(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記光センサは、アノードを前記レベルシフト回路の入力端子に接続され、カソードを電源端子に接続されたPN接合素子で構成した、ことを特徴とする請求項1に記載の近接センサ。
前記光センサは、アノードを前記レベルシフト回路の入力端子に接続され、カソードをグラウンド端子に接続されたPN接合素子で構成した、ことを特徴とする請求項1に記載の近接センサ。
【背景技術】
【0002】
従来の光センサを用いたい近接センサは、自ら光を照射した光が、近づいた指等で反射する光を光センサで検出することで、指等が近づいたことを検出していた。
【0003】
図10に従来の近接センサを用いた非接触スイッチの回路ブロック図を示す。受光部27と投光部28を有する反射光利用タイプの近接センサ29と、電気機器の一例である照明器具30等の負荷に直列に接続されたスイッチ回路31と、近接センサ29の出力によってスイッチ回路31の半導体スイッチ素子を構成するトライアック(スイッチ手段の一例)32をオンオフするスイッチ制御部33と、これらに電源を供給する電源部34とを有している。
【0004】
近接センサ29は周知の構造となって、発光ダイオードを用いた投光部28から発する赤外線パルスを、対象物の一例である人の手35に反射させて、その反射光をフォトトランジスタやフォトダイオードを用いた受光部27によって受光した場合にオンの出力をスイッチ制御部33に送るようになっている。
【0005】
スイッチ回路31に設けられているトライアック32は、そのゲートに信号が入力されると交流電源に対して、信号が入力された時点から電源の正負が入れ代わる時点まで導通素子であって、近接センサ29がオンになった場合、スイッチ制御部33から発する信号によって、オンするようになっている。
【0006】
スイッチ制御部33には、近接センサ29が手35等を検知した場合でかつ手35を近接センサ29の前に往復動させた場合には、近接センサ29が手35を検知するごとにオンオフすることになり、光センサ29の応答性が速すぎる場合があり、不自然であるので、例えば、1〜2秒程度のタイマー回路を設けて、近接センサ29がオンになった直後タイマー回路がカウントアップしない場合には、トライアック32がオフにならないようにディレイ回路が設けてある。
【0007】
また、スイッチ制御部33には、近接センサ29がオンになった場合に点灯する動作表示灯23が設けられている。この動作表示灯23は近接センサ29がオンになってトライアック32がオンになった場合にのみ点灯するが、この動作表示灯23に2色の発光ダイオードを用いて、近接センサ29がオフの場合には緑色(又は黄色)を点灯し、近接センサ29がオンの場合には赤色を点灯させるようしてもよい。なお、トライアック32の両端にネオン管を設けてトライアック32のオフ時の表示としてもよい。
【0008】
従って、この実施の形態に係る非接触スイッチ10においては、照明器具30に電源が入っていない状態、即ち、非接触スイッチ10のトライアック32が非導通の場合には、トライアック32の両端に電源電圧がかかるので、これを電源部34で整流して定電圧にし、スイッチ回路31、近接センサ29、及びスイッチ制御部33に供給する。そして、人の手35を近接センサ29が検知して作動した場合には、その出力をスイッチ制御部33に供給して、スイッチ回路31に信号を送り、トライアック32に半波長(180度)に対して15〜20度の位相角で信号を送り、スイッチ回路31をオンにする。
【0009】
トライアック32の両端には、電源電圧の一部からなる小電圧が発生するので、これを電源部34によって整流して微小電力を得、定電圧の直流に変えてスイッチ回路31、近接センサ29、及びスイッチ制御部33に供給する。これによって、仮にスイッチ回路31がオンの状態を継続しても、電源を供給することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、本発明の近接センサの概略構成図である。
図1は近接センサ100を側面から見た図であり、第1の光センサ101と、第2の光センサ102で構成される。
【0018】
第1の光センサ101は、近接センサ100が、指103等が近づいたことを検出する際、指103等で遮光される部分に設置され、指103等による遮光を検出する。第2の光センサ102は、近接センサ100が、指103等が近づいたことを検出する際、指103等で遮光されない部分に設置され、周囲の明るさを検出する。
【0019】
周囲が明るく近接センサ100が指103等で遮光されている時は、第1の光センサ101に入射される光量が少なくなり、第2の光センサ102に入射される光量は変化しない。この場合は、近接センサ100から検出信号が出力される。
【0020】
周囲が明るく近接センサ100が指103等で遮光されていない時は、第1の光センサ101に入射される光量も、第2の光センサ102に入射される光量も変化しない。この場合は、近接センサ100から非検出信号が出力される。
【0021】
周囲が暗い時は、第2の光センサ102に入射される光量が少なくなる。この場合は、近接センサ100の第1の光センサ101を指103等で遮光していても非検出信号を出力する。第1の光センサ101は、周囲が暗い事と指103等で遮光されている事を区別出来ないため、第2の光センサ102で周囲の明るさを検出することで、周囲が暗い事と指103等で遮光されている事を区別している。
【0022】
このように、本発明の近接センサは、周囲が明るい場合は、近接センサ100を指103等で遮光した時に検出信号を出力し、指103等が離れた時は非検出信号を出力することができる。また、周囲が暗い場合は、非検出信号を出力することができる。
【0023】
なお、上記本発明の近接センサでは、周囲が暗い場合に非検出信号を出力する構成であったが、周囲が暗い場合に検出信号を出力する構成でも良いことは言うまでも無い。また、第1の光センサ101と第2の光センサ102には複数の光センサを用いても同様に動作させることができることも言うまでも無い。さらに、第1の光センサ101や第2の光センサ102を近接センサ100の表面ではなく、近接センサ100の表面に設けた凹部中央に配置することで、斜めからの進入光による検出感度の悪化を防止できることは言うまでもない。
<第1の実施形態>
図2は、本発明の近接センサにおける第1の実施形態を示す概略回路図である。
図2に示すように、第1の光センサ101は2つのフォトダイオードを並列に用いて構成しており、アノードが基準電源端子GNDへ接続され、カソードが出力端子203に接続されている。第2の光センサ102はアノードが出力端子203に接続され、カソードがプラス電源端子VDDに接続されている。
【0024】
次に動作について説明する。例えば、第1の光センサ101と第2の光センサ102で用いるフォトダイオードが同じ感度のフォトダイオードであった場合、第1の光センサ101に2つのフォトダイオードを並列に用いているため、入射される光量が第2の光センサ102の半分以下になれば出力端子203の信号をロウレベル(以降Lと略称する。)からハイレベル(以降Hと略称する。)に反転させることができる。つまり、周囲が明るく第1の光センサ101に指103等を近づけている時、第1の光センサ101に入射する光量が半分になる位置で検出できることとなる。このため、指103等で光を完全に遮光することなく検出できると共に、周囲の明るさが変化しても、検出距離があまり変化しない。そして、検出させる光量は第1の光センサ101と第2の光センサ102のフォトダイオード数を変えることで調節できるため、簡単に調節することができる。一方、周囲が暗くなった場合は、第1の光センサ101に流れる暗電流が、第2の光センサ102に流れる暗電流よりも多くなるので、出力端子203の信号はLとなる。
【0025】
なお、第2の光センサ102を2つ以上並列に用いても同様に検出できることは言うまでもない。
<第2の実施形態>
図3は、本発明の近接センサにおける第2の実施形態を示す概略回路図である。
図3に示すように、第1の光センサ101は2つのフォトダイオードを並列に用いて構成しており、アノードが基準電源端子GNDへ接続され、カソードがレベルシフト回路301の入力端子302に接続されている。第2の光センサ102はアノードがレベルシフト回路301の入力端子302に接続され、カソードが基準電源端子GNDに接続されている。レベルシフト回路301の反転信号出力端子303は出力端子203に接続されている。
【0026】
次に動作について説明する。周囲が明るく第1の光センサ101に指103等を近づけていない時、第1の光センサ101のカソードからアノードへ光電流が流れ、第2の光センサ102のカソードに発電電圧と発電電流が発生する。しかし、第1の光センサ101の光電流は第2の光センサ102の発電電流の2倍流れるため、レベルシフト回路301の入力端子302の電圧はLになる。従って、レベルシフト回路301の反転信号出力端子303にHを出力し、出力端子203にHを出力する。
【0027】
周囲が明るく第1の光センサ101に指103等を近づけている時、第1の光センサ101のカソードからアノードへ光電流が流れ、第2の光センサ102のカソードに発電電圧と発電電流が発生する。しかし、第1の光センサ101に入射される光量が指103等により半分未満となるため、第1の光センサ101の光電流は第2の光センサ102の発電電流より少なくなる。よって、レベルシフト回路301の入力端子302の電圧は、第2の光センサ102の発電電圧になる。従って、レベルシフト回路301の反転信号出力端子303にLを出力し、出力端子203にLを出力する。
【0028】
周囲が暗い時は、第2の光センサ102のアノードに発電電圧が発生しないため、レベルシフト回路301の入力端子302の電圧はLになる。すると、反転信号出力端子303からはHの信号が出力され、出力端子203からもHの信号が出力される。
【0029】
以上により本発明の近接センサにおける第2の実施形態では、
図2で示した本発明の近接センサにおける第1の実施形態と比べ、出力信号の極性は逆だが同じ機能と特徴を有することができる。そして、第1の実施形態で消費電流として流れていた第2の光センサ102の光電流が消費されないので、さらに低消費電流化できる。
【0030】
なお、第2の光センサ102を2つ以上並列に用いても同様に検出できることは言うまでもない。
【0031】
図8に、上記本発明の近接センサにおける第2の実施形態に用いたレベルシフト回路301の回路図を示す。
図8に示すように、PチャネルMOSトランジスタ801は、ソースがプラス電源端子VDDに接続され、ゲートがノードN1に接続され、ドレインが定電流回路811の電流流入端子に接続される。NチャネルMOSトランジスタ806は、ソースが基準電源端子GNDに接続され、ゲートが入力端子302に接続され、ドレインが反転信号出力端子303に接続される。PチャネルMOSトランジスタ802は、ソースがプラス電源端子VDDに接続され、ゲートが反転信号出力端子303に接続され、ドレインが定電流回路812の電流流入端子に接続される。ディプレッション型NチャネルMOSトランジスタ805は、ソースが入力端子302に接続され、ゲートが基準電源端子GNDに接続され、ドレインがノードN1に接続される。定電流回路810は、電流流入端子が入力端子302に接続され、電流流出端子が基準電源端子GNDに接続される。定電流回路811は、電流流出端子が反転信号出力端子303に接続される。定電流回路812は、電流流出端子がノードN1に接続される。図示はしないが、プラス電源端子VDDに電源からプラスの電圧が供給され、基準電源端子GNDに電源からゼロボルトの電圧が供給される構成である。なお、定電流回路810と定電流回路812の定電流値は、定電流回路810の方が多くなるように設定される。
【0032】
次に動作について説明する。先ず、入力端子302にLが入力されると、NチャネルMOSトランジスタ806をオフさせ、ディプレッション型NチャネルMOSトランジスタ805をオンさせる。ノードN1の電圧はディプレッション型NチャネルMOSトランジスタ805のオン電流により、基準電源端子GNDの電圧付近まで放電される。そして、PチャネルMOSトランジスタ801をオンさせ、レベルシフト回路301の反転信号出力端子303の電圧をプラス電源端子VDD付近の電圧まで上昇させる。レベルシフト回路301の反転信号出力端子303をプラス電源端子VDDの電圧付近まで上昇させるので、PチャネルMOSトランジスタ802はオフしていく。こうして、反転信号出力端子303にHを出力する。
【0033】
次に、入力端子302に、第2の光センサ102の発電電圧が入力されると、ディプレッション型NチャネルMOSトランジスタ805をオフさせ、NチャネルMOSトランジスタ806をオンさせる。反転信号出力端子303の電圧はNチャネルMOSトランジスタ806のオン電流により、基準電源端子GNDの電圧付近まで放電される。そして、PチャネルMOSトランジスタ802をオンさせ、ノードN1の電圧をプラス電源端子VDDの電圧付近まで上昇させる。ノードN1の電圧をプラス電源端子VDDの電圧付近まで上昇させるので、PチャネルMOSトランジスタ801はオフしていく。こうして、反転信号出力端子303にLを出力する。
【0034】
以上述べてきたように、
図8で示すレベルシフト回路は、上記したように第2の光センサ102の発電電圧レベルの信号を、CMOSレベルの反転信号に変換して出力する機能を有する。また、消費電流は、プラス電源端子VDDから基準電源端子GNDへの電流パスに有るいずれかのMOSトランジスタがオフしているため、このオフしているMOSトランジスタのリーク電流のみである。なお、定電流回路810の電流値は、非常に小さく設計してあるので、
図3で示す第1の光センサ101と第2の光センサ102が流す電流比にはほとんど影響しない。
【0035】
図9に、上記本発明の近接センサにおける第2の実施形態に用いたレベルシフト回路を、
図8と異なる構成で実現した回路図を示す。
図9に示すように、ディプレッション型NチャネルMOSトランジスタ902は、ドレインがプラス電源端子VDDに接続され、ソースがノード1に接続され、ゲートが反転信号出力端子303に接続される。PチャネルMOSトランジスタ903は、ドレインが反転信号出力端子303に接続され、ソースがノードN1に接続され、ゲートが入力端子302に接続される。NチャネルMOSトランジスタ904は、ドレインが反転信号出力端子303に接続され、ソースが基準電源端子GNDに接続され、ゲートが入力端子302に接続される。定電流回路901は、電流流入端子が入力端子302に接続され、電流流出端子が基準電源端子GNDに接続される。なお、図示はしないが、プラス電源端子VDDに電源からプラスの電圧が供給され、基準電源端子GNDに電源からゼロボルトの電圧が供給される構成である。
【0036】
次に動作について説明する。入力端子302にLが入力されると、NチャネルMOSトランジスタ904をオフする。そして、ノードN1がPチャネルMOSトランジスタ903のしきい値電圧の絶対値となり、ディプレッション型NチャネルMOSトランジスタ902のしきい値電圧の絶対値の方が、ノードN1の電圧よりも大きくなるので、ディプレッション型NチャネルMOSトランジスタ902がオンする。ディプレッション型NチャネルMOSトランジスタ902がオンすると、ノードN1がPチャネルMOSトランジスタ903のしきい値電圧の絶対値より高くなるので、PチャネルMOSトランジスタ903がオンする。PチャネルMOSトランジスタ903がオンすると、反転信号出力端子303は、ノードN1と同じ電圧まで上昇する。そして、ノードN1は、反転信号出力端子930の上昇と共にさらにオンするディプレッション型NチャネルMOSトランジスタ902の電流によりプラス電源端子VDDまで上昇する。従って、反転信号出力端子930はHを出力する。
【0037】
次に、入力端子302のHが入力されると、NチャネルMOSトランジスタ904がオンするので、反転信号出力端子303は、NチャネルMOSトランジスタ904の電流により基準電源端子GNDまで放電され、反転信号出力端子303はLを出力する。そして、ノードN1の電圧が、入力端子302の電圧にPチャネルMOSトランジスタ903のしきい値電圧の絶対値をプラスした値となり、この値がディプレッション型NチャネルMOSトランジスタ902のしきい値電圧の絶対値を上回るので、ディプレッション型NチャネルMOSトランジスタ902がオフする。
【0038】
以上述べてきたように、
図9で示すレベルシフト回路は、前記した
図8で示すレベルシフト回路と同じ機能を有することができる。また消費電流も、プラス電源端子VDDから基準電源端子GNDへの電流パスに有るいずれかのMOSトランジスタがオフしているため、前記
図8で示すレベルシフト回路の消費電流と同等の消費電流となる。なお、定電流回路901の電流値は、非常に小さく設計してあるので、
図3で示す第1の光センサ101と第2の光センサ102が流す電流比にはほとんど影響しない。
<第3の実施形態>
図4は、本発明の近接センサにおける第3の実施形態の概略回路図である。
図4に示すように、第1の光センサ101のアノードがNチャネルMOSトランジスタ401のゲートおよびドレインに接続され、カソードがプラス電源端子VDDに接続されている。第2の光センサ102はアノードがNチャネルMOSトランジスタ402のドレインおよび出力端子203に接続され、カソードがプラス電源端子VDDに接続されている。NチャネルMOSトランジスタ401のソースは基準電源端子GNDに接続されている。NチャネルMOSトランジスタ402は、ソースは基準電源端子GNDに接続され、ゲートはNチャネルMOSトランジスタ401のゲートに接続される。
【0039】
次に動作について説明する。NチャネルMOSトランジスタ401とNチャネルMOSトランジスタ402は電流ミラー回路を構成しており、NチャネルMOSトランジスタ401に流れる電流を2倍した電流がNチャネルMOSトランジスタ402にミラーされる。例えば、第1の光センサ101と第2の光センサ102で用いるフォトダイオードが同じ感度のフォトダイオードであった場合、周囲が明るく第1の光センサ101に指103等を近づけていない時、第1の光センサ101に流れる電流がミラーされるNチャネルMOSトランジスタ402の電流が、第2の光センサ102に流れる電流よりも大きくなるため、出力端子203にLを出力する。周囲が明るく光センサ回路101に指103等を近づけている時、第1の光センサ101に入射される光量は、指103等により半分未満となる。従って、第1の光センサ101に流れる電流がミラーされるNチャネルMOSトランジスタ402の電流が、第2の光センサ102に流れる電流よりも少なくなるため、出力端子203にHを出力する。なお、周囲が暗い場合は、第2の光センサ102に電流が流れないので、出力端子203はLとなる。このようにして、指103等により、第1の光センサ101に入射される光量が半分未満となったことを検出する近接センサ100が実現できる。
【0040】
以上のべてきたように、本発明の近接センサにおける第3の実施形態では、
図2で示した本発明の近接センサにおける第1の実施形態と同じ機能と特徴を持ち、第1の光センサ101と第2の光センサ102の電流比を変える場合、光センサの数を増加させることなく電流ミラー回路のミラー比を変えることで対応できる。従って、小型化が可能となり、さらには、電流ミラー回路のミラー比を変えることで、近接センサの感度が簡単に調節できる。
<第4の実施形態>
図5は、本発明の近接センサにおける第4の実施形態の概略回路図である。
図5に示すように、第1の光センサ101のアノードがNチャネルMOSトランジスタ401のゲートおよびドレインに接続され、カソードが基準電源端子GNDに接続されている。第2の光センサ102はアノードがNチャネルMOSトランジスタ402のドレインおよびレベルシフト回路301の入力端子302に接続され、カソードが基準電源端子GNDに接続されている。NチャネルMOSトランジスタ401のソースは基準電源端子GNDに接続されている。NチャネルMOSトランジスタ402は、ソースは基準電源端子GNDに接続され、ゲートはNチャネルMOSトランジスタ401のゲートに接続される。レベルシフト回路301は反転信号出力端子303が出力端子203に接続される。なお、レベルシフト回路301は、前記した本発明の近接センサにおける第2の実施形態で用いたレベルシフト回路301と同じ構成であるので、構成と動作の説明は省略する。
【0041】
次に動作について説明する。NチャネルMOSトランジスタ401とNチャネルMOSトランジスタ402は電流ミラー回路を構成しており、NチャネルMOSトランジスタ401に流れる電流を2倍した電流がNチャネルMOSトランジスタ402にミラーされる。例えば、第1の光センサ101と第2の光センサ102で用いるフォトダイオードが同じ発電特性のフォトダイオードであるとする。
【0042】
周囲が明るく第1の光センサ101に指103等を近づけていない時、第1の光センサ101に発電電流が発生する。この発電電流がミラーされるNチャネルMOSトランジスタ402の電流が、第2の光センサ102からの発電電流よりも大きくなるため、レベルシフト回路301の入力端子302はLとなり出力端子203はHとなる。
【0043】
周囲が明るく光センサ回路101に指103等を近づけている時、第1の光センサ101に入射される光量は指103等により半分未満となる。従って、第1の光センサ101からの発電電流がミラーされるNチャネルMOSトランジスタ402の電流が、第2の光センサ102からの発電電流よりも少なくなる。こうして、レベルシフト回路301の入力端子302は第2の光センサ102の発電電圧となり出力端子203はLとなる。
【0044】
周囲が暗い場合は、第2の光センサ102に発電電圧が発生しないので、レベルシフト回路301の入力端子302はLとなり出力端子203はHとなる。このようにして、指103等により、第1の光センサ101に入射される光量が半分未満となったことを検出する近接センサが実現できる。
【0045】
以上のように、本発明の近接センサにおける第4の実施形態では、
図3で示した本発明の近接センサにおける第2の実施形態と比べ、同じ機能と特徴を持ち、第1の光センサ101と第2の光センサ102の電流比を変える場合、光センサの数を増加させることなく電流ミラー回路のミラー比を変えることで対応できる。従って、小型化が可能となり、さらには、電流ミラー回路のミラー比を変えることで、近接センサの感度が簡単に調節できる。
<第5の実施形態>
図6は、本発明の近接センサにおける第5の実施形態の概略回路図である。
図6に示すように、第1の光センサ101の光量変化を検出する構成を示している。なお、
図6で示す構成と、
図1で示す第2の光センサ102の光量変化を検出する構成も全く同じ構成で実現するため説明は省略する。
【0046】
先ず接続は、第1の光センサ101は、アノードがNチャネルMOSトランジスタ401のゲート及びドレインとレベルシフト回路301の入力端子302と遅延回路603の入力に接続され、カソードがプラス電源端子VDDに接続されている。NチャネルMOSトランジスタ401は、ソースが基準電源端子GNDに接続されている。NチャネルMOSトランジスタ402は、ソースが基準電源端子GNDに接続され、ゲートが遅延回路603の出力に接続され、ドレインがレベルシフト回路301の入力端子302に接続される。レベルシフト回路301は、反転信号出力端子303が出力端子203に接続される。遅延回路
603は、入力に抵抗601が接続され、出力に抵抗601の反対側と容量602が接続され、容量の反対側は基準電源端子GNDに接続される。なお、レベルシフト回路301は、前記した本発明の近接センサにおける第2の実施形態で用いたレベルシフト回路301と同じ構成であるので、構成と動作の説明は省略する。
【0047】
次に動作について説明する。NチャネルMOSトランジスタ401とNチャネルMOSトランジスタ402は電流ミラー回路を構成している。第1の光センサ101に指103等を近づけていない時、第1の光センサ101に2Iの電流が流れるとし、カレントミラーのミラー比が1対1であるとすると、NチャネルMOSトランジスタ401と402にはそれぞれIの電流が流れる。そして、レベルシフト回路301の入力端子302は、Iの電流が流せるNチャネルMOSトランジスタ401のゲート電圧となる。従って、出力端子203にLが出力される。第1の光センサ101に指103等を近づけ第1の光センサ101に流れる電流がI未満になったとすると、容量602によりNチャネルMOSトランジスタ402のゲートは一定時間一定の電圧を保つため、NチャネルMOSトランジスタ402は、Iの電流を流すように動作する。従って、第1の光センサ101に流れる電流よりも、NチャネルMOSトランジスタ402に流れる電流の方が多いため、レベルシフト回路301の入力端子302はLとなり、出力端子203はHとなる。そして、しばらくたって容量602から電荷が抜けると、NチャネルMOSトランジスタ401と402にはそれぞれI/2の電流が流れ、レベルシフト回路301の入力端子302は、I/2の電流が流せるNチャネルMOSトランジスタ401のゲート電圧まで再び上昇する。従って、出力端子203は再びLとなる。このように、第1の光センサ101に指103等を近づけることで、第1の光センサ101に入力される光量が半分になったことを検出し、出力端子203にしばらくの期間Hを出力する近接センサが実現できる。
【0048】
また、上記第1の光センサ101を用いた構成の近接センサのみでは、周囲の明るさが変化したことと、指103等が近づいたこととを区別できない。そこで、指103等で隠れない部分に第2の光センサ102を用いた全く同じ構成の近接センサをもう一個追加して、この第2の光センサ102を用いた近接センサが反応した場合は、周囲の明るさが変化したと判断する。こうして、指103等での遮光と周囲が暗くなることを区別する。
【0049】
なお、第1の光センサ101にゆっくりと指103等を近づけるとNチャネルMOSトランジスタ402のゲートを一定時間一定の電圧を保つ事をせず、NMOSトランジスタ402に流す電流も徐々に減らしていく。このため、レベルシフト回路301の入力がLになることはない。NチャネルMOSトランジスタ402のゲートを一定の電圧を保つ一定時間よりも速く指103等を近づけたときのみLを出力することができる。また、この時間は抵抗601と容量602の大きさで調整可能である。
【0050】
以上述べてきた用に、本発明の近接センサにおける第5の実施形態では、所定の速さ以上でかつ所定の距離まで指等が近づいた事を検出できる近接センサが実現できる。また、第1の光センサ101の表面が汚れて第1の光センサ101に入射される光量が半分未満となった場合、本発明の近接センサにおける第1から第4の実施形態では誤検出してしまう。しかし、本発明の近接センサにおける第5の実施形態では、指103等により所望速度で所望量変化する入射光量を検出する構成であるので誤検出しない。
【0051】
なお、
図6で示す抵抗601を短絡して、ノードAとノードBの間に抵抗を挿入しても同様の機能を実現できることは言うまでも無い。また、遅延回路は抵抗と容量を用いない別の方式でも実現できることは言うまでもない。
<第6の実施形態>
図7は、本発明の近接センサにおける第6の実施形態の概略回路図である。
図6で示した本発明の近接センサにおける第5の実施形態との構成の違いは、第1の光センサ101のカソードを基準電源端子GNDに接続した点のみである。
【0052】
動作としては、第1光センサ101から供給される電流が発電電流となり、この発電電流を検出することで本発明の近接センサにおける第5の実施形態と同様に動作できる。そして、第1の光センサ101の発電電流を検出する構成であるため、光電流分消費電流を少なくできる。なお、第5の実施形態と同様に第2の光センサ102を用いることで周囲が暗くなる事を区別することができる。
【0053】
以上述べてきたように、本発明の近接センサにおける第1から第6の実施形態では、指103等による第1の光センサ101による遮光量が半分程度に減少することを検出する場合で説明したが、第1の光センサ101ないし第2の光センサ102の個数や発電性能を変えたり、電流ミラー回路のミラー比をかえたりすることで、検出する遮光量を変えることができることは言うまでもない。また、本発明の近接センサにおける第1から第4の実施形態は、第1の光センサ101と第2の光センサ102の電流を、2対1の比で比較する構成であるが、この比率を逆にし、出力信号を反転すれば、周囲が暗くなったことは区別できないが、その他の機能は実現できることは言うまでも無い。
【0054】
なお、第1の光センサ101ないし第2の光センサ102は、フォトダイオードやLED等のダイオード特性と光電変換特性を有するセンサであればどのようなセンサでも良いことは言うまでも無い。