【実施例】
【0088】
以下、物性は、次の測定方法で測定した。
【0089】
1)表面粗さ
二次元表面粗さ測定器(小坂研究所製、Surfcorder SE−3300)を用いて触針半径1μm、荷重0.7mNおよびカットオフ値80μmの条件下で測定し、フィルム断面の曲線からその中心線方向に基準長さ1.5mmの部分を選択して計5回の測定を行った後、その平均値を算出し、中心線をx軸、垂直方向をy軸とし、粗さ曲線をy=f(x)と示したとき、下記の式で計算した。
【0090】
表面粗さ(Ra)=(1/L)∫f(x)dx
【0091】
2)表面エネルギー
接触角測定器を用いて表面エネルギーを測定し、純粋およびジヨードメタンを用いて接触角を測定した後、オーエンス−ウェンツ(Owens−Wendt)法で表面エネルギーを求める。値は、10回測定した後、平均値を取る。
【0092】
3)転写性
中間層上に転写層としてトリス(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム(Alq3)を500Åコーティングした後、1064nm波長のNd YAGレーザを用いて100〜130Wのエネルギー範囲で転写を行った。
【0093】
転写後、転写された外観がレーザを照射した部分と一致する場合:○
転写後、転写された外観がレーザを照射した部分と一部一致する場合:△
レーザを照射した部分で転写が行われなかった場合:×
【0094】
4)ブロッキング性
製造された10個のサンプルを重ねて200gf/cm
2の荷重を印加した後、40℃のオーブンで3日間放置してブロッキングが発生したか否かを判断する。
【0095】
−ブロッキングが発生した場合:×
−ブロッキングが一部発生した場合:△
−発生しなかった場合:○
【0096】
5)形状追従性
中間層上に転写層としてトリス(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム(Alq3)を500Åコーティングした後、1064nm波長のNd YAGレーザを用いて100〜130Wのエネルギー範囲で転写を行った。転写幅は10μmであり、アクセプタの深さは0.2μmである。
【0097】
転写後、転写された形状でアクセプタの形状がはっきりと現れた場合:○
転写後、転写された形状でアクセプタの形状が現れなかった場合:×
【0098】
6)鉛筆硬度測定
PET100μmの基材上に乾燥およびUV硬化を行った後、コーティングの厚さが5μmになるようにコーティング層を形成する。これを用いて、JIS K5400方法に準じて鉛筆硬度を測定する。
【0099】
[実施例1]
光熱変換層製造用組成物(A−1)の製造
ポリビニルクロライドビニルアセテート共重合体(ダウケミカル社製、VMCH grade)18wt%、ポリウレタン樹脂(ルーブリゾール社製、ESTANE 5715 grade)43wt%、ポリイソシアネート(愛敬化学社製、AK 75 grade)9wt%、カーボンブラック(デグサ社製、PRINTEX L6 grade)30wt%をトルエン:メチルエチルケトン:シクロヘキサノン=1:1:1の重量比で混合した混合溶媒に固形分含量が15重量%になるように添加して光熱変換層製造用組成物を製造した。
【0100】
この際、粗液は、次のようにニーディングおよびミリングフィルタリング工程を経て製造した。
【0101】
まず、トルエン:メチルエチルケトン:シクロヘキサノン=1:1:1の重量比で混合した混合溶媒にポリビニルクロライドビニルアセテート共重合体を50℃で加温溶解して13重量%のポリビニルクロライドビニルアセテート溶液を製造した。ニーディング機に所定量のカーボンブラックを投入した後、ニーディング機を稼働させてポリビニルクロライドビニルアセテート溶液を少量ずつ投入して、1時間ニーディングを行った。
【0102】
ニーディングが終了した後、ニーディングされた溶液を1.2mmのジルコニウム粒子が80%充填されたリングミルの主なミリング容器に投入し、予め準備したトルエン:メチルエチルケトン:シクロヘキサノン=1:1:1の重量比で混合した混合溶媒を用いて50℃で加温溶解した20重量%のポリウレタン樹脂および混合溶剤(トルエン:メチルエチルケトン:シクロヘキサノン=1:1:1重量比)を添加して固形分の割合が15重量%である溶液を製造した。製造された溶液を投入した後、ミリング機内の二つの攪拌機を作動させてミリングを行った。コーティング液を混合してミリング機の内部に投入するために用いられる攪拌機は1000rpmに調整し、粒子分散作用のためにリング部に設けられた攪拌機は2000rpmに調整して6時間攪拌を行った。
【0103】
ミリングされた溶液は、2.5μm以上の粒子を濾過できるフィルタを用いてフィルタリングを行った。フィルタリングした溶液をメーヤバー#8番を用いてコーティングしてから、120℃で30秒間乾燥させた後、表面状態を顕微鏡で確認して2.5μm以上の粒子が存在しないことが確認されるとフィルタリングを終了した。フィルタリング後、硬化剤であるポリイソシアネートを投入し、1時間攪拌して光熱変換層製造用組成物を製造した。
【0104】
中間層製造用組成物(B−1)の製造
UV硬化性ウレタンアクリレート樹脂(東洋インキ社製、Lioduras LCH)にシリコン系添加剤(BYK社製、BYK−302)を全配合液に対して0.2wt%添加して
中間層製造用組成物を製造した。
【0105】
LITIドナーフィルムの製造
両面にアクリルプライマー処理が施されたPETフィルム(コーロンインダストリー(株)社製、H11F)を基材フィルムとして準備した。
【0106】
準備した基材フィルムのアクリルプライマー層の上部に光熱変換層製造用組成物(A−1)をマイクログラビアコーティング方式でコーティングした後、乾燥して光熱変換層を形成した。この際、乾燥後、塗工量が1.5g/m
2になるようにした。さらに、50℃で3日間エージングを行った。
【0107】
前記光熱変換層の上部に準備した
中間層製造用組成物(B−1)をマイクログラビアコータを用いてコーティングした後、乾燥して
中間層を形成した。この際、コーティングの厚さが2.0μmになるように調整した。
【0108】
製造したフィルムの物性を測定して、下記表1に示した。
【0109】
[実施例2]
中間層の厚さを3.0μmに調節したこと以外は、実施例1と同様な方法で製造した。
【0110】
製造したフィルムの物性を測定して、下記表1に示した。
【0111】
[実施例3]
光−熱変換層の乾燥後、塗工量を2.5g/m
2に調節したこと以外は、実施例1と同様な方法で製造した。
【0112】
製造したフィルムの物性を測定して、下記表1に示した。
【0113】
[実施例4]
【0114】
光−熱変換層の組成を変更したこと以外は、実施例1と同様な方法で製造した。
【0115】
光熱変換層製造用組成物(A−2)の製造
ポリビニルクロライドビニルアセテート共重合体(ダウケミカル社製、VMCH grade)16wt%、ポリウレタン樹脂(ルーブリゾール社製、ESTANE 5715 grade)37wt%、ポリイソシアネート(愛敬化学社製、AK 75 grade)7wt%、カーボンブラック(デグサ社製、PRINTEX L6 grade)40wt%をトルエン:メチルエチルケトン:シクロヘキサノン=1:1:1の重量比で混合した混合溶媒に固形分含量が15重量%になるように添加して光熱変換層製造用組成物を製造した。
【0116】
製造したフィルムの物性を測定して、下記表1に示した。
【0117】
[実施例5]
光−熱変換層の組成を変更したこと以外は、実施例1と同様な方法で製造した。
【0118】
光熱変換層製造用組成物(A−3)の製造
ポリビニルクロライドビニルアセテート共重合体(ダウケミカル社製、VMCH grade)20wt%、ポリウレタン樹脂(ルーブリゾール社製、ESTANE 5715 grade)46wt%、ポリイソシアネート(愛敬化学社製、AK 75 grade)9wt%、カーボンブラック(デグサ社製、PRINTEX L6 grade)25wt%をトルエン:メチルエチルケトン:シクロヘキサノン=1:1:1の重量比で混合した混合溶媒に固形分含量が15重量%になるように添加して光熱変換層製造用組成物を製造した。
【0119】
製造したフィルムの物性を測定して、下記表1に示した。
【0120】
[実施例6]
中間層の組成を変更したこと以外は、実施例1と同様な方法で製造した。
【0121】
中間層製造用組成物(B−2)の製造
フッ素置換されたUV硬化性ウレタンアクリレート樹脂(根上社製、KY11M−45CF)の固形分100重量部に対して、開始剤(チバ社製、IRGACURE 184)を3重量部添加して
中間層製造用組成物を製造した。
【0122】
製造したフィルムの物性を測定して、下記表1に示した。
【0123】
[実施例7]
中間層の組成を変更したこと以外は、実施例1と同様な方法で製造した。
【0124】
中間層製造用組成物(B−3)の製造
UV硬化性ウレタンアクリレート樹脂(根上社製、KY11M−45C)の固形分100重量部に対して、光開始剤(チバ社製、IRGACURE 184)を3重量部添加し、シリコン系添加剤(AMTE社製、USO−100)を3重量部添加して
中間層製造用組成物を製造した。
【0125】
製造したフィルムの物性を測定して、下記表1に示した。
【0126】
[実施例8]
中間層の組成を変更したこと以外は、実施例1と同様な方法で製造した。
【0127】
中間層製造用組成物(B−4)の製造
フッ素置換されたUV硬化性ウレタンアクリレート樹脂(根上社製、KY11M−45CF)の固形分100重量部に対して、光開始剤(チバ社製、IRGACURE 184)を3重量部添加し、シリコン系添加剤(AMTE社製、USO−100)を3重量部添加して
中間層製造用組成物を製造した。
【0128】
製造したフィルムの物性を測定して、下記表1に示した。
【0129】
[実施例9]
光熱変換層の組成を変更したこと以外は、実施例1と同様な方法で製造した。
【0130】
光熱変換層製造用組成物(A−4)の製造
ポリビニルクロライドビニルアセテート共重合体(ダウケミカル社製、VMCH grade)18wt%、ポリウレタン樹脂(ルーブリゾール社製、ESTANE 5715 grade)43wt%、ポリイソシアネート(愛敬化学社製、AK 75 grade)9wt%、カーボンブラック(デグサ社製、PRINTEX L6 grade)30wt%をトルエン:メチルエチルケトン:シクロヘキサノン=1:1:1の重量比で混合した混合溶媒に固形分含量が15重量%になるように添加して光熱変換層製造用組成物を製造した。
【0131】
この際、粗液は、次のようにニーディングおよびミリングフィルタリング工程を経て製造した。
【0132】
まず、トルエン:メチルエチルケトン:シクロヘキサノン=1:1:1の重量比で混合した混合溶媒にポリビニルクロライドビニルアセテート共重合体を50℃で加温溶解して13重量%のポリビニルクロライドビニルアセテート溶液を製造した。ニーディング機に所定量のカーボンブラックを投入した後、ニーディング機を稼働させてポリビニルクロライドビニルアセテート溶液を少量ずつ投入して、1時間ニーディングを行った。
【0133】
ニーディングが終了した後、ニーディングされた溶液を1.2mmのジルコニウム粒子が80%充填されたリングミルの主なミリング容器に投入し、予め準備したトルエン:メチルエチルケトン:シクロヘキサノン=1:1:1の重量比で混合した混合溶媒を用いて50℃で加温溶解した20重量%のポリウレタン樹脂および混合溶剤(トルエン:メチルエチルケトン:シクロヘキサノン=1:1:1重量比)を添加して固形分の割合が15重量%である溶液を製造した。製造された溶液を投入した後、ミリング機内の二つの攪拌機を作動させてミリングを行った。コーティング液を混合してミリング機の内部に投入するために用いられる攪拌機は1000rpmに調整し、粒子分散作用のためにリング部に設けられた攪拌機は2000rpmに調整して6時間攪拌を行った。
【0134】
ミリングされた溶液は3.0μm以上の粒子を濾過できるフィルタを用いてフィルタリングを行った。フィルタリングした溶液をメーヤバー#8番を用いてコーティングしてから、120℃で30秒間乾燥させた後、表面状態を顕微鏡で確認して3.0μm以上の粒子が存在しないことが確認されるとフィルタリングを終了した。フィルタリング後、硬化剤であるポリイソシアネートを投入し、1時間攪拌して光熱変換層製造用組成物を製造した。
【0135】
製造したフィルムの物性を測定して、下記表1に示した。
【0136】
[実施例10]
光−熱変換層の乾燥後、塗工量を3.5g/m
2に調節したこと以外は、実施例1と同様な方法で製造した。
【0137】
製造したフィルムの物性を測定して、下記表1に示した。
【0138】
[実施例11]
中間層の厚さを3.5μmに調節したこと以外は、実施例1と同様な方法で製造した。
【0139】
[実施例12]
中間層の厚さを4.0μmに変更したこと以外は、実施例1と同様な方法で製造した。
【0140】
製造したフィルムの物性を測定して、下記表1に示した。
【0141】
[実施例13]
中間層の厚さを0.5μmに変更したこと以外は、実施例1と同様な方法で製造した。
【0142】
製造したフィルムの物性を測定して、下記表1に示した。
【0143】
[実施例14]
光−熱変換層の乾燥後、塗工量を4.0g/m
2に変更したこと以外は、実施例1と同様な方法で製造した。
【0144】
製造したフィルムの物性を測定して、下記表1に示した。
【0145】
[実施例15]
光−熱変換層の乾燥後、塗工量を0.5g/m
2に変更したこと以外は、実施例1と同様な方法で製造した。
【0146】
製造したフィルムの物性を測定して、下記表1に示した。
【0147】
[実施例16]
光−熱変換層の組成を変更したこと以外は、実施例1と同様な方法で製造した。
【0148】
光熱変換層製造用組成物(A−5)の製造
ポリビニルクロライドビニルアセテート共重合体(ダウケミカル社製、VMCH grade)43wt%、ポリウレタン樹脂(ルーブリゾール社製、ESTANE 5715 grade)18wt%、ポリイソシアネート(愛敬化学社製、AK 75 grade)9wt%、カーボンブラック(デグサ社製、PRINTEX L6 grade)30wt%をトルエン:メチルエチルケトン:シクロヘキサノン=1:1:1の重量比で混合した混合溶媒に固形分含量が15重量%になるように添加して光熱変換層製造用組成物を製造した。
【0149】
製造したフィルムの物性を測定して、下記表1に示した。
【0150】
[実施例17]
光−熱変換層の組成を変更したこと以外は、実施例1と同様な方法で製造した。
【0151】
光熱変換層製造用組成物(A−6)の製造
ポリビニルクロライドビニルアセテート共重合体(ダウケミカル社製、VMCH grade)12wt%、ポリウレタン樹脂(ルーブリゾール社製、ESTANE 5715 grade)30wt%、ポリイソシアネート(愛敬化学社製、AK 75 grade)8wt%、カーボンブラック(デグサ社製、PRINTEX L6 grade)50wt%をトルエン:メチルエチルケトン:シクロヘキサノン=1:1:1の重量比で混合した混合溶媒に固形分含量が15重量%になるように添加して光熱変換層製造用組成物を製造した。
【0152】
製造したフィルムの物性を測定して、下記表1に示した。
【0153】
[比較例1]
プライマー処理が施されていないPETフィルムを使用したこと以外は、実施例1と同様な方法で製造した。
【0154】
製造したフィルムの物性を測定して、下記表1に示した。
【0155】
[比較例2]
中間層および光−熱変化層の組成を変更したこと以外は、実施例1と同様な方法で製造した。
【0156】
光熱変換層製造用組成物(A−7)の製造
ポリビニルクロライドビニルアセテート共重合体(ダウケミカル社製、VMCH grade)12wt%、ポリウレタン樹脂(ルーブリゾール社製、ESTANE 5715 grade)30wt%、ポリイソシアネート(愛敬化学社製、AK 75 grade)8wt%、カーボンブラック(デグサ社製、PRINTEX L6 grade)80wt%をトルエン:メチルエチルケトン:シクロヘキサノン=1:1:1の重量比で混合した混合溶媒に固形分含量が15重量%になるように添加して光熱変換層製造用組成物を製造した。
【0157】
中間層製造用組成物(B−5)の製造
UV硬化性ウレタンアクリレート樹脂(東洋インキ社製、Lioduras LCH series)を使用した。コーティングの際にメチルエチルケトン溶剤で希釈して固形分含量20重量%の溶液を製造した後、コーティングを行った。
【0158】
製造したフィルムの物性を測定して、下記表1に示した。
【0159】
【表1】
【0160】
前記表を参照すると、表面エネルギーが35mN/m以下であり、
中間層の厚さが3.5μm以下であり、光−熱変換層の乾燥後、塗工量が3.5g/m
2以下であり、カーボン含量が40重量%以下である実施例1〜11において、最も優れた形状追従性、鉛筆硬度、転写性およびブロッキング性を図ることができることが分かった。
【0161】
また、プライマー層を形成していない比較例1は、形状追従性および転写性が不良であり、比較例2は、カーボン含量が高く、表面エネルギーが調節されず、形状追従性および転写性が不良であり、ブロッキング性に劣ることが分かった。
【0162】
[実施例18]
光熱変換層製造用組成物(A−8)の製造
ポリビニルクロライドビニルアセテート共重合体(ダウケミカル社製、VMCH grade)18wt%、ポリウレタン樹脂(ルーブリゾール社製、ESTANE 5715 grade)43wt%、ポリイソシアネート(愛敬化学社製、AK 75 grade)9wt%、カーボンブラック(デグサ社製、PRINTEX L6 grade)30wt%をトルエン:メチルエチルケトン:シクロヘキサノン=1:1:1の重量比で混合した混合溶媒に固形分含量が15重量%になるように添加して光熱変換層製造用組成物を製造した。
【0163】
この際、粗液は、次のようにニーディングおよびミリングフィルタリング工程を経て製造した。
【0164】
まず、トルエン:メチルエチルケトン:シクロヘキサノン=1:1:1の重量比で混合した混合溶媒にポリビニルクロライドビニルアセテート共重合体を50℃で加温溶解して13重量%のポリビニルクロライドビニルアセテート溶液を製造した。ニーディング機に所定量のカーボンブラックを投入した後、ニーディング機を稼働させてポリビニルクロライドビニルアセテート溶液を少量ずつ投入して、1時間ニーディングを行った。
【0165】
ニーディングが終了した後、ニーディングされた溶液を1.2mmのジルコニウム粒子が80%充填されたリングミルの主なミリング容器に投入し、予め準備したトルエン:メチルエチルケトン:シクロヘキサノン=1:1:1の重量比で混合した混合溶媒を用いて50℃で加温溶解した20重量%のポリウレタン樹脂および混合溶剤(トルエン:メチルエチルケトン:シクロヘキサノン=1:1:1重量比)を添加して固形分の割合が15重量%である溶液を製造した。製造された溶液を投入した後、ミリング機内の二つの攪拌機を作動させてミリングを行った。コーティング液を混合してミリング機の内部に投入するために用いられる攪拌機は1000rpmに調整し、粒子分散作用のためにリング部に設けられた攪拌機は2000rpmに調整して6時間攪拌を行った。
【0166】
ミリングされた溶液は2.5μm以上の粒子を濾過できるフィルタを用いてフィルタリングを行った。フィルタリングした溶液をメーヤバー#8番を用いてコーティングしてから、120℃で30秒間乾燥させた後、表面状態を顕微鏡で確認して2.5μm以上の粒子が存在しないことが確認されるとフィルタリングを終了した。フィルタリング後、硬化剤であるポリイソシアネートを投入し、1時間攪拌して光熱変換層製造用組成物を製造した。
【0167】
中間層製造用組成物(B−6)の製造
UV硬化性ウレタンアクリレート樹脂(根上社製、KY−11)に開始剤(BASF社製、IRGACURE 184)をウレタンアクリレート固形分100重量部に対して3重量部添加し、反応性シリコンアクリレート系添加剤(AMTE社製、Teramer USO−100、固形分100%溶液)を全体のウレタンアクリレート固形分に対して3重量部添加して
中間層製造用組成物を製造した。
【0168】
LITIドナーフィルムの製造
両面にアクリルプライマー処理が施されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(コーロンインダストリー(株)社製、H11F)を基材フィルムとして準備した。
【0169】
準備した基材フィルムのアクリルプライマー層の上部に光熱変換層製造用組成物(A−8)をマイクログラビアコーティング方式でコーティングした後、乾燥して光熱変換層を形成した。この際、乾燥後、コーティングの厚さが2.5μmになるようにした。さらに、50℃で3日間エージングを行った。
【0170】
前記光熱変換層の上部に準備した
中間層製造用組成物(B−6)をマイクログラビアコータを用いてコーティングした後、乾燥して
中間層を形成した。この際、コーティングの厚さが2.5μmになるように調整した。
【0171】
製造したフィルムの物性を測定して、下記表2に示した。
【0172】
[実施例19]
中間層の組成が異なること以外は、実施例18と同様な方法で製造した。
【0173】
中間層製造用組成物(B−7)の製造
熱可塑性ウレタンアクリレート樹脂(大成社製、8UA−146)とUV硬化性ウレタンアクリレート樹脂(根上社製、KY−11)の固形分の割合が30:70になるように配合した。これに、開始剤(BASF社製、IRGACURE 184)をウレタンアクリレート固形分100重量部に対して3重量部添加し、反応性シリコンアクリレート系添加剤(AMTE社製、Teramer USO−100、固形分100%溶液)を全体のウレタンアクリレート固形分に対して3重量部添加して
中間層製造用組成物を製造した。
【0174】
製造したフィルムの物性を測定して、下記表2に示した。
【0175】
[実施例20]
中間層の組成が異なること以外は、実施例18と同様な方法で製造した。
【0176】
中間層製造用組成物(B−8)の製造
UV硬化性ウレタンアクリレート樹脂(根上社製、
KY11)に開始剤(BASF社製、IRGACURE 184)をウレタンアクリレート固形分100重量部に対して3重量部添加し、反応性シリコンアクリレート系添加剤(AMTE社製、Teramer USO−100、固形分100%溶液)を全体のウレタンアクリレート固形分に対して3重量部添加して
中間層製造用組成物を製造した。
【0177】
製造したフィルムの物性を測定して、下記表2に示した。
【0178】
[比較例3]
中間層の組成が異なること以外は、実施例18と同様な方法で製造した。
【0179】
中間層製造用組成物(B−9)の製造
UV硬化性ウレタンアクリレート樹脂(根上社製、UN−906)に開始剤(BASF社製、IRGACURE 184)をウレタンアクリレート固形分に対して3重量部添加し、反応性シリコンアクリレート系添加剤(AMTE社製、Teramer USO−100、固形分100%溶液)を全体のウレタンアクリレート固形分に対して3重量部添加して
中間層製造用組成物を製造した。
【0180】
製造したフィルムの物性を測定して、下記表2に示した。
【0181】
[比較例4]
中間層の組成が異なること以外は、実施例18と同様な方法で製造した。
【0182】
中間層製造用組成物(B−
10)の製造
UV硬化性ウレタンアクリレート樹脂(根上社製、UN908)に開始剤(BASF社製、IRGACURE 184)をウレタンアクリレート固形分に対して3重量部添加し、反応性シリコンアクリレート系添加剤(AMTE社製、Teramer USO−100、固形分100%溶液)を全体のウレタンアクリレート固形分に対して3重量部添加して
中間層製造用組成物を製造した。
【0183】
製造したフィルムの物性を測定して、下記表2に示した。
【0184】
【表2】
【0185】
前記表を参照すると、本発明に係るフィルムは、
中間層の鉛筆硬度がH以下であり、これにより、本発明のドナーフィルムをレーザ転写に適用すると、コーティング外観に優れ、転写性に優れることが分かった。
【0186】
しかし、
中間層の鉛筆硬度が高い比較例3および比較例4は、形状追従性が不良であることが分かった。
【0187】
したがって、
中間層の鉛筆硬度が形状追従性に影響を及ぼすことが分かり、好ましくは、1H以下の範囲で優れた形状追従性を発現することが分かった。