(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、フィルムをラミネートする製造工程(manufacturing process of laminating films)の間、オペレータは、ガラスをラミネートする前後の品質が基準を満たすか否か(すなわち、ほこりや気泡のいずれが存在するか否か)を裸眼で検査している。しかしながら、既知の人為的な検査方法では、例えば、異なるオペレータ、異なる時間及び時間外労働期間の長さ等のような要因のために、一貫性がなく、比較的客観性を欠いた判定基準を用いることとなる。このことは、ラミネートされたフィルムの安定性や品質に影響を及ぼす。それ故、ガラス上のラミネートされたフィルムの歩留まり率(yield rate)が減少する。
【0006】
本開示は、フィルムのラミネート前に回路基板に付着されたほこりの状態と、フィルムのラミネート後の回路基板上で生じた気泡の状態とを検出するためのフィルムラミネート装置上の検出デバイスを利用することによる、タッチパネルの回路基板上でフィルムをラミネートするための方法に関する。その結果、本開示は、ラミネートされたフィルムの安定性や品質を向上し、回路基板上のラミネートされたフィルムの歩留まり率をさらに増加できる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、ラミネートプラットフォームと、光検出器と、を備えるフィルムラミネート装置を提供する。前記フィルムラミネートプラットフォームは、フィルムをラミネートするための少なくとも1つの回路基板を運搬するために用いられる。前記光検出器は、前記フィルムのラミネート前後に前記ラミネートプラットフォーム上の前記回路基板の品質を検出するために用いられる。
【0008】
本開示の実施形態によれば、光検出器は、複数の光学的に接続された部品を備える。
【0009】
本開示の実施形態によれば、ラミネートプラットフォームは、回転機構と複数の運搬具と、を備える。前記複数の運搬具は、前記回転機構上に配列され、前記回路基板を単独で運搬するために用いられる。
【0010】
本開示の実施形態によれば、前記フィルムラミネート装置は、投入台と、ロール機構と吸入具と、位置検出器と、プログラマブル論理制御装置とをさらに備える。
前記ロール機構は、前記フィルムが貼り付けられた粘着テープを投入し、前記投入台へ前記粘着テープを転送する。前記吸入具は、前記投入台上で前記粘着テープから前記フィルムを吸入して取り除き、前記運搬具上の前記回路基板へ前記フィルムを付着させるために用いられる。前記位置検出器は、前記吸入具により吸入された前記フィルムの位置を検出する。前記プログラマブル論理制御装置は、記ラミネートプラットフォーム、前記ロール機構及び前記吸入具の動作を制御する。そして、前記プログラマブル論理制御装置は、前記位置検出器の検出結果に基づき位置調整処理を行うために前記吸入具をさらに制御し、前記光検出器の検出結果に基づき通知情報を生成する。
【0011】
本開示の実施形態によれば、ロール機構は、取込板と、少なくとも一つのローラーと、再利用板とをさらに備える。前記取込板は、前記フィルムが貼り付けられた粘着テープを投入して掃き出す。前記ローラーは、前記取込板の下に配置され、前記フィルムが貼り付けられた粘着テープを支えて転送する。前記再利用板は、前記フィルムが取り除かれた粘着テープを再利用するために巻き取る。
【0012】
本開示の実施形態によれば、フィルムラミネート装置は、ロール機構、車輪回転装置、ヘッダーシステム、位置検出器及びプログラマブル論理制御装置をさらに備える。前記ロール機構は、前記フィルムが貼り付けられた粘着テープを転送して投入するために用いられる。前記車輪回転装置は、前記ロール機構上で前記粘着テープから前記フィルムを取り除き、前記回路基板に前記フィルムを付着させるための圧力を加えるために用いられる。
前記ヘッダーシステムは、前記ロール機構及び前記車輪回転装置の動作を制御する。前記位置検出器は、前記ロール機構における前記フィルムが貼り付けられた粘着テープの位置を検出する。前記プログラマブル論理制御装置は、前記ラミネートプラットフォーム及び前記ヘッダーシステムの動作を制御する。そして、前記プログラマブル論理制御装置は、前記位置検出器の検出結果に基づき位置調整処理を行うために前記ヘッダーシステムを制御し、前記光検出器の検出結果に基づき通知情報を生成する。
【0013】
本開示の実施形態によれば、ロール機構は、取込板、少なくとも一つのローラー及び再利用板をさらに備える。前記取込板は、前記フィルムが貼り付けられた粘着テープを投入して掃き出す。前記ローラーは、前記取込板の下に配置され、前記フィルムが貼り付けられた粘着テープを転送して投入する。前記再利用板は、前記フィルムが取り除かれた粘着テープを再利用するために巻き取る。
【0014】
本開示は、回路基板上にフィルムをラミネートするためのフィルムラミネート装置に適用されるフィルムラミネート方法を提供する。当該方法は、取り込み処理を実行し、前記回路基板上にフィルムをラミネートする前後に、光検出器を介して前記回路基板の品質を自動的に検出する。
【0015】
本開示の実施形態によれば、前記取り込み処理を実行するステップにおいて、前記回路基板を運搬するための複数の運搬具を備えるラミネートプラットフォームを前記回路基板へ取り込むために回転し、前記フィルムが貼り付けられた粘着テープを取り込むためにロール機構を回転する。
【0016】
本開示の実施形態によれば、前記回路基板を取り込みステップ後、前記回路基板に汚れが存在するか否かを、前記光検出器を介して自動的に検出することが実行される。
【0017】
本開示の実施形態によれば、前記方法は、前記粘着テープから前記フィルムを吸入して取り除き、前記吸入されたフィルムの位置調整を行い、前記回路基板に前記フィルムを付着させるステップをさらに備える。
【0018】
本開示の実施形態によれば、前記回路基板に前記フィルムを付着させた後、次のステップは、前記フィルムが付着した回路基板に気泡が存在するか否かを、前記光検出器を介して自動的に検出する。
【0019】
本開示の実施形態によれば、前記取り込み処理を実行するステップにおいて、前記回路基板を取り込むためにラミネートプラットフォームを移動し、前記フィルムが貼り付けられた粘着テープを取り込むためにロール機構を回転する。
【0020】
本開示の実施形態によれば、前記回路基板を取り込みステップ後、次のステップは、前記回路基板に汚れが存在するか否かを、前記光検出器を介して自動的に検出する。
【0021】
本開示の実施形態によれば、前記方法は、前記フィルムが貼り付けられ、前記取り込まれた粘着テープの位置を調整し、前記粘着テープから前記フィルムを取り除き、前記回路基板に前記フィルムを付着させるために圧力を加える。
【0022】
本開示の実施形態によれば、前記回路基板に前記フィルムを付着させた後、次のステップは、前記フィルムが付着した回路基板に気泡が存在するか否かを、前記光検出器を介して自動的に検出する。
【0023】
本開示の実施形態によれば、前記方法は、前記光検出器による検出結果に基づき通知情報を生成する。
【発明の効果】
【0024】
本発明により、ラミネートされたフィルムの安定性や品質を向上し、回路基板上のラミネートされたフィルムの歩留まり率をさらに増加できる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本開示の特徴及び技術的な内容を理解するために、本開示に関する詳細な説明及び添付の図面が以下に言及される。しかしながら、添付の図面は、本開示のスコープを制限するために用いられるものではなく、単に例示の目的のために示される。
以下の記述は、本開示の形態を具体化するための図面に統合される。
【0027】
好適な実施形態への参照を用いて、フィルムラミネート装置(film laminating apparatus)とフィルムラミネート方法の実現は、説明される。フィルムラミネート装置は、小規模なフィルムラミネート装置又は大規模なフィルムラミネート装置を用いて実現される。いわゆる小規模なフィルムラミネート装置は、例えば、5インチ以下の回路基板上にフィルムをラミネートするために適切である。また、いわゆる大規模なフィルムラミネート装置は、例えば、5から15インチの回路基板上にフィルムをラミネートするために適切である。上述した回路基板は、ガラス、プラスチック又はアクリルのような材質を含み、これに限定されない。
【0028】
図1から
図4は、本開示にかかるフィルムラミネート装置の第1の実施形態に従い、それぞれ、構造図、側面図、背面図及び上面図を示す。その上、第1の実施形態は、小規模なフィルムラミネート装置の説明のために用いられる。
【0029】
図1から
図4に示すように、フィルムラミネート装置20は、ラミネートプラットフォーム(laminating platform)22、ロール機構(rolling mechanism)24、投入台(loading platform)26、吸入具(inhaling tool)28、位置検出器(positioning sensor)30、光検出器(optical detector)32及びプログラマブル論理制御装置(programmable logical controller)34を備える。プログラマブル論理制御装置34は、ラミネートプラットフォーム22、ロール機構24及び吸入具28の操作を制御するために用いられる。
【0030】
ラミネートプラットフォーム22は、回転機構(rotating mechanism)23と複数の運搬具(carrying tool)36とを備える。本実施形態は、4つの運搬具36を例示する。運搬具36は、回転機構23上に配列され、回路基板38を運搬するために用いられる。プログラマブル論理制御装置34は、回路基板38が独立して各運搬具36により運搬され、順序通り検出又はラミネートされるように、90度ごとにラミネートプラットフォーム22の回転機構23を制御する。
【0031】
ロール機構24は、取込板(importing plate)40と、少なくとも一つのローラー42と、再利用板(recycling plate)44とを備える。取込板40は、投入台26上にフィルムが貼り付けられた粘着テープ(例えば、リリースフィルム(release film)のような)を投入して(load)掃き出す(roll out)。ローラー42は、取込板40の下に配置され、フィルムが貼り付けられた粘着テープを支えて(support)転送する(transfer)。再利用板44は、フィルムが取り除かれた粘着テープが再利用されるように、当該テープを巻き取る(roll)。特に、プログラマブル論理制御装置34は、フィルムが貼り付けられた粘着テープを掃き出す(roll out)ように取込板40を制御する。そして、粘着テープは、回転するローラー42を介して投入台26の位置調整するために転送される。そこで、プログラマブル論理制御装置34は、ローラー42を経由してフィルムが取り除かれた粘着テープを再利用するために再利用板44を制御する。プログラマブル論理制御装置34がロール機構24により投入された粘着テープが使い切られたことを予測すると、プログラマブル論理制御装置34は、粘着テープを交換することをオペレータへ知らせるための通知情報(indicating message)(例えば、警告音、警告光等)を生成する。
【0032】
プログラマブル論理制御装置34は、粘着テープからフィルムを吸入して取り除くために、投入台26を調整するように吸入具28を制御する。次に、吸入具28は、回路基板38にフィルムを付着させるために、運搬具36を調整する。
【0033】
さらに、位置検出器30は、吸入具28により吸入されるフィルムの位置を検出するために用いられるように本実施形態では設計される。プログラマブル論理制御装置34は、位置検出器30の検出結果に基づき位置調整処理(positioning procedure)を行うためにさらに吸入具28を制御できる。そのとき、本実施形態の位置検出器30は、中空の停止スイッチ(cavity stop switch)と光ファイバを備える。
【0034】
その上、光検出器32は、複数の光学的に接続された部品46(例えば、CCD(Charge-Coupled Device)のような)を用いて設計される。図示するように、本実施形態にかかる光検出器32は、2つの光学的に接続された部品46を用いて設計される。第1の光学的に接続された部品46は、運搬具36上に配置される回路基板38の表面上の汚れ、傷又はほこりをフィルムラミネート装置20に検出させる。この時点では、回路基板38は、フィルムでラミネートされていない(以下、非カバー(uncovered)回路基板38という。)。他方、第2の光学的に接続された部品46は、運搬具36上に配置されるフィルムがラミネートされた回路基板38上の気泡をフィルムラミネート装置20に検出させる。2つの光学的に接続された部品46のいずれか一つで検出された場合、プログラマブル論理制御装置34は、光検出器32の検出結果に基づき通知情報を生成する。その結果、本実施形態のプログラマブル論理制御装置34は、光検出器32の検出結果に基づき回路基板38にフィルムをラミネートする前後の状態を判定できる。
【0035】
上述した構成に基づいて、
図4の上面図は、回転機構23の0度(上)、90度(右)、180度(下)及び270度(左)の位置に配列される4つの運搬具36を示す。2つの光学的に接続された部品46は、0度と180度上に設置される。そのため、回転機構23が時計回りの方向で90度ごとの角度により回転するものとし、オペレータは、90度の位置へ回転された運搬具36上で、フィルムがラミネートされた回路基板38を取得し、別の非カバー回路基板38を設置できる。同様に、180度の位置に設置される光学的に接続された部品46は、180度の位置に回転された運搬具36上で非カバー回路基板38を検出するために用いられる。0度の位置に設置される光学的に接続された部品46は、0度の位置に回転された運搬具36上でフィルムがラミネートされた回路基板38と、フィルムを付着させるための吸入具28に向けて270度の位置へ回転される運搬具36上の非カバー回路基板38とを検出するために用いられる。
【0036】
プログラマブル論理制御装置34が検出結果(例えば、回路基板38の表面上のほこり、又は、フィルムのラミネート後の回路基板に生じた気泡)に基づきフィルムをラミネートする前後の回路基板38の品質を判定する場合、プログラマブル論理制御装置34は、警告音や警告光等のような通知情報を生成する。
【0037】
図5A及び
図5Bは、本開示にかかるフィルムラミネート方法の第1の実施形態のフローチャートを示す。
【0038】
プログラマブル論理制御装置34は、プログラマブル論理制御装置34内の様々なパラメータをプリセットするための初期化処理を実行する(ステップS50)。プログラマブル論理制御装置34が初期化処理を終了できていない場合、プログラマブル論理制御装置34は、オペレータに知らせるためにアラーム音のような通知情報を生成する(ステップS52)。この時、オペレータは、プログラマブル論理制御装置34をチェック及び修繕(repair)し、チェック及び修繕の終了後、プログラマブル論理制御装置34にステップ50を繰り返させる。
【0039】
プログラマブル論理制御装置34が初期化処理を終了した後、プログラマブル論理制御装置34は、プリセットパラメータに基づき吸入具28を初期位置へ戻すように制御する(ステップS54)。
【0040】
プログラマブル論理制御装置34は、吸入具28が初期位置に戻ったか否かを判定する(ステップS58)。吸入具28が初期位置に戻っていないとプログラマブル論理制御装置34が判定した場合、オペレータは、初期位置へ戻すための手動操作により吸入具28を制御し(ステップS56)、プログラマブル論理制御装置34にステップS54及びステップS58を繰り返させる。
【0041】
吸入具28が初期位置に戻ったとプログラマブル論理制御装置34が判定した場合、プログラマブル論理制御装置34は、投入台26の上側に整列するように吸入具28を制御する(ステップS60)。すなわち、プログラマブル論理制御装置34は、吸入するフィルムの位置に移動するように吸入具28を制御する。その上、プログラマブル論理制御装置34は、同時に、ロール機構24の回転を制御し、フィルムが貼り付けられた粘着テープを取り込むための取り込み処理を行う。そして、プログラマブル論理制御装置34は、フィルムが貼り付けられた粘着テープを投入台26へ転送する。
【0042】
吸入具28が投入台26の上側へ移動した後、プログラマブル論理制御装置34は、投入台26に向けて下りるように吸入具28を制御し、吸入具28を粘着テープに貼り付けられたフィルムに触れさせる(ステップS62)。そして、プログラマブル論理制御装置34は、真空吸引と同様のアプローチで、フィルムを吸入するように吸入具28を制御する(ステップS64)。
【0043】
吸入具28がフィルムを吸入した後、プログラマブル論理制御装置34は、吸入具28を運搬具36に向けて移動することにより、吸入具28を制御する(すなわち、吸入具28は、フィルムをラミネートする位置へ移動する)。他方、プログラマブル論理制御装置34は、粘着テープを回転させるようにロール機構24を制御する。一形態において、フィルムは、取り除くための製造工程を通じて取り除かれ、フィルムが取り除かれた粘着テープは、同時に再利用板44で再利用される(ステップS66)。
【0044】
補足説明として、取込板40により投入された粘着テープが既に使い切られたことをプログラマブル論理制御装置34が判定した場合、プログラマブル論理制御装置34は、フィルムラミネート装置20が動作を停止すべきことを示す通知情報を生成する。フィルムラミネート装置20は、取込板40の粘着テープが再び検出されると、その動作を再開する。
【0045】
プログラマブル論理制御装置34は、フィルムをラミネートする位置へ吸入具28の動作を制御する(ステップS68)。移動中に、プログラマブル論理制御装置34は、位置検出器30を通過するように吸入具28を制御するためにプリセットされ、回路基板38上でフィルムをラミネートする精度を保証するために、位置検出器30の検出結果により位置調整処理を実行する。本実施形態では、位置検出器30は、例えば、吸入具28により吸入されたフィルムの位置を調整する角度を検出するために用いられる。それ故、位置検出器30は、位置を調整する角度を検出することにより、位置調整処理が終了するか否かを判定できる。吸入具28が位置調整を終了し、フィルムをラミネートする位置へ移動すると、プログラマブル論理制御装置34は、運搬具36が定位置であるか否かを判定する(ステップS69)。
【0046】
ステップS69の結果が"NO"である場合、運搬具36が定位置でないことを意味する。それ故、運搬具36が定位置となるまでステップS69が繰り返し実行される。実装では、運搬具36が定位置に置かれる前に、回路基板38を取り込む処理が実行される。特に、オペレータは、運搬具36上に非カバー回路基板38を配置する(ステップS70)。次に、プログラマブル論理制御装置34は、非カバー回路基板38を搭載した運搬具36を光学的に接続された光検出器32の部品46の一方の側の下へ移動するために、90度に回転するように回転機構23を制御する(ステップS72)。それ故、プログラマブル論理制御装置34は、非カバー回路基板38上にほこりを自動的に検出するように光学的に接続された部品46を制御し、非カバー回路基板38上のほこり粒子の大きさと量が光学的に接続された部品46により検出された検出結果に基づいて基準を満たす否かを判定する(ステップS74)。
【0047】
ステップS74の判定結果が"NO"である場合、プログラマブル論理制御装置34は、オペレータへ知らせるための通知情報(例えば、警告音ような)を生成する(ステップS76)。オペレータは、運搬具36から基準を満たさない回路基板38を取得する。そして、回路基板38を取り込む処理を実行するために、ステップS70と後続のステップは、再び、繰り返される。他方、ステップS74の判定結果が"YES"である場合、プログラマブル論理制御装置34は、フィルムをラミネートする位置へ回路基板38が配置される運搬具36を再び移動するために90度まで回転させるように回転機構23を制御する。このとき、プログラマブル論理制御装置34は、運搬具36がステップS69の判定の期間に定位置に置かれていたことを判定できる。次に、プログラマブル論理制御装置34は、検出が通った非カバー回路基板38へフィルムを付着させるためのフィルムラミネートを行うように吸入具28を制御する(ステップS80)。
【0048】
次に、プログラマブル論理制御装置34は、フィルムのラミネートが終了したか否かを判定する(ステップS82)。ステップS82の結果が"NO"である場合、ステップS82は、ラミネートを繰り返し続ける。ステップS82の結果が"YES"である場合、プログラマブル論理制御装置34は、フィルムの吸入を停止するように吸入具28を制御し、フィルムがラミネートされた回路基板38から離すように吸入具28を制御する(ステップS84)。
【0049】
初期位置へ戻すように吸入具28を制御することと、ステップS60と後続の処理ステップを繰り返し実行することを除いて、フィルムのラミネートが終了した後、プログラマブル論理制御装置34は、再び、90度に回転するために回転機構23を制御する(ステップS86)。ここで、回転機構23は、光学的に接続された光検出器32の部品46の下側へフィルムがラミネートされた回路基板38を配列した運搬具36を移動するために用いられる。その上、プログラマブル論理制御装置34は、フィルムがラミネートされた回路基板38上の気泡を自動的に検出するために、光学的に接続された部品46を制御し、フィルムがラミネートされた回路基板38上の気泡のサイズ及び数が光学的に接続された部品46の検出結果に基づいて基準を満たすか否かを判定する(ステップS88)。
【0050】
ステップS88の判定結果が"NO"である場合、フィルムがラミネートされた回路基板38上の気泡が定義された基準を上回る。そして、プログラマブル論理制御装置34は、オペレータへ知らせるための通知情報(例えば、警告音ような)を生成する(ステップS90)。ステップS88の判定結果が"YES"である場合、又は、ステップS90の後、プログラマブル論理制御装置34は、90度の角度により回転させるために回転機構23を制御し(ステップS92)、フィルムがラミネートされた回路基板38をオペレータが取得するためにプリセットされる(検出が通ったか否かに関係なく)。そして、ステップS70は、他の非カバー回路基板38を配置するために実行される。
【0051】
上記ステップの実行後、本開示の小規模なフィルムラミネート装置20は、回路基板38のために、ほこり検出、フィルムのラミネート及び気泡検出の動作を実行終了する。それ故、本実施形態は、回路基板38上にフィルムをラミネートする前後の自動検出を達成可能にすることを除いて、ラミネートプラットフォーム22、吸入具28及び光検出器32の設計を構成する。上述のステップが繰り返し連続して実行される場合、回路基板の取り込み、フィルムのラミネート前の検出、フィルムのラミネート及びフィルムのラミネート後の検出は、同時に実行され得る。それ故、本実施形態は、生産速度を効果的に高めることができる。
【0052】
図6から
図9は、本開示にかかるフィルムラミネート装置の第2の実施形態の構造図、側面図、背面図及び上面図を示す。第2の実施形態は、大規模なフィルムラミネート装置の説明のために用いられる。
【0053】
図6から
図9に示すように、大規模なフィルムラミネート装置100は、ラミネートプラットフォーム102、ロール機構(rolling mechanism)104、車輪回転装置(wheel-rolling device)106、ヘッダーシステム(header system)108、位置検出器(positioning sensor)110、光検出器112及びプログラマブル論理制御装置(不図示、フィルムラミネート装置100の真下に配置される)。プログラマブル論理制御装置は、ラミネートプラットフォーム102及びヘッダーシステム108の動作を制御するために用いられる。ラミネートプラットフォーム102は、回路基板(不図示)を運搬するために用いられ、ロール機構104の外側の側面及び下方へ水平に移動できる。
【0054】
ヘッダーシステム108は、機械的リンク機構の移動方法を通じて、ロール機構104及び車輪回転装置106の動作を制御するために用いられる。ロール機構104は、取込板114、少なくとも一つのローラー116及び再利用板118を備える。取込板114は、フィルムが貼り付けられた粘着テープ(例えば、リリースフィルムのような)を投入して掃き出す。ローラー116は、取込板114の下に配置され、フィルムが貼り付けられた粘着テープを、フィルムをラミネートする位置へ転送して投入する。再利用板118は、フィルムが取り除かれた粘着テープを再利用するために巻き取る。さらに詳細には、ヘッダーシステム108は、フィルムが貼り付けられた粘着テープを、フィルムをラミネートする位置へ転送して投入するようにロール機構104を制御し、初期位置へ移動するように車輪回転装置106を制御し、フィルムがラミネートされることを待つ。ヘッダーシステム108は、車輪回転ラミネート方法(method of wheel-rolling lamination)を用いて、ロール機構104上の粘着テープからフィルムを取り除き、ラミネートプラットフォーム102により運搬された回路基板にフィルムを付着させるように、車輪回転装置106を制御する。
【0055】
その上、本実施形態で設計される位置検出器110は、ロール機構104上のフィルムが貼り付けられた粘着テープの位置を検出するために用いられる。プログラマブル論理制御装置は、フィルムをラミネートする精度を保証するために、位置検出器110の検出結果に基づき位置調整処理を実行するためにヘッダーシステム108を制御する。位置検出器110は、複数の光ファイバから成る。本実施形態では、2本の光ファイバが実例によって示されている。
【0056】
その上、光検出器112は、複数の光学的に接続された部品120(例えば、CCD)から成る。図示するように、本実施形態は、2本の光学的に接続された部品120を用いて設計される。光検出器112は、例えば、ラミネートプラットフォーム102上に配置された非カバー回路基板の表面上の傷もしくはほこりのような汚れ、又は、フィルムがラミネートされた回路基板上の気泡を検出するために用いられる。プログラマブル論理制御装置は、光検出器112の検出結果に基づき、通知情報(例えば、警告音、警告光等)を生成する。
【0057】
具体的には、フィルムのラミネート前後で回路基板の品質が悪いと判定した場合、プログラマブル論理制御装置は、通知情報を生成する。それ故、フィルムのラミネート前後で回路基板の状態を自動的に検出することの要求を達成できる。
【0058】
図10A及び
図10Bは、本開示にかかるフィルムラミネート方法の第2の実施形態のフローチャートを示す。
図6から
図9に示されるフィルムラミネート装置100の構成は、
図10の工程(operating process)を説明する。
【0059】
プログラマブル論理制御装置は、プログラマブル論理制御装置34内の様々なパラメータをプリセットするための初期化処理を実行する(ステップS130)。プログラマブル論理制御装置が初期化処理を終了できていない場合、プログラマブル論理制御装置は、オペレータに知らせるために通知情報(例えば、アラーム音のような)を生成する(ステップS132)。オペレータは、プログラマブル論理制御装置に対する故障点検(troubleshooting)を行い、故障点検の終了後、プログラマブル論理制御装置に再びステップS130を実行させる。
【0060】
プログラマブル論理制御装置が初期化処理を終了した後、プログラマブル論理制御装置は、プリセットパラメータに基づきヘッダーシステム108を初期位置へ戻すように制御する(ステップS134)。ヘッダーシステム108は、機械的リンク機構の移動方法を通じて、ロール機構104及び車輪回転装置106の動作を制御する。そのため、ヘッダーシステム108が初期位置へ戻る場合、ロール機構104及び車輪回転装置106は、同様に、初期位置を離して戻る。
【0061】
その後、プログラマブル論理制御装置は、ヘッダーシステム108が初期位置に戻ったか否かを判定する(ステップS138)。ステップS138の判定結果が"NO"である場合、ヘッダーシステム108が初期位置へ戻るまで、ステップS134は、繰り返し実行される。ステップS138の判定結果が"YES"である場合、プログラマブル論理制御装置は、フィルムが貼り付けられた粘着テープを取り込む処理を行うために、ヘッダーシステム108を制御することによりフィルムの取り込みを開始するようにロール機構104を制御する(ステップS146)。特に、ヘッダーシステム108は、フィルムが貼り付けられた粘着テープを掃き出すために取込板114を制御し、フィルムが貼り付けられた粘着テープを引き寄せるために巻き取るように再利用板118を制御する。これは、ローラー116の支持及び軸を経由してフィルムが貼り付けられた粘着テープの全体が転送される。その上、フィルムが粘着テープから取り除かれた後、再利用板118は、フィルムが取り除かれた粘着テープを再利用する。
【0062】
他の実施形態において、ヘッダーシステム108が粘着テープを掃き出すために取込板114を制御する場合、プログラマブル論理制御装置は、取込板114により投入された粘着テープが使い切られたか否かを判定する。粘着テープが使い切られた場合、プログラマブル論理制御装置は、フィルムラミネート装置100が動作を停止すべきことを示す通知情報を生成する。それ故、オペレータは、ヘッダーシステム108にステップS134を実行させ、初期位置へ戻すために、粘着テープを置換後に手動操作によりヘッダーシステム108を制御する(ステップS136)。
【0063】
フィルムが貼り付けられた粘着テープを転送するためにステップS146が実行されるとき、プログラマブル論理制御装置は、位置検出器110の検出結果に基づき位置調整処理を行う(ステップS148)。
【0064】
本実施形態に規定される位置調整処理は、
図9に示すフィルムラミネート装置100の方向及び視角の設定を用いて、明細書の後続の作用を通じて記述される。第一に、プログラマブル論理制御装置は、ヘッダーシステム108を制御することにより、位置検出器110に向けて(左から右へ)移動するようにロール機構104を制御する。本実施形態の位置検出器110は、2本の光ファイバが同じ水平線上に位置付けるように設計される。水平線は、ラミネートプラットフォーム102の右側面に平行であり、2本の光ファイバにロール機構104により投入された粘着テープのフィルムの同じ側面を検出させる。
【0065】
それ故、光ファイバのいずれか1本がフィルムを検出した場合のみ、フィルムは、ラミネートプラットフォーム102と比較して傾けられることを意味する。この時点において、プログラマブル論理制御装置は、ヘッダーシステム108を制御することにより連続的に手続(proceeding)を停止させ、2本の光ファイバに対してフィルムを検出可能にさせて適応するために、垂直軸に基づき水平に回転させ始めるために、ロール機構104を制御する。2本の光ファイバがフィルムを検出した場合、プログラマブル論理制御装置は、水平回転を停止し、ヘッダーシステム108を制御することにより(右から左へ)プリセットされた距離まで位置検出器110から離れる方向へ移動するように、ロール機構104を制御する。次に、プログラマブル論理制御装置は、ヘッダーシステム108を制御することにより位置検出器110に向けて(左から右へ)再び移動するためにロール機構104を制御する。そして、2本の光ファイバがロール機構104により投入されたフィルムを検出した場合、ロール機構104は、手続を停止するように制御される。それによって、ロール機構104は、フィルムが貼り付けられた粘着テープを、フィルムをラミネートする位置へ転送し、フィルムもまた、正確な位置に設置される。
【0066】
上述した記載に基づき、ステップS148で位置調整処理が終了した後、プログラマブル論理制御装置は、ラミネートプラットフォーム102が定位置であるか否かを判定する(ステップS163)。ステップS163の判定結果が"NO"である場合、ラミネートプラットフォーム102が未だ定位置に置かれていないことを示す。そして、ラミネートプラットフォーム102が定位置に置かれるまで、ステップS163が繰り返し実行される。ラミネートプラットフォーム102が定位置に置かれる前に、回路基板を取り込む処理は実行される。特に、オペレータは、ラミネートプラットフォーム102上に非カバー回路基板を配置する(ステップS156)。本実施形態のラミネートプラットフォーム102は、回路基板を固定するために真空で吸入するように設計される。そして、プログラマブル論理制御装置は、非カバー回路基板上のほこりを自動的に検出するために、光検出器112の複数の光学的に接続された部品120を制御する。また、プログラマブル論理制御装置は、非カバー回路基板上のほこりの大きさ及び量が光検出器112の検出結果に基づく基準を満たすか否かを判定する(ステップS160)。
【0067】
ステップS160の判定結果が"NO"である場合、プログラマブル論理制御装置は、オペレータへ知らせるための通知情報(例えば、警告音ような)を生成する(ステップS162)。オペレータは、ラミネートプラットフォーム102から基準を満たさない回路基板を取得し、回路基板を取り込む処理を再び行うために、ステップS156及び後続のステップを繰り返し実行する。他方、ステップS160の判定結果が"YES"である場合、プログラマブル論理制御装置は、フィルムをラミネートする位置に調整するためにラミネートプラットフォーム102を制御する。このとき、ステップS163の判定におけるプログラマブル論理制御装置は、ラミネートプラットフォーム102が定位置に設置されたことを判定する。その後、プログラマブル論理制御装置は、ヘッダーシステム108を制御することにより、非カバー回路基板にフィルムを付着させるため、回転させて圧力を加える車輪回転装置106を制御する(ステップS164)。
【0068】
次に、プログラマブル論理制御装置は、フィルムのラミネートが終了したか否かを判定する(ステップS166)。プログラマブル論理制御装置は、車輪回転装置106の回転距離を判定することによりフィルムのラミネートが終了するか否かを判定する。ステップS166の判定結果が"NO"である場合、ステップS164は、連続的にフィルムをラミネートするために繰り返し実行される。ステップS166の判定結果が"YES"である場合、プログラマブル論理制御装置は、回転してラミネートすることを停止し、ヘッダーシステム108を制御することにより、フィルムがラミネートされた回路基板から離すために車輪回転装置106を制御する(ステップS168)。
【0069】
ヘッダーシステム108を初期位置へ戻すように制御するステップS134を繰り返し実行すること及びその後続のステップを実行することは別として、フィルムのラミネートが終了した後、プログラマブル論理制御装置は、フィルムがラミネートされた回路基板を、光検出器112の光学的に接続された部品120の底面へ移動するために、フィルムをラミネートする位置から抜け出すためにラミネートプラットフォーム102を制御する(ステップS170)。その上、プログラマブル論理制御装置は、フィルムがラミネートされた回路基板上の気泡の大きさ及び量が光検出器112の検出結果に基づき基準を満たすか否かを判定するために、フィルムがラミネートされた回路基板上の気泡を検出するように、光学的に接続された部品120を自動的に制御する(ステップS172)。
【0070】
ステップS172の判定結果が"NO"である場合、フィルムがラミネートされた回路基板上の気泡が仕様を上回ることを示す。そのため、プログラマブル論理制御装置は、オペレータへ知らせるための通知情報(例えば、警告音ような)を生成する(ステップS176)。ステップS172の判定結果が"YES"である場合、又は、ステップS176が通知情報を生成した後、オペレータは、(検出が通ったか否かに関係なく)フィルムがラミネートされた回路基板を取得し、別の非カバー回路基板を取り込むために、プログラマブル論理制御装置にステップS156を再び実行させる。
【0071】
様々な上述のステップを実行した後、大規模なフィルムラミネート装置100は、回路基板のために、ほこりの検出、フィルムのラミネート及び気泡の検出の動作の実行を終了する。
【0072】
本開示は、フィルムをラミネートする装置及び方法を提供する。フィルムをラミネートする前に回路基板に粘着したほこりの状態を検出するために、フィルムラミネート装置の光検出器を利用すること、及び、フィルムをラミネートする後に回路基板に生じる気泡を検出することにより、回路基板上にフィルムをラミネートする歩留まりを向上することで不完全なフィルムがラミネートされた回路基板を迅速に発見する。さらに、フィルムラミネート装置は、フィルムがラミネートされた回路基板上の気泡の回避を、高精度かつ高速度に実現し、簡易な動作、管理の容易さ及び強固な実行可能性の特徴を達成する。
【0073】
特定の実施の形態を示して説明したが、本開示の精神および範囲を離れることなくして、これに対する種々の変更および取り換えを行ってもよい。従って、本開示は説明として記述されたものであり、限定されるものでないことが理解される。