特許第5732085号(P5732085)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5732085
(24)【登録日】2015年4月17日
(45)【発行日】2015年6月10日
(54)【発明の名称】改良された電極を備える電気デバイス
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/8242 20060101AFI20150521BHJP
   H01L 27/108 20060101ALI20150521BHJP
   H01L 29/41 20060101ALI20150521BHJP
   H01L 29/417 20060101ALI20150521BHJP
   H01L 29/423 20060101ALI20150521BHJP
   H01L 29/49 20060101ALI20150521BHJP
   H01L 21/822 20060101ALI20150521BHJP
   H01L 27/04 20060101ALI20150521BHJP
【FI】
   H01L27/10 621C
   H01L27/10 625Z
   H01L29/44 S
   H01L29/44 P
   H01L29/50 M
   H01L29/58 G
   H01L27/04 C
【請求項の数】17
【外国語出願】
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2013-29408(P2013-29408)
(22)【出願日】2013年2月18日
(62)【分割の表示】特願2009-508595(P2009-508595)の分割
【原出願日】2007年4月30日
(65)【公開番号】特開2013-141003(P2013-141003A)
(43)【公開日】2013年7月18日
【審査請求日】2013年2月22日
(31)【優先権主張番号】06300422.0
(32)【優先日】2006年5月2日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】507219491
【氏名又は名称】エヌエックスピー ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】NXP B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100147692
【弁理士】
【氏名又は名称】下地 健一
(72)【発明者】
【氏名】ライオネル ギロー
(72)【発明者】
【氏名】フランソワ ル コルネ
(72)【発明者】
【氏名】フレディー ローゼボーム
(72)【発明者】
【氏名】ヨハン ハー クロートヴェイク
(72)【発明者】
【氏名】ダヴィド デ エール シボリー
【審査官】 外山 毅
(56)【参考文献】
【文献】 特開平03−124059(JP,A)
【文献】 特開2005−260090(JP,A)
【文献】 特開平02−001967(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0162361(US,A1)
【文献】 特開2005−159363(JP,A)
【文献】 特開2005−229097(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/8242
H01L 21/822
H01L 27/04
H01L 27/108
H01L 29/41
H01L 29/417
H01L 29/423
H01L 29/49
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1表面と前記第1表面から第1の方向に延在するピラーとを有する第1電極を備える電気素子を含む電気デバイスであって、前記ピラーは、前記第1表面から前記第1の方向に平行に測った長さを有し、前記第1の方向に直交する断面を有し、且つ前記第1の方向に広がり前記ピラーを覆う側壁表面を有する電気デバイスにおいて、
前記ピラーに向上した機械的安定性を与えるために、前記ピラーは、前記ピラーの長さの少なくとも一部分に沿って延在するへこみ部及び突部の何れか一つを備え、
前記側壁表面は、前記第1の方向に平行に延在する線に沿って互いに接合する第1領域及び第2領域を備え、前記第1及び第2領域は、互いに対して鈍角の傾斜角を形成し、
前記ピラーは3つの突部を有し、前記ピラーは、前記第1の方向に直交する三脚状の断面を有する
ことを特徴とする電気デバイス。
【請求項2】
前記側壁表面はなめらかな表面であることを特徴とする請求項1記載の電気デバイス。
【請求項3】
前記断面は対称なプロファイルであることを特徴とする請求項1記載の電気デバイス。
【請求項4】
前記断面は前記ピラーの長さに沿って一定の面積を有することを特徴とする請求項1記載の電気デバイス。
【請求項5】
前記断面は前記ピラーの全長に沿って同一の形状を有することを特徴とする請求項1記載の電気デバイス。
【請求項6】
前記ピラーは30より大きいアスペクト比を有することを特徴とする請求項1記載の電気デバイス。
【請求項7】
前記電気素子は複数のピラーを備える第1電極を含むことを特徴とする請求項1記載の電気デバイス。
【請求項8】
前記電気デバイスは同じタイプの複数の素子を備えることを特徴とする請求項1記載の電気デバイス。
【請求項9】
前記電気デバイスは半導体を含む基板を備え、前記第1電極は前記半導体の一部分であることを特徴とする請求項1記載の電気デバイス。
【請求項10】
前記電気デバイスは集積回路であり、前記素子はメモリセルであることを特徴とする請求項1記載の電気デバイス。
【請求項11】
請求項1記載の電気デバイスと少なくとも一つの集積回路とを備え、前記電気デバイスは前記少なくとも一つの集積回路に電気的に結合されていることを特徴とするアセンブリ。
【請求項12】
互いに間隔をおいた複数のピラーをさらに備え、これらのピラーは、ピラー間の自由空間が一様に分布するように整列されていることを特徴とする請求項1記載の電気デバイス。
【請求項13】
前記第1表面から前記第1の方向に平行に測った前記ピラーの長さが40μmであることを特徴とする請求項1記載の電気デバイス。
【請求項14】
前記電気素子は第2電極及び第1補助層を備え、前記第1補助層は前記第2電極を前記第1電極から分離するように配置されていることを特徴とする請求項1記載の電気デバイス。
【請求項15】
前記電気素子が、少なくとも1つの追加の電極及び少なくとも1つの追加の補助層を備え、前記少なくとも1つの追加の補助層は、少なくとも部分的に前記第1電極と前記第2電極との間に配置され、前記少なくとも1つの追加の電極は、前記第1補助層及び前記追加の補助層の少なくとも一部分によって、互いに分離され、かつ前記第1電極及び前記第2電極から分離されていることを特徴とする請求項14記載の電気デバイス。
【請求項16】
前記ピラーが前記基板内にあることを特徴とする請求項9記載の電気デバイス。
【請求項17】
前記ピラーが、前記基板と同じ材料であることを特徴とする請求項9に記載の電気デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1表面を有する第1電極と前記第1表面から第1の方向に延在するピラーとを備える電気素子を含む電気デバイスであって、前記ピラーは前記第1表面から前記第1の方向に平行に長さを有し、前記第1の方向に直角の断面を有し且つ前記第1の方向に前記ピラーを覆う側壁表面を有している電気デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
例えばRF集積回路のようなアプリケーションにおいて実現する必要がある大きなキャパシタンスの必要性と関連する単位半導体基板面積当たりのコストは、増大し続けるキャパシタンス密度のキャパシタを必要とする。以下においては、密度とは単位半導体基板面積当たりのキャパシタンスと定義する。3次元(3D)電極をこの目的を達成するために用いることができる。例えば、特許文献1に、キャパシタ用の第1の層導体上に直立するロッド状のピラー導体が開示されている。
【0003】
キャパシタンス密度を増大するために、長さ対長さ方向と直角の最小断面寸法の比と定義されるピラーのアスペクト比を増大させることができる。明らかな戦略はピラーの長さを増大させることである。その代わりに、又はそれに加えて、ピラーの断面寸法又は設置面積を減少させることができる。これは、もっと多くのピラーを一緒に同じ基板面積上に詰め込むことを可能にする。しかし、高いアスペクト比を有するピラーは、例えば取り扱い中及び/又は製造中に生じるせん断力を受けるとき、破損及び/又は倒壊を受けやすくなる。これは、上述した戦略によるキャパシタンス密度の増大を妨げるので、キャパシタの応用分野を制限することになる。
【0004】
上記の問題は特許文献2で取り組まれている。この文献は、3次元構造を有する構造的に安定化されたトール(背高)キャパシタを開示している。これらのキャパシタは大きなアスペクト比を有するモノリシックに製造された直立微細構造を含む。これらの構造は、少なくとも2つの自立微細構造の側面間に横方向に延在する補強層によって、せん断力などに対して機械的に補強されている。補強層は2つ以上の微細構造の上端間を橋絡するマイクロブリッジ型構造として形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5245505号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2004/0056295号明細書
【特許文献3】欧州特許出願第05110488.3号
【特許文献4】国際公開第2004/114397号
【特許文献5】国際公開第2005/027245号
【特許文献6】米国特許第5821142号明細書
【特許文献7】米国特許第5204280号明細書
【特許文献8】米国特許第5336630号明細書
【特許文献9】米国特許第6924526号明細書
【0006】
これに開示されたデバイスは、補強層の製造が半導体プロセスにおけるマスク工程を必要とし、コストがかかる欠点を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、高いアスペクト比を有するピラーを用いて、製造時及び取り扱い時の処理状態に耐えることができるのに、その製造のために追加のプロトコルを必要としない、増大された電極面積密度を有する電極を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、この目的を達成するために、前記ピラーに前記ピラーの長さの少なくとも一部分に沿って延在するへこみ部及び突部の何れか一つを設けて前記ピラーに向上した機械的安定性を与えたことを特徴とする。
【0009】
本発明は、ピラーの機械的安定性は補助支持構造それ自体を必要としないという洞察に基づくものである。その代わりに、ピラーの機械的安定性は、ピラーを、その断面がプロファイルされた断面(凹凸を持つ断面)になるように特定の方法で成形することによって達成することができる。ピラーを例えばH,L,T,Xなどのようなプロファイルを持つ断面の梁に形成することによって梁と同様の補強が達成される。基本原理は、同じ長さ、質量及び断面積を有する2つの梁からプロファイルド形状を有する梁はプロファイルなしの従来の固体梁よりも曲げやねじりに対して強く堅くなることにある。
【0010】
本発明によるピラーは、ピラーにその長さの一部分に沿ってフランジ又はフィンの形状の少なくとも1つの突部及び/又はへこみ部を設けることによって、上述した構造及び断面プロファイルを有するものとなる。これにより、ピラーは構造的に安定化され、例えば強く堅くなる。プロファイルがピラーの固定表面まで延在する場合、ピラーはその土台に良好に固定される。これは、取り扱い中及び処理中におけるせん断力や他の機械的負荷に対する自立ピラーのレジリエンスを増大し、その倒壊しやすさを低減する。
【0011】
ピラーの構造安定性は、突部及び/又はへこみ部の数、それらがピラーに沿って延在する距離、それらの相互配置及びそれらの形状によって制御できる。この点は図1及び図2に関する説明で更に明らかにされる。
【0012】
本発明は、更に、板やシートの折り曲げ、プレス成形又は折り目付け、或いはピラー中心部へのフランジの取り付けなどの方法によるプロファイルドピラーの製造は微小構造では難しいが、複雑なプロファイルを有するピラーを比較的簡単な方法で製造できるという洞察に基づくものである。ピラーは、ピラーの所要の断面プロファイルに従ったパターンを有するエッチマスクを用いて、基板をピラーの長さ方向にエッチングすることによって基板の固体部分から形成することができる。プロファイルはエッチマスクの設計によって調整可能であり、比較的容易で費用がかからない。従って、安定化されたピラーを追加の製造工程を必要とすることなく得ることができ、この点はコストとサイズによって動かされている半導体産業において重要な利点である。
【0013】
エッチングを方向性反応性イオンエッチング(DRIE)で行う場合、本発明によるピラーは、エッチング中の気体又は流体力学を妨げる補強構造や支持構造が存在しない利点及び気体試薬及び副産物の拡散が、シリコン内の溝の反転構造の場合のように、クヌーセン拡散により制限されえる利点を有する。加えて、ピラー上に材料層を、例えば原子層堆積(ALD)または化学気相成長用いて堆積する必要がある場合に、同じ利点が当てはまる。
【0014】
その形状と関連するピラーの自立強度は電極用としていくつかの利点をもたらす。これらの利点は個々に又は組み合わせて以下で明らかにされる。
【0015】
本発明によるピラーの利点は、所定の位置に無傷で直立したままに保つ支持構造を必要とせず、自立した形でしようできる点にある。これに反し、例えば特許文献2による微小構造は、この微小構造を固定するために少なくとも1つの微小構造又は別の構造を必要とする。従って、本発明によるピラーは固定構造のない表面上にそのままで使用できる。これは、例えばピラーが基板内に埋設される場合に有利であり、それは、この状態では、ピラーが埋設される穴、溝、孔、空洞などのリム又は側壁を利用できないからである。
【0016】
本発明によるピラーは、ピラーが固体の周囲部分に埋め込まれていない場合にも有利である。例えばピラーをキャパシタの電極として使用する必要がある場合、その外部表面に誘電体層と第2電極層を設け、その後全キャパシタアセンブリを固体材料内に埋め込むことができる。従って、処理及び/又は取り扱い状態に耐えるピラーの強度はピラーが埋め込まれた最終製品では必要とされないが、製造段階ではピラーはまだ埋め込まれていないので必要とされる。しかし、製造中の中間製品に加えて、最終製品も同じ理由から強化されたピラーの恩恵を受ける。従って、歩留まりの向上(埋め込みピラー)が得られるのみならず、歩留まりと機械的寿命の増大(非埋め込みピラー)が得られる。
【0017】
本発明によるピラーは、機械的強度を弱めることなく従来のものより長くすることができる。また、長くする必要がなければ、強度を犠牲にすることなく断面寸法を減少させることができる。長いピラーは長さの増大により単位基板面積当たりの電極表面積の増大をもたらすが、細いピラーは断面積の減少によりそうなる。
【0018】
本発明によるピラーの他の利点は、そのプロファイルド形状に関連する。プロファイルド断面を有するピラーの側壁の表面積は、中実の非プロファイルド断面を有する同じ質量のコンパチブルなピラーの表面積より相当大きい。従って、電極で占められる基板面積を殆ど変えることなく電極の表面積が増大する。
【0019】
本発明の一実施例は請求項2により特定される。ピラーの側壁表面の第1及び第2領域が互いに0°又は180°と異なる傾斜角をなす場合、それらの継ぎ目は折り目を形成する。傾斜角は鈍角にするのが有利であり、それは折り目が鋭くならないためである。その結果、エッチング並びに側壁表面内の折り目を覆う追加の材料層のコンフォーマル堆積が改善される。これは堆積化学に有利であり、一層均一な厚さの材料層及び化学的に及び/又は機械的に及び/又は電気的に一層良好な品質の材料層をもたらす。これにより一層薄い追加の材料層の使用が可能になり、デバイスの寿命及び信頼性が向上する。加えて、エッチング及び堆積反応速度が速くなり、これは有利なコスト要因となる。
【0020】
本発明の他の実施例は請求項3により特定される。上述したエッチング及び追加の層の堆積並びに電気特性の改善のためには、側壁表面は滑らかにするのが有利である。滑らかさは、側壁表面内の折り目及び/又はコーナが鋭角であるか鈍角であるかとは無関係である。なぜなら、鋭角でも滑らかな湾曲表面で実現することができるためである。
【0021】
側壁表面のコーナ及び折り目に関する形状並びに滑らかさはマスク設計及び/又はエッチング条件調整によって好都合に制御できる。
【0022】
本発明の一実施例は請求項4により特定される。ここでは、対称とは幾何学的に又は群論的に対象と定義する。対称から得られる利点は、マスク設計の容易さ及びピラーの予測可能な構造補強にある。更に、処理の進行及び/又は処理条件の調整が容易になり、及び/又は、向上する。
【0023】
電気デバイスは複数の素子を備える場合及び/又は素子が互いに離間したピラーのアレイが形成されるように配置された複数の電極を備える場合、ピラー及び/又はそれらの配列パターンの対称性は、単位基板面積当たりの電極面積を減らすことなくピラー間の空間を最大にするように選択するのが好ましい。これは、電極の面積密度を損なうことなくエッチング速度及び品質を高める。このことは、更に図3に関連する説明で明らかにされる。この点において、対称性及び配列は、更に、空間がアレイ領域に亘って均等に分布され、均等なエッチング速度が得られるようにするのが好ましい。
【0024】
ピラー間の増大した空間の利点は、アスペクト比依存エッチング(ARED)効果及び試薬の3次元拡散の自由に関連する。試薬の制限された3次元拡散の影響は、例えば狭い又は深い溝、空洞、孔又は穴の反応性イオンエッチング(RIE)時にエッチング速度の減少をもたらす。従って、上記のピラーアレイは従来のピラーアレイよりも短い時間でエッチングでき、時間とコストを節約できる。また、同じエッチング速度及びコストを使用する場合には、もっと長い又はもっと高いアスペクト比のピラーを得ることができる。
【0025】
本発明の一実施例は、請求項5により特定される。このようなピラー形状はエッチ深さ又はピラーの長さと無関係に最大量及び/又は同じ量の自由空間を提供し、ARDE効果を考慮すると、ピラーをエッチングで形成する際に有益である。
【0026】
本発明の一実施例は請求項6により特定される。この例では、長さ方向に直角のピラーの寸法を、ピラーの長さに沿って、断面の形状又はプロファイルが同一に維持される、即ち合同に維持されるように変えることができる。従って、ピラーはその上部断面より大きな設置面積を有する。これは長いピラーの安定性を更に増大する。
【0027】
本発明の一実施例は請求項7により特定される。本発明によるピラーの改善された強度のために、本発明によるピラーは比較的大きなアスペクト比で形成できる。これは、ピラーの側壁増大による電極表面積の大きな増大を比較的低コストでもたらす。
【0028】
請求項8により特定された実施例では、素子は複数のピラーを備える第1電極を含む。複数のピラーは第1電極の表面積の大きな増大をもたらす。ピラーがアレイに配列される場合、その配列は、大きな単位基板面積当たりの電極面積が生じるように選択された対称な配列とするのが好ましい。更に、この対象配列は、配列されたピラー間の空間がピラー間に均等に分布するように、又はピラーの周囲の空間がほぼ同じになるようにして、エッチング又は第1電極表面全体を覆う材料層の堆積のようなプロセスステップが制御された態様で生じるようにする。
【0029】
本発明の一実施例は請求項9により特定される。補助層が第1及び第2電極間に少なくとも部分的に挟まれ、第1及び第2電極を物理的に分離する。このようなデバイスの素子は、電極と補助層の性質に依存して、異なる特性を有することができ、大きな単位基板面積当たりの電極表面積を必要とする。
【0030】
本発明の一実施例は請求項10により特定される。この例では、少なくとも一つの追加の電極が第1及び第2電極間に存在する。本発明によるピラー間の増大した利用可能な空間は増大した数の層を有する積層を形成する上で有利である。層の追加は更に素子の特性を高める。例えば、対応する素子のキャパシタンス及びエネルギー蓄積密度を、長いピラーを形成する必要なしに、即ち基板を深くエッチングする必要なしに増大することができる。キャパシタの場合には、キャパシタンス密度は誘電体層の厚さに対して平衡させることができる。かくして、厚さの増大は、ピラー構造の基板上に追加の層を同時に挿入することによってキャパシタンス密度の減少を補償すれば、キャパシタンス密度の減少なしで改善された降伏電圧をもたらす。
【0031】
本発明の一実施例は請求項1により特定される。デバイスは同じタイプの少なくとも2つの素子を備え、同じタイプとは、同じ機能を実行するために同じ材料成分を有するが幾何学的レイアウトは相違させてよい素子を意味する。従って、このような素子はキャパシタ、類似のエネルギー蓄積デバイス、ダイオードなどにすることができる。このような素子を固体材料からエッチングで形成する場合、すべての素子のエッチ深さをほぼ等しくするのが好ましい。このような素子を形成しながらこれを達成するためには、ピラー間の空間又はピラーとピラーを含む溝の端壁との間の空間がピラーの周囲に均等に分布された状態に維持しなければならない。この場合、複数の単一素子において異なる断面プロファイル有する異なるピラー幾何学形状を用いることによって、素子の単位基板面積につき使用可能な第1電極面積を変化させることができる。これは、例えば単位基板面積につき異なるキャパシタンスを有するキャパシタを同じエッチング時間及び/又は堆積時間で形成することを可能にする。従って、これは高度に制御可能なパラメータをもたらす。
【0032】
本発明の一実施例は請求項12により特定される。半導体材料の場合には、ドーピングを用いて、半導体材料の一部分の導電性を、この部分を電極として機能させるのに好適なレベルに調整することができる。従って、このドーピングは電極導電性を所要のレベルに決定するのに都合のよい方法を提供する。更に、導電性のタイプはドーピングにより決まり、n型又はp型にすることができる。基板とこのような堆積電極層との間で起こり得る材料不適合は勿論、第1電極のための導電層の堆積コストも回避される。
【0033】
本発明の一実施例は請求項13により特定される。この例では、デバイスはメモリ機能を有する集積回路である。本発明による素子は、ダイナミックランダムアクセスメモリセルの蓄積キャパシタである。このようなセルでは、キャパシタを選択トランジスタのチャネル端子の一つに接続される。セルはセルアレイの一部分であり、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)回路内に集積化される。1メモリセル当たりの使用可能な基板面積は最小にしなければならない。更に、フィーチャサイズの縮小時にデータリフレッシュ時間を増大させるため又は少なくともデータリフレッシュの悪化を阻止するために、増大されたキャパシタンスが必要とされる。従って、単位基板面積につき高いキャパシタンスを提供する本発明によるキャパシタはこの場合特に有利である。
【0034】
本発明の一実施例は請求項14により特定される。本発明によるデバイスは、1以上の他の集積回路とレディー・ツー・ユースモジュールにアセンブルできる。この例では、本発明によるデバイスは集積回路間又は少なくとも1つの集積回路と外部デバイスとの間の電気接続性を提供する。加えて、本発明によるデバイスは、1以上の他の集積回路の機能と調和して動作する特定の電気的機能を提供する。この特定の機能は1以上の他の集積回路内で実現することが難しい又は費用がかかる機能とするのが好ましい。
【0035】
このような機能を実現するために、デバイスは上述したようなあらゆる種類の個別の素子をスイッチや垂直相互接続領域(バイア)のような他の素子と集積化して備えることができる。一つの変形例では、デバイスは1以上の集積回路の動作のために必要とされる表面マウントユニット(SMU)の費用効果的な代用装置を提供する。このモジュールは各自特定の電気的機能を有する複数の本発明によるデバイスを備えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1図1A及び図1Bは本発明によるピラーを備える電極を示す。
図2図2A図2Jは異なるプロファイルを有するピラーの断面を示す。
図3図3A図3Cはピラーのアレイを断面図で示す。
図4図4A及び図4Bは溝内にピラーを有する素子を備える本発明によるデバイスを示し、図4B図4AのI−I方向の断面図、図4B図4AのII−II方向の断面図である。
図5図5A及び図5Bは同じ製造工程で製造される異なる表面積の電極を有する素子を備えるデバイスを示す。
図6図6A及び図6BはDRAMメモリ回路及び本発明によるキャパシタを含むDRAMメモリセルを示す。
図7】本発明によるデバイスを備えるアセンブリの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図面を参照すると、以下の記載から、本発明によるピラーの構造設計がどのように有利に使用されるかが明らかになる。多数の模範的な電気デバイス又は電気素子が記載される。本発明の利点は記載される実施例に限定されず、異なるデバイスにも有効に使用可能である。同一の符号は同一の部分を示す。
【0038】
本発明によるピラーを有する電極の特徴が、ピラーを有する一つの電極を示す図1A及び図1Bを参照して詳細に説明される。電極104は第1表面106を有し、この表面はピラー108の土台として作用する。ピラーは第1表面106から第1の方向に延在し、長さLを有する。ピラーは電極の一部分であり、その基部が土台に取り付けられる設置領域112を有する。設置領域は必ずしも第1の方向に直角である必要はない。更に、第1表面は必ずしも設置領域より大きい必要はない。ピラーを切断する仮想平面114(図1Aにのみ示す)は第1の方向110に直角の断面116を決定する。断面116はその断面の輪郭線に一致する外形118を有する。断面116はピラーの任意の長さ位置で取ることができ、ピラーの長さに沿って一定である必要はない。ピラーは側壁表面120を有し、この側壁表面は断面図では輪郭線、即ち外形118で表わされる。
【0039】
図1Aのピラーは、その長さに沿って延在する、フランジ又はフィンに類似する突部122を有する。このピラーは、フランジ又はフィンが取り付けられた円柱状のシャフト126のような中心部を備えるものとみなせる。これに対し、図1Bのピラーは、その長さに沿ってへこみ部124を有し、このへこみ部は溝ということもできる。ピラーのどの部分がシャフト、突部又はへこみ部であるかの指定は任意であり、ピラーを記述する上で何が最も都合がよいかに従って行うことができる。多くの場合、ピラーの形状はへこみ部及び突部を用いて等しくよく記述できる。
【0040】
従って、図1Bのピラーも中心シャフト126を備えるものとみなせる。図1Bでは、シャフト126は図1Aのシャフトの断面の半分を有し、シャフトの一部分である2つの突部(フランジ又はフィン)128を有する。シャフト126及び突部122は図1Aのピラーのものと異なる形状を有する。実際上、ピラー108のシャフト126と突部122及び/又はへこみ部124は、以下に更に詳しく述べるように、自由に選択して外形118を与えることができる。
【0041】
突部122又はへこみ部124が第1の方向110に沿って延在する長さは要求どおりに選択できる。更に、第1の方向に対する突部又はへこみ部の位置も選択できる。これは、例えばピラーの一部分のみが補強を必要とする場合又はピラーの製造を簡単化する場合に重要である。
【0042】
突部122又はへこみ部124は、機械的安定性をピラーに付与する。鍵は、技術的原理によれば、突部又はへこみ部のない非プロファイルド断面を有する従来のピラーに比較して、従来のピラーと同一の長さ、質量及び密度を有するプロファイルドピラーは向上した強度を有し、曲げやねじれに対してより高い剛性を有する。従って、ピラーの断面形状を変更することによって、断面の総面積を変更することなく、ピラーの強度を増大させることができる。
【0043】
従って、本発明によるピラーは、同程度の従来のピラーより小さい断面寸法及び/又は大きな長さで製造することができる。ピラーのアスペクト比をその長さ対最小断面積の比と定義すると、本発明によるピラーは従来のピラーよりも高いアスペクト比にしても、向上した強度が得られる。従来のピラーは約30までのアスペクト比を有し得るが、本発明によるピラーのアスペクト比は30より大きくすることができる。それらの長さは40倍以上にするのが好ましく、50倍にすることができる。このような大きなアスペクト比を提供するピラーは大きな単位基板面積当たりの電極表面積を必要とするアプリケーションに対して有利である。この点は以下に記載する実施例で更に詳細に説明する。
【0044】
図2は本発明によるピラーの複数の代替例の断面を示す。すべての対応するピラーはシャフト又はウェブという中心部とフランジ状の2つ以上の突部222を備えるものとみなせる。シャフト断面は円形(図2A)、長方形(図2B)、正方形(図2E及び2F)又は三角形(図2D及び2I)にすることができる。更に、ピラーは、2つの突部(図2A,2B及び2C)又は3つ以上の突部(図2D〜2I)を有する。突部は真直にしても、屈曲させても(図2H)、異なるサイズにしても(図2Iの222対222”)、及び/又は、分離させてもよい(図2Iの222”)。更に、突部は側壁表面の第1領域228と第2領域230とにより決まる第1の傾斜角232によって決まる異なる方向を有することができる(図2B及び2C)。角度232は2つの突部の間又は突部とシャフトとの間の角度とすることができる。
【0045】
幾分異なる幾何形状が板状の幾何形状を有するピラーから生じる。これらは、安定性のために多数の突部を有する中心部を有するものとみなせる。板は真直でも、折り曲げてもよく、突部は断面内で規則正しい間隔に配置してもよいし、しなくてもよい。また、ピラーは、規則的な間隔又は不規則な間隔で複数のへこみ部を有する固体板中心部226を有することもできる。このようなピラーは鋭い又は丸い折り目又は湾曲部を有する波形の板を形成してもよい(図2J)。板状ピラーは分岐させてもよいし、させなくてもよい。これらは、エッチングや材料堆積プロセスを妨げる小さな空洞を形成しないものとするのが好ましい。
【0046】
当業者は、本発明の範囲内で多くの他の形状を考案することができるであろう。
【0047】
その断面形状に反映されるピラーらの形状は、いくつかの理由のために重要である。第1に、断面形状は、横荷重又は力(即ち断面の平面内における第1の方向に直角方向の力成分を有する横荷重又は力)に対するピラーの強度を決定する。方向性補強はシャフトと突部及び/又はへこみ部との相対位置及び形状に関連する。例えば、図1Aのピラーは図の平面内の成分を有する横荷重に対して補強されている。しかし、例えば図の平面に直角の方向には、ピラーの強度はあまり増強されない。この弱い方向の補強のためには、例えば図2Aの断面を有するピラーの場合のように、ピラーは第1方向と異なる方向に延在する少なくとも一つの他の突部を有する必要がある。同じ理由付けが1以上のへこみ部又はへこみ部と突部の混合体を有するピラーについて成り立つ。
【0048】
第2に、ピラーの形状は従来の非プロファイルドピラーに比較して得られる追加の側壁表面積の量を決定する。断面の外形又は輪郭線の周囲長は外形の形により決まる。
【0049】
第3に、側壁表面の形状は側壁表面上への材料の堆積に影響を与える。電極の表面内の鋭いエッジ及び折り目は材料のコンフォーマル堆積を妨げ、悪化させ、このような層の化学的及び/又は物理的品質を低下させる。例えば図2B及び2Cに示す断面を有するピラーを比較されたい。傾斜角232は鋭角(図2B)又は鈍角(図2C)にできる。2つの隣接する領域228及び230はこれらの領域が接合する位置でピラーの長さに沿って折り目を形成するため、角度232はその折り目が鋭角か鈍角かを示す。ピラーの材料堆積並びにエッチングは、角度232が小さくなると、低速になり、不均一になる。側壁表面内のすべての折り目は鈍角の傾斜角を有するのが好ましい。これは、アプリケーションが表面をコンフォーマルに覆う薄い層を必要とするときに特に重要である。更に、ピラーは電極の一部分であるため、鋭いエッジ又は折り目は、スプリアス電界の発生によりこの電極を備えるデバイスが誤作動するのを防止するために避けたほうがよい。その断面に反映されるピラーの対称性は重要である。即ち、図2Eの対称なプロファイルは鋭角を有するが、図2Dの対称なプロファイルは鋭角でない。この点に関し、シャフトの向き及び断面寸法に対する突部の向き及び断面寸法を、鋭角の折り目が生じないようにすることができる。このようにして、図2E及び2Fの断面に対応するピラーは方形シャフト有するが、角度232は図2Eでは鋭角であるが、図2Fでは鈍角である。
【0050】
ピラーの側壁表面を滑らかにすると、ピラー上への改善された材料堆積及びピラーのエッチングが得られる。鋭角の存在を避けるためにコーナ部を丸めることができる。図2E及び図2Gの十字形の断面を比較されたい。しかし、表面の滑らかさは角度232が鈍角をなすか否かとは別である。鈍角232を有する鋭い折り目は依然として問題を生じ得る。
【0051】
第4に、ピラーの形はピラーをアレイに配列する能力を決定する。対称断面プロファイルを有するピラーはアレイで占められる(基板)面積の点からみて効率よく配置される。しかし、特定の対称ピラーは他の理由からもっと有利とすることができる。これを図3を用いて更に詳述する。
【0052】
従来技術によれば、図3Aは従来のピラー309のアレイの断面図を示し、即ち従来のピラーは直径311を有する固体円形断面を有する。ピラーはX及びY方向に広がる平面内に6角格子に配列される。2つの隣接するピラー309の中心間の距離と定義されるピッチ313はすべての格子変換方向で同一である。従って、2つの最も近い隣接ピラー間の距離である空間342もこれらの格子方向で同一である。
【0053】
ピラーは、ピラー間から材料をX及びY方向に垂直の方向にエッチングすることによって製造される。深すぎるエッチングによって、ピラーの長さ対直径311として定義されるアスペクト比が大きくなりすぎる場合には、ピラーは横荷重又はせん断力で破損又は倒壊するだろう。これを防ぐために、エッチ深さを減少させるか、ピラー309の直径303を増大させる必要がある。これらの手段はピラーの使用可能面積を減少させ、且つ又例えば素子又はデバイスの基板表面とし得るX−Y平面内のピラーの占有面積を増大する。
【0054】
この問題は本発明によるピラーを用いることによって解消される。このために、図3Bでは、図3Bに破線の円で示されている図3Aの多数の従来のピラー309が互いに連結されて3脚断面を有するピラー308を形成している。このようなピラーはその長さに沿って3つの突部322を有する3角形断面のシャフト326からなるものとみなせる。ピラー308の突部の厚さは従来のピラー309の直径と同じに保つ。従って、ピラー308は従来のピラー309より強く、大きなアスペクト比にすることができる。しかし、すべての空間342及びピッチ313は図3Aと同じである点に注意されたい。更に、寸法311及びピッチ313を従来のピラー309の断面の外周の失われた破線部分315が突部の拡大された側壁317で補償されるように選択すれば、ピラー308の側壁の表面は減少しない。従って、図3Bのピラーのアレイは、図3Aのアレイに比較して、X−Y平面における単位面積319当たりの表面積が同一かそれより大きくなる。更に、ピラー間の空間が従来のものに対して殆ど変わらない。突部の長さ及び直径をアスペクト比が変化しないように小さくすれば、従来のものと同じ電極表面積が得られるが、エッチング時間は短くなる。
【0055】
図3B及び図3Cの比較は、ピラー308を異なる対称アレイに配列できることを示す。これらの差異は各ピラーの周囲の自由空間の分布に差異をもたらす。図3Bのアレイの自由空間は図3Cのアレイ内の自由空間より均等に分布される。例えば、図3Cのアレイでは、自由空間がX方向に延在する直線の通路が存在するが、図3Bのアレイではこれは存在しない。自由空間の分布は、エッチング及び/又はピラー上の材料堆積中に均等な流体又は気体力学を与えるためにできるだけ均等にするのが好ましい。
【0056】
上述した原理は、従来のピラーの異なる形状及びアレイにも使用して、従来のピラーの異なる接続体、従って本発明による異なる対称ピラーをもたらすことができる。上述したピラーの断面プロファイルを考慮するのが好ましい。接続するピラーの数並びに接続パターンは必要に応じ選択できる。従って、図3B又は図3Cのピラーは更に相互接続することができる。一例として、ジグザグ断面パターンを有するピラーを形成する又は波形板状ピラーを形成することができる。分岐した断面パターンを有する分岐ピラーを形成することもできる。しかし、この接続は、ピラーを備える基板内に閉じた孔が形成されないようにする必要がある。それは、この場合には製造状態が悪くなるためである。更に、ピラー上への材料層の可能な堆積は同じ理由のために同じ使用可能空間に依存する。
【0057】
ピラーが基板内に埋設される場合、例えばピラーが溝、空洞又は孔内に位置する場合、溝の縁の断面プロファイルを、上述したエッチング及び堆積化学に関連する空間議論の観点から、ピラーの断面プロファイルに合わせるのが好ましい。また、使用可能空間は、近傍構造がエッチング又は堆積挙動に影響を与えないようにする。このことは、溝、空洞又は孔内に埋設されない、表面の上のピラーにも適用される。
【0058】
図4に示す実施例では、素子402が基板444内の溝436内に形成されている。ここで、「基板」は広義に解釈されたい。これは、任意の種類の単一材料基板も、種々の材料からなる複合基板も等しく意味し、製造されたシリコンウェファ内の既製の構造も意味する。
【0059】
溝は側壁448及び縁450を有する。異方性エッチングとリソグラフィで形成された適切なハードマスクとを用いて、ピラー408を備える溝436が形成される。図4Bに示すように、ピラー408は三脚状プロファイル418を有する断面416を有し、溝の側壁の外形は、ピラーの側壁表面と他の隣接するピラー又は溝の側壁との間の空間がピラーの周囲でほぼ等しくなるようにプロファイル418に追従する。この場合には、エッチング及び/又は堆積速度はピラーの周囲で同一になる。
【0060】
ピラー408は、溝436の深さ又は側壁448の高さとほぼ同一の長さを有する。代案として、ピラーは溝の深さより高く又は低くしてもよい。溝は当業者によく知られている異方性エッチング技術でエッチングすることができる。エッチ深さはエッチング時間により決まり、エッチング時間は製造すべきピラーのアスペクト比及びピラー間の空間により決まる。ピラーのアスペクト比は10〜40の代表値にすることができる。それより小さくしてもよいが、50より大きくするのが好ましい。
【0061】
溝436は交互の積層からなる充填体を備える。この積層は第1電極404、第1補助層452、追加の電極454、追加の補助層456及び第2電極458を含む。この積層は、その上面を含むピラー408の表面並びに溝436の底面446、側壁448及び縁450の表面を覆う。第1補助層452は第1電極404を追加の電極454から分離し、追加の電極454は追加の補助層456により第2電極458から分離される。
【0062】
この積層の層の量は上記の数に限定されず、追加の電極及び/又は補助電極又は他の層を必要に応じ追加することができる。また、いくつかの層を省略することもできる。例えば、図4において、追加の電極454及び追加の補助層456を省略して、積層が3つの層を備え、第1電極404と第2電極454が第1補助層452で分離されるようにしてもよい。
【0063】
他の変形例では、第1電極を基板444の一部分にする。例えば、基板全体を適切な第1電極404を形成するように導電性(低オーム性)にすることができる。また、基板を電気抵抗性(高オーム性)にし、この基板の一部分を導電性にすることができる。これは、例えば基板の局所ドーピングで行うことができる。これにより、もともとある層で第1電極404を省略することができ、処理コスト及び時間を節約できる。
【0064】
必要に応じ、電極には電気接点領域が与えられる。例えば、図4Aにおいて、第1電極404、第2電極458及び追加の電極454は接点プラグ又はパッド460,464、及び46にそれぞれ接続された接点領域を有する。これらの接点領域は素子402の電極をデバイス400の他の電気素子の電極に接続する手段を提供する。半導体デバイスにおけるマルチレベルメタル構造のように、複数の導体層の接続が可能な場合には、これらの接点は、補助層及び導体間誘電体層を貫通する適切なプラグを設けることによって、任意の導体層上に設けることができる。
【0065】
第1電極の(寄生)抵抗、例えば素子402の等価直列抵抗(ESR)を低減するために、第1電極404の接点プラグは基板444の底面上、即ち縁450とは反対側に形成することもできる。この場合には、ピラーと第1接点460との間の距離が減少する。このような底面接点は高オーム性基板にも低オーム性基板にも使用できるが、高オーム性基板では第1電極404への導電接続を形成しなければならない。底面接点は、ピラーのアレイを使用する場合に特に有利であり、有効である。その理由は、この場合にはサイド接点はアレイの中心のピラーから比較的遠くなり、電極を備える素子の等価直列抵抗(ESR)が増大するからである。
【0066】
溝436及びピラー408の形状は、それらの表面が滑らかになるようにする。電極の鋭いエッジを避けることにより、積層材料のコンフォーマル堆積が向上する。素子402が例えばキャパシタである場合、降伏電圧が増大する。実際に必要な降伏電圧はこのようなキャパシタの用途により決まる。従って、減結合キャパシタとして使用される場合には、この素子は一般に数十ボルトの範囲内の電圧を取り扱えるように構成されるが、例えばDRAM内の蓄積キャパシタとして使用されるものはもっと低い電圧を必要とし、異なる構成を必要とする。
【0067】
上記の一般的に述べた素子402は、例えば溝436及び/又はピラー408の形状、ピラーの量並びに電極及び補助層の物理的及び電気的特性等の特徴を設定することによって、デバイス400内で種々の目的に使用できる。以下の段落では、複数の代表的実施例を詳細に説明する。
【0068】
一実施例では、図4の素子はキャパシタである。このキャパシタは、高い単位面積当たりのキャパシタンスを有するキャパシタを得るために、高オーム性(1000−1500Ωcm)のシリコンウェファ基板内に形成される。補助層は電極を互いに電気的に絶縁する。図4の素子は金属−絶縁体−金属−絶縁体−金属(MIMIM)積層体を有するものとして参照する。ここで、「金属」とは金属導体として機能する適切な任意の材料を意味する。「電気絶縁体」とはすべての適切な誘電体材料を含む。
【0069】
溝及びピラーは、まだ出願公開されてない欧州特許出願第05110488.3号(特許文献3)に記載されている方法に従って、ボッシュ(登録商標)の方向性反応性イオンエッチング(DRIE)のようなドライエッチング技術を用いて形成される。代案として、異方性ウェットエッチング技術を用いることもできる。
【0070】
溝は40μmの深さにエッチングして等しい長さのピラーを生じさせる。ピラーは、1.2μmの直径411及び1μmの空間415を有する。他の寸法は必要に応じ選択できる。
【0071】
電極は導電材料、例えばドープポリシリコン又はCu,Al,W,Ru,TiN又はTaNのような金属から形成される。また、他の金属並びに有機導電材料を用いることもできる。使用する金属としては、標準のシリコンプロセスとコンパチブルであって、材料の良好なステップコンフォーマル堆積を提供する化学気相成長(CVD)又は原子層堆積(ALD)のような低圧技術を用いて堆積できる金属を用いるのが好ましい。また、ウェット化学堆積(例えば電子化学堆積と組み合わされた無電解シード堆積)を用いることもできる。
【0072】
電極層の導電率は電極材料の比導電率と電極層の厚さにより決まる。金属層の厚さは50〜100nmの範囲内とする。ポリシリコン及び/又は有機導電材料の厚さは、ドーピングレベル及び有機材料の一般に低い導電率に依存して、250nm以上もしくは500nm以上にすることができる。
【0073】
この実施例では、第1電極404はLPCVD堆積されたポリシリコン層とし、この層はインシチュn−ドープされる(n++)。また、この層は当業者によく知られているプロセスに従ってイオン注入を用いて後からドープされてもよい。また、第1電極は、直接マスクされたドープ材料注入ステップによって高オーム性シリコン基板内に埋設することができる。これは層404に対する1つの堆積ステップを省くことができる。ピラーの全体積をドープしてその電気抵抗率を低下させるのが好ましい。第1電極の形成は、p型ドープシリコンウェファのような適切な低オーム性基板を選択することによって完全に省略することができる。
【0074】
適切な誘電体材料は、任意の電気絶縁性の無機又は有機材料を含む。その適切性は、一方では製造技術とのコンパチビリティに関連し、他方では相対誘電率(k)、リーク電流密度及び降伏電界のような材料の電気的特性に関連する。
【0075】
電流リーク及び降伏は、一般に誘電体層の最小厚さを規定し、この厚さは種々の材料に対して異なる。代表的には、誘電体層の厚さは10〜30nmの範囲内である。
【0076】
誘電体層の厚さが決定されたら、実際の単位電極表面積当たりのキャパシタンスが相対誘電率kにより決定される。kが高いほど、キャパシタのキャパシタンスが高くなる。酸化ハフニウム(HfO)又は(TaO)又は鉛やチタンのようなペロブスカイトクラスの材料の混合酸化物等の高いk(k>10)の材料を用いることができる。
【0077】
また、誘電体のために酸化シリコン及び窒化シリコンを用いることもできる。本実施例では、すべての誘電体層は酸化シリコン−窒化シリコン−酸化シリコンの層の公称30nm厚の積層で構成され、この積層はONO積層という。第1補助層452のONO積層又は誘電体層は、最初にポリシリコンの第1電極404の上に熱酸化層を成長させ、次に低圧CVD(IPCVD)窒化シリコン層及び第2のテトラエチレンオルトシリケート(TEOS)LPCVD酸化シリコン層を成長させることによって形成される。
【0078】
第2電極458は第1電極404について上述した材料を具えるものとすることができる。本例では、ポリシリコン層はポリシリコンのLPCVD堆積中に燐を用いてインシチュn−ドープされる。
【0079】
1000℃で30分間の炉内アニール処理を用いて、約1mΩcmの導電率を有するポリシリコン層を生成する。この処理は、各ポリシリコンの堆積後又は全積層の終了後に行うことができる。
【0080】
この段階でこれ以上形成すべき層がなければ、適切な導体接点パッド460〜464の付加後にMIMキャパシタは完成する。このキャパシタは、半導体デバイスから既知の前述したマルチレベル金属構造のような電気相互接続構造を用いて他の素子に電気的に接続することができる。もっと詳細な接続構造の例はまだ公開されてない欧州特許出願第05110488.3号(特許文献3)又は国際特許出願公開第2004/114397号(特許文献4)に見られる。アニール処理は、半導体プロセスで使用される高い温度とのコンパチビリティのために、接点金属パッドの堆積前に行うのが好ましい。
【0081】
しかし、接点パッド又は相互接続構造の形成前に、追加の誘電体及び電極層をMIM積層に追加することができる。従って、図4の別の実施例では、第1のMIM積層の上に、接点460〜464を形成する前に、追加のONO積層を形成し、その後にインシチュドープポリシリコンの別のLPVCD層を第2電極458として堆積する。
【0082】
ONO誘電体層を有する上述のMIM型のキャパシタ素子は50nF/mmより大きい単位面積当たりのキャパシタンスを有することができる。密度は70nF/mmより大きくするのが好ましく、100nF/mmより大きくするのがより好ましい。MIMIM積層が存在する場合には、密度は250nF/mmより大きくでき、250nF/mmより大きくすることさえできる。
【0083】
MIMIM積層の場合には、キャパシタの中心又は内部電極の切断によって、その余分の厚さを降伏電圧の増大のために利用することができる。
【0084】
図4の更に別の実施例では、素子402はLiイオン(マイクロ)電池又はNiMH電池のような電子化学エネルギー源である。シリコン基板上に集積されたこのようなエネルギー源の詳細な情報は例えば国際特許出願公開第2005/027245号(特許文献5)に記載されている。例えば、本発明による電極を含む3層のLiイオンマイクロ電池を形成するためには、エネルギー源の負電極である第1電極404は導電性のポリシリコンで形成する。第1電極404は基板444に埋め込むことができる。この場合には、第1補助層452は、リチウム燐オキシナイトライド(LiPON)のような約1ミクロンの厚さの個体電解質である。この層の上の第2電極458はLiCoOで形成され、炭素繊維と混合してもよい。第2電極458は電子化学エネルギー源の正電極である。図4の追加の電極及び補助層は使用しない。電流コレクタを正電極に結合することが任意にできる。電解質及び電極層の堆積は物理気相成長、CVD又はALDのような従来技術で行うことができる。
【0085】
本発明による電極は高いアスペクト比のピラーによって大きな表面積をもたらすので、図4に示すエネルギー源に、改善された(最大化された)レートキャパビリティ及びパワー密度をもたらすことができる。エネルギー源の性能は、電解質の層厚を最小にするとともに層間の相互接触表面を最大にすることによって最適化される。
【0086】
3層の積層はキャパシタについて上述したように追加の電解質層と電極層を設けることによって拡張することができる。
【0087】
別の実施例では、素子402は、PNダイオード、PINダイオード、発光ダイオード、フォトダイオード等のような整流素子である。従って、補助層452は、2つの反対導電型のインシチュドープポリシリコン層の積層からなるものとすることができる。当業者であれば、デバイス400内のこのような素子を標準の半導体材料及び方法を用いて製造することができる。この素子は2電極構成にも、キャパシタ及びエネルギー源について述べたようにマルチ電極構成にすることもできる。
【0088】
一実施例では、3以上の電極を有する上述の素子は複数のサブ素子で構成できる。種々の例がまだ公開されてない欧州特許出願第05110488.3号(特許文献3)に見られる。例えば、MIMIMキャパシタは2つのMIMサブ素子からなる。これらのサブ素子は電気的に並列に又は直列に接続又は結合することができる。ここで、接続とは短絡接続することを意味するが、結合とは他の受動素子又は能動素子を介して接続することを意味する。受動素子は、例えばキャパシタ、抵抗及び誘導素子(例えばコイル)を含む。能動素子は、例えばMEMSスイッチのようなスイッチ、MOS及びMESFETのようなトランジスタ及びバイポーラトランジスタ、又はPINダイオードのようなダイオード等を含む。小さい基板面積上に高い容量を有する分布キャパシタ及び/又はチューナブル及び/又はスイッチャブルキャパシタを製造可能とする多くの可能性がある。同様に、電池の電極を、高い耐久性(並列接続)が得られるようにまたは高い電圧(直列接続)が得られるように接続又は結合することができる。直列接続エネルギー源の場合には、電圧を切り替え可能にすることもできる。
【0089】
また、いくつかの又はすべての追加の電極をフローティングのままにしてMIMキャパシタを直列に実効的に接続してもよい。これにより降伏電圧を増大できる。時には、第1電極を全く接続しない、又は接地することもできる。これは基板影響を低減する。
【0090】
一実施例では、単一の素子が例えば図3に示すようなアレイ内に配列された複数のピラー電極を含むことができる。ピラー電極は、例えば素子の性質によって決まるキャパシタンス、エネルギー又は電流とし得る、素子の出力を増大するために電気的に短絡することができる。
【0091】
一実施例では、デバイスは複数の同じ種類の素子、例えばキャパシタを含むことができる。複数の異なる素子を追加の製造工程を用いる必要なしに単一の製造フローで形成するために第1電極の幾何形状を有利に使用できる。具体的には、ピラーの形状又はピラーと周囲構造との間の空間を調整することによって、キャパシタの第1電極の表面積を相違させるのが都合がよい。
【0092】
第1電極の幾何形状の差別化は、基板544を有するデバイス500内の異なる素子502,502’,502”及び502’”を示す図5に例示されるような異なるデザインを第1電極に与えることによって一つの製造ステップで行うのが好ましい。この場合には、これらの素子の第1電極504,504’,504”及び504’”はドーピングによって高オームの半導体基板544内に集積化される。第1及び第2電極は適切なマスク技術を用いて局所的に堆積された第1補助層552(図示せず)によって電気的に且つ物理的に分離される。この場合には、第1補助層は上述したONO誘電体積層である。
【0093】
異なるデザインを達成する第1の代替例では、素子502及び502’は異なる形状及び/又は断面プロファイル516及び516’を有するピラー508及び508’を備える。これにより、単位面積当たりの使用可能なピラーの側壁表面積が相違する。ピラーをアレイ内に異なる対称性に従って配列又は順序付けすることによって同様の効果を達成することもできる。
【0094】
第2の代替例では、同じ断面プロファイルを有するピラー508’及び508”の高さが相違する。本代替例では、高さの差は溝536’及び536”の異なる深さに起因する。上述したように、深さは、例えば異なるエッチング速度を与えることによってピラー周囲の空間を相違させることによって制御される。この点に関し、本発明による電極は従来のノンプロファイルド断面を有するピラーと組み合わせることができるが、この場合にはエッチ深さを従来のピラーの機械的安定性に適合させる必要がある。
【0095】
第3の代替例では、異なるタイプの電極を有する素子を合成する。例えば、素子502はピラー508を備える電極を有するが、素子502’”はピラーのない溝又は孔を備える電極を有する。エッチ深さは溝又は孔の断面により独立に制御できる。加えて、板電極を有する素子を集積化することもできる。
【0096】
素子は、すべての溝、孔、空洞又はピラーが同一の深さ及び長さを有するように設計するのが好ましい。この場合には、第1電極上の追加の材料層の体積が種々の素子において同一の速度及び品質で生じる。
【0097】
複数の素子を有するデバイスの一実施例では、これらの素子は同一のタイプ、例えばキャパシタ又はダイオードである。また、これらの素子は異なるタイプである。これらの複数の素子は、特定の電気的機能を実行し得る集積回路を構成するために、上述した他の受動素子又は能動素子を用いて又は用いないで電気的に接続又は結合することができる。このようなデバイスはアクティブダイとしても知られている。
【0098】
一実施例では、デバイス又はアクティブダイはメモリを備える集積回路600である。図6Aに示されるように、メモリは、複数のワードライン697、複数のビットライン604及び複数のプレートライン658の間に接続された複数のメモリセルのアレイからなり、各メモリセルは1つのワードラインと1つのビットラインと1つのプレートラインとの間に接続される。ラインのアレイはメモリアレイを既知の方法に従って駆動するために周辺回路601に接続される。
【0099】
各メモリセルはトランジスタ690及び蓄積キャパシタ602を備える。トランジスタは個々の蓄積キャパシタの選択的な読出し及び書込みのために使用される。当業者に既知のように、データ保持時間は蓄積キャパシタに依存する。トランジスタの寸法は減少し続けているので、これらのメモリデバイス内の単位基板面積当たりのキャパシタンスの増大が必要とされている。
【0100】
図6Bは半導体基板644内のフィールド酸化物696の間に存在する2つのメモリセルを示す。各トランジスタ690はワードラインを構成するゲート697を有する。トランジスタはビットラインに接続されたチャネル端子695を共用する。各トランジスタは蓄積キャパシタ602のピラー608を有する第1電極604に接続される。すべてのゲート及び電極は絶縁分離層694により電気的に分離される。誘電体層652が各第1電極604を被覆し、第1電極を、プレートラインを構成する第2電極658から電気的に分離する。
【0101】
製造中において、第2電極がまだ堆積されていない状態では、ピラー608は溝又は孔内に埋設されてない自立構造である。従って、この構造の利点は高いキャパシタンス密度をもたらすのみならず、デバイス600の製造歩留まりの増大ももたらすことにある。本実施例のデバイスでは第1電極604の第1表面が起伏のために基板表面に対して水平にならず、ピラーはこの表面に直角に延在しない。
【0102】
これらのキャパシタは、本発明に従って設計し、例えば米国特許第5821142号(特許文献6)、米国特許第5204280号(特許文献7)、米国特許第5336630号(特許文献8)又は米国特許第6924526号(特許文献9)に記載されているような既知の半導体製造方法に従って製造することができる。これらのキャパシタは、電極層及び/又は補助又は誘電体層の厚さ並びに断面寸法が小さいにもかかわらず、前述したキャパシタと強い類似性を有する。当業者は、メモリアレイを駆動するために周辺回路をデバイス内にどのように設けるかは知っている。上述のデバイスは良好なデータ保持特性を有し、メモリ技術の良好なスケールダウンを可能にする。
【0103】
本発明による他のデバイス又はアクティブダイは、トランシーバ、パワー増幅器、TV又はモバイルアプリケーション用IC、フィルタ、照合装置、チャージポンプ、又はDC−DCコンバータを含む。当業者は他のアプリケーションも知っている。
【0104】
一実施例では、デバイスはプラットフォームデバイスまたは相互接続デバイスとしても知られているパッシブダイである。相互接続デバイスは、いわゆる半導体デバイスのアセンブリにおいて複雑な電気的機能を実現するために、1以上のアクティブダイ又は他のパッシブダイを電気的に相互接続することができる。アセンブリはパッケージ内システムとしても知られている。これらの機能はこれらのアセンブリ内で高い費用効率で達成することができる。その理由は、すべての電気的機能を単一のダイ内で実現する必要があるわけではなく、従って極めて複雑で費用のかかる製造プロセスを必要としないためである。従って、例えば相互接続すべきダイは種々の最適化されたプロセスで製造される。アセンブリは別のプロセスで行うことができる。
【0105】
図7はアセンブリ780の一例を断面図で示す。アセンブリ780はアクティブデバイス700、相互接続デバイス782を含む。アセンブリはダブルフリップチップ構造を利用し、デバイス700を相互接続デバイス782にバンプ786によって電気的に接続し、相互接続デバイス782をリードフレーム784にバンプ788によって電気的に接続する。バンプ786は例えば金バンプであるが、バンプ788は例えばSAC(錫−銀−銅合金)のはんだバンプである。電気的相互接続は導電性バイア785による基板スルー接続である。アセンブリ全体はパッケージアセンブリ内のレディー・ツー・ユース・システムを構成すべくモールド789内にパッケージ化される。当業者でれば2以上のデバイスを含む他のこのようなアセンブリを考案することができる。
【0106】
当業者であれば本発明によるデバイス有する多くの異なるアセンブリ構造を考案することができる。
【0107】
782のような相互接続ダイ又はパッシブダイは700のようなアクティブダイよりも簡単且つ経済的なプロセスで製造されるのが好ましい。このようなパッシブダイは例えば国際公開第2004/114397号に従って製造することができる。更に、パッシブダイ又は相互接続ダイは、例えば上述した本発明による素子を用い、追加の電気的機能を実行する集積回路を備えることもできる。例えば、パッシブダイは、バッファ用又は上述したエネルギー源用の大きなキャパシタを有することができる。また、コイルが存在してもよい。特に、電池としてのデバイスは標準のCMOS技術により製造されるアクティブダイに集積化するのは困難である。その理由は、CMOS製造に全く共通しない材料層を必要とするためである。あらゆる種類の素子に加えて、パッシブダイの785のような基板貫通バイアを集積化することもできる。これは、例えば国際公開第2004/114397号(特許文献4)に記載されている方法で行うことができる。バイアはパッシブダイ基板の異なる表面上に存在する複数のダイ間の電気的相互接続を可能にする。
【0108】
このようなアセンブリ技術はフレキシブルで、多用途で、コストエフェクティブである。本発明によるデバイスは、これまで達成されなかった新しい改善された特性、例えば300nF/mmのキャパシタンス密度を有する大きなキャパシタンスを有する大きなキャパシタ又は長寿命の電池を提供する。これにより、このようなデバイスは更に広い応用範囲のための新しいアセンブリを提供する。
【0109】
上述した実施例は説明のためであって本発明を限定するものではなく、当業者であれば添付の特許請求の範囲から逸脱することなく多くの代替実施例を設計することが可能である。特許請求の範囲において、構成要素の後の括弧内の参照符号は特許請求の範囲を限定するものではない。「具える」は、請求項に記載の要素や手順以外の要素や手順を除外するものではない。数を特定してない要素は複数の存在を除外するものではない。また、装置の請求項に記載されている手段のいくつかは一つの同一ハードウエア要素で実現してもよい。また、いくつかの手段が互いに異なる従属請求項に記載されていることのみをもって、これらの手段の組合せは有利に使用できないことを意味するものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7