(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、撮像した前記画像に基づいて、前記基板の表面と交差する前記対象面における前記接続部の断面画像を取得することにより、前記接続部の接続形状を取得するように構成されている、請求項1に記載のX線検査装置。
前記制御部は、前記基板の表面に対して略垂直に交差している前記対象面における前記接続部の接続形状を取得するように構成されている、請求項1に記載のX線検査装置。
前記制御部は、前記対象面と交差する複数の方向からX線を照射して撮像した複数の前記画像に基づいて、前記基板の表面と交差する前記対象面における前記接続部の断面画像のノイズ(10e)を除去して前記接続部の接続形状を取得するように構成されている、請求項1に記載のX線検査装置。
前記制御部は、前記複数の画像を合成することにより、前記対象面における前記断面画像のノイズを除去して前記接続部の接続形状を取得するように構成されている、請求項5に記載のX線検査装置。
前記制御部は、前記複数の画像のX線の透過量を比較して、X線の透過量が大きい部分を合成することにより、前記対象面における前記断面画像の中のノイズとしての障害物(10e)を除去するように構成されている、請求項5に記載のX線検査装置。
前記制御部は、前記基板の表面に対して略垂直に交差する方向からX線撮像部により前記基板を撮像した平面画像に基づいて前記対象面を特定するように構成されている、請求項1に記載のX線検査装置。
前記制御部は、前記X線撮像部により撮像した前記平面画像に基づいて前記接続部の平面視における位置を取得することにより前記接続部を含む前記対象面を特定するように構成されている、請求項8に記載のX線検査装置。
前記制御部は、前記光学撮像部により撮像した前記平面画像に基づいて前記接続部の平面視における位置を取得することにより前記接続部を含む前記対象面を特定するように構成されている、請求項10に記載のX線検査装置。
前記制御部は、前記対象面と交差する4方向または8方向からX線源によりX線を照射してX線撮像部により前記画像を撮像するように構成されている、請求項1に記載のX線検査装置。
前記接続部の状態を検査する工程は、撮像した前記画像に基づいて、前記基板の表面と交差する前記対象面における前記接続部の断面画像を取得することにより、前記接続部の接続形状を取得する工程を含む、請求項15に記載のX線検査方法。
前記接続部の状態を検査する工程は、前記基板の表面に対して略垂直に交差している前記対象面における前記接続部の接続形状を取得する工程を含む、請求項15に記載のX線検査方法。
前記接続部の状態を検査する工程は、前記対象面と交差する複数の方向からX線を照射して撮像した複数の前記画像に基づいて、前記基板の表面と交差する前記対象面における前記接続部の断面画像のノイズ(10e)を除去して前記接続部の接続形状を取得する工程を含む、請求項15に記載のX線検査方法。
前記接続部の状態を検査する工程は、前記複数の画像を合成することにより、前記対象面における前記断面画像のノイズを除去して前記接続部の接続形状を取得する工程を含む、請求項19に記載のX線検査方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特開2010−145359号公報に記載のX線検査装置では、基板の表面に対して平行な水平断面の断層画像が互いに間隔を隔てて取得されるため、基板の表面に対して交差する方向の接続部の接続形状を少ない撮像枚数で精度よく把握することが困難であるという不都合がある。このため、基板の表面に対して交差する方向における部品と基板との接続部の状態を少ない撮像枚数で精度よく検査することが困難であるという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、基板の表面に対して交差する方向における部品と基板との接続部の状態を少ない撮像枚数で精度よく検査することが可能なX線検査装置およびX線検査方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の第1の局面によるX線検査装置は、部品が搭載された基板にX線を照射するX線源と、基板に照射されたX線に基づいた画像を撮像するX線撮像部と、部品と基板との接続部の状態の検査を行う制御部とを備え、制御部は、対象とする接続部を含み基板の表面と交差する対象面に対して交差する方向
であって、かつ、対象面の斜め上方向からX線を照射して撮像した対象面と交差する撮像面における画像を対象面の画像に座標変換することにより、対象面における部品と基板との接続部の接続形状を取得するように構成されている。
【0008】
この発明の第1の局面によるX線検査装置では、上記のように、制御部を、対象とする接続部を含み基板の表面と交差する対象面に対して交差する方向からX線を照射して撮像した撮像面における画像を対象面の画像に座標変換することにより、対象面における部品と基板との接続部の接続形状を取得するように構成することによって、基板の表面と交差する対象面における部品と基板との接続部の接続形状に基づいて、基板の表面に対して交差する方向の接続部の接続形状の変化を精度よく把握することができる。これにより、基板の表面に対して交差する方向における部品と基板との接続部の状態を少ない撮像枚数で精度よく検査することができる。
【0009】
上記第1の局面によるX線検査装置において、好ましくは、制御部は、撮像した画像に基づいて、基板の表面と交差する対象面における接続部の断面画像を取得することにより、接続部の接続形状を取得するように構成されている。このように構成すれば、取得した対象面における接続部の断面画像を用いて、基板の表面に対して交差する方向における部品と基板との接続部の状態を容易に精度よく検査することができる。
【0010】
上記第1の局面によるX線検査装置において、好ましくは、制御部は、基板の表面に対して略垂直に交差している対象面における接続部の接続形状を取得するように構成されている。このように構成すれば、基板の表面に対して略垂直に交差する方向における部品と基板との接続部の状態を容易に精度よく検査することができる。
【0011】
上記第1の局面によるX線検査装置において、好ましくは、対象面は、部品に設けられたリードと、半田とが含まれている面である。このように構成すれば、基板の表面に対して交差する方向における部品のリードと半田との接続状態を容易に検査することができる。また、1つの対象面によりリードの長手方向の全体形状が把握できる場合、対象面における断面画像1枚でリードの長手方向の全体にわたってリードと半田との接続状態を容易に精度よく検査することができる。
【0012】
上記第1の局面によるX線検査装置において、好ましくは、制御部は、対象面と交差する複数の方向からX線を照射して撮像した複数の画像に基づいて、基板の表面と交差する対象面における接続部の断面画像のノイズを除去して接続部の接続形状を取得するように構成されている。このように構成すれば、基板の表面と交差する対象面における接続部の断面画像のノイズが除去されるので、ノイズがない状態の鮮明な断面画像を用いて、部品と基板との接続部の状態をより精度よく検査することができる。なお、ノイズとは、断面画像に写り込む検査対象物以外の像を指す。
【0013】
この場合、好ましくは、制御部は、複数の画像を合成することにより、対象面における断面画像のノイズを除去して接続部の接続形状を取得するように構成されている。このように構成すれば、複数の画像からノイズの無い部分を抽出して合成することができるので、対象面における断面画像のノイズを容易に除去することができる。
【0014】
上記複数の画像を撮像する構成において、好ましくは、制御部は、複数の画像のX線の透過量を比較して、X線の透過量が大きい部分を合成することにより、対象面における断面画像の中のノイズとしての障害物を除去するように構成されている。このように構成すれば、複数の画像の合成により、X線の透過量が小さくなる障害物が除去されるので、対象面における断面画像のノイズをより容易に除去することができる。
【0015】
上記第1の局面によるX線検査装置において、好ましくは、制御部は、基板の表面に対して略垂直に交差する方向からX線撮像部により基板を撮像した平面画像に基づいて対象面を特定するように構成されている。このように構成すれば、X線撮像部により撮像した平面画像に基づいて基板の表面と交差する対象面を容易に特定することができる。また、接続部が部品などに隠れて見えない場合でも、透過したX線により接続部を確認することができるので、接続部を含む対象面を確実に特定することができる。
【0016】
この場合、好ましくは、制御部は、X線撮像部により撮像した平面画像に基づいて接続部の平面視における位置を取得することにより接続部を含む対象面を特定するように構成されている。このように構成すれば、X線撮像部により撮像した平面画像に基づいて基板の表面上の平面視における接続部の位置を取得することができるので、基板の表面と交差する対象面をより容易に特定することができる。
【0017】
上記第1の局面によるX線検査装置において、好ましくは、基板を可視光により撮像する光学撮像部をさらに備え、制御部は、基板の表面に対して略垂直に交差する方向から光学撮像部により基板を撮像した平面画像に基づいて対象面を特定するように構成されている。このように構成すれば、光学撮像部により撮像した平面画像に基づいて基板の表面と交差する対象面を容易に特定することができる。
【0018】
この場合、好ましくは、制御部は、光学撮像部により撮像した平面画像に基づいて接続部の平面視における位置を取得することにより接続部を含む対象面を特定するように構成されている。このように構成すれば、光学撮像部により撮像した平面画像に基づいて基板の表面上の平面視における接続部の位置を取得することができるので、基板の表面と交差する対象面をより容易に特定することができる。
【0019】
上記第1の局面によるX線検査装置において、好ましくは、制御部は、対象面における接続部の接続形状の寸法に基づいて、接続部の状態の検査を行うように構成されている。このように構成すれば、基板の表面に対して交差する方向における部品と基板との接続部の状態を接続形状の寸法に基づいて定量的に精度よく検査することができる。
【0020】
上記第1の局面によるX線検査装置において、好ましくは、部品および基板は、複数の接続部で接続されており、制御部は、対象とする接続部を含む複数の対象面のいずれとも平行でない方向からX線源によりX線を照射してX線撮像部により画像を撮像するように構成されている。このように構成すれば、X線撮像部による1回の撮像でより多くの接続部の対象面における接続形状を取得することができるので、個々に接続部の接続形状を取得する場合に比べて、X線の照射回数を減らすことができる。
【0021】
上記第1の局面によるX線検査装置において、好ましくは、制御部は、対象面と交差する4方向または8方向からX線源によりX線を照射してX線撮像部により画像を撮像するように構成されている。このように構成すれば、多方向からX線を照射して撮像した画像に基づいて精度のよい対象面における接続部の断面画像を取得することができる。また、1枚の画像の撮像に多くのX線を照射するCT(コンピュータ断層撮影)などに比べてX線の照射回数を減らすことができる。これにより、X線源の負担を小さくすることができるので、X線源の寿命を長くすることができる。
【0022】
この発明の第2の局面によるX線検査方法は、部品が搭載された基板にX線を照射する工程と、基板に照射されたX線に基づいた画像を撮像する工程と、部品と基板との接続部の状態を検査する工程とを備え、接続部の状態を検査する工程は、対象とする接続部を含み基板の表面と交差する対象面に対して交差する方向
であって、かつ、対象面の斜め上方向からX線を照射して撮像した対象面と交差する撮像面における画像を対象面の画像に座標変換することにより、対象面における部品と基板との接続部の接続形状を取得する工程を含む。
【0023】
この発明の第2の局面によるX線検査方法では、上記のように、対象とする接続部を含み基板の表面と交差する対象面に対して交差する方向からX線を照射して撮像した撮像面における画像を対象面の画像に座標変換することにより、対象面における部品と基板との接続部の接続形状を取得する工程を設けることによって、基板の表面と交差する対象面における部品と基板との接続部の接続形状に基づいて、基板の表面に対して交差する方向の接続部の接続形状の変化を精度よく把握することができる。これにより、基板の表面に対して交差する方向における部品と基板との接続部の状態を少ない撮像枚数で精度よく検査することができる。
【0024】
上記第2の局面によるX線検査方法において、好ましくは、接続部の状態を検査する工程は、撮像した画像に基づいて、基板の表面と交差する対象面における接続部の断面画像を取得することにより、接続部の接続形状を取得する工程を含む。このように構成すれば、取得した対象面における接続部の断面画像を用いて、基板の表面に対して交差する方向における部品と基板との接続部の状態を容易に精度よく検査することができる。
【0025】
上記第2の局面によるX線検査方法において、好ましくは、接続部の状態を検査する工程は、基板の表面に対して略垂直に交差している対象面における接続部の接続形状を取得する工程を含む。このように構成すれば、基板の表面に対して略垂直に交差する方向における部品と基板との接続部の状態を容易に精度よく検査することができる。
【0026】
上記第2の局面によるX線検査方法において、好ましくは、対象面は、部品に設けられたリードと、半田とが含まれている面である。このように構成すれば、基板の表面に対して交差する方向における部品のリードと半田との接続状態を容易に検査することができる。また、1つの対象面によりリードの長手方向の全体形状が把握できる場合、対象面における断面画像1枚でリードの長手方向の全体にわたってリードと半田との接続状態を容易に精度よく検査することができる。
【0027】
上記第2の局面によるX線検査方法において、好ましくは、接続部の状態を検査する工程は、対象面と交差する複数の方向からX線を照射して撮像した複数の画像に基づいて、基板の表面と交差する対象面における接続部の断面画像のノイズを除去して接続部の接続形状を取得する工程を含む。このように構成すれば、基板の表面と交差する対象面における接続部の断面画像のノイズが除去されるので、ノイズがない状態の鮮明な断面画像を用いて、部品と基板との接続部の状態をより精度よく検査することができる。
【0028】
上記第2の局面によるX線検査方法において、好ましくは、接続部の状態を検査する工程は、複数の画像を合成することにより、対象面における断面画像のノイズを除去して接続部の接続形状を取得する工程を含む。このように構成すれば、複数の画像からノイズの無い部分を抽出して合成することができるので、対象面における断面画像のノイズを容易に除去することができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、上記のように、基板の表面に対して交差する方向における部品と基板との接続部の状態を少ない撮像枚数で精度よく検査することができる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0032】
(第1実施形態)
図1〜
図12を参照して、本発明の第1実施形態によるX線検査装置100の構成について説明する。
【0033】
本発明の第1実施形態によるX線検査装置100は、QFP(Quad Flat Package)(
図9参照)などの電子部品(部品10a)が搭載された回路基板(基板10)(
図9参照)を検査対象物とし、基板10上の部品10aの半田接合状態検査などの各種検査を行う基板検査装置である。
【0034】
図2に示すように、X線検査装置100は、基台1と、基板搬送部2と、X線源3と、X線撮像部4と、光学撮像部5と、X線源3を覆う遮蔽壁6と、遮蔽壁6の外側に設けられた外装カバー7(
図1参照)とを主として備えている。
【0035】
図2に示すように、基台1上には、基板搬送部2と、X線源3と、X線撮像部4と、光学撮像部5と、遮蔽壁6とが設置されている。また、基台1の内部には、基板搬送部2、X線源3、X線撮像部4および光学撮像部5を含むX線検査装置100全体の制御を行うコントローラ12および電源供給を行う電源部13などが配置されている。基台1上には、X方向の両端に配置され、基台1のY方向の略全長に渡って延びる一対の支持台11が配置されている。この一対の支持台11上には、X線源3を支持する支持梁31が設置されている。なお、コントローラ12は、本発明の「制御部」の一例である。
【0036】
図2に示すように、基板搬送部2は、X方向に沿って延びる一対のコンベア21を含んでいる。一対のコンベア21は、Y方向の両側から基板10を支持してX方向に搬送することが可能であるとともに、基板検査時には、図示しないクランプ機構によって、基板10を基台1の上方(Z1方向)の所定位置で保持(固定)することが可能なように構成されている。一対のコンベア21は、X方向に延びる一対のガイドレール22と、Y方向に延びる一対のガイドレール23とを介して基台1上に設置されている。一対のコンベア21は、図示しないX軸モータおよびX軸ボールねじによってガイドレール22に沿ってX方向に移動可能であり、図示しないY軸モータおよびY軸ボールねじによってガイドレール23に沿ってY方向に移動可能である。これにより、基板搬送部2(一対のコンベア21)は、基台1上を水平方向(X方向およびY方向)に移動可能に構成されている。
【0037】
基板搬送部2は、基板10の搬入時には、コンベア21のX1方向側の端部21aを搬入口Aまで移動させて、外部に設けられた上流側の搬送ライン(図示せず)から基板10を受け継ぎ、搬出時には、コンベア21のX2方向側の端部21bを搬出口Bまで移動させて、下流側の搬送ライン(図示せず)へ基板10を受け渡すことが可能なように構成されている。このように、基板搬送部2は、遮蔽壁6によって覆われた内部領域を通り、検査対象物である基板10を搬送するように構成されている。また、一対のコンベア21は、図示しないモータおよびボールねじと、ガイドレールとによって、基板10の大きさに合わせてY方向の間隔が可変となっている。
【0038】
図2に示すように、X線源3は、基板搬送部2の上方(Z1方向)の位置に配置され、下方(Z2方向)に配置された基板10に対してX線を照射するように構成されている。X線源3は、支持梁31に、図示しない駆動機構により上下方向(Z方向)に移動可能に取り付けられている。支持梁31は、X方向に延びるとともに両端が一対の支持台11上に固定されている。
【0039】
X線撮像部4は、X線源3および基板搬送部2の下方の位置に配置され、基板10を透過したX線を検出してX線画像を撮像する機能を有する。X線撮像部4は、移動機構41によって、基板搬送部2の下側を水平方向(
図3のX方向およびY方向)に移動可能に構成されている。これにより、基板搬送部2およびX線撮像部4を水平移動させてX線源3と基板10とX線撮像部4との相対位置関係を調節することにより、基板10の表面に垂直な方向(真上方向)以外に基板10の表面に傾斜する方向(斜め方向)からもX線を照射して基板10を撮像することが可能である。
【0040】
光学撮像部5は、基板搬送部2の上方(Z1方向)の位置で、かつ、X線源3の下方(Z2方向)の位置に配置されている。また、光学撮像部5は、
図4に示すように、カメラ51と、ライト52とを含んでいる。また、光学撮像部5は、下方(Z2方向)に配置された基板10にライト52により光(可視光)を照射してカメラ51により光学画像を撮像するように構成されている。また、光学撮像部5は、支持台11に、図示しない駆動機構によりX方向に移動可能に取り付けられている。これにより、光学撮像部5をX線源3のZ2方向側(真下)に移動させて、X線撮像部4によるX線画像の撮像と、光学撮像部5による光学画像の撮像とを同時に行うことが可能である。
【0041】
遮蔽壁6は、X線源3を含む基台1上の領域(
図2参照)を覆う略矩形状の箱状形状を有する。遮蔽壁6は、X線源3から照射されたX線の外部への漏洩を防止するため、X線源3の周囲を覆ってX線を遮蔽するように構成されている。なお、基台1の上面上にも図示しない遮蔽材が設けられており、基台1と遮蔽壁6とによって囲まれた内部空間が遮蔽されている。また、遮蔽壁6は、一対の支持台11上に設置された支持フレーム(図示せず)に取り付けられた複数の板状の壁部材61によって構成されている。壁部材61は、鉛製のシート状の遮蔽材を含んでいる。
【0042】
外装カバー7は、
図1に示すように、箱状の遮蔽壁6を内部に収容可能なように遮蔽壁6よりも一回り大きい箱状形状を有する。また、外装カバー7は、遮蔽壁6とは別体で設けられ、遮蔽壁6が取り付けられた状態で取り外し可能に構成されている。また、外装カバー7は、複数の板状のカバー部材(側面カバー部材71a、71bおよび天面カバー部材71c)(
図1参照)により構成されている。
【0043】
また、
図1に示すように、X線検査装置100の前面100aおよび後面100bには、それぞれスライド式の開閉扉8が設けられており、装置内部を開放および閉鎖することが可能である。2つの開閉扉8は、それぞれ、外表面の外装部材8aと、内面側に配置されたX線を遮蔽する遮蔽部材(図示せず)とを含んでいる。このため、2つの開閉扉8は、X線を遮蔽する遮蔽壁6の一部として機能するとともに、外装カバー7の一部として機能するように構成されている。また、2つの開閉扉8は、それぞれ、開放される際に外装カバー7と遮蔽壁6との間の隙間に入り込むように構成されている。
【0044】
また、
図2に示すように、X線検査装置100の左右側面100cには、それぞれ、搬入口Aおよび搬出口Bを開閉するためのシャッター部9が設けられている。シャッター部9の開口を介して基板搬送部2(一対のコンベア21)による基板10の搬入出が可能となっている。
【0045】
コントローラ12は、X線検査装置100全体の制御を行うように構成されている。また、コントローラ12は、部品10aと基板10との接続部10b(リード10cおよび半田10dの接合している部分)(
図10参照)の状態の検査を行うように構成されている。また、コントローラ12には、
図4に示すように、表示ユニット14、X線源3、X線撮像部4および光学撮像部5に接続されている。また、コントローラ12は、表示処理部12a、プログラム切替処理部12b、プログラム記憶部12c、検査判定処理部12d、画像処理部12e、装置制御演算処理部12f、設備固有データ記憶部12g、モータ制御部12hおよび外部入出力制御部12iを含んでいる。
【0046】
表示処理部12aは、X線検査装置100の運転状態、操作情報、X線画像、光学画像、検査結果などを表示ユニット14に表示させるように構成されている。プログラム切替処理部12bは、X線検査装置100の各種動作を制御するプログラムを、プログラム記憶部12cから読み込んで、切替処理を行うように構成されている。プログラム記憶部12cには、プログラムの他に、検査する基板10の大きさ、部品搭載位置および回路情報などの基板データが記憶されている。検査判定処理部12dは、画像処理部12eが取得した、対象面(
図10参照)における部品10aと基板10との接続部10bの接続形状に基づいて、部品10aと基板10との接続部10bの状態の検査を行うように構成されている。具体的には、検査判定処理部12dは、部品10aと基板10との接続部10bの接続形状の寸法(半田10dの長手方向および短手方向の長さ)と、半田部分のX線の透過量(画像の色の濃さ)とを測定して、接続部10bの接続状態の検査を行うように構成されている。
【0047】
ここで、第1実施形態では、画像処理部12eは、X線源3によりX線を基板10に照射してX線撮像部4によりX線画像を撮像するように構成されている。具体的には、画像処理部12eは、
図6に示すように、基板10の表面に対して略垂直に交差する方向(Z1方向)側からX線源3によりX線を照射して、X線撮像部4により基板10の平面画像を撮像するように構成されている。また、画像処理部12eは、
図7に示すように、基板10の表面に対して上向き(Z1向き)に角度αの方向(斜め上方向)からX線源3によりX線を照射して、X線撮像部4により基板10のX線画像を撮像するように構成されている。また、画像処理部12eは、斜め上方向からX線を照射して撮像する際に、
図8に示すように、平面視において、X1方向に対して45度、78度、123度、135度、225度、258度、303度および315度の8方向からX線源3によりX線を照射してX線撮像部4により基板10のX線画像を撮像するように構成されている。
【0048】
図9に示すように、部品10a(たとえば、QFP)は、平面視において略矩形形状を有し、基板10に対してX方向およびY方向に辺が延びるように配置されている。また、部品10aのX方向に延びる2辺からは、リード10cがY方向に延びるように設けられており、部品10aのY方向に延びる2辺からは、リード10cがX方向に延びるように設けられている。また、部品10aのリード10cは、接続部10bにおいて、半田10d(
図10参照)により基板10に固定されている。これにより、平面視においてY方向に延びるリード10cに対して、検査対象の接続部10bにおけるリード10cおよび半田10dの両方を含む対象面として、基板10の表面に対して垂直な面で、かつ、Y方向(X1方向に対して90度の方向)に延びる面を設定することが可能となる。また、平面視においてX方向に延びるリード10cに対して、検査対象の接続部10bにおけるリード10cおよび半田10dの両方を含む対象面として、基板10の表面に対して垂直な面で、かつ、X方向(X1方向に対して0度の方向)に延びる面を設定することが可能となる。このように対象面を設定することにより、X線画像を撮像する際のX線を照射する方向(X1方向に対して45度、78度、123度、135度、225度、258度、303度および315度の8方向)が、複数のリード10cに対する複数の対象面のいずれとも交差する(平行ではない)方向になる。
【0049】
また、第1実施形態では、画像処理部12eは、撮像した撮像面(投影面)におけるX線画像を対象面の画像に座標変換することにより、対象面における部品10aと基板10との接続部10b(
図12参照)の接続形状を算出(取得)するように構成されている。ここで、
図10に示すように、基板10の表面に略垂直に交差する対象面に対して平行でない方向からX線を照射してX線撮像部4によりX線画像を撮像すると、投影面に写された画像がX線画像として撮像される。
図11に示すように、xyz座標系において、xy平面を投影面(撮像したX線画像)として、投影されたxy平面上の点P(x1,y1,0)からxy平面に対して垂直な対象面上の点Q(x2,y2,z2)を座標変換により算出する方法を説明する。なお、X線は、xy平面に対して角度α(たとえば45度)方向から照射されている。また、X線は、x軸正の方向に対して角度βの方向に照射されている。よって、点Pのx1、y1は、式(1)および式(2)のように表される。また、対象面は、xy平面に垂直な面なので、式(3)のように表される。
【0050】
【数1】
なお、aおよびbは、接続部10bにおけるリード10cの平面位置に基づいて算出される。対象面がx軸と平行であればa=0となり、対象面がy軸と平行であればb=0となる。また、点Qは、対象面上の点なので、点Qの座標を式(3)に代入すると、式(4)が導かれる。
【0052】
式(1)、式(2)および式(4)を連立して解くために行列を用いると式(5)が導かれる。
【0054】
ここで、式(5)の行列の行列式Dは、式(6)のようになり、D≠0のとき連立方程式は解を持つ。つまり、式(3)で表される対象面と、X線の照射方向が平行でないときに、連立方程式は解を持つことになる。D≠0のとき、式(5)の両辺左側から逆行列をかけて式(7)を導出して点Qの対象面上での座標を求める。
【0056】
画像処理部12eは、以上のようにして接続部10bが投影されたX線画像の投影点から対象面における座標を算出して、接続部10bの対象面におけるX線の透過点を取得する。画像処理部12eは、X線画像の接続部10bに対応する全ての投影点に対して対象面における座標を算出し、接続部10bの対象面における断面画像を算出(取得)する。
【0057】
また、画像処理部12eは、
図12に示すように、X1方向に対して角度β1、角度β2、角度β3、角度β4…の複数の方向(X1方向に対して45度、78度、123度、135度、225度、258度、303度および315度の8方向)からX線源3によりX線を照射してX線撮像部4により撮像した複数のX線画像から、それぞれ、接続部10bの対象面における断面画像を算出(取得)する。なお、X1方向に対して異なる方向からX線を照射して撮像しているため、複数のX線画像の接続部10bにおけるリード10cおよび半田10dの形状は複数のX線画像で互いに異なる。また、複数のX線画像に写りこむ障害物10eの形状や位置も複数のX線画像で互いに異なる。また、複数の断面画像の接続部10bにおけるリード10cおよび半田10dは、同じ対象面上に算出されるので、互いに同じ形状となる。これに対して、複数の断面画像に写りこむ障害物10eは、同じ対象面上に存在していないため、複数の断面画像で形状や位置が互いに異なる。
【0058】
また、画像処理部12eは、
図12に示すように、複数の方向からX線を照射して撮像したX線画像から算出した対象面における接続部10bの複数の断面画像に基づいて、障害物10eを除去して合成画像を取得するように構成されている。具体的には、画像処理部12eは、算出した複数の断面画像のX線の透過量を比較して、X線の透過量が大きい部分(色の薄い方の部分)を選択(抽出)して合成することにより、断面画像の障害物10eを除去するように構成されている。なお、障害物10eがあれば、他よりもX線の透過量が小さくなるため、画像の色は濃くなる。また、障害物10eは、本発明の「ノイズ」の一例である。
【0059】
また、画像処理部12eは、基板10に光学撮像部5のライト52により光(可視光)を照射してカメラ51により光学画像を撮像するように構成されている。
【0060】
装置制御演算処理部12f(
図4参照)は、X線検査装置100の仕様に関する情報などを設備固有データ記憶部12gから読み出すとともに、X線検査装置100全体の制御を行うように構成されている。また、装置制御演算処理部12fは、モータ制御部12hを介して、駆動モータなどを駆動させる制御を行うように構成されている。また、装置制御演算処理部12fは、外部入出力制御部12iを介して、外部入出力装置(図示せず)からのユーザによる操作を受付けて、ユーザの操作に基いてX線検査装置100の制御を行うように構成されている。
【0061】
次に、
図5を参照して、X線検査装置100のコントローラ12による基板検査処理の制御について説明する。なお、X線検査装置100による基板検査は、搬送ラインによって基板10を搬送しながら電子部品(部品10a)の実装回路基板の製造を行う工程の一部として行われる。
【0062】
ユーザによる基板製造開始の操作が行われると、ステップS1において、コントローラ12は、プログラム記憶部12cの検査に必要なプログラムを読み込む。また、コントローラ12は、検査する基板10および部品10aの大きさ、位置などの情報をプログラム記憶部12cから読み込む。ステップS2において、コントローラ12は、検査部位数Nを読み込む。具体的には、コントローラ12は、基板データに基づく検査に必要な視野の数を読み出す。たとえば、
図9示す基板10に搭載された部品10aの検査をする際に、視野を4分割して検査する場合には、N=4となる。
【0063】
ステップS3において、コントローラ12は、基板10を搬入する。具体的には、コントローラ12は、シャッター部9を開放した後、コンベア21を搬入口Aまで移動させて基板10を受け取って搬入する。ステップS4において、コントローラ12は、検査部位の1つ目の視野の撮像および検査を行うために、J=1と設定する。ステップS5において、コントローラ12は、9枚のX線画像を撮像する。具体的には、コントローラ12は、基板10の表面に対して略垂直に交差する方向(Z1方向)側からX線源3によりX線を照射して撮像(
図6参照)する1枚の平面画像と、基板10の表面に対して上向き(Z1向き)に角度α(たとえば、45度)の方向(斜め上方向)(
図7参照)で、平面視において、X1方向に対して45度、78度、123度、135度、225度、258度、303度および315度の8方向(
図8参照)からX線源3によりX線を照射して撮像する8枚の画像とを撮像する。
【0064】
ステップS6において、コントローラ12は、検査する部品10aのリード10cの高さ位置(Z方向における位置)を取得する。具体的には、コントローラ12は、斜め上方からX線を照射して撮像した8枚のX線画像のリード10cの位置および基板10の表面の高さ位置から部品10aのリード10cの高さ位置(Z方向における位置)を取得する。ステップS7において、コントローラ12は、8枚の断面画像を算出(取得)する。具体的には、コントローラ12は、基板10の表面に略垂直な方向(真上方向)からX線を照射して撮像した平面画像に基づいて検査する接続部10bのリード10cの平面視における位置を特定し、リード10cが平面(XY平面)方向に延びる方向で、Z方向と平行な面を対象面として特定する。その後、コントローラ12は、対象面と、斜め上方からX線を照射して撮像した8枚のX線画像とに基づいて、対象面における部品10aと基板10との接続部10bの8枚の断面画像をそれぞれ算出する。
【0065】
ステップS8において、コントローラ12は、
図12に示すように、8枚の断面画像から合成画像を合成する。これにより、コントローラ12は、対象面における断面画像の障害物10eが除去された1枚の合成画像を取得する。ステップS9において、コントローラ12は、寸法検査を実施する。具体的には、コントローラ12は、部品10aと基板10との接続部10bの接続形状の寸法(半田10dの長手方向および短手方向の長さ)と、半田部分のX線の透過量(画像の色の濃さ)とを合成画像から測定して、接続部10bの接続状態の検査を行う。
【0066】
ステップS10において、コントローラ12は、検査結果を記録する。これにより、検査部位の1つ目の視野の撮像および検査を行う処理が完了する。次に、ステップS11において、制御部は、J=J+1と設定する。ステップS12において、コントローラ12は、JがNより大きいか否かを判断する。つまり、検査に必要な視野の数だけの撮像および検査が完了したか否かを判断する。JがN以下ならば、ステップS5に戻る。JがNより大きければ、ステップS13に進む。
【0067】
ステップS13において、コントローラ12は、基板10を排出する。具体的には、コントローラ12は、シャッター部9を開放した後、コンベア21を搬出口Bまで移動させて基板10を搬出する。その後、ステップS3に戻る。
【0068】
第1実施形態では、上記のように、コントローラ12を、対象とする接続部10bを含み基板10の表面と略垂直に交差する対象面に対して交差する方向からX線を照射して撮像した撮像面(投影面)における画像を対象面の画像に座標変換することにより、対象面における部品10aと基板10との接続部10bの接続形状を取得するように構成することによって、基板10の表面と略垂直に交差する対象面における部品10aと基板10との接続部10bの接続形状に基づいて、基板10の表面に対して略垂直に交差する方向の接続部10bの接続形状の変化を精度よく把握することができる。これにより、基板10の表面に対して略垂直に交差する方向における部品10aと基板10との接続部10bの状態を少ない撮像枚数で精度よく検査することができる。
【0069】
また、第1実施形態では、コントローラ12を、撮像した画像に基づいて、基板10の表面と略垂直に交差する対象面における接続部10bの断面画像を取得することにより、接続部10bの接続形状を取得するように構成することによって、取得した対象面における接続部10bの断面画像を用いて、基板10の表面に対して略垂直に交差する方向における部品10aと基板10との接続部10bの状態を容易に精度よく検査することができる。
【0070】
また、第1実施形態では、コントローラ12を、対象面と交差する8方向からX線を照射して撮像した複数の画像を合成することにより、基板10の表面と略垂直に交差する対象面における接続部10bの断面画像の障害物10eを除去して接続部10bの接続形状を取得するように構成することによって、複数の画像から障害物10eの無い部分を抽出して合成することができるので、対象面における断面画像の障害物10eを容易に除去することができる。これにより、部品10aと基板10との接続部10bの状態をより精度よく検査することができる。
【0071】
また、第1実施形態では、コントローラ12を、8枚の画像のX線の透過量を比較して、X線の透過量が大きい部分を合成することにより、対象面における断面画像の中の障害物10eを除去するように構成することによって、8枚の画像の合成により、X線の透過量が小さくなる障害物10eが除去されるので、対象面における断面画像の障害物10eをより容易に除去することができる。
【0072】
また、第1実施形態では、コントローラ12を、基板10の表面に対して略垂直に交差する方向からX線撮像部4により基板10を撮像した平面画像に基づいて接続部10bの平面視における位置を取得することにより接続部10bを含む対象面を特定するように構成することによって、X線撮像部4により撮像した平面画像に基づいて基板10の表面と略垂直に交差する対象面を容易に特定することができる。また、接続部10bが部品10aなどに隠れて見えない場合でも、透過したX線により接続部10bを確認することができるので、接続部10bを含む対象面を確実に特定することができる。
【0073】
また、第1実施形態では、コントローラ12を、対象面における接続部10bの接続形状の寸法に基づいて、接続部10bの状態の検査を行うように構成することによって、基板10の表面に対して略垂直に交差する方向における部品10aと基板10との接続部10bの状態を接続形状の寸法に基づいて定量的に精度よく検査することができる。
【0074】
また、第1実施形態では、コントローラ12を、対象とする接続部10bを含む複数の対象面のいずれとも平行でない方向からX線源3によりX線を照射してX線撮像部4により画像を撮像するように構成することによって、X線撮像部4による1回の撮像でより多くの接続部10bの対象面における接続形状を取得することができるので、個々に接続部10bの接続形状を取得する場合に比べて、X線の照射回数を減らすことができる。
【0075】
また、第1実施形態では、コントローラ12を、対象面と交差する8方向からX線源3によりX線を照射してX線撮像部4により画像を撮像するように構成することによって、多方向からX線を照射して撮像した画像に基づいて精度のよい対象面における接続部10bの断面画像を取得することができる。また、1枚の画像の撮像に多くのX線を照射するCT(コンピュータ断層撮影)などに比べてX線の照射回数を減らすことができる。これにより、X線源3の負担を小さくすることができるので、X線源3の寿命を長くすることができる。
【0076】
(第2実施形態)
次に、
図13を参照して、本発明の第2実施形態によるX線検査装置100の構成について説明する。この第2実施形態では、基板10の表面に略垂直な方向(真上方向)からX線を照射して撮像したX線画像に基づいて対象面を特定した上記第1実施形態と異なり、基板10の表面に略垂直な方向(真上方向)から光(可視光)を照射して撮像した光学画像に基づいて対象面を特定する例について説明する。
【0077】
ここで、第2実施形態では、コントローラ12は、
図13のステップS4において、J=1と設定した後、ステップS21において、1枚の光学画像を撮像する。具体的には、コントローラ12は、基板10の表面に対して略垂直に交差する方向(Z1方向)側から光学撮像部5のライト52(
図4参照)により可視光を照射して光学撮像部5のカメラ51により基板10の平面画像を撮像する。ステップS22において、コントローラ12は、8枚のX線画像を撮像する。具体的には、コントローラ12は、基板10の表面に対して上向き(Z1向き)に角度α(たとえば、45度)の方向(斜め上方向)(
図7参照)で、平面視において、X1方向に対して45度、78度、123度、135度、225度、258度、303度および315度の8方向(
図8参照)からX線源3によりX線を照射して8枚のX線画像を撮像する。その後、ステップS6に進む。
【0078】
また、第2実施形態では、コントローラ12は、ステップS6において、検査する部品10aのリード10cの高さ位置(Z方向における位置)を取得した後、ステップS23において、8枚の断面画像を算出(取得)する。具体的には、コントローラ12は、基板10の表面に略垂直な方向(真上方向)から可視光を照射して撮像した平面画像に基づいて検査する接続部10bのリード10cの平面視における位置を特定し、リード10cが平面(XY平面)方向に延びる方向で、Z方向と平行な面を対象面として特定する。その後、コントローラ12は、対象面と、斜め上方からX線を照射して撮像した8枚のX線画像とに基づいて、対象面における部品10aと基板10との接続部10bの8枚の断面画像を算出する。そして、ステップS8に進む。
【0079】
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0080】
上記のように、第2実施形態の構成においても、上記第1実施形態と同様に、基板10の表面に対して交差する方向の接続部10bの接続形状の変化を精度よく把握することができるので、基板10の表面に対して交差する方向における部品10aと基板10との接続部10bの状態を少ない撮像枚数で精度よく検査することができる。
【0081】
さらに、第2実施形態では、上記のように、コントローラ12を、基板10の表面に対して略垂直に交差する方向から光学撮像部5により基板10を撮像した平面画像に基づいて接続部10bの平面視における位置を取得することにより接続部10bを含む対象面を特定するように構成することによって、光学撮像部5により撮像した平面画像に基づいて基板10の表面と交差する対象面を容易に特定することができる。
【0082】
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0083】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0084】
たとえば、上記第1および第2実施形態では、回路基板製造ラインを構成するX線検査装置に本発明を適用した例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、回路基板製造ラインの外部に設けられ、単独で使用されるX線検査装置に本発明を適用してもよい。
【0085】
また、上記第1および第2実施形態では、X線検査装置が、X線源およびX線撮像部と、光学撮像部とを備える例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、X線検査装置は、光学撮像部を備えていなくてもよい。
【0086】
また、上記第1および第2実施形態では、平面視において、X1方向に対して45度、78度、123度、135度、225度、258度、303度および315度の8方向(
図8参照)からX線源によりX線を照射して8枚のX線画像を撮像する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、X1方向に対して45度、78度、123度、135度、225度、258度、303度および315度以外の8方向からX線を照射して8枚のX線画像を撮像してもよいし、9方向以上または7方向以下(たとえば、X1方向に対して45度、135度、225度、および315度の4方向)の方向からX線を照射してX線画像を撮像してもよい。この場合、X線は、複数の対象面に対して交差する方向から照射することが好ましい。
【0087】
また、上記第1および第2実施形態では、基板の表面に対して略垂直方向から撮像したX線画像または光学画像に基づいて対象面を特定する例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、あらかじめ設定された基板および部品の位置、大きさなどのデータに基づいて対象面を特定してもよい。
【0088】
また、上記第1および第2実施形態では、X線源から基板に照射されたX線をX線撮像部により直接撮像する構成の例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、X線源から基板に照射されたX線をシンチレータなどに当てて発光させて、発光したシンチレータを撮像部により撮像してもよい。
【0089】
また、上記第1および第2実施形態では、説明の便宜上、制御部としてのコントローラの処理動作を処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローチャートを用いて説明したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部の処理動作を、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。