(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
車体の前部に設けられた左右のリフトアームの前端にバケットまたはスノープラウが取り付けられたホイール式建設機械に設けられ、ウインドローの除去に使用されるウインドロー除去装置であって、
前記左右のリフトアームよりも後方且つ下方の前記車体の左右側に斜め前方へ向けて前後方向に移動可能に配置され、前記ホイール式建設機械の走行時に斜め前方へ突き出して前記ウインドローを切り崩し、それによって得られた前記ウインドローの雪を前記車体の中央側に集める一対のウインドロー除去用プラウを備えることを特徴とするウインドロー除去装置。
車体の前部に設けられた左右のリフトアームの前端にバケットまたはスノープラウが取り付けられたホイール式建設機械に設けられ、ウインドローの除去に使用されるウインドロー除去装置であって、
前記左右のリフトアームの左右側に斜め前方へ向けて前後方向に移動可能に配置され、前記ホイール式建設機械の走行時に斜め前方へ突き出して前記ウインドローを切り崩し、それによって得られた前記ウインドローの雪を前記車体の中央側に集める一対のウインドロー除去用プラウを備えることを特徴とするウインドロー除去装置。
【背景技術】
【0002】
従来より、交通道路の除雪作業では、除雪トラックやロータリ除雪車、バケットやスノープラウを備えたホイールローダ等のホイール式建設機械が一般的に用いられている。
【0003】
除雪の際、道路に積もった雪をバケットやスノープラウを用いて除去すると、押し掻いた雪がバケットやスノープラウから溢れ出て、除雪した道路の両脇に雪の堆積(ウインドロー)が発生する。
【0004】
ウインドローが発生すると、交差点では自動車の往来の妨げとなる。また、住宅地では歩行者の妨げとなるので乗り越える際に転倒事故などが生じ、危険である。そのため、ウインドローの除去は日常的に行われている。ウインドローを除去する方法としては、複数の車両で連携して除去する方法や人の手で除去する方法がある。
【0005】
しかし、上記のような方法ではウインドローの除去効率が悪い。そこで、ウインドローの除去効率を上げるようなウインドロー除去装置が使用されている。
【0006】
例えば、幹線道路で発生したウインドローを除去する場合は、大型の除雪車両にウインドロー除去装置を取り付けて対応している。しかし、住宅地等の細い道で発生したウインドローを除去する場合は、大型の除雪車両が進入できないので対応できない。また、道路の片側に雪を堆積させる余裕がない場合も対応できない。これらの場合には、ホイールローダにウインドロー除去装置を取り付けて対応している(例えば特許文献1参照)。
【0007】
特許文献1では、ホイールローダのバケットの左右側面にウインドロー除去装置であるサイドウイングを設けている。ウインドローを除去するときには、サイドウイングを広げた状態で走行し、サイドウイングでウインドローを押し掻いて雪をバケット内に集める。これにより、本来のバケットより広い幅の雪を押し掻くことが可能になる。また、バケットの中央に雪が集まりやすくなるので、バケット内のウインドローの充填効率が上がり、ウインドローの除去効率を上げることが可能になっている。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図にしたがって説明する。
【0018】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態を示すホイールローダ1の左側面図である。本実施の形態では、ホイールローダ1は除雪車両として用いられる。このホイールローダ1は、車体1aの後部2に前部3が左右方向に揺動可能に接続されている。
【0019】
車体1aの後部2には、前側に運転者が搭乗するキャブ4、後側にカウンタウエイト5、左右側に後輪6,6がそれぞれ設けられている。さらに後部2には、図示しないが、エンジン、トランスミッション、油圧ポンプ等が設けられている。なお、
図1においてカッコ書きの部分は右側にあるため図示していない。その他の図面においても同様である。
【0020】
車体1aの前部3の左右側には前輪7,7が設けられている。前部3の前側には除雪を行う作業装置8が設けられている。この作業装置8は、
図2にも示すように、作業装置本体9と、作業装置本体9の左右側に配置された本発明のウインドロー除去装置10とを備えている。
【0021】
作業装置本体9は、道路Gに積もった雪を除去するために使用される。この作業装置本体9は、車体1aの前部3の左右側に設けられたリフトアーム11,11と、リフトアーム11,11の前端部に取り付けられたバケット12とを備えている。
【0022】
リフトアーム11,11の後端部は車体1aの前部3に連結ピン11a,11aで接続されている。バケット12は、リフトアーム11,11の前端部に連結ピン11b,11bで接続されている。
【0023】
リフトアーム11,11の左右側には、アームシリンダ(図示せず)の前端部が連結ピン(図示せず)で接続されている。アームシリンダの後端部は、車体1aの前部3に連結ピン(図示せず)接続されている。アームシリンダは運転者の操作により伸縮するように構成されている。リフトアーム11,11は、アームシリンダの伸縮により、実線と二点鎖線とで示すように連結ピン11a,11aを中心にして上下方向に回動するように構成されている。
【0024】
バケット12は、リフトアーム11,11間に配置されたバケットリンク13の前端部に連結ピン13aで接続されている。バケットリンク13の後端部は、ベルクランク14の下端部に連結ピン(図示せず)で接続されている。ベルクランク14の上端部にはバケットシリンダ15の前端部が連結ピン15aで接続されている。
【0025】
バケットシリンダ15の後端部は、車体1aの前部3に連結ピン15bで接続されている。バケットシリンダ15は運転者の操作により伸縮するように構成されている。バケット12は、バケットシリンダ15の伸縮により、二点鎖線と点線とで示すように連結ピン11a,11aを中心にして上下方向に回動するように構成されている。
【0026】
ウインドロー除去装置10は、道路Gの両脇に発生したウインドローを除去するために使用される。
図1や
図2に示すようにウインドロー除去装置10は、リフトアーム11,11の左右側に取り付けられている。
【0027】
また、
図2と
図3で示すようにウインドロー除去装置10は、リフトアーム11,11の左右側に配置された一対のウインドロー除去装置本体20,20と、ウインドロー除去装置本体20,20をそれぞれ駆動する一対のシリンダ30,30(アクチュエータ)とを備えている。
【0028】
ウインドロー除去装置本体20,20の各々は、ウインドロー除去用プラウ21と、ウインドロー除去用プラウ21の前端に設けられたカッティングエッジ22と、ウインドロー除去用プラウ21の後端に設けられた誘導板23とを備えている。
【0029】
ウインドロー除去用プラウ21,21は、ホイールローダ1の走行を利用してウインドローを切り崩し、それによって得られたウインドローの雪を車体1aの中央側に集めるものである。このウインドロー除去用プラウ21,21は、リフトアーム11,11の左右側から斜め前方へ向けて前後方向Sに移動可能に配置されている。
【0030】
ウインドロー除去用プラウ21,21の各々は、
図4に示すように前後に分割された二枚の除去用板(前側除去用板211と後側除去用板212)が起立して車体1aの内外方向で重なり合って構成されている。前側除去用板211は、後側除去用板212よりも内側に配置されている。
【0031】
前側除去用板211は板状に形成されて起立しており、さらに内側へ湾曲している。前側除去用板211の具体的な形状は平行四辺形であり、前端211aおよび後端211bが前方へ向けて斜めに形成されている。また、前端211aは、
図2に示すように前輪7,7よりも外側に位置している。
【0032】
後側除去用板212は板状に形成されて起立しており、さらに内側へ湾曲している。後側除去用板212の具体的な形状は平行四辺形であり、前端212aおよび後端212bが前方へ向けて斜めに形成されている。
【0033】
カッティングエッジ22,22は、ホイールローダ1の走行を利用してウインドローを切り崩すものである。各カッティングエッジ22は、
図3に示すように前側除去用板211の前端211aから車体1aの前方へ延びて形成されている。
【0034】
また、
図4に示すように各カッティングエッジ22は板状に形成されて起立している。各カッティングエッジ22の具体的な形状は台形であり、上端22aが下端22bよりも長く形成され、前端22cが垂直に形成され、後端22dが前方へ向けて斜めに形成されている。後端22dは前側除去用板211の前端211aに結合している。
【0035】
誘導板23,23は、ウインドロー除去用プラウ21,21によって車体1aの中央側に集められたウインドローの雪を車体1aの後方へ流すものである。各誘導板23は、
図3に示すように後側除去用板212の後端212bから車体1aの後方へ延びて形成されている。
【0036】
また、
図4に示すように各誘導板23は板状に形成されて起立している。各誘導板23の具体的な形状はカッティングエッジ22と上下逆の台形であり、上端23aが下端23bよりも短く形成され、前端23cが前方へ向けて斜めに形成され、後端23dが垂直に形成されている。前端23cは後側除去用板212の後端212bに結合している。
【0037】
また、双方の後端23d,23d側は、
図1に示すように、車体1aの前後方向Tに延びる第1ステー16,16の後端と、車体1aの上下方向に延びる第2ステー17,17の下端とに接続されている。
【0038】
第1ステー16,16の前端は、リフトアーム11,11の前端部の外側に連結ピン11bで接続されている。第2ステー17,17の上端は、リフトアーム11,11の中間部の外側に連結ピン11cで接続されている。
【0039】
図3に示すようにシリンダ30,30は、前側除去用板211,211を駆動するものである。各シリンダ30は、シリンダ筒31と、シリンダ筒31内に嵌め込まれたシリンダ軸32と、シリンダ軸32の先端部に取り付けられた駆動部材33とを備えている。
【0040】
シリンダ筒31は、後側除去用板212の外側面に固定されている。駆動部材33は、前側除去用板211の外側面の前部に固定されている。シリンダ軸32は、駆動手段(図示せず)により斜め前後方向Sに伸縮するように構成されている。なお、駆動手段は、運転者の操作により駆動される。駆動部材33は、シリンダ軸32の伸縮を利用して前側除去用板211およびカッティングエッジ22を斜め前後方向Sに移動するように構成されている。
【0041】
このようにウインドロー除去装置10は、ウインドロー除去用プラウ21,21(前側除去用板211,211)およびカッティングエッジ22,22を斜め前後方向Sに移動するように構成されているため、その配置位置は、
図5に示すようにバケット12と干渉しないようにバケット12の移動範囲12aよりも左右外側に設定されている。
【0042】
さらに、ウインドロー除去装置10は、非使用時には、ウインドロー除去用プラウ21,21およびカッティングエッジ22,22をバケット12の幅12b近くまで縮めるように構成されている。
【0043】
以上のように構成されているホイールローダ1を用いて、住宅地等の細い道や市街地での除雪作業について説明する。
【0044】
最初にバケット12を下ろして地上と水平の状態にする。このとき、ウインドロー除去装置10(ウインドロー除去装置本体20,20)はリフトアーム11,11に取り付けられているため、バケット12と同様に地上と水平に位置する。
【0045】
続いて、シリンダ30,30を駆動して、ウインドロー除去用プラウ21,21を斜め前方へ突き出し、ウインドロー除去用プラウ21,21間の幅を道路幅に合わせる。
【0046】
次に、ホイールローダ1を走行させてバケット12により道路に積もっている雪を押し掻いて除去していく。これによりバケット12内には押し掻いた雪が収容される。バケット12内にある程度雪が収容されるとバケット12から雪が溢れる。バケット12から溢れた雪は、バケット12の幅より外側(道路脇)に堆積してウインドローとなる。
【0047】
このようにしてウインドローが発生すると、ウインドロー除去装置10は、カッティングエッジ22,22によってウインドローを切り崩す。切り崩した雪は、ウインドロー除去用プラウ21,21によって車体1aの中央側に集められる。車体1aの中央側に集められた雪は誘導板23によって車体1aの後方へ流される。
【0048】
この結果、ウインドローの雪は、除雪後の道路中央側に集められる。一方、バケット12内に収容された雪は、バケット12を上げ、この状態でさらにリフトアーム11,11を上げて雪堆積場へ運んで捨てられる。道路中央側に集められた雪は、バケット12内に収容された雪を雪堆積場に捨てた後、ホイールローダ1を除雪開始位置まで戻してバケット12を用いて除去し、雪堆積場へ運んで捨てる。
【0049】
このように本実施の形態のウインドロー除去装置10では、ウインドロー除去用プラウ21,21によってウインドローを道路中央側に集めるようにした。これにより、ホイールローダ1を雪堆積場と除雪開始位置との間で1往復させるだけでウインドローを除去することが可能になる。したがって、ウインドローの除去にかかるホイールローダ1の往復回数を1回減らすことができる。よって、本実施の形態のウインドロー除去装置10は、住宅地等の細い道や市街地におけるウインドローの除去効率を上げることができる。
【0050】
さらに、ウインドローの除去に必要なホイールローダ1の往復回数が1回減ることから、除雪作業の完了に必要なホイールローダ1の往復回数も1回減るので除雪作業の作業効率を上げることもできる。
【0051】
また、本実施の形態のウインドロー除去装置10では、ウインドロー除去用プラウ21,21を斜め前後方向Sに移動可能に構成した。これにより、カッティングエッジ22,22の位置をウインドローに容易に合わせることが可能になる。したがって、ウインドローを効率よく切り崩すことが可能になる。よって、本実施の形態のウインドロー除去装置10は、ウインドローの除去効率をさらに上げることができる。
【0052】
また、ウインドロー除去装置10は、非使用時にウインドロー除去用プラウ21,21およびカッティングエッジ22,22をバケット12の幅12b近くまで縮めておくことにより、ホイールローダ1の走行を妨げるのを防ぐことができる。
【0053】
また、本実施の形態のウインドロー除去装置10では、ホイールローダ1への取り付け位置をリフトアーム11,11の左右側に設定した。このため、ウインドロー除去装置10の取り付け及び取り外しを容易に行うことが可能になる。よって、除雪作業前の準備作業や除雪作業後の後片付け作業の作業効率を上げることができる。
【0054】
また、本実施の形態のウインドロー除去装置10では、ウインドロー除去用プラウ21,21の前端側にカッティングエッジ22,22を設けた。このカッティングエッジ22,22はウインドロー除去用プラウ21,21の前端から車体1aの前方へ延びているので、ウインドローに対して真後方から切り込むことが可能になる。したがって、ウインドローを容易に切り崩すことが可能になる。よって、本実施の形態のウインドロー除去装置10は、ウインドローの除去効率をさらに上げることができる。
【0055】
また、本実施の形態のウインドロー除去装置10では、ウインドロー除去用プラウ21,21の後端側に誘導板23,23を設けた。この誘導板23,23は、ウインドロー除去用プラウ21,21の後端から車体1aの後方へ延びているので、ウインドロー除去用プラウ21,21によって車体1aの中央側に集められた雪を車体1aの後方へ効率良く流すことが可能になる。したがって、ウインドロー除去用プラウ21,21によって車体1aの中央側へ集められた雪が、走行後も散乱せずに道路中央側に集めておくことが可能になり、バケット12で容易に除去することが可能になる。よって、本実施の形態のウインドロー除去装置10は、ウインドローの除去効率をさらに上げることができる。
【0056】
また、本実施の形態のウインドロー除去装置10では、ウインドロー除去用プラウ21,21の各々を、前後に分割された二枚の除去用板211,212で構成し、前側除去用板211を斜め前方へ移動させてウインドロー除去用プラウ21,21を斜め前方へ突き出すようにした。このため、ウインドロー除去用プラウ21,21の各々が一枚の除去用板で構成される場合に比べて移動に必要な除去用板の重さを軽くすることが可能になり、除去用板を少ない駆動力で移動させることが可能になる。よって、ウインドロー除去用プラウ21,21の駆動にかかるコストを抑えることができる。
【0057】
(第2の実施の形態)
図6の(a)は、本発明の第2の実施の形態を示すホイールローダ101の中間部分から後部にかけての左側面図である。
図6の(b)は、
図6の(a)のA−A断面図である。本実施の形態では、第1の実施の形態と同様の部分に同じ符号を付して説明する。
【0058】
本実施の形態では、ウインドロー除去装置10が、車体1aの前輪7,7と後輪6,6との間の下方に取り付けられている。
【0059】
具体的に説明すると、車体1aの後部2の底面全体にはアンダパネル18が設けられている。このアンダパネル18は左右方向で凹型状に形成されている。アンダパネル18の左右側部18a,18aは、車体1aの後部2の骨格を形成しているメインフレーム2aに結合されている。
【0060】
ウインドロー除去装置10は、第3ステー19,19を介してアンダパネル18の左右側部18a,18aの外面に取り付けられている。なお、ウインドロー除去装置10の取り付け位置は、車体1aの前部3が揺動してもぶつからない位置に設定されている。
【0061】
このようにウインドロー除去装置10を車体1aの前輪7,7と後輪6,6との間の下方に取り付けることにより、第1の実施の形態の場合に比べてウインドロー除去用プラウ21,21およびカッティングエッジ22,22が運転者の視界に入りやすくなる。このため、道路幅に合わせたウインドロー除去用プラウ21,21の幅調整を容易に行うことが可能になり、ウインドローを効率良く切り崩すことが可能になる。よって、本実施の形態のウインドロー除去装置10は、第1の実施の形態の場合に比べてウインドローの除去効率をさらに上げることができる。
【0062】
なお、アンダパネル18は、後部2の底面側に設けられているプロペラシャフト2b等の部品を保護している。このため、ウインドロー除去装置10が車体1aの中央側に雪を集めて後方へ流すときに、アンダパネル18によって雪が上記の部品と接触するのを防ぐことができる。よって、ウインドローの除去の際にホイールローダ101に悪影響が及ぶのを防ぐことができる。
【0063】
さらに、このアンダパネル18は、ウインドロー除去用プラウ21,21によって車体1aの中央側に集められた雪を後方へ流すので誘導板としても機能する。そこで、ウインドロー除去用プラウ21,21の後端側にアンダパネル18を直接結合してウインドロー除去装置を構成しても良い。これにより部品点数が抑えられるので、コストを抑えつつ、ウインドローの除去効率を上げ、且つ、ウインドローの除去の際にホイールローダに悪影響が及ぶのを防ぐことができる。
【0064】
(第3の実施の形態)
図7の(a)は、本発明の第3の実施の形態を示すホイールローダ301の中間部分から後部にかけての左側面図である。
図7の(b)は、ホイールローダ301を後方から視た図である。本実施の形態では、第1の実施の形態や第2の実施の形態と同様の部分に同じ符号を付して説明する。
【0065】
本実施の形態では、ウインドロー除去装置10が、カウンタウエイト5の下方に取り付けられている。具体的には、ウインドロー除去装置10は、第4ステー40,40と取り付け部材41,41とを介してカウンタウエイト5の底面に取り付けられている。
【0066】
このようにしてウインドロー除去装置10をカウンタウエイト5の下方に取り付けることにより、ウインドロー除去装置10をリフトアーム11,11に取り付ける場合よりもウインドロー除去用プラウ21,21およびカッティングエッジ22,22が運転者の視界に入りやすくなる。このため、道路幅に合わせたウインドロー除去用プラウ21,21の幅調整を容易に行うことが可能になり、ウインドローを効率良く切り崩すことが可能になる。よって、本実施の形態のウインドロー除去装置10は、第1の実施の形態の場合に比べてウインドローの除去効率をさらに上げることができる。
【0067】
以上、本発明にかかる実施の形態を例示したが、これらの実施の形態は本発明の内容を限定するものではない。また、本発明の請求項の範囲を逸脱しない範囲であれば、各種の変更等は可能である。
【0068】
例えば、上記の実施の形態のウインドロー除去装置10では、各ウインドロー除去用プラウ21を二枚の板で構成した場合を説明した。しかし、各ウインドロー除去用プラウ21の構成枚数は特に限定されず、三枚以上の板で構成しても良い。この場合には、後端側を除く除去用板を斜め前方へ移動させてウインドロー除去用プラウを斜め前方へ突き出すように構成する。
【0069】
また、ウインドロー除去用プラウの各々を一枚の板で構成しても良い。
図8と
図9に、一枚の板で構成されたウインドロー除去用プラウ121,121を備えるウインドロー除去装置110を示す。なお、このウインドロー除去装置110では、上記の実施の形態のウインドロー除去装置10と同様の部分に同じ符号を付している。
【0070】
このウインドロー除去装置110では、上記の実施の形態と同様に、ウインドロー除去装置本体120,120と、ウインドロー除去装置本体120,120の各々を駆動するシリンダ30,30とを備えている。
【0071】
各シリンダ30は、シリンダ筒31が誘導板123に固定され、駆動部材33がウインドロー除去用プラウ121の中間部分に固定されている。誘導板123の前部にはシリンダ筒31を固定する取り付け部123aが斜め前方へ向けて形成されている。シリンダ軸32,32が駆動手段(図示せず)により斜め前後方向Sに伸縮することにより、ウインドロー除去用プラウ121,121全体およびカッティングエッジ22,22は斜め前後方向Sに移動する。
【0072】
このようにウインドロー除去用プラウ121,121の各々を一枚の板で構成することにより、ウインドロー除去装置110の部品点数を減らすことが可能になるので、ウインドロー除去装置110の製造コストを抑えることができる。
【0073】
また、ウインドロー除去用プラウ121,121の各々を駆動するアクチュエータとしてシリンダ30を用いたが、アクチュエータはシリンダ30に限定しなくても良く、他のアクチュエータを用いても良い。
【0074】
また、実施の形態では、バケットを備えたホイールローダに本発明のウインドロー除去装置を適用した場合について説明したが、スノープラウ50(
図2の二点鎖線で図示)を備えたホイールローダに本発明のウインドロー除去装置を適用しても良い。また、ホイールローダだけではなく、その他のホイール式建設機械に本発明のウインドロー除去装置を適用しても良い。