(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
読み書き可能なICチップとの間で決済に関する情報を非接触状態で通信可能な加盟店端末と、端末管理装置と、携帯端末とを有し、前記加盟店端末を設置する端末設置システムであって、
前記端末管理装置は、
前記加盟店端末を設置する店舗毎に、前記加盟店端末に設定する端末情報を記憶する記憶部と、
外部からの入力を受けて指定された店舗の前記端末情報を前記携帯端末に送信する端末情報送信部と、
前記携帯端末から、前記指定された店舗に設置された前記加盟店端末が記憶している前記加盟店端末の識別情報を受信する識別情報受信部と
前記識別情報受信部により受信された前記加盟店端末の識別情報を、前記加盟店端末を設置する店舗に対応付けて前記記憶部に登録させる制御部と
を備え、
前記携帯端末は、
前記端末管理装置から前記端末情報を受信する端末情報受信部と、
前記加盟店端末と無線通信する非接触通信部と、
前記非接触通信部を介して前記加盟店端末から、前記加盟店端末の識別情報を取得する識別情報受信部と、
前記端末情報受信部により受信された前記端末情報を、前記非接触通信部から前記加盟店端末に送信する端末情報送信部と、
前記識別情報受信部により受信された前記加盟店端末の識別情報を、前記端末管理装置に送信する識別情報送信部と
を備え、
前記加盟店端末は、
通信可能な領域内に近づけられた前記携帯端末と無線通信する非接触通信部と、
前記非接触通信部を介して前記携帯端末から、前記端末情報を受信する端末情報受信部と、
記憶している前記加盟店端末の識別情報を、前記非接触通信部から前記携帯端末に送信する識別情報送信部と、
前記端末情報受信部により受信された前記端末情報を記憶する記憶部と、
を備えることを特徴とする端末設置システム。
前記端末管理装置の前記制御部は、前記識別情報受信部により受信された識別情報が、所定のデータ構造を有する場合に、当該識別情報を、前記加盟店端末を設置する店舗に対応付けて前記記憶部に登録させる
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の端末設置システム。
読み書き可能なICチップとの間で決済に関する情報を非接触状態で通信可能な加盟店端末と、前記加盟店端末を設置する店舗毎に、前記加盟店端末に設定する端末情報を記憶する記憶部を備える端末管理装置と、携帯端末とを有し、前記加盟店端末を設置する端末設置システムにおける端末設置方法であって、
前記端末管理装置が、外部からの入力を受けて指定された店舗の前記端末情報を前記携帯端末に送信するステップと、
前記携帯端末が、前記端末管理装置から前記端末情報を受信するステップと、
前記携帯端末が、前記加盟店端末と無線通信する非接触通信部を介して、前記加盟店端末から、前記加盟店端末の識別情報を取得するステップと、
前記加盟店端末が、記憶している前記加盟店端末の識別情報を、前記非接触通信部から前記携帯端末に送信するステップと、
前記携帯端末が、受信した前記端末情報を、前記非接触通信部から前記加盟店端末に送信するステップと、
前記加盟店端末が、前記非接触通信部を介して前記携帯端末から、前記端末情報を受信するステップと、
前記加盟店端末が、受信した前記端末情報を記憶するステップと、
前記携帯端末が、受信した前記加盟店端末の識別情報を、前記端末管理装置に送信するステップと、
前記端末管理装置が、前記携帯端末から、前記指定された店舗に設置された前記加盟店端末が記憶している前記加盟店端末の識別情報を受信するステップと、
前記端末管理装置が、受信した前記加盟店端末の識別情報を、前記加盟店端末を設置する店舗に対応付けて前記記憶部に登録させるステップと、
を有することを特徴とする端末設置方法。
【背景技術】
【0002】
現在、携帯電話や非接触型ICカード等へ電子マネーの情報を記憶させ、リーダライタ装置にICカードや携帯電話をかざすことによって、電子決済を行う仕組みが利用されている。
図14は、リーダライタ装置を備える加盟店端末を店舗に設置する際の手順の一例を示す説明図である。
まず、店舗(加盟店)901と電子マネー会社またはカード会社とが契約を結ぶ(ステップS1001)。以下、電子マネー会社またはカード会社を総称して契約会社904と称す。
契約が締結されると、契約会社904が、電子マネーを決済する決済センター及び加盟店端末907を管理する端末管理センターに設置情報を送信する(ステップS1002)。以下、決済センター及び端末管理センターを総称してセンター903と称す。
センター903は、加盟店端末に設定すべき情報である端末設定情報を、加盟店端末を製造する端末メーカー905に送信する(ステップS1003)。また、センター903は、設置する場所等の情報である加盟店設置情報を、加盟店端末を設置する設置業者906に送信する(ステップS1004)。
一方、端末メーカー905は、在庫の加盟店端末907に端末設定情報を設定し、設定した加盟店端末907を設置業者906に送る(ステップS1005)。そして、設置業者906は、端末設定情報の設定された加盟店端末907を店舗901に持って行き、設置する(ステップS1006)。これにより、店舗901に設置された加盟店端末907が通信網902を介してセンター903と通信可能になる(ステップS1007)。
【0003】
ここで、各加盟店端末907に設定する端末設定情報は、加盟店端末907を設置する店舗901の状況に応じて異なる。
図15及び
図16に端末設定情報の例を示す。
図15は、端末設定情報の項目「回線情報設定」のデータ例を示す。回線情報設定は、上位機器と、回線種別と、回線設定と、発信設定と、シリアル設定と、LAN(Local Area Network)設定との小項目を有し、店舗901のシステム構成及び通信環境に応じてその設定内容が異なる。
例えば、
図15(a)に示す例では、加盟店端末907は、POS(Point of sale)と接続し、POS及びPOSに接続された加盟店サーバを介して通信網902とIP(Internet Protocol)接続する。この場合、回線情報設定には、上位装置「POS」と、回線種別「シリアル経由IP」と、シリアル設定(ここではパリティ無し、8ビット、ストップビット1の例として「N81」)とが設定される。
また、
図15(b)に示す例では、加盟店端末907は、CAT(Credit Authorization Terminal)と接続し、CATを介して通信網902へISDN(Integrated Services Digital Network)により接続する。この場合、回線情報設定には、上位装置「CAT」と、回線種別「シリアル経由ISDN」と、回線設定「デジタル」と、シリアル設定(ここではパリティ偶数、8ビット、ストップビット1の例として「E81」)とが設定される。
また、
図15(c)に示す例では、加盟店端末907は、モデムにより直接通信網902へアナログ電話回線を使用して接続する。この場合、回線情報設定には、上位機器「なし」と、回線種別「モデム」と、回線設定「アナログ」と、発信設定(ここでは負荷番号として「0」が必要な例として「0発信」)とが設定される。
【0004】
図16は、端末設定情報の項目「端末管理センター接続情報」と「電子決済情報」とのデータ例を示す。この例では「電子決済情報」に「クレジットカード情報」と「電子マネー情報」との2種類がある例である。これらの項目は、電子決済の種類、並びに、決済センターと端末管理センターのシステム構成によって設定内容が異なる。以下、店舗901が、電子マネー「マネーX」を取り扱うX電子マネー会社と、電子マネー「マネーY」を取り扱うY電子マネー会社と、クレジットカードを取り扱うクレジットカード会社と契約を結んだ場合を例に説明する。
図16(a)に示す例は、決済センターと端末管理センターとが一体(以下、総称してAセンターとする)のシステム構成である。ここでいう一体とは、接続先の入り口が同一であることである。この場合、端末管理センター接続情報と、クレジットカード情報と、電子マネー情報とには、Aセンターに関する情報が設定される。これにより、加盟店端末907は、店舗901にて電子マネーやクレジットカード等により決済が行われると、決済に関する情報をAセンターに送信する。
一方、
図16(b)に示す例は、決済センター(以下、Bセンターとする)と端末管理センター(以下、Cセンターとする)とが分離したシステム構成である。この場合、端末管理センター接続情報にはCセンターに関する情報が設定され、クレジットカード情報と電子マネー情報にはBセンターに関する情報が設定される。これにより、加盟店端末907は、店舗901にて電子マネーやクレジットカード等により決済が行われると、決済に関する情報をBセンターに送信する。
【0005】
このように、加盟店端末907が設置される店舗901の状況に応じて各加盟店端末907に設定する情報は異なる。また、端末設定情報の項目数は多く複雑である。このため、加盟店店舗において実際に加盟店端末907を設置・設定する際に誤設定が生じやすく、したがって、店舗の従業員や設置業者が加盟店端末907を設定することは困難であった。
そこで、特許文献1に記載された技術を用いて設置を容易にすることが考えられる。特許文献1には、設置用識別番号が書き込まれた端末設置カードと、新規の加盟店端末が加盟店に送付された後に、端末設置カードに書き込まれた設置用識別番号を新規の加盟店端末が読み取り、読み取った設置用識別番号に対応する端末情報データ及びDLL(Down Line Loading)データ(端末設定情報に対応する情報)をサーバから取得して記憶するシステムが記載されている。これにより、端末設置カードを読み取らせるだけで加盟店端末に必要な情報を設定することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
【0018】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態による端末設置システムの機能の構成を示すブロック図である。
端末設置システムは、店舗(加盟店)に新規の加盟店端末3を設置するためのシステムであり、端末管理装置1と、携帯端末2と、新規の加盟店端末3とを含んで構成される。
加盟店端末3は、非接触ICカードのリーダライタを備え、電子マネーやクレジットカード等により電子決済するための端末である。非接触ICカードのリーダライタは、通信可能な領域内に近づけられた読み書き可能なICチップとの間でデータ(決済に関する情報)を非接触状態で無線通信する。
端末管理装置1は、加盟店端末3を管理するサーバ装置である。
携帯端末2は、非接触通信によって加盟店端末3のリーダライタと通信を行い、各種処理を行う非接触ICメディアを備える、例えば携帯電話機やPHS(Personal Handy−phone System)、スマートフォン等の端末装置である。
端末管理装置1と携帯端末2とは公衆無線回線等(たとえば携帯通信網5)を介して通信を行う。携帯通信網5は、通信業者が提供するセキュアな通信網とインターネットとを含むネットワークである。また、端末管理装置1と加盟店端末3とは、公衆回線等の通信網4を介して通信を行う。なお、近年では端末管理装置1と加盟店端末3との間の通信網4にインターネット網を使用することも可能になっている。
【0019】
端末管理装置1は、管理用DB(データベース)101と、設置情報送信部102と、識別情報受信部103と、運用情報送信部104と、通信部105と、認証部106と、入力部109と、情報入出力I/F110と、制御部111とを含んで構成される。
管理用DB(記憶部)101は、各店舗の端末設置情報データと、端末運用設定情報データとを含む管理データを記憶する。端末設置情報データは、加盟店端末3が端末管理装置1との接続を確立するために必要なデータであり、例えば、回線に関する情報や端末管理装置1との接続情報などが含まれる。また、端末運用設定情報データは、加盟店端末3を運用するために必要な加盟店と契約会社との間の契約に関わる情報を含んだデータであり、例えば、取り扱う決済の種類毎の接続情報や認証情報などが含まれる。端末設置情報データと端末運用設定情報データとが、加盟店端末3に設定する端末情報である。詳細は
図3及び
図4を用いて後述する。
【0020】
制御部111は、端末管理装置1の各機能部を統括して制御する。
入力部109は、店舗の管理データの入力を受け付け、入力された管理データを管理用DB101に書き込む。また、入力部109は、加盟店端末3を設定する店舗の指定を受け付ける。
情報入出力I/F110は、外部の記憶媒体を読み書きするためのインタフェースである。制御部111は、この情報入出力I/Fに接続された記憶媒体から管理データを読み込み、読み込んだ管理データを管理用DB101に書き込む。
設置情報送信部102は、入力部109により指定された店舗の端末設置情報データを管理用DB101から読み出し、読み出した端末設置情報データと店舗の識別情報(加盟店識別番号)とを携帯端末2に送信する。或いは、設置情報送信部102は、新たに店舗のデータが管理用DB101に追加されると、自動的に追加された店舗の端末設置情報データを携帯端末2に送信してもよい。
識別情報受信部103は、加盟店端末3の識別情報(端末ID)と加盟店識別番号とを携帯端末2から受信し、受信した端末IDを受信した加盟店識別番号に対応付けて管理用DB101に書き込む。
運用情報送信部104は、加盟店端末3から端末IDを含む端末運用設定情報データの要求を受信すると、対応する端末運用設定情報データを管理用DB101から読み出し、読み出した端末運用設定情報データを加盟店端末3に送信する。
通信部105は、通信網4及び携帯通信網5に接続するためのインタフェースである。
認証部106は、端末管理装置1に接続する携帯端末2及び加盟店端末3の認証を行う。
【0021】
携帯端末2は、無線通信部201と、設置情報受信部202と、記憶部203と、設置情報送信部204と、非接触IC通信部205と、識別情報受信部206と、識別情報送信部207と、入力部208と、制御部209と、暗号処理部210とを含んで構成される。
制御部209は、携帯端末2の各機能部を統括して制御する。
暗号処理部210は、後述する暗号鍵等を用いて、送信する情報の暗号化処理を実施する。また、暗号処理部210は、後述する暗号鍵等を用いて、受信した情報の復号化処理を実施する。
無線通信部201は、携帯通信網5に接続するためのインタフェースである。設置情報受信部202は、端末管理装置1から端末設置情報データと加盟店識別番号とを受信し、受信した端末設置情報データと加盟店識別番号とを対応付けて記憶部203に書き込む。
記憶部203は、設置情報受信部202により受信された端末設置情報データと加盟店識別番号とを記憶する。
入力部208は、加盟店端末3を設定する店舗の指定を受け付ける。
設置情報送信部204は、入力部208により指定された店舗の端末設置情報データを記憶部203から読み出し、読み出した端末設置情報データを非接触IC通信部205から加盟店端末3に送信する。或いは、設置情報送信部204は、受信時刻の最も遅い端末設置情報データが、設置すべき加盟店端末3のためのデータであると判断して送信してもよい。
非接触IC通信部205は、電波により非接触で加盟店端末3のリーダライタとデータの近距離無線通信を行うインタフェースである。
識別情報受信部206は、非接触IC通信部205を介して加盟店端末3から端末IDを受信する。
識別情報送信部207は、加盟店端末3から受信した端末IDを、設置情報送信部204が送信した端末設置情報データの加盟店識別番号と対応付けて端末管理装置1に送信する。
【0022】
加盟店端末3は、非接触IC通信部301と、設置情報受信部302と、記憶部303と、識別情報送信部304と、要求送信部305と、運用情報受信部306と、通信部307と、制御部308と、暗号処理部309とを含んで構成される。
制御部209は、加盟店端末3の各機能部を統括して制御する。
暗号処理部309は、後述する暗号鍵等を用いて、送信する情報の暗号化処理を実施する。また、暗号処理部309は、後述する暗号鍵等を用いて、受信した情報の復号化処理を実施する。
非接触IC通信部301は、通信可能な領域内に近づけられた携帯端末2の非接触IC通信部205と非接触でデータの近距離無線通信を行うための非接触型のリーダライタである。
設置情報受信部302は、非接触IC通信部301を介して携帯端末2から端末設置情報データを受信し、受信した端末設置情報データを記憶部303に書き込む。
記憶部303は、端末IDを記憶する端末ID記憶部と、端末設置情報データを記憶する設置情報記憶部と、端末運用設定情報データを記憶する運用情報記憶部とを有する。
要求送信部305は、記憶部303に記憶されている端末設置情報データに基づいて、端末運用設定情報データを要求する運用データ要求を端末管理装置1に送信する。運用データ要求には自端末の端末IDが含まれる。
運用情報受信部306は、端末管理装置1から端末運用設定情報データを受信し、受信した端末運用設定情報データを記憶部303に書き込む。通信部307は、通信網4に接続するためのインタフェースである。
加盟店端末3は、記憶部303に記憶している端末運用設定情報データに基づいて、電子決済を実行する。
【0023】
図2は、本実施形態による端末管理装置1が備える管理用DB101が記憶する管理データのデータ構成及びデータ例を示す概略図である。
管理データは、識別番号によりリスト化されたデータであり、この例では加盟店識別番号と、加盟店IDと、端末IDと、端末設置情報データと、端末運用設定情報データと、鍵配信情報と、ネガ配信情報と、その他情報との各項目のデータを有している。
加盟店識別番号は、加盟店端末3を設置する店舗(加盟店)の企業の識別情報である。加盟店IDは、加盟店端末3を設置する店舗(加盟店)の識別情報である。端末IDは、加盟店端末3の識別情報である。端末設置情報データは、各加盟店端末3が端末管理装置1に接続するための情報である。端末運用設定情報データは、各加盟店端末3を運用するための情報である。鍵配信情報は、暗号鍵等、通信の際に情報を秘匿するために用いる情報である。ネガ配信情報は、使用不可能なカードの一覧を示した情報(ネガデータ)である。
【0024】
図3は、本実施形態による端末設置情報データのデータ構造及びデータ例を示す概略図である。
端末設置情報データは、各加盟店端末3に設定される情報であり、加盟店識別番号と、回線情報設定と、端末管理センター接続情報との各項目を有している。
回線情報設定は、加盟店端末3が設置される店舗のシステム構成及び通信環境を示すデータであり、上位機器と、回線種別と、回線設定と、発信設定と、シリアル設定と、LAN設定との各小項目を有する。また、回線設定、発信設定、シリアル設定、LAN設定は、回線種別に対応して設定されている。例えば、回線種別「公衆アナログ回線」である場合には、発信設定に「0発信」等の回線付加番号の有無が必要となる。また、回線種別「シリアル通信」である場合には、シリアル設定にビット長やストップビットの指定が必要となる。また、回線種別「LAN」である場合には、例えば回線設定にDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)の使用不使用の選択等が必要になる。
上位機器は、POSやCAT等、加盟店端末3が接続する機器である。回線種別は、内蔵やモデム、シリアル、LAN等、通信網4に接続する回線の種別である。回線設定は、デジタルやアナログ、DHCP等、通信網4に接続する回線の設定である。発信設定は、通信網4に接続するための発信番号の設定である。シリアル設定は、上位機器と接続するシリアルの通信速度やパリティ等の設定である。LAN設定は、上位機器と接続するLANのIPやネットマスク、ゲートウェイ等の設定である。
端末管理センター接続情報は、端末管理装置1に接続するための情報であり、接続用電話番号と、接続用サーバ情報と、認証情報との各小項目を有する。接続用電話番号は、端末管理装置1に接続するための電話番号である。接続用サーバ情報は、IPアドレス等、端末管理装置1に接続するためのアドレスである。認証情報は、認証方法及びIDやパスワード等、端末管理装置1に接続するための認証情報である。なお、認証情報に、加盟店を識別する情報などを含ませることで、実際の認証時に、どの加盟店に設置される加盟店端末3から(または、どの加盟店に加盟店端末3を設置しようとしている携帯端末2から)の認証要求であるのかを、端末管理装置1が認識できるようにしてもよい。
各加盟店端末3は、この情報を携帯端末2から取得することで端末管理装置1への通信が可能となり、これにより、端末管理装置1から、端末運用設定情報データなどの加盟店端末3として必要な情報を取得することが可能となる。
【0025】
図4は、本実施形態による端末運用設定情報データのデータ構造及びデータ例を示す概略図である。
端末運用設定情報データは、各加盟店端末3が端末設置情報データに基づき端末管理装置1に接続して取得し、各加盟店端末3に設定される情報であり、加盟店識別番号と、運用開始日と、運用フラグと、クレジットカード情報と、電子マネー情報と、同期時刻情報との各項目を有している。
運用開始日は、加盟店端末3の運用を開始する年月日及び時間である。運用フラグは、加盟店端末3が運用をしているか否かを示すフラグである。
【0026】
クレジットカード情報は、加盟店端末3が取り扱うクレジットカードに関する情報であり、各クレジットカードの設置カード会社情報を有する。設置カード会社情報は、クレジットカードを決済するための情報であり、カードセンターサーバと、認証情報と、印刷情報との各小項目を有する。カードセンターサーバは、クレジットカードを決済するカードセンター(サーバ装置)のIPアドレスである。認証情報は、IDやパスワード等、クレジットカードを決済するための認証情報である。印刷情報は、出力するレシートに印刷する情報である。
【0027】
電子マネー情報は、加盟店端末3が取り扱う電子マネーに関する情報であり、各電子マネーの金種情報を有する。金種情報は、電子マネーを決済するための情報であり、電子マネーセンターと、鍵情報と、ネガ情報と、認証情報と、印刷情報との各小項目を有する。電子マネーセンターは、電子マネーを決済する電子マネーセンター(サーバ装置)のIPアドレスである。鍵情報は、暗号鍵等、電子マネーセンターとの通信の際に情報を秘匿するために用いる情報である。ネガ情報は、使用不可能なカードの一覧を示した情報(ネガデータ)である。認証情報は、IDやパスワード等、電子マネーを決済するための認証情報である。印刷情報は、出力するレシートに印刷する情報である。
時刻同期情報は、クレジットカード情報及び電子マネー情報をカードセンター及び電子マネーセンターと同期する時刻である。
【0028】
次に、
図5及び
図6を参照して、加盟店端末3を設置する手順の概要について説明する。
図5及び
図6は、本実施形態による加盟店端末3の設置手順を示す説明図である。
加盟店端末3は、電子決済に必要な情報や電子決済の結果を決済電文として決済センター(電子マネーセンターまたはカードセンター)に送信する。ここで、決済電文は、端末IDと決済に関する情報(例えば、決済金額や決済時間、内容等)とを含むデータである。一方、決済センターでは、加盟店毎に資金決済に関する情報を管理している。したがって、加盟店端末3を運用するためには、端末IDと加盟店識別番号とが紐付いている必要がある。このため、本実施形態による端末設置システムでは、端末IDと加盟店識別番号とを紐付けしてから、加盟店端末3を設定する。
【0029】
まず、店舗(加盟店)6と、電子マネー会社及びクレジットカード会社(以下、契約会社7と称する)とが契約を結ぶ(ステップS101)。
契約が結ばれると、契約会社7に設置された端末により設置情報が生成され、端末管理装置1はその情報を取得する(ステップS102)。なお、取得方法としては、通信網を介してまたは記憶媒体を介して電子的に取得する、或いは、印字物などの非電子的な情報に基づき入力部109が操作されることで電子的に取得する、といった方法がある。また、設置情報とは、店舗4に関する情報(住所や、システム構成、通信環境等)及び店舗4が取り扱う電子マネーやクレジットカードの種類等、加盟店端末3を設置するために必要な情報である。これらの情報の一部は、端末運用設定情報データにも含まれる情報である。
端末管理装置1は、設置情報を受信すると、受信した設置情報(管理データ)を管理用DB101に記憶する。このとき記憶した管理データの端末IDは空欄である。そして、端末管理装置1は、管理用DB101の情報に基づき端末設置情報データを作成し、設置業者の持つ携帯端末2に端末設置情報データを送信する(ステップS103)。なお、端末管理装置1は、加盟店端末3を設置する店舗6へのアクセス情報により、どの設置業者に端末設置情報データを送信するかを分配する仕組みを備えてもよい。
【0030】
設置業者は、未設定の加盟店端末3と携帯端末2とを持って加盟店6に行き、加盟店端末3を設置する。そして、設置業者は、設置した加盟店端末3に携帯端末2をかざす(加盟店端末3の非接触IC通信部301の近傍に携帯端末2の非接触IC通信部205近傍を近づける)。これにより、加盟店端末3と携帯端末2とが非接触通信を行う(ステップS104)。このとき、加盟店端末3は、自身の端末IDを携帯端末2に送信する。端末IDは、予め各加盟店端末3に設定されている。また、携帯端末2は、端末IDの取得後に、端末管理装置1から受信した端末設置情報データを加盟店端末3に送信する。加盟店端末3は、端末設置情報データを受信すると、受信した端末設置情報データを記憶する。
【0031】
次に、設置業者は、携帯端末2を操作して、設置した加盟店端末3を端末管理装置1に登録するため、携帯端末2に登録通信をさせる(ステップS105)。具体的には、携帯端末2は、端末設置情報データに含まれる加盟店識別番号と、加盟店端末3から受信した端末IDとを端末管理装置1に送信する。端末管理装置1は、加盟店識別番号と端末IDとを受信すると、受信した加盟店識別番号に対応付けて受信した端末IDを管理用DB101に書き込む。これにより、端末IDと加盟店識別番号とが管理用DB101において紐付けされる。
【0032】
次に、設置業者は、加盟店端末3に設置されたボタンを押下する。これにより、加盟店端末3は、端末設置情報データに基づいて端末管理装置1と初回通信と呼ばれる初期設定を実施するための通信を行う(ステップS106)。このとき、加盟店端末3は、端末運用設定情報データを端末管理装置1に要求する。端末管理装置1は、要求元の加盟店端末3の端末運用設定情報データを加盟店端末3に送信する。加盟店端末3は、端末運用設定情報データを受信すると、受信した端末運用設定情報データを記憶する。これにより、加盟店端末3は、必要な設定が全て完了し、電子マネー及びクレジットカードの決済が可能になる。
【0033】
なお、上述した例では、設置業者が携帯端末2を操作して登録通信を行っているが、携帯端末2がステップS104において端末IDを受信したことを契機に自動で登録通信を行うようにしてもよい。これにより、設置作業者による操作の簡素化と、登録通信やそれに伴う各種処理の迅速化を図ることができる。
【0034】
また、複数の加盟店端末3を同時期に設置する場合には、ステップS104において、携帯端末2は、端末IDを取得する毎に、取得した端末IDと加盟店識別番号とを関連付けて携帯端末2内に一時的に記憶しておき、何台分かの情報を記憶した後にステップS105において、それらをまとめて端末管理装置1に送信することで登録通信を行うようにしてもよい。これにより、1回の通信でまとめて登録通信を完了することができる。
【0035】
また、ステップS105における携帯端末2からの登録通信に際し、登録を行う加盟店端末3に関する情報(送信情報の一部や設置した加盟店端末3の台数に関する情報など)や、登録通信の状況(通信成功や失敗など)を、携帯端末2の図示しない表示部に表示させてもよい。これにより、設置作業者は、店舗に設置すべき加盟店端末3の登録に関する状況を、設置中に設置場所で詳細に把握することができ、登録失敗などへの対処も迅速に行うことが可能となる。
【0036】
また、本実施形態では、端末管理装置1は、ステップS103において端末設置情報データのみを携帯端末2に送信しているが、端末設置情報データと端末運用設定情報データとの両方を携帯端末2に送信してもよい。この場合、携帯端末2は、加盟店端末3との1回の非接触通信により端末設置情報データと端末運用設定情報データとの両方を加盟店端末3に送信する。これにより、設置業者は、携帯端末2を加盟店端末3に1回かざすだけで、加盟店端末3を運用可能な状態に設定することができる。
なお、この場合でも、加盟店端末3に端末管理装置1への初回通信を行わせ、端末管理装置1に、加盟店端末3の端末IDなどに基づき加盟店端末3が適切な端末であることを確認させた後に、加盟店端末3に運用を開始させるようにすると、設置に対する信頼性を向上させることができる。
【0037】
また、端末管理装置1と携帯端末2との間のデータの送受信は、電子メールや専用のアプリケーション、ウェブサイト等、いずれの方法で行ってもよい。専用のアプリケーションやウェブサイトの場合、設置方法のガイダンス等を携帯端末2に表示してもよい。これにより、設置業者は携帯端末2を見ながら設置をすることができるため、誤操作を防ぐことができる。
【0038】
また、携帯端末2は、設置操作の途中で、加盟店端末3の状態と操作履歴とを端末管理装置1に送信できるようにしてもよい。この場合、携帯端末2は、加盟店端末3からその状態(設定済または未設定等)を、例えば、非接触通信によって取得可能であるものとする。また、携帯端末2は、設置操作の操作履歴を逐次記憶しているものとする。端末管理装置1は、携帯端末2から受信した加盟店端末3の状態と操作履歴に基づいて、次の操作指示を携帯端末2に送信して表示させる。これにより、設置業者は、携帯端末2に表示された操作指示に基づいて操作を行うことができるため、設置操作に不慣れな設置業者であっても簡単に設置することができる。
【0039】
また、端末管理装置1は、登録通信が実施可能な期間や初回通信が実施可能な期間などを、適宜、設定するようにしてもよい。例えば、登録通信の実施可能な期間として、予め設定された端末設置予定日の終日、初回通信可能な期間として、登録通信実施後1時間以内などと設定してもよい。そして、ステップS105の登録通信時、ステップS106の初回通信時などにおいて、加盟店識別番号に基づいて設置期間が過ぎているか否かを判定し、設置期間が過ぎている場合には設置を禁止するようにしてもよい。具体的には、端末管理装置1は、設置期間が過ぎている場合には携帯端末2に設置操作を中止するメッセージを送信する。或いは、端末管理装置1は、設置期間が過ぎている場合には端末運用設定情報データを加盟店端末3に送信しない。これにより、設置期間外の設置を防止することができ、例えば、悪意を持った者によって加盟店端末3が盗難され、後日、不法に設置されることなどを防止することができる。
【0040】
また、携帯端末2に位置に関する情報を取得する機能を持たせることで、ステップS104での非接触通信時に、非接触通信を行った位置に関する情報を記憶させ、ステップS105での登録通信時に、記憶しておいた位置に関する情報を端末管理装置1に送信させるようにしてもよい。または、加盟店端末3に位置に関する情報を取得する機能を持たせることで、ステップS106での初回通信時に、初回通信を行った位置に関する情報を端末管理装置1に送信させるようにしてもよい。端末管理装置1は、このような位置情報を一方または両方の端末から取得することで、加盟店端末3の、実際に設置登録されたおおよその場所を認識し、管理することができる。
さらに、端末管理装置1は、契約時に提示された加盟店端末3の設置位置と、端末から送信されてきた位置情報とに大きな差がある場合には、誤設置や不法設置の可能性があるものとして、携帯端末20に対してエラー通知などの何らかのメッセージを送信して通知させることも可能である。また、加盟店端末3と携帯端末2の両方から位置情報が送信されて端末管理装置1において取得可能な場合であれば、両者の位置情報の差異を確認し、所定以上の差異がある場合にも、誤設置や不法設置の可能性があるものとして、携帯端末20に対してエラー通知などの何らかのメッセージを送信して通知させることが可能である。
【0041】
また、携帯端末2から端末管理装置1経由で、加盟店端末3のユーザインタフェース(例えば、表示の明るさや音の大きさ)を設定できるようにしてもよい。具体的には、携帯端末2は、特定の加盟店端末3についてユーザインタフェースの設定の入力を受け付け、入力された設定情報と端末IDなどを端末管理装置1に送信する。端末管理装置1は、受信した設定情報を、端末IDで特定され、初回通信が完了した加盟店端末3に(または初回通信を行う加盟店端末3に)送信する。加盟店端末3は、受信した設定情報に基づいてユーザインタフェースの設定を変更する。これにより、設置業者は、加盟店端末3を設置する環境に合わせてその場でユーザインタフェースを設定変更することができる。
また、携帯端末2は、端末管理装置1による加盟店端末3への端末設置情報データ(および端末運用設定情報データ)の送信が完了したことを確認すると、自動的に送信した端末設置情報データ(および端末運用設定情報データ)を削除してもよい。これにより、携帯端末2は、設定が完了した端末設置情報データ(および端末運用設定情報データ)を持ち続けることがないため、誤操作により設定が完了している端末設置情報データ(および端末運用設定情報データ)を他の加盟店端末3に設定することを防ぐことができる。なお、端末設置情報データ(および端末運用設定情報データ)の送信が完了したことを確認する方法としては、端末管理装置1から完了情報の受信を受ける、加盟店端末3から非接触通信により完了情報を受信する、などの方法がある。
【0042】
次に、
図5及び
図6に示す加盟店端末3を設置する手順について、各端末の動作を詳細に説明する。
図7は、本実施形態による加盟店端末3を設定する処理の動作を示すシーケンス図である。
まず、上述したステップS104において、加盟店端末3に携帯端末2がかざされ、非接触通信を行うときの動作について説明する。この時点において、携帯端末2は、既に端末管理装置1から端末設置情報データを受信し、記憶している。まず、加盟店端末3と携帯端末2とは、各々のIDや共通鍵等を交換する等により、非接触相互認証を行う(ステップS201)。
次に、携帯端末2が、非接触通信により加盟店端末3に端末IDを要求する(ステップS202)。加盟店端末3は、この要求を受けて、自身の端末IDを携帯端末2へ送信する(ステップS203)。
携帯端末2は、端末IDを受信すると、この端末IDと端末設置情報データを関連付けて記憶し、非接触通信により端末設置情報データを加盟店端末3に送信する(ステップS204)。加盟店端末3は、端末設置情報データを受信すると、受信した端末設置情報データを記憶する。そして、加盟店端末3は、端末設置情報データの設定が完了したことを、非接触通信により携帯端末2に通知する(ステップS205)。
【0043】
次に、上述したステップS105において、携帯端末2と端末管理装置1とが登録通信を行うときの動作について説明する。
まず、携帯端末2が、端末管理装置1に発呼して接続する(ステップS206)。端末管理装置1は、携帯端末2に認証要求を送信する(ステップS207)。
携帯端末2は、認証要求を受信すると、端末設置情報データに含まれる認証情報を端末管理装置1へ送信する(ステップS208)。端末管理装置1は、受信した認証情報に基づいて携帯端末2の認証を行い、携帯端末2を認証すると、認証が完了したことを通知する認証完了を携帯端末2へ送信する(ステップS209)。
携帯端末2は、認証完了を受信すると、上述したステップS203において加盟店端末3から受信して記憶した端末IDと端末設置情報データに含まれる加盟店識別番号とを端末管理装置1へ送信する(ステップS210)。
端末管理装置1は、端末IDと加盟店識別番号とを受信すると、受信した加盟店識別番号に対応付けて端末IDを管理用DB101に書き込むことにより登録する(ステップS211)。管理用DB101は、端末IDの書き込みが完了すると登録完了通知を端末管理装置1へ送信する(ステップS212)。端末管理装置1は、登録完了通知を受信すると、受信した登録完了通知を携帯端末2へ転送する(ステップS213)。これにより、店舗の加盟店識別番号とその店舗に実際に設置された加盟店端末3の端末IDとが管理用DB上で紐付けされ、管理用DBでは該当する端末IDからの初回通信に対応することが可能となる。
【0044】
なお、使用し得る端末IDのデータ構造を予め決めておけば、例えば、ステップS210において端末管理装置1が携帯端末2から端末IDを受信した際に、その端末IDが不正な端末IDであるか否かを判断し、不正でない場合にのみステップS211に進むようにすることも可能である。例えば、端末IDのデータ構造が「XXXX」のような4桁であると決まっていた場合に、端末IDとして「12345」を受信した場合、これを不正な端末IDと判断してもよい。このようにすることで、不正でない端末IDのみを管理用DBに登録させることができるため、例えば、端末設置情報データが不正な端末に記憶されてしまい、その不正な端末によって初回通信が行われても、その端末での運用開始を防止することができる。
また、ステップS207、S208、S209において、端末管理装置1は、端末設置情報データに含まれる認証情報に基づいて携帯端末2の認証を行う。そこで、認証情報に加盟店を識別する情報などを含ませておけば、端末管理装置1は、どの加盟店に加盟店端末3を設置しようとしている携帯端末2からの認証要求であるのかを認識することができる。例えば、悪意を持った者により携帯端末2が操作されて、携帯端末2が端末管理装置1に不正にアクセスをしてきた場合でも、端末管理装置1は、取得した認証情報に基づき加盟店や加盟店端末3を特定し、実際の設置状況を考慮した上で認証を実施することが可能となる。そして、例えば、設置中でない加盟店端末3の端末設置情報データを用いた認証要求を取得した場合には、端末管理装置1は、その要求を拒絶することも可能である。
このように、本実施形態の端末設置システムは、携帯端末2や加盟店端末3の不正使用に対して信頼性の高い仕組みを搭載している。
【0045】
図8は、本実施形態による端末ID登録完了時における管理データのデータ例を示す概略図である。
以下、加盟店識別番号「1」に対応する端末ID「XXXX」を登録する場合を例に説明する。上述したステップS211において、端末管理装置1は、携帯端末2から受信した端末ID「XXXX」を加盟店識別番号「1」に対応付けて管理用DB101に書き込む。これにより、図示するように、加盟店識別番号「1」に対応する端末ID「XXXX」が登録され、加盟店識別番号「1」と端末ID「XXXX」とが紐付けされる。紐付けすることにより、端末管理装置1は、端末ID「XXXX」の加盟店端末3からの通信に対して該当する端末運用設定データなどを参照することが可能となる。
【0046】
次に、
図9を参照して、上述したステップS106において、加盟店端末3が端末管理装置1と初回通信を行うときの動作について説明する。
図9は、本実施形態による加盟店端末3を設定する処理の動作を示すシーケンス図である。この時点において、加盟店端末3は、既に携帯端末2から端末設置情報データを受信し、記憶している。
まず、加盟店端末3は、携帯端末2から受信した端末設置情報データに基づいて、端末管理装置1に接続する(ステップS301)。
端末管理装置1は、加盟店端末3に認証要求を送信する(ステップS302)。加盟店端末3は、認証要求を受信すると、端末設置情報データに含まれる認証情報を端末管理装置1へ送信する(ステップS303)。端末管理装置1は、受信した認証情報に基づいて加盟店端末3の認証を行い、加盟店端末3を認証すると、認証が完了したことを通知する認証完了を加盟店端末3へ送信する(ステップS304)。加盟店端末3は、認証完了を受信すると、自身の端末IDに対応する端末運用設定情報データを要求する運用データ要求を端末管理装置1へ送信する(ステップS305)。運用データ要求には、加盟店端末3の端末IDが含まれる。
端末管理装置1は、運用データ要求を受信すると、受信した運用データ要求に含まれる端末IDに対応する端末運用設定情報データを管理用DB101から検索する(ステップS306)。管理用DB101は、検索の結果、端末IDが既に登録されていれば、検索結果の端末運用設定情報データを端末管理装置1に送信する(ステップS307)。
なお、検索の結果、端末IDが登録されていなければ、その旨の情報を加盟店端末3に送信して何らかの報知をさせるか、または、当該加盟店端末3に関する登録通信を行った携帯端末2に対して何らかのエラー情報を送信し報知をさせるようにしてもよい。これにより、予め正しく設置されて登録通信済みである加盟店端末3でなければ端末運用設定情報データを取得できないことになり、信頼性の高い端末設置性を提供することができる。
次に、端末管理装置1は、検索した端末運用設定情報データを加盟店端末3に送信する(ステップS308)。加盟店端末3は、端末運用設定情報データを受信すると、受信した端末運用設定情報データを記憶する。そして、加盟店端末3は、端末を運用するために必要なその他の情報(例えば、鍵配信情報やネガ配信情報等)を端末管理装置1に要求する(ステップS309)。
端末管理装置1は、受信した端末IDに対応するその他情報を管理用DB101から検索する(ステップS310)。管理用DB101は、検索結果のその他情報を端末管理装置1に送信する(ステップS311)。
端末管理装置1は、検索した結果のその他情報を加盟店端末3に送信する(ステップS312)。加盟店端末3は、受信したその他情報を記憶し、加盟店端末3の設定が完了したことを示す運用情報設定完了通知を端末管理装置1に送信する(ステップS313)。端末管理装置1は、運用情報設定完了通知を受信すると、運用情報設定完了通知の応答である完了を加盟店端末3に送信し、加盟店端末3との通信を終了する(ステップS314)。
【0047】
このように、本実施形態によれば、端末管理装置1が、非接触ICメディアを搭載した携帯端末2に端末設置情報データを送信し、携帯端末2が受信した端末設置情報データを加盟店端末3に送信する。これにより、設置業者が携帯端末2を加盟店端末3にかざすだけで、加盟店端末3は端末管理装置1と接続可能になる。そして、携帯端末2が加盟店端末3から取得した端末IDを端末管理装置1へ送信するため、端末管理装置1は、どの加盟店端末3がどの店舗6に設置されたのかを管理することができる。
また、端末管理装置1と接続可能となった加盟店端末3が、初回通信により端末運用設定情報データを端末管理装置1から取得するため、設置業者が端末運用設定情報データを加盟店端末3に手作業で入力する必要がない。これにより、設置業者は、加盟店端末3を店舗6に設置し、携帯端末2を加盟店端末3にかざすだけで、加盟店端末3を運用可能な状態に設定することができる。
また、加盟店端末3が運用を開始できるようになるには、加盟店端末3が端末管理装置1に対して初回通信を行って端末運用設定情報データを要求したときに、既にその端末IDが端末管理装置1において正しく登録済みでなければならない。つまり、本実施形態では、端末管理装置1に対して「携帯端末2からの登録通信」と「加盟店端末3からの初回通信」という別ルートからの2通信がその順番で実施され、且つ、端末管理装置1が、端末運用設定情報データを要求してきた加盟店端末3が適切な端末であると判断しない限り、その加盟店端末3が運用を開始することはできない仕組みとなっている。
このように、本実施形態では、端末管理装置1が、加盟店端末3の運用開始までに複数ルートでのデータ送受や処理を決まった手順で確実に実施する必要があり、その結果、信頼性の高い設置性が実現されている。さらに、端末管理装置1において行う幾つかの処理の実施時に、例えば上述したような「登録通信を行うまでの期間や初回通信を行うまでの期間設定と実際に要したる時間との比較」、「端末IDのデータ構造を予め決めておくことで、登録通信時に取得する端末IDに基づき不正端末の利用を確認」などを併せて実施することもできるため、設置の信頼性をより向上させることも可能である。
また、携帯端末2として、非接触ICメディアを搭載している一般的な携帯電話等を用いることができるため、加盟店端末3を設置するための専用機器やカード等を用意する必要がない。このため、各加盟店端末3に応じた端末設置カードを用意することなく、簡単に加盟店端末3の設定をすることができる。
【0048】
また、簡単な操作で設定を行うことができるため、加盟店端末3の誤設定等を防止することができる。また、携帯端末2から端末管理装置1に接続する際に、端末設置情報データ内の認証情報を用いた認証を行うため、加盟店端末3の不正な設置等を防止することができる。
【0049】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図10は、第2の実施形態による端末設置システムの構成を示すブロック図である。
本実施形態による端末管理装置10は、
図1に示す端末管理装置1の構成に加えて判定部17と許可送信部18とを備える。判定部17は、識別情報受信部13により受信された端末IDに基づいて、端末設置情報データの送信を許可するか否かを判定する。具体的には、判定部17は、受信した端末IDが所定のデータ構造(例えば、端末IDの上4桁の英数字等が識別用のデータを示す)と合致する場合に端末設置情報データの送信を許可し、そうでない場合に端末設置情報データの送信を許可しない。許可送信部18は、判定部17により端末設置情報データの送信を許可すると判定された場合に、端末設置情報データの送信を許可する許可通知を携帯端末20に送信する。
また、携帯端末20の設置情報送信部24は、端末管理装置10から許可通知を受信した場合にのみ、端末設置情報データを加盟店端末30に送信する。
他の構成は
図1に示す端末設置システムの構成と同様のため、説明を省略する。
【0050】
次に、
図11を参照して、加盟店端末30を設置する手順について説明する。
図11は、本実施形態による加盟店端末30の設置手順を示す説明図である。なお、端末設置情報データを携帯端末20に送信するまでの処理は上述したステップS101〜S103までの処理と同様のため説明を省略する。
【0051】
設置業者は、未設定の加盟店端末30と携帯端末20を持って加盟店60に行き、加盟店端末30を設置する。そして、設置業者は、設置した加盟店端末30に携帯端末20をかざす。これにより、加盟店端末30と携帯端末20とが非接触通信を行う(ステップS501)。このとき、加盟店端末30は、自身の端末IDを携帯端末20に送信する。
次に、携帯端末20は、端末管理装置10と登録通信を行う(ステップS502)。具体的には、まず、携帯端末20は、端末設置情報データに含まれる加盟店識別番号と、加盟店端末30から受信した端末IDとを端末管理装置10に送信する。端末管理装置10は、加盟店識別番号と端末IDとを受信すると、まず、受信した端末IDが所定のデータ構造と合致するかチェックする。そして、端末管理装置10は、受信し端末IDが所定のデータ構造と合致する場合に、携帯端末20へ許可通知を送信し、受信した加盟店識別番号に対応付けて受信した端末IDを管理用DB11に書き込む。
【0052】
携帯端末20は、許可通知を受信すると、許可通知を受信した旨、或いは、携帯端末20を加盟店端末30にかざすよう指示するメッセージ等を表示する。設置業者は、表示された内容を確認すると、加盟店端末30に携帯端末20を再度かざす。これにより、加盟店端末30と携帯端末20とが2回目の非接触通信を行う(ステップS503)。このとき、携帯端末20は、端末管理装置10から受信した端末設置情報データを加盟店端末30に送信する。加盟店端末30は、端末設置情報データを受信すると、受信した端末設置情報データを記憶する。
次に、加盟店端末30は、端末設置情報データに基づいて端末管理装置10と初回通信を行う(ステップS504)。初回通信の詳細は上述したステップS106と同様である。これにより、加盟店端末30は、必要な設定が全て完了し、電子マネー及びクレジットカードの決済が可能になる。
【0053】
図12は、本実施形態による加盟店端末30を設定する処理の動作を示すシーケンス図である。
まず、上述したステップS501において、加盟店端末30に携帯端末20がかざされ、非接触通信を行うときの動作について説明する。この時点において、携帯端末20は、既に端末管理装置10から端末設置情報データを受信し、記憶している。
まず、加盟店端末30と携帯端末20とは、各々のIDや共通鍵等を交換する等により、非接触相互認証を行う(ステップS601)。次に、携帯端末20が、非接触通信により加盟店端末30に端末IDを要求する(ステップS602)。加盟店端末30は、この要求を受けて、自身の端末IDを携帯端末20へ送信する(ステップS603)。携帯端末20は、端末IDを受信すると、この端末IDと端末設置情報データを関連付けて記憶し、非接触通信により端末設置情報データではなく、端末IDを受信したことを通知する受信完了通知を加盟店端末30に送信する(ステップS604)。加盟店端末30は、受信完了通知を受信すると、非接触通信によりその応答である完了を携帯端末20に送信し、携帯端末20との通信を終了する(ステップS605)。
【0054】
次に、上述したステップS502において、携帯端末20と端末管理装置10とが登録通信を行うときの動作について説明する。
まず、携帯端末20が、端末管理装置10に発呼して接続する(ステップS606)。端末管理装置10は、携帯端末20に認証要求を送信する(ステップS607)。携帯端末20は、認証要求を受信すると、端末設置情報データに含まれる認証情報を端末管理装置10へ送信する(ステップS608)。端末管理装置10は、受信した認証情報に基づいて携帯端末20の認証を行い、携帯端末20を認証すると、認証完了を携帯端末20へ送信する(ステップS609)。携帯端末20は、認証完了を受信すると、上述したステップS603において加盟店端末30から受信して記憶した端末IDと端末設置情報データに含まれる加盟店識別番号とを端末管理装置10へ送信する(ステップS610)。
端末管理装置10は、端末IDと加盟店識別番号とを受信すると、受信した端末IDが所定のデータ構造と合致するか否かを判定する(ステップS611)。そして、端末管理装置10は、受信した端末IDが所定のデータ構造と合致する場合に、受信した加盟店識別番号に対応付けて端末IDを管理用DB11に書き込むことにより登録する(ステップS612)。管理用DB11は、端末IDの書き込みが完了すると登録完了通知を端末管理装置10へ送信する(ステップS613)。
端末管理装置10は、登録完了通知を受信すると、許可通知を携帯端末20へ送信する(ステップS614)。これにより、店舗60(加盟店識別番号)と加盟店端末30(端末ID)とが紐付けされる。
一方、ステップS611において、端末管理装置10は、端末IDが所定のデータ構造と一致しない場合には、当該端末IDの管理用DB11への書き込みは実施せず、端末設置情報データの設定を許可しないことを端末装置20へ通知する。すなわち、端末管理装置10は、端末IDが所定のデータ構造に一致する場合にのみ、当該端末IDを管理用DB11に書き込む。端末装置20は、端末設置情報データの設定を許可しないことが通知されると、その旨を表示して設置業者に報知する。
【0055】
次に、
図13を参照して、上述したステップS503において、加盟店端末30に携帯端末20が再度かざされ、非接触通信を行うときの動作について説明する。
図13は、本実施形態による加盟店端末30を設定する処理の動作を示すシーケンス図である。
まず、加盟店端末30と携帯端末20とは、各々のIDや共通鍵等を交換する等により、非接触相互認証を行う(ステップS701)。次に、携帯端末20が、加盟店端末30に端末IDを要求する(ステップS702)。加盟店端末30は、自身の端末IDを携帯端末20へ送信する(ステップS703)。携帯端末20は、端末IDを受信すると、受信した端末IDが上述したステップS603において既に受信している端末IDと一致するか否かを判定する(ステップS704)。そして、携帯端末20は、端末IDが一致する場合にのみ、端末設置情報データを加盟店端末30に送信する(ステップS705)。
加盟店端末30は、端末設置情報データを受信すると、受信した端末設置情報データを記憶する。そして、加盟店端末30は、端末設置情報データの設定が完了したことを携帯端末20に通知する(ステップS706)。一方、ステップS704において、端末IDが一致しない場合には、携帯端末20は、端末IDが一致しない旨を表示して設置業者に報知する。
上述したステップS504において、加盟店端末30が端末管理装置10と初回通信を行うときの動作(ステップS707〜S720)は、上述したステップS301〜S314までの動作と同様であるため説明を省略する。
【0056】
なお、本実施形態において、携帯端末20は、予め端末管理装置10から端末設置情報データを取得しているが、端末設置情報データは取得せずに加盟店識別番号のみを取得しておくようにし、ステップS614において、端末管理装置10から端末設置情報データの設定を許可する通知を取得する際に一緒に端末設置情報データを取得するようにしてもよい。これにより、携帯端末20内に予め記憶する情報に端末管理装置10への接続情報といった重要な情報が含まれなくなり、携帯端末20内の情報を使用した不正の発生を抑制することができる。
【0057】
このように、本実施形態では、端末管理装置10において登録通信前に端末IDのチェックを行っているため、なりすまし等による不正な設置を防止することができる。また、設置業者が携帯端末20を加盟店端末30に2回かざすだけで、よりセキュアな、加盟店端末30の設定をすることができ、誤設定を防止することができる。
【0058】
また、
図7、
図9、
図12、
図13に示す各ステップを実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、加盟店端末3、30を設置する処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0059】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、或いは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0060】
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
例えば、上述した実施形態では、加盟店端末3(または30)を特定する端末IDを設置時も運用時も同一のものとして説明しているが、実運用時に電文に含まれる各加盟店端末3(または30)を識別するためのIDは、加盟店端末3(または30)の設置時の端末IDと別のIDを用いてもよい。
この場合、加盟店端末3(または30)は、初回通信の完了時に運用時のIDが端末管理装置1の管理用DB11(または101)上で加盟短番号と紐付けられ、各加盟店端末3(または30)の固有化を完了する。