(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5732076
(24)【登録日】2015年4月17日
(45)【発行日】2015年6月10日
(54)【発明の名称】引出し収納部
(51)【国際特許分類】
A47B 88/00 20060101AFI20150521BHJP
【FI】
A47B88/00 B
【請求項の数】14
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-551436(P2012-551436)
(86)(22)【出願日】2011年1月12日
(65)【公表番号】特表2013-518621(P2013-518621A)
(43)【公表日】2013年5月23日
(86)【国際出願番号】AT2011000011
(87)【国際公開番号】WO2011094771
(87)【国際公開日】20110811
【審査請求日】2013年11月5日
(31)【優先権主張番号】A141/2010
(32)【優先日】2010年2月3日
(33)【優先権主張国】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】597140501
【氏名又は名称】ユリウス ブルム ゲー エム ベー ハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ガセール,インゴ
【審査官】
蔵野 いづみ
(56)【参考文献】
【文献】
特開平11−056500(JP,A)
【文献】
特開平06−169824(JP,A)
【文献】
特開2004−016825(JP,A)
【文献】
欧州特許出願公開第00820712(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 88/00−88/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
家具(1)用の引出し収納部(3)であって、底部プレート(3a)と、該底部プレート(3a)に固定された少なくとも1体の収納部レール(8)とを含んでおり、該収納部レール(8)を利用することで、本引出し収納部(3)を家具枠体(2)に対して延び出させるように取り付けるために、本引出し収納部(3)は、引出し延出ガイド(4)の可動レール(7)に接続され、あるいは接続可能であり、前記収納部レール(8)は前記底面プレート(3a)の下面に当接する部分(8a、8b、8c)を有しており、該部分(8a、8b、8c)は、略Z形状または略S形状である断面を有し、且つ、該部分(8a、8b、8c)が下部水平肢部(8a)と上部水平肢部(8b)とを含んだものであり、該下部水平肢部(8a)と該上部水平肢部(8b)とは、垂直又は湾曲した脚部(8c)によって連結されており、
前記下部水平肢部(8a)は前記底部プレート(3a)の下面に当接するよう、または固定されるように構成されており、前記上部水平肢部(8b)及び前記脚部(8c)は、前記底部プレート(3a)の凹部(15)に当接あるいは凹部(15)内に固定されるように構成されており、前記脚部(8c)は、前記底部プレート(3a)の対応する長手溝部(12)内に納まる横突起部(11)を有していることを特徴とする引出し収納部。
【請求項2】
前記Z形状またはS形状の部分(8a、8b、8c)には、前記底部プレート(3a)の横縁部に当接する垂直な輪郭部分(8d)が隣接していることを特徴とする請求項1記載の引出し収納部。
【請求項3】
前記垂直な輪郭部分(8d)には、前記底部プレート(3a)の上面に垂直に当接する支持肢部(8e)が隣接していることを特徴とする請求項2記載の引出し収納部。
【請求項4】
前記収納部レール(8)は、前方端部領域と後方端部領域において、それぞれ、引出し後壁(19)および前方パネル(3b)を固定するように提供された上方に突起した取付部(16、17)を有していることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の引出し収納部。
【請求項5】
前記取付部(16、17)を備えた前記収納部レール(8)は、側面が略U形状であることを特徴とする請求項4記載の引出し収納部。
【請求項6】
前記引出し収納部(3)の側壁(10)が前記取付部(16、17)上に嵌め込まれることを特徴とする請求項4または5記載の引出し収納部。
【請求項7】
プレート形状である壁要素(20)が、前記取付部(16、17)間に挿入されていることを特徴とする請求項4から6のいずれか一項に記載の引出し収納部。
【請求項8】
前記凹部(15)は前記底部プレート(3a)の下面に提供され、該凹部(15)は、該底部プレート(3a)の全長に亘って延びていることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の引出し収納部。
【請求項9】
前記凹部(15)は前記底部プレート(3a)の横縁部と平行に延びていることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の引出し収納部。
【請求項10】
前記凹部(15)は前記底部プレート(3a)の横縁部に向かって開いていることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の引出し収納部。
【請求項11】
前記収納部レール(8)は金属材料で形成されていることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の引出し収納部。
【請求項12】
前記脚部(8c)の前記横突起部(11)は断面図において水平に延出していることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の引出し収納部。
【請求項13】
前記横突起部(11)は、前記収納部レール(8)の全長(L)に亘って延びていることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の引出し収納部。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載の引出し収納部を備えた構造物であって、引出し延出ガイド(4)の可動レール(7)に接続されており、または接続されることを特徴とする構造物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は家具の引出し収納部に関する。この引出し収納部は、底部プレートと、底部プレートに固定されている少なくとも1本の収納部レールとを含んでいる。この収納部レールによって引出し収納部は、家具枠体に対して延出可能な取り付けのための引出し延出ガイドの可動レールに接続される。収納部レールは、底部プレートの下面に当接し、断面が略Z形状または略S形状であり、下部水平肢部と上部水平肢部とを有する部分を有する。下部水平肢部と上部水平肢部は、好適には略垂直または湾曲した脚部によって連結されている。
【背景技術】
【0002】
このような収納部レールの多くは底部プレートの下面に設けられた凹部内に嵌め込まれ、引出し収納部を引出し延出ガイドの可動レールに接続させるのを助ける。この場合、引出し延出ガイドは選択的に2部材レールシステムの形態で、枠体レールが家具枠体に固定され、1本の延出レールだけがそれに対して相対的に移動するか、あるいは3部材レールシステムの形態で、追加の中央レールを枠体レールと延出レールとの間に取り付け、引出し収納部を家具枠体に対して完全に延出させるものでよい。従来方式では、底部プレートは、例えば、U断面形状の引出し側壁によって横縁部で包囲されている。この種の包囲(抱合)係合は底部プレートの上面に突合せ縁部を形成する(例えば、DE10 2008 024 673 A1)。これは邪魔で不細工な存在であると認識されることが多い。このような底部プレートの包囲係合によって引出し収納部の内側幅が減少する。さらに、従来の方式では、底部プレートがその横縁部において外れるリスクが存在する。特に、引出し収納部に相当な荷重が負荷されているときにこのリスクが存在する。
【0003】
請求項1の前段部分の技術的特徴による引出し構造は、例えば、本出願人のAT 400 999 B、DE 91 15 465 U1およびAT 403 648 Bにおいて解説されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】第AT 400 999 B号公報
【特許文献2】第DE 91 15 465 U1号公報
【特許文献3】第AT 403 648 B号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、上述の弱点を克服した上述の一般的なタイプの引出し収納部を提供することであり、特に引出しの利用可能な容積が拡大された引出し収納部を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、この目的は請求項1の特徴によって達成される。本発明のさらなる有利な形態は従属請求項において記載されている。
【0007】
本発明によれば、下部水平肢部が底部プレートの下面に当接または固定され、上部水平肢部と脚部が底部プレートに当接またはその凹部内に固定されるようになっている。
【0008】
収納部レールのこのような形態のおかげで、底部プレートの表面を下方に降下させ、延出レールの上方縁部にさらに接近するように延出させることができる。底部プレートの縁部領域を、底部プレートの安定性を損なわずに、さらに薄くすることができる。なぜなら、その弱体化は収納部レールによって補完されるからである。
【0009】
本発明の利点は、邪魔な突合せ縁部が存在しない底部プレートが、最外側縁部にまで延出することができ、特に、引出し延出ガイドのレールを完全に越えて延出することができ、引出しの利用可能な幅が増加することである。よって、底部プレートと引出し側壁との間のごとくに直角構造を提供することも可能であり、そのため、引出しフレーム構造の側壁の内側断面が膨出湾曲したワイピングエッジによって引出し内にはスペースの損失がなくなる。底部プレートに対する側壁の直角構造は、改善された収納スペース、特に立方形状の箱の収納スペースを提供する。
【0010】
収納部レールは、底部プレートの下面に当接または固定される下部水平肢部と、上部水平肢部とを有しており、これら下部水平肢部と上部水平肢部は、好適には、実質的に垂直であるか湾曲した脚部によって連結されている。
【0011】
本発明の可能な形態では、Z形状またはS形状である部分には、底部プレートの横縁部に当接する略垂直輪郭部分が隣接する。さらには、直角に突出する支持肢部が垂直輪郭部分に延出部を形成でき、その支持肢部は引出し底部の上面に当接する。収納部レールの解説された形状によって、底部プレートの横縁部が完全に包囲可能となり、液体が底部プレート内に浸透するリスク、特にチップボード材料で製造されている底部プレート内に浸透するリスクが回避される。
【0012】
本発明の可能な形態において、引出し収納部は、収納部レールと一体的に形成された少なくとも1つの側壁を有することができる。換言すれば、収納部レールと側壁は、例えば押出し成型によって製造および曲げ加工された金属シート材またはアルミシート材から一体的に形成できる。
【0013】
本発明のさらなる詳細および利点を添付の図面に沿って解説する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、引出し延出ガイドによって家具枠体に対して移動可能に取り付けられている引出し収納部を備えた家具の斜視図である。
【
図2a】
図2aと
図2bは、引出し延出ガイドに固定された引出し収納部の断面図であり、収納部レールが2つの異なる形状で図示されている。
【
図2b】
図2aと
図2bは、引出し延出ガイドに固定された引出し収納部の断面図であり、収納部レールが2つの異なる形状で図示されている。
【
図3a】
図3aは、引出し側壁と一体的に形成されている収納部レールを備えた別実施例の断面図である。
【
図3b】
図3bは、ガイドレールの上方で嵌め込まれている側壁の状態を示す本発明には従わない形態を図示する。
【
図4】
図4は、引出し収納部の部材を分解図で示す。
【
図5a】
図5aと
図5bは、収納部レールとは分離された側壁を備えた引出し収納部の断面図である。
【
図5b】
図5aと
図5bは、収納部レールとは分離された側壁を備えた引出し収納部の断面図である。
【
図6】
図6は、引出し収納部の部材を分解図で示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、家具1の斜視図であり、引出し収納部3は引出し延出ガイド4によって家具枠体2に対して移動可能に取り付けられている。図示の実施例の引出し延出ガイド4は3部材レールシステムの形態であり、家具枠体2に固定される枠体レール5と、枠体レールに対して移動可能な中央レールと、引出し収納部3に取り付けられた収納部レール(ここでは非図示)に接続される延出可能な引出しレール7とを有している。しかしながら、引出し延出ガイド4が、1本だけの延出レールを備えた2部材レールシステムの形態であっても可能である。この場合には、引出し収納部3に予め取り付けられている収納部レールは引出しレールとして機能することもでき、最大延出形態を提供する。これら引出し収納部3はそれぞれ底部プレート3aを有しており、そこに収納部レールが取り付けられる。
【0016】
図2aは、引出し延出ガイド4に取り付けられた引出し収納部3の断面図である。枠体レール4は家具枠体2の側壁に固定されており、移動可能な中央レール6と延出可能な引出しレール7が示されている。底部プレート3aには、引出し延出ガイド4の引出しレール7に解除可能に連結された収納部レール8が固定されている。図示の実施例では、引出し収納部3が押し入れられたり、引き出されたとき、収納部レール8と引出しレール7との間には相対的な動きは存在しない。収納部レール8は底部プレート3aの下面で部分的に延出し、図示の例では、底部プレート3aの横縁部の方向に開いている凹部内に嵌め込まれる。底部プレート3aの下面の段状凹部のおかげで、底部プレートをさらに下方に配置でき、底部プレート3aの上面を引出しレール7の上方縁部の上方に存在させ、あるいはほぼその高さに存在させる。収納部レール8を、固定手段9、例えばネジまたは、底部プレート3aの下面内に押し込まれる固定爪によって底部プレート3aの下面に固定することができる。収納部レール8には側壁10が接続できる。この側壁10は、輪郭内壁と輪郭外壁10とを有した中空輪郭部材の形態である。図は側壁10の非常に薄い形状を明瞭に示しており、家具枠体2に非常に接近可能な底部プレート3aの延出状態を示している。
【0017】
その下方の図面は、断面が略Z形状である収納部レール8を備えた底部プレート3aを図示する。収納部レール8にS形状断面を提供することも可能である。特に、底部プレート3aの凹部が内側湾曲形状である場合に利用できる。収納部レール8は底部プレート3aの下面に当接または固定される下部水平肢部と、底部プレート3aに当接または固定、あるいはその凹部内に固定される上部水平肢部8bとを有する。下部水平肢部8aと上部水平肢部8bは、好適には略垂直または湾曲状態の脚部8cによって連結されている。上部水平肢部8bには垂直輪郭部分8dが隣接する。これは、底部プレート3aの横縁部に当接する。垂直輪郭部分8dには、略直角に突出し、底部プレート3aの上面に当接する支持肢部8eが隣接する。しかし、この支持肢部8eは非可視である。なぜなら、その変動位置と同様に、引出し収納部3の内部の邪魔な突合せ縁部は側壁10によって覆うことが可能だからである。
【0018】
図2bは収納部レール8の別例を示す。
図2aのものとは異なり、収納部レール8の脚部8cは、断面では水平に延び、底部プレート3aの対応する長手溝12に嵌め込まれる突起部11を有する。この構造で改善された局部的な作用力配分が提供され、底部プレート3aの破損リスクも減少する。全体的に、この構造は収納部レール8に改善された剛性と、増強された安定性を提供する。この構造により、突起部11は実質的に収納部レール8の全長L(
図6)に亘って延びることができる。
【0019】
図3aは、1枚の金属シート材から収納部レール8と、引出し収納部3の側壁10を製造する可能なオプションを図示する。引出し延出ガイド4は、枠体レール5、中央レール6、および引出しレール7を備えた3部材レールシステムの形態である。収納部レール8はその下部水平肢部8aにより底部プレート3aの下面に当接し、底部プレート3aの凹部内に嵌め込まれ、底部プレート3aの横縁部を包囲する。収納部レール8は、互いに実質的平行に延びる輪郭内壁10aと輪郭外壁10bとを有した側壁10を形成する。輪郭外壁10bの下方端部はU形状溝14の形態であり、輪郭部は接続領域13で再び閉じる。この接続は、例えば、クリンチ技法等で提供できる。
【0020】
図3bは、別の知られたタイプの引出し延出ガイド4を備えた本発明にはよらない実施形態を図示する。収納部レール8は略Z形状であり、輪郭脚部8cによって連結されている相互に平行である肢部8aと8bを含んでいる。側壁10は中空溝状輪郭部材であり、引出し延出ガイド4のレール5、6および7の上に嵌め込まれており、収納部レール8に接続されている。
【0021】
図4は、引出し延出ガイド4によって移動可能に取り付けられている引出し収納部3の部材の分解図である。引出し延出ガイド4は、例えば、家具枠体2(
図1)に固定される枠体レール5と、中央レール6と、収納部レール8に接続される引出しレール7とを含んだ3部材レールシステムを含む。引出し収納部3の底部プレート3aは、好適には段状である凹部15を含む。凹部15は収納部のほぼ全長に亘って延びており、底部プレート3aの横縁に向かって開いている。凹部15は底部プレーと3aの横縁部と平行に延びる。底部プレート3aには長手溝12も提供されており、底部プレートの全長を延びる。収納部レール8はほぼ垂直な脚部8cによって連結された相互に平行である肢部8aと8bを有する。前端領域と後端領域にて収納部レール8にはそれぞれ上方に突起する取付部16と17が提供されている。これらは引出し後壁19と前面パネル3bとを固定するものである。これら2つの上方に突起する取付部を備えた収納部レール8は、側面図でU形状輪郭を形成する。保持部分18は前面パネル3bの後部に取り付けられて、前部の取付部16に連結可能である。取付部16は少なくとも1つの調節具16aを有しており、保持部18の位置(および前面パネル3bの位置)を調節可能にしている。この実施例では、プレート形状である壁要素20が前方と後方の取付部16と17の間に嵌め込まれ、キャップ形態であるカバー21aと21bで保持される。従って壁要素20は取付部16と17の間で非固定的に設置されており、引出し収納部3が家具枠体2に対して押し込まれたり、引き出されたときに作用力を伝達しない。よって壁要素20は、ガラス、石材、木材、プラスチックまたは金属の装飾挿入体の形態でよい。本発明の収納部レール8のおかげで、ガラス製の壁要素20が底部プレート3aの上縁部にまで延び、引出し収納部3のために特に魅力的な外観を提供することが可能である。金属製の側壁用キャップを取付部16と17の上に嵌め込むことも可能である。
【0022】
図5aは、引出し延出ガイド4に取り付けられた引出し収納部3の断面図である。引出し収納部3に予め取り付けられている収納部レール8は断面が略Z形状または略S形状である部分を有しており、底部プレート3aの下面に当接する肢部8aと、脚部8cと、上部水平肢部8bを備えている。これらは底部プレート3aの凹部15内に嵌め込まれている。この場合、底部プレート3aの上縁部22aは引出しレール7の上縁部22bの上方に存在するか、ほぼその高さに存在する。この実施例では、輪郭内壁10aと輪郭外壁10bとを備えた側壁10は、収納部レール8とは離れており、適当な手段によって収納部レール8に接続可能な輪郭部材の形態である。
【0023】
図5bは、引出し延出ガイド4が取り外されている
図3の引出し収納部を示す。本発明の構造は、側壁10の非常に狭い設計形状を許容する。ここでは引出し延出方向の横断方向で測定された側壁10の幅(a)と、収納部レール8の幅(B)との比は、a:B≦1:3、好適にはa:B≦1:6でよい。
【0024】
図6は、引出し収納部3の部材の分解図である。前端領域で収納部レール8は、側壁10及び/又はプレート形状である壁部20を保持する取付部16を有する。取付部16は、前方パネル3bの後面に取り付けられる保持部分18を取り付けるか調節するようにも提供されている。引出し延出方向Xの横断方向で測定した取付部16と17の幅(b)と、収納部レール8の幅B(
図5b)との比は、b:B≦1:3、好適にはb:B≦1:5でよい。装飾的な壁要素20は取付部16と17の間に挿入でき、壁要素20は、その上に嵌め込まれるカバー21aと21bによって、落下しないように固定される。あるいは、金属製の側壁10を取付部16と17上に嵌め込むことも可能である。嵌め込み状態の取付部16と17は、輪郭内壁10aと輪郭外壁10bとの間に空隙を有する。側面図では、引出しの長手方向で測定した取付部16と17の長さ(I)と、収納部8の長さ(L)との比はI:L≦1:10、好適にはI:L≦1:15でよい。
【0025】
解説した本発明構造の特定の利点は、壁要素20は(特に取付部16と17の上述した寸法比のため)、収納部レール8のほぼ全長Lに亘って延びることができる。取り付け位置では、壁要素20の下長手縁部は、底部プレート3aの上縁部22a(
図5)と同じ高さに存在できる。このように、非常に美的な外観が引出し収納部3に付与可能となる。