(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】この発明の実施の形態によるアンテナ装置1の蓋部2が設置された状態の外部構造を示した図である。
【
図2】この発明の実施の形態によるアンテナ装置1の蓋部2が外された状態の外部構造を示した図である。
【
図3】
図1,2のアンテナ装置1におけるアンテナ基板7Xの具体的構成の一例を示した図である。
【
図4】実施の形態1によるアンテナ基板7Xのパターンを示した図である。
【
図5】アンテナ基板7周辺のアンテナ装置1の回路構成を示した図である。
【
図6】各周波数におけるアンテナ基板7の折り曲げ導体部のクランク幅CAおよびクランク高さCBを示した図である。
【
図7】アンテナ基板7に板金51がどのように設置されるかを示した図である。
【
図8】アンテナ装置1におけるアンテナ基板7Xの利得を示した実測図である。
【
図9】実施の形態2によるアンテナ基板7BSのパターンを示した図である。
【
図10】実施の形態2によるアンテナ基板7Sのパターンを示した図である。
【
図11】アンテナ装置2におけるアンテナ基板7BS,7Sの利得および電圧定在波比をそれぞれ示した実測図である。
【
図12】アンテナ装置2におけるアンテナ基板7BS,7Sの前後比および半値幅をそれぞれ示した実測図である。
【
図13】アンテナ装置2におけるアンテナ基板7BS,7Sの470MHzにおける指向性をそれぞれ示した実測図である。
【
図14】アンテナ装置2におけるアンテナ基板7BS,7Sの590MHzにおける指向性をそれぞれ示した実測図である。
【
図15】アンテナ装置2におけるアンテナ基板7BS,7Sの710MHzにおける指向性をそれぞれ示した実測図である。
【
図16】実施の形態2によるアンテナ基板7Bのパターンを示した図である。
【
図17】アンテナ装置1におけるアンテナ基板7Bの470MHzにおける指向性を示したシミュレーション図である。
【
図18】アンテナ装置1におけるアンテナ基板7Bの590MHzにおける指向性を示したシミュレーション図である。
【
図19】アンテナ装置1におけるアンテナ基板7Bの710MHzにおける指向性を示したシミュレーション図である。
【
図20】3線式ダイポールのアンテナ装置1におけるアンテナ基板7Bの利得特性を示したシミュレーション図である。
【
図21】3線式ダイポールのアンテナ装置1におけるアンテナ基板7BのVSWR特性を示したシミュレーション図である。
【
図22】実施の形態3によるアンテナ基板7B4のパターンを示した図である。
【
図23】アンテナ装置1におけるアンテナ基板7B4の470MHzにおける指向性を示したシミュレーション図である。
【
図24】アンテナ装置1におけるアンテナ基板7B4の590MHzにおける指向性を示したシミュレーション図である。
【
図25】アンテナ装置1におけるアンテナ基板7B4の710MHzにおける指向性を示したシミュレーション図である。
【
図26】アンテナ装置1におけるアンテナ基板7B4の利得特性を示したシミュレーション図である。
【
図27】アンテナ装置1におけるアンテナ基板7B4のVSWR特性を示したシミュレーション図である。
【
図28】実施の形態3によるアンテナ基板7N4のパターンを示した図である。
【
図29】アンテナ装置1におけるアンテナ基板7N4の470MHzにおける指向性を示したシミュレーション図である。
【
図30】アンテナ装置1におけるアンテナ基板7N4の590MHzにおける指向性を示したシミュレーション図である。
【
図31】アンテナ装置1におけるアンテナ基板7N4の710MHzにおける指向性を示したシミュレーション図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0020】
図1は、この発明の実施の形態によるアンテナ装置1の蓋部2が設置された状態の外部構造を示した図である。
図2は、この発明の実施の形態によるアンテナ装置1の蓋部2が外された状態の外部構造を示した図である。
【0021】
図1および
図2を参照して、この発明の実施の形態によるアンテナ装置1は、蓋部2と、底部3と、可動部4と、台部5とを備える。蓋部2は、普段は底部3と嵌合しているが、取り外しも可能である。底部3には、アンテナ基板7が設けられている。アンテナ基板7の側部には、たとえばアンテナ基板7を挟むように板金51が設けられている。可動部4により、底部3と台部5とを折りたたんだり、広げたりできる。板金51の凹部と嵌合するようにアンテナ基板に凸部が設けられ、板金51が位置ずれしないようになっている。アンテナ装置1の筐体は、たとえば合成樹脂により構成される。
【0022】
アンテナ基板7は、たとえば片面基板となっている。また、アンテナ基板7のパターン面は、電波到来方向に対向している。アンテナ装置1は、たとえば地上デジタル放送受信用のアンテナとして用いられる。アンテナ装置1は、主に室内アンテナとして使用されるが、屋外で使用することも可能である。以下、
図1,2のアンテナ装置1におけるアンテナ基板7のより具体的な構成について、実施の形態ごとに説明する。
【0023】
[実施の形態1]
図3は、実施の形態1によるアンテナ基板7Xの具体的構成の一例を示した図である。
【0024】
図3を参照して、実施の形態1のアンテナ基板7Xは、折り曲げ導体部10x,20x,30xと、板金51A,51Bと、受信端部61,62とを含む。折り曲げ導体部10xの接続点13,14は、折り曲げ導体部20xの接続点23,26とそれぞれ接続される。折り曲げ導体部20xの接続点23〜26は、折り曲げ導体部30xの接続点33〜36とそれぞれ接続される。このように導体部が接続されることで、大小のループアンテナが複合的に形成される。アンテナ基板7Xは、一例として94×94mmの大きさを有する。また、板金51A,51Bは、一例として77×14.4mmの大きさを有する。
【0025】
折り曲げ導体部10x,20x,30xは、3線式ダイポールアンテナにループアンテナを組み合わせて多重化した構成となっている。板金51Aは、半田19aを介して折り曲げ導体部10xと接着され、半田19cを介して折り曲げ導体部20xと接着され、半田19eを介して折り曲げ導体部30xと接着される。板金51Bは、半田19bを介して折り曲げ導体部10xと接着され、半田19dを介して折り曲げ導体部20xと接着され、半田19fを介して折り曲げ導体部30xと接着される。折り曲げ導体部20xは、給電端部27を有する左導体部20Aと、給電端部28を有する右導体部20Bとを含む。受信端部61は、同軸ケーブル60の編組95に接続される。受信端部62は、同軸ケーブル60の芯線96に接続される。
【0026】
図4は、実施の形態1によるアンテナ基板7Xのパターンを示した図である。
図4を参照して、実施の形態1のアンテナ基板7Xは、折り曲げ導体部10x,20x,30xと、受信端部61,62とを含む。折り曲げ導体部10xは、両端に導体端部11,12を有する。折り曲げ導体部20xは、両端に導体端部21,22を有する。折り曲げ導体部30xは、両端に導体端部31,32を有する。
図4は、
図3に示したアンテナ基板7Xから板金51A,51Bおよび同軸ケーブル60が取り除かれたアンテナパターンを示す。導体端部11,21,31は、短絡されていてもよい。同様に、導体端部12,22,32は、短絡されていてもよい。
【0027】
図5は、アンテナ基板7周辺のアンテナ装置1の回路構成を示した図である。
図5を参照して、アンテナ装置1は、導体部10,30と、給電端部27を有する左導体部20Aと、給電端部28を有する右導体部20Bと、側部50A,50Bと、受信端部61,62と、整合器70と、受信入力部81,82と、受信出力部83,84と、コンデンサ90とを含む。整合器70は、整合トランス71,72を含む。
【0028】
導体部10、左導体部20Aおよび右導体部20B、ならびに導体部30は、3線式ダイポール素子を構成する。これらの導体部をクランク状に折り曲げることで、線路長を増大させることができる。また、これらの導体部の一部が短絡されたり、側部50A,50Bが付加されることで、ループアンテナ構造となる。短絡線等が付加されることで、パターン長の構成が多重化され、受信周波数の広帯域化が可能となる。また、側部50A,50Bは、たとえば板金とすることで広帯域化を図れる。
【0029】
3線式ダイポール素子の給電端部27,28は、受信入力部81,82を介して整合器70に接続される。整合器70により、出力インピーダンスが300Ωから75Ωに変換される。整合器70は、受信出力部83,84を介してコンデンサ90に接続される。受信出力部83およびコンデンサ90の一方は受信端部61に接続され、受信出力部84およびコンデンサ90の他方は受信端部62に接続される。
【0030】
図3で説明したように、受信端部61は同軸ケーブル60の編組95に接続され、受信端部62は同軸ケーブル60の芯線96に接続される。コンデンサ90により、電力定在波比が調整された受信信号が出力される。なお、整合器70と受信端部61,62とのマッチングが良ければ、コンデンサ90は不要となる。
【0031】
図6は、各周波数におけるアンテナ基板7の折り曲げ導体部のクランク幅CAおよびクランク高さCBを示した図である。
【0032】
図6は、アンテナ基板7の外形が94×94mmに制限された場合を想定している。アンテナ基板7の3線式ダイポール素子は、導体部をクランク状に折り曲げ線路長を伸ばして周波数特性を広帯域化し、板金素子との整合を考慮して、設計されている。また、アンテナ基板7は、導体部の線路幅に応じて適用される周波数が変化する。線路幅が太い場合、周波数が高い方にシフトする。線路長が細い場合、周波数が低い方にシフトする。
図6の条件では、たとえば0.8mmが最適な線路幅となる。
【0033】
図6を参照して、クランク幅CAは9mm、クランク高さCBは20mmとする。このとき、周波数が470MHz(波長λ=638mm)で、クランク幅CA=0.014λ、クランク高さCB=0.031λとなる。周波数が590MHz(波長λ=508mm)の場合、クランク幅CA=0.018λ、クランク高さCB=0.039λとなる。周波数が710MHz(波長λ=423mm)の場合、クランク幅CA=0.021λ、クランク高さCB=0.047λとなる。
【0034】
図7は、アンテナ基板7に板金51Aがどのように設置されるかを示した図である。
図7に示すように、板金51Aは、導体端部11を含むアンテナ基板7を挟んで扇状に拡がるように設置されている。導体端部11は、半田19aを介して板金51Aに接着されている。このように、アンテナ基板7を板金51Aでコの字型に挟み込み、その後板金51Aをハの字型に広げることによって、板金51Aがアンテナ基板7に容易に固定される。板金51Aとアンテナ基板7との角度は、
図1,2に示したアンテナ装置1の筐体に板金51が当たらないたとえば最大角に設定されている。
【0035】
図7では、アンテナ基板7のパターンと干渉しないように、板金51Aがアンテナ基板7と密着している幅がたとえば最小限に設定されている。また、板金51Aの寸法は、アンテナ基板7との組合せで最適な電気特性となるように調整されている。板金51Aの設置により、特に、アンテナ装置1の下限周波数の利得を向上させることができる。なお、導体端部11というのは一例であって、導体端部21,31についても適用できる。同様に、板金51B側の導体端部12,22,32にも適用できる。
【0036】
図8は、アンテナ装置1におけるアンテナ基板7Xの利得を示した実測図である。
図8に示すように、板金51A,51Bがない場合の利得GNxnは、UHF帯のうち470MHz〜530MHzにおいて低くなっている。これに対し、板金51A,51Bがある場合の利得GNxaは、地上デジタル放送の周波数帯域に相当するUHF帯の470MHz〜710MHzにおいて、−6.5dB以上の大きさを維持している。
【0037】
以上のように、実施の形態1によれば、多重3線式ダイポールアンテナにおいて、アンテナ基板7Xの導体部をクランク状に折り曲げることで、線路長を増大させている。これにより、アンテナ基板7Xを備えたアンテナ装置1が小型化される。また、アンテナ基板7Xの導体部に短絡線等が付加されることで、パターン長の構成が多重化され、受信周波数の広帯域化が可能となる。また、側部50A,50Bをたとえば板金で構成することで、受信周波数がさらに広帯域化される。
【0038】
[実施の形態2]
図1は、この発明の実施の形態によるアンテナ装置1の蓋部2が設置された状態の外部構造を示した図である。
図2は、この発明の実施の形態によるアンテナ装置1の蓋部2が外された状態の外部構造を示した図である。
【0039】
図1および
図2を参照して、この発明の実施の形態によるアンテナ装置1は、蓋部2と、底部3と、可動部4と、台部5とを備える。蓋部2は、普段は底部3と嵌合しているが、取り外しも可能である。底部3には、アンテナ基板7が設けられている。アンテナ基板7の側部には、たとえばアンテナ基板7を挟むように板金51が設けられている。可動部4により、底部3と台部5とを折りたたんだり、広げたりできる。板金51の凹部と嵌合するようにアンテナ基板に凸部が設けられ、板金51が位置ずれしないようになっている。アンテナ装置1の筐体は、たとえば合成樹脂により構成される。
【0040】
アンテナ基板7は、たとえば片面基板となっている。また、アンテナ基板7のパターン面は、電波到来方向に対向している。前述したように、アンテナ装置1は、たとえば地上デジタル放送受信用のアンテナとして用いられる。アンテナ装置1は、主に室内アンテナとして使用されるが、屋外で使用することも可能である。
【0041】
図9は、実施の形態2によるアンテナ基板7BSのパターンを示した図である。
図9を参照して、実施の形態2のアンテナ基板7BSは、折り曲げ導体部10t1,20t1,30tと、板金51A,51Bと、受信端部61,62とを含む。折り曲げ導体部20t1は、給電端部27,28を有する。折り曲げ導体部10t1は、4点の折り曲げ箇所において折り曲げ導体部20t1に接続されている。一方、折り曲げ導体部20t1は、折り曲げ導体部30tと接続されていない。
【0042】
折り曲げ導体部10t1,20t1,30tは、3線式ダイポールアンテナにループアンテナを組み合わせて多重化した構成となっている。特に、アンテナ基板7BSは、板金51A,51Bが付加され、折り曲げ導体部10t1,20t1,30tの両端部がそれぞれ短絡された構成となっている。
【0043】
図10は、実施の形態2によるアンテナ基板7Sのパターンを示した図である。
図10を参照して、実施の形態2のアンテナ基板7Sは、折り曲げ導体部10t2,20t2,30tと、受信端部61,62とを含む。
図10のアンテナ基板7Sは、
図9のアンテナ基板7BSにおいて、板金51A,51Bの代わりに伝送線路100A,100Bを備えたものである。折り曲げ導体部20t2は、給電端部27,28を有する。折り曲げ導体部10t2は、4点の折り曲げ箇所において折り曲げ導体部20t2に接続されている。一方、折り曲げ導体部20t2は、折り曲げ導体部30tと接続されていない。
【0044】
折り曲げ導体部10t2,20t2,30tは、3線式ダイポールアンテナにループアンテナを組み合わせて多重化した構成となっている。特に、アンテナ基板7Sは、板金が付加されず、折り曲げ導体部10t2,20t2,30tの導体端部11,21,31および導体端部12,22,32がそれぞれ短絡された構成となっている。導体端部11,21,31は、伝送線路100Aによって短絡されている。導体端部12,22,32は、伝送線路100Bによって短絡されている。
【0045】
図11は、アンテナ装置1におけるアンテナ基板7BS,7Sの利得および電圧定在波比をそれぞれ示した実測図である。
【0046】
図11に示すように、板金51がないアンテナ基板7Sの利得GNbnは、UHF帯のうち470MHz〜560MHzにおいて低くなっている。これに対し、板金51があるアンテナ基板7BSの利得GNbaは、利得GNbnより全体として利得はやや下がるものの、地上デジタル放送の周波数帯域に相当するUHF帯の470MHz〜710MHzにおいて、−4.3dB以上の大きさを維持している。
【0047】
また、板金51がないアンテナ基板7Sの電圧定在波比VSWRbnは、UHF帯のうち470MHz〜530MHzにおいて高くなっている。これに対し、板金51があるアンテナ基板7BSの電圧定在波比VSWRbaは、電圧定在波比VSWRbnより高い部分もあるものの、同じく地上デジタル放送の周波数帯域である470MHz〜710MHzにおいて、4.7以下の低い値に抑えられている。
【0048】
図12は、アンテナ装置1におけるアンテナ基板7BS,7Sの前後比および半値幅をそれぞれ示した実測図である。
【0049】
ここで、前後比とは、アンテナの最大感度方向とその反対方向(180度±60度の範囲内)との最大感度の比[dB]をいう。また、半値幅とは、アンテナの主軸方向の動作利得より電力で3dB低下する方位の挟む角度[度]をいう。
図12に示すように、板金51があるアンテナ基板7BSの前後比FBbaは、板金51がないアンテナ基板7Sの前後比FBbnとほぼ同じで、−0.2dB〜1.5dBとなる。板金51があるアンテナ基板7BSの半値幅HWbaは、板金51がないアンテナ基板7Sの半値幅HWbnとほぼ同じで、83度〜89度となる。
【0050】
図13〜15は、アンテナ装置1におけるアンテナ基板7BS,7Sの各周波数における指向性をそれぞれ示した実測図である。
【0051】
図13は、470MHzにおけるアンテナ基板7BSの指向性7BSd4およびアンテナ基板7Sの指向性7Sd4をそれぞれ示す。
図14は、590MHzにおけるアンテナ基板7BSの指向性7BSd5およびアンテナ基板7Sの指向性7Sd5をそれぞれ示す。
図15は、710MHzにおけるアンテナ基板7BSの指向性7BSd7およびアンテナ基板7Sの指向性7Sd7をそれぞれ示す。
図13〜15に示すように、アンテナ基板7BS,7Sは、いずれも単一方向の指向性を有する。
【0052】
図16は、実施の形態2によるアンテナ基板7Bのパターンを示した図である。
図16を参照して、実施の形態2のアンテナ基板7Bは、折り曲げ導体部10t3,20t3,30tと、板金51A,51Bと、受信端部61,62とを含む。折り曲げ導体部20t3は、給電端部27,28を有する。折り曲げ導体部10t3は、折り曲げ導体部20t3と接続されていない。同様に、折り曲げ導体部20t3は、折り曲げ導体部30tと接続されていない。
【0053】
折り曲げ導体部10t3,20t3,30tは、3線式ダイポールアンテナにループアンテナを組み合わせて多重化した構成となっている。特に、アンテナ基板7Bは、板金51A,51Bが付加され、折り曲げ導体部10t3,20t3,30tの両端部がそれぞれ短絡されていない構成となっている。
【0054】
図17〜19は、アンテナ装置1におけるアンテナ基板7Bの各周波数における指向性を示したシミュレーション図である。
【0055】
図17〜19は、470MHz、590MHzおよび710MHzにおけるアンテナ基板7Bの指向性をそれぞれ表わす。
図17〜19に示すように、アンテナ基板7Bは、単一方向の指向性を有する。なお、
図17〜19はシミュレーション図であるため、実測値と同じ結果になるとは限らない。これは他のシミュレーション図についても同じである。
【0056】
図20は、3線式ダイポールのアンテナ装置1におけるアンテナ基板7Bの利得特性を示したシミュレーション図である。
【0057】
図20に示すように、短絡線がない場合の利得GNsnは、UHF帯のうち470MHz〜500MHzにおいて低くなっている。
【0058】
図21は、3線式ダイポールのアンテナ装置1におけるアンテナ基板7BのVSWR特性を示したシミュレーション図である。
【0059】
図21に示すように、短絡線がない場合の電圧定在波比VSWRsnは、UHF帯のうち470MHz〜500MHzにおいて高くなっている。
【0060】
以上のように、実施の形態2によれば、多重3線式ダイポールアンテナにおいて、アンテナ基板の導体配線を変えることによって、実施の形態1のアンテナ基板7Xとは異なる利得等の特性が得られる。また、アンテナ基板の側部に板金を付加するか、または短絡線を付加するか等を調整することによって、地上デジタル放送の周波数帯域に相当する470MHz〜710MHzで高性能化を図ることが可能となる。
【0061】
[実施の形態3]
図22は、実施の形態3によるアンテナ基板7B4のパターンを示した図である。なお、アンテナ装置1の筐体構造は、
図1,2においてすでに説明したので、ここでは説明を繰り返さない。
【0062】
図22を参照して、実施の形態3のアンテナ基板7B4は、折り曲げ導体部10f,20f,30f,40fと、板金51A,51Bと、受信端部61,62とを含む。折り曲げ導体部20f,30fは、給電端部27,28を有する。折り曲げ導体部10fは、折り曲げ導体部20fと接続されていない。折り曲げ導体部20fは、給電端部27,28において折り曲げ導体部30fに接続されている。折り曲げ導体部30fは、折り曲げ導体部40fと接続されていない。
【0063】
折り曲げ導体部10f,20f,30f,40fは、4線式ダイポールアンテナにループアンテナを組み合わせて多重化した構成となっている。特に、アンテナ基板7B4は、板金51A,51Bが付加された構成となっている。
【0064】
図23〜25は、アンテナ装置1におけるアンテナ基板7B4の各周波数における指向性を示したシミュレーション図である。
【0065】
図23〜25は、470MHz、590MHzおよび710MHzにおけるアンテナ基板7B4の指向性をそれぞれ表わす。
図23〜25に示すように、アンテナ基板7B4は、単一方向の指向性を有する。
【0066】
図26は、アンテナ装置1におけるアンテナ基板7B4の利得特性を示したシミュレーション図である。
【0067】
図26に示すように、4線式ダイポールの利得GN4は、UHF帯のうち470MHz〜480MHzにおいて低くなっている。
【0068】
図27は、アンテナ装置1におけるアンテナ基板7B4のVSWR特性を示したシミュレーション図である。
【0069】
図27に示すように、4線式ダイポールの電圧定在波比VSWR4は、UHF帯のうち470MHz〜490MHzにおいて高くなっている。
【0070】
図28は、実施の形態3によるアンテナ基板7N4のパターンを示した図である。
図28を参照して、実施の形態3のアンテナ基板7N4は、折り曲げ導体部10f,20f,30f,40fと、受信端部61,62とを含む。
図28のアンテナ基板7N4は、
図22のアンテナ基板7B4において、板金51A,51Bの代わりに伝送線路100A,100Bを備えたものである。折り曲げ導体部20f,30fは、給電端部27,28を有する。折り曲げ導体部10fは、折り曲げ導体部20fと接続されていない。折り曲げ導体部20fは、給電端部27,28において折り曲げ導体部30fに接続されている。折り曲げ導体部30fは、折り曲げ導体部40fと接続されていない。
【0071】
折り曲げ導体部10f,20f,30f,40fは、4線式ダイポールアンテナにループアンテナを組み合わせて多重化した構成となっている。特に、アンテナ基板7N4は、板金が付加されず、折り曲げ導体部10f,20f,30f,40fの導体端部11,21,31,41および導体端部12,22,32,42がそれぞれ短絡された構成となっている。導体端部11,21,31、41は、伝送線路100Aによって短絡されている。導体端部12,22,32,42は、伝送線路100Bによって短絡されている。
【0072】
図29〜31は、アンテナ装置1におけるアンテナ基板7N4の各周波数における指向性を示したシミュレーション図である。
【0073】
図29〜31は、470MHz、590MHzおよび710MHzにおけるアンテナ基板7N4の指向性をそれぞれ表わす。
図29〜31に示すように、アンテナ基板7N4は、単一方向の指向性を有する。
【0074】
以上のように、実施の形態3によれば、アンテナ装置において、4線式ダイポールとすることによって、実施の形態1および2の3線式ダイポールとは異なる利得等の特性が得られる。また、アンテナ基板の側部に板金を付加するか、または短絡線を付加するか等を調整することによって、地上デジタル放送の周波数帯域に相当する470MHz〜710MHzで高性能化を図ることが可能となる。
【0075】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。