(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記洗浄槽の底面に設けられ、遊挿される前記回転洗浄ノズルを、洗浄運転時に前記回転洗浄ノズルから噴出する水の反作用により回転できるように保持する接続筒を備えているとともに、
前記洗浄槽の底面には、前記接続筒の配置位置から前記水貯留部に亘り、前記接続筒と前記回転洗浄ノズルとの間隙から流出する水を前記水貯留部に導く案内溝が形成されていること
を特徴とする請求項1または2記載の食器洗浄乾燥機。
前記接続筒の上端部周方向の、前記案内溝に対応する箇所には、前記上端部周方向の他の領域よりも高さが低くなるような態様で切り欠き部が設けられ、該切り欠き部が前記接続筒と前記回転洗浄ノズルとの間隙から流出する水の溢出部となるように構成されていることを特徴とする請求項3記載の食器洗浄乾燥機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するものであり、回転方向に応じて、第一流出口と第二流出口との2つの流出口を切り替える切替弁を備えた洗浄用と排水用の兼用ポンプを用いる食器洗浄乾燥機において、兼用ポンプの流出口と切替弁との間に異物が噛みこんだ場合にも十分な洗浄性能および乾燥性能を得ることが可能な食器洗浄乾燥機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明(請求項1)の
食器洗浄乾燥機は、
洗浄すべき食器を収容する洗浄槽と、
回転の方向を切り替えることにより洗浄用と排水用に兼用される兼用ポンプと、
前記洗浄槽に貯留される湯水の水位を検出する水位検出手段と、
洗浄運転時には、前記洗浄槽の水貯留部において洗浄用水位に貯留された洗浄用湯水を噴出させる回転洗浄ノズルと
を具備し、
食器の洗浄を行う洗浄運転時には、前記兼用ポンプ
に備える羽根車を一の方向に回転させることで前記兼用ポンプを一の方向に回転させ、洗浄槽の水貯留部に貯留された洗浄用湯水を前記回転洗浄ノズルから噴出させて、前記洗浄槽に収容された食器の洗浄を行い、
前記水貯留部に貯留された湯水を機外に排出する排水運転時には、前記兼用ポンプ
に備える羽根車を前記一の方向とは逆の方向に回転させることで前記兼用ポンプを前記一の方向とは逆の方向に回転させて、前記水貯留部に貯留された湯水の機外への排水を行う
食器洗浄乾燥機であって、
前記洗浄槽に収容された食器の洗浄が行われる洗浄空間に臨むように、洗浄空間の周囲壁に配設された空気吸引口から、同じく前記周囲壁に配設された空気供給口に亘って形成された通風経路を経て、前記洗浄空間内の空気を循環させる通風手段とを具備し、かつ、
前記兼用ポンプには、
(a)正回転時に湯水を吐出する正回転時吐出口、および、逆回転時に湯水を吐出する逆回転時吐出口と、
(b)前記兼用ポンプを前記一の方向に回転させたときには、前記正回転時吐出口を経由して前記回転洗浄ノズルに前記洗浄用湯水が供給され、前記兼用ポンプを前記一の方向と逆の方向に回転させたときには、前記正回転時吐出口を閉塞するとともに、前記逆回転時吐出口を経由して前記水貯留部に貯留された湯水を機外へ排水する切替弁と、
を設けるとともに、
洗浄後の食器を乾燥させる乾燥運転時には、前記通風経路を経て前記洗浄空間内の空気を循環させ、前記除湿部において、前記伝熱体および除湿用冷却水に空気を接触させ、水分を凝縮させて分離するとともに、前記除湿用冷却水と凝縮水とを前記洗浄槽の前記水貯留部に貯留し、かつ、
前記乾燥運転中に、前記水貯留部に乾燥時排出用所定水位の水が貯留される毎に所定の乾燥排水時間、前記排水運転を繰り返し行うように構成されているとともに、
前記乾燥運転中に、前記乾燥排水時間に亘る前記排水運転を完了してから前記水位検出手段が前記乾燥時排出用所定水位を検出するまでのインターバル時間が所定の許容値以上である場合には、前記切替弁と前記正回転時吐出口との間に異物の噛み込みによる湯水の漏れが発生し、排水揚程が低下したと見なし、前記異物を除去するために、前記異物除去正方向用回転数で前記異物除去正方向用運転時間に亘り、前記兼用ポンプを前記一の方向に回転させること
を特徴としている。
【0010】
また、本発明(請求項
2)の食器洗浄乾燥機は、本発明(請求項
1)の食器洗浄乾燥機において、前記異物除去正方向用回転数を、前記洗浄運転時における回転数とは異なる回転数とすることを特徴としている。
【0011】
また、本発明(請求項
3)の食器洗浄乾燥機は、前記洗浄槽の底面に設けられ、遊挿される前記回転洗浄ノズルを、洗浄運転時に前記回転洗浄ノズルから噴出する水の反作用により回転できるように保持する接続筒を備えているとともに、前記洗浄槽の底面には、前記接続筒の配置位置から前記水貯留部に亘り、前記接続筒と前記回転洗浄ノズルとの間隙から流出する水を前記水貯留部に導く案内溝が形成されていることを特徴としている。
【0012】
また、本発明(請求項
4)の食器洗浄乾燥機は、前記接続筒の上端部周方向の、前記案内溝に対応する箇所には、前記上端部周方向の他の領域よりも高さが低くなるような態様で切り欠き部が設けられ、該切り欠き部が前記接続筒と前記回転洗浄ノズルとの間隙から流出する水の溢出部となるように構成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明の食器洗浄乾燥機(請求項1の食器洗浄乾燥機)
は、兼用ポンプに、(a)正回転時に湯水を吐出する正回転時吐出口、および、逆回転時に湯水を吐出する逆回転時吐出口と、(b)兼用ポンプを一の方向に回転させたときには、正回転時吐出口を経由して回転洗浄ノズルに洗浄用湯水が供給され、兼用ポンプを一の方向と逆の方向に回転させたときには、正回転時吐出口を閉塞するとともに、逆回転時吐出口を経由して水貯留部に貯留された湯水を機外へ排水する切替弁とを設けるとともに、洗浄後の乾燥運転時には、洗浄空間内の空気を循環させ、除湿部において、伝熱体および除湿用冷却水に空気を接触させ、水分を凝縮させて分離するとともに、除湿用冷却水と凝縮水とを洗浄槽の水貯留部に貯留し、かつ、乾燥運転中に、水貯留部に乾燥時排出用所定水位の水が貯留される毎に所定の乾燥排水時間、排水運転を繰り返し行うようにするとともに、乾燥運転中に、乾燥排水時間に亘る排水運転を完了してから水位検出手段が乾燥時排出用所定水位を検出するまでのインターバル時間が所定の許容値以上である場合には、切替弁と正回転時吐出口との間に異物の噛み込みによる湯水の漏れが発生し、排水揚程が低下したと見なし、異物を除去するために、異物除去正方向用回転数で異物除去正方向用運転時間に亘り、兼用ポンプを一の方向に回転させるようにしているので、乾燥運転中において、切替弁と正回転時吐出口との間に、被洗浄物からの残菜などの異物の噛み込みによる漏れが発生し、排水揚程が低下した場合に、異物を取り除くことができる。また、この場合に、兼用ポンプを正方向に回転させて行う、異物を除去するための運転時間が
、所定の時間(異物除去正方向用運転時間)に制限されることから、洗浄槽に貯留された除湿用冷却水が回転洗浄ノズルから多量に噴出してしまうことが回避され、乾燥運転により乾燥し始めている被洗浄物である食器の表面に除湿用冷却水が飛散することに起因する、食器の乾燥の遅れを防止することができる。
【0014】
また、請求項
2の食器洗浄乾燥機のように、本発明(請求項
1)の食器洗浄乾燥機において、異物除去正方向用回転数を、洗浄運転時における回転数とは異なる回転数とした場合、例えば、異物除去正方向用回転数を、洗浄運転時における回転数より多くすることにより、回転洗浄ノズルから噴出する洗浄用湯水の量がいくらか多くなるものの、異物を除去しやすくなり、また、異物除去正方向用回転数を、洗浄運転時における回転数より少なくすることにより、異物を除去効果がいくらか低下しても、回転洗浄ノズルから噴出する洗浄用湯水の量を少なくして、被洗浄物である食器の表面への除湿用冷却水の飛散に起因する食器の乾燥の遅れを抑制、防止することが可能になる。
【0015】
また、洗浄槽の底面に設けられ、遊挿される回転洗浄ノズルを、洗浄運転時に回転洗浄ノズルから噴出する水の反作用により回転できるように保持する接続筒を備えているとともに、洗浄槽の底面には、接続筒の配置位置から水貯留部に亘り、接続筒と回転洗浄ノズルとの間隙から流出する水を水貯留部に導く案内溝が形成されている構成とした場合、兼用ポンプが正方向に回転する際に回転洗浄ノズルと接続筒との間隙から水が流出した場合(水漏れした場合)にも、上記間隙から流出した水が、案内溝から水貯留部に導かれるため、洗浄槽内に流出した水が広がらず、洗浄空間で水が再蒸発することによる乾燥効率の低下を防止することができる。
【0016】
また、接続筒の上端部周方向の、案内溝に対応する箇所に、上端部周方向の他の領域よりも高さが低くなるような態様で切り欠き部が設けられ、該切り欠き部が接続筒と回転洗浄ノズルとの間隙から流出する水の溢出部となるように構成されている場合、接続筒と回転洗浄ノズルとの間に存在する上記の間隙から漏れる水は、切欠き部から溢れて接続筒の外周を伝い、案内溝に流れ込むため、接続筒と回転洗浄ノズルとの間隙から流出する水が洗浄槽の底部を広く濡らしてしまうことを防止して、乾燥効率が低下することをより確実に防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を示して、その特徴とするところをさらに詳しく説明する。
図1は本発明の実施形態にかかる食器洗浄乾燥機の主要部の構成を示す斜視図、
図2は側面断面図、
図3は本発明の食器洗浄乾燥機の扉体の内側領域の概略構成を示す斜視図である。
ここでは、まず、本発明の実施形態にかかる食器洗浄乾燥機の全体的な構成を説明し、その後、本発明の特徴的構成について説明する。
【0019】
[本発明の実施形態にかかる食器洗浄乾燥機の全体的な構成]
本実施形態の食器洗浄乾燥機は、引出し式の食器洗浄乾燥機であり、
図1、
図2、
図3に示すように、前面部が開口された直方体形状の本体部1と、本体部1に対して、引出し移動および収納移動の各動作を自由に行うことができるような態様で配設された、平面視形状が略長方形の洗浄槽Dとを備えている。
【0020】
洗浄槽Dは引出し部2を備えており、本体部1は引出部2を本体部1に対して移動可能に支持するスライド式レール機構(図示せず)を備えている。そして、引出し部2は、その大部分が本体部1の外方に露出するように引き出すことができるように構成されている。
【0021】
また、本体部1には、この引出し部2を本体部1に収納した状態で洗浄槽Dの上面部を閉塞し、かつ、引出し部2を本体部1から引き出した状態で洗浄槽Dの上面部を開口させる内蓋部3が設けられており、洗浄槽Dの内部空間に、開閉自在な洗浄空間Qが確保されるように構成されている(
図2参照)。
【0022】
引出し部2の前面部には、本体部1の前面部の開口を開閉する扉体Aが設けられ、その扉体Aには、引出し部2を本体部1から引き出すときや、収納するときに把持するための把持部Bが設けられている。なお、詳述はしないが、把持部Bには、引出し部2を本体部1に収納するに伴って本体部1の係止部Paに係合する係合手段Pが設けられており、この係合手段Pが係止部Paに係合することにより、引出し部2を本体部1に収納した状態に保持するように構成されている。そして、係合手段Pは、引出し部2を本体部1から引き出すときに把持部Bを把持している手指で、係合を解除して係合状態を解除することができるように構成されている。さらに、扉体Aには、運転のための各種操作を行う操作部SSが設けられている。
また、本実施形態の食器洗浄乾燥機においては、
図7に示すように、洗浄槽Dに水を供給する給水路4および給水路4を開閉する給水弁4aが設けられている。
【0023】
引出し部2における洗浄槽Dの底部下方には、正転で洗浄ポンプとして機能し、かつ、逆転で排水ポンプとして機能する兼用ポンプ6が設けられている。また、洗浄槽Dの内部には、回転洗浄ノズル8や加熱手段としての電気式のヒータ9などが配置され、さらに、食器などの洗浄対象物を収納載置する洗浄かご10が、洗浄槽Dの内部に着脱可能に装着されている。
【0024】
兼用ポンプ6は、吸引管11を介して洗浄槽Dの底部に形成された水貯留用凹部Sに接続されている。また、兼用ポンプ6には排水のための排水管12が接続されており、排水トラップ12a(
図2参照)を経由して機外の排水管に排水される。
さらに、水貯留用凹部Sには、案内管13を介して水位センサJが接続されている。
なお、
図2に示すように、本体部1の底部には、漏水受止め用のドレンパン14が配備されており、特に図示しないが、このドレンパン14には、受け止めた水の存否を検出する漏水センサが装備されている。
【0025】
また、
図2、
図3、
図4および
図7に示すように、洗浄槽Dにおける4つの側壁部のうちの機体前面側、すなわち、引出し部前面側に相当する前側壁部Dfには、乾燥ユニットKが取り付けられている。
【0026】
つまり、前側壁部Dfには、
図4などに示すように、乾燥ユニットKからの空気を洗浄空間Qに供給する空気供給口21、および、乾燥ユニットKが洗浄空間Q内の空気を吸引する空気吸引口22が、下方側で左右両側に離れた位置に形成されている。具体的には、空気供給口21および空気吸引口22は、洗浄かご10よりも下方側に位置するように形成されるものであり、本実施形態では、空気供給口21を右側に、空気吸引口22を左側に位置させている。
【0027】
乾燥ユニットKは、
図3〜
図7などに示すように、洗浄槽Dの前側壁部Dfに止着されるケーシング15の内部に、空気吸引口22から空気供給口21に亘る通風経路Fを経て洗浄空間Qの空気を循環させる循環ファン(通風手段)23、および、通風経路Fを通して循環される空気を除湿する除湿部Gを備えている。循環ファン(通風手段)23としては、シロッコファンが用いられている。
【0028】
通風経路Fは、
図7に示すように、空気吸引口22から上方側に伸びる上昇経路部分f1とその上昇経路部分f1の上端部から空気供給口21に向けて下方側に伸びる下降経路部分f2とからなる逆U字状に形成されており、上昇経路部分f1に除湿部Gが配設され、下降経路部分f2に循環ファン(通風手段)23が配設されている。
【0029】
前記ケーシング15は、前部側分割ケーシング部分15Aと、後部側分割ケーシング部分15Bとからなり、それらを接続することで乾燥ユニットK全体を囲うことができるように構成されている。
図5は、前部側分割ケーシング部分15Aを取り外した状態を示している。
【0030】
除湿部Gは、
図5〜
図7などに示すように、通風経路Fを構成する上昇経路部分f1に、所定の間隔をおいて水平方向に並置され、空気吸引口22から吸引された、洗浄空間Qからの空気を接触させることにより空気中の水分を凝縮させる、複数(本実施形態では5枚)の平板状の伝熱体24aを備えてなる凝縮部24と、上昇経路部分f1内の、凝縮部24の上方に配設され、凝縮部24を構成する伝熱体24aを冷却するための除湿用冷却水を、複数の伝熱体24aに供給する除湿用冷却水供給手段25とを備えており、通風経路をFを通過する水分を多量に含む空気は、凝縮部24の伝熱体24aおよび伝熱体24aの表面の除湿用冷却水と接触し、冷却されて水分が凝縮することにより除湿された後、通風経路Fを通過し、空気供給口21から洗浄空間Qに戻るように構成されている。
【0031】
平板状の伝熱体24aは、
図5、
図6に示すように、横方向の幅が上昇経路部分f1のほぼ横幅全幅にわたり、かつ縦方向の幅が上昇経路部分f1に沿って、所定の領域にわたる状態で縦向きの姿勢で配設されている。また、伝熱体24aは、板厚方向に沿って所定の間隔をおいて所定の位置に保持されるように、左右両側において、複数の保持部材30により間隔を確保しつつ、ケーシング15に保持、固定されている。
【0032】
本実施形態の食器洗浄乾燥機は、さらに、
図7に示すように、分配ノズル51に除湿用冷却水を供給する除湿用給水路26、除湿用給水路26を開閉する除湿用冷却水断続弁27、および、給水圧安定用のガバナ28を備えている。ガバナ28は給水圧を安定化させて、除湿用冷却水供給手段25の分配ノズル51に供給される水の流量をほぼ一定(実施形態では0.15リッター/分)に維持することができるように構成されている。
【0033】
次に、本実施形態の食器洗浄乾燥機の通風経路Fにおける空気の流れについて説明する。
図5および
図6に示すように、循環ファン(通風手段)23が作動すると、吸引用開口23Aから空気が吸引され、洗浄空間Q内部の空気がケーシング15の横側壁部15aと仕切り壁40とにより区画された上昇経路部分f1を通り上方に向けて流動する。そして、循環ファン23の吐き出し部23Bから吐き出された空気が、下降経路部分f2を通して下方に向けて流動して空気供給口21から洗浄空間Q内に供給される。
【0034】
そして、本実施形態の食器洗浄乾燥機においては、上昇経路部分f1が複数(本実施形態では5枚)の伝熱体24aによって仕切られてスリット状分割経路となり、上昇経路部分f1を通過する空気は各スリット状分割経路を通過する。
【0035】
各スリット状分割経路を通過する、水分を多量に含む空気は、
図7に示すように、分配ノズル51の各流下口53からほぼ均一に流下する除湿用冷却水により効率よく冷却された各伝熱体24aおよびその表面を流下する除湿用冷却水と接触して冷却され、空気中の水分が凝縮して分離される。
【0036】
なお、各流下口53から流下した除湿用冷却水は、凝縮した水分とともに、空気吸引口22を経て洗浄槽Dに戻り、水貯留用凹部Sに貯留される。
【0037】
そして、電気式のヒータ9を作動させた状態で、循環ファン(通風手段)23を作動させて洗浄空間Qからの空気を吸引し、通風経路Fを経て通風させるとともに、分配ノズル51の流下口53から除湿用冷却水を流下させることにより、除湿部Gで洗浄空間Qから吸引した空気の除湿を行い、除湿後の空気を乾燥用の空気として洗浄空間Qに循環供給し、その供給された空気をヒータ9で加熱することにより、洗浄空間Q内の洗浄対象物を乾燥する乾燥運転が行われる。
【0038】
また、ヒータ9を停止した状態で、洗浄空間Q内の空気を通風経路Fを通して通風させ、除湿部Gにおいて、分配ノズル51の流下口53から流下する除湿用冷却水に接触させることにより、空気中に含まれる例えばアンモニアやトリメチルアミンなどの臭気成分を除湿用冷却水に吸収させて除去することにより、循環空気の消臭が行われるように構成されている。
【0039】
なお、洗浄空間Qから吸引した空気中の臭気成分を除湿部Gにて除湿用冷却水に吸収させて分離した後、洗浄空間Qに供給することにより、洗浄空間Qの消臭も行われることになる。
【0040】
また、この食器洗浄乾燥機の場合、
図1および
図7に示すように、引出し部2には、運転を制御する制御手段としての制御部Hが装備されており、この制御部Hが、操作部SSにおいて入力される指令に基づいて、給水弁4a、兼用ポンプ6、ヒータ9、循環ファン(通風手段)23、および、除湿用冷却水断続弁27の動作を制御して、洗浄槽Dの内部の洗浄空間Qの洗浄対象物を洗浄液(湯水)による洗浄処理を行う洗浄運転、洗浄槽Dの水貯留用凹部Sに貯留されかつヒータ9にて加熱されるすすぎ水による洗浄対象物のすすぎ処理を行うすすぎ運転、洗浄槽Dの水貯留用凹部Sに貯留されたすすぎ水を排水処理する排水運転、ヒータ9を加熱作用させた状態で循環ファン23による通風および除湿用冷却水供給手段25の分配ノズル51からの除湿用冷却水の供給(流下)を行って空気の乾燥処理を行う乾燥運転、および、ヒータ9を停止させた状態で循環ファン23による通風および除湿用冷却水供給手段25における分配ノズル51からの除湿用冷却水の供給(流下)を行って空気の消臭処理を行う消臭運転などの運転を行う。すなわち、制御部Hは、乾燥処理において、洗浄空間Qの空気を除湿しながら循環させるべく、循環ファン23および除湿部Gの作動を制御するように構成されている。
【0041】
また、本実施形態の食器洗浄乾燥機は、使用者が、操作部SSにより、洗浄運転、すすぎ運転、排水運転、乾燥運転、消臭運転の順に運転させる連続運転コースや、乾燥運転のみ運転させる乾燥のみコースなど各種の運転コースを選択できるように構成されており、さらに、連続運転コースとして、標準運転コース、念入り運転コース、スピーディ運転コース、快速運転コースが備えられている。
【0042】
以下、制御部Hの制御動作について説明する。
まず、図外の収納スイッチにより、引出し部2が本体部1の収納位置に収納されることが検出され、操作部SSの電源スイッチがON操作されると、運転コースの選択が行われる。
【0043】
操作部SSのスタートスイッチがON操作されると、標準運転コースが開始し、洗浄運転、すすぎ運転、排水運転、乾燥運転、消臭運転、排水運転が順次実行される。
【0044】
洗浄運転では、給水弁4aを開弁して給水路4を通して洗浄槽D内に洗浄用湯水を給水し、その水位が水位センサJにて設定水位に達したことが検出されると、給水弁4aを閉じる給水動作を行い、その後、兼用ポンプ6を正転作動(反時計回り(CCW方向)に回転)させ、かつヒータ9を作動させて、洗浄用湯水を回転洗浄ノズル8から洗浄対象物に向けて噴出する洗浄動作を、洗浄運転用設定時間が経過するまで行い、次に、兼用ポンプ6を逆転作動(時計回り(CW方向)に回転)させ、洗浄槽D内の洗浄用湯水を排水する排水動作(後述の排水運転と同じ動作)を行う。
【0045】
また、すすぎ運転では、上述の洗浄運転における給水動作と同様の給水動作を行って、洗浄槽Dの底部にすすぎ水を設定水位貯留させ、その後、兼用ポンプ6を正転作動(反時計回り(CCW方向)に回転)させて洗浄対象物にむけて設定時間が経過するまで回転洗浄ノズル8からすすぎ水を噴出するすすぎ水噴出動作、および、兼用ポンプ6を逆転作動(時計回り(CW方向)に回転)させて洗浄槽Dの底部に貯留されたすすぎ水を排水する排水動作(後述の排水運転と同じ動作)を順次行うすすぎ動作を2回行い、最後に加熱すすぎ動作を行う。
【0046】
加熱すすぎ動作では、上述の給水動作により、洗浄槽Dの底部にすすぎ水を設定水位貯留させた後、兼用ポンプ6およびヒータ9を作動させ、ヒータ9で加熱されたすすぎ水により洗浄対象物のすすぎを行う。そして、図外の温度センサにより、すすぎ水の温度が仕上げ用設定温度(例えば、67℃)になると、加熱すすぎ動作を終了し、兼用ポンプ6を逆転作動(時計回り(CW方向)に回転)させて洗浄槽Dの底部に貯留されたすすぎ水を排水する排水運転を行う。
【0047】
上記排水運転では、兼用ポンプ6を逆転作動(時計回り(CW方向)に回転)させて、洗浄槽Dの底部に貯留されたすすぎ水を排水する排水動作を行い、この排水動作は、水位センサJによる水貯留用凹部Sの水位が、排水用設定水位または排水用設定水位以下であることが検出されてから、兼用ポンプ6の逆転作動(CW方向に回転)を所定時間(例えば20秒)継続させて除湿用冷却水を排水トラップ12aを経由して外部に排出する。
【0048】
乾燥運転では、ヒータ9を加熱作用させた状態で、循環ファン23による通風動作および除湿用冷却水供給手段25の分配ノズル51からの除湿用冷却水の供給動作を行わせ、その状態を乾燥用設定時間(例えば、25分)が経過するまで継続させる。
【0049】
なお、除湿用冷却水供給手段25の分配ノズル51からの除湿用冷却水の供給は、除湿用冷却水断続弁27を開弁し、除湿用給水路26を経て分配ノズル51に水を供給し、分配ノズル51の流下口53から除湿用冷却水を流下させることにより行う。このとき、給水圧安定用のガバナ28により、除湿用冷却水の流量がほぼ一定(実施形態では0.15リッター/分)に維持される。
【0050】
分配ノズル51の流下口53から供給(流下)される除湿用冷却水は、通風経路Fにおける上昇経路部分f1を経て流下し、ケーシング15の内面にて案内され、水貯留用凹部Sに貯留される。
【0051】
そして、貯留される除湿用冷却水によってヒータ9が浸漬することがないように、水位センサJにて、水貯留用凹部Sの水位が排水用設定水位であることが検出されたときに、兼用ポンプ6を所定時間(例えば20秒)逆転作動(時計回り(CW方向)に回転)させて除湿用冷却水を排水トラップ12aを経由して外部に排出させる排水処理を実行するように構成されている。
【0053】
兼用ポンプ6は、正転作動(
図8Aに示す反時計回り(CCW)方向への回転作動)をさせることにより、洗浄対象物にむけて回転洗浄ノズル8(
図9〜
図12)から洗浄用湯水またはすすぎ水を噴出し、逆転作動(
図8Bに示す時計回り(CW方向)への回転作動)をさせることにより、洗浄槽Dの底部に貯留された洗浄用湯水またはすすぎ水を排水する排水動作を行うように構成されており、以下の構造を有することで、上記のように洗浄用と排水用に兼用できるものとされている。
【0054】
図8A〜
図8Cのように、兼用ポンプ6の内部には、兼用ポンプ6からの吐出流路を洗浄口側と排水口側に切り替える切り替え弁71を備えている。
切り替え弁71は、排水口側流路73を塞ぐ方向に図示しないスプリングにより付勢されており、兼用ポンプ6が停止している場合も排水口側流路73を塞いだ状態で待機している。
【0055】
兼用ポンプ6が正転作動(反時計回り(CCW方向)に回転)した場合は、
図8Aに示すように吸い込み口74から吸い込まれた水が、正転時吐出口72aから吐出され洗浄口側流路72に吐出される。
【0056】
兼用ポンプ6が逆転作動(時計回り(CW方向)に回転)した場合は、
図8Bに示すように吸い込み口74から吸い込まれた水が逆転時吐出口73aから吐出され、このとき吐出する水流によって切り替え弁71が洗浄口側を塞ぐ方向に回動して洗浄口側流路72を塞ぎ、排水口側流路73が開放されて、水が排水口側流路73に吐出される。
【0057】
このように、切り替え弁71により洗浄口側流路72または排水口側流路73のうちの一方の側の流路が塞がれる構成とすることで、a)正転作動時(
図8A参照)において、逆転時吐出口73aから少量の湯水の吐出があった場合や、b)逆転作動時(
図8B参照)において、正転時吐出口72aから少量の湯水の吐出があった場合に、正転作動や逆転作動に応じた洗浄口側流路72と排水口側流路73のうちの一方の側の流路と異なる他方側の流路に湯水が流れることを極力抑制することができる。
【0058】
排水動作により水貯留凹部Sにおける貯留水の水位が低下してくると、兼用ポンプ6の吸い込み口から空気を吸い込むエアー噛み状態となり、逆転時吐出口73aから吐出される水流が弱くなり、スプリングによる付勢力により切り替え弁71は、洗浄口側流路72を少し開く方向に回動することになり、洗浄口側流路72から水が少し吐出する洗浄口側漏れ状態となる(
図8C参照)。
【0059】
なお、排水動作開始時に、スプリングにより排水口側流路73を塞ぐ方向に付勢された切り替え弁71が洗浄口側流路72を塞ぐまでの間も洗浄口側流路72から水が少し吐出する状態(洗浄口側漏れ状態)となる。
【0060】
洗浄口側漏れ状態となったときには、小量の水が回転洗浄ノズル8側に流れることになるが、回転洗浄ノズル8側に流れた水は水貯留用凹部Sに流れた後、兼用ポンプ6の吸い込み口から吸い込まれ排水されることになるので特に不都合は生じない。
【0061】
もし仮に、切り替え弁71がスプリングにより洗浄口側流路72を塞ぐ方向に付勢されていると、上記とは逆に、洗浄運転やすすぎ運転の開始時に排水口側流路73に水が少し吐出されることになり、洗浄槽D内の湯水が減少してしまうことになる不都合が発生するため、上述のように、切り替え弁71は排水口側流路73を塞ぐ方向にスプリングにより付勢してこのような不都合を回避するようにしている。
【0062】
ここで詳しく説明すると、回転洗浄ノズル8は、洗浄槽D内に備える接続筒80にわずかな間隙C(
図11参照))を介して回転自在に遊挿されており、回転洗浄ノズル8の噴出孔から噴出する湯水が回転軌道円の接線方向に傾けて噴出されることによる反作用で回転するように構成されている。なお、接続筒側係止片80aと回転洗浄ノズル側係止片8aとの係合により、回転洗浄ノズル8が浮き上がり、接続筒80から抜脱することを防止するようにしている(
図10参照)。
【0063】
洗浄口側漏れ状態となり、小流量の水が回転洗浄ノズル8側に流れた場合には、接続筒80と回転洗浄ノズル8との間に存在する上記の間隙Cから水が漏れることになる。そして、乾燥運転中に、上記の間隙Cから漏れた水が洗浄槽Dの底面部を広く濡らしてしまうと、漏れた水の表面積が広くなり、乾燥用に循環している空気の湿度を上昇させる(すなわち、除湿された水分が再び乾燥用の循環空気に還ってしまう)ことになり、乾燥効率が低下して、乾燥時間が長くなるという弊害を生じる。
【0064】
そこで、本実施形態の食器洗浄乾燥機においては、
図11、
図12に示すように、洗浄槽Dの底面における接続筒80の基部80bから水貯留用凹部Sに至る案内溝90を設けて、上記の間隙Cから漏れた水が、洗浄槽Dの底面部を広く濡らすことなく、速やかに水貯留用凹部Sに戻るようにしている。これにより、間隙Cからの水漏れがあった場合にも、漏れた水が洗浄槽Dの底面部を広く濡らして再蒸発することを防止することができる(
図9、
図10、
図11参照)。
【0065】
さらに、接続筒80の上端部周方向の、案内溝90に対応する箇所には、
図11、
図12に示すように、上端部周方向の他の領域よりも高さが低くなるような態様で切り欠き部91が設けられ、切り欠き部91が接続筒80と回転洗浄ノズル8との間隙Cから流出する水の溢出部となるように構成されている。
その結果、上述の洗浄口側漏れ状態となり、小流量の水が回転洗浄ノズル8側に流れた場合に、接続筒80と回転洗浄ノズル8との間に存在する間隙Cから漏れた水は、この切り欠き部91から溢れて接続筒80の外周を伝って案内溝90に流れ込むことになり、間隙Cから漏れた水が洗浄槽Dの底面部を広く濡らしてしまうことをより確実に防止することができる。
【0066】
そして、本発明の食器洗浄乾燥機においては、乾燥運転を開始して乾燥用設定時間が経過すると、ヒータ9の加熱、循環ファン23による通風を停止し、除湿用冷却水断続弁27を閉弁して分配ノズル51への水の供給を停止して分配ノズル51からの除湿用冷却水の流下を停止させる。
【0067】
消臭運転では、ヒータ9を停止させた状態で、循環ファン23による通風動作および除湿用冷却水供給手段25の分配ノズル51からの除湿用冷却水の供給動作を行わせ、その状態を消臭用設定時間が経過するまで維持する。この消臭運転においても上述の乾燥運転の場合と同様に、水位センサJにて水貯留用凹部Sの水位が排水用設定水位であることが検出されたときに、兼用ポンプ6を所定時間(例えば20秒)逆転作動(CW方向に回転)させて除湿用冷却水を排水トラップ12aを経由して外部に排出させる排水処理を実行するように構成されている。
【0068】
消臭運転を開始してから消臭用設定時間が経過すると、循環ファン23による通風動作および除湿用冷却水供給手段25の分配ノズル51からの除湿用冷却水の供給動作を停止して消臭運転を終了する。
【0069】
そして、消臭運転が終了した後に、排水運転を実行する。この排水運転は、兼用ポンプ6を逆転作動(時計方向(CW方向)に回転)させて水位センサJにより、水貯留用凹部Sの水位が排水用設定水位または排水用設定水位以下であることが検出されてから、兼用ポンプ6の逆転作動(CW方向に回転)を所定時間(例えば20秒)継続させて除湿用冷却水を排水トラップ12aを経由して外部に排出する。
【0070】
なお、上記洗浄運転および上記すすぎ運転において給水動作を実行するときには、除湿用冷却水断続弁27を開弁し、除湿用給水路26を経て分配ノズル51に水が供給されるようにする処理も併せて行うようにしている。このように、水を無駄にしない状態で除湿部Gに除湿用給水路26から水を供給して、除湿部Gをできるだけ清潔な状態に保つように構成されている。
【0071】
なお、上記実施形態では、兼用ポンプ6において、正転(CCW方向回転)時吐出口72aからの湯水と、逆転(CW方向回転)時吐出口73aからの湯水が兼用ポンプ6内の同一空間に一旦吐出された後、切り替え弁71により洗浄口側流路72と排水口側流路73とのいずれかの流路を選択切り替えるように構成されているが、切り替え弁71を備えず、正転(CCW方向回転)時吐出口72aと洗浄口72側流路とを直結し、また、逆転(CW方向回転)時吐出口73aと排水口側流路73とを直結するように構成してもよい。
【0072】
この場合、上記の実施形態の場合と異なり、正転作動(反時計回り(CCW方向)に回転)時において逆転時吐出口73aから少量の湯水の吐出があった場合や、逆転作動(時計回り(CW方向)に回転)時において正転時吐出口72aから少量の湯水の吐出があった場合には、正転作動や逆転作動に応じた洗浄口側流路と排水口側流路のうちの一方の側の流路と異なる他方側の流路に湯水が流れることを効率よく抑制することが困難になる。そのため、正転作動時において逆転時吐出口73aからの湯水の吐出がないように、また、逆転作動時において正転時吐出口72aからの湯水の吐出がないように配慮することが必要となる。
【0073】
特に、洗浄運転やすすぎ運転時には、少量であっても湯水が排水されてしまうと、洗浄用湯水やすすぎ用湯水が減少してしまい、兼用ポンプへのエア噛みによる騒音の発生や湯水の浪費を来たすことになるため、十分配慮する必要がある。
【0074】
また、上記実施形態の食器洗浄乾燥機では、乾燥運転中に、水位センサにて、水貯留用凹部の水位が排水用設定水位であることが検出されたときに、所定時間兼用ポンプを逆転作動(時計回り(CW方向)に回転)させて水貯留用凹部の水を排水トラップを経由して外部に排出させる排水処理を実行するようにしているが、乾燥運転中に、所定時間ごとに兼用ポンプを逆転作動(時計回り(CW方向)に回転)させて排水を行うように構成することも可能である。
【0075】
[本発明の実施形態にかかる食器洗浄乾燥機の特徴的構成]
本実施形態にかかる食器洗浄乾燥機においては、上述の洗浄運転中、または、すすぎ運転中、または、加熱すすぎ運転中において、兼用ポンプ6を正転作動(反時計回(CCW方向)に回転)させ、洗浄用湯水を回転洗浄ノズル8から洗浄対象物に向けて噴出する洗浄動作を、洗浄運転用設定時間が経過するまで行う工程中に、水位センサJによる水貯留用凹部Sの水位が、第1水位(排水用設定第1水位)または排水用設定第1水位以下であることが検出されると、以下のように動作する。
なお、本実施形態では排水用設定第1水位は上記排水用設定水位と同じ水位としている。
【0076】
(1)ドレンパン14に備える、ドレンパン14に受け止めた水の存否を検出する漏水センサ(図示せず)がドレンパン14に受け止めた水の存在を検出しない場合は、排水口側流路73を塞ぐ切り替え弁71と排水口側流路73との間に異物の噛み込みによる湯水の漏れが発生し、排水口側流路73から洗浄用湯水が漏出したものであり、切り替え弁71と排水口側流路73との間に被洗浄物からの残菜などの異物の噛み込みが生じたものと見なして、次のように動作することで異物を取り除く。
【0077】
a)ヒータ9が作動中の場合はヒータ9を停止し、異物を取り除くために兼用ポンプ6を、通常の排水運転時の回転数(例えば、2900rpm)より少ない回転数である、異物除去CW方向用回転数(異物除去逆方向用回転数)NCW(本実施形態では1500rpm)で、所定時間、すなわち異物除去CW方向用運転時間(異物除去逆方向用運転時間)TCW(この実施形態では5秒)の間、逆転作動(時計回り方向(CW方向)に回転)させ、
b)その後、給水弁4aを開弁して給水路4を通して洗浄槽D内に洗浄用湯水を給水し、その水位が水位センサJにて設定水位に達したことが検出されると、給水弁4aを閉じる動作(給水動作)を行い、
c)さらにその後、兼用ポンプ6を正転作動(反時計回り方向(CCW方向)に回転)させ、ヒータ9が作動中であった場合はヒータ9の作動を再開し、洗浄用湯水を回転洗浄ノズル8から洗浄対象物に向けて噴出する動作(洗浄動作)を再開する。
【0078】
この場合、多少の洗浄用湯水が機外に排水されることになるが、逆転作動時の兼用ポンプ6の回転数を所定の異物除去CW方向用回転数NCW(この実施形態では1500rpm)に抑えるとともに、逆転作動時の運転時間を所定の異物除去CW方向用運転時間TCW(この実施形態では5秒)に抑えることにより機外への排水量を抑制することができる。
【0079】
(2)ドレンパン14に備える、ドレンパン14に受け止めた水の存否を検出する漏水センサ(図示せず)が、ドレンパン14に受け止めた水の存在を検出した場合は、排水口側流路73を塞ぐ切り替え弁71と排水口側流路73との間に漏れが発生したものではなく、兼用ポンプ6から回転洗浄ノズル8に至る流路、または、洗浄槽Dにおいて漏水が発生した蓋然性が高いことから、次のように動作する。
【0080】
a)兼用ポンプ6以外の負荷の駆動を全て停止し、兼用ポンプ6を、逆転作動(時計回り方向(CW方向)に回転)させ、漏水量を極力少なくするために、洗浄槽D内の洗浄用湯水を排水する排水動作を行う。
b)また、操作部SSに備える表示部(図示せず)において漏水が発生した旨の報知を行う。
【0081】
(3)上述の洗浄運転後の排水動作、若しくは、すすぎ運転における排水動作、または、上述の加熱すすぎ運転後における排水運転において、兼用ポンプ6を逆転作動(時計回り方向(CW方向)に回転)させて、洗浄槽Dの底部に貯留された洗浄用湯水またはすすぎ水を排水する排水動作を開始してから、排水監視用所定時間TEX(この実施形態では40秒)が経過した時点において、水位センサJによる水貯留用凹部Sの水位が、第2水位(排水用設定第2水位)または排水用設定第2水位以下であることが検出されない場合の動作について、以下に説明する。
なお、本実施形態では排水用設定第2水位は上記排水用設定水位と同じ水位としている。
【0082】
水位センサJによる水貯留用凹部Sの水位が、排水用設定第2水位または排水用設定第2水位以下であることが検出されない場合、洗浄口側流路72を塞ぐ切り替え弁71と洗浄口側流路72との間に漏れが発生し、洗浄口側流路72から洗浄用湯水またはすすぎ水が漏出したものであり、切り替え弁71と洗浄口側流路72との間に被洗浄物からの残菜などの異物の噛み込みにより排水揚程が低下しているものと見なし、次のように動作する。
【0083】
a)異物を取り除くために兼用ポンプ6を、通常の洗浄運転時の回転数(例えば、4100rpm)より少ない回転数である、異物除去CCW方向用回転数(異物除去正方向用回転数)NCCW(本実施形態では1500rpm)で、所定時間、すなわち、異物除去CCW方向用運転時間(異物除去正方向用運転時間)TCCW(本実施形態では3秒)の間、正転作動(反時計回り方向(CCW方向)に回転)させ、
b)その後、兼用ポンプ6を逆転作動(時計回り方向(CW方向)に回転)させて、洗浄槽Dの底部に貯留された洗浄用湯水またはすすぎ水を排水する排水動作(加熱すすぎ運転後においては排水運転)を再開する。
【0084】
この、異物を取り除くために兼用ポンプ6を正転作動(反時計回り方向(CCW方向)に回転)させる際には、回転洗浄ノズル8から洗浄用湯水やすすぎ水が噴出されないように配慮してある。
【0085】
特に、加熱すすぎ運転後においては、すすぎ水により仕上げ用設定温度(本実施形態では、67℃)に加熱された被洗浄物である食器の表面に付着したすすぎ水は、排水運転を開始した直後から洗浄槽内において、水分の蒸発が開始していることから、異物を取り除くために兼用ポンプ6を正転作動(反時計回り方向(CCW方向)に回転)させるときの回転数が高い場合や、異物を取り除くために兼用ポンプ6を正転作動(反時計回り方向(CCW方向)に回転)させるときの兼用ポンプ6の運転時間が長い場合には、回転洗浄ノズル8からすすぎ水が噴出されることになり、被洗浄物である食器が濡れてしまうことになる。
【0086】
その場合は、仕上げ用設定温度(本実施形態では、67℃)まで加熱されたことによる余熱により乾燥し始めている食器の表面にすすぎ水が飛散して、食器が濡れてしまい、乾燥が遅れることになる。
【0087】
そこで、本実施形態では、異物を取り除くために兼用ポンプ6を正転作動(反時計回り方向(CCW方向)に回転)させるときの回転数を、上述のように、通常の洗浄運転時の回転数より少ない回転数である、異物除去CCW方向用回転数NCCW(本実施形態では1500rpm)とし、運転時間を異物除去CCW方向用運転時間TCCW(本実施形態では3秒)とすることで、兼用ポンプ6を正転作動(反時計回り方向(CCW方向)に回転)させたときにも、回転洗浄ノズル8からすすぎ水が噴出されてしまうことがないようにしている。
【0088】
また、この場合、多少の水が前述した間隙Cから漏れることが懸念されるが、上記の間隙Cから漏れた水が、接続筒80の基部80bから水貯留用凹部Sに至る案内溝90を経由して、洗浄槽Dの底面部を広く濡らすことなく、速やかに水貯留用凹部Sに戻るようにしている。これにより、間隙Cからの水漏れがあった場合にも、漏れた水が洗浄槽Dの底面部を広く濡らして再蒸発することを防止することができる(
図9、
図10、
図11参照)。
このようにして、仕上げ用設定温度(本実施形態では、67℃)による余熱により乾燥し始めている被洗浄物である食器の表面にすすぎ水が飛散することがないようにして、被洗浄物である食器の乾燥が遅くなることを防いでいる。
【0089】
[別実施形態]
この別実施形態は、乾燥運転中の排水時における動作に特徴を有するものである。
上述の実施形態にかかる食器洗浄乾燥機の乾燥運転時において、水位センサJにて、除湿用冷却水が貯留する水貯留用凹部Sの水位が排水用設定水位であることが検出されたときに、兼用ポンプ6を所定時間(例えば20秒)、逆転作動(時計回り方向(CW方向)に回転)させることにより、除湿用冷却水を、排水トラップ12aを経由して外部に排出させる排水処理を実行した後に、分配ノズル51の流下口53から供給(流下)される除湿用冷却水が、通風経路Fにおける上昇経路部分f1を経て流下し、ケーシング15の内面にて案内され、水貯留用凹部Sに貯留されることにより、再度、水位センサJにて、水貯留用凹部Sの水位が排水用設定水位であることが検出されるまでのインターバル時間を測定するように構成し、このインターバル時間が所定の許容値(例えば8分)以上である場合には、洗浄口側流路72を塞ぐ切り替え弁71と洗浄口側流路72との間に漏れが発生し、洗浄口側流路72から洗浄用湯水またはすすぎ水が漏出したもの(すなわち、切り替え弁71と洗浄口側流路72との間に被洗浄物からの残菜などの異物の噛み込みによる排水揚程の低下が生じているもの)と見なし、異物を取り除くために兼用ポンプ6を、所定の回転数(異物除去CCW方向用回転数(異物除去正方向用回転数)NCCW(本実施形態では1500rpm)で、所定時間すなわち、異物除去CCW方向用運転時間(異物除去正方向用運転時間)TCCW(本実施形態では3秒)の間、正転作動(反時計回り方向(CCW方向)に回転)させ、その後、兼用ポンプ6を逆転作動(時計回り方向(CW方向)に回転)させて、洗浄槽Dの底部に貯留された除湿用冷却水を排水する排水処理を再開するように構成してもよい。
【0090】
この場合も、異物を取り除くために兼用ポンプ6を正転作動(反時計回り方向(CCW方向)に回転)させるときの回転数を通常の洗浄運転時の回転数より少ない回転数である、異物除去CCW方向用回転数NCCW(本実施形態では1500rpm)とし、運転時間を異物除去CCW方向用運転時間TCCW(本実施形態では3秒)とすることで、兼用ポンプ6を正転作動(反時計回り方向(CCW方向)に回転)させたときにも、洗浄槽Dの底部に貯留された除湿用冷却水が回転洗浄ノズル8から噴出しないようにして、乾燥運転により乾燥し始めている被洗浄物である食器の表面への除湿用冷却水の飛散およびそれに起因する食器の乾燥の遅れを防止することができる。
【0091】
なお、この別実施形態においても、多少の水が前述した間隙Cから漏れることが懸念されるが、上記の間隙Cから漏れた水が、接続筒80の基部80bから水貯留用凹部Sに至る案内溝90を経由して、洗浄槽Dの底面部を広く濡らすことなく、速やかに水貯留用凹部Sに戻ることになる。これにより、間隙Cからの水漏れがあった場合にも、漏れた水が洗浄槽Dの底面部を広く濡らして再蒸発することを防止することができる(
図9、
図10、
図11参照)。
【0092】
なお、異物を取り除くための上記正転作動(CCW方向回転)と上記逆転作動(CW方向回転)とを複数回繰り返すように構成することも可能である。
【0093】
また、上記実施形態においては、異物除去CW方向用回転数NCWと異物除去CCW方向用回転数NCCWとを共に同じ回転数(1500rpm)として構成しているが、異物除去CW方向用回転数NCWと異物除去CCW方向用回転数NCCWとをそれぞれ異なる回転数としてもよい。
【0094】
また、上記実施形態においては、異物除去CW方向用運転時間TCWと異物除去CCW方向用運転時間TCCWとを、それぞれ異なる時間とするように構成しているが、異物除去CW方向用運転時間TCWと異物除去CCW方向用運転時間TCCWとを、同じ時間とするように構成してもよい。
【0095】
さらに、上記実施形態では、排水用設定第1水位、および、排水用設定第2水位ともに、排水用設定水位と同じ水位としてあるが、排水用設定第1水位、および、排水用設定第2水位は排水用設定水位と異なる水位としてもよい。
【0096】
本発明はさらにその他の点においても、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において種々の変形を加えることが可能である。