(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
病院内の各所に設けられる表示盤と、各患者の診察に係わる情報を含む電子カルテを記憶・管理する電子カルテサーバと、各診察室毎に設けられる複数の端末とを有するシステムにおける患者呼出/案内方法であって、
各患者の位置近辺の表示盤を該患者の位置として検出して患者位置情報として記憶する患者位置検出記憶システムによって、随時、各患者の前記患者位置情報を更新し、
任意の前記端末において次の患者の呼出しが決定されると、予め設定されている各端末−表示盤間の距離関係と、予め登録されている該各距離関係に対応する案内情報と、前記表示依頼した前記操作端末の識別情報と、前記電子カルテに基づいて得られる各医師毎の担当患者の診察順番を示す表示予定情報と、前記患者位置情報である前記表示盤の識別情報とに基づいて、該次の患者に対する前記案内情報である呼出しを該患者の位置に対応する前記表示盤に表示させると共に、該次の患者より後の患者に対して、該後の患者に関する前記距離関係が予め設定されている所定距離以上である場合には、該後の患者の位置に対応する前記表示盤に事前案内を表示させることを特徴とする患者呼出/案内方法。
病院内の各所に設けられる表示盤と、各患者の位置近辺の表示盤を該患者の位置として検出して患者位置情報として記憶する患者位置検出記憶システムと、各患者の診察に係わる情報を含む電子カルテを記憶・管理する電子カルテサーバと、患者呼出/案内装置とを有する患者呼出表示システムにおける該患者呼出/案内装置であって、
任意の端末において次の患者の呼出しが決定されると、予め設定されている各端末−表示盤間の距離関係と、予め登録されている該各距離関係に対応する案内情報と、前記表示依頼した前記操作端末の識別情報と、前記電子カルテに基づいて得られる各医師毎の担当患者の診察順番を示す表示予定情報と、前記患者位置情報である前記表示盤の識別情報とに基づいて、該次の患者に対する前記案内情報である呼出しを該患者の位置に対応する前記表示盤に表示させると共に、該次の患者より後の患者に対して、該後の患者に関する前記距離関係が予め設定されている所定距離以上である場合には、該後の患者の位置に対応する前記表示盤に事前案内を表示させる手段、
を有することを特徴とする患者呼出/案内装置。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本例の患者呼出表示システムの構成図である。
【0024】
図示の例の患者呼出表示システムは、例えば電子カルテシステムと患者案内システムとに大別できるが、この例に限らない。
【0025】
例えば電子カルテシステムは、受付端末11、電子カルテサーバ12、複数の電子カルテ操作端末13(13a,13b,・・・,13n)を有する。電子カルテ操作端末13は、例えば各診察室毎に備えられている。
【0026】
患者案内システムは、表示サーバ21、RFIDシステム22、複数の表示盤23(23a,23b,・・・,23m)、複数のRFIDリーダ24(24a,24b,・・・,24m)を有する。各RFIDリーダ24は、各表示盤23毎に対応して備えられる。これは、各RFIDリーダ24は、各表示盤23に内蔵されていてもよいし、各表示盤23の近傍に設置されていてもよい。
【0027】
表示盤23及びRFIDリーダ24は、病院内の各所に配置されるものであり、その位置は特に特定しないが、基本的には患者が病院内の何処にいても呼出し/事前案内を行えるように配置するものである。また、各表示盤23としては、例えば各診察室毎に対応して設けられる表示盤23があるが、これに限らない。
【0028】
また、特に図示しないが、各患者に供与される診察券には、その患者の識別データ(患者IDと呼ぶ)が記憶されたRFIDタグが内蔵されている。また、受付端末11には例えば不図示のRFIDリーダが備えられている。
【0029】
また、特に図示しないが、電子カルテサーバ12と各電子カルテ操作端末13と表示サーバ21は(更に、RFIDシステム22も加えても良い)、LAN等の内部ネットワークに接続しており、相互にアクセス可能、データ送受信可能となっている。但し、電子カルテサーバ12にアクセスするには、アクセス権限(ログイン権限など)が必要となる。少なくとも電子カルテ操作端末13は、このアクセス権限を有している。
【0030】
また、表示サーバ21と各表示盤23とは、例えば何らかの専用線(シリアル線等)で接続している。同様に、RFIDシステム22と各RFIDリーダ24とは、例えば何らかの専用線(シリアル線等)で接続している。受付端末11と電子カルテサーバ12も、例えば何らかの専用線(シリアル線等)で接続している。但し、これらの例に限るわけではない。
【0031】
また、受付端末11、電子カルテサーバ12、電子カルテ操作端末13、表示サーバ21、RFIDシステム22、RFIDリーダ24は、特に図示しないが、CPU/MPU等の演算プロセッサや、ハードディスク、フラッシュメモリ等の記憶部を有している。記憶部には予め所定のアプリケーションプログラムが格納されている。上記演算プロセッサがこのアプリケーションプログラムを実行することにより、例えば後述する各フローチャート図の処理が実現される。
【0032】
電子カルテサーバ12は、各患者の電子カルテデータ等を保持・管理する。この電子カルテには、各患者の診察に係わる情報も含まれており、例えば各患者の診察スケジュール等も含まれている。この様な電子カルテデータから、例えば毎日、営業開始前に、その日に診察予定している患者のデータを抽出したものが、後述する受付情報テーブル30である。
【0033】
受付端末11は、例えば病院の出入口付近に設置され、来院する患者の自動受付処理を実行する。その際に読取った患者IDと発行した呼出番号とを電子カルテサーバ12に送信して受付情報テーブル30に登録させる。詳しくは後述する。
【0034】
尚、初診の患者は、例えば、事務員等がいる受付窓口で手続きを行うことで、診察券を発行してもらうと共に受付情報テーブル30への登録を行ってもらう。これによって、初診の患者であっても本システムによる呼出しのサービスを受けられる。
【0035】
電子カルテ操作端末13は、例えば各診察室毎に備えられている。各診察室は、例えば火曜日の午前中は○△医師、午後は△△医師、水曜日は一日中×△医師等というように、曜日や時間帯に応じて一人の医師が占有している場合が多い。これより、各電子カルテ操作端末13も、各時間帯毎に一人の医師が占有している。そして、例えば、電子カルテ操作端末13には、例えば受付情報テーブル30に基づいて、その診察室の医師がその日に診察する予定の患者に関するデータが表示等される(たとえば後述する呼出し操作画面等の表示を行う)。
【0036】
各RFIDリーダ24は、任意の診察券のRFIDタグを検知して、記録されている患者IDを読み出すと、この患者IDを自己の識別情報(例えば自己が備えられている表示盤の識別情報など)と共にRFIDシステム22へ送信する。これより、RFIDシステム22は、病院内にいる各患者の現在位置を記憶・管理する。
【0037】
各医師が、任意の患者の診察が終了する毎に、例えば上記呼出し操作画面において所定の操作を行うことで、電子カルテ操作端末13は「次の患者」(次に診察すべき患者)の呼出し表示を、表示サーバ21に依頼する。
【0038】
上記の通り、RFIDシステム22は、各患者の現在位置を記憶・管理しているので、表示サーバ21は、依頼された患者の現在位置に対応する表示盤23に、例えばこの患者の呼出番号を表示する等して診察室への入室を促す。
【0039】
但し、本システムでは、これだけでなく更に、電子カルテ操作端末13は、次以降の患者(ここでは例えば「次の次の患者」を一例とする)の現在位置が、その患者の担当医の診察室から遠い(ある程度以上離れている)場合には、「次の次の患者」の事前案内表示を、表示サーバ21に依頼する。これより、表示サーバ21は、「次の次の患者」の現在位置に対応する表示盤23に、例えばこの患者の呼出番号を表示すると共に、その患者の担当医の診察室近くに行くことを促すメッセージ等を表示する。これは、「次の次の患者」に限らず、更に「次の次の次の患者」に対しても行っても良い。
【0040】
この様に、例えば「次の次の患者」に対して、その患者が診察を受ける診察室から遠い場所にいる場合には、事前に、当該診察室近くに行くように促すことで、この「次の次の患者」が「次の患者」として呼出しを受けるときには、この患者は自己の担当医の診察室近くで呼出しを受けるはずであるので、スムーズに直ちに、診察を受けることができ、診察が効率的に行えるようになる。
【0041】
図2、
図3に、上記患者呼出表示システムで保持・管理する各種データ(テーブル)の一例を示す。尚、これらの各テーブルを記憶する装置(端末/サーバ)は、基本的には
図1に示す何れの端末/サーバであってもよいが、以下の説明では一例を挙げて説明するものとする。
【0042】
図2(a)は、受付情報テーブル30の具体例である。このテーブル30は、例えば電子カルテサーバ12に記憶される。
【0043】
図示の例の受付情報テーブル30は、診療科コード31、診療科名32、医師コード33、医師名34、患者ID35、呼出番号36、受付時間37、予約時間38などの各データ項目より成る。
【0044】
このテーブル30には、患者ID35が示す各患者毎に、その患者の担当医の氏名と識別コードが医師名34、医師コード33に格納され、この担当医の診療科(内科、外科など)の識別コードと名称が診療科コード31、診療科名32に格納される。更に、診察などの予約がある場合には、予約時間が予約時間38に格納されている。尚、上記営業開始前に受付情報テーブル30を生成した時点では、未だ、呼出番号36と受付時間37にはデータは格納されていない。
【0045】
図2(b)は、診察室情報テーブル40の具体例である。このテーブル40は、例えば電子カルテサーバ12(または表示サーバ21)に記憶される。
【0046】
図示の例の診察室情報テーブル40は、診察室コード41、端末コード42の各データ項目より成る。尚、各診察室には予め固有の診察室コードが割当てられている。同様に、各電子カルテ操作端末13には予め固有の端末コードが割当てられている。これより、診察室情報テーブル40は、各電子カルテ操作端末13がどの診察室に設置されているのかを登録したテーブルと言える。
【0047】
図2(c)は、表示盤表示情報テーブル50の具体例である。このテーブル50は、例えば表示サーバ21に記憶される。
【0048】
図示の例の表示盤表示情報テーブル50は、表示盤ID51、診察室コード52、位置ID53の各データ項目より成る。各表示盤23には、予め固有の表示盤IDが割当てられている。ここで、表示盤23には、各診察室に対応して設けられる、比較的小型の表示盤23があり、これらは例えば各診察室の前に設置されている。これより、表示盤表示情報テーブル50は、この様な表示盤23について、どの表示盤23がどの診察室に対応して設置されているのかを示すものといえる。
【0049】
尚、本説明では位置ID53は特に必要ない。
図2(d)は、表示予定情報テーブル60の具体例である。尚、図では“医師A”に係る表示予定情報テーブル60のみを示すが、他の(各診察室にいる)医師についてもそれぞれ表示予定情報テーブル60が作成される。これら各テーブル60は、例えば各電子カルテ操作端末13毎に記憶されてもよいし、全てのテーブル60がまとめて表示サーバ21に記憶されていてもよい。
【0050】
図示の例の表示予定情報テーブル60は、診療室コード61、診療科コード62、診療科名63、医師コード64、医師名65、患者ID66、呼出番号67等の各データ項目より成る。上記の通り、これは“医師A”に係る表示予定情報テーブル60であるので、全レコードにおいて、医師名65=“医師A”、医師コード64=「医師Aの医師コード(#00000000)」、診療科名63=「医師Aの担当診療科(内科)」、診療科コード62=「内科のコード(#01)」となっている。また、そのときの医師Aがいる診察室の識別コードは“A0101”であるものとし、これより全レコードで診察室コード61=“A0101”となっている。
【0051】
他の医師についても、それぞれ、その医師用の表示予定情報テーブル60が作成されるものであり、例えば医師Bであれば全レコードにおいて医師名65=“医師B”となっていることになる。
【0052】
ここで、表示予定情報テーブル60は、上記受付情報テーブル30から該当レコードを全て抽出して作成するものである。図示のような“医師A”に係る表示予定情報テーブル60の場合には、上記受付情報テーブル30において医師名34が“医師A”であるレコードを上記該当レコードとしてもよい。但し、この例に限らず、例えば、医師名34が“医師A”且つ受付時間37にデータが登録されている(つまり、受付済みである患者の)レコードを、該当レコードとしてもよい。
【0053】
尚、上記のことから、表示予定情報テーブル60は、例えば、電子カルテに基づいて得られる、各医師毎の担当患者の診察順番を示すデータということもできる。
【0054】
また、図ではテーブル60にはテーブル30の受付時間37、予約時間38のデータが無いが、この例に限るものではなく、これらのデータ項目もテーブル30にあってよい。すなわち、テーブル30は、基本的に、テーブル60の一部をコピーして(更に診察室コード61を追加して)作成するものであってよい。
【0055】
図3(a)は、患者位置情報テーブル70の具体例である。このテーブル70は、例えばRFIDシステム22(または表示サーバ21)に記憶される。
【0056】
図示の例の患者位置情報テーブル70は、各患者ID71に対して表示盤ID72が登録されている。これは、患者ID71の患者の現在位置が登録されるものである。つまり、患者ID71の患者の現在位置近辺の表示盤の表示盤IDが、登録されるものである。この登録処理については後にフローチャート図で説明する。
【0057】
図3(b)は、距離情報テーブル80の具体例である。このテーブル80は、例えば表示サーバ21に記憶される。
【0058】
図示の例の距離情報テーブル80は、距離81、端末コード82、表示盤ID83の各データ項目より成る。これは、端末コード82の電子カルテ操作端末13と、表示盤ID83の表示盤23との距離(距離関係)が、登録されているものである。各電子カルテ操作端末13は、それぞれ所定の診察室に設置されているので、テーブル80には各診察室と各表示盤23との距離(距離関係)が登録されていると言うこともできる。
【0059】
図3(c)は、「距離情報毎の案内情報」テーブル90(以下、簡略化して、案内情報テーブル90と記す)の具体例である。このテーブル90は、例えば表示サーバ21に記憶される。
【0060】
図示の例の案内情報テーブル90は、各距離91(距離関係)毎に対応付けて、案内92(案内メッセージ)が登録されている。尚、案内92は、図では省略的に「案内あ」等と記してあるが、実際には例えば「直ちに内科第3診察室にお入り下さい」等のメッセージが登録される。
【0061】
以下、上記本システムの各端末/各サーバによって実行される処理について、各フローチャート図を参照して説明する。
【0062】
図4(a)は、受付端末11の処理フローチャート図である。
受付端末11は、任意の患者の診察券(そのRFIDタグ)を検知すると、診察券(そのRFIDタグ)から患者IDを読み取ると共に(ステップS11)、任意の呼出番号を生成・発行し(ステップS12)、これらの受付情報(患者IDと呼出番号)を電子カルテサーバ12へ送信する(ステップS13)。
【0063】
図4(b)は、電子カルテサーバ12の処理フローチャート図である。
電子カルテサーバ12は、上記受付端末11から送信される上記受付情報(一例として、患者IDと呼出番号)を受信すると(ステップS21)、この受付情報を受付情報テーブル30に格納する(ステップS22)。これは、例えば、受付情報テーブル30において受信した受付情報の患者IDを用いて該当レコード検索し、この該当レコードに、受信した呼出番号と現在日時(受付日時)を格納する(それ以外のデータは、事前に受付情報テーブル30に登録済み)。
【0064】
図5は、位置検知に係わる処理フローチャート図である。
RFIDリーダ24は、任意の診察券(そのRFIDタグ)を検知すると、その患者IDを読取り(ステップS31)、当該読取った患者IDを、自己が保持する表示盤IDと共に、RFIDシステム22へ送信する(ステップS32)。尚、上記の通り、各RFIDリーダ24は任意の表示盤23に対応して設けられており、自己が対応する表示盤23の表示盤IDを予め記憶している。
【0065】
RFIDシステム22は、受信した患者IDと表示盤IDとを、患者位置情報テーブル70に記憶する(ステップS33)。既に登録済みの場合には(受信した患者IDと一致する患者ID71が既に患者位置情報テーブル70に存在する場合には)、対応する表示盤ID72を、受信した表示盤IDに更新する。尚、患者位置情報テーブル70は、更新する毎に表示サーバ21に転送して保持させてもよい。
【0066】
上記処理により、患者位置情報テーブル70には、各患者の現在位置(どの表示盤23の近辺にいるのか)を示す情報が、格納される。
【0067】
図6は、電子カルテ操作端末13の処理フローチャート図である。
電子カルテ操作端末13は、任意の医師がログインすると(例えば医師のIDとパスワード入力)、この医師の医師コードを認識する(各医師に関する不図示のDBが別途存在する;但し、上記医師のID=医師コードであってもよい)(ステップS41)。尚、電子カルテ操作端末13の識別情報(端末コードと呼ぶ)が予め任意に決められており、各電子カルテ操作端末13は自端末の端末コードを保持している。
【0068】
上記医師コードを用いて上記電子カルテサーバ12の受付情報テーブル30を検索することで、例えばこの医師が担当する患者のレコードを抽出する(担当患者情報と呼ぶものとする)(ステップS42)。尚、既に述べたように、担当患者のうち既に受付を済ませた患者のレコードのみを抽出するようにしてもよい。
【0069】
上記担当患者情報に基づいて表示予定情報テーブル60を作成・表示する(ステップS43)。例えば、抽出した担当患者情報の各レコードを、所定の順番通りに並べることで(例えば予約時間順、あるいは受付時間順など)、表示予定情報テーブル60を作成する。尚、その際、自端末が設置された診察室の診察室コード(診察室情報テーブル40を参照)を、表示予定情報テーブル60の上記診察室コード61に格納する。
【0070】
尚、上記の例に限らず、例えば医師や看護婦等が、マウス操作等によって、担当患者情報の各レコードの順番を自由に指定・変更することも可能であってよい。
【0071】
その後、例えば医師や看護婦等によって所定操作(次の患者の呼出し操作等)がある毎に(ステップS44,YES)、表示予定情報テーブル60の先頭レコードを取り出して、ステップS45〜S47の処理を実行する。
【0072】
すなわち、まず、当該先頭レコードの患者ID66(つまり、次の患者の患者ID)が、患者位置情報テーブル70に登録されているか否かを判定し(ステップS45)、登録されていない場合には(ステップS45,NO)、本処理を終了する。
【0073】
但し、これは一例であり、例えばステップS45がNOの場合にはステップS48に移行することで、「次の次の患者」に対する事前案内に係る処理に移行するようにしてもよい。あるいは、ステップS45がNOの場合、例えば、とりあえずその医師がいる診察室に対応する表示盤23に、次の患者の呼出番号を表示させるようにしてもよい。尚、これは、上記の通り診察室コードは分かっているので、表示盤表示情報テーブル50を参照すれば、その診察室に対応する表示盤IDが分かることになる。
【0074】
一方、患者ID66が患者位置情報テーブル70に登録されている場合には(ステップS45,YES)、その表示盤ID72(患者の現在位置を示すもの)を取得して、ステップS46へ移行する。
【0075】
ステップS46では、上記ステップS45で取得した表示盤ID72と、自端末の端末コードとを用いて、距離情報テーブル80を参照することで、該当する“距離”81を取得する。更に、“距離情報毎の案内情報”テーブル90から、上記該当する“距離”81に対応する“案内”92を取得する。
【0076】
尚、上記“距離”とは、単なる距離だけではなく、どの端末(どの診察室)との距離であるのかも示すものとする(例えば、“距離関係”と言える)。例えば、図示の(a1)と(b1)とが、仮に距離自体は同じであったとしても、別扱いとなる。例えば、(a1)に対応する“案内”92である図示の「案内あ」が「内科診察室1番へお入り下さい」であるのに対して、(b1)に対応する“案内”92である不図示の「案内か」は「外科診察室3番へお入り下さい」等となる。
【0077】
また、距離自体にしても、厳密な距離を意味するものではなく、例えば、0m〜30mは‘1’、31m〜100mは‘2’、101m〜200mは‘3’、200m以上は‘4’等と区分し(距離区分とし)、上記(a1)はaの‘1’を意味するものと考えてよい。また、この場合、aとは、例えば内科診察室1番を示す記号と考えてもよい。
【0078】
そして、上記ステップS46で取得した“案内”92を、上記ステップS45で取得した表示盤ID72(次の患者が居る場所の表示盤のID)と、上記次の患者の呼出番号とを、表示依頼コマンドと共に表示サーバ21に送信する(ステップS47)。これに応じた表示サーバ21の処理については後述する。
【0079】
尚、ステップS44がNOの状態では、例えば定期的にステップS42,S43を実行することで、表示予定情報テーブル60の内容を更新するようにしてもよい。
【0080】
以上で次の患者に対する呼出し処理は終了するが、本手法ではそれだけでなく、更にその次以降(「次の次の患者」等)に対して事前案内を行う。これは、基本的には、その患者の現在位置が、受診する診察室から遠い(ある程度以上離れている)場合には、事前に案内することで、この診察室近くに来ていてもらう。これによって、後にこの患者が「次の患者」として案内されるときには、すぐに診察室に入って診察を受けることができる。逆に言えば、事前案内を行わないと、遠くにいるために、呼出しを受けてから診察室に入るまでに時間が掛かることになり、医師は待たされ、診療の効率が悪いものとなる。
【0081】
上記事前案内の為の処理が、ステップS48〜S51の処理である。尚、この例では「次の次の患者」のみを対象とするが、この例に限らず、更に、「次の次の次の患者」等に対しても、事前案内を行うようにしてもよい。ここでは、「次の次の患者」に対する事前案内の為の処理について説明する。
【0082】
まず、「次の次の患者」の診察予定情報を取得して(すなわち上記表示予定情報テーブル60の2番目のレコードを取得して)、その患者ID66が患者位置情報テーブル70に登録されているか否かを判定する。登録されていなければ(ステップS48,NO)処理終了とし、登録されていれば(ステップS48,YES)、その表示盤ID72を取得して、ステップS49へ移行する。
【0083】
ステップS49では、上記ステップS46と略同様に、上記ステップS48で取得した表示盤ID72と、自端末の端末コードとを用いて、距離情報テーブル80を参照することで、該当する“距離”81を取得する。
【0084】
そして、ステップS49で取得した“距離”81が、予め設定されている閾値(仮に‘2’とする)以上か否かを判定する(ステップS50)。例えば取得した“距離”81が(a2)や(b2)であれば距離=‘2’と認識するので、上記閾値以上と判定されることになる。
【0085】
「次の次の患者」の現在位置から診察室までの“距離”が、閾値未満であれば(ステップS50,NO)本処理は終了し、事前案内は行わない。一方、距離が閾値以上であれば(ステップS50,YES)ステップS51へ移行する。
【0086】
ステップS51では、上記ステップS49で取得した“距離”81に応じた“案内”92を“距離情報毎の案内情報”テーブル90から取得して、この“案内”92と、ステップS48で取得した表示盤ID72(「次の次の患者」の現在位置付近の表示盤23のID)と、「次の次の患者」の呼出番号とを、表示依頼コマンドと共に表示サーバ21に送信する。これに応じた表示サーバ21の処理は、後述する。
【0087】
尚、終了前に、上記表示予定情報テーブル60の先頭レコードを削除するようにしてもよい。それによって、上記2番目のレコードが新たな先頭レコードとなり、上記「次の次の患者」は、次回の処理では「次の患者」として処理されることになる。尚、この例に限らず、例えば上記ステップS44がYESとなったときに、そのときの表示予定情報テーブル60の先頭レコードを削除するようにしてもよい。また、削除する代わりに無効化してもよい。当然、無効化されたレコードは、
図6の処理の対象外として扱われる。
【0088】
図7は、表示サーバ21の処理フローチャート図である。
まず、表示サーバ21は、随時、上記表示依頼コマンドの受信待ち状態とする(ステップS61)。
【0089】
そして、上記ステップS47またはS51によって任意の電子カルテ操作端末13から上記表示依頼コマンドが送られてきて受信したら(ステップS61,YES)、このコマンドに付加される上記各種情報に基づいて、上述した「次の患者」または「次の次の患者」が居る場所の表示盤23に対して、上記呼出番号と“案内”92を送信して表示させる(ステップS62)。
【0090】
尚、“案内”92の内容(案内メッセージ)は、予め上記閾値に応じた内容が登録されている。すなわち、ステップS51の処理で取得される案内メッセージは、「次の次の患者」に対する事前案内(診察室に入る案内ではなく、診察室近くに移動させる為の案内)となるように、予め作成・登録しておく。
【0091】
例えば、閾値=‘3’であるならば、上記距離が‘3’、‘4’に対応する案内メッセージが、事前案内の内容となるように登録しておくことになる。一方、上記距離が‘1’、‘2’に対応する案内メッセージは、呼出し(診察室への入室を促す)の内容となるように登録しておくことになる。
【0092】
尚、
図6、
図7は、一例を示すものであり、この例に限らない。例えば、表示サーバ21が、
図7だけでなく、
図6の処理の一部を実行するようにしてもよい。例えば、電子カルテ操作端末13は、単に表示とユーザ入力操作受付のみを行う端末であるものとし、
図6、
図7の処理は、基本的には全て、表示サーバ21が行うものとしてもよい。この場合、
図6、
図7の処理に必要なデータは全て、表示サーバ21が記憶するものであってよい。
【0093】
図8は、電子カルテ操作端末13の表示画面例である。
図9(a),(b)は、表示盤23に表示される表示画面例(その1)である。
【0094】
図10(a)、(b)は、表示盤23に表示される表示画面例(その2)である。
まず、
図8の電子カルテ操作端末13の表示画面例について説明する。
【0095】
図示の表示画面100は、図上上側に示す表示済一覧(待ち順番確定)101、順番未確定一覧102の2つの表示領域と、「△移動」ボタン103、「戻す」ボタン104の2つの操作ボタンから成る。
【0096】
医師/看護師などの操作者は、上記表示領域を見ると共に、必要に応じて上記操作ボタンを操作する。
【0097】
まず、表示済一覧(待ち順番確定)101は、例えば上記表示予定情報テーブル60の格納データが、表示されるものである。ここで、上述した処理例では、抽出したレコードが自動的に順番通りに(例えば予約時間順)ソートされることで、表示予定情報テーブル60が自動的に作成されるものとしたが、この例に限らない。
【0098】
例えば、抽出したレコードがそのまま(ソートせずに)記憶される不図示の記憶領域があるものとし、この記憶領域のデータを表示したものが上記順番未確定一覧102であるものとする。そして、ユーザが、この順番未確定一覧102上の任意の患者のレコードを指定したうえで「△移動」ボタン103を操作すると、このレコードが、表示予定情報テーブル60に追加格納され、以って表示済一覧101に追加される。
【0099】
一方、既に決定された順番を変更したい場合には、ユーザが、表示済一覧101上の任意の患者のレコードを指定したうえで「戻す」ボタン104を操作すると、このレコードが不図示の記憶領域へ戻され(テーブル60からは削除される)、以って表示済一覧101からその表示が消えると共に、順番未確定一覧102に表示されることになる。
【0100】
そして、ユーザが例えば不図示の「次の患者呼出」ボタンを操作すると、上記
図6の電子カルテ操作端末13の処理が実行されることになる。この場合、例えば診察中であった図示の受付番号‘1000’の患者のレコードが削除され、これによって図示の受付番号‘1001’の患者のレコードが上記先頭レコード(次の患者のレコード)となり、受付番号‘1001’の患者のレコードが上記2番目のレコード(「次の次の患者」のレコード)となって、上述したステップS45以降の処理が実行されることになる。
【0101】
次に、以下、
図9、
図10を参照して、表示盤23に表示される表示画面例について説明する。
【0102】
ここで、表示盤23は複数種類あり、例えば各診察室毎に設けられる表示盤、各診療科に設けられる表示盤等がある。前者(各診察室毎に設けられる表示盤)は例えば各診察室の入口付近に設けられる。前者は後者に比べて小型であり、よって表示する情報量も少なくなる。
図9(b)は前者の一例である。
図9(a)、
図10(a),(b)は、後者(各診療科に設けられる表示盤)の一例である。
【0103】
まず、
図9(b)は、例えば内科第1診察室に対応する表示盤23であって、例えば当該診察室の入口近辺に設置される表示盤23の表示画面例である。上記ステップS47によって「次の患者」の呼出しを行う場合、図示のように「次の患者」の呼出番号が表示されることになる。また、上記ステップS51による「次の次の患者」の事前案内は、ここでは図示していないが、例えば上記「次の患者」の呼出表示と交互に表示させてもよい。
【0104】
一方、
図9(a)、
図10(a),(b)には、一例として内科用の表示盤の表示例を示している。よって、
図9(a)に示す通常画面のように、内科の各診察室毎の患者呼出情報(呼出番号など)が表示される。但し、ここでは、他の診療科に関しても、「次の次の患者」や「次の次の次の患者」等の事前案内は表示する。これより、図示の例では、外科と耳鼻科についても、それぞれ、「次の次の患者」などの呼出番号が表示される。
【0105】
そして、「次の次の患者」の新たな事前案内が生じた場合には、例えば
図10(a),(b)に示すように、表示画面の一部を新規事前案内用の表示領域として表示する。これは、
図10(a)の例では上記通常画面の一部を一時的に消去して上記新規事前案内用の表示領域を一時的に設ける。
図10(b)の例では上記通常画面の下側に上記新規事前案内用の表示領域が設けられているが、これは、
図10(a)より小さい為、全てのメッセージが表示できないので、図示のように流動メッセージとして表示する。
【0106】
尚、本例は内科用の表示盤の表示例であるので、事前案内の対象者が内科の患者となることはなく、図示の例では外科の患者が対象者となっている。つまり、この例では、外科の患者の現在位置が内科エリアであり、外科と内科とはある程度以上(ステップS50の閾値以上)離れていることになる。
【0107】
図11に、上記患者の呼出しや事前案内の具体的イメージを示す。
図示の例では、内科第1診察室において、現在は医師Aが診察担当しているものとする。医師Aは、内科第1診察室に設置されている電子カルテ操作端末13を操作して、例えば既に
図8で説明したように自己の担当患者の診察順を指定する等の操作を行い、また特に図示・説明しないが、診察終了した患者の電子カルテに診察結果等を入力する操作等を行う。電子カルテ操作端末13は、例えば、この様な診察結果入力をトリガとして
図6の処理を実行することで、次の患者の呼出しや「次の次の患者」等に対する事前案内を行う。
【0108】
また、
図11の図上右側には、この電子カルテ操作端末13の呼出し操作画面例を示している。図示の例では、受付番号(上記呼出番号に相当)が‘1000’の患者が診察中であり、次の患者の受付番号は‘1001’、「次の次の患者」の受付番号は‘1234’となっている。
【0109】
この例において、医師Aが呼出しのトリガとなる何らかの操作(例えば‘1000’の患者の診察結果入力など)を行うことで上記
図6の処理が実行されると、例えば図示のような呼出し/事前案内が行われる。
【0110】
すなわち、まず、図示の待合エリアAは、上記内科第1診察室との距離が近い(例えば距離‘1’)エリアであり、本例では基本的には内科エリアとなるが、これに限らず、例えば内科エリアに近接する他の診療科のエリア(例えば眼科であるものとする)であってもよい。本手法では、基本的に、「次の患者」は事前案内によってこの様な待合エリアAに誘導されてきているはずである。尚、待合エリアAは、例えば待合エリアA用の表示盤23に備えられるRFIDリーダ24によって診察券(そのRFIDタグ)を検知できるエリア(図示の検知エリアA)であると言える。
【0111】
これより、上記次の患者の受付番号‘1001’が、図示のように待合エリアAの表示盤23に表示されることになり、これに応じてこの患者は上記内科第1診察室に入って診察を受けることになる。尚、受付番号の表示だけでなく、例えば患者に内科第1診察室への入室を促すような何らかのメッセージも表示するようにしてもよい。尚、図示のように、表示だけでなく音声によっても案内するようにしてもよい。
【0112】
但し、このとき、「次の患者」が、事前案内に気付かなかった(あるいは気付いても無視した)等の理由によって、待合エリアA以外の場所(待合エリアBのような比較的遠くの場所も有り得る)にいる可能性もある。本システムでは、この様な場合でも、「次の患者」の現在位置に対応する表示盤23(例えば待合エリアBの表示盤23)に、呼出メッセージ等が表示されることになる。
【0113】
何れにしても、本システムでは、患者が病院内のどこにいても、その近辺の表示盤23を用いて、情報通知(呼出し等)を行うことができるという効果も得られる。そして、これに加えて更に、事前案内を行うことによって、患者呼出し時点から患者が診察室に入る(診察を開始する)までの時間を短縮できる(短縮を図ることができる)、という効果も得られる。
【0114】
また、このとき、「次の次の患者」は、上記内科第1診察室との距離が遠い(例えば距離‘3’)エリアである待合エリアBにいるものとする。尚、仮にこのとき「次の次の患者」が上記待合エリアAにいた場合には、事前案内は行われない。
【0115】
この場合、この待合エリアBの表示盤23に、例えば図示のように「次の次の患者」のの受付番号‘1234’と共に待合エリアAへの移動を促すメッセージが表示されることになる(更に音声案内があってもよい)。
【0116】
これによって、「次の次の患者」は、事前に待合エリアA(内科第1診察室やその近辺のエリア)に移動することで、後に「次の患者」として呼び出されるときには待合エリアAの表示盤23等で呼び出されることになり、直ちに内科第1診察室に入り、スムーズに診察を受けることができる。また、医師Aにとっても、患者呼出しから診察開始までの時間が短縮されるので、効率的に診察を行うことができるようになる。
【0117】
上述したように、予め各距離関係毎に応じて、「次の患者」の呼出し、またはその後の患者(「次の次の患者」など)の事前案内の為のメッセージが登録されている。そして、所定距離以上である距離関係(距離91)に対応するメッセージ(案内92)は、例えば上記“後の患者”を、当該患者が受診する診察室近辺に移動させる為のメッセージ等である。
【0118】
尚、上述した説明は一例であり、この例に限るものではない。例えば、各患者の現在位置を検出して記憶するシステム(患者位置検出記憶システム)は、上記RFIDタグとRFIDリーダを用いる例に限らない。例えば、受付端末11で操作者の顔画像を撮影して、発行した呼出番号に対応付けて表示サーバ21等に記憶しておく。表示サーバ21は、顔画像に基づく認証システムが搭載されている。また、各表示盤23に対応してカメラを設置しておき、このカメラで顔画像を撮影して表示サーバ21に送信する。あるいは、上記特許文献2の構成を用いてもよい。
【0119】
以上の構成によっても、各呼出番号に対応する人それぞれの現在位置を検出して記憶しておくことができる。
【0120】
また、既に述べたように、上述した
図6の処理は各電子カルテ操作端末13が実行し、
図7の処理は表示サーバ21が実行する旨の説明は、一例に過ぎず、この例に限らない。ここで、
図6及び
図7の処理(実質的にこれらに相当する処理も含む)を実行する装置を、例えば「患者呼出/案内装置」と呼ぶならば、この「患者呼出/案内装置」は、一例としては
図6の処理を行う電子カルテ操作端末13と、
図7の処理を行う表示サーバ21とから成るものとなるが、この例に限らない。
【0121】
ここで、患者呼出表示システムは、例えば、病院内の各所に設けられる表示盤23と、各患者の位置近辺の表示盤23を該患者の位置として検出して患者位置情報として記憶する上記患者位置検出記憶システムと、各患者の診察に係わる情報を含む電子カルテを記憶・管理する電子カルテサーバ12と、上記「患者呼出/案内装置」とを有するシステムということもできる。
【0122】
そして、当該システムにおける上記「患者呼出/案内装置」は、例えば、任意の端末(電子カルテ操作端末13)において次の患者の呼出しが決定されると、予め設定されている各端末−表示盤間の距離関係と、予め登録されている該各距離関係に対応する案内情報と、上記電子カルテに基づいて得られる各医師毎の担当患者の診察順番を示す表示予定情報と、上記患者位置情報とに基づいて、該次の患者に対する呼出しを該患者の位置に対応する表示盤23に表示させると共に、該次の患者より後の患者に対して、所定の条件を満たす場合には、該後の患者の位置に対応する表示盤23に事前案内を表示させる処理機能を有するものということもできる。
【0123】
また、上記一実施例の説明では、上記テーブル50の位置ID53は、特に用いないものとしたが、この例に限らない。例えば表示盤23のディスプレイ上に病院内のマップを表示して、上記位置ID53はこのマップ上での位置座標を示すものとする。これより、患者の現在位置に応じた表示盤23の表示盤ID51に対応する位置ID53と、担当医の診察室の診察室コード52に対応する位置ID53とを取得して、この2箇所の位置をマップ上に表示することができる。これによって、特に事前案内を受ける(比較的遠くにいる)患者は、このマップ表示を見ることで、どこへ向かえばよいのか分かり易くなる。
【0124】
また、
図12(b)は、本システムの他の効果を説明する為の図である。
尚、
図12(a)には、比較の為に従来の場合について示している。
【0125】
図12(a)に示すように、従来のシステムでは、例えば、内科を受診する各患者の呼出しは、内科診察室の操作端末Aにおける呼出操作に応じて、内科の表示盤に例えば呼出対象患者の呼出番号等が表示されるものであった。この為、例えば、内科待合い場所が混雑している等の理由で、この患者が例えば外科待合い場所に居た場合には、この患者は自己の呼出しに気付かないで待ち続けることになる。
【0126】
これに対して、本システムでは、
図12(b)に示すように、上記のようなケースでも問題なく、例えば内科の患者が外科待合い場所に居る場合であっても、この患者が分かるように呼出しを行うことができる。換言すれば、患者が病院内の何処にいても、有効な(本人が気付くような)呼出しを行うことができる。
【0127】
図12(b)に示す例では、例えば外科の表示盤23に対応して設けられているRFIDリーダ24が、呼出番号=‘1234’番の患者を検知してRFIDシステム22に通知している。これより、内科診察室の操作端末Aで呼出番号=‘1234’番の患者の呼出し操作があった場合、表示サーバ21は、RFIDシステム22からこの患者の位置情報を取得することで、外科の表示盤23に‘1234’番の患者の呼出し表示を行うことになる。
【0128】
この様に、例えば内科の患者が外科待合い場所に居る場合であっても、患者が居る場所の表示盤23に呼出し表示が行われるので、患者が病院内の何処にいても問題なく確実な呼出しを行うことができる。
【0129】
勿論、本システムでは、既に説明したように、事前に、例えば外科の表示盤23に‘1234’番の患者に対する事前案内メッセージ(「診察順番が近づいております。内科待合い場所に来て下さい。」などのメッセージ)を表示することもできる。