(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5731487
(24)【登録日】2015年4月17日
(45)【発行日】2015年6月10日
(54)【発明の名称】校正用光源
(51)【国際特許分類】
G01J 3/10 20060101AFI20150521BHJP
G01J 3/02 20060101ALI20150521BHJP
G01J 1/08 20060101ALI20150521BHJP
G01J 1/02 20060101ALI20150521BHJP
G01J 5/00 20060101ALI20150521BHJP
H01L 33/64 20100101ALI20150521BHJP
【FI】
G01J3/10
G01J3/02 C
G01J1/08
G01J1/02 V
G01J5/00 A
H01L33/00 450
【請求項の数】11
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-512237(P2012-512237)
(86)(22)【出願日】2010年5月18日
(65)【公表番号】特表2012-528302(P2012-528302A)
(43)【公表日】2012年11月12日
(86)【国際出願番号】EP2010003033
(87)【国際公開番号】WO2010136140
(87)【国際公開日】20101202
【審査請求日】2013年1月29日
(31)【優先権主張番号】102009022611.7
(32)【優先日】2009年5月26日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】511287880
【氏名又は名称】インストゥルメント・システムズ・オプティシェ・メステクニーク・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】ナゲレ,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ハナク,デトレフ
(72)【発明者】
【氏名】シュトゥルム,ジモン
【審査官】
横尾 雅一
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2006/0139630(US,A1)
【文献】
特開2007−266173(JP,A)
【文献】
国際公開第2006/101174(WO,A1)
【文献】
特表2000−515638(JP,A)
【文献】
特開2004−077123(JP,A)
【文献】
特開2002−101274(JP,A)
【文献】
特開2005−149943(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01J 3/00−3/52
G01J 1/00−1/60
G01J 5/00−5/62
H01L 33/00−33/64
F21S 2/00
F21V 29/00
H05B 37/00−37/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部(12)を有するハウジング(4)と、
前記ハウジング(4)内に保持された基板(22)と、
前記基板(22)に保持されて、光ビームを発する半導体光源(18)と、
前記開口部(12)の領域に光出射開口部(15)を有する出射開口支持要素(14)であって、その光出射開口部(15)は、前記半導体光源(18)が発する光ビームがそこを通って前記ハウジング(4)の外に放射される開口部として機能する、出射開口支持要素(14)と、
前記基板(22)に接続され、前記ハウジング(4)内に保持されて、前記半導体光源(18)を冷却する能動的冷却素子(30)と、
前記冷却素子(30)の低温側を前記半導体光源(18)の基板(22)に接続して、前記半導体光源(18)からの熱を前記冷却素子(30)に逃がす、前記ハウジング(4)内に保持された第1の熱伝導性接続要素(28)と、
断熱ホルダ(38)によって、前記ハウジング(4)内に保持され、前記冷却素子(30)の高温側に接続された、第2の熱伝導性接続要素(34)と、
を備え、
前記出射開口支持要素(14)、前記半導体光源(18)、前記基板(22)、前記能動的冷却素子(30)、前記第1の熱伝導性接続要素(28)、および前記第2の熱伝導性接続要素(34)からなるアセンブリは、前記断熱ホルダ(38)のみによって前記ハウジング(4)に接続されており、
前記出射開口支持要素(14)、前記半導体光源(18)、前記基板(22)、前記能動的冷却素子(30)、および前記第1の熱伝導性接続要素(28)は、前記ハウジング(4)から機械的および熱的に切り離されていて、
前記出射開口支持要素(14)は、前記半導体光源(18)の基板(22)に固定されており、
前記出射開口支持要素(14)の側壁と前記開口部(12)の内側縁部との間には、前記内側縁部と前記出射開口支持要素(14)が接触せずに前記ハウジング(4)が熱膨張することができるように間隙が設けられ、
前記出射開口支持要素(14)は、前記ハウジング(4)に対して自由に動くことができる、校正用光源。
【請求項2】
前記光出射開口部(15)は、ディフューザ(16)を含んでいる、請求項1に記載の校正用光源。
【請求項3】
前記半導体光源(18)は、LED(44)を含む、請求項1に記載の校正用光源。
【請求項4】
前記冷却素子(30)と反対側の前記第2の接続要素(34)の端に取り付けられたヒートシンク(36)であって、熱を周囲空気に放散させるための拡張された熱交換面を有する、ヒートシンク(36)と、
前記ヒートシンク(36)からの加熱された周囲空気を排出させるファン(40)と、
をさらに備える、請求項1に記載の校正用光源。
【請求項5】
前記ハウジング(4)および前記出射開口支持要素(14)は、断熱性材料でできている、請求項1に記載の校正用光源。
【請求項6】
前記半導体光源(18)に直接近接して配置されて、前記半導体光源(18)の温度を測定する温度センサ(32)と、
前記温度センサ(32)により測定された温度に応じて、能動的冷却素子(30)の能力を調整する温度コントローラ(42)と、をさらに備える、請求項1に記載の校正用光源。
【請求項7】
前記半導体光源(18)に定電流を供給する定電流源をさらに備え、
前記温度コントローラ(42)は、前記温度を固定の所定値に一定に維持するように構成されている、請求項6に記載の校正用光源。
【請求項8】
前記半導体光源(18)は、チップアレイ(46)に配置された複数のLED(44)を、温度センサ(32)と共に含んでいる、請求項1に記載の校正用光源。
【請求項9】
前記能動的冷却素子(30)は、ペルチェ素子を含む、請求項1に記載の校正用光源。
【請求項10】
前記出射開口支持要素(14)は、閉じた側壁と開いた光出射開口部(15)とを有する中空体である、請求項1に記載の校正用光源。
【請求項11】
ガラスまたは石英などの光透過性材料でできた光透過窓が、前記光出射開口部(15)に設けられている、請求項1に記載の校正用光源。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、校正用光源に関するものであり、特にLED(発光ダイオード)を用いるものに関する。
【背景技術】
【0002】
校正用光源は、特に、分光計、光度計、および放射計といった、光または放射線の測定装置の絶対校正に使用される。従来より、電流安定化および温度安定化された参照LEDを校正用光源として使用できることが知られている。LEDは、可視、赤外線、または紫外線の波長域で放射線を放出することが可能である。LED放射を発生させるため、半導体チップが回路基板に実装される。使用する半導体材料の様々な物理的特性により、所要の波長を得ることができる。
【0003】
校正用光源が満たすべき基本要件の1つは、スペクトルの放射分布および強度における高い安定性である。従来、いわゆる標準的なLEDは、一般的におよそ20mAの動作電流を持つもののみが用いられてきた。校正用光源として使用するためには、一定の電力U
F*I
F(U
F=順方向電圧、I
F=順方向電流)により得られるLEDの一定の光出力が必要である。このため、一般的に、電流I
Fを提供するために安定した電流源が用いられる。半導体チップを通して降下する順方向電圧U
Fが、LEDのコネクタで測定される。定電流I
Fでは、LEDの順方向電圧U
Fは温度によってのみ変化するので、コンポーネントの温度を調整することにより、順方向電圧U
Fひいては光出力を安定化させることが可能である。一般的に、LEDが作動する動作点は、およそ40℃であり、これは周囲温度よりもはるかに高い。従来より使用されている標準的なLEDの場合、チップ温度を40℃前後に維持するために、コンポーネントを加熱する必要がある。このような安定化のために、通常、発熱抵抗体、発熱ダイオードなどの形態をした発熱体が用いられる。順方向電圧U
Fを測定し、それに応じて熱出力を調整することによって、コンポーネントひいてはLEDチップが一定温度に維持される。上記校正用光源の欠点は、使用される標準的なLEDにより達成可能な光出力が低いことにある。
【0004】
ランバート放射パターンを得るため、LEDの前面に、キャップとしてディフューザが配置される。ディフューザは、外側ハウジングにはめ込まれており、これによって、校正用光源を周囲の影響から保護している。
【0005】
特許文献1は、劇場照明用などの高出力スポットライトを記載しており、そこでは、高出力LEDがその上に実装された熱伝導性基板が、ハウジングに、断熱支持要素を介して機械的に連結されている。高出力LEDにより生じる熱は、基板に移って、支持要素の開口部に設けられたペルチェ素子によりハウジング内部に伝えられる。基板は、熱的に絶縁されており、これによって、ハウジング内部からLEDへの熱の逆流を防いで、ハウジングの熱からLEDを切り離している。
【0006】
特許文献2は、照明光源を記載しており、そこでは、ハウジング内部への入口が十分に大きいことによって、LEDにより生じる熱の放散が促進されている。煙突効果によって、これらの入口を通る空気対流が、ハウジング内部への熱交換を確保するのに十分に高
い流量となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第2004/0120156号
【特許文献2】米国特許出願公開第2008/0285271号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、周囲温度は、それでも校正用光源の光出力および放射スペクトル(LEDの色)に影響する。このため、従来の校正用光源では、LED温度の能動的な温度制御によってでさえ、周囲温度の急速な変動を十分に迅速に補うことができず、これによって、校正用光源の光強度が望ましくない時間的変動を示すことになる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的は、温度に対して安定した校正用光源を提供することである。
【0010】
この目的は、請求項1に記載の要旨により達成される。好ましい実施形態は、従属請求項に記載されている。
【0011】
本発明、および発明のさらなる特徴および効果は、以下で添付図面を参照して行なわれる説明により明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明に係る校正用光源の概略図である。
【
図4】
図4は、高出力LEDの別の実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、外側ハウジング4を備える、本発明に係る校正用光源2の概略図を示している。外側ハウジング4は、前側と後側の中空円筒状ハウジング部6、8からなり、これらは螺合されている。ここで、“前側”と“後側”という用語は、光源によりハウジング4から放射される光ビームの方向に関する。“光ビーム”とは、例えば、対応する光学的および/または機械的なビームガイドにより導かれる、赤外線域、可視域、および紫外線域のビームを意味している。前側ハウジング部6は、前面において円形被覆領域10により閉じられており、そこに中央開口部12を有している。この開口部12を貫通して、剛性の出射開口支持要素14が延出しており、これは、閉じていることが望ましい管状側壁(および必要に応じて反射内壁)と、光源により発せられた光ビームが出ていくための前面の光出射開口部15とを備えている。支持要素14の後方の開口端は、高出力LED18用の基板22に固定されており、そこにLED18が保持されている。
【0014】
図1に示す実施形態では、ディフューザ16が、光出射開口部15に配置されている。ディフューザ16は、(表面散乱体ではなくて)体積散乱体であり、これにより、光が、全ての外向きの空間方向においてできる限り均一に、好ましくはランバート放射パターンで放射される。校正の要件によって、ディフューザ16の放射面が定まる。その他の実施形態(図示せず)では、光出射開口部15は、開いていてもよく、あるいは光ビームを透過させる他の材料(例えば、可視波長域のビームの場合、ガラス窓)により覆われていてもよい。ディフューザ16、開いた孔(またはその前方内側縁部)、あるいは透過性材料は、光ビーム出射のための規定の開口部を、高出力LED18から一定の距離で画定し、これによって、校正用光源の放射特性に影響を及ぼす。半導体放射線源18と光出射開口部15との間のビーム路には、さらに光学部材を配置することができる。
【0015】
いわゆる高出力または高電流のLED18は、高出力の電源を有する半導体光源であり(典型的には、少なくとも350mAの動作電流で少なくとも1ワットのものであり、チップ辺長が例えば1mmである)、これは、従来のLEDのわずか数十ミリルーメンに対して、数ルーメンのビームを発生させることができる。高出力LED18は、光または放射の計測装置の校正のために十分な光出力を提供することを目的として、好んで用いられる。しかしながら、特に高出力LEDでは、供給される電力は部分的にしか光に変換されず、残りは熱として消散されてしまう。高出力LEDでかなり高い出力密度を実現するためには、コンポーネントを能動的または受動的に冷却することが必要となる。また、さらに熱を供給することによりLEDを安定させることは、この場合、不可能である。
【0016】
外側ハウジング4および支持要素14は、熱伝導性が非常に低い材料(例えば、適当なプラスチック)でできている。ディフューザ16は、焼結石英ガラスでできたものとすることができ、これは、支持要素14のプラスチック材料に例えば接着結合される。ディフューザ16の代わりに、あるいはこれに追加して、ガラス、石英、または他の光透過性材料でできた光透過窓(図示せず)を光出射開口部15に設けることができる。図示の実施形態では、ディフューザ16を保持している支持要素14は、開口部12からわずかに前方に、被覆領域10を越えて外側に突出している。あるいは、その端が被覆領域10と同一平面上となるようにすることもできる。支持要素14の円筒状外壁と開口部12の円形内側縁部との間には、環状の小さな間隙13が設けられており、これによって、内側縁部が支持要素14に接触せずに外側ハウジング4が熱膨張することができる。環状間隙13は、例えば、可撓性シリコンシールにより封止して、これにより、外部の影響に対して外側ハウジング4内部を密封することができる。これとは別に、支持要素14は外側ハウジング4から機械的に切り離されており、これによって、例えば熱による長さの変化の伝達が回避される。このように、支持要素14は、力がかかることなく外側ハウジング4を貫通しており、外側ハウジング4に対して自由に動くことができる。環状間隙13は、外側ハウジング4と支持要素14との間の距離を規定しており、これは、断熱用のエアクッションで満たされている(外側ハウジング4により支持要素14に作用する力が無視できるように、機械的に切り離され、自由な動きが確保されている場合は、必要に応じて、環状間隙の空間には、他の断熱材を充填することもできる)。この距離の大きさは、例えば、少なくとも、周囲温度の変動に起因する外側ハウジング4の長さの変化が支持要素14に影響を及ぼさず、従って、支持要素14およびそれに結合された高出力LED18が共に外側ハウジング4から機械的に切り離されたままとなるように、設定される。
【0017】
この機械的な切り離しとは、すなわち、光出射開口部15が半導体光源18から一定の距離にあるようにすることで、光源により放射される光束も一定となることを確実にすることである。このようにして、光出射開口部15から半導体光源18までの距離により、開口部15から出射される光ビームの出射角度が規定され、これにより、開口部15から出射される光束が規定される。当然のこととして、支持要素14は、以下で詳細に説明するように、外側ハウジング4に間接的に吊られて浮いた状態になっている。従って、機械的な切り離しは、直接の機械的結合を回避し、それによって、特に温度が変化したときの、これら2つの要素間での直接的な力の伝達を回避することにのみ関連している。
【0018】
図2に示す拡大断面図では、高出力LED18の構成および取付けをより詳細に示している。LEDチップ20は、特別な熱伝導性基板22、例えばメタルコア回路基板またはセラミック基板に実装されている。LEDチップ20上にレンズ24を設けることができ、これにより、発せられた光が、ディフューザ16と光出射開口部15の向きに集められる。ボンディングワイヤ26により、LEDチップ20を基板22に電気的に接続しており、そこから、接続ケーブル(図示せず)が、校正用光源2の電源アダプタ(これも同様に図示せず)につながっている。支持要素14は、その下端での接着により、基板22の上面に直接接合されている。あるいは、下端の内側縁部を横方向にレンズ24またはLEDチップ20に固定することで間接的に基板22に結合させたり、他の方法で間接的に基板22に固定したりすることもできる。その主な目的は、レンズ24(あるいは、レンズ24がない場合は、LEDチップ20)と、光出射開口部15またはディフューザ16との間の距離が一定に維持されるようにすることであり、なぜなら、この距離が、校正用光源2の光束および光強度に影響を及ぼすからである。
【0019】
高出力LED18の電流密度は、通常のLEDよりも20倍から50倍高いので、ボンディングワイヤ26での接触抵抗が変化することがある。このため、高出力LED18への電力供給として通常使用され、高出力LED18の電気コネクタを介して測定される順方向電圧は、場合によって、高出力LED18の安定化のための制御変数として適していないことがある。以下で詳細に説明するように、温度が制御変数として使用され、一定値に安定化される。一定の供給電流では、LEDチップ20のP/N接合を通した順方向電圧降下も一定に維持されるので、高出力LED18の電気的および光学的出力(放射される光強度および放射スペクトル)が安定化する。順方向電圧U
Fは、温度と電流I
Fの関数である。定電流での順方向電圧についての典型的な温度係数は、およそ−1.5から−2.5mV/Kである。このように、温度が高くなると、定電流I
Fでの順方向電圧は低くなる。従って、LEDチップ20のチップ温度が上昇するにつれて、光出力は低下する。加えて、その放射スペクトル(色)も変化する。
【0020】
上記の温度安定化は、高出力LED18の熱保護にも役立つ。数ワットの電力(例えば2Aの最大動作電流で5W)で、高出力LED18は、高い発光効率を示す一方で、電力損失も増加し、これによって、LEDチップ20は、かなり加熱される。LEDチップ20の寿命の短縮、さらには破損を防ぐために、この散逸エネルギーを取り除かなければならない。
【0021】
LEDチップ20の温度制御は、熱伝導性に優れた第1のブロック28で達成され、これは、ジルコニウム銅(あるいは他の熱伝導性に優れた材料)でできていて、その前端が基板22の下側に接着されており、その後端はペルチェ素子30の低温側に接続されている。第1のブロック28の高い熱伝導性と、用いられるペルチェ素子30(例えば、数十ワットの冷却/熱出力のもの)とによって、LEDチップ20を速やかに所望の温度に設定することが可能であり、それは+5℃から+85℃の範囲であって、結露を防ぐために露点よりも高いことが好ましく、+25℃から+35℃であることが特に好ましく、+30℃前後であることが最も好ましい。第1のブロック28には、さらに温度センサ32が組み込まれており、これは、基板22を支持する表面の下側でブロック28を削って形成された空洞内に配置されている。あるいは、温度センサ32は、基板22の上側で、LEDチップ20に直に隣接させて配置することもできる。これは、その測定温度がLEDチップ20の温度と一致するように、できる限りLEDチップ20の近くに配置されるべきである。
【0022】
ペルチェ素子30の高温側は、第2のブロック34の前端に接着されており、これはジルコニウム銅(あるいは他の熱伝導性に優れた材料)でできていて、その後端には、拡張された熱交換面を有するヒートシンク36がネジ止めされている。第2のブロック34の後端は、断熱ホルダ38によって、前側ハウジング部6のハウジング内壁に保持されている。このようにして、ディフューザ16、支持要素14、基板22、LEDチップ20、第1のブロック28、ペルチェ素子30、および第2のブロック34からなるアセンブリ全体が、ホルダ38のみによって、外側ハウジングに接続されており、これによって、周囲温度からこのアセンブリへの熱伝達が大きく軽減されている。
【0023】
ヒートシンク36は、後側ハウジング部8に配置されて、自身の熱を周囲空気に逃がし、その熱は、ハウジング部8の後部開放端において、電動ファン40により外気に排出される。このような対策によって、LEDチップ20の散逸エネルギーが効率的に取り除かれる。
【0024】
第1のブロック28の寸法は、ペルチェ素子30の高温側をLEDチップ20から十分に離すことで、そこでの発熱(実際に消散される数ワットの散逸エネルギーに相当する)がLEDチップ20から離されるようにする一方で、それでも、熱交換が十分に迅速に(好ましくはミリ秒程度で)行われるようにLEDチップ20に十分に近くなるように、設定される。
【0025】
温度制御のため、
図3に模式的に示すように、温度センサ32からの測定信号は、(PID)コントローラ42に供給され、これにより、測定温度は所定の温度値(基準値)と比較される。この比較の結果に応じて、コントローラ42は、ペルチェ素子30に供給される電力を増減させる。このために、温度センサ32とペルチェ素子30は、接続ライン(図示せず)によってコントローラ42に電気的に接続されている。コントローラ42の制御パラメータは、例えば0.01℃の調整精度が確保されるように選択される。
【0026】
高出力LED18が低熱伝導性のプラスチック製ハウジング4に収容されていることで、周囲の温度変化が十分に和らげられて、これにより、十分な調整精度および調整速度が達成される。このような覆いが無いと、特にLEDチップ20からペルチェ素子30に到るまでの冷却路が遅くなりすぎて、破壊的影響を速やかに相殺することができない。光出射開口部15(およびディフューザ16)は、外側ハウジング4から機械的および熱的に切り離され、また、LEDチップ20に対して固定取付けされていることによって、温度による外側ハウジング4の長さの変化は、光出射開口部15(およびディフューザ16)と高出力LED18との間の距離には影響を及ぼさず、従って、校正用光源2から放射される光束に影響しない。このような対策によって、20℃〜30℃の周囲温度範囲で、0.1%未満という所要の光束安定性を得ることができる。支持要素14は外側ハウジング4に吊られて浮いた状態になっており、このため、これら2つの要素間では、基板22、第1のブロック28、ペルチェ素子30、第2のブロック34、およびヒートシンク36を経由してエネルギーが流れる。
【0027】
このようにして安定化された光源は、光度計測および放射計測の様々な数値のための伝達標準として役立てることができる。典型的な数値は、CIE 127:2007によると、全光束または全放射束、および平均化LED光度である。
【0028】
図4は、高出力LED18の別の実施形態を示しており、これは、基板22に配置されたチップアレイ46の形態をしたもので、3つの色の異なる高出力LED素子44(それらの色を混合して任意の色に調整することができる)と温度センサ32とを含む。
【0029】
高出力LED18の代わりに、標準的LEDまたは高輝度LEDを用いることもできる。その場合、ペルチェ素子30は、加熱により、LED温度を周囲温度より高い一定値、例えば40℃にする。ペルチェ素子30の代わりに、抵抗加熱要素として接続されたボンディングワイヤによって、直接LEDを加熱することもできる。あるいは、能動的な温度安定化を全く行なわない。この場合、一定の順方向電圧U
Fに達すると、一定時間後に、温度は自立的に1つの温度値に安定化する。これにより、消費電力が安定し、そして、放射される光出力および電力損失も安定する。上記の定電流源に代えて、LEDを可変電流で作動させることもできる。この場合、電流変調により温度の変動が生じる。LEDには高パルス電流が供給されて、周期的にオン・オフされる。半導体放射線源として、OLED(有機発光ダイオード)または半導体レーザを用いることもできる。
【0030】
出願人は、光出射出開口部15を外側ハウジング4から切り離すコンセプトとは独立に、高出力LED18を有する校正用光源の定電流源での温度安定化のアイデアについての個別の保護を求める権利を留保する。