特許第5732174号(P5732174)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ベルテク コリア インコーポレーテッドの特許一覧

特許5732174管状織物を利用した継ぎ目のないバイアス織物製造装置
<>
  • 特許5732174-管状織物を利用した継ぎ目のないバイアス織物製造装置 図000002
  • 特許5732174-管状織物を利用した継ぎ目のないバイアス織物製造装置 図000003
  • 特許5732174-管状織物を利用した継ぎ目のないバイアス織物製造装置 図000004
  • 特許5732174-管状織物を利用した継ぎ目のないバイアス織物製造装置 図000005
  • 特許5732174-管状織物を利用した継ぎ目のないバイアス織物製造装置 図000006
  • 特許5732174-管状織物を利用した継ぎ目のないバイアス織物製造装置 図000007
  • 特許5732174-管状織物を利用した継ぎ目のないバイアス織物製造装置 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5732174
(24)【登録日】2015年4月17日
(45)【発行日】2015年6月10日
(54)【発明の名称】管状織物を利用した継ぎ目のないバイアス織物製造装置
(51)【国際特許分類】
   D06H 7/12 20060101AFI20150521BHJP
【FI】
   D06H7/12
【請求項の数】13
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-529596(P2014-529596)
(86)(22)【出願日】2011年9月7日
(65)【公表番号】特表2014-529016(P2014-529016A)
(43)【公表日】2014年10月30日
(86)【国際出願番号】KR2011006602
(87)【国際公開番号】WO2013035898
(87)【国際公開日】20130314
【審査請求日】2014年3月17日
(31)【優先権主張番号】10-2011-0090503
(32)【優先日】2011年9月7日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】514057570
【氏名又は名称】ベルテク コリア インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】BELTECH KOREA.Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】ソン、ユ ソク
【審査官】 宮澤 尚之
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−240262(JP,A)
【文献】 実公昭52−013440(JP,Y1)
【文献】 米国特許第03511254(US,A)
【文献】 特開平10−168746(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06H 7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイアス織物製造装置において、経糸および緯糸の交差角が90度で製織された管状織物を案内する一対のガイドバーを有するガイド手段;前記ガイド手段によって案内される前記管状織物の進行方向に対して斜め方向に前記管状織物の放射状一側を裁断する円板状カッティングブレードを有するカット手段;および前記ガイド手段を介して連続的に前記管状織物を回転させながら案内し、前記カット手段によって裁断された前記バイアス織物を巻く巻取りローラーを有する巻取り手段、を含んでなる構成において、
案内される前記管状織物の裁断と裁断された前記バイアス織物の巻き取りが容易になるように前記管状織物間にエアを供給する送風手段をさらに具備し、前記送風手段はエアブロワー;一対の前記ガイドバーの一端の間に配置される送風ノズル;および前記エアブロワーと送風ノズルを接続するフレキシブル接続管;を具備する
ことを特徴とする管状織物を使用した継ぎ目のないバイアス織物の製造装置。
【請求項2】
請求項1において、前記ガイドバーは棒形状を有して回転可能に配置され、前記巻取り手段の前面から前記巻取り手段の前面上側に、前記巻取りローラーの回転中心軸に対して前記ガイドバーの回転中心軸が斜交をなすように延長されることを特徴とする管状織物を利用した継ぎ目のないバイアス織物製造装置。
【請求項3】
請求項1において、一対の前記ガイドバーには前記管状織物が挿入され、一対の前記ガイドバーに挿入された前記管状織物は断面が「⊂⊃」字状になるように広げられることを特徴とする管状織物を利用した継ぎ目のないバイアス織物製造装置。
【請求項4】
請求項1において、前記管状織物は前記ガイドバーと斜交をなす前記巻取りローラーに前記カット手段によって裁断された前記バイアス織物が前記巻取りローラーの回転方向に沿って巻き取られ、前記管状織物は前記巻取りローラーに対して斜めに案内されることによって一側に回転することを特徴とする管状織物を利用した継ぎ目のないバイアス織物製造装置。
【請求項5】
請求項1において、前記ガイド手段は前記管状織物の進行方向に対して前記カット手段が所定のバイアス角度だけ斜め方向となるように前記ガイドバーを回転させる第1角度調整部をさらに具備し、
前記第1角度調整部は;それぞれの前記ガイドバー一端に配置される平板状の第1固定板;および前記固定板に回転可能に配置される平板状の第1回転板;を具備し、前記第1回転板の上部面上には前記ガイドバーを回転可能に支持する軸受が装着されることを特徴とする管状織物を利用した継ぎ目のないバイアス織物製造装置。
【請求項6】
請求項5において、前記第1回転板の下部面中央には回転突起が突出して形成され、前記第1固定板には前記回転突起が回転可能に挿入される回転孔が貫通するように形成されることを特徴とする管状織物を利用した継ぎ目のないバイアス織物製造装置。
【請求項7】
請求項6において、前記第1回転板の回転角度を制御するために、前記第1回転板および前記第1固定板には、第1角度調整長孔および第1固定孔が形成され、前記第1角度調整長孔は前記回転突起に干渉されないように、前記回転突起を中心とする弧形状に湾曲した曲率で提供され、前記第1固定孔は前記回転孔に干渉されないように、前記第1角度調整長孔と向き合うように貫通して形成され、前記第1角度調整長孔および前記第1固定孔には、前記第1回転板を前記第1固定板に固定させるための第1固定ボルトが前記第1角度調整長孔を経て前記第1固定孔に締結され、前記第1回転板を前記第1固定板側に加圧固定することを特徴とする管状織物を利用した継ぎ目のないバイアス織物製造装置。
【請求項8】
請求項5において、前記ガイド手段は前記第1角度調整部と共に、ガイドバー間の幅の長さを調整する幅調整部をさらに具備し、前記幅調整部は;それぞれの前記第1固定板の下部に配置され、前記巻取りローラーの回転中心軸の長さ方向に沿って延長されるスクリュー軸を具備し、それぞれの前記第1固定板下部には、前記スクリュー軸が貫通締結されるスライドブロックが装着され、それぞれの前記スクリュー軸には動作ハンドルが装着されることを特徴とする管状織物を利用した継ぎ目のないバイアス織物製造装置。
【請求項9】
請求項1において、前記円板状カッティングブレードは案内される前記管状織物の経糸方向に対して斜めに配置されるように、前記円板状カッティングブレードの回転中心軸は前記巻取りローラーの回転水平をなすように配置されることを特徴とする管状織物を利用した継ぎ目のないバイアス織物製造装置。
【請求項10】
請求項9において、前記円板状カッティングブレードは、下部側に前記円板状カッティングブレードの一部分が露出するハウジングによって覆われ、前記ハウジングの一側には、円板状カッティングブレードに接続して前記円板状カッティングブレードを回転させるカッティングブレード駆動モーターが装着されることを特徴とする管状織物を利用した継ぎ目のないバイアス織物製造装置。
【請求項11】
請求項10において、前記カット手段は前記円板状カッティングブレードの裁断位置を調整する裁断位置調整部をさらに具備し、前記裁断位置調整部は、前記ハウジングの上部に離隔して配置され、前記円板状カッティングブレードの回転中心軸方向に沿って水平に延長される一対の裁断位置調整ガイドレールと、前記裁断位置調整ガイドレールにスライド可能に挿入される裁断位置調整ガイドブロック;を具備し、前記裁断位置調整ガイドブロックは、前記ハウジングの上部に一体に形成され、前記裁断位置調整ガイドブロックの上部にはそれぞれの前記裁断位置調整ガイドブロックを上部締結して前記裁断位置調整ガイドレールを加圧固定するストップボルトが締結されることを特徴とする管状織物を利用した継ぎ目のないバイアス織物製造装置。
【請求項12】
請求項において、前記送風手段は前記管状織物の進行方向に対して前記送風ノズルが所定の角度となるように前記送風ノズルを回転させる第2角度調整部をさらに具備し、前記第2角度調整部は、一対のガイドバー間に配置される第2固定板;および上部に前記送風ノズルが装着され、前記第2固定板に回転可能に装着される第2回転板を具備することを特徴とする管状織物を使用した継ぎ目のないバイアス織物製造装置。
【請求項13】
請求項12において、前記第2回転板の回転角度を制御するために、前記第2回転板および前記第2固定板には、第2角度調整長孔および第2固定孔が形成され、前記第2角度調整長孔は、弧形状に湾曲した曲率で提供され、前記第2固定孔は、前記第2角度調整長孔と向き合うように貫通して形成され、前記第2角度調整長孔および前記第2固定孔には、前記第2回転板を前記第2固定板に固定させるための第2固定ボルトが前記第2角度調整長孔を経て前記第2固定孔に締結され、前記第2回転板を前記第2固定板側に加圧固定することを特徴とする管状織物を利用した継ぎ目のないバイアス織物製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイアス織物製造装置に関するものであり、より詳細には管状(tubular)に製織された織物を裁断してバイアス織物を製造できるようにする管状織物を利用した継ぎ目のないバイアス織物製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図1は一般的な織物を示した図面であり、また図2はバイアス織物を示した図面である。 一般的な織物(C;図1参照)は、経糸(Wp)と緯糸(Wt)の反復的な交差によって平面形状をなすもので、単純に織物(C)とは、経糸(Wp)と緯糸(Wt)が90度の交差角(θ1)、すなわち90度の垂直の角度で交差した平織りの織物を意味する。
【0003】
一方、バイアス(bias)織物(V;図2参照)は、経糸(Wp)に対して緯糸(Wt)の交差角度(θ2;以下「バイアス角度」とする)が90度以外の斜めの角度を有するもので、通常の平織りの織物(C)に比べて張力と耐久性に優れた特徴を有する。このようなバイアス織物(V)は、主に衣類のカラー、バンド、工業用ベルト(自動車のタイミングベルト)およびタイヤなどの多様な分野で利用されている。
【0004】
従来のバイアス織物を製造する方法は、簡単に説明すると次の通りである。一番目、平織りの織物を製織した後、製織された平織りの織物の両端を互いに反対方向に引っ張って、交差角度が斜めに変更されるようにしてバイアス織物を製造する方法と、二番目、平織りの織物を製織した後、平織りの織物を斜めに切断してバイアス織物を製造する方法があり、最後に、織機自体で緯糸を経糸に対して直角ではなく斜めに製織するようにしてバイアス織物を製造する方法があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】日本公開特許昭63−039788
【特許文献2】日本公開特許平01−061567
【特許文献3】日本公開実用新案昭62−148599
【特許文献4】日本公開特許平10−168746
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、前述した一番目の方法は、製織機を利用して平織りの織物を製織した後に、追加的な角度付与加工を経て製造されるため、生産性が非常に低下し、バイアス織物の製造に伴うコストが上昇する問題点があった。
【0007】
また、二番目の方法は、バイアス織物の長さが制限的で、必要な長さを得るために切断されたバイアス織物を互いに接続して使用するので、接続部位が発生し、接続部位が頻繁に切れる問題点があった。
【0008】
また、一番目および二番目の方法は、平織りされた織物に物理的な力を加えてバイアスにするため、引張強度などの物理的な特性が低下し、固有の高張力および高耐久性を十分に発揮できなくなることによって品質が低下するまた別の問題点があった。
【0009】
最後の三番目の方法は、一番目の方法と二番目の方法の問題点を解決することができる利点があるが、バイアス織物を得るために織機を新たに製作しなければならないため、織機製作に伴うコストが発生する問題点がある。
【0010】
したがって、低コスト、高生産性を提供すると同時に、接続部位のないバイアス織物を得ることができる装置の開発が急がれていた。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、以上のような従来の問題点を解決するために案出されたもので、本発明の目的は、バイアス角度で管状織物を案内するガイド手段と、ガイド手段によって案内される管状織物の進行方向に対して斜め方向に裁断するカット手段、およびガイド手段を介して連続的に管状織物を回転させながら供給するとともにカット手段によって裁断されたバイアス織物を巻く巻取り手段、を含んでなることにより、接続部位がなく、低コスト、高生産性を提供することができ、多様なバイアス角度を有するバイアス織物を製造できるようにする管状織物を利用した継ぎ目のないバイアス織物製造装置を提供することにある。
【0012】
以上のような本発明の目的を達成するために本発明は、バイアス織物製造装置において、経糸および緯糸の交差角が90度で製織された管状織物を案内する一対のガイドバーを有するガイド手段;ガイド手段によって案内される管状織物の進行方向に対して斜め方向に管状織物の放射状一側を裁断する円板状カッティングブレードを有するカット手段;およびガイド手段を介して連続的に管状織物を回転させながら案内し、カット手段によって裁断されたバイアス織物を巻く巻取りローラーを有する巻取り手段;を含んでなる管状織物を利用した継ぎ目のないバイアス織物製造装置を提供する。
【発明の効果】
【0013】
上記で説明したように、本発明に係る管状織物を利用した継ぎ目のないバイアス織物製造装置は、バイアス角度で管状織物を案内するガイド手段と、ガイド手段によって案内される管状織物の進行方向に対して斜め方向に管状織物の放射状一側を裁断するカット手段、およびガイド手段を介して連続的に管状織物を回転させながら供給し、カット手段によって裁断されたバイアス織物を巻く巻取り手段を具備することにより、低コストで高生産性を得ることができるだけでなく、接続部位のないバイアス織物を連続して生産することができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】一般的な織物を示した図面。
図2】バイアス織物を示した図面。
図3】本発明に係る管状織物を利用した継ぎ目のないバイアス織物製造装置を示す斜視図。
図4図3に図示されたバイアス織物製造装置を概略的に示した平面図。
図5図4に図示された角度調整部と幅調整部を示した斜視図。
図6図4に図示された角度調整部を分解して示した斜視図。
図7】本発明に係るバイアス織物製造装置を利用してバイアス織物が製造される原理を簡潔に示した図面。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付した図面を参照して、本発明の好ましい実施例に係る管状織物を利用したバイアス織物製造装置について説明する。
図3は、本発明に係る管状織物を利用した継ぎ目のないバイアス織物製造装置を示す斜視図である。
図3を参照すると、本発明に係るバイアス織物製造装置(100)は、バイアス角度(θ2;図2参照)で管状織物(C;図7参照)を案内するガイド手段(120)と、ガイド手段(120)によって案内される管状織物(C)の進行方向に対して斜め方向に管状織物(C)の放射状一側を裁断するカット手段(160)、およびガイド手段(120)を介して連続的に管状織物(C)を回転させながら案内し、カット手段(160)によって裁断されたバイアス織物(V)を巻く巻取り手段(110)、を含んでなる。
【0016】
まず、巻取り手段(110)は、水平に配置される巻取りローラー(112)を具備する。巻取りローラー(112)は図示したように、フレーム(F)上に回転可能に配置され、巻取りローラー駆動モータ(114)によって駆動される。好ましくは、巻取りローラー(114)の前面には上下に配置されたガイドローラ(116)を提供することができる。
【0017】
この巻取りローラー(114)には、カット手段(160)によって裁断されたバイアス織物(V)が巻き取られる。また、巻取りローラー(114)は、管状織物(C)を連続してガイド手段(120)側に供給する。このように巻取りローラー(112)を有する巻取り手段(110)の前面側にはガイド手段(120)およびカット手段(160)が配置される。
【0018】
図4図3に図示されたバイアス織物製造装置を概略的に示した平面図である。
図3および図4を参照すると、ガイド手段(120)は一対のガイドバー(122)を具備する。ガイドバー(122)は棒形状を有し、ガイドバー(122)の回転中心軸を基準に自由に回転可能に配置され、巻取り手段(110)の前面から巻取り手段(110)の前面外側に水平に延長される。また、ガイドバー(122)は平面で見た時、巻取りローラー(112)に対して一側に所定の角度だけ斜めに配置される。すなわち、平面で見た時、巻取りローラー(112)の回転中心軸と、ガイドバー(122)の回転中心軸は斜交をなす。
【0019】
このように形成された一対のガイドバー(122)には管状織物(C)が挿入され、一対のガイドバー(122)に挿入された管状織物(C)は、ガイドバー(122)によってその断面が大略「⊂⊃」字状になるように広げられる。また、ガイドバー(122)によって案内される管状織物(C)は一側に回転しながら案内されるが、これはガイドバー(122)と斜交をなす巻取りローラー(112)にカット手段(160)によって裁断されたバイアス織物(V)が巻取りローラー(112)の回転方向に沿って巻き取られ、管状織物(C)は巻取りローラー(112)に対して斜めに案内されるため、管状織物(C)はガイドバー(122)に沿って案内されながら一側に回転する。
【0020】
一方、ガイド手段(120)は、ガイドバー(122)を回転させる第1角度調整部(124)と、ガイドバー(122)間の幅の長さを調整する幅調整部(142)をさらに具備する。ここで第1角度調整部(124)は、必要なバイアス角度(θ2)を得るためにガイドバー(122)を回転させるものであり、幅調整部(142)は、多様な内径を有する管状織物(C)を容易に広げた状態で案内するためにガイドバー(122)間の幅の長さを調整するもので、第1角度調整部(124)および幅調整部(142)は、巻取り手段(110)に隣接して配置されたガイドバー(122)の一端に配置される。
【0021】
図5図4に図示された第1角度調整部と幅調整部を示した斜視図であり、また図6図4に図示された第1角度調整部を分解して示した斜視図である。
【0022】
図示したように、第1角度調整部(124)は、それぞれのガイドバー(122)一端に配置される平板状の第1固定板(126)と、平板状の第1回転板(128)を具備する。この時、第1回転板(128)の上部面上にはガイドバー(122)の一端が回転可能に支持されるが、第1回転板(128)の上部面上にはガイドバー(122)を回転可能に支持する軸受(130)が装着される。
【0023】
一方、第1回転板(128)は第1固定板(126)に回転可能に装着される。このため、第1回転板(128)の下部面中央には、回転突起(132)が突出して形成され、第1固定板(126)には回転突起(132)が回転可能に挿入される回転孔(134)が貫通するように形成される。また、第1回転板(128)の回転角度を制御するために、第1回転板(128)および第1固定板(126)には、第1角度調整長孔(136)および第1固定孔(138)が形成される。第1角度調整長孔(136)は回転突起(132)に干渉されないように、回転突起(132)を中心とする弧形状に湾曲した曲率で提供され、第1固定孔(138)は回転孔(134)に干渉されないように、第1角度調整長孔(136)と向き合うように貫通して形成される。このように形成された第1角度調整長孔(136)および第1固定孔(138)には、第1回転板(128)を第1固定板(126)に固定させるための第1固定ボルト(140)が締結される。すなわち、第1固定ボルト(140)を緩めて第1回転板(128)の角度を調整した後、再び第1固定ボルト(140)を締結するが、第1固定ボルト(140)は第1角度調整長孔(136)を経て第1固定孔(126)に締結され、第1回転板(128)を第1固定板(126)側に加圧固定する。この時、第1固定孔(126)の内周面上には、第1固定ボルト(140)に形成された雄ねじに噛み合う雌ねじが形成される。
【0024】
本明細書上では、第1回転板(128)の固定のための第1固定ボルト(140)を説明したが、第1回転板(128)固定を第1固定ボルト(140)に限定するのではないことは誰もが知っていることである。
【0025】
一方、幅調整部(142)はそれぞれの第1固定板(126)の下部に配置され、巻取りローラー(112)の回転中心軸の長さ方向に沿って延長されるスクリュー軸(144)を具備する。このそれぞれのスクリュー軸(144)は、巻取りローラー(112)と同様にフレーム(F)上に回転可能に配置される。また、それぞれの第1固定板(126)下部には、スクリュー軸(144)が貫通締結されるスライドブロック(146)が装着されるが、誰もが知っているように、スライドブロック(146)にはスクリュー軸(144)の回転によってスクリュー軸(144)の長さ方向に沿って案内されるようにスクリュー軸(144)に形成された雄ねじと噛み合う雌ねじが形成される。また、それぞれのスクリュー軸(144)には、スクリュー軸(144)を回転させる動作ハンドル(148)が装着される。
【0026】
一方、スクリュー軸(144)の前面および背面上には、両端がフレーム(F)上に固定される幅調整ガイドレール(150)が配置される。幅調整ガイドレール(150)は、いずれか一つのスクリュー軸(144)の一端から別のスクリュー軸(144)の他端までスクリュー軸(144)の長さ方向に沿って延長され、それぞれの第1固定板(126)の下部には、スライドブロック(146)に干渉されずに幅調整ガイドレール(150)にスライド可能に挿入される幅調整ガイドブロック(152)が装着される。
【0027】
再び図3を参照すると、カット手段(160)は、ガイドバー(122)の一端に隣接した上部に配置され、ガイドバー(122)に沿って案内される管状織物(C)の放射状一側を裁断する円板状カッティングブレード(162)を具備する。円板状カッティングブレード(162)は、供給される管状織物(C)の経糸(Wp;図7参照)方向に対して斜めに配置されるが、好ましくは、円板状カッティングブレード(162)の回転中心軸は巻取りローラー(112)の回転中心軸と水平になるように配置する。このように円板状カッティングブレード(162)が管状織物(C)の経糸(Wp)方向に対して斜めに管状織物(C)を裁断すると、バイアス織物(V)が製造され、製造されたバイアス織物(V)は巻取りローラー(112)に巻き取られる。
【0028】
一方、円板状カッティングブレード(162)は、下部側に円板状カッティングブレード(162)の一部分が露出するハウジング(164)によって覆われ、ハウジング(164)の一側には、円板状カッティングブレード(162)に接続して円板状カッティングブレード(162)を回転させるカッティングブレード駆動モーター(166)が装着される。
【0029】
また、カット手段(160)は、円板状カッティングブレード(162)の裁断位置を調整する裁断位置調整部(168)をさらに具備する。裁断位値調整部(168)は、ハウジング(164)の上部に離隔して配置され、円板状カッティングブレード(162)の回転中心軸方向に沿って水平に延長されて両端がフレーム(F)上に固定される一対の裁断位置調整ガイドレール(170)と、裁断位置調整ガイドレール(170)にスライド可能に挿入される裁断位置調整ガイドブロック(172)を具備する。裁断位置調整ガイドブロック(172)は、ハウジング(164)の上部に一体に形成され、裁断位置調整ガイドブロック(172)の上部には、それぞれの裁断位置調整ガイドブロック(172)を上部締結して裁断位置調整ガイドレール(170)を加圧固定するストップボルト(174)が締結される。
【0030】
一方、本発明に係るバイアス織物製造装置(100)は、供給される管状織物(C)の裁断と裁断されたバイアス織物(V)の巻き取りが容易になるように管状織物(C)間にエア(air)を供給する送風手段(180)をさらに具備する。
【0031】
図1および図5を参照すると、送風手段(180)はエアブロワー(182)と、一対のガイドバー(122)の一端の間に配置される送風ノズル(184)と、エアブロワー(182)と送風ノズル(184)を接続するフレキシブル接続管(186)を具備する。また、送風手段(180)は、送風ノズル(184)を回転させる第2角度調整部(187)をさらに具備する。
【0032】
第2角度調整部(187)は、一対のガイドバー(122)間でスクリュー軸(144)および幅調整ガイドレール(150)に干渉しないように配置されるフレーム(F)に固定装着される第2固定板(188)と、上部に送風ノズル(184)が装着され、第2固定板(188)に回転可能に装着される第2回転板(190)を具備する。また、第2回転板(190)回転角度を制御するために、第2回転板(190)および第2固定板(188)には、第2角度調整長孔(192)および第2固定孔(194)が形成される。第2角度調整長孔(192)は、弧形状に湾曲した曲率で提供され、第2固定孔(194)は、第2角度調整長孔(192)と向き合うように貫通して形成される。このように形成された第2角度調整長孔(192)および第2固定孔(194)には、第2回転板(190)を第2固定板(188)に固定させるための第2固定ボルト(196)が締結される。すなわち、第2固定ボルト(196)を緩めて第2回転板(190)の角度を調整した後、再び第2固定ボルト(196)を締結するが、第2固定ボルト(196)は第2角度調整長孔(192)を経て第2固定孔(194)に締結され、第2回転板(190)を第2固定板(188)側に加圧固定する。この時、第2固定孔(194)の内周面上には、第2固定ボルト(196)に形成された雄ねじに噛み合う雌ねじが形成される。
【0033】
このように配置される送風ノズル(184)は、一対のガイドバー(122)の一端の間に配置され、ガイドバー(122)に沿って案内される管状織物(C)の内側にエア(air)を供給する。
【0034】
下記では、前述したように形成された管状織物を利用した継ぎ目のないバイアス織物製造装置(100)の使用状態を簡潔に説明する。
【0035】
本発明に係るバイアス織物製造装置(100)を利用してバイアス織物(V)を製造するためには、まず、図1のように経糸(Wp)および緯糸(Wt)の交差角(θ1)が90度をなすように製織された管状織物(C)を一対のガイドバー(122)に挿入し、管状織物(C)の開始端部を巻取りローラー(112)にかけた後、第1角度調整部(124)を操作して管状織物(C)が挿入された一対のガイドバー(122)を必要なバイアス角度(θ2)が得られるように回転させる。ここでのバイアス角度(θ2)は、円板状カッティングブレード(162)によって裁断された切断面と経糸(Wp)と緯糸(Wt)がなす角度をいう。
【0036】
前述のような管状織物(C)が挿入されると、巻取りローラー(112)を作動させてバイアス織物(V)を製造することになるが、巻取りローラー(112)が回転すると、管状織物(C)はガイドバー(122)に沿って円板状カッティングブレード(162)側に案内されて回転し、円板状カッティングブレード(162)は回転しながら案内される管状織物(C)の放射状一側を裁断してバイアス織物(V)を製造し、製造されたバイアス織物(V)は巻取りローラー(112)に巻き取られる。
【0037】
すなわち、図7に示すように、回転しながら供給される管状織物(C)の進行方向に対して斜め方向に円板状カッティングブレード(162)が管状織物(C)の放射状一側を裁断するため、接続部位のないバイアス織物(V)を連続的に生産できるようになる。
【0038】
以上、本発明の好ましい実施例を参照して説明したが、当該技術分野の熟練した当業者は、特許請求範囲に記載された本発明の思想および領域を逸脱しない範囲内で、本発明を多様に修正および変更することができると理解できるものである。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7