特許第5731419号(P5731419)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社沖データの特許一覧

<>
  • 特許5731419-ベルト駆動装置及び画像形成装置 図000002
  • 特許5731419-ベルト駆動装置及び画像形成装置 図000003
  • 特許5731419-ベルト駆動装置及び画像形成装置 図000004
  • 特許5731419-ベルト駆動装置及び画像形成装置 図000005
  • 特許5731419-ベルト駆動装置及び画像形成装置 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5731419
(24)【登録日】2015年4月17日
(45)【発行日】2015年6月10日
(54)【発明の名称】ベルト駆動装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/16 20060101AFI20150521BHJP
【FI】
   G03G15/16
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-16621(P2012-16621)
(22)【出願日】2012年1月30日
(65)【公開番号】特開2013-156422(P2013-156422A)
(43)【公開日】2013年8月15日
【審査請求日】2014年2月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】591044164
【氏名又は名称】株式会社沖データ
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【弁理士】
【氏名又は名称】川合 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100089635
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 守
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 俊明
(72)【発明者】
【氏名】北村 真
【審査官】 中澤 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−070509(JP,A)
【文献】 特開2003−122228(JP,A)
【文献】 特開2002−351228(JP,A)
【文献】 特開平03−220571(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/16
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)所定の方向に走行させられるベルト部材と、
(b)該ベルト部材と一体的に移動自在に配設され、前記ベルト部材上の付着物を除去するクリーニング部と、
(c)該クリーニング部を、前記ベルト部材を張架する方向に付勢する付勢部材とを有するとともに、
(d)前記クリーニング部は、ベルト部材上の付着物を掻き取るブレード部材、及び該ブレード部材によって掻き取られた付着物を搬送する付着物搬送部材を備え、
(e)該付着物搬送部材は、螺旋状に形成され、回転に伴って前記付着物を搬送するオーガであり、
(f)前記クリーニング部のフレーム部材は、前記オーガの回転軸を揺動中心にして揺動自在に配設されることを特徴とするベルト駆動装置。
【請求項2】
(a)前記クリーニング部は、ベルト部材と当接させて配設された当接部材を備え、
(b)前記付勢部材は前記当接部材をベルト部材側に向けて付勢する請求項1に記載のベルト駆動装置。
【請求項3】
(a)像担持体上に形成された現像剤像を前記ベルト部材に転写する一次転写部材と、
(b)前記ベルト部材上に形成された現像剤像を媒体に転写する二次転写部材とを有する請求項1又は2に記載のベルト駆動装置
【請求項4】
求項1〜のいずれか1項に記載のベルト駆動装置を備えた画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベルト駆動装置及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ、複写機、ファクシミリ、複合機等の画像形成装置、例えば、カラーのプリンタにおいては、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの4色の画像形成ユニットを備え、各画像形成ユニットにおいて各色のトナー像が形成されるようになっている。そして、画像形成ユニットに沿って転写ベルト(搬送ベルト)が走行自在に配設され、転写ベルトの走行に伴って、用紙が搬送され、前記各色のトナー像が順次重ねて用紙に転写され、カラーのトナー像が形成される。この場合、用紙は前記転写ベルトに静電気によって付着させられて搬送される。続いて、用紙は定着器に送られ、定着器においてカラーのトナー像が用紙に定着させられ、カラー画像が形成される(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
ところで、各色のトナー像を、順次重ねてベルト部材としての中間転写ベルトに転写することによってカラーのトナー像を形成し、該カラーのトナー像を用紙に転写するようにしたベルト駆動装置を備えた中間転写方式のカラーのプリンタが提供されている。
【0004】
該プリンタにおいては、ドライブローラとアイドルローラとバックアップローラとによって前記中間転写ベルトが張設されるようになっていて、該中間転写ベルトを介して、複数の画像形成ユニットと一次転写ローラとが対向させられ、バックアップローラと二次転写ローラとが対向させられる。
【0005】
そして、中間転写ベルトの走行に伴って、各感光体ドラムと中間転写ベルトとの間に形成された一次転写部において、前記各色のトナー像が順次重ねて中間転写ベルトに転写されてカラーのトナー像が形成され、中間転写ベルトと二次転写ローラとの間に形成された二次転写部において、カラーのトナー像が用紙に転写される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−227227号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記従来の中間転写方式のカラーのプリンタにおいては、二次転写部において中間転写ベルトに加わる負荷が変化したり、二次転写ローラの回転速度が変動したりすると、中間転写ベルトに発生する張力が変化し、ドライブローラと中間転写ベルトとの間でスリップが発生したり、中間転写ベルトの走行速度が変化したりしてしまう。その結果、色ずれ、画像乱れ等が発生し、画像品位が低下してしまう。
【0008】
本発明は、前記従来の中間転写方式のカラーのプリンタの問題点を解決して、ベルト部材に発生する張力を安定させることができ、画像品位が低下するのを防止することができるベルト駆動装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そのために、本発明のベルト駆動装置においては、所定の方向に走行させられるベルト部材と、該ベルト部材と一体的に移動自在に配設され、前記ベルト部材上の付着物を除去するクリーニング部と、該クリーニング部を、前記ベルト部材を張架する方向に付勢する付勢部材とを有する。
そして、前記クリーニング部は、ベルト部材上の付着物を掻き取るブレード部材、及び該ブレード部材によって掻き取られた付着物を搬送する付着物搬送部材を備える。
また、該付着物搬送部材は、螺旋状に形成され、回転に伴って前記付着物を搬送するオーガである。
そして、前記クリーニング部のフレーム部材は、前記オーガの回転軸を揺動中心にして揺動自在に配設される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ベルト駆動装置においては、所定の方向に走行させられるベルト部材と、該ベルト部材と一体的に移動自在に配設され、前記ベルト部材上の付着物を除去するクリーニング部と、該クリーニング部を、前記ベルト部材を張架する方向に付勢する付勢部材とを有する。
そして、前記クリーニング部は、ベルト部材上の付着物を掻き取るブレード部材、及び該ブレード部材によって掻き取られた付着物を搬送する付着物搬送部材を備える。
また、該付着物搬送部材は、螺旋状に形成され、回転に伴って前記付着物を搬送するオーガである。
そして、前記クリーニング部のフレーム部材は、前記オーガの回転軸を揺動中心にして揺動自在に配設される。
【0011】
この場合、クリーニング部が、ベルト部材と一体的に移動自在に配設され、付勢部材によって、ベルト部材を張架する方向に付勢されるので、転写部においてベルト部材に加わる負荷が変化したり、転写部材の回転速度が変動したりしても、ベルト部材の走行方向におけるクリーニング部より下流側で、張力が変化するのを抑制することができる。
【0012】
したがって、ドライブローラとベルト部材との間でスリップが発生したり、ベルト部材の走行速度が変化したりするのを防止することができ、画像品位が低下するのを防止することができる。
【0013】
しかも、ベルト部材が伸び、張力が変化して弛みが発生しても、クリーニング部がベルト部材の弛みに応じて移動するので、ベルト部材の張力を維持することができる。
【0014】
さらに、クリーニング部によって張力が発生させられるので、クリーニング部のほかに、張力を発生させるための装置を配設する必要がない。したがって、ベルト駆動装置及び画像形成装置のコストを低くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1の実施の形態におけるベルトクリーニング部の要部拡大図である。
図2】本発明の第1の実施の形態におけるカラーのプリンタの概略図である。
図3】本発明の第1の実施の形態におけるベルトクリーニング部の動作を説明するための図である。
図4】本発明の第2の実施の形態におけるベルトクリーニング部の要部拡大図である。
図5】本発明の第2の実施の形態におけるベルトクリーニング部の動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、画像形成装置としてのカラーのプリンタについて説明する。
【0017】
図2は本発明の第1の実施の形態におけるカラーのプリンタの概略図である。
【0018】
図において、10はプリンタ、Csは該プリンタ10の筐体である。そして、前記プリンタ10の本体、すなわち、装置本体内の下部に第1の給紙装置としての標準トレイSm1が配設される。
【0019】
該第1の給紙装置Sm1は、筐体Csに対して挿脱自在に配設された第1の媒体積載部としての、かつ、媒体収容部としての用紙カセット11、該用紙カセット11から媒体としての用紙Pを給紙する第1の給紙機構としての用紙繰出部20、及び用紙カセット11内の用紙Pを持ち上げるリフトアップ用の駆動部としてのモータ14を備える。
【0020】
前記用紙カセット11は、支持軸sh1を揺動中心にして揺動自在に配設され、用紙Pが積載される第1の媒体積載板としての用紙積載板12、及び該用紙積載板12における用紙Pの繰出し側に、支持軸sh2を揺動中心にして揺動自在に配設されたリフトアップレバー13を備え、該リフトアップレバー13の先端が用紙積載板12の裏面に当接させられる。また、前記支持軸sh2と前記モータ14とが接離自在に係合させられる。
【0021】
そして、用紙カセット11が筐体Cs内に挿入され、前記支持軸sh2とモータ14とが係合させられ、図示されない制御部がモータ14を駆動すると、支持軸sh2が回動させられ、リフトアップレバー13の先端が用紙積載板12を持ち上げ、用紙積載板12に積載された用紙Pの前端が上昇させられる。そして、用紙Pの前端が所定の高さになり、第1の媒体検出部としての上昇検知部21が、用紙Pを検出し、センサ出力を制御部に送ると、該制御部はモータ14を停止させる。
【0022】
続いて、制御部は、用紙繰出部20を作動させて、用紙Pを1枚ずつ繰り出し、分離させて給紙を行う。そのために、前記用紙繰出部20は、上昇検知部21が用紙Pを検出する際に、最も上の用紙Pが当接させられ、用紙Pを繰り出す第1の繰出部材としてのピックアップローラ22、並びに該ピックアップローラ22の前方に、互いに接触させて配設され、第1の分離要素を構成するフィードローラ23及びリタードローラ24を備える。
【0023】
前記ピックアップローラ22及びフィードローラ23は、第1の給紙用の駆動部としての図示されないモータによって矢印方向に回転させられる。また、リタードローラ24は図示されないトルク発生部によって矢印方向(ピックアップローラ22及びフィードローラ23と同じ方向)に回転させられ、トルクを発生させる。なお、前記ピックアップローラ22及びフィードローラ23は、図示されないワンウェイクラッチ機構が内蔵され、前記モータからの回転が伝達されない場合でも、矢印方向に空転することができるようになっている。
【0024】
したがって、ピックアップローラ22によって用紙カセット11から繰り出された用紙Pは、フィードローラ23及びリタードローラ24によって1枚ずつ分離させられ、第1の搬送路Rt1に給紙される。
【0025】
そして、用紙Pの搬送方向における用紙繰出部20より下流側には、順に、第2の媒体検出部としての用紙センサ31、用紙Pの斜行を矯正する第1の搬送ローラとしての搬送ローラ対32、第3の媒体検出部としての用紙センサ33、該用紙センサ33によって用紙Pが検出されたタイミングで回転させられ、用紙Pを画像形成部39に送る第2、第3の搬送ローラとしての搬送ローラ対34、35、及び画像形成部39における画像の形成のタイミング、すなわち、書込みタイミングをとるために用紙Pを検出する第4の媒体検出部としての書込みセンサ36が配設される。
【0026】
前記搬送ローラ対32、34、35は、互いに接触させて回転自在に配設された二つのローラから成り、搬送用の駆動部としての図示されない搬送用モータから駆動伝達系としての図示されないギヤトレーンを介して回転が伝達され、矢印方向に回転させられる。また、前記第1の搬送路Rt1における搬送ローラ対32と用紙センサ33との間には、第2の搬送路Rt2が接続され、該第2の搬送路Rt2に、第2の給紙装置としてのマルチパーパストレイ(MPT)60が配設される。
【0027】
該マルチパーパストレイ60は、用紙Pが積載される第2の媒体積載板としての用紙積載板64、最も上の用紙Pが当接させられる第2の繰出部材としてのピックアップローラ62、並びに該ピックアップローラ62の前方に、互いに接触させて配設され、第2の分離要素を構成するフィードローラ61及びリタードローラ63を備える。
【0028】
前記ピックアップローラ62及びフィードローラ61は、第2の給紙用の駆動部としての図示されないモータによって矢印方向に回転させられる。また、リタードローラ63は図示されないトルク発生部によって矢印方向(ピックアップローラ62及びフィードローラ61と同じ方向)に回転させられ、トルクを発生させる。
【0029】
したがって、ピックアップローラ62によって用紙積載板64から繰り出された用紙Pは、フィードローラ61及びリタードローラ63によって1枚ずつ分離させられ、第2の搬送路Rt2に給紙される。
【0030】
前記画像形成部39は、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各色の画像をそれぞれ形成する四つの画像形成ユニット40Y、40M、40C、40Bk、該画像形成ユニット40Y、40M、40C、40Bk内に配設された像担持体としての各感光体ドラム41と対向させて配設された露光装置としてのLEDヘッド43、前記画像形成ユニット40Y、40M、40C、40Bkに沿って配設され、ベルト部材としての、かつ、中間転写媒体としての中間転写ベルト71に各色の現像剤像としてのトナー像を順次重ねて転写し、カラーのトナー像を形成する一次転写ユニットとしての一次転写ベルトユニット70、前記中間転写ベルト71に形成されたカラーのトナー像を用紙Pに転写する二次転写ユニットとしての二次転写ローラユニット80、前記中間転写ベルト71に残留し、中間転写ベルト71に付着した異物、すなわち、中間転写ベルト71上の付着物、本実施の形態においては、現像剤としてのトナーを除去する第1のクリーニング部としてのベルトクリーニング部90等を備える。なお、前記一次転写ベルトユニット70、二次転写ローラユニット80及びベルトクリーニング部90によって、ベルト駆動装置が構成される。
【0031】
次に、前記画像形成ユニット40Y、40M、40C、40Bkについて説明する。なお、画像形成ユニット40Y、40M、40C、40Bkの構造は同じであるので、ブラックの画像形成ユニット40Bkについてだけ説明する。
【0032】
画像形成ユニット40Bkは、画像形成ユニット40Bkの本体、すなわち、画像形成ユニット本体40、及び該画像形成ユニット本体40に対して着脱自在に配設され、トナーを収容する現像剤収容体としてのトナーカートリッジ46(図においては、便宜上、画像形成ユニット本体40と別体に記載されている。)を備える。なお、本実施の形態においては、画像形成ユニット本体40とトナーカートリッジ46とが別体に形成されるが、一体に形成することができる。
【0033】
前記画像形成ユニット本体40には、前記感光体ドラム41が矢印方向に回転自在に配設され、該感光体ドラム41の周囲には、感光体ドラム41の回転方向における上流側から順に、感光体ドラム41の表面を一様に帯電させる帯電装置としての帯電ローラ42、前記LEDヘッド43によって潜像としての静電潜像が形成された感光体ドラム41の表面にブラックのトナーを付着させてトナー像を形成する現像剤担持体としての現像ローラ44、前記トナー像を転写した後に、感光体ドラム41の表面に残留したトナー、すなわち、残留トナーを除去する第2のクリーニング部としてのドラムクリーニング部45等が配設される。なお、前記現像ローラ44は、現像剤供給部材としてのトナー供給ローラ44aと共に、現像装置を構成する。
【0034】
前記画像形成ユニット40Bkにおいて、感光体ドラム41、帯電ローラ42及び現像ローラ44は、画像形成用の駆動部としての図示されないドラムモータから駆動伝達系としての図示されないギヤトレーンを介して回転が伝達され、矢印方向に回転させられる。
【0035】
次に、前記一次転写ベルトユニット70について説明する。
【0036】
該一次転写ベルトユニット70は、画像形成ユニット40Y、40M、40C、40Bkにおいて形成された各色のトナー像を中間転写ベルト71に転写する。そのために、前記一次転写ベルトユニット70は、ベルト走行用の駆動部としての図示されないベルトモータに接続された第1のローラとしてのドライブローラ72、該ドライブローラ72の回転に伴って、ドライブローラ72に従動させて回転させられる第2のローラとしてのアイドルローラ73、二次転写ローラユニット80と対向させて配設され、前記ドライブローラ72の回転に伴って回転させられる第3のローラとしてのバックアップローラ74、前記ドライブローラ72とアイドルローラ73とバックアップローラ74とによって張設される前記中間転写ベルト71、及び該中間転写ベルト71を介して画像形成ユニット40Y、40M、40C、40Bkの各感光体ドラム41と対向させられ、中間転写ベルト71に押し付けて配設される第1の転写部材としての、かつ、一次転写部材としての一次転写ローラ75を備える。なお、前記画像形成ユニット40Y、40M、40C、40Bkの各感光体ドラム41と中間転写ベルト71との間に第1の転写部としての一次転写部が形成される。
【0037】
前記ベルトモータからの回転を受けてドライブローラ72が矢印方向に回転させられると、中間転写ベルト71は矢印方向に走行させられ、中間転写ベルト71の走行に伴って、アイドルローラ73及びバックアップローラ74が矢印方向に回転させられる。
【0038】
前記中間転写ベルト71は、画像形成ユニット40Y、40M、40C、40Bkの各感光体ドラム41と当接しながら感光体ドラム41と一次転写ローラ75との間を走行し、このとき、各一次転写ローラ75に所定の電圧が印加され、各感光体ドラム41上に形成された各色のトナー像が順次重ねて中間転写ベルト71に転写され、カラーのトナー像が形成される。
【0039】
次に、前記二次転写ローラユニット80について説明する。
【0040】
該二次転写ローラユニット80は、中間転写ベルト71の走行方向におけるドライブローラ72より下流側に、かつ、アイドルローラ73より上流側において、前記バックアップローラ74と対向させて回転自在に配設され、中間転写ベルト71上のカラーのトナー像を用紙Pに転写する第2の転写部材としての、かつ、二次転写部材としての二次転写ローラ81、該二次転写ローラ81をバックアップローラ74側に向けて付勢し、一次転写ベルトユニット70に押し付ける付勢部材としてのスプリングsp1、前記二次転写ローラ81と当接させて配設され、二次転写ローラ81に付着したトナーを吸着することによって収集する現像剤収集部材としてのクリーナシャフト82、該クリーナシャフト82によって収集されたトナーを掻き取るクリーニング部材83等を備える。なお、前記中間転写ベルト71と二次転写ローラ81との間に第2の転写部としての二次転写部が形成される。また、前記クリーナシャフト82及びクリーニング部材83によって第3のクリーニング部としての二次転写クリーニング部が構成される。
【0041】
前記第1の搬送路Rt1の画像形成部39より下流側(一次転写部より下流側)に、定着装置としての定着器50が配設される。該定着器50は、表面が弾性体で形成された第1の定着用ローラとしてのアッパローラ51、及び該アッパローラ51に当接させて配設され、表面が弾性体で形成された第2の定着用ローラとしてのロワローラ52を備え、前記アッパローラ51内には第1の熱源としてのハロゲンランプ53aが、前記ロワローラ52内には第2の熱源としてのハロゲンランプ53bが配設される。前記アッパローラ51及びロワローラ52は矢印方向に回転させられ、画像形成部39から排出された用紙P上のカラーのトナー像を加熱し、加圧し、カラーのトナー像を溶融させ、用紙Pに定着させ、カラー画像を形成する。
【0042】
そして、カラー画像が形成された用紙Pは、第1〜第4の排出ローラとしての排出ローラ対54a〜54dによって搬送され、装置本体外に排出され、媒体積載部としてのスタッカ55に積載される。なお、前記排出ローラ対54a〜54dは、排出用の駆動部としての図示されない排出用モータから駆動伝達系としての図示されないギヤトレーンを介して回転が伝達され、矢印方向に回転させられる。
【0043】
また、前記定着器50の出口部に第5の媒体検出部としての用紙センサ56が配設され、該用紙センサ56は、用紙Pを検出すると、センサ出力を前記制御部に送り、制御部はセンサ出力を受けると、排出ローラ対54a〜54dを回転させるための排出用モータの駆動タイミングを設定する。
【0044】
次に、前記ベルトクリーニング部90について説明する。
【0045】
図1は本発明の第1の実施の形態におけるベルトクリーニング部の要部拡大図、図3は本発明の第1の実施の形態におけるベルトクリーニング部の動作を説明するための図である。
【0046】
図に示されるように、ベルトクリーニング部90は、中間転写ベルト71を張架する方向、すなわち、中間転写ベルト71の走行方向に対して直角の方向に移動自在に配設され、中間転写ベルト71の走行方向における前記バックアップローラ74(図1)より下流側で、かつ、前記アイドルローラ73より上流側に配設されたフレーム部材としてのブレードフレーム94、該ブレードフレーム94に取り付けられた保持部としてのブレードホルダ95、該ブレードホルダ95によって保持され、先端を中間転写ベルト71の表面に当接させて配設され、中間転写ベルト71上のトナーを掻き取るブレード部材としてのクリーニングブレード96、螺旋状に形成され、ブレードフレーム94によって包囲された現像剤排出室としてのトナー排出室rm内において回転軸sh3によって回転自在に支持され、かつ、延在させて配設され、回転に伴って、前記クリーニングブレード96によって掻き取られ、トナー排出室rmに落下したトナー、すなわち、廃トナーを搬送する付着物搬送部材としての、かつ、現像剤搬送部材としてのオーガ97、中間転写ベルト71の内方において該中間転写ベルト71と当接させて配設され、回転軸sh4によって、ブレードフレーム94に対して回転自在に支持された当接部材としての、かつ、回転支持部材としてのサポートシャフト93等を有する。
【0047】
また、中間転写ベルト71の内方には、付勢部材としてのスプリング92が配設され、該スプリング92は、サポートシャフト93、ブレードフレーム94等を外方に向けて(サポートシャフト93を中間転写ベルト71側に向けて)付勢し、中間転写ベルト71に所定の張力を発生させる。なお、前記クリーニングブレード96は、サポートシャフト93と対向する位置に配設され、先端が所定の圧力で中間転写ベルト71を介してサポートシャフト93に押し付けられる。
【0048】
そして、前記装置本体内に、前記ドライブローラ72、アイドルローラ73、バックアップローラ74、一次転写ローラ75等を回転自在に支持する構造体としてのベース部98が前記筐体Csに固定されて配設される。また、前記ブレードフレーム94には、被係合部としての、かつ、被案内部としての突出部amが中間転写ベルト71より内方に向けて突出させて形成される。そして、前記ベース部98には、前記突出部amと係合させて、突出部amを案内する穴から成るガイド部91が、係合部として、かつ、案内部として形成され、突出部amとガイド部91の底部91aとの間の空間に前記スプリング92が収容される。なお、前記突出部amがガイド部91内を安定して進退することができるように、前記突出部amとガイド部91とが係合させられ、突出部amは、ガイド部91の内壁w1と対応する形状の外壁w2を備え、前記内壁w1と外壁w2との間にわずかな間隙が形成される。
【0049】
したがって、図3に示されるように、前記スプリング92は、突出部amをガイド部91の外方に向けて付勢することによって、前述されたように、サポートシャフト93を中間転写ベルト71側に向けて付勢し、中間転写ベルト71に所定の張力を発生させる。
【0050】
この場合、前記突出部amとガイド部91とが係合させられるので、ベルトクリーニング部90を、突出部amとガイド部91とを摺動させながら、中間転写ベルト71を張架する方向(矢印A方向)、すなわち、中間転写ベルト71の張力を大きくする方向、及び中間転写ベルト71を緩める方向(矢印A方向と反対方向)、すなわち、中間転写ベルト71の張力を小さくする方向に移動させることができる。また、ベルトクリーニング部90が移動する際に、サポートシャフト93、中間転写ベルト71及びクリーニングブレード96の位置関係は維持されたままにされる。
【0051】
そして、スプリング92は、ベルトクリーニング部90のブレードフレーム94に形成された突出部amを中間転写ベルト71の張力を大きくする方向に付勢する。したがって、中間転写ベルト71に弛みが発生しても、ベルトクリーニング部90が中間転写ベルト71の弛みに応じて移動するので、中間転写ベルト71の張力を維持することができる。
【0052】
なお、カラーのトナー像が転写された後に中間転写ベルト71に残留したトナーは、前述されたように、クリーニングブレード96によって掻き取られ、前記トナー排出室rmに落下させられ、トナー排出室rm内で回転させられるオーガ97によって、廃トナーとして図示されないトナー回収部に搬送される。
【0053】
ところで、二次転写部において中間転写ベルト71に加わる負荷が変化したり、二次転写ローラ81の回転速度が変動したりすると、中間転写ベルト71に加わる張力が変化するが、このとき、ドライブローラ72と中間転写ベルト71との間でスリップが発生したり、中間転写ベルト71の走行速度が変化したりすると、色ずれ、画像乱れ等が発生し、画像品位が低下してしまう。
【0054】
そこで、本実施の形態においては、クリーニングブレード96及びサポートシャフト93によって中間転写ベルト71が挟まれ、それに伴い、中間転写ベルト71を走行させる上でドライブローラ72に最大の負荷を与えるベルトクリーニング部90を、中間転写ベルト71の走行方向におけるバックアップローラ74より下流側で、かつ、アイドルローラ73より上流側に配設し、中間転写ベルト71に所定の張力を発生させるようにしている。
【0055】
この場合、中間転写ベルト71の走行方向におけるベルトクリーニング部90より下流側で、かつ、ドライブローラ72より上流側の領域で大きい張力が発生し、ドライブローラ72より下流側で、かつ、ベルトクリーニング部90より上流側の領域で小さい張力が発生する。
【0056】
したがって、二次転写部において中間転写ベルト71に加わる負荷が変化したり、二次転写ローラ81の回転速度が変動したりしても、中間転写ベルト71の走行方向におけるベルトクリーニング部90より下流側で、かつ、ドライブローラ72より上流側の領域で大きい張力が発生させられているので、張力が変化するのを抑制することができる。その結果、ドライブローラ72と中間転写ベルト71との間でスリップが発生したり、中間転写ベルト71の走行速度が変化したりするのを防止することができ、中間転写ベルト71に発生する張力を安定させることができる。また、色ずれ、画像乱れ等が発生することがなくなり、画像品位が低下するのを防止することができる。
【0057】
しかも、中間転写ベルト71が伸び、張力が変化して弛みが発生しても、ベルトクリーニング部90が中間転写ベルト71の弛みに応じて移動するので、中間転写ベルト71の張力を維持することができる。
【0058】
さらに、ベルトクリーニング部90によって中間転写ベルト71に張力が発生させられるので、ベルトクリーニング部90のほかに、張力を発生させるための装置を配設する必要がない。したがって、ベルト駆動装置及びプリンタ10のコストを低くすることができる。
【0059】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0060】
図4は本発明の第2の実施の形態におけるベルトクリーニング部の要部拡大図、図5は本発明の第2の実施の形態におけるベルトクリーニング部の動作を説明するための図である。
【0061】
この場合、フレーム部材としてのブレードフレーム94によって包囲された現像剤排出室としてのトナー排出室rm内において、付着物搬送部材としての、かつ、現像剤搬送部材としてのオーガ97が回転軸sh3によって回転自在に支持され、かつ、延在させて配設される。
【0062】
また、構造体としての前記ベース部98における所定の箇所に、支持部材としての腕部99が突出させて形成され、該腕部99に対してブレードフレーム94が、回転軸sh3を揺動中心にして揺動自在に配設される。すなわち、第1のクリーニング部としてのベルトクリーニング部90を、ベルト部材としての、かつ、中間転写媒体としての中間転写ベルト71を張架する方向(矢印B方向)、すなわち、中間転写ベルト71の張力を大きくする方向、及び中間転写ベルト71を緩める方向(矢印B方向と反対方向)、すなわち、中間転写ベルト71の張力を小さくする方向に移動させることができる。
【0063】
そして、ブレードフレーム94に形成された被係合部としての、かつ、被案内部としての突出部amとベース部98との間に、付勢部材としてのスプリング92が配設され、該スプリング92は、突出部amを中間転写ベルト71の外方に向けて付勢する。したがって、当接部材としての、かつ、回転支持部材としてのサポートシャフト93、ブレードフレーム94等が外方に向けて(サポートシャフト93を中間転写ベルト71側に向けて)付勢され、中間転写ベルト71に所定の張力が発生させられる。
【0064】
なお、前記オーガ97は、現像剤排出室としてのトナー排出室rm内で回転させられることによって、トナー排出室rmに落下した現像剤としてのトナーを廃トナーとして図示されない搬送管を介してトナー回収部に搬送するようになっているが、本実施の形態においては、ブレードフレーム94が回転軸sh3によって回転自在に支持され、オーガ97の位置が腕部99によって設定され、変化することがないので、トナー排出室rmと搬送管との連結部においてトナーが漏れることはない。
【0065】
前記各実施の形態においては、四つの画像形成ユニット40Y、40M、40C、40Bkを備えたカラーのプリンタ10について説明しているが、本発明を、一つの画像形成ユニットを備えた単色のプリンタに適用することができる。
【0066】
また、前記各実施の形態においては、中間転写ベルト71を備えたプリンタについて説明しているが、転写ベルトによって媒体としての用紙Pを搬送し、用紙Pに各色のトナー像を順次転写するようにしたプリンタに適用することができる。
【0067】
さらに、前記各実施の形態においては、プリンタについて説明しているが、本発明を、複写機、ファクシミリ、複合機等の画像形成装置に適用することができる。
【0068】
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【符号の説明】
【0069】
70 一次転写ベルトユニット
71 中間転写ベルト
72 ドライブローラ
73 アイドルローラ
80 二次転写ローラユニット
90 ベルトクリーニング部
92 スプリング
図1
図2
図3
図4
図5