(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、
図1で示したMITによる技術では、「電源部(高周波電源及び送電ループ)、共鳴部(一次共鳴コイル、2次共鳴コイル)、負荷部(受電ループ及び負荷)」が、共鳴系となっている場合を想定している。しかしながら、非接触給電システムを電子機器や自動車給電システムに実装する場合には、追加の構成が必要となる。
図2に
図1のシステムを現実のシステムに実装する場合のシステム構成例を示す。図示のように、現実のシステムでは、電源と一次共鳴部の間の伝送路、二次共鳴部と負荷の間の伝送路が必要となり、それぞれの伝送路も共鳴系に含まれる。したがって、伝送路(伝送線)にも電磁結合が発生する。その結果、誘導電流により電源筐体及びACラインのFG線から放射電磁界が発生してしまうという課題がある。より具体的には、例えば、
図3の従来タイプの共鳴式非接触給電システム510に示すように、一次共鳴コイル35及び二次共鳴コイル45に繋がる伝送路には同軸ケーブル(送電側同軸ケーブル60、受電側同軸ケーブル70)が用いられることが多い。また、高周波電源20には、ACケーブル590を用いて電力が供給される。これら同軸ケーブル(60、70)やACケーブル590の周囲に放射電磁界が発生してしまう。また、
図4に示すように、共鳴式非接触給電システム510の一次共鳴コイル35及び二次共鳴コイル45に繋がる伝送路に同軸ケーブル(60、70)を使用した場合、特性インピーダンスのばらつきや伝送損失を低減できるというメリットがあるが、送電側同軸ケーブル60と一次コイル30の接合部から同軸ケーブル外導体64の外側を通じて、特に電源のグランド(GND)に誘導電流が流れ込んでしまう。そのため一次側から放射電磁界が発生する。二次側では、電磁界の全てが二次共鳴コイル45から二次コイル40へと結合せずに、一部の電磁界が同軸ケーブル外導体74と結合し伝送損出となる誘導電流を発生させ、それが放射電磁界の原因となる。
【0006】
一般的な対策手法として、放射源全体をシールドする、つまり電源筐体24とACケーブル590をシールドするという手法が考えられる。しかしながら、この手法は、電源操作に支障をきたしたり、コンセントよりかなり遠くまでシールドしなければならない場合が生じたりするため、より現実的な別の技術が求められていた。
【0007】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、上記課題を解決する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のある態様は、高周波電源に第1の同軸ケーブルによって接続された送電側共鳴コイル部から受電側共鳴コイル部へ非接触の共鳴作用によって電力を伝送する共鳴式非接触給電システムであって、前記送電側共鳴コイル部を良導体で外側から覆って収容するとともに、前記第1の同軸ケーブルの外導体によって前記高周波電源の筐体に電気的に接続される送電側シールド部と、
前記受電側共鳴コイル部と負荷装置とを電気的に接続する第2の同軸ケーブルと、前記受電側共鳴コイル部を良導体で外側から覆って収容するとともに、前記第2の同軸ケーブルの外導体によって前記負荷装置の筐体に電気的に接続される受電側シールド部と、を備え、前記送電側シールド
部の大きさは、前記送電側共鳴コイル部の電磁結合に影響を及ぼさないように設定されており、前記送電側共鳴コイル部は、前記送電側シールド
部に収容された状態で、前記送電側シールド
部からはみ出さないように設定されて
おり、前記受電側シールド部の大きさは、前記受電側共鳴コイル部の電磁結合に影響を及ぼさないように設定されており、前記受電側共鳴コイル部は、前記受電側シールド部に収容された状態で、前記受電側シールド部からはみ出さないように設定されており、前記送電側共鳴コイル部は、前記第1の同軸ケーブルに接続される一次コイルと前記一次コイルと非接触に前記受電側共鳴コイル部側に配置された一次共鳴コイルとを備え、前記受電側共鳴コイル部は、前記第2の同軸ケーブルに接続される二次コイルと前記二次コイルと非接触に前記送電側共鳴コイル部側に配置された二次共鳴コイルとを備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、共鳴式非接触給電システムにおける不要な放射電磁界を低減する技術を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という)を、図面を参照しつつ説明する。本実施形態の概要は次の通りである。共鳴式非接触給電システムでは、「共鳴コイルのシールド構造、及び電源〜共鳴コイル間の伝送線のシールド構造」と「シールド構造を含む伝送線と電源の接続方法」によって、伝送路(特に送電側)における放射電磁界を低減する。本システムは、例えば、電気自動車における給電システムに適用され、受電側ディバイスが車両に搭載される。
【0012】
第1の実施形態として、送電側及び受電側の共鳴コイルの周囲を同軸ケーブルの外導体に接続された金属ケースによって覆う技術を導入する。第2の実施形態として、第1の実施形態の構成に追加して、送電側及び受電側の金属ケースをそれらよりも大きい金属シールドで覆う。さらに、共鳴コイル間の強い電磁界エリアまで大型の金属板でシールドを設け、送電側の同軸ケーブルを金属シールドで覆い、その金属シールドを大型の金属シールドに接続することで、同軸ケーブルを覆う金属シールドを高周波電源の筐体に接続する。このような構成を採用することで、FG線/ACケーブルに沿った電磁界や高周波電源の筐体周辺の電磁界を低減することができる。以下、第1及び第2の実施形態について具体的に説明する。
【0013】
<第1の実施形態>
図5は、本実施形態に係る共鳴式非接触給電システム10の構成を模式的に示す図である。
図3や
図4の共鳴式非接触給電システム510と異なる構成は、送電側金属シールド80及び受電側金属シールド90を設けた構成にあり、他の構成については同様の構成となっており、同様の構成要素については一部同一符号をしている。また、共鳴式非接触給電システムにおける電力伝送原理については、引用文献1に開示の技術を用いることができるので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0014】
共鳴式非接触給電システム10は、送電側(一次側)ディバイスとして、高周波電源20と、一次コイル30と、一次共鳴コイル35とを備える。一次コイル30は送電側同軸ケーブル60を用いて高周波電源20に接続されている。より具体的には、高周波電源20は、電源筐体24の内部に発振源22を備え、送電側同軸ケーブル60によって一次コイル30に接続されている。また、電源筐体24はグランドGNDに接地されている。接地の態様については、専用アース線で接地されてもよいし、ACケーブルのFG線等で接地されてもよい。
【0015】
さらに、共鳴式非接触給電システム10は、送電側金属シールド80を備え、一次コイル30及び一次共鳴コイル35の周囲を覆っている。送電側金属シールド80は、例えば、受電側(二次側;図示右側)が開口となっているスチール製や銅製の良導体金属できた円筒状又は直方体を呈している。つまり送電側金属シールド80のシールド側面82は、一次コイル30及び一次共鳴コイル35の周囲を前記の開口を除いて完全に覆っている。
【0016】
また、送電側金属シールド80のシールド底面84には、高周波電源20と一次コイル30との間の伝送路のための伝送用開口が設けられており、その伝送用開口に送電側同軸ケーブル60が接続されている。より具体的には、送電側同軸ケーブル60の同軸ケーブル外導体64の一方の端部(図示右側)が、送電側金属シールド80のシールド底面84に接続されている。同軸ケーブル外導体64の他方の端部(図示左側)が、高周波電源20の電源筐体24に接続されている。同軸ケーブル内導体62は、高周波電源20の発振源22と一次コイル30とを直接接続している。
【0017】
一方、共鳴式非接触給電システム10は、受電側(二次側)ディバイスとして、負荷装置50と、二次コイル40と、二次共鳴コイル45とを備える。負荷装置50の負荷筐体54の内部には整流器や充電池等の負荷52が設けられる。負荷装置50と二次コイル40とは受電側同軸ケーブル70によって接続されている。
【0018】
また、送電側の送電側金属シールド80と同様に、共鳴式非接触給電システム10は、二次コイル40と二次共鳴コイル45とを覆う受電側金属シールド90を備える。具体的には、受電側金属シールド90は、例えば、送電側(一次側;図示左側)が開口となっているスチール製や銅製の良導体金属できた円筒状又は直方体を呈している。つまり受電側金属シールド90のシールド側面92は、二次コイル40及び二次共鳴コイル45の周囲を前記の開口を除いて完全に覆っている。
【0019】
また、受電側金属シールド90のシールド底面94には、負荷装置50と二次コイル40との間の伝送路のための伝送用開口が設けられており、その伝送用開口に受電側同軸ケーブル70が接続されている。より具体的には、受電側同軸ケーブル70の同軸ケーブル外導体74の一方の端部(図示左側)が、受電側金属シールド90のシールド底面94に接続されている。同軸ケーブル外導体74の他方の端部(図示右側)が、負荷装置50の負荷筐体54に接続されている。同軸ケーブル内導体72は、負荷筐体54内部の負荷52と直接接続している。
【0020】
以上の構成による共鳴式非接触給電システム10の動作を説明する。発振源22は、例えば数MHz〜数10MHzの高周波を発振し、一次コイル30に供給される。一次共鳴コイル35は一次コイル30の電力を増幅し、二次共鳴コイル45に向けた電磁界を発生させる。二次共鳴コイル45は、一次共鳴コイル35で発生した電磁界と結合し、二次コイル40に誘導電流を生じさせる。その結果、負荷52に電力が供給されることになる。
【0021】
このとき、上述したように従来の共鳴式非接触給電システム510の送電側では、送電側同軸ケーブル60の同軸ケーブル外導体64の内側だけでなく同軸ケーブル外導体64の外側をも通じて接地GNDに誘導電流が流れ込むことから、送電側同軸ケーブル60の周囲に放射電磁界が発生していた。共鳴式非接触給電システム510の受電側では、二次共鳴コイル45からの電磁界の全てが二次コイル40と結合せずに、一部の電磁界が同軸ケーブル外導体74と結合し伝送損失となる誘導電流を発生させ、その結果、受電側同軸ケーブル70の周囲に放射電磁界を発生させていた。
【0022】
しかし、本実施形態では、送電側同軸ケーブル60及び受電側同軸ケーブル70内への伝送エネルギーの収集が向上している。つまり、送電側(一次側)の共鳴部(一次コイル30及び一次共鳴コイル35)の周囲を送電側金属シールド80で覆い、送電側金属シールド80と送電側同軸ケーブル60の同軸ケーブル外導体64を電気的に接続しているので、送電側の同軸ケーブル外導体64の外側に流れ出ていた電流を同軸ケーブル外導体64の内側に収集することができる。送電側金属シールド80と受電側金属シールド90との間の空間S1から外部に電磁界が漏れる可能性はあるが、従来と比較すると大きく低減することができているため、送電側同軸ケーブル60や受電側同軸ケーブル70の周囲に発生する放射電磁界は非常に弱くなっている。同様に、受電側(二次側)の共鳴部(二次コイル40及び二次共鳴コイル45)の周囲を受電側金属シールド90で覆い、受電側金属シールド90と受電側同軸ケーブル70の同軸ケーブル外導体74を電気的に接続しているので、受電側の同軸ケーブル外導体74の外側に流れ出ていた電流を同軸ケーブル外導体74の内側に収集することができる。その結果、伝送効率の向上と放射電磁界の低減を実現することができる。
【0023】
<第2の実施形態>
図6に本実施形態に係る共鳴式非接触給電システム110を示す。この共鳴式非接触給電システム110は、第1の実施形態で説明した共鳴式非接触給電システム10の変形例であり、異なる点は、送電側の共鳴部(送電側同軸ケーブル60、一次コイル30、一次共鳴コイル35)及び受電側の共鳴部(受電側同軸ケーブル70、二次コイル40、二次共鳴コイル45)をさらにシールドで覆っていることに有る。このような構成とすることで、放射電磁界の漏洩を大幅に低減できる。なお、ここでは、同一構成については同一符号を付して説明を省略し、主に異なる点について説明する。また、高周波電源20の接地にはACケーブル190のFG線が使用されているものとしている。
【0024】
図示のように、共鳴式非接触給電システム110は、送電側には送電側大型金属シールド120と同軸用金属シールド140とを、受電側には受電側大型金属シールド130と同軸用金属シールド150とを、それぞれ追加構成として備える。
【0025】
送電側大型金属シールド120は、送電側金属シールド80と同様に良導体の金属であって、例えば円筒状又は直方体の形状を呈し、送電側金属シールド80を覆っている。なお、送電側金属シールド80と送電側大型金属シールド120とは電気的に絶縁状態が維持される配置構成となっており、送電側金属シールド80と送電側大型金属シールド120の間は、単に離間した状態でもよいし絶縁体が充填されてもよい。
【0026】
さらに、大型シールド側面部122の開口側(受電側;図示右側)端部には、開口端部を外側に拡大する面形状(環状)の大型シールド前面部126が形成されている。この大型シールド前面部126と、後述の受電側大型金属シールド130の大型シールド前面部136とは、面同士を対向して配置される。それらの大きさは、その外径端部において電磁界が十分に弱くなるように形成される。
【0027】
大型シールド底面部124には、送電側同軸ケーブル60を覆う管状の同軸用金属シールド140の一方の端部が接続されている。同軸用金属シールド140の他方の端部は高周波電源20の電源筐体24に接続されている。送電側同軸ケーブル60と同軸用金属シールド140についても、絶縁状態が維持される構成となっている。同軸用金属シールド140は、電気的に送電側大型金属シールド120と電源筐体24とを接続できるものであればよく、例えば、導体管やシールド編組構造の管がある。さらに、同軸用金属シールド140に防水機能等の対環境性能を持たせるようにしてもよい。
【0028】
受電側大型金属シールド130は、受電側金属シールド90と同様に良導体の金属であって、例えば円筒状の形状を呈し、受電側金属シールド90を覆っている。受電側大型金属シールド130と受電側金属シールド90とは電気的に絶縁状態が維持される構成となっている。
【0029】
さらに、大型シールド側面部132の開口側(送電側;図示左側)端部には、開口端部を外側に拡大する面形状の大型シールド前面部136が形成され、前述の送電側大型金属シールド120の大型シールド前面部126と、面同士を対向して配置されている。
【0030】
大型シールド底面部134には、受電側同軸ケーブル70を覆う管状の同軸用金属シールド150の一方の端部が接続されている。同軸用金属シールド150の他方の端部は負荷装置50の負荷筐体54を覆う筐体155に接続されている。受電側同軸ケーブル70と同軸用金属シールド150についても、絶縁状態が維持される配置構成となっている。同軸用金属シールド150は、電気的に受電側大型金属シールド130と負荷筐体54を覆う筐体155とを接続できるものであればよい。さらに、同軸用金属シールド150についても防水機能等の耐環境性能を持たせるようにしてもよい。
【0031】
このような構成の共鳴式非接触給電システム110によると、第1の実施形態と同様の効果が得られるとともに、次のような効果も実現できる。つまり、送電側金属シールド80と受電側金属シールド90の間の空間S1から漏れる電磁界の低減が不十分で有る場合に、対向する大型シールド前面部126、136の間の空間S2を外径外方向に十分に確保できることから、漏れる電磁界の強さを十分に低減することが可能となる。
【0032】
図7及び
図8に、電磁界強度(電界及び放射電磁界)の測定結果を示す。
図7はシールド等を施さない従来技術(
図5と同様の構成)の共鳴式非接触給電システム510についての測定結果である。
図8は、本実施形態の共鳴式非接触給電システム110による測定結果を示している。ここでは、送電側(一次側)について示している。また、
図9と
図10に、
図7及び
図8に対応する測定系のシステム構成を示す。
【0033】
測定系のシステム構成の概要は以下の通りである。なお、(7)(8)については
図8にのみ含まれている。
(1)電源ケーブル590、190:
電源ケーブル(5m)を利用し、高周波電源に電力を供給する。
電磁界測定点数:11箇所(50cm間隔)。
(2)高周波電源20:
周波数13.56MHZ(±1MHz)、出力電力3kW。
電磁界測定点数…8箇所(50cm間隔)。
(3)同軸ケーブル60:
同軸ケーブル(3m)を高周波電力の伝送線として利用し、高周波電源20とループコイル(一次コイル30)とを接続する。
電磁界測定箇所…7箇所(50cm間隔)
(4)ループコイル(一次及び二次コイル30、40):
銅製 直径150mm、銅線直径5mm。
送電側の一次コイル30と受電側の二次コイル40は同構造である。
(5)共鳴コイル(一次及び二次ループコイル35、45):
銅製 直径300mm 内径185mm、銅線直径5mm、ピッチ5mm 渦巻き型。
送電側の一次ループコイル35と受電側の二次ループコイル45は同構造である。
一次ループコイル35と受電側の二次ループコイル45のコイル間距離200mm。
(6)金属ケース(80、90):
送電側及び受電側金属シールド80、90は、同軸ケーブル60、70の外導体(外皮)に接続されて、ループコイル(30、40)と共鳴コイル(35、45)を覆う。
外径700mm。
(7)送電側大型金属シールド120(ケース)<本実施形態のみ>:
図10中の拡大部参照。
(8)シールド構造1(送電側):<本実施形態のみ>
送電側同軸ケーブル60を覆い、送電側大型金属シールド120と高周波電源20の筐体24とを接続する。
シールド性能約50dB。
(9)シールド構造2(受電側):
受電側同軸ケーブル70を覆い、受電側大型金属シールド130と測定装置(アッテネータ及びスペクトルアナライザ)を覆う筐体とを接続する。
シールド性能約50dB。
(10)アッテネータ及びスペクトルアナライザ(負荷装置):
アッテネータで受電側の高周波電力を所定量減衰させ、スペクトラムアナライザにて信号レベルを測定する。
【0034】
測定条件の概要は以下の通りである。
・本実施形態のシールド対策を施した共鳴式非接触給電システム10では
図10に示す測定系により測定した。また、対比となるシールド対策を施さない従来タイプの共鳴式非接触給電システム510では
図9に示す測定系により測定を行った。
・各測定点に電磁界センサを設置する。測定点から電磁界センサ面までの垂直距離を50mmとする。
・高周波電源20から、周波数13.56MHzの3kW電力を出力し、電磁界センサにより測定された電界の最高値、及び磁界の最高値を取得する。
・送電側シールド対策が施されていない場合の結果(
図7参照)及びシールド対策を施した場合の結果(
図8参照)を取得しグラフ比較する。
【0035】
測定結果は次の通りである。
図7に示すように、従来技術の共鳴式非接触給電システム510では、送電側全体にわたって、電界及び放射電磁界が計測されている。特に、送電側同軸ケーブル60の近傍においては、放射電磁界の測定結果が高くなっている。このことから、送電側同軸ケーブル60では、伝送損失の原因となる誘導電流が発生していることが推測できる。
【0036】
一方、
図8に示すように、本実施形態の共鳴式非接触給電システム110では、電界及び放射電磁界の両方とも、実質的に計測されていない。つまり、共鳴部(一次コイル30、一次共鳴コイル35、送電側同軸ケーブル60)に関して、伝送効率の向上と放射電磁界の低減が実現できていることが確認できる。
【0037】
以上、本発明を第1及び第2の実施形態をもとに説明した。これら実施形態は例示であり、それらの各構成要素及びその組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。例えば、上述の実施形態では、送電側及び受電側の両方のディバイスに対して、シールドを設けたが、いずれか一方のディバイスのみにシールドを設けてもよい。また、二重に設けたシールドに関しても、いずれか一方のみが二重であってもよい。