(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
電源と前記電源から電力の供給を受ける電子機器とを電気的に接続するための一方のコネクタと接続される他方のコネクタが複数設けられている電力供給ユニットにおいて、
前記他方のコネクタは、前記電源に接続されており、前記一方のコネクタに設けられる2本の電力用受電端子と嵌合される2本の電力用給電端子と、前記一方のコネクタに差し込み方向に伸縮可能に設けられる第1の制御用端子に対応する第2の制御用端子とを有しており、
前記第2の制御用端子には、制御スイッチが設けられており、
前記2本の電力用給電端子と前記2つの電力用受電端子を嵌合した状態において、前記第2の制御用端子に前記第1の制御用端子を差込方向に伸すことにより、前記制御スイッチの接点が接続され、前記電源から前記電子機器に電力が供給され、
前記他方のコネクタには、前記一方のコネクタに設けられるロック端子に対応した形状の凹状部が設けられており、
前記一方のコネクタと前記他方のコネクタとを嵌合した状態で、前記第1の制御用端子を伸すことにより、前記他方のコネクタの凹状部に前記ロック端子が前記差込方向に垂直に嵌入し、前記一方のコネクタと前記他方のコネクタとの嵌合状態が維持されるものであることを特徴とする、電力供給ユニット。
前記制御スイッチは、2つであって、前記2つの制御スイッチは、前記2本の電力用給電端子の各々に接続されており、前記電源は前記2つの制御スイッチを介し前記電力用給電端子より電力を供給するものであることを特徴とする請求項1に記載の電力供給ユニット。
前記リレーは、少なくとも1つのコイルと2つのリレー接点からなるものであり、前記コイルに電流が流れることにより前記2つのリレー接点が同時に接続されるものであり、
前記2本の電力用給電端子の各々に対応し、前記2つのリレー接点がそれぞれ接続されており、前記電源は前記2つのリレー接点を介し前記電力用給電端子より電力を供給するものであって、
前記制御スイッチの接点が接続されると、前記コイルに電流が流れ、前記2つのリレー接点が接続され、前記電子機器に電力が供給されるものであることを特徴とする請求項4に記載の電力供給ユニット。
【発明を実施するための形態】
【0011】
〔第1の実施の形態〕
第1の実施の形態におけるコネクタ装置、雌コネクタ及び雄コネクタについて説明する。
【0012】
(コネクタ装置、雌コネクタ及び雄コネクタの構成)
図1に、本実施の形態におけるコネクタ装置、雌コネクタ及び雄コネクタの構成の概要を示す。
【0013】
本実施の形態におけるコネクタ装置は、雌コネクタ10と雄コネクタ20から構成されている。雌コネクタ10は、サーバ等の情報機器40に接続されており、電力の供給を受けるための2つの電力用ジャック端子11、12、制御用プラグ端子13、アースのための接地用ジャック端子14を有している。制御用プラグ端子13は、雌コネクタ10の差込方向に伸縮させることが可能な構成となっている。
【0014】
一方、雄コネクタ20は電力を供給するための高圧電源50に接続されている。雄コネクタ20には、電力用ジャック端子11、12に対応している電力用プラグ端子21、22、制御用プラグ端子13に対応している制御用ジャック端子23、接地用ジャック端子14に対応している接地用プラグ端子24を有している。
【0015】
また、雄コネクタ20には、2つの制御スイッチ31、32が設けられている。この制御スイッチ31、32は、板バネ状のスイッチ等により構成されており、これを押下することにより接点が接触し電流が流れる構成のスイッチである。尚、本実施の形態では、制御スイッチ31、32の直上に絶縁体の板バネ33が設けられている。
【0016】
制御スイッチ31の一方の端子は、高圧電源50の正の出力に接続されており、他方の端子は、電力用プラグ端子21に接続されている。また、制御スイッチ32の一方の端子は、高圧電源50の負の出力に接続されており、他方の端子は、電力用プラグ端子22に接続されている。
【0017】
この2つの制御スイッチ31、32は、雌コネクタ10と雄コネクタ20とを嵌合させた状態において、雌コネクタ10の制御用プラグ端子13を差込方向に伸すことにより、絶縁体の板バネ33を介し、2つの制御スイッチ31、32の接点が接続される構成のものである。
【0018】
このように、制御スイッチ31、32の接点が接続されることにより、雄コネクタ20における電力用プラグ端子21、22に電力が供給され、更には、雌コネクタ10における電力用ジャック端子11、12を介し、サーバ等の情報機器40に電力が供給される。
【0019】
本実施の形態におけるコネクタ装置では、電力用プラグ端子21、22の各々に、制御スイッチ31、32が接続されているが、これは48V超える電圧、更には200V以上の電圧である高電圧の直流電力の場合では、接触により人体に与える危険が極めて高いため、電力用プラグ端子21、22の双方に制御スイッチ31、32を接続することにより、電力用プラグ端子21、22の双方からの電力供給を制御し、安全性をより一層高めている。
【0020】
尚、本発明では、制御用ジャック端子23とは、制御用プラグ端子13の伸縮により力学的な力によりオン、オフが制御される制御スイッチ等を内部に含む構成のものも含まれる。
【0021】
(コネクタ装置の構造)
次に、
図2から
図4に基づき、本実施の形態におけるコネクタ装置の具体的な構造について説明する。
図2(a)は、本実施の形態における雌コネクタ10において、制御用プラグ端子13が縮んでいる状態の外観の斜視図であり、
図2(b)は、本実施の形態における雌コネクタ10において、制御用プラグ端子13が伸びている状態の外観の斜視図である。
図3(a)は、本実施の形態における雄コネクタ20の外観の斜視図であり、
図3(b)は、本実施の形態における雄コネクタ20の内部構造の斜視図である。
図4(a)は、本実施の形態における雄コネクタ20の内部構造を正面から見た一部断面図であり、
図4(b)は、本実施の形態における雄コネクタ20の内部構造を側面から見た一部断面図である。
【0022】
図2(a)に示されるように、本実施の形態における雌コネクタ10には、400VDCの直流の電源ケーブル15が接続されており、反対側には、金属により形成された電力用ジャック端子11、12、制御用プラグ端子13、接地用ジャック端子14が設けられている。
【0023】
本実施の形態における雌コネクタ10は、雄コネクタ20に差し込まれた直後は、
図2(a)に示す状態にあり、この後、スライドスイッチ16を制御用プラグ端子13の差込方向にスライドさせることにより、制御用プラグ端子13が伸びるとともに、差込方向と垂直方向にロック端子18が突出し、
図3(b)に示す状態となる。
【0024】
一方、
図3(a)に示すように、本実施の形態における雄コネクタ20は、雌コネクタ10の本体の一部が嵌入する構成のものである。雄コネクタ20には、電力用ジャック端子11、12と接続される電力用プラグ端子21、22、接地用ジャック端子14に接続される接地用プラグ端子24、制御用プラグ端子13が伸びた状態で接続される制御用ジャック端子23、突出したロック端子18に対応する形状の凹部29が設けられている。
【0025】
図3(b)及び
図4は、雄コネクタ20の内部構造図である。雄コネクタ20の制御用ジャック端子23は、内部において2つの制御スイッチ31、32が設けられており、この2つの制御スイッチ31、32の上部に設けられた絶縁体の板バネ33が上部より押されて撓み変形することにより、2つの制御スイッチ31、32の接点が接触し、電流が流れる構成となっている。この際流れる電流は、400VDCであることから、雌コネクタ10の制御用プラグ端子13の先端が直接2つの制御スイッチ31、32を押下し、接点を接触させることは危険であるため、絶縁体の板バネ33を介し2つの制御スイッチ31、32の接点を接触させる構成としている。尚、本実施の形態では、制御スイッチ31、32の接点近傍には、アーク防止用の永久磁石25A、25Bが設けられている。
【0026】
(コネクタ装置の接続方法)
次に、
図5から
図10に基づき、本実施の形態における雌コネクタ10と雄コネクタ20の接続方法について説明する。
図5から
図7は、雌コネクタ10と雄コネクタ20の接続方法の説明図であり、正面から見た概略構成を示す。
図8から
図10は、雌コネクタ10と雄コネクタ20の接続方法の説明図であり、側面から見た概略構成を示す。尚、
図8から
図10において、図面を見やすくするため、電力用ジャック端子11、12及び接地用ジャック端子14等を省略して図示してある。
【0027】
最初に、
図5及び
図8に、雌コネクタ10と雄コネクタ20とが接続される前の状態を示す。この状態では、雌コネクタ10の電力用ジャック端子11と電力用プラグ端子21とは接続されていない。同様に、
図1に示される電力用ジャック端子12と電力用プラグ端子22も接続されておらず、接地用ジャック端子14と接地用プラグ端子24も接続されていない。また、制御用プラグ端子13は、縮んだ状態となっており、制御用プラグ端子13の伸縮させるためのスライドスイッチ16が差込む方向(下方向)に移動される前の状態となっている。
【0028】
一方、雄コネクタ20は、制御スイッチ31と電力用プラグ端子21とが接続されている。具体的には、制御スイッチ31は、板バネ部35と接点36、37により構成されており、接点36は電力用プラグ端子21と接続されており、板バネ部35は金属の板バネ状に形成されており、接点37は板バネ部35を介し電源50と接続されている。同様に、制御スイッチ32は電力用プラグ端子22と接続されており、制御スイッチ32は、電源50と接続されている。また、制御スイッチ31、32の上部に設けられている絶縁体の板バネ33は、絶縁体の板バネ33の上部より力が加わることにより撓み変形し、その力が制御スイッチ31、32に伝達される構成となっている。板バネ33は、差込方向と平行に突出する突出部331を有している。
【0029】
次に、
図6及び
図9に、雌コネクタ10が雄コネクタ20に差し込まれた状態を示す。この状態では、雌コネクタ10の電力用ジャック端子11と電力用プラグ端子21とは嵌合している。同様に、電力用ジャック端子12と電力用プラグ端子22も嵌合しており、接地用ジャック端子14と接地用プラグ端子24も嵌合している。
【0030】
尚、この状態では、制御用プラグ端子13は、縮んだ状態のままであり、制御用プラグ端子13の伸縮させるための制御用プラグ端子13の伸縮させるためのスライドスイッチ16も差込む方向(下方向)に移動される前の状態のままである。よって、雄コネクタ20の制御スイッチ31の接点36と接点37は接続されていない。同様に、制御スイッチ32の接点38と接点39も接続されていない。
【0031】
次に、
図7及び
図10に、雌コネクタ10が雄コネクタ20に差し込まれた状態において、制御用プラグ端子13が伸びた状態を示す。
【0032】
具体的には、スライドスイッチ16を差込む方向(下方向)に移動させることにより、制御用プラグ端子13が伸び、制御用プラグ端子13の先端が絶縁体の板バネ33の突出部331を押して板バネ33を撓ませ変形させる。この絶縁体の板バネ33の撓みによる変形により、制御スイッチ31における板バネ部35を撓ませ、制御スイッチ31の接点36と接点37とが接続される。制御スイッチ31の接点36と接点37が接続されることにより、
図1に示す電源50からの電力は、電力用プラグ端子21に供給され、同様に、
図1に示される電力用プラグ端子22にも電力が供給される。これにより、電力用プラグ端子21、22と接続されている電力用ジャック端子11、12を介し、雌コネクタ10に接続されている
図1に示すサーバ等の電気機器40に電源50からの電力が供給される。
【0033】
雌コネクタ10を雄コネクタ20から離脱させる際には、先ず、スライドスイッチ16を引き抜く方向(上方向)に移動させる。そうすると、制御用プラグ端子13が縮み、板バネ33が弾性復元する。これにより、制御スイッチ31における板バネ部35が弾性復元し、制御スイッチ31の接点36と接点37との接続が解除される。同様に、制御スイッチ32の接点38と接点39との接続も解除される。
【0034】
この瞬間、接点36と接点37の間、接点38と接点39の間にアーク(アーク電流)が発生することがある。アークが発生すると雌コネクタ10に接続されている電気機器に過度な負荷がかかるため、その後、電気機器に電力を再供給するのは危険である。特に、48V超える電圧、更には200V以上の電圧である高電圧の直流電力の場合、危険である。
【0035】
これに対し、本実施の形態の板バネ33は、制御スイッチ31との接触部332、333がアークの熱によって溶解するように構成されている。具体的には、板バネ33は、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネイト)等の熱可塑性樹脂で成形されており、板バネ33の接触部332、333は、溶解しやすくなるように板バネ33の本体部334(
図4参照)から突出している。
【0036】
板バネ33の接触部332、333が溶解すると、制御用プラグ端子13が伸びた状態でも、接点36と接点37、及び接点38と接点39が接触しなくなる。これにより、アーク発生後の電力の再供給を防止することができる。
【0037】
板バネ33の融点は、接触部332、333の溶解しやすさの観点から、好ましくは250℃以下であり、より好ましくは180℃以下である。尚、板バネ33の融点は、耐久性や信頼性の観点から、150℃以上であることが好ましい。
【0038】
次に、
図11に基づき、制御スイッチ31の接点36、37及び、制御スイッチ32の接点38、39について説明する。
図4に示したように、制御スイッチ31の接点36、37の近傍には永久磁石25Aが設けられており、同様に、制御スイッチ32の接点38、39の近傍には永久磁石25Bが設けられている。
【0039】
図11(a)に示すように、制御スイッチ31における直線矢印は、接点36、37が接続された場合に流れる電流の向きを示し、制御スイッチ32における直線矢印は、接点38、39が接続された場合に流れる電流の向きを示す。この状態では、電源50から供給される電流は、制御スイッチ31及び制御スイッチ32を流れて、サーバ等の情報機器40に供給される。ここで、制御用プラグ端子13を縮めると、制御スイッチ31の接点36、37及び、制御スイッチ32の接点38、39が離れて電流の流れがとまる。この瞬間に、接点36と接点37の間、及び接点38と接点39の間にアーク(アーク電流)が発生することがある。
【0040】
これに対し、接点36と接点37の近傍に永久磁石25Aを設けることにより、
図11(b)に示すように、永久磁石25Aにより、破線矢印に示すように磁束が発生し、フレミングの左手の法則に基づきローレンツ力が作用し、
図11(a)に示すようにアークは符号91に示すように偏向されて、吹き飛ばされる。また、接点38と接点39の近傍に永久磁石25Bを設けることにより、
図11(c)に示すように、永久磁石25Bにより、破線矢印に示すように磁束が発生し、フレミングの左手の法則に基づきローレンツ力が作用し、
図11(a)に示すようにアークは符号92に示すように偏向されて、吹き飛ばされる。これにより、速やかに電力の供給が遮断される。此により、より高い安全性を得ることができる。以上は、永久磁石25A、25Bの二つの永久磁石を用いる場合について説明したが、
図11(d)に示すように、永久磁石25A、25Bの二つの永久磁石を一つにした永久磁石25を用いても良い。
【0041】
次に、
図12に基づき、ロック端子18の機能について説明する。
図12(a)は、本実施の形態における雌コネクタ10において、制御用プラグ端子13が縮んでいる状態の内部構造の斜視図であり、
図12(b)は、雌コネクタ10において、制御用プラグ端子13が伸びている状態の内部構造の斜視図である。
【0042】
本実施の形態における雌コネクタ10は、雄コネクタ20に差し込まれた直後は、
図12(a)に示す状態にあり、この後、スライドスイッチ16を制御用プラグ端子13の差込方向にスライドさせることにより、制御用プラグ端子13が伸びるとともに、スライドスイッチ16の傾斜部17がロック端子18を押し、差込方向と垂直方向にロック端子18が突出し、
図12(b)に示す状態となる。
【0043】
雄コネクタ20には、突出したロック端子18に対応した凹部29(
図3参照)が形成されており、ロック端子18が突出している状態では、凹部29により、雌コネクタ10と雄コネクタ20との接合が外れることはない。これにより、意図しない抜き止めを行うことができ、安全性を高めることができる。
【0044】
尚、本実施の形態においては、スライドスイッチ16を用いて差込方向に制御用プラグ端子13を伸縮させるとともにロック端子18の突出させるものであるが、スライドスイッチ16に代えて、差込方向と垂直に移動可能な押ボタン等を用いて、差込方向に制御用プラグ端子13を伸縮させるとともにロック端子18の突出を行う構成であっても良い。
【0045】
以上より、本実施の形態におけるコネクタ装置は、雌コネクタ10の電力用ジャック端子11、12が、雄コネクタ20の電力用プラグ端子21、22に嵌合された状態において、制御用プラグ端子13を伸すことにより、制御用ジャック端子23に設けられた制御スイッチ31、32を介して電流が流れ、電力用プラグ端子21、22及び、雌コネクタ10の電力用ジャック端子11、12を介し、情報機器40に電力が供給されるものである。
【0046】
このように、制御用プラグ端子13が伸びた状態においてのみ、電力用プラグ端子21、22より電力が供給されるように構成されているのは、雄コネクタ20に雌コネクタ10が接続されていない状態において、電力用プラグ端子21、22に400VDCの高電圧が印加されることを防止するためである。即ち、雄コネクタ20に雌コネクタ10が接合されていない状態において、雄コネクタ20の電力用プラグ端子21、22に400VDCの高電圧が印加されていると、電力用プラグ端子21、22に人が不注意に接触した場合や、電力用プラグ端子21、22よりドライバ、金属片又は切れかけ導線等を介し人が接触した場合において、人体に危険が及ぶ場合があり、このような事態を防ぐためである。
【0047】
(電力供給システム)
次に、本実施の形態におけるコネクタ装置を用いた電力供給システムの構成を説明する。
【0048】
図13は、本実施の形態におけるコネクタ装置を用いた電力供給システムの構成を示すものである。
【0049】
この電力供給システムは、商用電源70より供給されるAC100V又はAC200Vの電力を高圧電源50に入力し、高圧電源50におけるAC/DC変換器51により、AC100V又はAC200VをDC400Vに変換する。直流電力は、バッテリー等により蓄電することが可能であるため、バックアップ用にバッテリー52を設けることにより、停電等の場合においても容易に対応することが可能である。高圧電源50には電源ケーブルを介し、本実施の形態における雄コネクタ20が接続されており、高圧電源50からの400VDCの電力は、雄コネクタ20より供給される。
【0050】
一方、本実施の形態における雌コネクタ10は、サーバ等の情報機器40と電源ケーブル15を介し接続されており、雄コネクタ20と雌コネクタ10とを電気的に接続することにより、高圧電源50からの電力が、サーバ等の情報機器40に供給される。
【0051】
また、サーバ等の情報機器40内には、400VDCをCPU42等の電子部品の動作が可能な低電圧のDC出力に変換するDC/DC変換器41が設けられている。
【0052】
このような、電力供給システムでは、商用電源70からのACからDCへの変換が一回で済むため電力損失が少ないこと、高電圧な直流である400VDCでは、導線等の太さを気にする必要があまりないこと、直流であることからバッテリー52に蓄えることが可能であり、商用電源70の供給が停電等により停止した場合においても、対応しやすいこと等の利点を有している。
【0053】
次に、
図14に基づき、本実施の形態におけるコネクタ装置を用いたPDU(パワー・ディストリビューション・ユニット)について説明する。
【0054】
図13に示される高圧電源50より供給される400VDCは、一旦、分電盤70に入力し、各々のPDU(パワー・ディストリビューション・ユニット)30に電力が分配される。各々のPDU30には、本実施の形態における雄コネクタ20が複数設けられており、各々の雄コネクタ20を介し400VDCの電力を供給することが可能である。一方、サーバラック45には、複数のサーバ等の情報機器40が収納されており、各々のサーバ等の情報機器40には、電源供給を受けるための雌コネクタ10が電源ケーブル15を介し接続されている。雌コネクタ10は、PDU30に設けられた雄コネクタ20と電気的に接続することにより、400VDCの電力が供給されるように構成されている。
【0055】
尚、上記説明においては、400VDCの場合について詳しく説明したが、本発明の実施の形態として記載されているコネクタ装置、雌コネクタ及び雄コネクタは直流(DC)であれば、用いることが可能である。特に、直流の場合はACと異なり、人体に安全な周波数というのも存在しないからである。
【0056】
また、人体における影響の観点から直流電圧としては、通常は48V以下の電圧が用いられている。これは、通常48V以下であれば、感電により人体に与える影響が殆どないためであり、このことから、48Vを超える電圧の場合、人体に与える影響は大きく、特に、200V以上の電圧は危険である。
【0057】
本発明の実施の形態におけるコネクタ装置、雌コネクタ及び雄コネクタは、安全性を高めた構成であることから、48Vを超える電圧、更には、200V以上の電圧に特に顕著な効果を発揮するものである。即ち、本実施の形態におけるコネクタ装置、雌コネクタ及び雄コネクタは、従来とは異なる構成により安全性を高めているため、48Vを超える電圧、更には、200V以上の電圧についても安全性が高められているため、特に、顕著な効果を発揮するものである。
【0058】
〔第2の実施の形態〕
第2の実施の形態は、本発明に係る雌コネクタに関するものである。具体的には、制御用プラグ端子の伸縮をねじりコイルバネの復元力により行う構成のものである。
【0059】
図15に、本実施の形態の雌コネクタの構成を示す。
図15(a)は、制御用プラグ端子113が縮んでいる状態の雌コネクタ110の斜視図であり、
図15(b)は、制御用プラグ端子113が伸びている状態の雌コネクタ110の斜視図である。
【0060】
本実施の形態における雌コネクタ110は、電力の供給を受けるための2本の電力用ジャック端子111、112、制御用プラグ端子113、アースのための接地用ジャック端子114、スライドスイッチ116、ロック端子108を有している。
【0061】
図15(a)に示す状態から、
図15(b)に示す状態に、スライドスイッチ116を制御用プラグ端子113の差込方向にスライドさせることにより、制御用プラグ端子113が伸びると共に、ロック端子108が突出する構成のものである。
【0062】
次に、
図16、
図17に基づき本実施の形態に係る雌コネクタ110において、制御用プラグ端子113を伸す場合について説明する。尚、制御用プラグ端子113を伸すことにより、不図示の雄コネクタにおける制御用プラグ端子に設けられた制御スイッチの接点が開いた状態から閉じた状態となる。
【0063】
図16(a)は、制御用プラグ端子113が縮んでいる状態における内部構造図であり、
図16(b)は、制御用プラグ端子113が縮んでいる状態における内部斜視図である。
図16(c)は、制御用プラグ端子113が縮んでいる状態から伸びた状態に移行する際の中立状態における内部構造図であり、
図16(d)は、制御用プラグ端子113が縮んでいる状態から伸びた状態に移行する際の中立状態における内部斜視図である。
図16(e)は、制御用プラグ端子113が伸びている状態における内部構造図であり、
図16(f)は、制御用プラグ端子113が伸びている状態における内部斜視図である。また、
図17は、
図16(f)の部分的拡大図である。
【0064】
図16(a)、(b)に示すように、スライドスイッチ116は、雌コネクタ110の内部においてU字部117が設けられており、制御用プラグ端子リンク118を介し、制御用プラグ端子113が伸びる構成のものである。また、雌コネクタ110の内部には、ねじりコイルバネ(トーションスプリング)119が設けられており、このねじりコイルバネ119は、一端が回転可能な状態で雌コネクタ110の筐体に対して固定されており、他端が制御用プラグ端子リンク118のカム軸121と回転可能な状態で接続されている。このカム軸121は、カム溝122内を移動可能な構成となっている。
【0065】
また、制御用プラグ端子リンク118には、スライド軸123が設けられており、スライド溝124内を移動可能な構成となっている。また、制御用プラグ端子リンク118の先端部125は、制御用プラグ端子113に設けられた緩衝溝126内に挿入しており、移動可能な状態となっている。
【0066】
制御用プラグ端子113が縮んでいる状態では、図面上、スライドスイッチ116は左側に位置しており、制御用プラグ端子リンク118も左側に位置している。カム軸121は、カム溝122内の最も左側に位置しており、U字部117の左側の内部壁面において接している。また、制御用プラグ端子リンク118のスライド軸123は、スライド溝124内の左側に位置しており、先端部125は、緩衝溝126の左端と接している。この際、ねじりコイルバネ119は自然状態よりも若干閉脚した(撓んだ)状態にある。
【0067】
この後、スライドスイッチ116を差込方向に対し差込む方向(右方向)に移動させることにより、
図16(c)、(d)に示す中立状態となる。この中立状態では、スライドスイッチ116の移動方向と、ねじりコイルバネ119の両端を結ぶ方向とが垂直となっている。
【0068】
この状態では、図面上、スライドスイッチ116はほぼ中央部に位置し、制御用プラグ端子リンク118は、U字部117の左側の内部壁面により、カム軸121が右側に押され、カム溝122内を右側に移動しほぼ中央部に移動する。この際、制御用プラグ端子リンク118の先端部125も右側に移動するが、緩衝溝126内での移動であるため、制御用プラグ端子113は、縮んだ状態のままである。この状態では、ねじりコイルバネ119は、
図16(a)、(b)に示す状態よりも更に閉脚した(撓んだ)状態となっており、ねじりコイルバネ119の復元力が強くなっている。
【0069】
この後、スライドスイッチ116を差込方向に対し差込む方向(右方向)に更に移動させることにより、ねじりコイルバネ119の復元力により
図16(e)、(f)に示す状態となる。
【0070】
即ち、ねじりコイルバネ119が開脚する復元力により、図面上、カム溝122内をカム軸121が右方向に移動し、これにより、制御用プラグ端子リンク118の先端部125を介し、緩衝溝126の右端が押され、制御用プラグ端子113が差込方向に伸びるのである。
【0071】
この状態では、図面上、スライドスイッチ116は右側に移動しており、制御用プラグ端子リンク118も右側に移動している。また、カム軸121は、カム溝122内の最も右側に移動しており、U字部117の右側の内部壁面において接している。また、制御用プラグ端子リンク118のスライド軸123は、スライド溝124内の右側に移動し、先端部125は、緩衝溝126の右端と接している。この際、ねじりコイルバネ119は、中立状態よりも開脚した状態となっている。
【0072】
このようにして、制御用プラグ端子113を差込方向に伸すことができる。これは、中立状態からのねじりコイルバネ119の復元力、即ち、ねじりコイルバネ119の開脚する力により、制御用プラグ端子113が差込方向に伸すものであるため、短時間に行われる。
【0073】
次に、
図16、
図17に基づき本実施の形態に係る雌コネクタ110において、制御用プラグ端子113を縮ませる場合について説明する。尚、制御用プラグ端子113が縮んだ状態では、不図示の雄コネクタにおける制御用プラグ端子に設けられた制御スイッチの接点が閉じた状態から開いた状態となる。
【0074】
図16(e)、(f)に示すように、制御用プラグ端子113が伸びている状態では、図面上、スライドスイッチ116は右側に位置しており、制御用プラグ端子リンク118も右側に位置している。カム軸121は、カム溝122内の最も右側に位置しており、U字部117の右側の内部壁面において接している。また、制御用プラグ端子リンク118のスライド軸123は、スライド溝124内の右側に位置しており、先端部125は、緩衝溝126の右端に接している。この際、ねじりコイルバネ119は自然状態よりも若干閉脚した(撓んだ)状態にある。
【0075】
この後、スライドスイッチ116を引抜く方向(左方向)に移動させることにより、
図16(c)、(d)に示す中立状態となる。この中立状態では、スライドスイッチ116の移動方向と、ねじりコイルバネ119の両端を結ぶ方向とが垂直となっている。
【0076】
この状態では、図面上、スライドスイッチ116はほぼ中央部に位置し、制御用プラグ端子リンク118は、U字部117の右側の内部壁面により、カム軸121が左側に押され、カム溝122内で左側に移動しほぼ中央部に移動する。この際、先端部125も左側に移動するが、緩衝溝126内での移動であるため、制御用プラグ端子113は、伸びた状態のままである。この状態では、ねじりコイルバネ119は、
図16(e)、(f)に示す状態よりも更に閉脚した(撓んだ)状態となっており、ねじりコイルバネ119の復元力が強くなっている。
【0077】
この後、スライドスイッチ116を引抜く方向(左方向)に更に移動させることにより、ねじりコイルバネ119の復元力により
図16(a)、(b)に示す状態となる。
【0078】
即ち、ねじりコイルバネ119が開脚する復元力により、図面上、カム溝122内をカム軸121が左方向に移動し、これにより、制御用プラグ端子リンク118の先端部125を介し、緩衝溝126の左端が押され、制御用プラグ端子113が差込方向に対し縮むのである。
【0079】
この状態では、図面上、スライドスイッチ116は左側に移動しており、制御用プラグ端子リンク118も左側に移動している。また、カム軸121は、カム溝122内の最も左側に移動しており、U字部117の左側の内部壁面において接している。また、制御用プラグ端子リンク118のスライド軸123は、スライド溝124内の左側に移動し、先端部125は、緩衝溝126の左端と接している。この際、ねじりコイルバネ119は、中立状態よりも開脚した状態となっている。
【0080】
このようにして、制御用プラグ端子113を差込方向に対し縮ませることができる。これは、中立状態からのねじりコイルバネ119の復元力、即ち、ねじりコイルバネ119の開脚する力により、制御用プラグ端子113が差込方向に対し縮ませるものであるため、短時間に行われる。
【0081】
ところで、このようなねじりコイルバネ119を有しない構成の場合、人の指の力のみで、制御用プラグ端子113を差込方向に伸したり縮めたりするが、人によって伸す速度や縮める速度が異なり、遅くなる場合がある。
【0082】
このような場合、制御用プラグ端子113の伸びる速度や縮める速度が遅いことに起因し、この制御用プラグ端子113により接続される不図示の雄コネクタの接点において、アークが発生したりチャタリングが発生したりする。このようなアークの発生やチャタリングの発生は、雄コネクタの接点を破損させたり、雌コネクタ110に接続されている機器を破損させたりするおそれがある。
【0083】
本実施の形態における雌コネクタ110においては、短時間に制御用プラグ端子113を伸したり、縮めたりすることができるため、このようなアークの発生やチャタリングの発生を防ぐことができ、雄コネクタの接点の破損や、雌コネクタ110に接続されている機器の破壊を防止することが可能となる。
【0084】
尚、制御用プラグ端子113の平均移動速度は、不図示の雄コネクタにおける制御スイッチの種類や構成に応じて適宜設定されるが、3mm/秒以上が好ましい。
【0085】
尚、本実施の形態では、ねじりコイルバネ119が閉脚している(撓んでいる)状態から開脚する方向に働く復元力を利用して、制御用プラグ端子113を伸縮させるものについて説明したが、カム溝122の構造等を変えることにより、ねじりコイルバネ119が開脚している(撓んでいる)状態から閉脚する復元力を利用して、同様に制御用プラグ端子113の伸縮を行うことも可能である。また、本実施の形態では、ねじりコイルバネ119を用いたが、同様の作用が得られる弾性体であれば、どのような構成のものでもよい。
【0086】
尚、本実施の形態における雌コネクタは、第1の実施の形態に記載されている雌コネクタに代えて用いることができるものであり、第1の実施の形態に記載されている雌コネクタと組み合わせることにより、コネクタ装置として使用することができるものである。
【0087】
〔第3の実施の形態〕
次に、第3の実施の形態におけるコネクタ装置、雌コネクタ及び雄コネクタについて説明する。
図18に、本実施の形態におけるコネクタ装置、雌コネクタ及び雄コネクタの構成の概要を示す。尚、
図18において、
図1から
図14と同一構成については同一符号を付して説明を省略する。
【0088】
本実施の形態におけるコネクタ装置は、雌コネクタ10と雄コネクタ220から構成されている。雄コネクタ220は電力を供給するための高圧電源50に接続されている。雄コネクタ220には、電力用ジャック端子11、12に対応している電力用プラグ端子21、22、制御用プラグ端子13に対応している制御用ジャック端子23、接地用ジャック端子14に対応している接地用プラグ端子24を有している。
【0089】
また、雄コネクタ220には、一つのコイル222と2つのリレー接点223、224からなるリレー221が設けられており、コイル222に電流を流すことにより、リレー接点223、224が閉じて各々が接続される。このリレー接点223、224は、コイル222に電流が流れていない状態では、ともに開いた状態となり接続されることはない。
【0090】
リレー接点223の一方は、高圧電源50の正の出力に接続されており、他方は、電力用プラグ端子21に接続されている。また、リレー接点224の一方は、高圧電源50の負の出力に接続されており、他方は、電力用プラグ端子22に接続されている。
【0091】
雄コネクタ220はリレー221を駆動するためのリレー電源60が接続されている。即ち、リレー221のコイル222の一方の端子とリレー電源60の一方の端子が接続されており、コイル222の他方の端子とリレー電源60の他方の端子は、それぞれ制御スイッチ227に接続されている。
【0092】
この制御スイッチ227は、雌コネクタ10と雄コネクタ220とを嵌合させた状態で、雌コネクタ10の制御用プラグ端子13を差込方向に伸すことにより、電気的に接続されるものである。
【0093】
このように、制御スイッチ227が電気的に接続されることにより、リレー221におけるコイル222にリレー電源60からの電流が流れ、リレー接点223、224がそれぞれ閉じ、雄コネクタ220における電力用プラグ端子21、22に電力が供給され、更には、雌コネクタ10における電力用ジャック端子11、12を介し、サーバ等の情報機器40に電力が供給される。
【0094】
本実施の形態におけるコネクタ装置においては、電力用プラグ端子21、22の各々に、リレー221のリレー接点223、224が接続されているが、これは48V超える電圧、更には200V以上の電圧である高電圧の直流電力の場合では、接触により人体に与える危険が極めて高いため、電力用プラグ端子21、22の双方にリレー接点223、224を接続することにより、電力用プラグ端子21、22の双方への電力の供給を制御することにより、安全性をより一層高めている。
【0095】
尚、本実施の形態では、リレー221は雄コネクタ220の本体の内部に設けた構成であるが、外部に設けた構成とすることも可能である。
【0096】
図19に、本実施の形態における雄コネクタの内部構造を示す。尚、
図19において、
図1から
図14と同一構成については同一符号を付して説明を省略する。
【0097】
本実施の形態における雄コネクタ220には、電力用プラグ端子21、22、接地用プラグ端子24が設けられている。制御用プラグ端子13に対応する制御用ジャック端子23となる部分には、絶縁体の板バネ33を介して、制御スイッチ227として板バネ状のスイッチが設けられている。この制御スイッチ227は、接点36と接点37とが接続される構成のスイッチと、接点38と接点39とが接続される構成のスイッチとの2つのスイッチにより構成されている。また、アーク防止のため、接点36、37の近傍には永久磁石25Aが、接点38、39の近傍には永久磁石25Bが設けられている。接点37と接点39とは電気的に接続されており、接点36は、
図18に示すリレー電源60に接続されており、接点38は、
図18に示すリレー221のコイル222と接続されている。
【0098】
絶縁体の板バネ33は、雌コネクタ10の制御用プラグ端子13が伸びた状態では、撓むことにより板バネ状のスイッチの接点36と接点37とが接続され、同時に板バネ状のスイッチの接点38と接点39とが接続される。これにより、接点36と接点38とは電気的に接続され、リレー電源60から電力が供給され、リレー221のコイル222に電流が流れ、リレー接点223、224が接続され、電力用プラグ端子21及び22を介し、高圧電源50から電力が供給される。
【0099】
尚、制御スイッチ227は、それ単体でスイッチとして構成されるものではなくてもよい。即ち、制御用プラグ端子13を差込方向に伸すことにより、コイル222の他方の端子とリレー電源60の他方の端子とが接続される構成のものであればよい。具体的には、コイル222の他方の端子に接続された電極と、リレー電源60の他方の端子に接続された電極を設け、導体により制御用プラグ端子13を形成し、この制御用プラグ端子13を差込方向に伸すことにより、制御用プラグ端子13が制御スイッチ227の両電極に接触し、制御用プラグ端子13を介し、コイル222の他方の端子とリレー電源60の他方の端子とが電気的に接続されるような構成であっても良い。この場合、絶縁体の板バネ33が不要となる。
【0100】
尚、本実施の形態におけるコネクタ装置は、第1の実施の形態に記載されている電力供給システムに使用することが可能である。
【0101】
〔第4の実施の形態〕
次に、第4の実施の形態におけるコネクタ装置、雌コネクタ及び雄コネクタについて説明する。
図20に、本実施の形態におけるコネクタ装置、雌コネクタ及び雄コネクタの構成の概要を示す。尚、
図20において、
図1から
図14と同一構成については同一符号を付して説明を省略する。また、雄コネクタ320の内部構造は、
図19と略同一構造であるので、図示を省略する。
【0102】
本実施の形態におけるコネクタ装置は、雌コネクタ10と雄コネクタ320から構成されている。雄コネクタ320は電力を供給するための高圧電源50に接続されている。雄コネクタ320には、電力用ジャック端子11、12に対応している電力用プラグ端子21、22、制御用プラグ端子13に対応している制御用ジャック端子23、接地用ジャック端子14に対応している接地用プラグ端子24を有している。
【0103】
また、雄コネクタ320には、2つのリレー321、322が設けられており、リレー321は、コイル323と、このコイル323に電流を流すことにより閉じて接続されるリレー接点324が設けられている。このリレー接点324は、コイル323に電流が流れていない状態では、開いた状態となり接続されることはない。また、リレー322には、コイル325と、このコイル325に電流を流すことにより閉じて接続されるリレー接点326が設けられている。このリレー接点326は、コイル325に電流が流れていない状態では、開いた状態となり接続されることはない。
【0104】
リレー接点324の一方は、高圧電源50の正の出力に接続されており、他方は、電力用プラグ端子21に接続されている。また、リレー接点326の一方は、高圧電源50の負の出力に接続されており、他方は、電力用プラグ端子22に接続されている。
【0105】
雄コネクタ320はリレー321、322を駆動するためのリレー電源60に接続されている。具体的には、リレー321におけるコイル323の一方の端子と、リレー322におけるコイル325の一方の端子とが接続されており、リレー321におけるコイル323とリレー322におけるコイル325とは直列に接続された構成となっている。また、コイル323の他方の端子とリレー電源60の一方の端子が接続されており、コイル325の他方の端子とリレー電源60の他方の端子とは、それぞれ制御スイッチ227に接続されている。
【0106】
この制御スイッチ227は、雌コネクタ10と雄コネクタ320とを嵌合させた状態において、雌コネクタ10の制御用プラグ端子13を差込方向に伸すことにより、接点が接続されるものである。
【0107】
このように、制御スイッチ227の接点が接続されることにより、リレー321、322におけるコイル323、325にリレー電源60からの電流が流れ、リレー接点324、326がそれぞれ閉じ、雄コネクタ320における電力用プラグ端子21、22に電力が供給され、更には、雌コネクタにおける電力用ジャック端子11、12を介し、サーバ等の情報機器40に電力が供給される。
【0108】
本実施の形態におけるコネクタ装置では、電力用プラグ端子21、22の各々に、リレー321、322のリレー接点324、326が接続されているが、これは48V超える電圧、更には200V以上の電圧である高電圧の直流電力の場合では、接触により人体に与える危険が高いため、電力用プラグ端子21、22の双方にリレー接点324、326を接続することにより、電力用プラグ端子21、22の双方からの電力供給を制御し、安全性をより一層高めている。
【0109】
尚、本実施の形態では、リレー321、322は雄コネクタ320の本体の内部に設けた構成であるが、外部に設けた構成とすることも可能である。
【0110】
尚、本実施の形態におけるコネクタ装置は、第1の実施の形態に記載されている電力供給システムに使用することが可能である。
【0111】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施形態に種々の変形及び変更を加えることができる。