(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各回路素子の平面寸法の関係、配置、大きさ等は現実のものとは異なることに留意すべきである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0012】
又、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の実施の形態は、各回路素子の配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の実施の形態は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0013】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係るチャージポンプ回路14/ヒステリシスDCDCコンバータ10用の同期動作回路1の模式的ブロック構成は、
図1(a)に示すように、ヒステリシスDCDCコンバータ10と、ヒステリシスDCDCコンバータ10に接続され、分周信号を出力する分周器18と、分周器18に接続され、分周信号を受信して、ヒステリシスDCDCコンバータ10に同期して、チャージポンプ出力端子Pvcpよりチャージポンプ電圧Vcpを出力するチャージポンプ回路14とを備える。
【0014】
図1(a)に対応する同期動作回路1の模式的回路構成例は、
図2に示すように表される。
【0015】
すなわち、ヒステリシスDCDCコンバータ10は、入力端子Piに接続され、互いに直列接続された第1抵抗R1および第2抵抗R2と、第1抵抗R1および第2抵抗R2によって分圧された入力電圧を一方の入力端子に入力し、他方の入力端子REFに参照電圧(V
REF)を入力するコンパレータ20と、コンパレータ20の出力に接続されたドライバ22と、ドライバ22に接続されたpチャネルMOSトランジスタQpおよびnチャネルMOSトランジスタQnとを備える。
【0016】
ここで、ドライバ22は、pチャネルMOSトランジスタQpとnチャネルMOSトランジスタQnのCMOSスイッチング動作時の貫通電流を防止するとともに、pチャネルMOSトランジスタQpとnチャネルMOSトランジスタQnをCMOS駆動する駆動回路である。
【0017】
また、ヒステリシスDCDCコンバータ10の入力端子PiとpチャネルMOSトランジスタQpのドレイン端子Pdとの間には、ヒステリシスDCDCコンバータ10の発振動作を制御するフィードバック回路8が接続されている。
【0018】
ここで、フィードバック回路8は、
図2に示すように、pチャネルMOSトランジスタQpのドレイン端子Pdと電源電圧端子PDD間に直列接続されたインダクタLおよびキャパシタCと、インダクタLとキャパシタCの接続点と入力端子Pi間を接続するフィードバックループとを備える。また、
図2に示すように、分周器18は、コンパレータ20の出力に接続されている。
【0019】
第1の実施の形態に係る同期動作回路1においては、分周器18によって、ヒステリシスDCDCコンバータ10と、チャージポンプ回路14の同期をとることで、ノイズを低減させている。
【0020】
また、DCDCコンバータ10に接続されるフィードバック回路8の動作周波数f1に対して、分周器18によって、チャージポンプ回路14の動作周波数f2を低減させて動作させても良い。
【0021】
また、第1の実施の形態に係る同期動作回路1において、ヒステリシスDCDCコンバータ10に接続されたソフトスタート回路16をさらに備えていても良い。ソフトスタート回路16によって、ヒステリシスDCDCコンバータ10の立上がり時のノイズレベルを抑制することができる。
【0022】
一方、比較例に係るチャージポンプ回路14/ヒステリシスDCDCコンバータ10用の動作回路1aの模式的ブロック構成は、
図1(b)に示すように、ヒステリシスDCDCコンバータ10と、発振器12と、発振器12に接続され、チャージポンプ出力端子Pvcpよりチャージポンプ電圧Vcpを出力するチャージポンプ回路14とを備える。
【0023】
図1(b)の比較例では、ヒステリシスDCDCコンバータ10と発振器12が独立しているため、チャージポンプ電圧Vcpを出力するチャージポンプ回路14は、ヒステリシスDCDCコンバータに同期していない。このため、ヒステリシスDCDCコンバータ10とチャージポンプ回路14は、互いに非同期の周波数で動作し、比較例に係る動作回路1aでは、2個のパルスノイズ源を有する。2個のパルスノイズ源がある場合、それぞれの周波数帯域に合わせて、2個のパルスノイズに周波数同期を掛けて、ACノイズレベルを低下させる必要があり、ノイズ低減のための対策回路は、複雑化する。
【0024】
第1の実施の形態によれば、ヒステリシスDCDCコンバータ10とチャージポンプ回路14を互いに同期させ、パルス源を共通化するため、ノイズ低減のための回路構成が簡単化され、低ノイズ化された同期動作回路を提供することができる。
【0025】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態に係るチャージポンプ回路14/ヒステリシスDCDCコンバータ10用の同期動作回路1の模式的ブロック構成は、
図3に示すように、チャージポンプ回路14のチャージポンプ出力端子Pvcpに接続され、チャージポンプ電圧Vcpを検出する検出器26と、検出器26および分周器18とチャージポンプ回路14との間に接続され、検出器26および分周器18の出力を受信して、ヒステリシスDCDCコンバータ10の動作モードを切り替えるスイッチ回路24とを備える。ここで、チャージポンプ回路14は、スイッチ回路24を介して分周器18の出力を受信する。その他の構成は、第1の実施の形態と同様であるため、重複説明は省略する。
【0026】
第1の実施の形態に係る同期動作回路1においては、軽負荷動作モードでは、ヒステリシスDCDCコンバータ10の動作が停止した場合、チャージポンプ回路14の動作も停止してしまう。これに対して、第2の実施の形態に係る同期動作回路1においては、チャージポンプ出力端子Pvcpにおいて、チャージポンプ電圧Vcpを検出器26によってモニターし、軽負荷動作モードでは、スイッチ回路24を動作させて、ヒステリシスDCDCコンバータ10の発振動作を停止させ、チャージポンプ回路14のみの動作を実行させることができる。
【0027】
また、第1の実施の形態に係る同期動作回路1においては、ヒステリシスDCDCコンバータ10の発振がPWM/PFM動作で行われている場合、軽負荷動作モードでは、スイッチ回路24を動作させて、ヒステリシスDCDCコンバータ10の動作をPFMモードに切り替えて、ヒステリシスDCDCコンバータ10のPFM動作とチャージポンプ回路14の動作を併用させることもできる。
【0028】
また、第2の実施の形態に係る同期動作回路1においても、
図3に示すように、ヒステリシスDCDCコンバータ10に接続されたソフトスタート回路16をさらに備えていても良い。ソフトスタート回路16によって、ヒステリシスDCDCコンバータ10の立上がり時のノイズレベルを抑制することができる。
【0029】
第2の実施の形態によれば、ヒステリシスDCDCコンバータ10とチャージポンプ回路14を互いに同期させ、パルス源を共通化するため、ノイズ低減のための回路構成が簡単化され、低ノイズ化された同期動作回路を提供することができる。
【0030】
また、第2の実施の形態によれば、ヒステリシスDCDCコンバータ10の軽負荷動作モードでは、チャージポンプ電圧Vcpを検出器26によってモニターし、スイッチ回路24を動作させて、ヒステリシスDCDCコンバータ10の動作を停止させ、チャージポンプ回路14のみの動作を実行させる同期動作回路を提供することができる。
【0031】
また、第2の実施の形態によれば、ヒステリシスDCDCコンバータ10の発振がPWM/PFM動作で行われている場合、軽負荷動作モードでは、スイッチ回路24を動作させて、ヒステリシスDCDCコンバータ10の動作をPFMモードに切り替えて、ヒステリシスDCDCコンバータ10のPFM動作とチャージポンプ回路14の動作を併用させる同期動作回路を提供することもできる。
【0032】
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態に係るチャージポンプ回路14/ドライバ回路30用の同期動作回路2の模式的ブロック構成は、
図4に示すように、発振器12と、発振器12に接続され、チャージポンプ出力端子Pvcpにチャージポンプ電圧Vcpを出力するチャージポンプ回路14と、発振器12に接続され、分周信号を出力する分周器18と、分周器18に接続され、三角波を発生する三角波発生器28と、分周器18および三角波発生器28に接続され、分周信号および三角波を受信して、発振器12に同期して、ドライバ出力端子Pvcmに、PWMモータ駆動電圧Vcmを出力するドライバ回路30とを備える。
【0033】
また、第3の実施の形態に係る同期動作回路2においても、
図4に示すように、発振器12に接続されたソフトスタート回路16をさらに備えていても良い。ソフトスタート回路16によって、発振器12の立上がり時のノイズレベルを抑制することができる。
【0034】
なお、第3の実施の形態に係る同期動作回路2において、発振器12に、ホッピング機能を持たせることも可能である。すなわち、発振器12に、後述する
図8(a)に示すような周波数ホッピング機能を持たせた発振器42を適用しても良い。
【0035】
第3の実施の形態によれば、チャージポンプ回路14とPWMモータ駆動電圧Vcmを出力するドライバ回路30を互いに同期させ、パルス源を共通化するため、ノイズ低減のための回路構成が簡単化され、低ノイズ化された同期動作回路を提供することができる。
【0036】
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態に係るヒステリシスDCDCコンバータ10/ドライバ回路30用の同期動作回路3の模式的ブロック構成は、
図5に示すように、ヒステリシスDCDCコンバータ10と、ヒステリシスDCDCコンバータ10に接続され、分周信号を出力する分周器18と、分周器18に接続され、三角波を発生する三角波発生器28と、分周器18および三角波発生器28に接続され、分周信号および三角波を受信して、ヒステリシスDCDCコンバータ10に同期して、ドライバ出力端子Pvcmに、PWMモータ駆動電圧Vcmを出力するドライバ回路30とを備える。
【0037】
また、第4の実施の形態に係る同期動作回路3においても、
図5に示すように、ヒステリシスDCDCコンバータ10に接続されたソフトスタート回路16をさらに備えていても良い。ソフトスタート回路16によって、ヒステリシスDCDCコンバータ10の立上がり時のノイズレベルを抑制することができる。
【0038】
また、第4の実施の形態に係る同期動作回路3は、ヒステリシスDCDCコンバータ10に接続されたホッピング機能部32をさらに備えていても良い。
【0039】
第4の実施の形態に係る同期動作回路3に適用するホッピング機能部32は、
図6(b)に示すように、例えば、中心周波数f
0に対して、周波数変位Δfだけ周波数シフトした周波数f−Δfおよびf+Δfの範囲で、出力V1(dB)がフラットな周波数特性特性を有する。これに対して、
図6(a)では、中心周波数f
0に対して、ピーク出力V
0(dB)を有する周波数特性特性が示されている。これは、ホッピング機能を有していない周波数特性例を示す。このように、周波数ホッピング機能を備えることによって、ピーク出力レベルを低減し、かつ広帯域でフラットな出力特性を得ることができることから、ヒステリシスDCDCコンバータ10のノイズレベルを低減化することができる。
【0040】
第4の実施の形態に係る同期動作回路3に適用するホッピング機能部32の構成は、例えば、
図7(a)に示すように、コンパレータ20の出力と他方の入力端子REFとの間に接続されたアクティブフィードバック回路部(ACFB)38と、コンパレータ20の出力に接続されたセレクタ36と、セレクタ36によって選択され、アクティブフィードバック回路部38に接続される複数の選択抵抗R
S1、R
S2、R
S3…とを備える。他方の入力端子REFには、接地電位との間にキャパシタC
0が接続されている。
【0041】
アクティブフィードバック回路部38により、コンパレータ20の他方の入力端子REFに、複数の周波数成分を有するホッピング信号を供給することができる。すなわち、アクティブフィードバック回路部38に接続される複数の選択抵抗R
S1、R
S2、R
S3…によって、
図7(b)に示すホッピング信号の周波数を可変にすることができる。
【0042】
第4の実施の形態に係る同期動作回路3に適用するホッピング機能部32の別の構成例は、
図8(a)に示すように、例えば、周波数f
0、f
0−Δfおよびf
0+Δfのように、周波数の異なる信号を出力する論理回路40と、周波数の異なる信号を受信し、論理回路40にフィードバック信号Sfbを供給すると共に、ヒステリシスDCDCコンバータ10に複数の周波数成分を有するホッピング信号を供給する発振器42とを備える。
図8(b)は、このような複数の周波数成分を有するホッピング信号の例である。
図8(b)の例では、周波数f
0−Δfの成分を有するパルス数A、周波数f
0の成分を有するパルス数B、周波数f
0+Δfの成分を有するパルス数C、周波数f
0の成分を有するパルス数D、周波数f
0−Δfの成分を有するパルス数Eが示されている。パルス数A〜Eは、パルス発生数(N)を表し、例えば、それぞれ10個である。
【0043】
第4の実施の形態によれば、ヒステリシスDCDCコンバータ10とPWMモータ駆動電圧Vcmを出力するドライバ回路30を互いに同期させ、パルス源を共通化するため、ノイズ低減のための回路構成が簡単化され、低ノイズ化されたヒステリシスDCDCコンバータ同期動作回路を提供することができる。
【0044】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、パルス源を共通化し、回路構成が簡単化された同期動作回路を提供することができる。
【0045】
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明は第1〜第4の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
【0046】
上述のホッピング機能部32は、第4の実施の形態に限定されるものではなく、第1〜第2の実施の形態においても適用することができる。すなわち、
図1〜
図3のヒステリシスDCDCコンバータ10においても同様に適用することができる。
【0047】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。