【文献】
NEC,Interaction of DRX and downlink HARQ,3GPP TSG-RAN WG2#57bis R2-071273,2007年 3月26日
【文献】
Nokia,DRX parameters in LTE,3GPP TSG-RAN WG2 Meeting #57bis R2-071285,2007年 3月26日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
あるセルのエリア内に位置するユーザ端末への送信と前記ユーザ端末からの送信とを制御する制御ノードを備えたセルラー無線アクセスシステムにおいて使用される方法であって、
前記ユーザ端末は、当該ユーザ端末がその制御ノードから送信されるデータを受信しない状態である非リッスン状態と、リッスン状態とを含む少なくとも2つの状態のうちの1つを決定し、
前記方法は、
周期的なリッスン期間の間は前記ユーザ端末が前記リッスン状態に移行するステップと、
前記リッスン期間の間にデータの送信が無ければ、前記ユーザ端末が前記リッスン状態から非リッスン状態に移行するステップと
を有し、
前記ユーザ端末は、前記リッスン期間の間にデータの送信を受信したものの当該データの復号に成功せず、NACKを送信した場合、当該データの再送を受信するために前記リッスン状態に戻る前に所定時間にわたって前記リッスン状態から前記非リッスン状態に移行することを許容される
ことを特徴とする方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
3G(第3世代)システムでは、他の多くの無線セルラーシステムにおいて見られるのと同じように制御ノードがあり、3GではeNodeBと呼ぶこの制御ノードは、その目的の1つとして、システム内の特定の地域すなわちセル内のユーザ端末へのトラヒックおよびユーザ端末からのトラヒックを制御する目的を有する。DRXメカニズムが適正に機能するためには、システムのeNodeBが「自ノード」のユーザ端末のDRXに関する状態すなわちDRXかまたは非DRXかを常に決定できるようにするためには、明確な規則のセットが必要である。
【0006】
3GシステムのDRXスキームに関して現在構想されている解決手段は、eNodeBとそのUEとの間で様々な種類の送信または再送信が用いられることがあるという事実を適切に考慮していない。そのような様々な種類の(再)送信の例には、ハイブリッド自動再送要求HARQ(ハイブリッド自動再送要求)の使用によってもたらされる送信、およびRLC(無線リンク制御)によってもたらされる送信がある。
【0007】
DRXスキームに関する現在の解決手段は、以下のいずれかを前提としている。
・1つの送信だけが必要とされる、または
・1つ以上の送信が必要とされる場合および/または複数のRLCセグメントが必要とされる場合、それらは、DRXスキームによって最初の送信として扱われる、または
・いったんデータが受信されると、再送信または新しいデータが予想されているか否かにかかわらず、UEは「オンデュレーション(on duration:連続動作)」期間にわたり受信試行(リッスン)する。このことは、設定した休眠(インアクティビティ)タイマの満了後にUEがDRX状態になるまで、UEはリッスンし続けるので、無線リソースはリッスンのために実際に必要な期間より長い期間常に使用されることを意味する。
【0008】
一般に、パケットは動的スケジューリングを用いて送信されてもよく、その動的スケジューリングを用いて、eNodeBは、データを直ぐに送信するとUEに通知するために明示的シグナリングを使用する。あるいは、パケットはセミパーシステント・スケジューリングを使用して送信されてもよく、これでは、eNodeBからの最初の送信は、いわゆる「ブラインド検出」を使用してUEによって検出され、eNodeBからの再送信は動的スケジューリングと同様にスケジューリング割り当てを使用して行われる。
【0009】
ダウンリンク送信に関するHARQ送信では、UEは、再送信を要求するためにそのeNodeBにHARQ NACKを送信する。eNodeBは再送信の必要に関して事前に知識を有しておらず、それ故、再送信を可能とするためにUEにDRX期間をより短く取らせる命令を、MACシグナリングを使用して事前に通知することができない。再送信は、通常ミリ秒単位で測定される一定の時間の後に行われてもよく、その一定の時間中はこの送信のためにリソースは使用されない。
【0010】
さらに、VoIPで使用されそうなセミパーシステント・スケジューリングでは、ちょうど動的スケジューリングと同様に、スケジューリング割り当てを使用して再送信が行われる。従って、再送信がDRX期間の長さだけ遅れるという一般的問題は、サービスまたは送信の種類に無関係である。
【0011】
以上説明したように、解決手段が必要とされているが、その解決手段は、それを用いて3G種類のセルラー無線アクセスシステム、特にLTE(ロングタームエボリューション)として知られるシステムが、DRX間隔と、例えばHARQ ACK/NACKおよびRLCセグメンテーションによってもたらされる送信などの様々な種類の複数回の送信との組み合わせによって提起される問題を克服できるものである。
【0012】
解決手段は、LTEシステム以外の他の種類のシステムで、DRX期間と類似の期間、すなわちUEがその制御ノードからのデータをリッスンしない期間があるシステムにも適用可能であるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明はその解決手段を提供するが、それは、特定の地理的エリア(地域)、すなわちセル内において、複数のユーザ端末(UE)からの送信とUEへの送信とを制御する、すなわちサービスを提供する第1の制御ノードを配置可能なセルラー無線アクセスシステムにおいて使用され方法を、本発明が開示するからである。
【0014】
本発明が適用されるセルラー無線アクセスシステムでは、UEは少なくとも2つの状態のうち1つの状態を取ることができ、その第1の状態は非リッスン状態、すなわちその状態の間はUEがその制御ノードからのデータを受信試行(リッスン)しない状態であり、その第2の状態はリッスン状態すなわち「オンデュレーション(連続動作)」状態である。
【0015】
システム内のUEは、特定のスキームに従って前述した2つの状態の間を行ったり来たりすることができ、前述のスキームは、UEとそのeNodeBとの間で送信されるデータユニットが各データユニットに対して最初に割り当てられたリソース内に全部正しく受信されるか否かに依存し、前述した割り当ては制御ノードによって実行される。
【0016】
本発明の方法がLTEタイプのシステムに適用される場合、第1の非リッスン状態はDRX状態であり、制御ノードはeNodeBであろう。
【0017】
従って、本発明は解決手段を提供し、その解決手段を用いて、異なる種類の再送信(HARQ ACK/NACKおよびRLCセグメンテーション)がDRX機能または類似の機能に突き付ける要求に対処し得る。
【0018】
本発明の上記の利点および他の利点は、以下の詳細説明からさらに明らかになるであろう。
【0019】
さらに、本発明は、本発明の方法を適用するシステムのユーザ端末として使用する通信装置(トランシーバ)も開示する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明について、添付の図面を参照して以下により詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明を適用し得るシステムのおおよその概観を示す。前述のように、本発明が対象としているシステムは、LTE(ロングタームエボリューション)タイプの無線セルラーアクセスシステムである。このようなシステムは、
図1に示されるように制御ノード110を備え、この制御ノード110は、その役割の1つとして、システム内の特定の地域いわゆるセル内のユーザ端末UEに出入りするすべてのトラヒックを制御する役割を有する。そのようなセルについて、セル内に1つのUE130を有して、
図1の120として象徴的に示している。
【0023】
当然ながら、本発明が適用されるシステム内のセル数およびそのセル内で使用されてもよいUE数は、大幅に変わってもよく、
図1に示されるセルおよびUEの数は、読者の本発明に対する理解を促すことを意図した一例に過ぎない。
【0024】
さらに、本発明が適用されるシステムのタイプはLTEタイプのシステムである必要はなく、本発明は、他のタイプの無線セルラーアクセスシステムにも同様に適用し得る。従って、LTEタイプのシステムから借用した表現の本明細書での用語の使用は、読者の本発明に対する理解を促すことを意図した例に過ぎないと見なされるべきである。
【0025】
同様に前述したように、本発明は、LTEではいわゆるDRX期間と呼ばれる不連続的受信期間にかかわるメカニズムによって提起される問題を主に扱う。本発明についてより詳細に説明する前に、本明細書で使用する幾つかの基本的な定義について、
図2を参照してまず説明する。
【0026】
図2は、時間の相関的要素としてUEの無線状態を示し、この時間は、送信時間間隔TTI単位で示されている。
図2で使用されている数字は、以下の定義またはイベントに相当する。
1.ウェイクアップポイント。UEがウェイクアップする時点、言い換えるとDRX状態からリッスン状態に移行する時点。
2.暗示的ゴーツースリープ(休眠)命令:UEがオンデュレーション期間中にデータを少しも受信しない場合、UEはDRX状態に移行する。
3.暗示的ステイアウェイク(動作継続維持)命令:UEがオンデュレーション期間中にベストエフォートデータを受信した場合、現在のオンデュレーション期間をある所定の時間、適切にはオンデュレーション期間もう1つぶん延長する。
4.DRXインターバル(間隔)。一定のDRXパターンが繰り返される間隔。
5.オンデュレーション期間:DRXからウェイクアップ(復帰)した後、UEがデータの受信を待っている期間。
6.休眠タイマ:データの最後の受信(PDCCHの復号)からデータを首尾よく受信するために(PDCCHを復号するために)待つ継続時間。その間に受信しないと、UEは再びDRX状態、すなわち非リッスン状態に入る。UEはデータの1つの受信(1つのPDCCHの復号)に続いて活動(アクティビティ)タイマを再始動する。
7.1TTI。1送信時間間隔。
8.「アウェイク」:UEがアウェイクしている時間。
9.明示的ステイアウェイク:eNodeBは、いわゆるMACシグナリングをたいてい用いて、アウェイクしているようにUEに明示的命令を送信してもよい。
10.明示的ゴーツースリープ:eNodeBは、いわゆるMACシグナリングをたいてい用いて、スリープするようにUEに明示的命令を送信してもよい。
【0027】
図2に示されている期間およびイベントに加えて、「DRX期間」すなわちUEがアイドル状態にある期間、すなわちUEがデータをリッスンしない期間の観念も存在する。このUEがデータをリッスンしない期間は可変でもよく、普通はDRX間隔の全体からDRX間隔中のアウェイク時間を減算した期間に等しい。
【0028】
ここで本発明に戻って、前述のように本発明は、DRX状態と、HARQおよびRLCを用いる送信などの様々な種類の送信、主に再送信(HARQ)および複数のTTIでの送信(主にRLC)とにかかわる問題に取り組むことを目的としている。
【0029】
本発明は、以下のことを考慮に入れて、これらの問題に取り組むことを提案する。
・元の送信
・連続した複数のTTIにおけるN回の潜在的な追加送信(RLCセグメンテーション。しかし、本発明は連続した複数のTTIの中にあるセグメントに必ずしも依存せず、例えばRLCセグメントの送信を優先させることができるスケジューラと連携して働くこともできる)
・連続していない複数のTTIにおけるN回の潜在的な追加送信(例えば、HARQ再送信またはRLCセグメント)
非常に基本的に言うと、本発明は、一方のDRXスキームをHARQのような原理を用いる送信に使用しつつ、他方のDRXスキームをRLC原理を用いる送信に使用できるような、DRXスキームが送信の種類に結びついている解決手段を提案する。
【0030】
以下では、本発明の2つの異なる実施形態について説明するが、1つはHARQ原理に適合している実施形態で、もう1つはRLC原理に適合している実施形態である。
【0031】
<第1の実施形態、HARQ原理>
この実施形態では、DRXスキームはHARQ再送信を考慮せずに設定される、すなわち、ウェイクアップのトリガー(タイミング)は予想される最初の送信に相当する。
【0032】
ダウンリンク送信、すなわちeNodeBからUEへの送信に関しては、設定されたウェイクアップ期間中にデータが全然受信されない場合、UEは、直ぐに再びDRX状態に移行し、次に設定されたウェイクアップ期間までその状態に停留する。送信を受信した場合、UEは、少なくとも
a)HARQについてのACK/NACKを送信するとき、
b)および、NACKが送信されて、再送信が予想されるとき
アウェイクしている。
【0033】
これはDRXパターン外で行われてもよい。すなわち、UEがHARQ ACKを送信しそれ以上の再送信が予想されなくなるまで、UEは、既知のケースa)およびb)にアウェイクしている。UEは、ケースa)とb)との間にオプションでスリープしてもよい。
【0034】
システムがHARQ原理を用いるとき、UEはHARQ ACKを送信したがeNodeBがこれをHARQ NACKと読み間違える場合を想像し得る。この事例、すなわちACKのNACKへの読み間違いの事例では、UEがHARQのACK送信後直ぐにDRX状態になる場合、eNodeBからの再送信およびそれに続くどの再送信の試みも失敗するであろう。このことは、UEが最初の試みでデータを受信した場合でさえ、eNodeBは再送信を最大回数まで実行することになるであろう。
【0035】
この事例すなわちUEはHARQ ACKを送信するが、eNodeBがこれをHARQ NACKと読み間違える事例を対象とするために、以下の機能が本発明の方法に追加されてもよい。
【0036】
この誤りの事例に取り組むために、UEは、予め定められた期間だけ、またはeNodeBが再送信をスケジューリング(計画)していないことがUEに明白になるまで、すなわち、送信したACKがNACKに間違えられて解釈された場合に再送信が実行されたであろう時間中に、UEがeNodeBから再送信を受信しないことが分かるまで、オンデュレーション状態に停留するのを延長してもよい。従って、これは、eNodeBが再送信を最大回数まで行うリスクを減少するであろう。
【0037】
上記で提案したように、DRX状態へ戻るのとHARQとを関連付けることによって、首尾よい受信/送信後、eNodeBからUEへの明示的な「ゴーツースリープ要求」と同じ結果を達成するという追加の利点を有する。従って、eNodeBは、UEがDRX状態にあるか否かを知るであろう。
【0038】
アップリンク送信すなわちUEからeNodeBへの送信に関しては、ダウンリンクに関して上記で提案したのと類似の動作が適用されてもよい。UEは、eNodeBにデータユニットを送信後、直ぐにDRX状態にならない。代わりに、UEはeNodeBからのHARQのACK/NACKを待つ、すなわち、UEは、少なくともACK/NACKが予想されているとき、「アウェイク」していなければならない。NACKが受信された場合、ダウンリンクに関して上述したのと同様に、UEは、再送信を行うときもアウェイクしていなければならない。
【0039】
上記の「ウェイクアップ」は「ブラインド検出」が(再送信にさえ)使用される事例を含む。すなわちUEが特定の1つのTTIだけウェイクアップする代わりに、むしろ短い間隔中データをリッスンするであろう事例を含むことを指摘すべきである。
【0040】
<第2の実施形態、RLCセグメンテーション>
これは、RLCセグメント/RLCセグメンテーションと組み合わされたDRXに特に適した実施形態である。
【0041】
この実施形態では、DRXスキームはRLCセグメンテーションの潜在的な使用を考慮せずに設定される、すなわち、ウェイクアップのタイミングは予想される最初の送信に相当する。
【0042】
ダウンリンク送信すなわちeNodeBからUEへの送信に関して、設定されたウェイクアップ期間中にデータが全然受信されない場合、UEは直ぐにDRX状態に入り、次に設定されたウェイクアップ期間までそこに停留する。送信を受信した場合、UEは、少なくとも
a)受信データがRLC PDU(プロトコルデータユニット)セグメントを有することを検出した場合は、
b)すべてのRLCセグメントを適切に受信するまで、アウェイクし続ける。UEがアウェイクし続けてそのようなすべてのセグメントを受信できるか、または、HARQ再送信と同様に、一定量のTTIが過ぎて初めて次のRLCセグメントが来ないことをUEは「知る」であろう。UEがNACKを送信した場合、UEは上記で説明のHARQ原理のように「スリープ」してもよいが、その時間中にセグメントが予想される場合、ウェイクアップしなければならない。この一側面は、RLCセグメントが新しいオンデュレーション期間をトリガーしないことであり、特に最後のセグメントを受信すると、UEはDRX状態に遷移してもよいことである。
【0043】
直前に説明した「アウェイク時間」は、普通のDRXパターンの外に保たれてもよい。すなわち、UEは、すべてのRLCセグメントに対してHARQ ACKを送信し、RLCセグメントがこれ以上予想されなくなるまで、既知のケースa)およびb)でアウェイクしているであろう。
【0044】
UEのウェイクアップ時間とRLCセグメントの検出をこのように結び付けることにより、幾つかのTTI(たぶん連続しているが、必ずしも連続している必要はない)にわたりデータユニットを送信するとき、eNodeBからの明示的な「オンデュレーション」または「連続的レベルへの移行要求」と同じ効果を達成し、同様に首尾よい受信/送信後は、eNodeBからUEへの明示的な「ゴーツースリープ要求」すなわち「DRXに入れ」と同じ効果も達成する追加の利点を有する。
【0045】
アップリンク送信すなわちUEからNodeBへの送信に関して、類似のパターンが適用されてもよい。UEは、セグメント化したデータユニットを送信後、直ぐにスリープしないで、代わりにすべてのRLCセグメントの送信を続ける、すなわち、UEは、少なくともすべてのセグメントを送信し、肯定応答(ACK)を受けるまでアウェイクしていなければならない。
【0046】
図3は、本発明の方法300に係る幾つかのステップのフローチャートである。オプションまたは代替のステップは破線で示されている。従って、
図3に示されているように、方法300によれば、本発明が適用されるシステムのUEは、特定のスキームに従って、本明細書に前述した2つの状態の間を行ったり来たりすることができ(ステップ310)、このスキームは、ステップ320に示されるように、UEとその制御ノードとの間で送信されるデータユニットが各データユニットに最初に割り当てられたリソース内に全部正しく受信されるか否かに依存する。ステップ330は、本発明の方法によれば、2つの状態の間を行ったり来たりするスキームが、一実施形態ではUEとその制御ノードとの間のHARQ ACK/NACK送信に対応するように構成されてもよいことを示す。ステップ340に示されるように、方法300の一実施形態では、2つの状態間を交互に遷移するスキームは、UEとその制御ノードとの間のRLCセグメンテーションに対応するようにも構成されてもよい。
【0047】
図3のステップ350は、方法300の別の実施形態では、制御ノードからUEへの送信すなわちダウンリンクDL送信に関して、UEが非リッスン状態からリッスン状態へ移行するタイミングは、制御ノードから予想される最初のデータ送信に対応するようにスケジューリングされてもよいことを示す。
【0048】
ステップ360は、UEが、以下の状態まで、リッスン状態(「非DRX」)に留まってもよいことを示す。
・UEが対応するACK/NACKを送信するまで、かつ
・NACKが送信されてきた場合、予想される対応する再送信まで、
・受信データがRLC PDUセグメントを備える場合、すべてのデータが受信されるまで。
【0049】
ステップ370に示されるように、UEがACKを送信した場合、UEは予め定めた期間だけリッスン状態に停留することを延長し、UEが送信したACKが制御ノードによってNACKと間違えられて解釈された場合に再送信が行われたであろう時間中に、制御ノードから再送信(「Re―TX」)を受信しないことを確認する。
【0050】
ステップ380では、UEから制御ノードへの送信に関して、UEがデータユニットを制御ノードに送信後、UEは、非リッスン状態に移行する前に制御ノードからのACK/NACKを待ち、NACKを受信した場合、再送信が予想されている間は、UEはリッスン状態にいる。
【0051】
図4は、基本的に上記のように機能するUEとして使用する本発明の通信装置(トランシーバ)400のおおよそのブロック図を示す。
図4に示されるように、本発明のUE400は、eNodeBと通信するためのアンテナ410を備え、また送信部(TX)430および受信部(RX)420も備える。さらに、UE400は、例えばマイクロプロセッサ(μP)440などの制御手段も備え、またメモリ450も備える。
【0052】
トランシーバ400は、上記の方法に従って機能するための手段を基本的に備え、従って、少なくとも2つの異なる状態の1つを採用するためにコントローラ440およびメモリ450などの手段を備える。2つの異なる状態のうち第1の状態は、アイドル状態、すなわちDRX状態であり、第2の状態はリッスン状態、すなわち「オンデュレーション」状態であり、各状態は特定の時間量(期間)にわたり採用される。適切には、コントローラ440は、DRX期間および非DRX期間の時間の長さを制御し、それをメモリ450から読み出してもよい。
【0053】
コントローラ440およびメモリが切り替えメカニズムの一部としてここに表現されているが、例えばeNodeBが切り替えに関連する情報またはコマンドを送信する場合、アンテナ410および受信部420もこのメカニズムの一部でもよいことに留意すべきである。
【0054】
しかし、切り替え手段、この場合手段440、450は、スキームを作成し、そのスキームに従って、UEは、UEとその制御ノードとの間で送信されるデータユニットが、各データユニットに最初に割り当てられたリソース内に全部正しく受信されるか否かに応じて前述の2つの状態を行ったり来たりする。
【0055】
本発明のUE400では、切り替え手段440、450は、UE400とその制御ノード例えばeNodeBとの間のHARQ ACK/NACK送信に対応するように、2つの状態の間を行ったり来たりするようにもスキームを適合させてもよい。あるいは、切り替え手段440、450は、UE400とその制御ノード110との間のRLCセグメンテーションに対応するように、2つの状態の間を行ったり来たりするようにスキームを適合させてもよい。
【0056】
UE400の一実施形態では、上述の最初に割り当てられるリソースは以下のものの1つである。
・時間リソース、例えばTTI
・周波数リソース、例えばサブフレームまたはリソースブロック
・変調符号化スキーム、すなわち変調方式、符号レートおよび送信ビット数
UE400の別の実施形態では、制御ノードからUEへの送信の場合に、切り替え手段400、450は、制御ノードから予想される最初のデータ送信に対応するためにUEが非リッスン状態からリッスン状態へ移行するタイミングをスケジューリングする。
【0057】
同様に、リッスン期間中にUEがデータを全然受信しなかった場合、切り替え手段440、450は、UEを直ぐに非リッスン状態に入らせてもよく、データを受信した場合、切り替え手段440、450は、以下の状態になるまでUEをリッスン状態に留まらせてもよい。
・UEが対応するACK/NACKを送信するまで、かつ
・NACKが送信されてきた場合、予想されている対応する再送信まで、
・受信データがRLC PDUセグメントを備える場合、すべてのデータを受信するまで。
【0058】
さらに、UEがACKを送信する場合、切り替え手段440、450は、予め定められた期間だけUEがリッスン状態に停留するのを延長して、UEが送信したACKが制御ノードによってNACKと読み違えられた場合に再送信が行われたであろう時間中に、UEが制御ノードから再送信を受信しないことを確認してもよい。
【0059】
本発明の別の実施形態ではアップリンクUL送信に関して、UEが制御ノードにデータユニットを送信後、切り替え手段440、450は、UEが非リッスン状態になる前にUEに制御ノードからのACK/NACKを待たせ、NACKを受信した場合、制御ノードからの再送信が予想される間、UEをリッスン状態に保つ。
【0060】
本発明は、上述しかつ図に示す実施形態の例に限定されず、添付の特許請求の範囲内で自由に変更されてもよい。例えば、本発明について主にLTE種類のシステムからの表現を用いてこれまで説明したが、本発明は、他の種類の無線セルラーアクセスシステムに適用されてもよい。
【0061】
同様に、本発明のわずかに異なる態様では、以下の原理が適用されてもよい。
−HARQおよびRLCセグメントに関して、特定のDRXスキームが使用されるが、このスキームは「メインの」DRXスキームに依存せず、以下の原理を有する。
・HARQおよびRLCセグメンテーションに関して
・最初の送信に続く送信の間で、UEがスリープすることが許容される。UEがスリープする時間はX TTIでもよく、ここでXは、eNodeBによって例えば(非同期HARQに関しておよびRLCセグメントに関しての)RRCシグナリングを使用してUEに設定されるか、または(例えばLTEアップリンクの同期HARQに関する)物理層の特性に基づき予め定められた値である。X TTI後、UEはウェイクアップし、送信を受信するまでリッスンする。
【0062】
・UEは、HARQであれRLCであれその両方であれ、最初の送信に属するそれに続くすべての送信が完了するまで、アウェイクし続ける。
・両方の場合に、UEは、その送信を受信したらスリープに戻ってもよい送信を受信後、直ぐにDRX状態に戻ってもよい。もちろん、「メインの」DRXスキームが別のやり方でDRX状態を許容しないであろう場合、DRX状態にならなくてもよい。