【課題を解決するための手段】
【0006】
前記耐汚染性は、半芳香族性ポリアミド(A1)と、環式脂肪族ジアミン(A2)を主成分とするポリアミドとの混合物を含む成形材料から、前記物品、即ち上記のようなケーシングまたはケーシング部品を製造することにより達成される。本発明の成形材料(A1およびA2の混合物)から作成した上記物品(成形部品、構成部品)は、成分A1を主成分とする(成分A2ナシ)、即ち該半芳香族性ポリアミドA1のみを主成分とする成形材料と比較して、少なくとも20%減じられた汚染傾向(ST)、好ましくは少なくとも30%減じられた汚染傾向(ST)、および特に好ましくは少なくとも40%減じられた汚染傾向(ST)を持つ。
【0007】
本発明に関連して、耐汚染性とは、毎日の生活において使用されている染料、例えばメークアップ(リップスティック、リップグロス、頬紅)または天然および合成着色剤、例えばソフトドリンク、ケチャップ、赤ワイン、マスタード内で使用されているもの、または衣料またはレザー中の染料および顔料との接触状態に置かれる物品またはケーシングが、永続的な色変化を生じず、あるいは極めて僅かな永続的な色変化を生じることを意味する。
【0008】
本発明の目的は、請求項1に従う使用により、特に耐汚染性部材または携帯電子デバイス用のケーシングの製造のために、該成形材料を使用することにより達成される。
具体的には、本発明は、ポリアミド成形材料を主成分とする耐汚染性物品およびこの目的のためのかかる成形材料の使用に係り、ここで該成形材料は、以下の成分を含みまたは該成分からなる:
【0009】
(A) 30〜100質量%なる範囲の量のポリアミドまたはポリアミド混合物、該ポリアミドまたはポリアミド混合物は、以下の成分を含み:
(A1) 50〜98質量%なる範囲の量の、少なくとも1種の半芳香族ポリアミド;
(A2) 2〜50質量%なる範囲の量の、少なくとも100℃なるガラス転移点を持ち、以下の成分を主成分とし、前記(A1)のポリアミドとは異なる、少なくとも1種の無定形ポリアミドおよび/または微晶質ポリアミド:
(a1) 20〜100モル%なる範囲の量の少なくとも1種の環式脂肪族ジアミン、および0〜80モル%なる範囲の量の少なくとも1種の他の脂肪族および/または芳香族ジアミン(ここで、該成分(a1)内のモル%量は、合計でジアミン100モル%を構成する);および
(a2) 少なくとも6個の炭素原子を持つ芳香族および/または脂肪族ジカルボン酸、
但し、該成分(a1)および(a2)のモノマー全体の45モル%までは、6〜12個の炭素原子を含むラクタムまたは6〜12個の炭素原子を含むアミノカルボン酸によって置換えることができることを条件とし、ここで前記成分(A)における、前記成分(A1)および(A2)両者の割合は、該成分(A)の100質量%を占め;
(B) 0〜70質量%なる範囲の量の、繊維質添加剤(B1)、特にガラス繊維および/または粒状添加剤(B2);
(C) 0〜30質量%なる範囲の量の、衝撃靭性改良剤および/または前記成分(A)のポリマーとは異なるポリマー;
(D) 0〜25質量%なる範囲の量の難燃剤、ここで該難燃剤は、好ましくはハロゲン原子を含まないものであり;および
(E) 0〜3質量%なる範囲の量の添加剤。
該成形材料において、前記成分(A)〜(E)の総和は、100質量%となる。
【0010】
ここで、本発明の使用は、耐汚染性物品を製造するためのものであり、該物品の汚染傾向(ST)は、15以下であり、特に好ましくは10以下である。前記成分(A)は、従って1種またはそれ以上の半芳香族ポリアミド(A1)と、無定形ポリアミドまたは微晶質ポリアミド(A2)との混合物からなり、ここで該混合物における該成分(A2)は、好ましくは該ポリアミド混合物Aを基準として、50質量%未満、好ましくは45質量%以下、および特に好ましくは40質量%以下を占める。該成分(A2)は、従って、各場合において該成分Aを基準として、好ましくは5〜45質量%なる範囲、特に好ましくは10〜40質量%なる範囲の量で使用される。
【0011】
ここで、前記成分(A)の割合は、30〜90質量%なる範囲、好ましくは30〜80質量%なる範囲にあることが好ましい。
前記成分(B)の割合は、10〜65質量%なる範囲、好ましくは20〜60質量%なる範囲にあることが好ましい。
前記成分(C)の割合は、1〜25質量%なる範囲、好ましくは2〜15質量%なる範囲にあることが好ましい。
前記成分(D)の割合は、5〜25質量%なる範囲、好ましくは5〜20質量%なる範囲にあることが好ましい。
前記成分(E)の割合は、0.1〜2質量%なる範囲、好ましくは0.2〜1.5質量%なる範囲にあることが好ましい。
【0012】
本発明による物品、成形体または成形部品は低い汚染傾向(ST)を持つ。換言すれば、EN ISO 11664-4に従って、CIELAB色空間において決定したそのE値(色位置)は、以下において記載する汚染テストにおいてほんの僅かに変化するに過ぎない。より具体的に、これは、以下に記載する汚染テストにおいて確認される前記ΔEの値が、15以下、好ましくは11以下、特に好ましくは8以下であることを意味する。好ましくは、同時に該物品は>80、好ましくは>90、特に好ましくは>95なる、汚染の前およびその後の両者における輝度L*を持つ。あるいはまた、もしくは付随的に、好ましくはa*の値、またはこれとは独立に、b*の値は各場合において<10、好ましくは<5、特に好ましくは<3、最も好ましくは0付近である。前記配合物に対しては、>96なるL*値が特に好ましい。
【0013】
前記CIE L*、a*、およびb*の値は、白色に塗装したコントラストシートに対して、以下の測定条件の下で、データカラー(Datacolor)社製の分光光度計(装置名:データカラー(Datacolor) 650))を利用して測定した:測定モード:反射;測定幾何学:D/8゜;光の型:D6510;光沢度:固定;較正:UV-較正;測定ダイアフラム:SAV(小面積視野、9mm照明、5mm測定)。前記CIELABシステム(EN ISO 11664-4〜2011 DIN 6174)に対応する基準およびサンプルのこれらL*、a*、およびb*の値を使用することにより、色の明度差ΔL
*は、以下の式に従って計算される:
ΔL
* = L
*サンプル - L
*基準
【0014】
色位置(L
*a
*b
*)
基準と(L
*a
*b
*)
サンプルとの間の該色の差ΔEは、以下の式に従って、ユークリッド差(Euclidean difference)として、ISO 12647およびISO 13655に従って計算される:
ΔE = [(L
*サンプル - L
*基準)
2 + (a
*サンプル - a
*基準)
2+ (b
*サンプル - b
*基準)
2]
1/2
【0015】
前記成形部品の汚染傾向は、以下の汚染媒体によってテストされる:
・リップグロス:メイベリンカラーセンセーショナルクリームグロスファブルスピンク(Maybelline Colour Sensational Cream Gloss Fabulous Pink) 137[メイベリンニューヨーク、ジャドデュッセルドルフ、ジェミーパリ16プラスバンドム、75001パリ(Maybelline New York, Jade Dusseldorf, Gemey-Paris, 16 Place Vendome, 75001 Paris)]または
・マスタード:トミーシャーファー(Thomy scharfer)(ホット)マスタード[ネスルスイス社((Nestle Suisse AG)、スイス国、1800べベイ(1800 Vevey, Switzerland)]。
これらの媒体は、大きなテストされた試薬群から選択された。というのは、これらがポリアミドから作成した成形部品に関して、最大の色彩変化を引起し、また結果として該汚染傾向に関して最良の識別性を与えるからである。例えば、オリーブオイル、サンクリームまたは従来のケチャップは、該テスト用検体に対して極めて僅かな色彩変化を引起すに過ぎず、これは、使用するポリアミド成形材料間の識別を困難または不可能にする。
【0016】
前記汚染テスト中には、綿製パッドを用いて、前記テスト検体(寸法:2x40x50mm)の表面に、前記汚染媒体を飽和するように適用する。このようにして調製した該テスト検体および未処理の基準テスト検体を、次いで温度65℃および相対湿度90%にて、耐候試験機内で、72時間に渡る保存処置に掛ける。保存後、これらのテスト検体の温度を、23℃とし、また該テスト検体の表面を、次に水性石鹸溶液を含むスポンジを用いて、人肌に温めた水の流れの下で清浄化して、該汚染媒体の付着残留物を該サンプル表面から排除する。汚染媒体を含まない該基準カラープレートも、該清浄化段階に掛ける。一旦該基準およびテストプレートを清浄化した後、前記L*、a*およびb*の値を、上記の如く決定し、また前記ΔL
*およびΔEの値を算出する。
【0017】
上記の汚染テストにおける汚染傾向(ST)は、上記の両汚染媒体に関するΔEの平均値から与えられる:
ST = (ΔE
マスタード + ΔE
リップグロス)/2
【0018】
前記成分A1およびA2の混合物を主成分とする、本発明の前記成形材料から製造した物品(成形部品、構成部品)は、好ましくは、専らA1を主成分とする(A2を含まない)、即ち前記半芳香族ポリアミドを主成分とする成形材料と比較して、少なくとも20%減じられた汚染傾向(ST)、好ましくは少なくとも30%減じられた汚染傾向(ST)および特に好ましくは少なくとも40%減じられた汚染傾向(ST)を有し、および/または低下されたΔL値(平均のΔL値 = (ΔL
マスタード + ΔL
リップグロス)/2)を持つ。ここで、本発明による耐汚染性物品の汚染傾向(ST)は、好ましくは15以下または12以下、特に好ましくは10以下である。該平均のΔL値は、好ましくは2.0以下または1.3以下であり、また特に好ましくは1.0以下である。
【0019】
本発明は、好ましくは、少なくとも部分的に前記型のポリアミド成形材料からなる、上記の如きまた以下において更に記載されるポリアミド成形材料を用いて製造した、物品または成形体または成形部品に係り、また特に好ましくは電気または電子部材、ケーシングまたはケーシング構成部品としてのまたはその一部としての該物品等に係る。
【0020】
好ましい一態様において、本発明は、改善された耐汚染性を持つ携帯電子デバイス用の物品、特にケーシングまたはケーシング部品を含む。ここで、該用語「携帯」とは、該電子デバイスが、気軽に搬送することができ、また様々な場所において使用し得るように設計されていることを意味する。例えば、該携帯電子デバイスは移動電話、スマートホン、オーガナイザー、ラップトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、タブレットコンピュータ、ラジオ、カメラ、時計、計算機、音楽またはビデオプレイヤー、ナビゲーションデバイス、GPSデバイス、電子画像フレーム、外部ハードドライブ(external hard drives)、および他の電子保存媒体等である。前記用語「ケーシングまたはケーシング部品」とは、ケーシング部品の全範囲、例えばカバー、カバープレート、カバーフードまたはリッド、フレームまたは支持ケーシング部品、例えばバックボーン、特にバックカバー、フロントカバー、アンテナケーシング、フレーム、移動電話、スマートホンまたはコンピュータのバックボーン等を意味するものとし、ここでバックボーン(backbone)とは、上部に更なる電子部材が組込まれる構造部材、例えばバッテリー端子、アンテナ、スクリーン、コネクタ、プロセッサ、キーパッド、キーボードおよびその他の電子部材を意味するものと理解すべきである。ここで、該バックボーンは、外部から部分的にみることのできる構造または内部部材で構成することができる。カバーとして使用される該ケーシング部品は、特に内部部材を保護し、また該電子部材を、汚染、力の作用(例えば、落下により生じる衝撃)または環境の作用、例えば埃、液体、輻射またはガスの作用により生じる損傷等から保護する機能を持つ。更に、該ケーシングまたはケーシング部品は、また構造部材としても作用することができ、また結果として該デバイスに強度を与えることを可能とする。意図したように使用することによって、該使用は、好ましくはその上部に更なる層を配置することなしに、その表面に直接配置され、また結果として汚染に暴露される、部材またはその領域に向けられる。従って、ケーシング部品の被覆としての使用も考慮に入れられている。
【0021】
好ましい一態様において、前記用語「ケーシング」とは、移動電話またはスマートホンのケーシング、特に移動電話のバックボーン、バックカバー、フロントカバー、アンテナケーシング、またはフレームを意味するものと理解すべきである。ここで、該ケーシングは、1種またはそれ以上の部品からなるものであり得る。本発明による物品、特に携帯電子デバイス用のケーシングは、様々な熱可塑性物質の加工工程により、特に射出成形または押出しにより、ここに提案された成形材料から製造することができる。該物品は、好ましくは射出成形または押出し工程において成形された物体または被覆された物体である。
【0022】
しかし、広い意味において、本発明は、また物品または成形部品、特に家庭用デバイスおよび家庭用機械、電気通信および消費電子機器用のデバイスおよび装置用のケーシングまたはケーシング部品、自動車部門および他の輸送手段の分野におけるインテリアおよびエキステリア部品、好ましくは電気工学、家具、スポーツ用品、機械工学、衛生および保健、医薬、動力工学および駆動技術分野における、支持体または機械的機能を備えたインテリアおよびエキステリア部品をも包含する。更に、本発明は、また本発明の成形材料から、公知の紡糸法(溶融紡糸法、湿式紡糸法)によって製造される糸、繊維、二成分繊維、ステープル繊維(好ましくは、捲縮されおよび/または型押され(textured)および/または30〜140mmなる範囲の長さに裁断された繊維)、フィラメントおよびモノフィラメントをも包含する。特に、難燃性糸、繊維、ステープル繊維、二成分繊維、フィラメントまたはモノフィラメントが、公共ビルディングおよびレストランにおいて、または移動輸送手段において、特に飛行機、列車及び自動車において使用するための、編織布、例えばシーツカバー、カーペット、カーテンまたは網状カーテンの製造のために好ましいものとしてここに含まれる。
【0023】
前記成形材料の成分(A)は、50〜98質量%なる範囲の量の少なくとも1種の半芳香族ポリアミド(A1)および2〜50質量%なる範囲の量の少なくとも1種の、環式脂肪族ジアミンを主成分とするポリアミド(A2)を含んでいる。
【0024】
前記成分(A1)は、半芳香族ポリアミド、特に芳香族ジカルボン酸、特にテレフタル酸および脂肪族ジアミンを主成分とする半芳香族ポリアミドを含みまたはこれからなる。該半芳香族ポリアミドは、この場合無定形(アモルファス)または半結晶性の形態を持つことができる。該半結晶性の半芳香族ポリアミドを使用することが好ましい。該成分(A1)の半結晶性ポリアミドは、少なくとも250℃、好ましくは少なくとも260℃、および特に好ましくは少なくとも270℃なる融点を持つ。該融点は、好ましくは250〜330℃なる範囲、特に260〜320℃なる範囲にある。前記融解エンタルピーは、少なくとも30J/g、好ましくは少なくとも35J/gおよび特に好ましくは少なくとも40J/gである。
【0025】
前記成分(A1)のジカルボン酸の全量における該テレフタル酸の割合は、50〜100モル%なる範囲、好ましくは60〜95モル%なる範囲、および特に好ましくは65〜90モル%なる範囲にあることが好ましい。
【0026】
例えば、前記成分(A1)に対するジアミンとしては、以下に列挙するモノマーを考えることができる:1,4-ブタンジアミン、1,5-ペンタンジアミン、2-メチル-1,5-ペンタンジアミン、2-ブチル-2-エチル-1,5-ペンタンジアミン、1,6-ヘキサンジアミン、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン、1,8-オクタンジアミン、2-メチル-1,8-オクタンジアミン、1,9-ノナンジアミン、1,10-デカンジアミン、1,11-ウンデカンジアミン、1,12-ドデカンジアミン、1,13-トリデカンジアミン、1,14-テトラデカンジアミン、m-キシリレンジアミンおよびp-キシリレンジアミン。ここでは、1,6-ヘキサンジアミン、1,10-デカンジアミンおよび1,12-ドデカンジアミンが好ましい。テレフタル酸以外に、該ポリアミド(A1)は、また好ましくは以下に列挙するジカルボン酸を含むことができる:アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカンニ酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、C36-ダイマー脂肪酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、cis-および/またはtrans-シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸および/またはcis-および/またはtrans-シクロヘキサン-1,3-ジカルボン酸(CHDA)およびこれらの混合物。アジピン酸、イソフタル酸、セバシン酸およびドデカンニ酸が好ましい。
【0027】
更に、前記ポリアミド(A1)は、またラクタムまたはアミノカルボン酸、特に6〜12個の炭素原子を含むα,ω−アミノ酸またはラクタムを含むことができ、ここではその例として以下のようなものが選択される:m-アミノ安息香酸、p-アミノ安息香酸、カプロラクタム(CL)、α,ω−アミノカプロン酸、α,ω−アミノヘプタン酸、α,ω−アミノオクタン酸、α,ω−アミノノナン酸、α,ω−アミノデカン酸、α,ω−アミノウンデカン酸(AUA)、ラウロラクタム(LL)およびα,ω−アミノドデカン酸(ADA)。カプロラクタム、α,ω−アミノカプロン酸、α,ω−アミノウンデカン酸、ラウロラクタムおよびα,ω−アミノドデカン酸が、特に好ましい。
【0028】
好ましくは、前記半芳香族ポリアミド(A1)は、8〜18個、好ましくは8〜14個の炭素原子を含む芳香族ジカルボン酸、または芳香族構造単位を持つジアミン、例えばPXDAおよび/またはMXDAの何れかを主成分とするものである。好ましい芳香族ジカルボン酸は、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸およびイソフタル酸である。好ましい半芳香族ポリアミドは、以下のポリアミド系を主成分とするものである:4T、5T、DT、6T、9T、MT、10T、12T、4I、5I、DI、6I、9I、MI、10I、12I(ここで、Dは、2-メチルペンタンジアミンを表し、またMは2-メチルオクタンジアミンを表す)。これらは、ホモポリアミドおよび更には2-元系、3-元系または4-元系コポリアミドとして相互に組合せることができるが、但しこのことは、処理温度によって可能となるものである。更に、脂肪族ポリアミド系、例えば46.6、66、11、12、1212、1010、1012、1210、610、612、614、69および810をも組合せることができる。好ましい半芳香族ポリアミドは以下に列挙するものである:6T/6I、6T/10T、6T/10T/10I、10T/612、11/10T、12/10T、10T/1010、10I/10T、10T/1012、9MT、12T、12T/1010、12T/1012、および12T/1212。該ポリアミド(A1)の場合において、該半結晶性コポリアミド6T/6I、10T/6T、10T/612および更にはMXD6、MXD10、MXD6/MXDI、PXD10、MXD10/PXD10が特に好ましい。
【0029】
前記無定形半芳香族ポリアミド(A1)は、好ましくは直鎖および/または分岐脂肪族ジアミンおよび芳香族ジカルボン酸を主成分とし、また好ましくは20モル%未満の環式脂肪族ジアミンを含み、また特に好ましくは環式脂肪族ジアミンを含まないものである。該無定形半芳香族ポリアミド(A1)に関しては、6T/6Iまたは10T/10Iまたは3-6T(3-6 = 2,2,4-または2,4,4-トリメチルヘキサンジアミン)等の系が特に好ましい。該6T/6Iまたは10T/10I系は、夫々50モル%未満なる割合の6Tまたは10T単位を含み、ここで、6T:6Iまたは10T/10Iの組成範囲は、20:80〜45:55なる範囲、特に25:75〜40:60なる範囲であることが好ましい。特に、前記成分Aが、20質量%以下、好ましくは10質量%以下の該無定形半芳香族ポリアミド(A1)を含む場合が好ましく、また特に好ましくは該成分Aは、該無定形半芳香族ポリアミド(A1)を全く含まない。
【0030】
好ましい一態様において、前記ポリアミド(A1)は、55〜100モル%なる範囲のテレフタル酸、0〜45モル%なる範囲の、6〜12個の炭素原子を含む脂肪族ジカルボン酸、55〜95モル%なる範囲の量の9〜12個の炭素原子を含む直鎖脂肪族ジアミン、および5〜45モル%なる範囲の、4〜8個の炭素原子を含む脂肪族ジアミンから製造される。ここで、特に好ましいものは、10および12個の炭素原子を含む該ジアミン、即ち1,10-デカンジアミンおよび1,12-ドデカンジアミンである。4〜8個の炭素原子を含むジアミンとしては、1,6-ヘキサンジアミンが好ましい。このような好ましいポリアミドの例は、10T/612(80:20)および10T/6T(85:15)である。
【0031】
更なる好ましい一態様によれば、前記成分(A1)は、72.0〜98.3質量%なる範囲のテレフタル酸(TPS)、28.0〜1.7質量%なる範囲のイソフタル酸(IPS)、51.0〜80.0質量%なる範囲の1,6-ヘキサンジアミン(HMDA)および20.0〜49.0質量%なる範囲のC9-C12ジアミンから作成された半芳香族性の半結晶性コポリアミドであり、ここにおいてC9-C12ジアミンは、好ましくは1,9-ノナンジアミン、メチル-1,8-オクタンジアミン、1,10-デカンジアミン、1,11-ウンデカンジアミン、1,12-ドデカンジアミン、またはこの型のジアミンの混合物からなる群から選択されるジアミンであり、ここでは、1,10-デカンジアミンおよび1,12-ドデカンジアミンが好ましく、また1,10-デカンジアミン単独での使用が特に好ましい。従って、ポリアミド系の一つであるPA 10T/10I/6T/6Iが好ましく、この場合上記濃度が適用される。
【0032】
前記ポリアミド成分A1およびA2を含有するポリマー混合物(A)に関しては、以下のような組成が好ましい:
(A1):6T/6I、ここでそのモル比は、60:40〜80:20なる範囲、または特に65:35〜75:25なる範囲にあり、ここでは70:30なるモル比が特に好ましい;
(A1):MACM12またはMACMI/12またはTMDC12またはMACMT/MACMI/12;
(A1):10T/6T、12T/6T、10T/11、10T/12、10T/1010、10T/1012、10T/106、10T/126、または10T/612、ここでこれら各系のモル比は、60:40〜95:5なる範囲、または特に70:30〜90:10なる範囲にある;
(A2):MACM12またはMACMI/12またはTMDC12またはMACMT/MACMI/12。
ここで、前記成分(A1)の割合は、前記混合物Aを基準として、50〜98質量%なる範囲、好ましくは55〜90質量%なる範囲、特に好ましくは60〜85質量%なる範囲にある。
【0033】
本発明に従って使用される前記ポリアミド成形材料の前記マトリックスは、上記した如く、好ましくは無定形ポリアミド(A2)と半結晶性の半芳香族ポリアミド(A1)との混合物を主成分とする。このマトリックスは、また好ましくは衝撃靭性改良剤または前記成分Aとは異なる更なるポリマーをも含むことができる。該ポリマーに関するマトリックスが、単に該成分A1またはA2のみからなっている成形材料が、特に好ましい。
【0034】
前記ポリアミド(A1)または(A2)は、1.4〜3.0なる範囲、好ましくは1.5〜2.7なる範囲、特に1.5〜2.4なる範囲の、m-クレゾール(濃度:0.5質量%、温度:20℃)中で測定した溶液粘度η
relを持つことが好ましい。
【0035】
前記成分(A2)は、好ましくはポリアミドを含みまたはこれからなり、該ポリアミドは、環式脂肪族ジアミンおよび更に脂肪族、環式脂肪族または芳香族モノマーから製造することができる。
【0036】
具体的には、前記成分(A2)は、環式脂肪族ジアミンを主成分とする無定形ポリアミドまたは微晶質ポリアミドを含みまたはこれからなり、該ポリアミドは、少なくとも100℃、好ましくは少なくとも120℃または130℃、および特に好ましくは少なくとも140℃または150℃であるが、好ましくは220℃以下または200℃以下のガラス転移点を持つ。ここで該無定形ポリアミドおよび微晶質ポリアミド両者は、ヒトの目に対して可視領域の波長範囲内で透明であるが、但し特にこれらが(依然として)顔料と混合されていないことを条件とする。この場合、該用語「透明」とは、単独の該ポリアミドA2から製造された成形部品が、少なくとも85%、好ましくは少なくとも88%および特に90%を越える高い光の透過率(LT)を持つことを意味する。透明性に関する一尺度として使用される該光の透過率値は、ここでは、即ち本明細書の範囲内においては常に、ASTM D1003法(光の型:CIE-C)に従って特定されたものとして理解すべきである。ここにおいて、該光の透過率は、以下において詳述される実験において、サイズ70x2mmの丸形プレートまたはサイズ60x60x2mmのプレート上で、ヘイズガードプラス(Haze Guard Plus)なる名称の下に、BYKガードナー(DE)(BYK Gardner (DE))社により市販されているデバイスを用いて測定された。該透過率値は、CIE-Cに従って規定された可視光波長範囲、即ち400〜770nmなる範囲の凡その基本的な強度を持つ光に対して特定される。70x2mmなるサイズを持つ該丸形プレートは、例えば艶出しされた金型内で、アルバーグ(Arburg)射出成形機を用いて、この目的のために製造され、ここで該装置のシリンダ温度は200〜340℃なる範囲にあり、また該金型温度は20〜140℃なる範囲にある。前記無定形ポリアミドは、測定し得る融解熱を持たず、あるいは4J/g以下、好ましくは2J/g以下(粒状物について、ISO 11357-11-2に従って、20℃/分なる加熱速度にて、示差走査型熱量法(DSC)を用いて測定)なる極めて低い融解熱(融解エンタルピー)を持つに過ぎない。本発明による微晶質ポリアミドは、小さな微結晶を含み、該微結晶は、可視光を著しく散乱することはなく、また4〜25J/gなる範囲、好ましくは8〜22J/gなる範囲(粒状物について、ISO 11357-11-2に従って、20℃/分なる加熱速度にて、示差走査型熱量法(DSC)を用いて測定)の適度の融解熱を持つ。
【0037】
前記成分(A2)中に含まれる前記環式脂肪族ジアミンに濃度は、該成分(A2)中に含まれる全ジアミンの総量を基準として、少なくとも20モル%、特に少なくとも40モル%および特に好ましくは少なくとも50または60モル%であることが好ましい。特に好ましくは、該環式脂肪族ジアミンの濃度は、該成分(A2)の全ジアミンの総量を基準として、60〜100モル%なる範囲にある。
【0038】
前記成分(A2)に関連して、適当な環式脂肪族ジアミンは、6〜24個の炭素原子を含むかかるジアミン、例えばビス-(4-アミノ-3-メチルシクロヘキシル)-メタン(MACM)、ビス-(4-アミノシクロヘキシル)-メタン(PACM)、ビス-(4-アミノ-3-エチルシクロヘキシル)-メタン(EACM)、ビス-(4-アミノ-3,5-ジメチルシクロヘキシル)-メタン(TMDC)、2,6-ノルボルナンジアミンまたは2,6-ビス-(アミノメチル)-ノルボルナンまたは1,3-ジアミノシクロヘキサン、1,4-ジアミノシクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミン、1,3-ビス-(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4-ビス-(アミノメチル)シクロヘキサン、2,2-(4,4'-ジアミノジシクロヘキシル)プロパン(PACP)、またはこれらの混合物である。特に、アルキル-置換ビス-(アミノシクロヘキシル)メタンまたはビス-(アミノシクロヘキシル)プロパンが好ましい。直鎖および/または分岐C1-C6、好ましくはC1-C4アルキル基が、上記アルキル置換基として好ましく、従って特にメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基またはブチル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。特に好ましい態様においては、ビス-(4-アミノ-3-メチル-シクロヘキシル)-メタン(MACM)およびビス-(4-アミノ-3,5-ジメチルシクロヘキシル)-メタン(TMDC)が、アルキル-置換ビス-(アミノシクロヘキシル)メタンとして使用される。PACM、MACMおよびTMDC等の環式脂肪族ジアミンが特に好ましい。
【0039】
前記環式脂肪族ジアミンに加えて、他の脂肪族および芳香族ジアミンも、前記ポリアミド(A2)を製造するために、限定された範囲にて使用することができ、その例は、例えば1,4-ブタンジアミン、1,5-ペンタンジアミン、2-メチル-1,5-ペンタンジアミン、2-ブチル-2-エチル-1,5-ペンタンジアミン、1,6-ヘキサンジアミン、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン、1,8-オクタンジアミン、2-メチル-1,8-オクタンジアミン、1,9-ノナンジアミン、1,10-デカンジアミン、1,11-ウンデカンジアミン、1,12-ドデカンジアミン、1,13-トリデカンジアミン、1,14-テトラデカンジアミン、m-キシリレンジアミンおよびp-キシリレンジアミンである。6〜10個の炭素原子を含む直鎖脂肪族ジアミン、特に1,6-ヘキサンジアミンが好ましい。しかし、該成分(A2)内のこれら他のジアミンは、該成分(A2)における全ジアミンの、80モル%を越える量を占めることはなく、またその割合は、該成分(A2)における全ジアミンの、好ましくは60モル%以下、特に好ましくは40モル%以下を占めることが好ましい。該成分(A2)は、特に好ましくは、環式脂肪族以外のこのような更なる他のジアミンを実質的に含まないものである。該成分(A2)にとって適した前記ジカルボン酸(a2)は、以下に列挙するものである:アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカンニ酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、C36-ダイマー脂肪酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、cis-および/またはtrans-シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸および/またはcis-および/またはtrans-シクロヘキサン-1,3-ジカルボン酸(CHDA)、およびこれらの混合物。芳香族ジカルボン酸および直鎖脂肪族ジカルボン酸が好ましい。該ジカルボン酸として特に好ましいものは、テレフタル酸、イソフタル酸、セバシン酸およびドデカンニ酸である。テレフタル酸の割合が、該成分(A2)の全ジカルボン酸の総量を基準として、50モル%以下であるようなポリアミド(A2)が、特に好ましい。特に、該成分A1におけるテレフタル酸の割合が45モル%未満である場合、または該成分(A2)内にテレフタル酸が全く含まれていない場合が好ましい。
【0040】
前記ポリアミド(A2)は、またラクタムまたはアミノカルボン酸、特に、6〜12個の炭素原子を含むα,ω−アミノ酸またはラクタムを、更なるモノマーとして含むことができ、ここではその例としては以下のようなものが選択される:m-アミノ安息香酸、p-アミノ安息香酸、カプロラクタム(CL)、α,ω−アミノカプロン酸、α,ω−アミノヘプタン酸、α,ω−アミノオクタン酸、α,ω−アミノノナン酸、α,ω−アミノデカン酸、α,ω−アミノウンデカン酸(AUA)、ラウロラクタム(LL)およびα,ω−アミノドデカン酸(ADA)。特に好ましいのは、カプロラクタム、α,ω−アミノカプロン酸、ラウロラクタム、α,ω−アミノウンデカン酸およびα,ω−アミノドデカン酸である。該成分(A2)におけるラクタムまたはアミノ酸の割合は、各場合において、該成分(A2)を構成する全モノマーの総量を基準として、0〜45モル%なる範囲、好ましくは2〜40モル%なる範囲および特に好ましくは3〜35モル%なる範囲にあり、ここで前記ジアミン(a1)を基準とした前記環式脂肪族ジアミンの濃度は、常に少なくとも20モル%である。
【0041】
環式脂肪族ジアミンを主成分とする好ましい前記ポリアミド(A2)は、MACM9、MACM10、MACM11、MACM12、MACM13、MACM14、MACM16、MACM18、PACM9、PACM10、PACM11、PACM12、PACM13、PACM14、PACM16、PACM18、TMDC9、TMDC10、MDC11、TMDC12、TMDC13、TMDC14、TMDC15、TMDC16、TMDC17、TMDC18またはコポリアミド、例えばMACMI/12、MACMT/12、MACMI/MACMT/12、6I/6T/MACMI/MACMT/12、3-6T、6I/MACMI/MACMT、6I/PACMI/PACMT、6I/6T/MACMI、MACMI/MACM36、12/PACMIまたは12/MACMT、6/PACMT、6/IPDTまたはこれらの混合物としてのMACM9-18/PACM9-18、MACM9-18/TMDC9-18、TMDC9-18/PACM9-18、特にMACM10/PACM10、MACM12/PACM12およびMACM14/PACM14、およびこれらの混合物である。
【0042】
まとめると、前記成分(A)は、好ましくは無定形(アモルファス状)半芳香族ポリアミド(A1)および/または環式脂肪族ジアミンを主成分とする、半結晶性の半芳香族系ポリアミド(A2)の混合物であり、ここで該成分(A2)のポリアミドは、好ましくは以下に列挙するものからなる群から選択される:MACM9、MACM10、MACM11、MACM12、MACM13、MACM14、MACM16、MACM18、PACM9、PACM10、PACM11、PACM12、PACM13、PACM14、PACM16、PACM18、TMDC9、TMDC10、TMDC11、TMDC12、TMDC13、TMDC14、TMDC15, TMDC16、TMDC18またはこれらのコポリアミド、例えばMACM10/PACM10、MACM12/PACM12、MACM14/PACM14、PACM10/TMDC10、PACM12/TMDC12、PACM14/TMDC14またはコポリアミドMACMI/12、MACMT/12、6I/6T/MACMI/MACMT/12、6I/MACMI/MACMT、6I/PACMI/PACMT、6I/6T/MACMI、MACMI/MACM36、12/PACMI、12/MACMT、6/PACMT, 6/IPDT、MACM10/TMDC10、MACM12/TMDC12、およびこれらの混合物またはブレンド。特に好ましいのは、MACM10、MACM12、MACM14、PACM10、PACM12、PACM14、TMDC10、TMDC12、TMDC14、MACMI/12、MACMI/MACMT/12および6T/6I/MACMT/MACMI/12である。
【0043】
前記ポリアミドA1は、好ましくは以下に列挙するものからなる群から選択される:6T/6I、6T/10T、6T/12、11/10T、12/10T、10T/1010、10/612、10I/10T、10T/1012、9MT、12Tおよびこれらの混合物またはブレンド。
前記成形材料は、10〜65質量%なる範囲、特に好ましくは20〜60質量%なる範囲の量のフィラーおよび強化剤(前記成分B)を含む。同様に、前記繊維状添加剤(B1)対前記粒状添加剤(B2)の比が、10:1〜1:10なる範囲または5:1〜1:5なる範囲にあることも好ましい。該成分(B)が、専ら繊維状添加剤(B1)により構成されること、即ち該粒状添加剤(B2)が、該成形材料中に全く存在しないことが、特に好ましい。
前記成分(B1)はガラス繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、アラミド繊維、およびナノチューブからなる群から選択されることが好ましい。該成分(B1)中に存在する繊維は、円形または非-円形断面を持つものであり得る。ガラス繊維が特に好ましい。
前記成分(B1)は好ましくはガラス繊維であり、該繊維は、以下の成分:二酸化ケイ素、酸化カルシウム、酸化マグネシウムおよび酸化アルミニウムで構成されており、あるいは実質的にこれらからなっており、その質量比:SiO
2/(CaO+MgO)は、2.7未満、好ましくは2.5未満、および特に2.1〜2.4なる範囲にある。特に、該成分B1は、ASTM D578-00に従うE-ガラス繊維である。
【0044】
本発明によれば、該ガラス繊維(前記成分B1)は、また高強度ガラス繊維であり得、これは好ましくは3-元系:二酸化ケイ素/酸化アルミニウム/酸化マグネシウムまたは4-元系:二酸化ケイ素/酸化アルミニウム/酸化マグネシウム/酸化カルシウムを主成分とし、ここでは、58〜70質量%なる範囲の量の二酸化ケイ素(SiO
2)、15〜30質量%なる範囲の量の酸化アルミニウム(Al
2O
3)、5〜15質量%なる範囲の量の酸化マグネシウム(MgO)、0〜10質量%なる範囲の量の酸化カルシウム(CaO)および0〜2質量%なる範囲の量の更なる酸化物、例えば二酸化ジルコニウム(ZrO
2)、酸化ホウ素(B
2O
3)、二酸化チタン(TiO
2)または酸化リチウム(Li
2O)なる組成を持つガラス繊維が好ましい。該高強度ガラス繊維は、好ましくは4000MPaに等しいかまたはそれ以上の引張強さ、および/または少なくとも5%なる引裂点伸びおよび80GPaを越える引張弾性率を持つ。該成分B1のこれら高強度ガラス繊維に関する具体的な例は、910または995サイズ剤を含むオーエンスコーニング(Owens Corning)社製のS-ガラス繊維、ニットウボウ(Nittobo)社製のT-ガラス繊維、3B社製のハイパーテックス(HiPertex)、シノマジンジングファイバーグラス(Sinoma Jinjing Fiberglass)社製のHS4-ガラス繊維、ベトロテックス(Vetrotex)社製のR-ガラス繊維およびAGY社製のS-1-およびS-2-ガラス繊維である。
【0045】
前記成分(B1)のガラス繊維は、短繊維として、好ましくは0.2〜20mmなる範囲の長さを持つカットガラス繊維として、または無端繊維として与えることができる。従って、前記成形材料は、0〜70質量%なる範囲、好ましくは10〜65質量%なる範囲、および特に好ましくは20〜60質量%なる範囲の量のガラス繊維(B1)を含み、該繊維は、短繊維(例えば、0.2〜20mmなる長さを持つカットガラス繊維)または無端繊維(ロービング)として知られているガラス繊維として使用される。
前記成分(B1)に係る本発明によるガラス繊維は、好ましくは円形または非-円形断面を持つ。
円形断面を持つガラス繊維、即ち丸形のガラス繊維は、典型的には5〜20μmなる範囲、好ましくは6〜17μmなる範囲および特に好ましくは6〜13μmなる範囲の径を持つ。これらは、好ましくは、短いガラス繊維(0.2〜20mmなる範囲の長さを持つカットガラス繊維)として使用される。
【0046】
前記成分(B1)の平型ガラス繊維、即ち非-円形断面を持つガラス繊維の場合、好ましくは、これらガラス繊維は、2を越える、好ましくは2〜8なる範囲、特に2〜5なる範囲の主断面軸対これに対して直角に位置する第二断面軸の寸法上の比を持つものとして使用される。これら「平型ガラス繊維」は、卵型または楕円形の断面、1またはそれ以上のくびれを備えた楕円形断面(コクーンファイバーとして知られているもの)、多角形または矩形断面、または実際上矩形の断面を持つ。使用する該平型ガラス繊維の更なる特徴的性状は、その主断面軸の長さが、好ましくは6〜40μmなる範囲、特に15〜30μmなる範囲の値であり、かつその第二断面軸が、好ましくは3〜20μmなる範囲、特に4〜10μmなる範囲の値であるという事実にある。ここで、該平型ガラス繊維は、最大充填密度を持ち、即ち該ガラス繊維の断面は、事実上一矩形形状を占有し、該矩形は、該ガラス繊維の断面を、少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%および特に好ましくは少なくとも85%なる割合で、できる限り正確に包囲している。
【0047】
本発明の成形材料を強化するために、円形および非-円形断面を持つガラス繊維の混合物を使用することも可能であり、ここでは、好ましくは該平型ガラス繊維の割合が支配的である。即ち、該平型ガラス繊維は、該繊維の全質量の50質量%を越える割合を占める。
【0048】
本発明のガラス繊維は、特に、アミノシラン化合物またはエポキシシラン化合物を主成分とするカップリング剤を含む、夫々の熱可塑性物質、特にポリアミドにとって適したサイズ剤と共に与えることができる。
【0049】
更なる好ましい一態様によれば、前記成分(B1)内で、ロービングとして使用される前記高強度ガラス繊維は、8〜20μmなる範囲、好ましくは12〜18μmなる範囲の径を持ち、ここで該ガラス繊維の断面は、丸形、卵形、楕円形、1またはそれ以上のくびれを備えた楕円形断面、多角形、矩形または実際上矩形であり得る。2〜5なる範囲の断面軸間の比を持つ「平型ガラス繊維」が、特に好ましい。これらの無端繊維は、長繊維-強化ロッド状粒質物(繊維の長さおよび粒状物質の長さは同等である)を製造する上で公知の方法により、特に引抜成形法により、本発明のポリアミド成形材料中に配合され、該引抜成形法では、該無端繊維ストランド(ロービング)が、ポリマーメルトによって完全に飽和され、次いで冷却並びに細断される。好ましくは、3〜25mmなる範囲、特に4〜12mmなる範囲の粒質物長さを持つ、このようにして得られる上記長繊維-強化ロッド状粒質物を、更に公知の処理方法(例えば、射出成形、プレス成形)によって加工して、成形部品を生成することができる。無端繊維(長いガラス繊維)を、またカットガラス繊維(短いガラス繊維)と併用して、本発明による成形材料を強化することも可能である。
【0050】
この機能において当業者にとって公知のフィラーを、前記成分(B2)の粒状添加剤であると考えることができる。これらは、特に、タルク、マイカ、珪酸塩、石英、ウォラストナイト、カオリン、珪酸、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、チョーク、粉砕または沈降炭酸カルシウム、石灰、長石、無機顔料、例えば硫酸バリウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛、リトポンおよび二酸化チタン(ルチル、鋭錐石)、酸化鉄、鉄マンガン酸化物、金属酸化物、特にスピネル、例えば銅鉄スピネル、銅クロム酸化物、亜鉛鉄酸化物、コバルトクロム酸化物、コバルトアルミニウム酸化物、マグネシウムアルミニウム酸化物、銅/クロム/マンガン混合酸化物、銅/マンガン/鉄混合酸化物、ルチル顔料、例えばチタン亜鉛ルチル、ニッケルアンチモンチタネート、クロムアンチモンチタネート、硬質-磁性または軟質-磁性金属または合金またはセラミックス、中空球状ケイ酸塩フィラー、酸化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化ホウ素、窒化アルミニウム、フッ化カルシウム、およびこれらの混合物からなる群から選択される粒状フィラーを含む。該フィラーは、また表面処理に掛けられていてもよい。
【0051】
前記成分(B2)は、0.1〜40μmなる範囲、好ましくは0.2〜20μmなる範囲、特に0.3〜10μmなる範囲の平均粒径(D50)を持つことが好ましい。アスペクト比L/b1およびL/b2両者が10以下、特に5以下なる値であるような形態の粒状フィラーが好ましく、ここでこれらアスペクト比は、該粒子の平均の幅b1またはb2に対するその最大長さLの商によって記載される。ここで、相互に直交関係で配列されているb1およびb2は、該長さLに対して直交する面内にある。
【0052】
更に、好ましくは、前記成分(B2)は、UV、VISまたはIR輻射、特に、好ましくは1064nm近傍の波長を持つレーザー輻射に対してゼロではない吸収係数を持ち、少なくとも0.05、好ましくは少なくとも0.1、および特に好ましくは少なくとも0.2なる吸収係数にて、可視および赤外輻射光領域において吸収能を持つことが好ましい。
【0053】
無機白色顔料が、前記成分(B2)として特に好ましく使用される。特に、該成分(B2)は、好ましくは専らこれら白色顔料で構成される。この場合、該成分(B2)は、専ら硫酸バリウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛、リトポンおよび二酸化チタン(ルチル、鋭錐石)からなる群から選択され、あるいは専らこれらからなり、ここで該白色顔料は、0.1〜40μmなる範囲、好ましくは0.1〜20μmなる範囲、特に0.1〜10μmなる範囲の平均粒径(D50)を持つことが好ましい。
【0054】
前記ポリアミド成形材料は、0〜30質量%なる範囲の量の、前記成分(A)とは異なる更なるポリマー、特に衝撃靭性改良剤と混合することができる。
【0055】
同様に、前記ポリアミド成分(A)との混合物として与えることのできる、該成分(A)とは異なる前記ポリマー(前記成分C)は、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリルブタジエンスチレンコポリマー、アクリロニトリルスチレンコポリマー、ポリオレフィン、ポリオキシメチレン、ポリエステル、特にポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリスルホン(特にPSU、PESU、PPSU型のポリスルホン)、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキサイド、液晶ポリマー、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、脂肪族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリエーテルアミド、ポリエステルアミド、ポリエーテルエステルアミド、ポリウレタン(特にTPU、PUR型のポリウレタン)、ポリシロキサン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、およびかかる系を主成分とする混合物またはコポリマーからなる群から選択されることが好ましい。
【0056】
好ましい一態様において、本発明の成形材料は、30質量%までの量の、前記成分(C)の範囲内の脂肪族ポリアミドと混合することができる。該成形材料の全量に対する該脂肪族ポリアミドの含量は、好ましくは20質量%以下、特に10質量%以下であり、ここで該脂肪族ポリアミドは、好ましくは該成形材料中に、2〜10質量%なる範囲の量で含まれる。特に、該成形材料が脂肪族ポリアミドを含まない場合が好ましい。ポリアミド46、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド1212、ポリアミド1010、ポリアミド1011、ポリアミド1012、ポリアミド1112、ポリアミド1211、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド69、ポリアミド810、またはこれらの混合物、ブレンド、またはアロイが、該脂肪族ポリアミドとして好ましい。
【0057】
更なる態様において、本発明による成形材料は、前記成分(C)として、1種またはそれ以上の衝撃靭性改良剤(ITM)を、該成形材料の全量を基準として、30質量%まで含有する。ITMの濃度は、5〜30質量%なる範囲、特に7〜25質量%なる範囲にあることが好ましい。該衝撃靭性改良剤は、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ブタジエンおよび/またはイソプレンと、スチレンまたはスチレン誘導体および他のコモノマーとの混合ポリマー、水添混合ポリマーおよび/または酸無水物、(メタ)アクリル酸およびそのエステルでグラフト化し、あるいはこれらと共重合することにより生成される混合ポリマーであり得る。該衝撃靭性改良剤(C)は、また架橋されたエラストマーコアを持つグラフト化ゴムであってもよく、これは、ブタジエン、イソプレンまたはアルキルアクリレートからなり、またポリスチレン、非-極性または極性オレフィンホモポリマーおよびコポリマー、例えばエチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴムおよびエチレンオクテンゴムまたはエチレン酢酸ビニルゴム、または酸無水物、(メタ)アクリル酸およびそのエステルでグラフト化し、あるいはこれらと共重合することにより生成される非-極性または極性オレフィンホモポリマーおよびコポリマーで生成された、グラフトスリーブを持つ。該衝撃靭性改良剤(C)は、またカルボン酸官能化コポリマー、例えばポリ(エテン-co-(メタ)アクリル酸)またはポリ(エテン-co-1-オレフィン-co-(メタ)アクリル酸)であってもよく、ここで後者の1-オレフィンは、原子数4を越えるアルケンまたは不飽和(メタ)アクリル酸エステルであり得、酸基が部分的に金属イオンにより中和されている、これらのコポリマーを包含する。
【0058】
スチレンを主成分とする前記ブロックコポリマーの例は、スチレン(エチレン-ブチレン)2-ブロックコポリマーおよびスチレン(エチレン-ブチレン)-スチレン3-ブロックコポリマーを含む。
【0059】
更に好ましい一態様によれば、本発明による成形材料は、前記成分(C)が、ポリオレフィンホモポリマーまたはエチレン-α-オレフィンコポリマー、特に好ましくはEPおよび/またはEPDMエラストマー(エチレンプロピレンゴムまたはエチレンプロピレンジエンゴム)を含むことを特徴とする。例えば、これは、20〜96質量%なる範囲、好ましくは25〜85質量%なる範囲の量のエチレンを含む、エチレン-C3-12-α-オレフィンコポリマーを主成分とするエラストマーであり得、ここで該C3-12-α-オレフィンは、特に好ましくはプロペン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセンおよび/または1-ドデセンからなる群から選択されるオレフィンであり、また前記成分Cは、特に好ましくはエチレンプロピレンゴムおよび/またはLLDPEおよび/またはVLDPEである。
【0060】
あるいはまた、もしくは付随的(例えば、混合物として)に、前記成分(C)は、エチレン-C3-12-α-オレフィンと非共役ジエンとを主成分とするターポリマーを含むことができ、ここで該ターポリマーは、好ましくは25〜85質量%なる範囲の量のエチレンおよび約10質量%以下の非共役ジエンを含み、該C3-12-α-オレフィンは、特に好ましくはプロペン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセンおよび/または1-ドデセンからなる群から選択されるオレフィンであり、および/または該非共役ジエンは、好ましくはビシクロ(2.2.1)ヘプタジエン、ヘキサジエン-1,4、ジシクロペンタジエンおよび/または特に5-エチリデンノルボルネンからなる群から選択される。
更に、エチレンアクリレートコポリマーまたはエチレンブチレンアクリレートコポリマーは、前記成分(C)に対する可能な一構成成分である。
【0061】
前記成分(C)は、好ましくはカルボン酸基またはカルボン酸無水物基を含む構成成分を有し、これらの基は、直鎖ポリマーと、および前記ポリアミドと首尾よく結合するのに十分な濃度の、不飽和ジカルボン酸無水物、不飽和ジカルボン酸または不飽和ジカルボン酸モノアルキルエステルとの間の熱反応またはラジカル反応によって導入される。ここで、この目的のために、以下に列挙するものから選択される試薬を使用することが好ましい:マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸モノブチルエステル、フマール酸、アコニット酸および/またはイタコン酸無水物。
【0062】
好ましくは、0.1〜4.0質量%なる範囲の量の不飽和無水物が、前記成分(C)の一構成成分としての前記衝撃靭性成分上にグラフトされ、あるいは前記不飽和ジカルボン酸無水物またはそのプリカーサが、更なる不飽和モノマーと共にグラフトされる。この際のグラフト化度は、一般的に好ましくは0.1〜1.0%なる範囲、特に好ましくは0.3〜0.7%なる範囲にある。0.3〜0.7%なる範囲内のマレイン酸無水物グラフト化度(MAHグラフト化度)を持つ、エチレンプロピレンコポリマーとエチレンブチレンコポリマーとの混合物も、該成分(C)の可能な一構成成分である。該成分に関する上に特定した可能な系は、混合物として使用することも可能である。
【0063】
従って、前記成分(C)として使用される前記ITMは、エチレン、プロピレン、ブテン-1等のオレフィンのホモポリマーまたはコポリマー、あるいはオレフィンと、共重合性のモノマー、例えば酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸エステルおよびメチルヘキサジエンとのコポリマーを含む。
【0064】
結晶性オレフィンポリマーの例は、低密度、中密度および高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリ-4-メチルペンテン、エチレンプロピレンブロックコポリマーまたはランダムコポリマー、エチレンメチルヘキサジエンコポリマー、プロピレンメチルヘキサジエンコポリマー、エチレンプロピレンブテンコポリマー、エチレンプロピレンヘキセンコポリマー、エチレンプロピレンメチルヘキサジエンコポリマー、ポリ(エチレン酢酸ビニル)(EVA)、ポリ(エチレンエチルアクリレート)(EEA)、エチレンオクテンコポリマー、エチレンブテンコポリマー、エチレンヘキセンコポリマー、エチレンプロピレンジエンターポリマー、および上記ポリマーの組合せである。
【0065】
前記成分(C)の構成成分の範囲内にある、本発明において使用することのできる、市販品として入手可能な衝撃靭性改良剤の例は、タフマー(TAFMER) MC201:67%のEPコポリマー(20モル%のプロピレン)+33%のEBコポリマー(15モル%のブテン-1)のg-MAH(-0.6%)ブレンド;タフマー(TAFMER) MH5010: g-MAH(-0.6%)エチレンブチレンコポリマー;タフマー(TAFMER) MH7010:g-MAH(0.7%)エチレンブチレンコポリマー;ミツイケミカルズ(Mitsui Chemicals)社のミツイタフマー(Mitsui. TAFMER) MH7020:g-MAH(0.7%) EPコポリマー;エクセロール(EXXELOR) VA1801:g-MAH(0.7%) EPコポリマー;エクセロール(EXXELOR) VA1803:g-MAH(0.5-0.9%) EPコポリマー、アモルファス(amorph);エクセロール(EXXELOR) VA1810:g-MAH(0.5%) EPコポリマー;エクセロール(EXXELOR) MDEX 94-1 1:g-MAH(0.7%) EPDM、エクソンモービルケミカル(Exxon Mobile Chemical)社製;フサボンド(FUSABOND) MN493D:g-MAH(0.5%)エチレンオクテンコポリマー;フサボンド(FUSABOND) A EB560D(g-MAH)エチレンn-ブチルアクリレートコポリマー;エルバロイ(ELVALOY)、デュポン(DuPont)社製;クラトン(Kraton) FG1901GT: g-MAH(1.7%) SEBS、30:70なるS/EB比を持つ;ロタデール(Lotader) AX8840:エチレングリシジルメタクリレートコポリマーである。
【0066】
前記成分(A2)の範囲内にあるイオノマーも好ましく、ここでそのポリマー−結合カルボキシル基は、金属イオンにより完全にまたは部分的に相互接続されている。
特に好ましいものは、マレイン酸無水物をグラフトすることにより官能化された、ブタジエンとスチレンとの混合ポリマー、マレイン酸無水物をグラフトすることにより生成された非極性または極性オレフィンホモポリマーおよびコポリマー、および酸基が部分的に金属イオンで中和されている、カルボン酸官能化コポリマー、例えばポリ(エテン-co-(メタ)アクリル酸)またはポリ(エテン-co-1−オレフィン-co-(メタ)アクリル酸)である。
【0067】
更なる態様において、本発明の成形材料は、0〜25質量%なる範囲、好ましくは5〜25質量%なる範囲、特に好ましくは8〜22質量%なる範囲の量の難燃剤、特にハロゲン原子を含まない難燃剤を、前記成分(D)として含む。好ましい難燃剤は、ホスホン酸塩、アルキルホスホネート、環式ホスホネートおよびホスフィネートである。ここにおいて、好ましくは、該難燃剤は、60〜100質量%なる範囲、好ましくは70〜98質量%なる範囲、特に80〜96質量%なる範囲の量の、直鎖または環状ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩および/またはジホスフィン酸塩(前記成分(D1))、および0〜40質量%なる範囲、好ましくは2〜30質量%なる範囲、特に4〜20質量%なる範囲の量の、メラミンポリホスフェートまたは他の相乗剤および/または窒素およびリンを含有する難燃剤(前記成分D2)、例えばメレム、メラム、メロン、またはメラミンとポリリン酸との反応生成物またはメラミンとポリリン酸との縮合生成物の反応生成物を含む。該ホスフィン酸塩またはジホスフィン酸塩の金属イオンとしては、アルミニウムイオン、カルシウムイオンおよび亜鉛イオンが、好ましく使用される。この型の難燃剤は、従来技術から公知である。この点に関しては、DE 103 46 3261を参照することができる。
【0068】
好ましい相乗剤(前記成分(D2)は、バリウムカルボキシレート、酸素原子含有、窒素原子含有または硫黄原子含有金属化合物、特にアルミニウム、カルシウム、マグネシウム、バリウム、ナトリウム、カリウムおよび亜鉛等の金属のかかる化合物である。適当な化合物は、酸化物、水酸化物、カーボネート、珪酸塩、ホウ酸塩、リン酸塩、スズ酸塩およびこれら化合物の組合せまたは混合物、例えばオキサイドヒドロキシドまたはオキサイドヒドロキシドカーボネートからなる群から選択される。これらの具体的な例は、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、炭酸バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ベーマイト、ジヒドロタルサイト、ハイドロカルマイト、水酸化カルシウム、酸化スズ水和物、水酸化亜鉛、ホウ酸亜鉛、硫化亜鉛、リン酸亜鉛、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルカリ性珪酸亜鉛、スズ酸亜鉛を含む。ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、パルミチン酸カリウム、ベヘン酸マグネシウム等の系も使用可能である。このような難燃剤の具体的な例は、エクソリット(Exolit) 1230(クラリアント(Clariant)社製)、エクソリット(Exolit) 1312(クラリアント(Clariant)社製)、アフラミット(Aflammit) PLF 710(トル(Thor)社製)、およびアンガード(Amgard) CU(ロディア(Rhodia)社製)を含む。勿論、本発明による前記熱可塑性ポリアミド成形材料は、また当業者には一般的に知られている従来の添加剤を、前記成分(E)として含むことができ、該添加剤は、好ましくは安定化剤、老化防止剤、酸化防止剤、オゾン分解防止剤、光安定剤、UV安定剤、UV吸収剤、UV遮断剤、無機熱安定剤、特にハロゲン化銅およびアルカリハライドを主成分とするもの、有機熱安定剤、導電性添加剤、カーボンブラック、蛍光増白剤、加工助剤、造核剤、結晶化促進剤、結晶化遅延剤、流動助剤、滑剤、離型剤、可塑剤、顔料(白色顔料以外のもの)、色素、マーカーおよびこれらの混合物からなる群から選択される。
更なる態様は、前記従属特許請求の範囲において特定されている。