搬送される。
【0025】
本実施形態では、供給フィーダ3、プールホッパ4、第1ゲート41、第2ゲート42、計量ホッパ5、ゲート51、ロードセル12、プールホッパ開閉機構20、計量ホッパ開閉機構30、支持部材14および支持部材15は、12個ずつ存在する。12個ずつの供給フィーダ3、プールホッパ4、第1ゲート41、第2ゲート42、計量ホッパ5、ゲート51、ロードセル12、プールホッパ開閉機構20、計量ホッパ開閉機構30、支持部材14および支持部材15は、互いに1対1で対応している。従って、ある供給フィーダ3から排出された物品は、特定のプールホッパ4および特定の計量ホッパ5を経由し、かつ、特定のロードセル12で計量された後、集合排出シュート7へと導かれる。あるプールホッパ4の下部の排出口4bは、特定のプールホッパ開閉機構20によって特定の第1ゲート41および特定の第2ゲート42が駆動されることにより開閉される。ある計量ホッパ5の下部の排出口5bは、特定の計量ホッパ開閉機構30によって特定のゲート51が駆動されることにより開閉される。あるプールホッパ4は、特定の支持部材14によって支持される。ある計量ホッパ5は、特定の支持部材15によって支持される。
【0026】
(2)各部の詳細
(2−1)分散テーブル
分散テーブル2は、本体ケーシング10の外側に配置される。分散テーブル2は、円錐形状である。分散テーブル2は、回転装置2a(
図2参照)によって回転駆動される。回転装置2aは、制御部8によって制御される。供給コンベア装置80から分散テーブル2上に落下した物品は、回転によって分散テーブル2上を周方向に分散しながら径方向に移動し、分散テーブル2の周囲に配置された供給フィーダ3上へ落下する。
【0027】
(2−2)供給フィーダ
供給フィーダ3は、本体ケーシング10の外側に配置される。各供給フィーダ3は、供給トラフ13を有する。供給トラフ13は、電磁加振装置3a(
図2参照)によって振動させられる。電磁加振装置3aは、制御部8によって制御される。供給トラフ13は、分散テーブル2から供給される物品を受け取り、受け取った物品を振動によって外側へ移動させ、下流側のプールホッパ4内へと落下させる。
【0028】
(2−3)プールホッパ、ゲートおよび支持部材
プールホッパ4は、本体ケーシング10の外側に配置される。プールホッパ4は、その上部に投入口4aを有し、その下部に排出口4bを有するトンネル形状ないし筒形状の部材である。プールホッパ4は、本体ケーシング10に固定される支持部材14によって支持される。支持部材14は、本体ケーシング10の外側に配置される。プールホッパ4の下方には、ゲート41,42が配置される。ゲート41,42は、本体ケーシング10の外側に配置される。ゲート41,42は、プールホッパ4の下部付近に取り付けられている軸を中心に回動することにより、プールホッパ4の排出口4bを開閉する。ゲート41,42の開閉のタイミングは、制御部8によって制御される。同じプールホッパ4に取り付けられているゲート41,42は、同じタイミングで開閉する。供給トラフ13から供給された物品は、プールホッパ4内に投入口4aを介して投入され、一時的にプールされる。プールホッパ4内の物品は、その後、ゲート41,42が開いた時に、排出口4bを介して計量ホッパ5内へと排出される。
【0029】
(2−4)計量ホッパ、ゲートおよび支持部材
計量ホッパ5は、本体ケーシング10の外側に配置される。計量ホッパ5は、ゲート41,42の真下に配置される。計量ホッパ5は、その上部に投入口5aを有し、その下部に排出口5bを有するトンネル形状ないし筒形状の部材である。計量ホッパ5は、本体ケーシング10に固定される支持部材15によって支持される。支持部材15は、本体ケーシング10の外側に配置される。計量ホッパ5内の物品は、ロードセル12によって重量が計量される。計量ホッパ5の下方には、ゲート51が配置される。ゲート51は、本体ケーシング10の外側に配置される。ゲート51は、計量ホッパ5の下部付近に取り付けられている軸を中心に回動することにより、計量ホッパ5の排出口5bを開閉する。ゲート51の開閉のタイミングは、制御部8によって制御される。プールホッパ4から供給された物品は、計量ホッパ5内に投入口5aを介して投入され、一時的に貯留される。計量ホッパ5内の物品は、その後、ゲート51が開いた時に、排出口5bを介して集合排出シュート7内へと排出される。
【0030】
(2−5)本体ケーシング
本体ケーシング10は、本実施形態では、12個のホッパ支持ケーシング10a(
図4参照)を有する。12個のホッパ支持ケーシング10aは、円形に等間隔に配置され、本体ケーシング10の側面部を形成する。ホッパ支持ケーシング10aは、本体ケーシング10のその他の部分に対しビス止めされ、メンテナンス時には、取り外し可能である。
【0031】
各ホッパ支持ケーシング10aは、引っ掛け部11a〜11dを有する。引っ掛け部11a,11bは、支持部材14の切り欠き14a,14b(
図8および
図9参照)をそれぞれ引っ掛け、プールホッパ4をホッパ支持ケーシング10aに固定する。同様に、引っ掛け部11c,11dは、支持部材15の切り欠き15a,15b(
図11および
図12参照)をそれぞれ引っ掛け、計量ホッパ5をホッパ支持ケーシング10aに固定する。ホッパ支持ケーシング10a、プールホッパ4、支持部材14、計量ホッパ5および支持部材15は、互いに1対1で対応している。従って、あるホッパ支持ケーシング10aは、特定の支持部材14により特定のプールホッパ4を支持し、特定の支持部材15により特定の計量ホッパ5を支持する。
【0032】
(2−6)ロードセル
図5に示すように、ロードセル12は、ホッパ支持ケーシング10aの内側に配置される。ロードセル12およびホッパ支持ケーシング10aは、互いに1対1で対応している。従って、あるロードセル12は、特定のホッパ支持ケーシング10a内に収容される。ロードセル12は、ホッパ支持ケーシング10aが引っ掛け部11c,11dを介し受け取る荷重を測定可能な態様で配置される。従って、制御部8は、ロードセル12の測定値を取得し、当該測定値から計量ホッパ5、ゲート51および支持部材15等の重量分を差し引くことにより、計量ホッパ5内の物品の重量値を算出する。計量のタイミングは、制御部8によって制御される。
【0033】
(2−7)プールホッパ開閉機構
プールホッパ開閉機構20は、内側機構20a(
図5参照)および外側機構20b(
図6参照)を有する。内側機構20aは、ホッパ支持ケーシング10aの内側に配置される。外側機構20bは、ホッパ支持ケーシング10aの外側に配置される。内側機構20aは、モータ21および主動磁石45aを有する。外側機構20bは、可動部材60および従動磁石45bを有する。
【0034】
主動磁石45aおよび従動磁石45bは、非接触のマグネットカップリング45を形成する。主動磁石45aおよび従動磁石45bは、永久磁石である。本実施形態では、主動磁石45aおよび従動磁石45bは、それぞれ円盤形状であり、略同じ径を有する。主動磁石45aおよび従動磁石45bのそれぞれにおいて、S極およびN極は、8等分した扇形の領域に交互に配列される。
【0035】
主動磁石45aと、従動磁石45bとは、ホッパ支持ケーシング10aを挟んで、互いに対面するように配置される。主動磁石45aも、従動磁石45bも、ホッパ支持ケーシング10aに接触しておらず、一定の間隔を空けている。従って、主動磁石45aおよび従動磁石45bが回転しても、磁石45a,45bとホッパ支持ケーシング10aとの摩擦による磨耗粉が発生せず、物品に磨耗粉が混ざるのを防ぐことができる。また、静音性も保たれる。また、本実施形態では、主動磁石45aと、従動磁石45bとが非接触であるため、両者を連結する可動軸が省略される。従って、可動軸の回転や摺動等の運動に起因して部品どうしが摩擦し、磨耗粉が発生するという従来の問題が解消される。さらに、可動軸が省略されることにより、可動軸の周辺に利用されていたオイルシールやVリングなどの樹脂製品も省略される。その結果、樹脂製品が劣化に伴い脱落し、物品に異物が混入するという従来の問題も解消される。
【0036】
モータ21が駆動されると、その駆動力(トルク)は、ギアやカム等の機械部品(図示せず)を介して主動磁石45aに伝達される。その結果、主動磁石45aが回転駆動される。モータ21の駆動は、制御部8によって制御される。主動磁石45aが回転すると、主動磁石45aと従動磁石45bとの間に働く磁力により、従動磁石45bも主動磁石45aに追従して回転する。
【0037】
従動磁石45bの、ホッパ支持ケーシング10aの反対側には、可動部材60が連結されている。可動部材60は、第1レバー部材61、第2レバー部材62、第3レバー部材67、第4レバー部材66、第5レバー部材68、中間レバー部材63、第1突出軸64および第2突出軸65を有する。
【0038】
第1突出軸64は、ホッパ支持ケーシング10aの内側から外側に向かう方向(以下、内外方向)に、従動磁石45bの中心軸を延長するように延びる。第2突出軸65は、支持部材14から内外方向に突出する。第1突出軸64の外側の端部と、第2突出軸65の外側の端部とは、第4レバー部材66により接続される。ただし、第1突出軸64は、第4レバー部材66に対し回転自在に接続されるが、第2突出軸65は、第4レバー部材66に対し回転不可能に接続される。従動磁石45bと、第1突出軸64とは、互いに非可動である。第4レバー部材66と、第2突出軸65と、支持部材14とは、互いに非可動である。その結果、従動磁石45bの回転は、第1突出軸64には伝達されるが、第4レバー部材66と、第2突出軸65と、支持部材14には伝達されない。また、第4レバー部材66は、第1突出軸64に回転動作は許容するが、他の動作は許容しない。従って、支持部材14がホッパ支持ケーシング10aに固定されている間、従動磁石45bは、回転可能であるが、ホッパ支持ケーシング10aとの位置関係は一定である。その結果、従動磁石45bは、安定して主動磁石45aに対面する。
【0039】
第1レバー部材61は、第1突出軸64を介し、従動磁石45bに連結される。第1レバー部材61と、第1突出軸64とは、互いに非可動である。従って、従動磁石45bが回転すると、第1レバー部材61も第1突出軸64とともに回転する。
【0040】
第2レバー部材62は、ゲート41に連結される。第3レバー部材67は、ゲート42に連結される。中間レバー部材63は、第1レバー部材61および第2レバー部材62に揺動可能に連結される。第5レバー部材68は、第2レバー部材62および第3レバー部材67に揺動可能に連結される。
【0041】
その結果、従動磁石45bが回転し、第1レバー部材61が回転すると、その回転力は、第1レバー部材61から中間レバー部材63へ、中間レバー部材63から第2レバー部材62へ、第2レバー部材62からゲート41へと伝達され、ゲート41の開閉力に変換される。第2レバー部材62に伝達された力は、第2レバー部材62から第5レバー部材68へ、第5レバー部材68から第3レバー部材67へ、第3レバー部材67からゲート42へと伝達され、ゲート42の開閉力に変換される。従って、モータ21は、計量ホッパ5を開閉する駆動力を同時に2つのゲート41,42に与える。言い換えると、
図6から
図10に示すように、モータ21は、主動磁石45aを駆動することにより、従動磁石45bおよび可動部材60を介してゲート41,42を開閉する。
【0042】
第1レバー部材61、中間レバー部材63および第2レバー部材62は、トグル機構を形成している。組合せ計量機1の動作中、上方から落下してくる物品の衝突により、ゲート41,42には、ゲート41,42を開く方向の力が加わる。しかし、かかる力は、可動部材60により打ち消される。より具体的には、かかる力の方向に第1レバー部材61が第2突出軸65に引っ掛かり、第1レバー部材61、中間レバー部材63および第2レバー部材62が可動するに至らない。従って、予期せずゲート41,42が開かれることが防止される。
【0043】
(2−8)計量ホッパ開閉機構
計量ホッパ開閉機構30は、内側機構30a(
図5参照)および外側機構30b(
図6参照)を有する。内側機構30aは、ホッパ支持ケーシング10aの内側に配置される。外側機構30bは、ホッパ支持ケーシング10aの外側に配置される。内側機構30aは、モータ31および主動磁石55aを有する。外側機構30bは、可動部材60および従動磁石55bを有する。
【0044】
主動磁石55aおよび従動磁石55bは、非接触のマグネットカップリング55を形成する。主動磁石55aおよび従動磁石55bは、永久磁石である。本実施形態では、主動磁石55aおよび従動磁石55bは、それぞれ円盤形状であり、略同じ径を有する。主動磁石55aおよび従動磁石55bのそれぞれにおいて、S極およびN極は、8等分した扇形の領域に交互に配列される。
【0045】
主動磁石55aと、従動磁石55bとは、ホッパ支持ケーシング10aを挟んで、互いに対面するように配置される。主動磁石55aも、従動磁石55bも、ホッパ支持ケーシング10aに接触しておらず、一定の間隔を空けている。従って、主動磁石55aおよび従動磁石55bが回転しても、磁石55a,55bとホッパ支持ケーシング10aとの摩擦による磨耗粉が発生せず、物品に磨耗粉が混ざるのを防ぐことができる。また、静音性も保たれる。
【0046】
モータ31が駆動されると、その駆動力(トルク)は、ギアやカム等の機械部品(図示せず)を介して主動磁石55aに伝達される。その結果、主動磁石55aが回転駆動される。モータ31の駆動は、制御部8によって制御される。主動磁石55aが回転すると、主動磁石55aと従動磁石55bとの間に働く磁力により、従動磁石55bも主動磁石55aに追従して回転する。
【0047】
従動磁石55bの、ホッパ支持ケーシング10aの反対側には、可動部材70が連結されている。可動部材70は、第1レバー部材71、第2レバー部材72、第4レバー部材76、中間レバー部材73、第1突出軸74および第2突出軸75を有する。
【0048】
第1突出軸74は、内外方向に従動磁石55bの中心軸を延長するように延びる。第2突出軸75は、支持部材15から内外方向に突出する。第1突出軸74の外側の端部と、第2突出軸75の外側の端部とは、第4レバー部材76により接続される。ただし、第1突出軸74は、第4レバー部材76に対し回転自在に接続されるが、第2突出軸75は、第4レバー部材76に対し回転不可能に接続される。従動磁石55bと、第1突出軸74とは、互いに非可動である。第4レバー部材76と、第2突出軸75と、支持部材15とは、互いに非可動である。その結果、従動磁石55bの回転は、第1突出軸74には伝達されるが、第4レバー部材76と、第2突出軸75と、支持部材15には伝達されない。また、第4レバー部材76は、第1突出軸74に回転動作は許容するが、他の動作は許容しない。従って、支持部材15がホッパ支持ケーシング10aに固定されている間、従動磁石55bは、回転可能であるが、ホッパ支持ケーシング10aとの位置関係は一定である。その結果、従動磁石55bは、安定して主動磁石55aに対面する。
【0049】
第1レバー部材71は、第1突出軸74を介し、従動磁石55bに連結される。第1レバー部材71と、第1突出軸74とは、互いに非可動である。従って、従動磁石55bが回転すると、第1レバー部材71も第1突出軸74とともに回転する。
【0050】
第2レバー部材72は、ゲート51に連結される。中間レバー部材73は、第1レバー部材71および第2レバー部材72に揺動可能に連結される。
【0051】
その結果、従動磁石55bが回転し、第1レバー部材71が回転すると、その回転力は、第1レバー部材71から中間レバー部材73へ、中間レバー部材73から第2レバー部材72へ、第2レバー部材72からゲート51へと伝達され、ゲート51の開閉力に変換される。従って、モータ31は、計量ホッパ5を開閉する駆動力をゲート51に与える。言い換えると、
図6、
図7および
図11〜
図13に示すように、モータ31は、主動磁石55aを駆動することにより、従動磁石55bおよび可動部材70を介してゲート51を開閉する。
【0052】
第1レバー部材71、中間レバー部材73および第2レバー部材72は、トグル機構を形成している。組合せ計量機1の動作中、上方から落下してくる物品の衝突により、ゲート51には、ゲート51を開く方向の力が加わる。しかし、かかる力は、可動部材70により打ち消される。より具体的には、かかる力の方向に第1レバー部材71が第2突出軸75に引っ掛かり、第1レバー部材71、中間レバー部材73および第2レバー部材72が可動するに至らない。従って、予期せずゲート51が開かれることが防止される。
【0053】
(2−9)集合排出シュート
集合排出シュート7は、計量ホッパ5から投入された物品を集合させ、その後、後段の包装装置90に向けて落下させる。
【0054】
(2−10)制御部
図2に示すように、制御部8は、CPU81、ROM82、RAM83およびHDD84を有する。CPU81は、RAM83と協働しつつ、ROM82およびHDD84に記憶されている制御プログラムを読み出して実行することにより、組合せ計量機1の動作を制御する。HDD84には、制御部8における各種演算処理の結果が必要に応じて記憶される。制御部8は、回転装置2a、電磁加振装置3a、モータ21,31およびロードセル12に接続されている。
【0055】
(3)組合せ計量機の動作
次に、組合せ計量機1の動作について説明する。
【0056】
まず、組合せ計量機1の上方の供給コンベア装置80から分散テーブル2上へと、順次、適量の物品が投入される。
【0057】
分散テーブル2上に投入された物品は、分散テーブル2の回転によって分散テーブル2上を移動し、分散テーブル2の周囲の供給トラフ13上に落下する。供給トラフ13上に落下した物品は、供給トラフ13の振動によって供給トラフ13上を移動し、供給トラフ13の周囲のプールホッパ4内に落下する。このとき、ゲート41,42は閉じられた状態にある。従って、物品は、プールホッパ4内にプールされる。
【0058】
ゲートト41,42は、その下方の計量ホッパ5内に物品が貯留されていない場合に制御部8によって開かれる。これにより、プールホッパ4内にプールされていた物品が、その下方の計量ホッパ5内へと排出される。このとき、ゲート51は閉じられた状態にある。従って、物品は、計量ホッパ5内に貯留される。ロードセル12は、計量ホッパ5内に物品が貯留されているタイミングで測定を行い、測定結果を制御部8に送信する。
【0059】
制御部8は、計量ホッパ5にそれぞれ関連付けられている物品の重量値に基づいて、組合せ演算を行う。組合せ演算の結果、制御部8によって12個の計量ホッパ5の中から数個の計量ホッパ5が選択される。数個の計量ホッパ5が選択されると、それらの計量ホッパ5の下方のゲート51が制御部8によって開かれ、それらの計量ホッパ5内に貯留されていた物品が集合排出シュート7内へと排出される。物品が排出されたことにより空になった計量ホッパ5内には、順次その上方のプールホッパ4から新たな物品が補充される。
【0060】
以上により、所定重量の物品が、集合排出シュート7内で集合する。集合排出シュート7内を滑り落ちながら集合した物品は、組合せ計量機1の後段の包装装置90へと搬送される。
【0061】
(4)特徴
(4−1)
上記実施形態では、ホッパ4,5およびゲート41,42,51が、ホッパ支持ケーシング10aの外側に配置される。ホッパ4,5を開閉する駆動力をゲート41,42,51に与えるモータ21,31が、ホッパ支持ケーシング10aの内側に配置される。モータ21,31からゲート41,42,51まで駆動力を伝達する機構の部品である主動磁石45a,55aと従動磁石45b,55bとが、それぞれホッパ支持ケーシング10aの内外に配置される。その結果、ホッパ4,5およびゲート41,42,51と、モータ21,31とを、ホッパ支持ケーシング10aにより空間的に分離することができる。従って、ゲート41,42,51を開閉するモータ21,31を水滴等から十分に保護することができる。
【0062】
(4−2)
上記実施形態では、従動磁石45b,55bは、ホッパ支持ケーシング10aと接触しないように配置される。その結果、従動磁石45b,55bとホッパ支持ケーシング10aとの摩擦による磨耗粉の発生が抑制される。従って、物品に磨耗粉が混ざるのを防ぐことができる。
【0063】
(4−3)
上記実施形態では、可動部材60,70は、ホッパ支持ケーシング10aの外側に配置される。従って、複雑な構造を有する可動部材60,70のメンテナンスが容易になる。
【0064】
(4−4)
ホッパ支持ケーシング10aの外側に配置される部品は、ホッパ支持ケーシング10aに保護されることがなく、汚れ易い。上記実施形態では、ホッパ支持ケーシング10aの外側に配置されるホッパ4、ゲート41,42、支持部材14、従動磁石45bおよび可動部材60が、ホッパ支持ケーシング10aに対し一体的に着脱可能である。また、ホッパ支持ケーシング10aの外側に配置されるホッパ5、ゲート51、支持部材15、従動磁石55bおよび可動部材70が、ホッパ支持ケーシング10aに対し一体的に着脱可能である。従って、汚れ易い部品のメンテナンス(主として、清掃)が容易になる。
【0065】
(4−5)
上記実施形態では、主動磁石45aと、従動磁石45bとが非接触である。従って、両者を連結する可動軸が省略される。その結果、組合せ計量機1では、ケーシング10の日々の清掃時の障害となり得る部品(従来の可動軸)が省略される。
【0066】
(5)変形例
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、以下のような変更が考えられる。
【0067】
(5−1)
可動部材60,70の構造は、上記のものに限定されない。従動磁石45b,55bの回転をゲート41,42,51に伝達できるのであれば、任意の構造を採用し得る。
【0068】
(5−2)
組合せ計量機1がブースタホッパを有する場合には、ブースタホッパの開閉機構にも、本発明を適用し得る。
【0069】
(5−3)
プールホッパ4および計量ホッパ5の全ての開閉機構にマグネットカップリングを利用する必要はなく、例えば、プールホッパ4のみ、計量ホッパ5のみの開閉機構にマグネットカップリングを利用してもよい。