(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
図3a〜
図3gに示す実施形態を参照すると、キャップ2は、キャップ/ノズルアセンブリ1の一部を構成している。キャップ2は、ノズル3にかぶせる形(オーバーフィッティング)で取り付けるためのものである。キャップ2は、縦軸20の細長いキャップボディ4を有している。キャップ2は、第1の閉端部21と、この閉端21と一体に形成されその閉端21から垂れ下がる少なくとも1つの側壁22と、を有している。この実施形態では、この側壁22は、連続する壁または端のない壁を形成する連続側壁である。
この実施形態では、側壁22は一周してそれ自体とつながっている。側壁22は、示されているように実質的に円形とすることができるが、所望の他の形状とすることもできる。
図3fに最もよく示されているように、側壁22は、内面23と外面24を有している。側壁22はハウジング25を形成しており、このハウジング25はキャップボディ4の内面23によって画定されている(境界付けられている)。側壁22はさらにキャップボディ4の基端28に開口端26を形成しており、これは、内面23と外面24との間に口27を有している。口27は、壁22の端面によって効果的に形成されている。
【0009】
ハウジング25は、
図2に示され後により詳細に説明される、ノズル3の細長いノズルボディの少なくとも一部を受け、それにかぶせる形で取り付けるものである。キャップには、ネジ29の形態の係合構造が形成されており、この係合構造は、後により詳細に説明するように、ノズル3のネジ形態の(相補的な)協働係合構造と相互係合するためのものである。この実施形態では、これらの相互係合構造の相互係合によって、キャップ2が
図2に示す位置(ノズル3に部分的にかぶせる形で取り付ける位置)に、取外し可能に保持される。
【0010】
図3を参照すると、キャップ2は、間隔をあけて配置され、それぞれに符号30が付けられた細長い複数の翼部を備えている。翼部は少なくとも3つあることが望ましいが、それよりも多い、またはそれよりも少ない翼部を使用することもできる。3つの翼部の利用は、使用者が親指や人差指や中指で操作するのによく適した特に人間工学的な輪郭をキャップに与えている。それぞれの翼部は、隣接する各翼部から等しい角度を置いて配置されることが望ましい。
【0011】
各翼部30は翼形状を有しており、この翼形状は、内側部と、翼幹31(
図3eに最もよく示されており、キャップ2の縦軸20に近いステム)とを備えている。この実施形態においては内側部31は互いに連続的に接しており、一般に、そうなっていることが望ましい。各翼部30は外側部32を有しており、これらはそれぞれの内側部31に接続されている(それぞれの内側部31と一体に形成されている)。外側部32は、内側部31から半径方向外側に離れて位置している。
【0012】
「内側部」は、翼部の外側部から遠い側の部分であり、通常、翼部の他の部分につながるように延びる部分を示すのに使用されることを理解されたい。内側部は、通常、キャップ2の縦軸20の周りに広がっている。内側部は、翼部の他の部分と同様、翼部の全長に沿って延びる。
【0013】
中間翼部33(
図3aに最もよく示されている)は、内側部31および外側部32と一体に形成され、翼形状を形成している。翼形状は、反対側の2つの面34、35を有しており、これらはキャップボディ4の外面24の一部を構成している。これらの面を、前面35、後面34と記述することもある。翼部30は、翼部30の外縁を形成する外端面(アウターターミナル面)36を有している。各翼部30は、隣の翼部30と同じ翼形状を有すると有利であることに留意されたい。
【0014】
この実施形態ではさらに、各翼部30が隣接する翼部30と連続しており、したがって、キャップの外形(および輪郭)全体が、翼部が作り出す連続した形状によって画定されている。異なる数および形状の翼部を使用することにより、異なる形状のキャップを提供することができるが、キャップを形成する翼部の連続性は失われるべきではないことを理解されたい。
【0015】
本実施形態では、キャップ2はネジ取付け式のキャップであり、そのため、口27の形状は円形であることが望ましい。また、翼部30、特に翼部30の外端部(翼部30の端面36によって画定される)も次のような配置となっている;それぞれが、その外端部の任意の点(キャップの口27からキャップの閉端21にわたる任意の点)で、キャップの縦軸20の周りに描かれる所定半径の円の上に位置している。
【0016】
各翼部30はキャップの基端28から閉端21まで延びていること、に留意されたい。各翼部30は、上記のとおり隣の翼部30と連続しており、それにより、1つの翼部の外面(後面)34と、隣接する翼部30の外面(前面)35とが、いくぶんか凹形の連続する1つの表面37を形成している。凹面37は、端面36と端面36の間のそれぞれの翼部30の側面に広がっている。凹面37は、各翼部30の側面から隣接する翼部の側面まで延びると記述することもできる。
【0017】
翼部30は、後で詳説するように、部分的に螺旋形もしくはゆがんだもしくはねじれた外観を有している。翼部30はこのように形作られ、キャップを取り外すためにひねる方向の視覚的指示を使用者に与える。
【0018】
キャップの凹面はある方向に螺旋状にゆがんでおり、この方向は、ノズルからキャップを取り外すためにキャップをひねるのに求められる方向である。通常、円筒形のノズルから円筒形のキャップを取り外すためには、使用者は親指と他の指でキャップを握る。円筒形または円錐形の標準的なキャップ、あるいはキャップの縦軸に垂直にセットされたローブまたはリッジを有するキャップでは、使用者は、同時に2方向の力を加えなければならない。第1の力は、キャップの外面からキャップの中心に向かう方向の握る力である。第2の力は、キャップをノズルから外すために必要な方向の円形にひねる力である。一例として、過剰のまたはあふれ出た接着剤によってさらに接着されキャップがノズルに対してきつく閉められている状況では、使用者は、親指と他の指による非常に強い握る力と、腕および手首をさらに動かすことによるひねる力を加えなければならない。使用者にとってこのようなことは不快であり、一部の使用者の能力を超える、強さと器用さの組合せを要求することがある。
【0019】
かぶせる形でノズルを可逆的に閉じるキャップであり、ノズルからキャップを取り外すのに必要な方向に螺旋状に傾斜した少なくとも3つの翼部を備えるキャップによって、本発明はこれらの欠点を克服し、またはある程度改善する。このキャップは、翼部と翼部との間に、螺旋状に傾斜した(ゆがんだ)凹面を備えることが好ましい。このような凹面を備える利点は、握る動作の際に、使用者の親指、人差指および中指がこれらの凹面と係合したときに、この螺旋状の傾斜(ねじれ)が、使用者が加えた握る力を、ノズルからキャップを取り外す(キャップを回して外す)のに必要な方向に自然に偏向させることである。
【0020】
さらに、螺旋状に傾斜した凹面は、ノズルからキャップを取り外すために親指と他の指によって使用者がひねる力を加えたときに、凹面以外の表面が提供する快適性よりも大きな快適性を提供する。
【0021】
有利には、端面36は所定のくさび形の形状を有している。このくさび形は、一方の縁をキャップ2の縦軸に実質的に平行となるように延ばし、もう一方の縁は、キャップ2の縦軸に対してある角度に傾けるとともに、キャップの基端28からキャップの閉端21の方向に進むにつれて上記一方の縁に近づくようにすることによって、形成されていてもよい。本実施形態では、縁39が、キャップ2の縦軸に実質的に平行に延びており、縁38が、キャップ2の縦軸に対してある角度に傾き、キャップ基端28からキャップ閉端21の方向に進むにつれて縁39に近づいている。縁38、39は実質的にまっすぐな縁である。凹面37が縁38、39から広がっているので、表面の凹みは、縁38に向かうにつれて、また、キャップ2の閉端(頂端)に向かうにつれて増大する(より顕著になる)。このことは、キャップのゆがんだ輪郭ないし部分的に螺旋形の輪郭に寄与する。
【0022】
一実施形態では、翼部30は、
図3a〜d、
図3gから最もよく分かるような、テーパの付いた形状を有している。これらの図では、外端面36は、複数の境界すなわち、面34の縁38と面35の縁39との間(それぞれの面34または35と端面36との間の共通の縁)に画定されている。この実施形態では、面34と面35の間の距離は、基端28から閉端21へ向かう方向に減少する。各翼部30のこの外端面36は、望ましくはテーパの付いた形状を備える。端面の他の輪郭も可能であることを理解されたい。
【0023】
図2e、3e、4e、5eおよび6eに最もよく示されているように、有利には、各翼部30は、実質的に同じ形状の3つの凹面が存在するように構成されている。この構成によって、キャップ2に全体的な対称性が与えられる。また、これにより、各翼30の頂端面41が実質的にまっすぐな面の場合、キャップの閉端21に3本脚型(triまたはskellion型)またはプロペラ型の外観が与えられる。
【0024】
取扱い上の目的およびシャープエッジの回避ため、端面36と、頂端21の頂面41との間のコーナ40に丸みが付けられていてもよい。
【0025】
図3を参照すると、口27の周囲にはリップ42(3つ)が形成されており、それぞれは凹面37に隣接している。リップ42は、ノズル上の傾斜の付いたショルダー部55に対してカムとして機能し、対応する国際特許出願PCT/IE2005/000010に開示されているランピングツイストオフ効果をもたらす。
【0026】
この実施形態のキャップ2は、キャップ自体の周囲フットプリント内に実質的に収まるものであること理解されたい。特に、翼部30(キャップの閉端21に向かって少しだけフレア型に広がるものであってもよい)が、キャップ基端のフットプリントの範囲内にあることに留意されたい。
【0027】
次に、
図1、
図4a〜
図4gを参照しノズル(分配ノズル)3を詳細に説明する。
ノズル3はキャップ2と係合して
図2a〜
図2gのアセンブリ1を形成する。具体的には、分配ノズル3は細長いノズルボディ50を有しており、このボディ50は、側壁52によって形成された基部54を備えている。ノズル3は、また、基部54に比べて小さな直径を備えうる上部53を有している。本実施形態では、上部53と基部との間の直径の減少は階段状である。
【0028】
ノズルボディの傾斜したショルダー部55は、上部53と基部54の間に延在している。このショルダー部55には、
図2のアセンブリを形成するためにキャップ2の基端28が当接する。
【0029】
ノズル3は、その頂端すなわち先端に分配端51を有している。内側導管56は、このノズルボディ2の基端57から分配端51まで縦に延びている。この導管は、基端から分配端51まで製品を送るためのものである。導管は、典型的には、ノズル3の縦軸64に中心が置かれている。基端57は、相互係合構造(硬化可能製品が保持された容器に基端57を取り付けられるようにする係合構造)を備えることができる。その代わりに、ノズルは、容器の一体部分として形成されていてもよい。
【0030】
図面、特に
図4a〜
図4gから分かるように、ノズルは、キャップの協働係合構造(ネジ29)に相互係合するネジのような係合構造58を備えている。これらの相互係合構造によって、ノズルにかぶせる形で取り付ける
図2に示す位置に、キャップが保持される。
【0031】
図4に示すノズルボディ50は、側壁52に3つの凹み59を有している。3つの島、すなわち基部52の3つの中間部分60が、凹み59から盛り上がっており、そして、各凹み59は2つの中間部分60の間にあり、各中間部60は2つの凹み59間にある。
【0032】
図4a〜
図4dおよび4gに最もよく示されているように、各中間部60の外面61は、境界間、すなわち面61縁62と面61の縁63との間(それぞれと凹み59との間の共通の縁)に画定されている。縁62、63の間の距離がショルダー部55に向かって減少しているため、それぞれの中間部分60の面61は、テーパの付いた望ましい形状を備える。
【0033】
この実施形態では、テーパ形状は、縁62、63の間の距離が(基部62上で)下部インテイク端部57から分配端51へ向かう方向に減少していく形状であるが、別のテーパ形状も可能であることを理解されたい。具体的には、各面61は所定のくさび形の形状を有している。このくさび形は、一方の縁をノズル3の縦軸64に実質的に平行に延ばすとともに、もう一方の縁63を、ノズル3の縦軸64に対してある角度に傾けて下部インテイク端部57から分配端51の方向に進むにつれて上記一方の縁に近づくようにすることによって、形成される。
【0034】
この実施形態では、縁63はノズル3の縦軸64に実質的に平行に延び、縁62は、ノズル3の縦軸64に対してある角度に傾いており、下部インテイク端部57から分配端51の方向に進むにつれて縁63に近づく。縁62、63は実質的にまっすぐな縁である。
【0035】
凹み59の形状は、縁62と縁63から続く凹形であり、所望の場合には、凹みは(この実施形態に示すように)ショルダー部55と基部54の間の縁である縁65に向かって広がっていてもよい。これらの図に示すこの輪郭は、キャップをノズルに取り付けたときに、キャップ2の輪郭と整列するように構成される。この構成が、ノズル3に全体的な対称性を与えている。
【0036】
中間部分の面61のくさび形状は、基部54の全体に沿って延びている。凹み59はその表面に一連の平行リブ66を有している。リブ66は、握りやすくするなどのために提供される。
【0037】
ノズル3のインテイク端部57は係合手段を備えていてもよく、その係合手段は、接着剤などの硬化可能製品を保持するためのアルミニウムチューブなどの容器にインテイク端部57を取り付けることを可能にする
【0038】
これまでに説明したものと同様のキャップとノズルのアセンブリの他の実施形態を、違いを簡単に説明するため、
図6a〜
図6nに示す。キャップ2は、等しい角度で配置された3つの翼30を有しており、各翼30は、隣接している翼境界38、39によって画定された外端面36で終端している。各翼30は隣の翼30と連続しており、その結果、1つの翼部の外後面34と、隣接する翼部30の外前面35とが、隣接する翼端面36、36の間に広がるいくぶんか凹形の1つの連続表面37を形成している。
図6e、6fに最もよく示されているように、キャップ基端28や翼後縁38に隣接した、後面34の部分100は一段高くなっている。一段高いこの部分100は、翼30の長さの一部分に沿って延びている。有利には、一段高いこの部分100はいくぶんか三角形の形状を有しており、この三角形はキャップ基端28に近い幅広の基部102を有するとともにキャップの閉端21に向かって延びており、望ましくは、翼の頂部コーナ40に達する前に終端している。一段高いこの部分100によって、翼の縁38、39が概ね平行であるときでも、隣接する翼30に螺旋形の外観および螺旋形の効果が与えられる。
【0039】
図61および
図6lを参照すると、キャップの基端28は、3つの斜面104、106、108で終わっている。有利には、各斜面は、隣接する翼端面36の一段高い状態(raised condition)から部分的に螺旋を描くとともに、別の隣接する前縁39に向かって、隣接する翼前面39近くのショルダー部112のところで終端するまで、角度を付けて低くなっている。これらの斜面のうちの1つまたは複数の斜面は、その表面にデテント114を画定することができ、デテント114はショルダー部112に隣接することができる。
【0040】
キャップの内面23は、キャップ内の空洞を画定しており、そのキャップは、キャップの基端28の概ね円形の開口116からキャップの閉端21に向かって延びている。開口116は、斜面104、106、108によって取り囲まれている。内面23からは係合構造29が突き出しており、これは、ノズル上の協働係合構造58と相互係合してノズルにキャップを取外し可能に固定する働きをする。有利には、係合構造29が間抜きネジである。内面23は、係合構造とキャップ閉端との間に、段118や他の部分を画定していてもよい。
【0041】
図6fを参照すると、ノズル3は基部54を備え、その基部54は、インテイク端部57と反対側のショルダー部120とを有している。有利には、キャップの基端28の輪郭と整合するように、基部がトリローブ形(trilobal)である。ノズルの把持を助けるため、任意選択で、基部54の外面の一部または全体から、縦に配置された複数の平行リブ66を外側へ突出させることができる。
【0042】
ショルダー部120からは保持セクション122が軸方向に延びており、これは、面124で終わっている。保持セクション122の直径は、トリローブ形の基部54が画定する直径よりも小さい。ノズル上部53は、面124から分配端51まで軸方向に延びている。ノズル上部53の直径は、保持セクション122の直径よりも小さい。インテイク端部57から分配端51まで、内側導管56が、流体が流れるように延びている。
【0043】
ショルダー部は、3つの斜面126、128、130を有している。有利には、これらの各斜面は、保持セクション122の周囲に部分的に螺旋を描いている。これらの斜面はそれぞれショルダー部134で終わっている。これらの斜面のうちの1つまたは複数の斜面から、止め部136が軸方向に突き出しており、この止め部136はショルダー部134に隣接していてもよい。
【0044】
保持セクション122の表面からは係合構造58が突き出しており、これは、キャップ上の協働係合構造29と相互係合して、ノズルにキャップを取外し可能に固定するのを助ける。有利には、係合構造58は間抜きネジである。
【0045】
キャップ2は、ノズル3にかぶせられて相互係合し、キャップ/ノズルアセンブリ1を形成する。この操作には、ノズル上部53および保持セクション122を、口27からハウジング25内へ縦に挿入することが含まれる。挿入中、キャップとノズルは相対的な回転を受け、その結果、それぞれのネジ29、58が相互係合する。相対的な回転が続くにつれ、ネジ29、58の相互係合によって、キャップの基端28が軸方向に移動してノズルのショルダー部55に近づき、その結果、キャップ上の斜面104、106、108がノズル上の隣接する斜面126、128、130に係合する。
【0046】
キャップとノズルの回転が
図6a〜6d、6eの閉位置すなわち固定位置まで続くと、ノズルの止め部136がキャップのデテント114内へと付勢され、キャップのショルダー部112がノズルのショルダー部134と接触する。このショルダー部112とショルダー部134の接触により、キャップが一方向へさらに回転することが防止され、デテント114内へ付勢された止め部136は、キャップがもう一方の方向へ回転することを選択的に防ぎ、相互係合したネジ29、58は、キャップが軸方向へ移動することを防ぎ、それにより、ノズルにキャップを取外し可能に固定する。
【0047】
力を加えてキャップを反対方向へ回転させることによって、キャップを取り外すことが可能であり、この力は、デテント114内への止め部136のバイアスに打ち勝つのに十分な力である。取外し中、ノズルの斜面126、128、130が回転中のキャップの斜面104、106、108と相互係合し、またはこれらの斜面とカムを形成して、キャップに軸方向の力を付与する。この軸方向の力は、ネジ29、58の相互係合だけによって加わる力よりも大きく、また、以前の接着剤分配に起因するキャップとノズルの間の結合に打ち勝つものであることが望ましい。
【0048】
図6a〜6dおよび
図6eに示すように、固定位置にあるキャップとノズルは、連続した輪郭(形状)を有している。すなわち、キャップの輪郭はノズルの輪郭と整合し、キャップの輪郭はノズルの輪郭へ比較的にスムーズに移行する。この形状は、キャップおよびアセンブリ全体の、ゆがんだ形状もしくは部分的に螺旋状形状に寄与している。
【0049】
望ましい変形実施形態では、基部54の中間部分60と翼部30の外面36とが閉位置において整列し、同様に、キャップの凹面37とノズルの凹み59とが整列する。キャップ2、特にキャップ2の翼部30は、ノズル基部54のフットプリント内に実質的に収まる。縦に配置された複数の平行リブ66が、ボディのそれぞれの凹み59から外側へ突き出している。これらの変形実施形態は、キャップとノズルのアセンブリの(逆時計回り方向の)ねじれた外観ないしはゆがんだ外観をいっそう際立たせる。
【0050】
図8は、係合手段を備えるインテイク端部57を有するノズル75の一実施形態を示している。
図8に示す係合構造は、ノズルの下面71に位置する等間隔に配置された3つの突起すなわちグリップ72、73、74である。任意の数の突起を使用することができることを理解されたい。これらのグリップは、例えば硬化可能製品を保持した容器にノズルをロックする。
【0051】
図7、
図9〜
図11には、
図8のノズルを取り付けることができる容器が示されている。
図7は、アルミニウムチューブ80を示しており、チューブリザーバ88上に取り付けられた端の開いたチューブノズル82が備えられており、そのノズル82を通じてチューブの内容物を分配することができる。(チューブ80のこの部分は、
図9の拡大図に最もよく示されている。)開いたノズル82は、首部分83に沿って、アルミニウムチューブにつながっている。チューブ80のノズル82の周囲にネジ87が形成されている。開いたノズル82を含むチューブ80は通常、全体がアルミニウムから形成される。ノズル82の基部の近くにロッキングリング81がある。リング81は、ネジ87とチューブリザーバ88の間に形成されている。このロッキングリングは、チューブノズル82の周囲に延びる、突出リング部である。
【0052】
このリングは、分配ノズル75上のグリップ72〜74と相互係合するように構成される。ノズル75の下面71のグリップ72〜74がロッキングリング81にかぶさる形で取り付けられ、これにより、
図11の組立後の構成では、ノズル75がチューブ80に永久にロックされる。一実施形態では、チューブ、分配ノズルおよびキャップが
図10に示すように組み立てられる。この配置は例えば初めて使用する前の配置であり、この配置では、ノズル75がチューブ80に完全には取り付けられていない。具体的には、分配ノズルがまだチューブ上の所定の位置にロックされておらず(
図10から分かるとおり、ロッキングリング81が依然として見えている)、展示または販売のためにチューブに取り付けられている。最初にまず、使用者は、分配ノズル75をロック位置までねじ込んで、
図11に示すようにグリップ72〜74をロッキングリング81を越えて移動させる。このような操作によってさらに、ノズルの下面の穿孔スカートによってチューブ80のノズル82を閉保護膜に穴があけられる。この後、チューブ80の内容物を分配ノズル75から分配することができる。やはり
図11に示されているように、分配ノズル75をその場に残して、キャップ90を取り外すことができる。
【0053】
ロッキングリングの上面84(
図9参照)はテーパ形状を有し、このテーパ形状によって、ノズルのグリップ72〜74がロッキングリングを越えて移動し易くなる。グリップ72〜74がロッキングリングのテーパ表面84を横切って移動するとき、グリップおよび/またはリングは弾性変形し、ついにはグリップがリング81を乗り越える。リングを乗り越えると、グリップは、ロッキングリングの後ろのリング状溝85の中に着座することとなる。具体的には、グリップ72〜74はロッキングリング84の下面86と係合し、そのロッキングリング84の形状は、グリップが再びロッキングリングを越えて逆方向へ移動することを制限し、それにより、ノズルがチューブに永久固定される。
【0054】
この実施形態では、前述のとおり、チューブノズル82がネジ87を有しており、これにより、ロックする前に、分配ノズル75をチューブに取り付けることが可能となる。チューブ80への分配ノズル75の係合は、相補的なネジ76、87(分配ノズル上とチューブ上)を使用しこれらの部品を1つに組み付けることによって達成される。このようにしてこれらの2つの部品が十分に合わせられると、グリップ72〜74はロッキングリングと係合し、その結果、
図11に示すように、分配ノズルがチューブ80上の所定の位置にロックされる。使用中に、例えばキャップを取り外すために手でひねったことが原因で、ノズルが不注意で外れることがないことを保証するのに、このロッキングは十分である。ノズルを取り外すには、通常の手の圧力よりもかなり大きな力が必要であり、使用者は、より極端な手段で、チューブからノズルを無理やりに取り外す必要があるであろう。
【0055】
分配ノズル75に被せられるキャップ90が提供される。キャップ90は具体的にはノズル75にねじ込まれ、
図7のキャップ/分配ノズル/チューブアセンブリを構成する。ノズル75およびキャップ90の構造は、以前の実施形態のノズルおよびキャップと同様であり、ここで詳細に説明することはしない。
【0056】
キャップとノズルの(
図2に示した)組立て後の配置では、ノズル/キャップの形状が連続しており、この連続した輪郭が、キャップ、さらに言えばアセンブリ全体のゆがんだ輪郭ないし部分的に螺旋形の輪郭に寄与することを理解されたい。
図2に最もよく示されているとおり、キャップ2がノズル3にかぶせられ係合したとき、キャップ2はアセンブリ1を形成する。ノズル3の上部53がキャップボディ4に挿入され、具体的には、キャップ2の口27から挿入することによりノズル3の上部53がキャップボディ4のハウジング25に挿入される。キャップとノズルが相対的な回転を受け、それにより、キャップのネジ29とノズルのネジ58とが相互係合してキャップとノズルが一体に保持される。キャップは完全にノズル上にあり、各部品の形状が合致し、または、
図2に示すように、互いに整列する。
【0057】
図2a〜
図2gから分かるように、ノズルの基部54の中間部分60と、翼部30の外面36とが整列し、同様に、キャップの凹面37とノズルの凹み59とが整列する。
図2gの斜視図に示す全体の輪郭は、このキャップノズル構成に、ねじれた外観(逆時計回り方向)ないしはゆがんだ外観を与えている。キャップ2、特にキャップ2の翼部30は、このキャップノズル構造のフットプリント内に実質的に収まっている。ノズルの縦軸に平行にリブ66(複数)が延びている。
【0058】
図5a〜
図5gは、それぞれの中間部分60にリブ66が形成された代替実施形態を示している。凹み59にリブはない。この実施形態では、凹み59に、キャップ2の凹面37の凹に合う凹が設けられている。リブ66は、リブ66が中間部分60の境界と交わる場合、例えば縁62と交わる場合に、常に打ち切られる。
【0059】
キャップとノズルの形状が合うようになっていることにより、視覚的な基準がもたらされ、それにより、使用者は、キャップとノズルを整列させる方法を容易に判断することができ、また、ノズルからキャップを取り外すために必要なアクションを判断できるようになる。この実施形態では、ひねる動作が提供されているが、キャップとノズルは、適当な任意の方法、例えばスナップ嵌めによって相互係合させることができる。
【0060】
この実施形態では、ノズルからキャップを取り外す方向にキャップとノズルを相対的に回転させた場合に、キャップ上のリップ42がノズルショルダー部55の斜面上を横切り、それにより、ノズルとキャップが互いに結合している場合にはノズルからキャップを取り外す強い取外し力が発生する。
【0061】
示した実施形態は、手に持つタイプの一般的な接着剤ディスペンサ上で特に有用であり、3つの翼部の使用によって、使用者の手指が翼部と係合するのに最適な人間工学的構成が提供される。より大きなサイズのキャップを使用する本発明の実施形態では、4つ以上の翼部を使用することもできる。いくつかの実施形態では、翼部の数を、1つには、凹面37が人間のどの指の幅を実質的に収容するかの好みによって決定することができる。
【0062】
容器内に保持される硬化可能製品には、接着剤、シーリング材、コーティング材などがある。適当な硬化可能製品にはシアノアクリレート接着剤などがある。
【0063】
適当なシアノアクリレート接着剤は、シアノアクリル酸アルキル、アルケニルおよびアルコキシエステル、より具体的には、アルキルまたはアルケニル基が最大10個、特に最大5個の炭素原子を有するシアノアクリル酸アルキル、アルケニルおよびアルコキシエステルなどのシアノアクリレートモノマーに基づく接着剤である。シアノアクリレートモノマーは、シアノアクリル酸メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、n−ヘプチル、イソヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、アリル、メトキシエチル、エトキシエチル、3−メトキシブチルおよびメトキシイソプロピルエステルの中から選択することができる。
【0064】
他の硬化可能製品には、重合可能なアクリル酸エステルモノマーに基づく接着剤が含まれる。利用するモノマーは、単官能モノマー、または単官能モノマーと多官能モノマーの組合せとすることができる。一般に、アクリル酸アルキル、アクリル酸シクロアルキル、メタクリル酸アルキル、メタクリル酸シクロアルキル、アクリル酸アルコキシ、メタクリル酸アルコキシ、ジアクリル酸アルキレンおよびジメタクリル酸アルキレンからなる種類から選択されたモノマーが例示されるが、これらに限定されるわけではない。メタクリル酸メチル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチルなどの単官能モノマーに基づく製品も含まれる。他の適当な製品には、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸ヒドロキシエチルおよびメタクリル酸ヒドロキシプロピルに基づく製品が含まれる。
【0065】
上記の単官能モノマーは一般に下式によって表すことができる。
【0067】
上式で、R
1は、H、CH
3またはC
1〜C
6のアルキル、R
2は、H、C
1〜C
20のアルキル、C
1〜C
20のアルコキシ、C
3〜C
20のシクロアルキル、またはC
2〜C
20のアルキレン基である。
【0068】
本発明に関して本明細書で使用されるとき、語「備える」および語「有する/含む」は、明示された特徴、完全体、ステップまたは構成要素の存在を指定するために使用されるが、1つまたは複数の別の特徴、完全体、ステップ、構成要素またはこれらのグループの存在または追加を排除しない。
【0069】
分かりやすくするために別個の実施形態の文脈の中で説明したある種の特徴が、1つのの実施形態において組み合わされて提供されてもよいことを理解されたい。反対に、簡潔にするために1つの実施形態の文脈の中で説明した本発明のさまざまな特徴が、別々に提供されても、またはより下位の適当な組合せで提供されることもできる。