(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上下方向に間隔をおいて並列状に配置された左右方向にのびる複数の熱交換管と、熱交換管の左右両端部が接続された上下方向にのびるヘッダタンクとを備え、上下に連続して並んだ複数の熱交換管からなる熱交換パスが上下に並んで3以上設けられているコンデンサであって、
上端の熱交換パスを含みかつ連続して並んだ少なくとも2つの熱交換パスからなるグループを有するとともに、前記グループの下方に少なくとも1つの熱交換パスが設けられ、前記グループにおいて、冷媒が、下端の熱交換パスから上端の熱交換パスに向かって流れるようになされ、左右いずれか一端部側に、前記グループにおける冷媒流れ方向最下流側の熱交換パスを構成する熱交換管、および前記グループよりも下方に設けられた熱交換パスを構成する熱交換管が接続される第1ヘッダタンクと、残りの全熱交換パスを構成する熱交換管が接続される第2ヘッダタンクとが設けられ、第1ヘッダタンクが、第2ヘッダタンクよりも左右方向外側に配置され、第1ヘッダタンクの上端が第2ヘッダタンクの上端よりも上方に位置するとともに、第1ヘッダタンクの下端が第2ヘッダタンクの下端よりも下方に位置しており、第1ヘッダタンクが気液を分離しかつ液を溜める機能を有し、第1ヘッダタンクにおける第2ヘッダタンクよりも上方に位置する部分に、前記グループの上端の熱交換パスを構成する熱交換管が接続され、第1ヘッダタンクにおける第2ヘッダタンクよりも下方に位置する部分に、前記グループよりも下方に設けられた熱交換パスを構成する熱交換管が接続され、第1ヘッダタンクに接続された第1の熱交換管における第1ヘッダタンク側の部分に、第2ヘッダタンクに接続された第2の熱交換管における第2ヘッダタンク側の端部よりも左右方向外側に突出した突出部が設けられ、隣り合う第1熱交換管の突出部間にフィンが配置され、全第1熱交換管の突出部および隣り合う第1熱交換管の突出部間のフィンによって、熱交換部が形成されているコンデンサ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この発明の目的は、上記問題を解決し、他の機器を近傍に配置した場合にも、特許文献1記載のコンデンサに比較して他の機器の邪魔になりにくいコンデンサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記目的を達成するために以下の態様からなる。
【0010】
1)上下方向に間隔をおいて並列状に配置された左右方向にのびる複数の熱交換管と、熱交換管の左右両端部が接続された上下方向にのびるヘッダタンクとを備え、上下に連続して並んだ複数の熱交換管からなる熱交換パスが上下に並んで3以上設けられているコンデンサであって、
上端の熱交換パスを含みかつ連続して並んだ少なくとも2つの熱交換パスからなるグループを有するとともに、前記グループの下方に少なくとも1つの熱交換パスが設けられ、前記グループにおいて、冷媒が、
下端の熱交換パスから上端の熱交換パスに向かって流れるようになされ、左右いずれか一端部側に、前記グループにおける冷媒流れ方向最下流側の熱交換パスを構成する熱交換管、および前記グループよりも下方に設けられた熱交換パスを構成する熱交換管が接続される第1ヘッダタンクと、残りの全熱交換パスを構成する熱交換管が接続される第2ヘッダタンクとが設けられ、第1ヘッダタンクが、第2ヘッダタンクよりも左右方向外側に配置
され、第1ヘッダタンクの上端が第2ヘッダタンクの
上端よりも上方に位置
するとともに、第1ヘッダタンクの下端が第2ヘッダタンクの下端よりも下方に位置しており、第1ヘッダタンクが気液を分離しかつ液を溜める機能を有し、
第1ヘッダタンクにおける第2ヘッダタンクよりも上方に位置する部分に、前記グループの上端の熱交換パスを構成する熱交換管が接続され、第1ヘッダタンクにおける第2ヘッダタンクよりも下方に位置する部分に、前記グループよりも下方に設けられた熱交換パスを構成する熱交換管が接続され、第1ヘッダタンクに接続された第1の熱交換管における第1ヘッダタンク側の部分に、第2ヘッダタンクに接続された第2の熱交換管における第2ヘッダタンク側の端部よりも左右方向外側に突出した突出部が設けられ、隣り合う第1熱交換管の突出部間にフィンが配置され、全第1熱交換管の突出部および隣り合う第1熱交換管の突出部間のフィンによって、熱交換部が形成されているコンデンサ。
【0011】
2)前記グループの全熱交換パスが、冷媒を凝縮させる冷媒凝縮パスであり、前記グループよりも下方に位置する熱交換パスが、冷媒を過冷却する冷媒過冷却パスである上記
1)記載のコンデンサ。
【0012】
3)第1ヘッダタンク内に、乾燥剤、気液分離部材およびフィルタのうちの少なくともいずれか1つが配置されている上記
1)または2)記載のコンデンサ。
【0013】
4)第1ヘッダタンクに少なくとも2つの熱交換パスを構成する第1熱交換管が接続され、第2ヘッダタンクに少なくとも1つの熱交換パスを構成する第2熱交換管が接続されている上記
1)〜3)のうちのいずれかに記載の
コンデンサ。
【0014】
5)第1ヘッダタンクに接続された全第1熱交換管および第2ヘッダタンクに接続された全第2熱交換管が真っ直ぐである上記
1)〜4)のうちのいずれかに記載のコンデンサ。
【0015】
6)第1ヘッダタンクが、第2ヘッダタンクの左右方向外側でかつ通風方向にずれた位置に配置され、第1ヘッダタンクに接続された第1熱交換管の第1ヘッダタンク側端部が所定長さにわたって曲げられており、曲げられた熱交換管の曲げ部が、曲げられていない部分と同一平面内に位置している上記
1)〜4)のうちのいずれかに記載のコンデンサ。
【0016】
7)第1ヘッダタンクが、第2ヘッダタンクの左右方向外側でかつ通風方向にずれた位置に配置され、第1ヘッダタンクに接続された第1熱交換管および第2ヘッダタンクに接続された第2熱交換管の第1ヘッダタンクおよび第2ヘッダタンク側端部が、同一垂直線を曲げ中心として曲げられており、曲げられた第1および第2熱交換管の曲げ部が、曲げられていない部分と同一平面内に位置している上記
1)〜4)のうちのいずれかに記載のコンデンサ。
【発明の効果】
【0017】
上記1)〜
4)のコンデンサによれば、上端の熱交換パスを含みかつ連続して並んだ少なくとも2つの熱交換パスからなるグループを有するとともに、前記グループの下方に少なくとも1つの熱交換パスが設けられ、前記グループにおいて、冷媒が、
下端の熱交換パスから上端の熱交換パスに向かって流れるようになされ、左右いずれか一端部側に、前記グループにおける冷媒流れ方向最下流側の熱交換パスを構成する熱交換管、および前記グループよりも下方に設けられた熱交換パスを構成する熱交換管が接続される第1ヘッダタンクと、残りの全熱交換パスを構成する熱交換管が接続される第2ヘッダタンクとが設けられ、第1ヘッダタンクが、第2ヘッダタンクよりも左右方向外側に配置
され、第1ヘッダタンクの上端が第2ヘッダタンクの
上端よりも上方に位置
するとともに、第1ヘッダタンクの下端が第2ヘッダタンクの下端よりも下方に位置しており、第1ヘッダタンクが気液を分離しかつ液を溜める機能を有しているので、第1ヘッダタンクの上端を、たとえば第2ヘッダタンクの上端近傍までまたは上端よりも上方まで上方に延ばすことによって、特許文献1記載のコンデンサに比べて、第1ヘッダタンクの太さを第2ヘッダタンクの太さよりも大きくすることなく、第1ヘッダタンクの内容積を、気液分離を効果的に行いうる大きさにすることができる。したがって、コンデンサを配置するためのスペースを、特許文献1記載のコンデンサに比べて小さくすることができる。特に、カーエアコン用のコンデンサの通風方向下流側にはラジエータが配置される場合であっても、第1ヘッダタンクが第2ヘッダタンクの左右方向外側に配置されているので、第1ヘッダタンクがラジエータ設置の邪魔になることはなく、エンジンルーム内での無駄なスペースが生じることはない。その結果、省スペース化を図ることが可能になる。また、第1ヘッダタンクにおける熱交換管が接続された部分よりも上方に空間が存在するので、重力による気液分離効果が優れたものになる。
【0018】
さらに、第1ヘッダタンクに接続された第1の熱交換管における第1ヘッダタンク側の部分に、第2ヘッダタンクに接続された第2の熱交換管における第2ヘッダタンク側の端部よりも左右方向外側に突出した突出部が設けられ、隣り合う第1熱交換管の突出部間にフィンが配置され、全第1熱交換管の突出部および隣り合う第1熱交換管の突出部間のフィンによって、熱交換部が形成されているので、第1ヘッダタンクに接続された第1の熱交換管および第2ヘッダタンクに接続された第2の熱交換管の端部が同一垂直線上に位置している特許文献1記載の熱交換器に比べて、第1および第2ヘッダタンク側の熱交換部の面積が増大するので、熱交換効率が向上する。
【0019】
上記
2)のコンデンサによれば、冷媒の流れ方向最下流側に位置する冷媒凝縮パスを構成する複数の熱交換管から第1ヘッダタンク内に冷媒が流入し、第1ヘッダタンク内で気液を分離するので、圧力降下の発生を抑制して液相冷媒の再気化を防止することができる。
【0020】
また、上記
2)のコンデンサによれば、冷媒の流れ方向最下流側に位置する冷媒凝縮パスを構成する複数の熱交換管から第1ヘッダタンク内に冷媒が流入し、第1ヘッダタンク内で気液を分離するので、第1ヘッダタンク内で気液分離を効率良く行うことができる。すなわち、冷媒凝縮パスを構成する複数の熱交換管のうちの上側の熱交換管内には気相成分の多い気液混相冷媒が流れ、同じく下側の熱交換管内には液相成分の多い気液混相冷媒が流れるが、これらの気液混相冷媒が混じり合うことなく第1ヘッダタンク内に流入するので、気液分離を効率良く行うことが
できる。
【0021】
上記6)および7)のコンデンサによれば、コンデンサにおける第1ヘッダタンクが配置された側とは通風方向の反対側に他の機器を配置する必要がある場合にも、第1ヘッダタンクが邪魔になることが防止される。たとえば、カーエアコン用のコンデンサの通風方向下流側にはラジエータが配置されることが一般的であるが、第2ヘッダタンクを通風方向上流側にずれた位置に配置することによって、第2ヘッダタンクがラジエータ設置の邪魔になることが防止される。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0024】
以下の説明において、
図1の紙面裏側(
図2の上側)を前、これと反対側を後というものとする。
【0025】
また、以下の説明において、「アルミニウム」という用語には、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むものとする。
【0026】
さらに、全図面を通じて同一部分および同一物には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0027】
図1はこの発明によるコンデンサの全体構成を具体的に示し、
図2はその要部の構成を示し、
図3この発明によるコンデンサを模式的に示す。
図3においては、個々の熱交換管の図示は省略されるとともに、コルゲートフィン、サイドプレート、冷媒入口部材および冷媒出口部材の図示も省略されている。
【0028】
図1〜
図3において、コンデンサ(1)は、幅方向を前後方向に向けるとともに長さ方向を左右方向に向けた状態で上下方向に間隔をおいて配置された複数のアルミニウム製扁平状熱交換管(2A)(2B)と、熱交換管(2A)(2B)の左右両端部がろう付により接続された上下方向にのびる3つのアルミニウム製ヘッダタンク(3)(4)(5)と、隣り合う熱交換管(2A)(2B)どうしの間および上下両端の外側に配置されて熱交換管(2A)(2B)にろう付されたアルミニウム製コルゲートフィン(6A)(6B)と、上下両端のコルゲートフィン(6A)(6B)の外側に配置されてコルゲートフィン(6A)(6B)にろう付されたアルミニウム製サイドプレート(7)とを備えており、上下に連続して並んだ複数の熱交換管(2A)(2B)からなる熱交換パス(P1)(P2)(P3)が上下に並んで2以上、ここでは3つ設けられている。3つの熱交換パスを、上から順に第1〜第3熱交換パス(P1)(P2)(P3)というものとする。各熱交換パス(P1)(P2)(P3)を構成する全ての熱交換管(2A)(2B)の冷媒流れ方向が同一となっているとともに、隣り合う2つの熱交換パスの熱交換管(2A)(2B)の冷媒流れ方向が異なっている。
【0029】
そして、コンデンサ(1)は、上端の第1熱交換パス(P1)を含みかつ連続して並んだ少なくとも2つ、ここでは第1および第2熱交換パス(P1)(P2)からなるグループ(G)を有するとともに、グループ(G)の下方に少なくとも1つ、ここでは第3熱交換パス(P3)が設けられている。グループ(G)おいて、冷媒は、上端の第1熱交換パス(P1)から下端の第2熱交換パス(P2)に向かって流れるようになっている。
【0030】
コンデンサ(1)の左端側には、グループ(G)の冷媒流れ方向最下流側に位置する下端の熱交換パスおよびグループ(G)よりも下方に位置する熱交換パス、ここでは第2および第3熱交換パス(P2)(P3)を構成する熱交換管(2A)がろう付により接続された第1ヘッダタンク(3)と、残りの全熱交換パス、ここでは第1熱交換パス(P1)を構成する熱交換管(2B)がろう付により接続された第2ヘッダタンク(4)とが別個に設けられている。なお、第1ヘッダタンク(3)の下端は第2ヘッダタンク(4)の下端よりも下方に位置しており、第1ヘッダタンク(3)における第2ヘッダタンク(4)よりも下方に位置する部分に、第2および第3熱交換パス(P2)(P3)を構成する熱交換管(2A)がろう付により接続されている。
【0031】
ここで、第1ヘッダタンク(3)に接続された熱交換管(2A)が第1熱交換管であり、第2ヘッダタンク(4)に接続された熱交換管(2B)が第2熱交換管である。なお、隣り合う第1熱交換管(2A)どうしの間および下端の第1熱交換管(2A)と下側サイドプレート(7)との間に配置されたコルゲートフィン(6A)を第1コルゲートフィンといい、隣り合う第2熱交換管(2B)どうしの間および上端の第2熱交換管(2B)と上側サイドプレート(7)との間に配置されたコルゲートフィン(6B)を第2コルゲートフィンというものとする。
【0032】
第1ヘッダタンク(3)と第2ヘッダタンク(4)との前後方向の寸法はほぼ等しくなっているが、水平断面積は第1ヘッダタンク(3)の方が第2ヘッダタンク(4)よりも大きくなって。第1ヘッダタンク(3)は第2ヘッダタンク(4)よりも左方(左右方向外側)に配置されており、第1および第2ヘッダタンク(3)(4)の中心線(両ヘッダタンク(3)(4)の前後方向の中心)は左右方向にのびる同一垂直平面上に位置している。したがって、第1ヘッダタンク(3)と第2ヘッダタンク(4)とは、水平断面において、または平面から見て重なる部分を有していない。また、第1ヘッダタンク(3)の上端は第2ヘッダタンク(4)の下端よりも上方に位置しており、第1ヘッダタンク(3)が、重力を利用して気液を分離しかつ液を溜める受液部としての機能を有している。すなわち、第1ヘッダタンク(3)の内容積は、第1ヘッダタンク(3)内に流入した気液混相冷媒のうち液相主体混相冷媒が重力により第1ヘッダタンク(3)内の下部に溜まるとともに、気液混相冷媒のうちの気相成分が重力により第1ヘッダタンク(3)内の上部に溜まり、これにより第3熱交換パス(P3)の熱交換管(2A)(2B)内には液相主体混相冷媒のみが流入するような内容積となっている。
【0033】
コンデンサ(1)の右端部側には、第1〜第3熱交換パス(P1)〜(P3)を構成するすべての熱交換管(2A)(2B)が接続される第3ヘッダタンク(5)が配置されている。第3ヘッダタンク(5)の横断面形状は第2ヘッダタンク(4)と同一である。
【0034】
そして、第3ヘッダタンク(5)内は、第2熱交換パス(P2)と第3熱交換パス(P3)との間の高さ位置に設けられたアルミニウム製仕切板(8)により上側ヘッダ部(11)と下側ヘッダ部(12)とに区画され、第2ヘッダタンク(4)の上端部に冷媒入口(13)が形成され、第3ヘッダタンク(5)の下側ヘッダ部(12)に冷媒出口(15)が形成されており、これによりグループ(G)においては、上述したように、冷媒が、上端の第1熱交換パス(P1)から下端の第2熱交換パス(P2)に向かって流れるようになっている。また、第2ヘッダタンク(4)に冷媒入口(13)に通じる冷媒入口部材(14)が接合され、第3ヘッダタンク(5)に冷媒出口(15)に通じる冷媒出口部材(16)が接合されている。
【0035】
そして、第2ヘッダタンク(4)、第1ヘッダタンク(3)における第2熱交換パス(P2)の第1熱交換管(2A)が接続された部分、第3ヘッダタンク(5)の上側ヘッダ部(11)、第1熱交換パス(P1)および第2熱交換パス(P2)により冷媒を凝縮させる凝縮部(1A)が形成され、第1ヘッダタンク(3)における第3熱交換パス(P3)の第1熱交換管(2A)が接続された部分、第3ヘッダタンク(5)の下側ヘッダ部(12)および第3熱交換パス(P3)により冷媒を過冷却する過冷却部(1B)が形成され、グループ(G)の全熱交換パスである第1および第2熱交換パス(P1)(P2)が冷媒を凝縮させる冷媒凝縮パスとなっているとともに、グループ(G)よりも下方に位置する第3熱交換パス(P3)が冷媒を過冷却する冷媒過冷却パスとなっている。
【0036】
全熱交換管(2A)(2B)は真っ直ぐであり、第1ヘッダタンク(3)に接続された第1熱交換管(2A)の左端部(第1ヘッダタンク(3)側端部)が、第2ヘッダタンク(4)に接続された第2熱交換管(2B)の左端部(第2ヘッダタンク(4)部側端部)よりも左方までのびており、これにより第1熱交換管(2A)の左側部分(第1ヘッダタンク(3)側の部分)に、第2熱交換管(2B)における左端部よりも左側(左右方向外側)に突出した突出部(2a)が設けられている。また、第1コルゲートフィン(6A)の左端部も、第2コルゲートフィン(6B)の左端部よりも左方までのびており、これにより第1コルゲートフィン(6A)の左側部分に、第2コルゲートフィン(6B)の左端部よりも左側に突出し、かつ隣り合う第1熱交換管(2A)の突出部(2a)に配置された突出部(6a)が設けられている。そして、全第1熱交換管(2A)の突出部(2a)および全第1コルゲートフィン(6A)の突出部(6a)によって、熱交換部(17)が形成されている。
図3においては、熱交換部(17)を網掛け線で示す。
【0037】
第2熱交換パス(P2)の上端の第1熱交換管(2A)と第1熱交換パス(P1)の下端の第2熱交換管(2B)との間に、これらの熱交換管(2A)(2B)と離隔するとともに、両熱交換管(2A)(2B)とほぼ平行になるように、アルミニウム製中間部材(18)が配置されている。第2熱交換パス(P2)の上端の第1熱交換管(2A)と中間部材(18)との間には第1コルゲートフィン(6A)が配置されて第1熱交換管(2A)および中間部材(18)にろう付され、第1熱交換パス(P1)の下端の第2熱交換管(2B)と中間部材(18)との間には第2コルゲートフィン(6B)が配置されて第2熱交換管(2B)および中間部材(18)にろう付されている。中間部材(18)としては、第2熱交換管(2B)と全く同じ管が用いられている。中間部材(18)の両端部は第1ヘッダタンク(3)内および第3ヘッダタンク(5)内に挿入されていないので、第2熱交換管(2B)と全く同じ管を用いることが可能になっている。
【0038】
コンデンサ(1)は、すべての部品を一括してろう付することにより製造される。
【0039】
コンデンサ(1)は、圧縮機、膨張弁(減圧器)およびエバポレータとともに冷凍サイクルを構成し、カーエアコンとして車両に搭載される。
【0040】
上述した構成のコンデンサ(1)において、圧縮機により圧縮された高温高圧の気相冷媒が、冷媒入口部材(14)および冷媒入口(13)を通って第2ヘッダタンク(4)内に流入し、第1熱交換パス(P1)の第2熱交換管(2B)内を右方に流れる間に凝縮させられて第3ヘッダタンク(5)の上側ヘッダ部(11)内に流入する。第3ヘッダタンク(5)の上側ヘッダ部(11)内に流入した冷媒は第2熱交換パス(P2)の第1熱交換管(2A)内を左方に流れる間に凝縮させられて第1ヘッダタンク(3)内に流入する。
【0041】
第1ヘッダタンク(3)内に流入した冷媒は気液混相冷媒であり、当該気液混相冷媒のうち液相主体混相冷媒は重力により第1ヘッダタンク(3)内の下部に溜まって、第3熱交換パス(P3)の第1熱交換管(2A)内に入る。第3熱交換パス(P3)の第1熱交換管(2A)内に入った液相主体混相冷媒は第1熱交換管(2A)内を右方に流れる間に過冷却された後、第3ヘッダタンク(5)の下側ヘッダ部(12)内に入り、冷媒出口(15)および冷媒出口部材(16)を通って流出し、膨張弁を経て蒸発器に送られる。
【0042】
一方、第1ヘッダタンク(3)内に流入した気液混相冷媒のうちの気相成分は、第1ヘッダタンク(3)内の上部に溜まる。
【0043】
図4〜
図14はこの発明によるコンデンサの他の実施形態を示す。なお、
図4〜
図6、
図9〜
図14はコンデンサを模式的に示すものであり、個々の熱交換管の図示は省略されるとともに、コルゲートフィン、サイドプレート、冷媒入口部材および冷媒出口部材の図示も省略されている。
【0044】
図4に示すコンデンサ(20)の場合、上下に連続して並んだ複数の熱交換管(2A)(2B)からなる熱交換パス(P1)(P2)(P3)(P4)が上下に並んで4つ設けられている。4つの熱交換パスを、上から順に第1〜第4熱交換パス(P1)(P2)(P3)(P4)というものとする。各熱交換パス(P1)(P2)(P3)(P4)を構成する全ての熱交換管(2A)(2B)の冷媒流れ方向が同一となっているとともに、隣り合う2つの熱交換パスの熱交換管(2A)(2B)の冷媒流れ方向が異なっている。
【0045】
そして、コンデンサ(20)は、上端の第1熱交換パス(P1)を含みかつ連続して並んだ少なくとも2つ、ここでは第1〜第3熱交換パス(P1)(P2)(P3)からなるグループ(G)を有するとともに、グループ(G)の下方に少なくとも1つ、ここでは第4熱交換パス(P4)が設けられている。グループ(G)おいて、冷媒は、上端の第1熱交換パス(P1)から下端の第3熱交換パス(P3)に向かって流れるようになっている。
【0046】
グループ(G)の冷媒流れ方向最下流側に位置する下端の熱交換パスおよびグループ(G)よりも下方に位置する熱交換パス、ここでは第3および第4熱交換パス(P3)(P4)を構成する熱交換管(2A)の左右両端部は、第1ヘッダタンク(3)および第3ヘッダタンク(5)にろう付により接続されている。また、残りの全熱交換パス、ここでは第1および第2熱交換パス(P1)(P2)を構成する熱交換管(2B)の左右両端部は、第2ヘッダタンク(4)および第3ヘッダタンク(5)にろう付により接続されている。したがって、第3および第4熱交換パス(P3)(P4)を構成する熱交換管(2A)が第1熱交換管であり、第1および第2熱交換パス(P1)(P2)を構成する熱交換管(2B)が第2熱交換管である。
【0047】
第3ヘッダタンク(5)内は、第1熱交換パス(P1)と第2熱交換パス(P2)との間の高さ位置、および第3熱交換パス(P3)と第4熱交換パス(P4)との間の高さ位置にそれぞれ設けられたアルミニウム製仕切板(21)(22)により上側ヘッダ部(23)と、中間ヘッダ部(24)と、下側ヘッダ部(25)とに区画され、第3ヘッダタンク(5)の上側ヘッダ部(23)に冷媒入口(26)が形成され、第3ヘッダタンク(5)の下側ヘッダ部(25)に冷媒出口(27)が形成されている。また、第1熱交換パス(P1)の第2熱交換管(2B)の左端部は第2ヘッダタンク(4)に、同右端部は第3ヘッダタンク(5)の上側ヘッダ部(23)にそれぞれ接続され、第2熱交換パス(P2)の第2熱交換管(2B)の左端部は第2ヘッダタンク(4)に、同右端部は第3ヘッダタンク(5)の中間ヘッダ部(24)にそれぞれ接続され、第3熱交換パス(P3)の第1熱交換管(2A)の左端部は第1ヘッダタンク(3)に、同右端部は第3ヘッダタンク(5)の中間ヘッダ部(24)にそれぞれ接続され、第4熱交換パス(P4)の第1熱交換管(2A)の左端部は第1ヘッダタンク(3)に、同右端部は第3ヘッダタンク(5)の下側ヘッダ部(25)にそれぞれ接続されている。その結果、グループ(G)においては、上述したように、冷媒が、上端の第1熱交換パス(P1)から下端の第3熱交換パス(P3)に向かって流れるようになっている。なお、第3ヘッダタンク(5)に、冷媒入口(26)に通じる冷媒入口部材(図示略)および冷媒出口(27)に通じる冷媒出口部材(図示略)が接合されている。
【0048】
そして、第2ヘッダタンク(4)、第1ヘッダタンク(3)における第3熱交換パス(P3)の第1熱交換管(2A)が接続された部分、第3ヘッダタンク(5)の上側ヘッダ部(23)および中間ヘッダ部(24)、ならびに第1〜第3熱交換パス(P1)〜(P3)により冷媒を凝縮させる凝縮部(20A)が形成され、第1ヘッダタンク(3)における第4熱交換パス(P4)の第1熱交換管(2A)が接続された部分、第3ヘッダタンク(5)の下側ヘッダ部(25)および第4熱交換パス(P4)により冷媒を過冷却する過冷却部(20B)が形成され、グループ(G)の全熱交換パスである第1〜第3熱交換パス(P1)〜(P3)が冷媒を凝縮させる冷媒凝縮パスとなっているとともに、グループ(G)よりも下方に位置する第4熱交換パス(P4)が冷媒を過冷却する冷媒過冷却パスとなっている。
【0049】
図示は省略したが、
図4に示すコンデンサ(20)において、第3熱交換パス(P3)の上端の第1熱交換管(2A)と第2熱交換パス(P2)の下端の第2熱交換管(2B)との間に、これらの熱交換管(2A)(2B)と離隔するとともに、両熱交換管(2A)(2B)とほぼ平行になるように、アルミニウム製中間部材(18)が配置されている。第3熱交換パス(P3)の上端の第1熱交換管(2A)と中間部材(18)との間には第1コルゲートフィン(6A)が配置されて第1熱交換管(2A)および中間部材(18)にろう付され、第2熱交換パス(P2)の下端の第2熱交換管(2B)と中間部材(18)との間には第2コルゲートフィン(6B)が配置されて第2熱交換管(2B)および中間部材(18)にろう付されている。
【0050】
その他の構成は
図1〜
図3に示すコンデンサと同様である。
【0051】
図4に示すコンデンサ(20)において、圧縮機により圧縮された高温高圧の気相冷媒が、冷媒入口部材および冷媒入口(26)を通って第3ヘッダタンク(5)の上側ヘッダ部(23)内に流入し、第1熱交換パス(P1)の第2熱交換管(2B)内を左方に流れる間に凝縮させられて第2ヘッダタンク(4)内に流入する。第2ヘッダタンク(4)内に流入した冷媒は、第2熱交換パス(P2)の第2熱交換管(2B)内を右方に流れる間に凝縮させられて第3ヘッダタンク(5)の中間ヘッダ部(24)内に流入する。第3ヘッダタンク(5)の中間ヘッダ部(24)内に流入した冷媒は第3熱交換パス(P3)の第1熱交換管(2A)内を左方に流れる間に凝縮させられて第1ヘッダタンク(3)内に流入する。
【0052】
第1ヘッダタンク(3)内に流入した冷媒は気液混相冷媒であり、当該気液混相冷媒のうち液相主体混相冷媒は重力により第1ヘッダタンク(3)内の下部に溜まり、第4熱交換パス(P4)の第1熱交換管(2A)内に入る。第4熱交換パス(P4)の第1熱交換管(2A)内に入った液相主体混相冷媒は第1熱交換管(2A)内を右方に流れる間に過冷却された後、第3ヘッダタンク(5)の下側ヘッダ部(25)内に入り、冷媒出口(27)および冷媒出口部材を通って流出し、膨張弁を経て蒸発器に送られる。
【0053】
一方、第1ヘッダタンク(3)内に流入した気液混相冷媒のうちの気相成分は、第1ヘッダタンク(3)内の上部に溜まる。
【0054】
図5に示すコンデンサ(30)の場合、第1ヘッダタンク(3)は、上端が開口するとともに下端が閉鎖されたアルミニウム製筒状本体(31)と、筒状本体(31)の上端部に着脱自在に取り付けられて筒状本体(31)の上端開口を閉鎖する蓋体(32)とにより構成されている。コンデンサ(30)の製造時には、筒状本体(31)のみが他の部材と同時に一括ろう付され、コンデンサ(30)の製造後に蓋体(32)が筒状本体(31)に取り付けられる。
【0055】
また、第1ヘッダタンク(3)内に乾燥剤(33)が配置されており、当該乾燥剤(33)によって、第3熱交換パス(P3)の第1熱交換管(2A)を通って第1ヘッダタンク(3)内に流入した冷媒中の水分が除去されるようになっている。乾燥剤(33)は、コンデンサ(30)の製造後に、蓋体(32)を筒状本体(31)に取り付ける前に筒状本体(31)内に入れられる。
【0056】
その他の構成は、
図4に示すコンデンサ(20)と同様であり、
図4に示すコンデンサ(20)の場合と同様にして冷媒が流れる。なお、
図5において、
図4に示すコンデンサ(20)と同様な構成である凝縮部を(30A)で示し、同じく過冷却部を(30B)で示す。
【0057】
図6および
図7に示すコンデンサ(35)の場合、第1ヘッダタンク(3)内における第3熱交換パス(P3)と第4熱交換パス(P4)との間の高さ位置に、アルミニウム製気液分離部材(36)が設けられている。気液分離部材(36)は板状であり、整流用貫通穴(37)が形成されている。気液分離部材(36)は、第3熱交換パス(P3)の第1熱交換管(2A)から第1ヘッダタンク(3)内に流入してくる冷媒の流動による攪拌渦の影響が、第1ヘッダタンク(3)内における気液分離部材(36)よりも下方の部分に伝わりにくくすることにより、気液混相冷媒のうちの気相成分を第1ヘッダタンク(3)内の上部に分離させるものである。その結果、液相主体混相冷媒のみが整流用貫通穴(37)を通して第1ヘッダタンク(3)内における気液分離部材(36)よりも下方の部分に送り込まれ、これにより液相主体混相冷媒が第4熱交換パス(P4)の第1熱交換管(2A)内に効率良く流入させられる。
【0058】
なお、第1ヘッダタンク(3)内における気液分離部材(36)よりも上方の部分に乾燥剤(33)が配置されていてもよい。この場合、
図5に示すコンデンサ(30)の場合と同様に、第1ヘッダタンク(3)を、上端が開口するとともに下端が閉鎖されたアルミニウム製筒状本体(31)と、筒状本体(31)の上端部に着脱自在に取り付けられて筒状本体(31)の上端開口を閉鎖する蓋体(32)とにより構成しておき、コンデンサ(30)の製造時には、筒状本体(31)のみを他の部材と同時に一括ろう付し、コンデンサ(30)の製造後に乾燥剤(33)を筒状体(31)内に入れた後、蓋体(32)を筒状本体(31)に取り付ける。
【0059】
その他の構成は、
図4に示すコンデンサ(20)と同様であり、
図4に示すコンデンサ(20)の場合と同様にして冷媒が流れる。なお、
図6および
図7において、
図4に示すコンデンサ(20)と同様な構成である凝縮部を(35A)で示し、同じく過冷却部を(35B)で示す。
【0060】
図6および
図7に示すコンデンサ(35)おいて、第1ヘッダタンク(3)内における第3熱交換パス(P3)と第4熱交換パス(P4)との間の高さ位置に、気液分離部材(36)に代えて、
図8に示すようなフィルタ(40)が配置される場合もある。フィルタ(40)は、貫通穴(42)を有するアルミニウム製板状本体(41)に、貫通穴(42)を塞ぐようにステンレス鋼製メッシュ(43)が固定されたものである。この場合、冷媒中の異物の除去を行うことができる。
【0061】
図9に示すコンデンサ(50)の場合、上下に連続して並んだ複数の熱交換管(2A)(2B)からなる熱交換パス(P1)(P2)(P3)(P4)が上下に並んで4つ設けられている。4つの熱交換パスを、上から順に第1〜第4熱交換パス(P1)(P2)(P3)(P4)というものとする。各熱交換パス(P1)(P2)(P3)(P4)を構成する全ての熱交換管(2A)(2B)の冷媒流れ方向が同一となっているとともに、隣り合う2つの熱交換パスの熱交換管(2A)(2B)の冷媒流れ方向が異なっている。
【0062】
そして、コンデンサ(50)は、上端の第1熱交換パス(P1)を含みかつ連続して並んだ少なくとも2つ、ここでは第1および第2熱交換パス(P1)(P2)からなるグループ(G)を有するとともに、グループ(G)の下方に少なくとも1つ、ここでは第3および第4熱交換パス(P3)(P4)が設けられている。グループ(G)おいて、冷媒は、上端の第1熱交換パス(P1)から下端の第2熱交換パス(P2)に向かって流れるようになっている。
【0063】
グループ(G)の冷媒流れ方向最下流側に位置する下端の熱交換パスおよびグループ(G)よりも下方に位置する熱交換パス、ここでは第2〜第4熱交換パス(P2)(P3)(P4)を構成する熱交換管(2A)の左右両端部は、第1ヘッダタンク(3)および第3ヘッダタンク(5)にろう付により接続されている。また、残りの全熱交換パス、ここでは第1熱交換パス(P1)を構成する熱交換管(2B)の左右両端部は、第2ヘッダタンク(4)および第3ヘッダタンク(5)にろう付により接続されている。したがって、第2〜第4熱交換パス(P2)(P3)(P4)を構成する熱交換管(2A)が第1熱交換管であり、第1熱交換パス(P1)を構成する熱交換管(2B)が第2熱交換管である。
【0064】
第1ヘッダタンク(3)内は、第3熱交換パス(P3)と第4熱交換パス(P4)との間の高さ位置に設けられたアルミニウム製仕切板(51)により上側ヘッダ部(52)と下側ヘッダ部(53)とに区画され、第3ヘッダタンク(5)内は、第2熱交換パス(P2)と第3熱交換パス(P3)との間の高さ位置に設けられたアルミニウム製仕切板(54)により上側ヘッダ部(55)と下側ヘッダ部(56)とに区画され、第2ヘッダタンク(4)の上端部に冷媒入口(57)が形成され、第1ヘッダタンク(3)の下側ヘッダ部(53)に冷媒出口(58)が形成されている。また、第1熱交換パス(P1)の第2熱交換管(2B)の左端部は第2ヘッダタンク(4)に、同右端部は第3ヘッダタンク(5)の上側ヘッダ部(55)にそれぞれ接続され、第2熱交換パス(P2)の第1熱交換管(2A)の左端部は第1ヘッダタンク(3)の上側ヘッダ部(52)に、同右端部は第3ヘッダタンク(5)の上側ヘッダ部(55)にそれぞれ接続され、第3熱交換パス(P3)の第1熱交換管(2A)の左端部は第1ヘッダタンク(3)の上側ヘッダ部(52)に、同右端部は第3ヘッダタンク(5)の下側ヘッダ部(56)にそれぞれ接続され、第4熱交換パス(P4)の第1熱交換管(2A)の左端部は第1ヘッダタンク(3)の下側ヘッダ部(53)に、同右端部は第3ヘッダタンク(5)の下側ヘッダ部(56)にそれぞれ接続されている。その結果、グループ(G)においては、上述したように、冷媒が、上端の第1熱交換パス(P1)から下端の第2熱交換パス(P2)に向かって流れるようになっている。なお、第2ヘッダタンク(5)に、冷媒入口(57)に通じる冷媒入口部材(図示略)および冷媒出口(58)に通じる冷媒出口部材(図示略)が接合されている。
【0065】
そして、第2ヘッダタンク(4)、第1ヘッダタンク(3)における第2熱交換パス(P2)の第1熱交換管(2A)が接続された部分、第3ヘッダタンク(5)の上側ヘッダ部(55)、ならびに第1および第2熱交換パス(P1)(P2)により冷媒を凝縮させる凝縮部(50A)が形成され、第1ヘッダタンク(3)における第3および第4熱交換パス(P3)(P4)の第1熱交換管(2A)が接続された部分、第3ヘッダタンク(5)の下側ヘッダ部(56)、ならびに第3および第4熱交換パス(P3)(P4)により冷媒を過冷却する過冷却部(50B)が形成され、グループ(G)の全熱交換パスである第1および第2熱交換パス(P1)(P2)が冷媒を凝縮させる冷媒凝縮パスとなっているとともに、グループ(G)よりも下方に位置する第3および第4熱交換パス(P3)(P4)が冷媒を過冷却する冷媒過冷却パスとなっている。
【0066】
図示は省略したが、
図9に示すコンデンサ(50)において、第2熱交換パス(P4)の上端の第1熱交換管(2A)と第1熱交換パス(P1)の下端の第2熱交換管(2B)との間に、これらの熱交換管(2A)(2B)と離隔するとともに、両熱交換管(2A)(2B)とほぼ平行になるように、アルミニウム製中間部材(18)が配置されている。第2熱交換パス(P2)の上端の第1熱交換管(2A)と中間部材(18)との間には第1コルゲートフィン(6A)が配置されて第1熱交換管(2A)および中間部材(18)にろう付され、第1熱交換パス(P1)の下端の第2熱交換管(2B)と中間部材(18)との間には第2コルゲートフィン(6B)が配置されて第2熱交換管(2B)および中間部材(18)にろう付されている。
【0067】
その他の構成は
図1〜
図3に示すコンデンサと同様である。
【0068】
図9に示すコンデンサ(50)において、圧縮機により圧縮された高温高圧の気相冷媒が、冷媒入口部材および冷媒入口(57)を通って第2ヘッダタンク(4)内に流入し、第1熱交換パス(P1)の第2熱交換管(2B)内を右方に流れる間に凝縮させられて第3ヘッダタンク(5)の上側ヘッダ部(55)内に流入する。第3ヘッダタンク(5)の上側ヘッダ部(55)内に流入した冷媒は第2熱交換パス(P2)の第1熱交換管(2A)内を左方に流れる間に凝縮させられて第1ヘッダタンク(3)の上側ヘッダ部(52)内に流入する。
【0069】
第1ヘッダタンク(3)の上側ヘッダ部(52)内に流入した冷媒は気液混相冷媒であり、当該気液混相冷媒のうち液相主体混相冷媒は重力により第1ヘッダタンク(3)の上側ヘッダ部(52)内の下部に溜まり、第3熱交換パス(P3)の第1熱交換管(2A)内に入る。第3熱交換パス(P3)の第1熱交換管(2A)内に入った液相主体混相冷媒は第1熱交換管(2A)内を右方に流れる間に過冷却された後、第3ヘッダタンク(5)の下側ヘッダ部(56)内に流入する。第3ヘッダタンク(5)の下側ヘッダ部(56)内に流入した液相主体混相冷媒は、第4熱交換パス(P4)の第1熱交換管(2A)内を左方に流れる間に過冷却された後、第1ヘッダタンク(3)の下側ヘッダ部(53)内に入り、冷媒出口(58)および冷媒出口部材を通って流出し、膨張弁を経て蒸発器に送られる。
【0070】
一方、第1ヘッダタンク(3)の上側ヘッダ部(52)内に流入した気液混相冷媒のうちの気相成分は、第1ヘッダタンク(3)の上側ヘッダ部(52)内の上部に溜まる。
【0071】
図10に示すコンデンサ(60)の場合、上下に連続して並んだ複数の熱交換管(2A)(2B)からなる熱交換パス(P1)(P2)(P3)(P4)(P5)が上下に並んで5つ設けられている。5つの熱交換パスを、上から順に第1〜第5熱交換パス(P1)(P2)(P3)(P4)(P5)というものとする。各熱交換パス(P1)(P2)(P3)(P4)(P5)を構成する全ての熱交換管(2A)(2B)の冷媒流れ方向が同一となっているとともに、隣り合う2つの熱交換パスの熱交換管(2A)(2B)の冷媒流れ方向が異なっている。
【0072】
そして、コンデンサ(60)は、上端の第1熱交換パス(P1)を含みかつ連続して並んだ少なくとも2つ、ここでは第1〜第3熱交換パス(P1)(P2)(P3)からなるグループ(G)を有するとともに、グループ(G)の下方に少なくとも1つ、ここでは第4および第5熱交換パス(P4)(P5)が設けられている。グループ(G)おいて、冷媒は、上端の第1熱交換パス(P1)から下端の第3熱交換パス(P3)に向かって流れるようになっている。
【0073】
グループ(G)の冷媒流れ方向最下流側に位置する下端の熱交換パスおよびグループ(G)よりも下方に位置する熱交換パス、ここでは第3〜第5熱交換パス(P3)(P4)(P5)を構成する熱交換管(2A)の左右両端部は、第1ヘッダタンク(3)および第3ヘッダタンク(5)にろう付により接続されている。また、残りの全熱交換パス、ここでは第1および第2熱交換パス(P1)(P2)を構成する熱交換管(2B)の左右両端部は、第2ヘッダタンク(4)および第3ヘッダタンク(5)にろう付により接続されている。したがって、第3〜第5熱交換パス(P3)(P4)(P5)を構成する熱交換管(2A)が第1熱交換管であり、第1および第2熱交換パス(P1)(P2)を構成する熱交換管(2B)が第2熱交換管である。
【0074】
第1ヘッダタンク(3)内は、第4熱交換パス(P4)と第5熱交換パス(P5)との間の高さ位置に設けられたアルミニウム製仕切板(61)により上側ヘッダ部(62)と下側ヘッダ部(63)とに区画され、第3ヘッダタンク(5)内は、第1熱交換パス(P1)と第2熱交換パス(P2)との間の高さ位置、および第3熱交換パス(P3)と第4熱交換パス(P4)との間の高さ位置にそれぞれ設けられたアルミニウム製仕切板(64)(65)により上側ヘッダ部(66)と、中間ヘッダ部(67)と、下側ヘッダ部(68)とに区画され、第3ヘッダタンク(5)の上側ヘッダ部(66)に冷媒入口(69A)が形成され、過冷却部(60B)を構成する第1ヘッダタンク(3)の下側ヘッダ部(63)に冷媒出口(69B)が形成されている。また、第1熱交換パス(P1)の第2熱交換管(2B)の左端部は第2ヘッダタンク(4)に、同右端部は第3ヘッダタンク(5)の上側ヘッダ部(66)にそれぞれ接続され、第2熱交換パス(P2)の第2熱交換管(2B)の左端部は第2ヘッダタンク(4)に、同右端部は第3ヘッダタンク(5)の中間ヘッダ部(67)にそれぞれ接続され、第3熱交換パス(P3)の第1熱交換管(2A)の左端部は第1ヘッダタンク(3)の上側ヘッダ部(62)に、同右端部は第3ヘッダタンク(5)の中間ヘッダ部(67)にそれぞれ接続され、第4熱交換パス(P4)の第1熱交換管(2A)の左端部は第1ヘッダタンク(3)の上側ヘッダ部(62)に、同右端部は第3ヘッダタンク(5)の下側ヘッダ部(68)にそれぞれ接続され、第5熱交換パス(P5)の第1熱交換管(2A)の左端部は第1ヘッダタンク(3)の下側ヘッダ部(63)に、同右端部は第3ヘッダタンク(5)の下側ヘッダ部(68)にそれぞれ接続されている。その結果、グループ(G)においては、上述したように、冷媒が、上端の第1熱交換パス(P1)から下端の第3熱交換パス(P3)に向かって流れるようになっている。なお、第3ヘッダタンク(5)に冷媒入口(69A)に通じる冷媒入口部材(図示略)が接合され、第1ヘッダタンク(3)に冷媒出口(69B)に通じる冷媒出口部材(図示略)が接合されている。
【0075】
図示は省略したが、
図10に示すコンデンサ(60)において、第3熱交換パス(P3)の上端の第1熱交換管(2A)と第2熱交換パス(P2)の下端の第2熱交換管(2B)との間に、これらの熱交換管(2A)(2B)と離隔するとともに、両熱交換管(2A)(2B)とほぼ平行になるように、アルミニウム製中間部材(18)が配置されている。第3熱交換パス(P3)の上端の第1熱交換管(2A)と中間部材(18)との間には第1コルゲートフィン(6A)が配置されて第1熱交換管(2A)および中間部材(18)にろう付され、第2熱交換パス(P2)の下端の第2熱交換管(2B)と中間部材(18)との間には第2コルゲートフィン(6B)が配置されて第2熱交換管(2B)および中間部材(18)にろう付されている。
【0076】
その他の構成は
図1〜
図3に示すコンデンサと同様である。
【0077】
図10に示すコンデンサ(60)において、圧縮機により圧縮された高温高圧の気相冷媒が、冷媒入口部材および冷媒入口(69A)を通って第3ヘッダタンク(5)の上側ヘッダ部(66)内に流入し、第1熱交換パス(P1)の第2熱交換管(2B)内を左方に流れる間に凝縮させられて第2ヘッダタンク(4)内に流入する。第2ヘッダタンク(4)内に流入した冷媒は第2熱交換パス(P2)の第2熱交換管(2B)内を右方に流れる間に凝縮させられて第3ヘッダタンク(5)の中間ヘッダ部(67)内に流入し、第3熱交換パス(P3)の第1熱交換管(2A)内を左方に流れる間に凝縮させられて第1ヘッダタンク(3)の上側ヘッダ部(62)内に流入する。
【0078】
第1ヘッダタンク(3)の上側ヘッダ部(62)内に流入した冷媒は気液混相冷媒であり、当該気液混相冷媒のうち液相主体混相冷媒は重力により第1ヘッダタンク(3)の上側ヘッダ部(62)内の下部に溜まり、第4熱交換パス(P4)の第1熱交換管(2A)内に入る。第4熱交換パス(P4)の第1熱交換管(2A)内に入った液相主体混相冷媒は第1熱交換管(2A)内を右方に流れる間に過冷却された後、第3ヘッダタンク(5)の下側ヘッダ部(68)内に流入する。第3ヘッダタンク(5)の下側ヘッダ部(68)内に流入した液相主体混相冷媒は、第5熱交換パス(P5)の第1熱交換管(2A)内を左方に流れる間に過冷却された後、第1ヘッダタンク(3)の下側ヘッダ部(63)内に入り、冷媒出口(69B)および冷媒出口部材を通って流出し、膨張弁を経て蒸発器に送られる。
【0079】
一方、第1ヘッダタンク(3)の上側ヘッダ部(62)内に流入した気液混相冷媒のうちの気相成分は、第1ヘッダタンク(3)の上側ヘッダ部(62)内の上部に溜まる。
【0080】
図11に示すコンデンサ(70)の場合、上下に連続して並んだ複数の熱交換管(2A)(2B)からなる熱交換パス(P1)(P2)(P3)(P4)が上下に並んで4つ設けられている。上側の3つの熱交換パスを、下から順に第1〜第3熱交換パス(P1)(P2)(P3)というものとし、下端の熱交換パスを第4熱交換パス(P4)というものとする。各熱交換パス(P1)(P2)(P3)(P4)を構成する全ての熱交換管(2A)(2B)の冷媒流れ方向が同一となっているとともに、隣り合う2つの熱交換パスの熱交換管(2A)(2B)の冷媒流れ方向が異なっている。
【0081】
そして、コンデンサ(70)は、上端の第3熱交換パス(P3)を含みかつ連続して並んだ少なくとも2つ、ここでは第1〜第3熱交換パス(P1)(P2)(P3)からなるグループ(G)を有するとともに、グループ(G)の下方に少なくとも1つ、ここでは第4熱交換パス(P4)が設けられている。グループ(G)おいて、冷媒は、下端の第1熱交換パス(P1)から上端の第3熱交換パス(P3)に向かって流れるようになっている。
【0082】
グループ(G)の冷媒流れ方向最下流側に位置する上端の熱交換パスおよびグループ(G)よりも下方に位置する熱交換パス、ここでは第3および第4熱交換パス(P3)(P4)を構成する熱交換管(2A)の左右両端部は、第1ヘッダタンク(3)および第3ヘッダタンク(5)にろう付により接続されている。また、残りの全熱交換パス、ここでは第1および第2熱交換パス(P1)(P2)を構成する熱交換管(2B)の左右両端部は、第2ヘッダタンク(4)および第3ヘッダタンク(5)にろう付により接続されている。なお、第1ヘッダタンク(3)の上端が第2ヘッダタンク(4)の上端よりも上方に位置するとともに、第1ヘッダタンク(3)の下端が第2ヘッダタンク(4)の下端よりも下方に位置しており、第1ヘッダタンク(3)における第2ヘッダタンク(4)よりも上方に位置する部分に、グループ(G)の上端の第3熱交換パス(P3)を構成する熱交換管(2A)がろう付により接続され、第1ヘッダタンク(3)における第2ヘッダタンク(4)よりも下方に位置する部分に、グループ(G)よりも下方に設けられた第4熱交換パス(P4)を構成する熱交換管(2A)がろう付により接続されている。したがって、第3および第4熱交換パス(P3)(P4)を構成する熱交換管(2A)が第1熱交換管であり、第1および第2熱交換パス(P1)(P2)を構成する熱交換管(2B)が第2熱交換管である。
【0083】
第3ヘッダタンク(5)内は、第1熱交換パス(P1)と第2熱交換パス(P2)との間の高さ位置、および第1熱交換パス(P1)と第4熱交換パス(P4)との間の高さ位置にそれぞれ高さ位置に設けられたアルミニウム製仕切板(71)(72)により中間ヘッダ部(73)と、上側ヘッダ部(74)と、下側ヘッダ部(75)とに区画され、第3ヘッダタンク(5)の中間ヘッダ部(73)の下端部に冷媒入口(76)が形成され、第3ヘッダタンク(5)の下側ヘッダ部(75)に冷媒出口(77)が形成されている。また、第1熱交換パス(P1)の第2熱交換管(2B)の左端部は第2ヘッダタンク(4)に、同右端部は第3ヘッダタンク(5)の中間ヘッダ部(73)にそれぞれ接続され、第2熱交換パス(P2)の第2熱交換管(2B)の左端部は第2ヘッダタンク(4)に、同右端部は第3ヘッダタンク(5)の上側ヘッダ部(74)にそれぞれ接続され、第3熱交換パス(P3)の第1熱交換管(2A)の左端部は第1ヘッダタンク(3)に、同右端部は第3ヘッダタンク(5)の上側ヘッダ部(74)にそれぞれ接続され、第4熱交換パス(P4)の第1熱交換管(2A)の左端部は第1ヘッダタンク(3)に、同右端部は第3ヘッダタンク(5)の下側ヘッダ部(75)にそれぞれ接続されている。その結果、グループ(G)においては、上述したように、冷媒が、下端の第1熱交換パス(P1)から上端の第3熱交換パス(P3)に向かって流れるようになっている。なお、第3ヘッダタンク(5)に、冷媒入口(76)に通じる冷媒入口部材(図示略)および冷媒出口(77)に通じる冷媒出口部材(図示略)が接合されている。
【0084】
そして、第2ヘッダタンク(4)、第1ヘッダタンク(3)における第3熱交換パス(P3)の第1熱交換管(2A)が接続された部分、第3ヘッダタンク(5)の中間ヘッダ部(73)および上側ヘッダ部(74)、ならびに第1〜第3熱交換パス(P1)〜(P3)により冷媒を凝縮させる凝縮部(70A)が形成され、第1ヘッダタンク(3)における第4熱交換パス(P4)の第1熱交換管(2A)が接続された部分、第3ヘッダタンク(5)の下側ヘッダ部(75)および第4熱交換パス(P4)により冷媒を過冷却する過冷却部(70B)が形成され、グループ(G)の全熱交換パスである第1〜第3熱交換パス(P1)〜(P3)が冷媒を凝縮させる冷媒凝縮パスとなっているとともに、グループ(G)よりも下方に位置する第4熱交換パス(P4)が冷媒を過冷却する冷媒過冷却パスとなっている。
【0085】
図示は省略したが、
図11に示すコンデンサ(70)において、第3熱交換パス(P3)の下端の第1熱交換管(2A)と第2熱交換パス(P2)の上端の第2熱交換管(2B)との間、および第4熱交換パス(P4)の上端の第1熱交換管(2A)と第1熱交換パス(P2)の下端の第2熱交換管(2B)との間に、それぞれこれらの熱交換管(2A)(2B)と離隔するとともに、両熱交換管(2A)(2B)とほぼ平行になるように、アルミニウム製中間部材(18)が配置されている。第3熱交換パス(P3)の下端の第1熱交換管(2A)および第4熱交換パス(P4)の上端の第1熱交換管(2A)と中間部材(18)との間には第1コルゲートフィン(6A)が配置されて第1熱交換管(2A)および中間部材(18)にろう付され、第2熱交換パス(P2)の上端の第2熱交換管(2B)および第1熱交換パス(P1)の下端の第2熱交換管(2B)と中間部材(18)との間には第2コルゲートフィン(6B)が配置されて第2熱交換管(2B)および中間部材(18)にろう付されている。
【0086】
その他の構成は
図1〜
図3に示すコンデンサと同様である。
【0087】
図11に示すコンデンサ(70)において、圧縮機により圧縮された高温高圧の気相冷媒が、冷媒入口部材および冷媒入口(76)を通って第3ヘッダタンク(5)の中間ヘッダ部(73)内に流入し、第1熱交換パス(P1)の第2熱交換管(2B)内を左方に流れる間に凝縮させられて第2ヘッダタンク(4)内に流入する。第2ヘッダタンク(4)内に流入した冷媒は、第2熱交換パス(P2)の第2熱交換管(2B)内を右方に流れる間に凝縮させられて第3ヘッダタンク(5)の上側ヘッダ部(74)内に流入する。第3ヘッダタンク(5)の上側ヘッダ部(74)内に流入した冷媒は第3熱交換パス(P3)の第1熱交換管(2A)内を左方に流れる間に凝縮させられて第1ヘッダタンク(3)内に流入する。
【0088】
第1ヘッダタンク(3)内に流入した冷媒は気液混相冷媒であり、当該気液混相冷媒のうち液相主体混相冷媒は重力により第1ヘッダタンク(3)内の下部に溜まり、第4熱交換パス(P4)の第1熱交換管(2A)内に入る。第4熱交換パス(P4)の第1熱交換管(2A)内に入った液相主体混相冷媒は第1熱交換管(2A)内を右方に流れる間に過冷却された後、第3ヘッダタンク(5)の下側ヘッダ部(75)内に入り、冷媒出口(77)および冷媒出口部材を通って流出し、膨張弁を経て蒸発器に送られる。
【0089】
一方、第1ヘッダタンク(3)内に流入した気液混相冷媒のうちの気相成分は、第1ヘッダタンク(3)内の上部に溜まる。
【0090】
図12に示すコンデンサ(80)の場合、上下に連続して並んだ複数の熱交換管(2A)(2B)からなる熱交換パス(P1)(P2)が上下に並んで2つ設けられている。2つの熱交換パスを、上から順に第1〜第2熱交換パス(P1)(P2)というものとする。各熱交換パス(P1)(P2)を構成する全ての熱交換管(2A)(2B)の冷媒流れ方向が同一となっているとともに、隣り合う2つの熱交換パスの熱交換管(2A)(2B)の冷媒流れ方向が異なっている。
【0091】
第1熱交換パス(P1)を構成する熱交換管(2B)の左右両端部は、第2ヘッダタンク(4)および第3ヘッダタンク(5)にろう付により接続されている。第2熱交換パス(P2)を構成する熱交換管(2A)の左右両端部は、第1ヘッダタンク(3)および第3ヘッダタンク(5)にろう付により接続されている。なお、第1ヘッダタンク(3)の上端、すなわち第1ヘッダタンク(3)における第1ヘッダタンク(3)に接続された熱交換管(2A)により構成される第2熱交換パス(P2)が位置する側とは反対側の一端部が、第2ヘッダタンク(4)の長さ方向の中間部に位置している。したがって、第2熱交換パス(P2)を構成する熱交換管(2A)が第1熱交換管であり、第1熱交換パス(P1)を構成する熱交換管(2B)が第2熱交換管である。
【0092】
そして、第1〜第3ヘッダタンク(3)〜(5)、ならびに第1および第2熱交換パス(P1)(P2)により冷媒を凝縮させる凝縮部(80A)が形成され、第1および第2熱交換パス(P1)(P2)、すなわちすべての熱交換パスが冷媒を凝縮させる冷媒凝縮パスとなっている。
【0093】
凝縮部(80A)を構成する第2ヘッダタンク(4)の上端部に冷媒入口(81)が形成され、第1ヘッダタンク(3)の下端部に冷媒出口(82)が形成されている。そして、第1ヘッダタンク(5)に冷媒入口(81)に通じる冷媒入口部材(図示略)が接合され、同じく第1ヘッダタンク(3)に冷媒出口(82)に通じる冷媒出口部材(図示略)が接合されている。
【0094】
図示は省略したが、
図12に示すコンデンサ(80)において、第2熱交換パス(P2)の上端の第1熱交換管(2A)と第1熱交換パス(P1)の下端の第2熱交換管(2B)との間に、これらの熱交換管(2A)(2B)と離隔するとともに、両熱交換管(2A)(2B)とほぼ平行になるように、アルミニウム製中間部材(18)が配置されている。第2熱交換パス(P2)の上端の第1熱交換管(2A)と中間部材(18)との間には第1コルゲートフィン(6A)が配置されて第1熱交換管(2A)および中間部材(18)にろう付され、第1熱交換パス(P1)の下端の第2熱交換管(2B)と中間部材(18)との間には第2コルゲートフィン(6B)が配置されて第2熱交換管(2B)および中間部材(18)にろう付されている。
【0095】
その他の構成は
図1〜
図3に示すコンデンサと同様である。
【0096】
図12に示すコンデンサ(80)において、圧縮機により圧縮された高温高圧の気相冷媒が、冷媒入口部材および冷媒入口(81)を通って第2ヘッダタンク(4)内に流入し、第1熱交換パス(P1)の第2熱交換管(2B)内を右方に流れる間に凝縮させられて第3ヘッダタンク(5)内に流入する。第3ヘッダタンク(5)内に流入した冷媒は、第2熱交換パス(P2)の第1熱交換管(2A)内を左方に流れる間に凝縮させられて第1ヘッダタンク(3)内に流入する。
【0097】
第1ヘッダタンク(3)内に流入した冷媒は気液混相冷媒であり、当該気液混相冷媒のうち液相主体混相冷媒は重力により第1ヘッダタンク(3)内の下部に溜まり、冷媒出口(82)および冷媒出口部材を通って流出し、膨張弁を経て蒸発器に送られる。
【0098】
一方、第1ヘッダタンク(3)内に流入した気液混相冷媒のうちの気相成分は、第1ヘッダタンク(3)内の上部に溜まる。
【0099】
図13に示すコンデンサ(90)の場合、上下に連続して並んだ複数の熱交換管(2A)(2B)からなる熱交換パス(P1)(P2)(P3)が上下に並んで3つ設けられている。3つの熱交換パスを、上から順に第1〜第3熱交換パス(P1)(P2)(P3)というものとする。各熱交換パス(P1)(P2)(P3)を構成する全ての熱交換管(2A)(2B)の冷媒流れ方向が同一となっているとともに、隣り合う2つの熱交換パスの熱交換管(2A)(2B)の冷媒流れ方向が異なっている。
【0100】
第1および第2熱交換パス(P1)(P2)を構成する熱交換管(2B)の左右両端部は、第2ヘッダタンク(4)および第3ヘッダタンク(5)にろう付により接続されている。第3熱交換パス(P3)を構成する熱交換管(2A)の左右両端部は、第1ヘッダタンク(3)および第3ヘッダタンク(5)にろう付により接続されている。なお、第1ヘッダタンク(3)の上端、すなわち第1ヘッダタンク(3)における第1ヘッダタンク(3)に接続された熱交換管(2A)により構成される第2熱交換パス(P2)が位置する側とは反対側の一端部が、第2ヘッダタンク(4)の長さ方向の中間部に位置している。したがって、第3熱交換パス(P3)を構成する熱交換管(2A)が第1熱交換管であり、第1および第2熱交換パス(P1)(P2)を構成する熱交換管(2B)が第2熱交換管である。
【0101】
第3ヘッダタンク(5)内は、第1熱交換パス(P1)と第2熱交換パス(P2)との間の高さ位置に設けられたアルミニウム製仕切板(91)により上側ヘッダ部(92)と下側ヘッダ部(93)とに区画され、第3ヘッダタンク(5)の上側ヘッダ部(92)の上端部に冷媒入口(94)が形成され、第1ヘッダタンク(3)の下端部に冷媒出口(95)が形成されている。また、第1熱交換パス(P1)の第2熱交換管(2B)の左端部は第2ヘッダタンク(4)に、同右端部は第3ヘッダタンク(5)の上側ヘッダ部(92)にそれぞれ接続され、第2熱交換パス(P2)の第2熱交換管(2B)の左端部は第2ヘッダタンク(4)に、同右端部は第3ヘッダタンク(5)の下側ヘッダ部(93)にそれぞれ接続され、第3熱交換パス(P3)の第1熱交換管(2A)の左端部は第1ヘッダタンク(3)に、同右端部は第3ヘッダタンク(5)の下側ヘッダ部(93)にそれぞれ接続されている。なお、第3ヘッダタンク(5)の上側ヘッダ部(92)に冷媒入口(94)に通じる冷媒入口部材(図示略)が接合され、同じく第1ヘッダタンク(3)に冷媒出口(95)に通じる冷媒出口部材(図示略)が接合されている。
【0102】
そして、第1〜第3ヘッダタンク(3)〜(5)、および第1〜第3熱交換パス(P1)〜(P3)により冷媒を凝縮させる凝縮部(90A)が形成され、第1〜第3熱交換パス(P1)〜(P3)、すなわちすべての熱交換パスが冷媒を凝縮させる冷媒凝縮パスとなっている。
【0103】
図示は省略したが、
図13に示すコンデンサ(90)において、第3熱交換パス(P3)の上端の第1熱交換管(2A)と第2熱交換パス(P2)の下端の第2熱交換管(2B)との間に、これらの熱交換管(2A)(2B)と離隔するとともに、両熱交換管(2A)(2B)とほぼ平行になるように、アルミニウム製中間部材(18)が配置されている。第3熱交換パス(P3)の上端の第1熱交換管(2A)と中間部材(18)との間には第1コルゲートフィン(6A)が配置されて第1熱交換管(2A)および中間部材(18)にろう付され、第2熱交換パス(P2)の下端の第2熱交換管(2B)と中間部材(18)との間には第2コルゲートフィン(6B)が配置されて第2熱交換管(2B)および中間部材(18)にろう付されている。
【0104】
その他の構成は
図1〜
図3に示すコンデンサと同様である。
【0105】
図13に示すコンデンサ(90)において、圧縮機により圧縮された高温高圧の気相冷媒が、冷媒入口部材および冷媒入口(94)を通って第3ヘッダタンク(5)の上側ヘッダ部(92)内に流入し、第1熱交換パス(P1)の第2熱交換管(2B)内を左方に流れる間に凝縮させられて第2ヘッダタンク(4)内に流入する。第2ヘッダタンク(4)内に流入した冷媒は、第2熱交換パス(P2)の第2熱交換管(2B)内を右方に流れる間に凝縮させられて第3ヘッダタンク(5)の下側ヘッダ部(93)内に流入する。第3ヘッダタンク(5)の下側ヘッダ部(93)内に流入した冷媒は、第3熱交換パス(P3)の第1熱交換管(2A)内を左方に流れる間に凝縮させられて第1ヘッダタンク(3)内に流入する。
【0106】
第1ヘッダタンク(3)内に流入した冷媒は気液混相冷媒であり、当該気液混相冷媒のうち液相主体混相冷媒は重力により第1ヘッダタンク(3)内の下部に溜まり、冷媒出口(95)および冷媒出口部材を通って流出し、膨張弁を経て蒸発器に送られる。
【0107】
一方、第1ヘッダタンク(3)内に流入した気液混相冷媒のうちの気相成分は、第1ヘッダタンク(3)内の上部に溜まる。
【0108】
図14に示すコンデンサ(100)の場合、右端側には、第1熱交換パス(P1)の第2熱交換管(2B)の右端部がろう付により接続された第3ヘッダタンク(101)と、第3ヘッダタンク(101)の下方に配置されるとともに、第2熱交換パス(P2)の第2熱交換管(2B)の右端部および第3熱交換パス(P3)の第1熱交換管(2A)の右端部がろう付により接続された第4ヘッダタンク(102)とが別個に設けられている。
【0109】
そして、第1〜第4ヘッダタンク(3)(4)(101)(102)、および第1〜第3熱交換パス(P1)〜(P3)により冷媒を凝縮させる凝縮部(100A)が形成され、第1〜第3熱交換パス(P1)〜(P3)、すなわちすべての熱交換パスが冷媒を凝縮させる冷媒凝縮パスとなっている。第3ヘッダタンク(101)の上端部に冷媒入口(103)が形成されている。
【0110】
その他の構成は
図13に示すコンデンサと同様である。
【0111】
図14に示すコンデンサ(100)において、圧縮機により圧縮された高温高圧の気相冷媒が、冷媒入口部材および冷媒入口(103)を通って第3ヘッダタンク(101)内に流入し、第1熱交換パス(P1)の第2熱交換管(2B)内を左方に流れる間に凝縮させられて第2ヘッダタンク(4)内に流入する。第2ヘッダタンク(4)内に流入した冷媒は、第2熱交換パス(P2)の第2熱交換管(2B)内を右方に流れる間に凝縮させられて第4ヘッダタンク(102)内に流入する。第4ヘッダタンク(102)内に流入した冷媒は、第3熱交換パス(P3)の第1熱交換管(2A)内を左方に流れる間に凝縮させられて第1ヘッダタンク(3)内に流入する。
【0112】
第1ヘッダタンク(3)内に流入した冷媒は気液混相冷媒であり、当該気液混相冷媒のうち液相主体混相冷媒は重力により第1ヘッダタンク(3)内の下部に溜まり、冷媒出口(95)および冷媒出口部材を通って流出し、膨張弁を経て蒸発器に送られる。
【0113】
一方、第1ヘッダタンク(3)内に流入した気液混相冷媒のうちの気相成分は、第1ヘッダタンク(3)内の上部に溜まる。
【0114】
図示は省略したが、
図4〜
図6、
図9〜
図14に示すコンデンサ(20)(30)(35)(50)(60)(70)(110)(90)(100)において、それぞれ全熱交換管(2A)(2B)は真っ直ぐであり、第1ヘッダタンク(3)に接続された第1熱交換管(2A)の左端部が、第2ヘッダタンク(4)に接続された第2熱交換管(2B)の左端部よりも左方までのびており、これにより第1熱交換管(2A)の左側部分に、第2熱交換管(2B)における左端部よりも左側に突出した突出部(2a)が設けられている。また、第1コルゲートフィン(6A)の左端部も、第2コルゲートフィン(6B)の左端部よりも左方までのびており、これにより第1コルゲートフィン(6A)の左側部分に、第2コルゲートフィン(6B)の左端部よりも左側に突出し、かつ隣り合う第1熱交換管(2A)の突出部(2a)に配置された突出部(6a)が設けられている。そして、全第1熱交換管(2A)の突出部(2a)および全第1コルゲートフィン(6A)の突出部(6a)によって、熱交換部(17)が形成されている。
図4〜
図6、
図9〜
図14においては、熱交換部(17)を網掛け線で示す。
【0115】
図15は、コンデンサの第1ヘッダタンクを設ける位置および第1熱交換管の変形例をコンデンサの第1ヘッダタンクを設ける位置の変形例を示す。
【0116】
図15において、第1ヘッダタンク(3)は、第2ヘッダタンク(4)の左斜め後方に配置されており、第1ヘッダタンク(3)と第2ヘッダタンク(4)とは、水平断面において、または平面から見て重なる部分を有していない。そして、第1ヘッダタンク(3)に接続される第1熱交換管(2A)の左端部は斜め後方に曲げられており、曲げられた第1熱交換管(2A)の曲げ部(2b)が、当該熱交換管(2A)の曲げられていない部分と同一平面内に位置している。第1コルゲートフィン(6A)の左側部分の突出部(6a)は、隣り合う第1熱交換管(2A)の曲げ部(2b)どうしの間に存在している。
【0117】
図16は、コンデンサの第1ヘッダタンクおよび第2ヘッダタンクを設ける位置、ならびに第1熱交換管および第2熱交換管の変形例を示す。
【0118】
図16において、第2ヘッダタンク(4)は第3ヘッダタンク(5)よりも後方に配置され、第1ヘッダタンク(3)は第2ヘッダタンク(4)の左斜め後方に配置されており、第1ヘッダタンク(3)と第2ヘッダタンク(4)とは、水平断面において、または平面から見て重なる部分を有していない。そして、第1ヘッダタンク(3)に接続される第1熱交換管(2A)および第2ヘッダタンク(4)に接続される第2熱交換管(2B)の左端部は、それぞれ斜め後方に同角度曲げられており、曲げられた両熱交換管(2A)(2B)の曲げ部(2c)(2d)が、当該熱交換管(2A)(2B)の曲げられていない部分と同一平面内に位置している。また、第2ヘッダタンク(4)は、第2ヘッダタンク(4)に接続された第2熱交換管(2B)の曲げられていない部分の幅方向の中心線よりも左斜め後方に配置され、第1ヘッダタンク(3)は、第2ヘッダタンク(4)の左斜め後方に配置されている。第1コルゲートフィン(6A)の左側部分の突出部(6a)は、隣り合う第1熱交換管(2A)の曲げ部(2c)どうしの間に存在している。