【実施例】
【0068】
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。なお、特性は以下の方法により測定、評価を行った。
(1)フィルム厚みおよび厚み構成比率
フィルム厚みは、ダイヤルゲージ(ピーコック社製、RIGHTUP DIAL GAUGE)を用い、JIS K7130(1992年)A−2法に準じて、フィルムの任意の10ヶ所について厚さを測定した。その平均値を10で除してフィルム厚みとし、μm単位の少数点以下を四捨五入した。また、積層フィルムの場合の各層の厚みは、積層フィルムをエポキシ樹脂に包埋しフィルム断面をミクロトームで切り出し、該断面を偏光顕微鏡(ニコン社製、ECLIPSE(エクリプス)E400 POL)で200倍の倍率で観察し、積層各層の厚み比率を求めた。
【0069】
(2)密度測定方法
密度は、(ASTM) D1505にて測定した。
【0070】
(3)MFRの測定方法
LLDPE、LDPEの溶融指数(MFR)は、ASTM D1238に則り190℃、2.16kgにて、また、ホモポリプロピレン、エチレン・プロピレンブロック共重合体、エチレン・プロピレンランダム共重合体のMFRは230℃ 2.16kgにて測定した。
【0071】
(4)融点測定
使用する樹脂の融点を示差走査熱量計(島津製作所製、DSC−60)を用いて、20℃から10℃/分の速度で昇温し、300℃まで加熱した際の融解ピークの最も高いピーク温度を融点とした。
【0072】
(5)太陽電池バックシートの製造方法
二軸延伸ポリエステルフィルム(東レ(株)製 、“ルミラー”X10S 125μm)に2液硬化タイプ接着剤(大日本インキ化学工業(株)製、LX−903/KL−75=8/1)を固形分塗布厚み6μmで塗布し、80℃で乾燥後に、本発明のポリオレフィン系樹脂多層フィルムのC層側のコロナ処理面と重ね合わせて、1対の加圧ロール間に通して積層体を作成した。該積層したフィルムは、温度40℃にて72時間エージングを実施し、接着剤層の硬化反応を促し、太陽電池裏面保護シートとした。
【0073】
(6)反射率
(5)で得られた太陽電池裏面保護シートのA層面について、分光光度計(日立製作所製 U−3410)に、φ60積分球(日立製作所社製、130−0632)および10度傾斜スペーサーを取り付けた状態で560nmの絶対反射率を3回測定した平均値を求めて反射率とした。合否判断として、反射率が85%以上を合格、85%未満を不合格とした。
【0074】
(7)耐熱性試験
図1に示すように、(5)で作成した太陽電池裏面保護シートFを用いて、太陽電池裏面保護シートFのA層がEVAの層Bと接するように、ガラス板A/EVA(サンビック(株)製、PV−45FR00S 450μm)の層B/銅板C(2mm幅×厚さ0.6mm)/EVAの層B(450μm)/ポリオレフィン系樹脂多層フィルムDと二軸延伸PETフィルムEとからなる太陽電池裏面保護シートFを
図1に示す順に積層し、(株)エヌ・ピー・シー製、太陽電池モジュールラミネーター(LM−50X50−S)に設置後、真空時間4分、制御時間1分、プレス時間15分、温度140℃の条件にて加熱圧着した。圧着後、室温冷却し、疑似モジュールを作成した。
【0075】
上記方法で各水準10枚作成し、太陽電池裏面シート側から2000lxのLED光源(スワン電器社製、レディックエグザーム LEDデスクライトLEX−951WH Garage)を用いた反射光による目視観察した。透けの判定として、下記の基準により、銅板の色が全くみえないものを合格とし、銅板の色が部分的にでも目視できるものは透けていると判定した。
++:10枚全てで銅板の透けがない。
+ :10枚中1枚銅板の透けがある。
− :10枚中2枚以上銅版の透けがある
【0076】
(8)厚み観察
(7)で得られた疑似モジュール積層体のガラス面側のEVAに予め片刃で亀裂を入れた後、裏面シート側から再度片刃を用いて切断した。その後、銅板に重なった部分の切断面を偏光顕微鏡(ニコン社製、ECLIPSE(エクリプス)E400 POL)で200倍の倍率で観察し、フィルムの全体の厚みを処理前後で比較し、下記の基準により判定した。
++:厚み変化が−5%未満
+ :厚み変化が−5%以上−20%未満
− :厚み変化が−20%以上
【0077】
(9)EVAとの熱接着強度測定
(7)で作成した疑似モジュールを用いて、太陽電池裏面シートとEVAの接着強度を下記の通り測定した。
裏面シート側から15mm幅にてサンプルカットを実施し、太陽電池裏面シート/EVA層間にて剥離し、室温条件下にてORIENTEC社製テンシロンPTM−50を用いて、剥離角度180°、剥離スピード300mm/minで剥離し、接着強度を評価して、下記の基準により判定した。
++:剥離強度が70N/15mm以上
+ :剥離強度が70N/15mm未満、40N/15mm以上
− :剥離強度が40N/15mm未満。
−−:ポリオレフィン系樹脂多層フィルムの積層界面で剥離する。
【0078】
(10)アイスーパー照射144時間後の色調変化測定
(5)で作成した太陽電池裏面保護シートを50mm×50mmの大きさにサンプルカットし、本試験片をアイスーパーUVテスター(岩崎電気株式会社製)(照射強度:100mW/cm
2、照射距離:240mm)にて、144時間行い、耐候性試験後の色差ΔEを、分光測色計(コニカミノルタ製 CM−5)を用いて測定した。測定結果から、下記の基準により判定した。
++:ΔEが、3.0未満
+ :ΔEが、3.0以上5.0以下
− :ΔEが、5.0以上
【0079】
以下、本発明の実施例、及び比較例について説明する。
(酸化チタンマスタバッチAの製造方法)
融点162℃、密度0.900g/cm
3のホモポリプロピレン40重量%と、無機酸化物で表面処理された平均粒子径200nmのルチル型酸化チタン(堺化学工業社製、FTR−700)60重量%を二軸押出機にて240℃で溶融混練した後、ストランドカットし、酸化チタンマスタバッチAを製造した。
【0080】
(酸化チタンマスタバッチBの製造方法)
融点122℃、密度0.922g/cm
3、MFR7g/10分LLDPE40重量%と無機酸化物で表面処理された平均粒子径200nmのルチル型酸化チタン(堺化学工業社製、FTR−700)60重量%を二軸押出機にて210℃で溶融混練した後、ストランドカットし、酸化チタンマスタバッチBを製造した。
【0081】
(ヒンダードアミン系光安定剤マスタバッチAの製造方法)
融点122℃、密度0.922g/cm
3、MFR7g/10分LLDPE90重量%とヒンダードアミン系化合物(チバジャパン製 チヌビン(登録商標)622−LD)10重量%を二軸押出機にて210℃で溶融混練した後、ストランドカットし、ヒンダードアミン系光安定剤マスタバッチを製造した。
【0082】
(ヒンダードアミン系光安定剤マスタバッチBの製造方法)
融点162℃、密度0.900g/cm
3のホモポリプロピレンとヒンダードアミン系化合物(チバジャパン製 チヌビン(登録商標)622−LD)10重量%を二軸押出機にて240℃で溶融混練した後、ストランドカットし、ヒンダードアミン系光安定剤マスタバッチを製造した。
【0083】
(ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤マスタバッチAの製造方法)
融点122℃、密度0.922g/cm
3、MFR7g/10分LLDPE90重量%とベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チバジャパン製 チヌビン(登録商標)326)10重量%を二軸押出機にて210℃で溶融混練した後、ストランドカットし、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤マスタバッチを製造した。
【0084】
(ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤マスタバッチBの製造方法)
融点162℃、密度0.900g/cm
3のホモポリプロピレンとベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チバジャパン製 チヌビン(登録商標)326)10重量%を二軸押出機にて240℃で溶融混練した後、ストランドカットし、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤マスタバッチを製造した。
【0085】
(ナノ亜鉛チタンマスタバッチAの製造方法)
融点122℃、密度0.922g/cm
3、MFR7g/10分LLDPE90重量%と平均粒径0.02μmの酸化亜鉛粒子(堺化学製 NANOFINE(登録商標)100−LP)10重量%を二軸押出機にて210℃で溶融混練した後、ストランドカットし、ヒンダードアミン系光安定剤マスタバッチを製造した。
【0086】
(ナノ亜鉛チタンマスタバッチBの製造方法)
融点162℃、密度0.900g/cm
3のホモポリプロピレン90重量%と平均粒径0.02μmの酸化亜鉛粒子(堺化学製 NANOFINE(登録商標)100−LP)10重量%を二軸押出機にて240℃で溶融混練した後、ストランドカットし、ヒンダードアミン系光安定剤マスタバッチを製造した。
【0087】
(実施例1)
A層に使用する樹脂として、融点127℃、密度0.940g/cm
3、MFR5.0g/10分のLLDPE80重量部に対し、融点112℃、密度0.912g/cm
3、MFR4.0g/10分のLDPEを20重量部(ポリエチレン合計100重量部)、及びポリプロピレン系樹脂として、融点150℃、密度0.900g/cm
3、MFR7g/10分のエチレン含有量4モル%のエチレン・プロピレンランダム共重合体(以下、EPCと略称する)100重量部を混合した樹脂混合物を用いた。
【0088】
B層に使用する樹脂としては、融点が160℃、密度0.90g/cm
3、MFR7g/10分のホモポリプロピレン(以下、H−PPと略称する)100重量部に対して、酸化チタンマスタバッチA30重量部を混合した樹脂混合物を用いた。着色化剤である酸化チタンの添加量は13.8重量%である。
【0089】
また、C層に使用する樹脂として、融点160℃、密度0.900g/cm
3、MFR4.0g/10分、エチレン含有量7モル%のエチレン・プロピレンブロック共重合樹脂(以下、B−PPと略称する)を用いた。
【0090】
このようにして用意したA層、B層、C層の樹脂混合物を各々単軸の溶融押出機に供給し、それぞれ260℃にて溶融してA層/B層/C層型のマルチマニホールド型のTダイに導き、30℃に保たれたキャスティングドラム上に押し出し、非ドラム面側から25℃の冷風を吹き付けて冷却固化して、各層の厚み構成比率がA層/B層/C層=10%/80%/10%であるフィルム厚み150μmのポリオレフィン系樹脂多層フィルムを得た。
【0091】
該多層フィルムのC側にコロナ放電処理を行い、表面の濡れ張力を40mN/mとして巻き取った。
【0092】
本発明で得たサンプルフィルムのコロナ処理面と二軸延伸ポリエステルフィルム(東レ(株)製、“ルミラー”X10S 125μm)を2液硬化タイプ接着剤(大日本インキ化学工業(株)製、LX−903/KL−75=8/1)を固形分塗布厚6μmで塗布、乾燥し、積層体を作成した。
【0093】
積層したフィルムは、温度40℃にて72時間エージングを実施し、接着剤層の硬化反応を促し、本発明の太陽電池裏面保護シートとした。
【0094】
本フィルムをEVAと熱接着を行い、耐熱性を含む総合評価結果を表1に示した。表から明らかなように、本発明のフィルムは、太陽電池裏面保護シートとして必要な要件を全てクリアしていた。
【0095】
(実施例2)
A層に使用する樹脂として、融点112℃、密度0.912g/cm
3、MFR4g/10分のLDPE100重量部に対し、融点150℃、密度0.900g/cm
3、MFR7g/10分、エチレン含有量4モル%のEPC150重量部の樹脂混合物を用いた。
【0096】
B層に使用する樹脂としては、融点が150℃、密度0.900g/cm
3、MFR7g/10分、エチレン含有量4モル%のEPC100重量部に対して、融点が160℃、密度0.900g/cm
3、MFR4g/10分、エチレン含有量7モル%のB−PP100重量部、及び酸化チタンマスタバッチA20重量部を混合した樹脂混合物を用いた。着色化剤である酸化チタンの添加量は5.5重量%である。
【0097】
C層に使用する樹脂として、融点160℃、密度0.900g/cm
3、MFR4g/10分、エチレン含有量7モル%のB−PP100重量部に対して、融点162℃、密度0.900g/cm
3、MFR7g/10分のH−PPを100重量部混合した樹脂混合物を用いた。
【0098】
このようにして用意したA層、B層、C層の樹脂混合物を各々単軸の溶融押出機に供給し、それぞれ260℃にて溶融してA層/B層/C層型のマルチマニホールド型のTダイに導き、30℃に保たれたキャスティングドラム上に押し出し、非ドラム面側から25℃の冷風を吹き付けて冷却固化して、各層の厚み構成比率がA層/B層/C層=10%/80%/10%であるフィルム厚みが150μmのポリオレフィン系樹脂多層フィルムを得た。
【0099】
該多層フィルムのC層の片面にコロナ放電処理を行い、表面の濡れ張力を40mN/mとして巻き取った。フィルムを実施例1と同じ方法で太陽電池裏面保護シートとした。本フィルムは、表1に示したように本発明の必要な要件を全てクリアしていた。
【0100】
(実施例3)
A層に使用する樹脂として、融点127℃、密度0.940g/cm
3、MFR5g/10分のLLDPE70重量部に対し、融点112℃、密度0.912g/cm
3、MFR4g/10分のLDPEを30重量部(ポリエチレン合計100重量部)、及びポリプロピレン系樹脂として、融点150℃、密度0.900g/cm
3、MFR7g/10分のエチレン含有量4モル%のEPC200重量部を混合した樹脂混合物を用いた。
【0101】
B層に使用する樹脂としては、融点が160℃、密度0.90g/cm
3、MFR4g/10分、エチレン含有量7モル%のB−PP100重量部に対して、酸化チタンマスタバッチA48重量部を混合した樹脂混合物を用いた。着色化剤である酸化チタンの添加量は19.5重量%である。
【0102】
また、C層に使用する樹脂として、融点150℃、密度0.900g/cm
3、MFR7g/10分、エチレン含有量4モル%のEPCを用いた。
【0103】
このようにして用意したA層、B層、C層の樹脂混合物を各々単軸の溶融押出機に供給し、それぞれ260℃にて溶融してA層/B層/C層型のマルチマニホールド型のTダイに導き、30℃に保たれたキャスティングドラム上に押し出し、非ドラム面側から25℃の冷風を吹き付けて冷却固化して、各層の厚み構成比率がA層/B層/C層=20%/60%/20%であるフィルム厚みが150μmのポリオレフィン系樹脂多層フィルムを得た。
【0104】
該多層フィルムのC層にコロナ放電処理を行い、表面の濡れ張力を40mN/mとして巻き取った。フィルムを実施例1と同じ方法で太陽電池裏面保護シートとした。 本フィルムは、表1に示したように本発明の必要な要件を全てクリアしていた。
【0105】
(実施例4)
A層に使用する樹脂として、融点127℃、密度0.940g/cm
3、MFR5g/10分のLLDPE97重量部に対し、融点112℃、密度0.912g/cm
3、MFR4g/10分のLDPEを3重量部(ポリエチレン合計100重量部)、及びポリプロピレン系樹脂として、融点164℃の密度0.900g/cm
3、MFR3g/10分のH−PP50重量部の樹脂混合物を用いた。
【0106】
B層に使用する樹脂としては、融点が160℃、密度0.900g/cm
3、MFR7g/10分のH−PP100重量部に対して、酸化チタンマスタバッチA100重量部を混合した樹脂混合物を用いた。着色化剤である酸化チタンの添加量は30.0重量%である。
【0107】
C層に使用する樹脂として、融点162℃、密度0.900g/cm
3、MFR7g/10分のH−PPを用いた。
【0108】
このようにして用意したA層、B層、C層の樹脂混合物を各々単軸の溶融押出機に供給し、それぞれ260℃にて溶融してA層/B層/C層型のマルチマニホールド型のTダイに導き、30℃に保たれたキャスティングドラム上に押し出し、非ドラム面側から25℃の冷風を吹き付けて冷却固化して、各層の厚み構成比率がA層/B層/C層=10%/70%/20%であるフィルム厚みが150μmのポリオレフィン系樹脂多層フィルムを得た。
【0109】
該多層フィルムのC層にコロナ放電処理を行い、表面の濡れ張力を40mN/mとして巻き取った。フィルムを実施例1と同じ方法で太陽電池裏面保護シートとした。本フィルムは、表1に示したように本発明の必要な要件を全てクリアしていた。
【0110】
(実施例5)
A層に使用する樹脂として、融点127℃、密度0.940g/cm
3、MFR5g/10分のLLDPE100重量部に対し、ポリプロピレン系樹脂として、融点160℃、密度0.900g/cm
3、MFR4g/10分、エチレン含有量7モル%のB−PP200重量部の樹脂混合物を用いた。
【0111】
B層に使用する樹脂としては、融点が150℃、密度0.900g/cm
3、MFR7g/10分、エチレン含有量4モル%のEPC100重量部に対して、酸化チタンマスタバッチA300重量部を混合した樹脂混合物を用いた。着色化剤である酸化チタンの添加量は45.0重量%である。
【0112】
C層に使用する樹脂として、融点162℃、密度0.900g/cm
3、MFR7g/10分のH−PP100重量部に対して、融点が150℃、密度0.900g/cm
3、MFR7g/10分、エチレン含有量4モル%のEPC100重量部の樹脂混合物を用いた。
【0113】
このようにして用意したA層、B層、C層の樹脂混合物を各々単軸の溶融押出機に供給し、それぞれ260℃にて溶融してA層/B層/C層型のマルチマニホールド型のTダイ導き、30℃に保たれたキャスティングドラム上に押し出し、非ドラム面側から25℃の冷風を吹き付けて冷却固化して、各層の厚み構成比率がA層/B層/C層=10%/70%/20%であるフィルム厚みが150μmのポリオレフィン系樹脂多層フィルムを得た。フィルムを実施例1と同じ方法で太陽電池裏面保護シートとした。本フィルムは、表1に示したように本発明の必要な要件を全てクリアしていた。
【0114】
(実施例6)
A層に使用する樹脂として、融点131℃、密度0.956g/cm
3、MFR4g/10分のHDPE100重量部に対し、ポリプロピレン系樹脂として、融点164℃の密度0.900g/cm
3、MFR3g/10分のH−PP50重量部の樹脂混合物を用いた。
【0115】
B層に使用する樹脂としては、融点が160℃、密度0.900g/cm
3、MFR7g/10分のH−PP100重量部に対して、酸化チタンマスタバッチA25重量部を混合した樹脂混合物を用いた。着色化剤である酸化チタンの添加量は12.0重量%である。
【0116】
C層に使用する樹脂として、融点160℃、密度0.900g/cm
3、MFR4g/10分、エチレン含有量7モル%のB−PPを用いた。
【0117】
このようにして用意したA層、B層、C層の樹脂混合物を各々単軸の溶融押出機に供給し、それぞれ260℃にて溶融してA層/B層/C層型のマルチマニホールド型のTダイに導き、30℃に保たれたキャスティングドラム上に押し出し、非ドラム面側から25℃の冷風を吹き付けて冷却固化して、各層の厚み構成比率がA層/B層/C層=10%/70%/20%であるフィルム厚みが150μmのポリオレフィン系樹脂多層フィルムを得た。フィルムを実施例1と同じ方法で太陽電池裏面保護シートとした。
【0118】
本フィルムは、表1に示したように本発明の必要な要件を全てクリアしていた。ただし、A層にLDPEや、LLDPEに較べて融点の高いHDPEを処方しているため、ガラスラミネート試験後の、A層とEVAの接着性が若干劣る結果となった。
【0119】
(実施例7)
実施例1のフィルムを、260℃の単軸溶融押出機を用いて溶融した後、ペレタイズしたものを回収原料とした。
【0120】
B層に使用する樹脂としては、融点150℃、密度0.900g/cm
3、MFR7g/10分、エチレン含有量4モル%のEPC100重量部に対して、前記回収原料を50重量部、酸化チタンマスタバッチA21重量部を混合した樹脂混合物を用いた。着色化剤である酸化チタンの添加量は13.8重量%である。また、A層、C層については、実施例1と同処方、同組成のポリオレフィン系樹脂多層フィルムを得た。フィルムを実施例1と同じ方法で太陽電池裏面保護シートとした。本フィルムは、表1に示したように本発明の必要な要件を全てクリアしていた。
【0121】
(実施例8)
B層に使用する樹脂としては、融点150℃、密度0.900g/cm
3、MFR7g/10分、エチレン含有量4モル%のEPC100重量部に対して、融点が112℃、密度0.912g/cm
3、MFR4g/10分のLDPEを50重量部、酸化チタンマスタバッチA21重量部を混合した樹脂混合物を用いた。着色化剤である酸化チタンの添加量は7.4重量%である。また、A層、C層については、実施例1と同処方、同組成のポリオレフィン系樹脂多層フィルムを得た。フィルムを実施例1と同じ方法で太陽電池裏面保護シートとした。
【0122】
本フィルムは、表1に示したように本発明の必要な要件を全てクリアしていた。
ただし、B層のポリプロピレン系樹脂において、ポリエチレンの含有量が32重量%であり、耐熱性が若干劣る結果となった。
【0123】
(実施例9)
A層に使用する樹脂として、融点127℃、密度0.940g/cm
3、MFR5g/10分のLLDPE100重量部に対し、ポリプロピレン系樹脂として、融点150℃、密度0.900g/cm
3、MFR7g/10分のエチレン含有量4モル%のEPC350重量部を混合した樹脂混合物を用いた。また、B層、C層については、実施例1と同処方、同組成のポリオレフィン系樹脂多層フィルムを得た。フィルムを実施例1と同じ方法で太陽電池裏面保護シートとした。本フィルムは、表1に示したように本発明の必要な要件を全てクリアしていた。
【0124】
(実施例10)
A層に使用する樹脂として、融点127℃、密度0.940g/cm
3、MFR5g/10分のLLDPE100重量部に対し、ポリプロピレン系樹脂として、融点160℃、密度0.900g/cm
3、MFR4g/10分、エチレン含有量7モル%のB−PP500重量部を混合した樹脂混合物を用いた。また、B層、C層については、実施例1と同処方、同組成のポリオレフィン系樹脂多層フィルムを得た。フィルムを実施例1と同じ方法で太陽電池裏面保護シートとした。本フィルムは、表1に示したように本発明の必要な要件を全てクリアしていた。
【0125】
(実施例11)
A層に使用する樹脂として、融点150℃、密度0.900g/cm
3、MFR7g/10分のエチレン含有量4モル%のEPC100重量部に対して、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤マスタバッチA100重量部を混合した樹脂混合物を用いた。ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の添加量は5.0重量%である。
【0126】
B層に使用する樹脂としては、融点が160℃、密度0.90g/cm
3、MFR7g/10分のH−PP35重量部に対して、酸化チタンマスタバッチA30重量部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤マスタバッチB65重量部を混合した樹脂混合物を用いた。着色化剤である酸化チタンの添加量は13.8重量%、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の添加量は5.0重量%である。
【0127】
また、C層に使用する樹脂として、融点160℃、密度0.900g/cm
3、MFR4g/10分、エチレン含有量7モル%のB−PPを用いた。
このようにして用意したA層、B層、C層の樹脂混合物を各々単軸の溶融押出機に供給し、実施例1と同様に、各層の厚み構成比率がA層/B層/C層=10%/80%/10%であるフィルム厚みが150μmのポリオレフィン系樹脂多層フィルムを得た。
【0128】
該多層フィルムのC層の片面にコロナ放電処理を行い、表面の濡れ張力を40mN/mとして巻き取った。フィルムを実施例1と同じ方法で太陽電池裏面保護シートとした。
【0129】
本フィルムをEVAと熱接着を行い、耐熱性を含む総合評価結果を表1に示した。表から明らかなように、本発明のフィルムは、太陽電池裏面保護シートとして必要な要件を全てクリアしていた。
【0130】
(実施例12)
A層に使用する樹脂として、融点127℃、密度0.940g/cm
3、MFR5g/10分のLLDPE70重量部に対し、融点112℃、密度0.912g/cm
3、MFR4g/10分のLDPEを20重量部、及びポリプロピレン系樹脂として、融点150℃、密度0.900g/cm
3、MFR7g/10分のエチレン含有量4モル%のEPC100重量部、ナノ酸化亜鉛マスタバッチA10重量部を混合した樹脂混合物を用いた。ナノ酸化亜鉛の添加量は0.5重量%である。
【0131】
B層に使用する樹脂としては、融点が160℃、密度0.90g/cm
3、MFR7g/10分のH−PP2.5重量部に対して、酸化チタンマスタバッチA30重量部、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤マスタバッチB65重量部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤マスタバッチB32.5重量部を混合した樹脂混合物を用いた。着色化剤である酸化チタンの添加量は13.8重量%、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の添加量は5.0重量%、ヒンダードアミン系光安定剤の添加量は2.5重量%である。
【0132】
また、C層に使用する樹脂として、融点160℃、密度0.900g/cm
3、MFR4g/10分、B−PPを用いた。
【0133】
このようにして用意したA層、B層、C層の樹脂混合物を各々単軸の溶融押出機に供給し、実施例1と同様に、各層の厚み構成比率がA層/B層/C層=10%/80%/10%であるフィルム厚みが150μmのポリオレフィン系樹脂多層フィルムを得た。
【0134】
該多層フィルムのC層の片面にコロナ放電処理を行い、表面の濡れ張力を40mN/mとして巻き取った。フィルムを実施例1と同じ方法で太陽電池裏面保護シートとした。
【0135】
本フィルムをEVAと熱接着を行い、耐熱性を含む総合評価結果を表1に示した。表から明らかなように、本発明のフィルムは、太陽電池裏面保護シートとして必要な要件を全てクリアしていた。
【0136】
(実施例13)
A層に使用する樹脂として、融点127℃、密度0.940g/cm
3、MFR5g/10分のLLDPE20重量部に対し、融点112℃、密度0.912g/cm
3、MFR4g/10分のLDPEを20重量部、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤マスタバッチA10重量部、ナノ酸化亜鉛マスタバッチA50重量部、及びポリプロピレン系樹脂として、融点150℃、密度0.900g/cm
3、MFR7g/10分のエチレン含有量4モル%のEPC100重量部、を混合した樹脂混合物を用いた。ヒンダードアミン系光安定剤の添加量は0.5重量%、ナノ酸化亜鉛の添加量は2.5重量%であった。
【0137】
B層に使用する樹脂としては、融点が160℃、密度0.90g/cm
3、MFR7g/10分のH−PP61重量部に対して、酸化チタンマスタバッチA30重量部、ヒンダードアミン系光安定剤マスタバッチB6.5重量部、及びナノ酸化亜鉛マスタバッチB32.5重量部を混合した樹脂混合物を用いた。着色化剤である酸化チタンの添加量は13.8重量%、ヒンダードアミン系光安定剤の添加量は0.5重量%、ナノ酸化亜鉛の添加量は2.5重量%である。
【0138】
また、C層に使用する樹脂として、融点160℃、密度0.900g/cm
3、MFR4g/10分、エチレン含有量7モル%のB−PPを用いた。
【0139】
このようにして用意したA層、B層、C層の樹脂混合物を各々単軸の溶融押出機に供給し、実施例1と同様に、各層の厚み構成比率がA層/B層/C層=10%/80%/10%であるフィルム厚みが150μmのポリオレフィン系樹脂多層フィルムを得た。
【0140】
該多層フィルムのC層の片面にコロナ放電処理を行い、表面の濡れ張力を40mN/mとして巻き取った。フィルムを実施例1と同じ方法で太陽電池裏面保護シートとした。
【0141】
本フィルムをEVAと熱接着を行い、耐熱性を含む総合評価結果を表1に示した。表から明らかなように、本発明のフィルムは、太陽電池裏面保護シートとして必要な要件を全てクリアしていた。
【0142】
(実施例14)
A層に使用する樹脂として、融点127℃、密度0.940g/cm
3、MFR5g/10分のLLDPE70重量部に対し、融点112℃、密度0.912g/cm
3、MFR4g/10分のLDPEを20重量部、ヒンダードアミン系光安定剤マスタバッチA10重量部、及びポリプロピレン系樹脂として、融点150℃、密度0.900g/cm
3、MFR7g/10分のエチレン含有量4モル%のEPC100重量部を混合した樹脂混合物を用いた。ヒンダードアミン系光安定剤の添加量は0.5重量%である。
【0143】
B層に使用する樹脂としては、融点が160℃、密度0.90g/cm
3、MFR7g/10分のH−PP93.5重量部に対して、酸化チタンマスタバッチA30重量部、ヒンダードアミン系光安定剤マスタバッチB6.5重量部を混合した樹脂混合物を用いた。着色化剤である酸化チタンの添加量は13.8重量%、ヒンダードアミン系光安定剤の添加量は0.5重量%である。
【0144】
また、C層に使用する樹脂として、融点160℃、密度0.900g/cm
3、MFR4g/10分、エチレン含有量7モル%のB−PPを用いた。
【0145】
このようにして用意したA層、B層、C層の樹脂混合物を各々単軸の溶融押出機に供給し、実施例1と同様に、各層の厚み構成比率がA層/B層/C層=10%/80%/10%であるフィルム厚みが150μmのポリオレフィン系樹脂多層フィルムを得た。
【0146】
該多層フィルムのC層の片面にコロナ放電処理を行い、表面の濡れ張力を40mN/mとして巻き取った。フィルムを実施例1と同じ方法で太陽電池裏面保護シートとした。
【0147】
本フィルムをEVAと熱接着を行い、耐熱性を含む総合評価結果を表1に示した。表から明らかなように、本発明のフィルムは、太陽電池裏面保護シートとして必要な要件を全てクリアしていた。
【0148】
(実施例15)
A層に使用する樹脂として、融点127℃、密度0.940g/cm
3、MFR5g/10分のLLDPE60重量部に対し、融点112℃、密度0.912g/cm
3、MFR4g/10分のLDPEを20重量部、ヒンダードアミン系マスタバッチマスタバッチA10重量部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤マスタバッチA10重量部、及びポリプロピレン系樹脂として、融点150℃、密度0.900g/cm
3、MFR7g/10分のエチレン含有量4モル%のEPC100重量部を混合した樹脂混合物を用いた。ヒンダードアミン系光安定剤の添加量は0.5重量%、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の添加量は0.5重量%である。
【0149】
B層に使用する樹脂としては、融点が160℃、密度0.90g/cm
3、MFR7g/10分のH−PP87重量部に対して、酸化チタンマスタバッチA30重量部、ヒンダードアミン系光安定剤マスタバッチB6.5重量部、及びベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤マスタバッチB6.5重量部を混合した樹脂混合物を用いた。着色化剤である酸化チタンの添加量は13.8重量%、ヒンダードアミン系光安定剤の添加量は0.5重量%、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の添加量は0.5重量%である。
【0150】
また、C層に使用する樹脂として、融点160℃、密度0.900g/cm
3、MFR4g/10分、エチレン含有量7モル%のB−PPを用いた。
【0151】
このようにして用意したA層、B層、C層の樹脂混合物を各々単軸の溶融押出機に供給し、実施例1と同様に、各層の厚み構成比率がA層/B層/C層=10%/80%/10%であるフィルム厚みが150μmのポリオレフィン系樹脂多層フィルムを得た。
【0152】
該多層フィルムのC層の片面にコロナ放電処理を行い、表面の濡れ張力を40mN/mとして巻き取った。フィルムを実施例1と同じ方法で太陽電池裏面保護シートとした。
【0153】
本フィルムをEVAと熱接着を行い、耐熱性を含む総合評価結果を表1に示した。表から明らかなように、本発明のフィルムは、太陽電池裏面保護シートとして必要な要件を全てクリアしていた。
【0154】
(比較例1)
A層およびC層に使用する樹脂として、融点127℃、密度0.940g/cm
3、MFR5g/10分のLLDPE100重量部に対して、融点150℃、密度0.900g/cm
3、MFR7g/10分、エチレン含有量4モル%のEPC20重量部の樹脂混合物を用いた。
【0155】
B層に使用する樹脂としては、融点が116℃、密度0.912g/cm
3、MFR4g/10分のLDPE100重量部に対して、酸化チタンマスタバッチB30重量部の樹脂混合物を用いた。着色化剤である酸化チタンの添加量は13.8重量%である。このようにして用意した樹脂を各々単軸の溶融押出機に供給し、それぞれ260℃にて溶融押出を行い、30℃に保たれたキャスティングドラム上に押し出し、非ドラム面側から25℃の冷風を吹き付けて冷却固化して、各層の厚み構成比率がA層/B層/C層=10%/80%/10%であるフィルム厚みが150μmのポリオレフィン系樹脂多層フィルムを得た。
【0156】
該多層フィルムの一方のA層にコロナ放電処理を行い、表面の濡れ張力を40mN/mとして巻き取った。
【0157】
本発明で得たサンプルフィルムのコロナ処理面と二軸延伸ポリエステルフィルム(東レ社製“ルミラー”X10S 125μm)を2液硬化タイプ接着剤(大日本インキ化学工業(株)製LX−903/KL−75=8/1)を固形分塗布厚6μmで塗布、乾燥し、積層体を作成した。
【0158】
積層したフィルムは、温度40℃にて72時間エージングを実施し、接着剤層の硬化反応及び接着剤層内の発泡を促し、本発明の太陽電池裏面保護シートとした。本フィルムはA層ポリプロピレン系樹脂の含有量が少なく、またC層に相当する部分もポリエチレンを主体とする樹脂からなり、またB層がLDPEであるため、耐熱性が劣り、厚み変化が20%以上あり、銅板の透けが2枚以上認められた。各比較例の結果を表2に示す。
【0159】
(比較例2)
A層は比較例1と同処方とした。B層に使用する樹脂を、融点160℃、密度0.900g/cm
3、MFR7g/10分のH−PP100重量部に対して、酸化チタンマスタバッチAを30重量部混合した樹脂混合物を用いた。着色化剤である酸化チタンの添加量は13.8重量%である。
【0160】
C層樹脂に使用する樹脂として、融点127℃、密度0.940g/cm
3、MFR5g/10分のLLDPE100重量部に対し、融点150℃、密度0.900g/cm
3、MFR7g/10分、エチレン含有量4モル%のEPC50重量部を混合した樹脂混合物を用いた。このようにして用意した樹脂を各々単軸の溶融押出機に供給し、それぞれ260℃にて溶融押出を行い、マルチマニホールド型のTダイにて、A層/B層/C層=10%/70%/20%であるフィルム厚みが150μmのポリオレフィン系樹脂多層フィルムを得た。フィルムを実施例1と同じ方法で太陽電池裏面保護シートとした。
【0161】
本フィルムは、耐熱性試験においては銅板の透けなど発生しなかったが、接着性において、EVAとの接着性は優れるものの、ポリプロピレン主体となるB層と、ポリプロピレン系樹脂が20重量部と少なくポリエチレン主体となるA層の界面で容易に剥離してしまった。
【0162】
(比較例3)
A層に使用する樹脂として、融点150℃、密度0.900g/cm
3、MFR5g/10分、エチレン含有量4モル%のEPCを用いた。B層に使用する樹脂は、比較例2のB層と同処方とした。また、C層は融点160℃、密度0.900g/cm
3、MFR7g/10分のH−PPを用いた。
【0163】
このようにして用意したA層、B層、C層の樹脂混合物を各々単軸の溶融押出機に供給し、それぞれ260℃にて溶融してA層/B層/C層型のマルチマニホールド型のTダイに導き、30℃に保たれたキャスティングドラム上に押し出し、非ドラム面側から25℃の冷風を吹き付けて冷却固化して、各層の厚み構成比率が A層/B層/C層=10%/80%/10%であるフィルム厚みが150μmのポリオレフィン系樹脂多層フィルムを得た。本フィルムを実施例1と同じ方法で太陽電池裏面用保護シートとした。本フィルムは、A層にポリエチレンが添加されていないため、EVAと十分な密着力が認められなかった。
【0164】
(比較例4)
A層およびC層に使用する樹脂として、融点127℃、密度0.940g/cm
3、MFR5g/10分のLLDPE100重量部に対して、融点150℃、密度0.900g/cm
3、MFR7g/10分、エチレン含有量4モル%のEPC550重量部を混合した樹脂混合物を用いた。B層に使用する樹脂として、比較例2のB層と同処方とした。
【0165】
このようにして用意したA層、B層、C層の樹脂混合物を各々単軸の溶融押出機に供給し、それぞれ260℃にて溶融してA層/B層/C層型のマルチマニホールド型のTダイに導き、30℃に保たれたキャスティングドラム上に押し出し、非ドラム面側から25℃の冷風を吹き付けて冷却固化して、各層の厚み構成比率がA層/B層/C層=10%/80%/10%であるフィルム厚みが150μmのポリオレフィン系樹脂多層フィルムを得た。本フィルムを実施例1と同じ方法で太陽電池裏面保護シートとした。
【0166】
本フィルムは、EVAとの接着性試験において、A層のポリプロピレン系樹脂の添加量が550重量部と多いために、A層とEVAで界面剥離し、十分な接着強度が得られなかった。
【0167】
(比較例5)
A層に使用する樹脂として、融点127℃、密度0.940g/cm
3、MFR5g/10分のLLDPE100重量部に対して、融点150℃、密度0.900g/cm
3、MFR7g/10分、エチレン含有量4モル%のEPC100重量部を混合した樹脂混合物を用いた。
【0168】
B層の樹脂組成として、融点160℃、密度0.900g/cm
3、MFR7g/10分のH−PP100重量部に対して、酸化チタンマスタバッチAを3重量部を混合した樹脂混合物を用いた。
【0169】
C層に使用する樹脂として、融点160℃、密度0.900g/cm
3、MFR4g/10分、エチレン含有量7モル%のB−PPを用いて、実施例1と同製法で太陽電池裏面保護シートを得た。着色化剤である酸化チタンの添加量は1.7重量%である。
【0170】
本フィルムは、酸化チタンの濃度が少ないために、耐熱性試験前から銅板の透けが認められたので好ましくないと判断した。
【0171】
(比較例6)
比較例5において、B層の酸化チタンマスタバッチAを600重量部にした以外は、同処方、同製法の太陽電池用裏面保護シートを得た。着色化剤である酸化チタンの添加量は51.4重量%である。
【0172】
本フィルムは、フィルム製造工程において酸化チタンの濃度が高い為に凝集物が多発し、凝集物が口金につまり穴あきが発生したため、フィルムを採取することができなかった。
【0173】
(比較例7)
A層は実施例1と同処方とした。B層に使用する樹脂としては、融点が116℃、密度0.912g/cm
3、MFR4g/10分のLDPE100重量部に対して、酸化チタンマスタバッチB30重量部の樹脂混合物を用いた。着色化剤である酸化チタンの添加量は13.8重量%である。C層は比較例5と同処方とした。このようにして用意した樹脂を各々単軸の溶融押出機に供給し、それぞれ260℃にて溶融押出を行い、マルチマニホールド型のTダイにて、A層/B層/C層=10%/70%/20%であるフィルム厚みが150μmのポリオレフィン系樹脂多層フィルムを得た。フィルムを実施例1と同じ方法で太陽電池裏面保護シートとした。本フィルムは、耐熱性試験においては銅板の透けが発生した。更に、B層とC層の界面で剥離が認められた。
【0174】
(比較例8)
A層、及びB層は実施例1と同処方とした。C層に使用する樹脂としては、融点が116℃、密度0.912g/cm
3、MFR4g/10分のLDPEを用いた。このようにして用意した樹脂を各々単軸の溶融押出機に供給し、それぞれ260℃にて溶融押出を行い、マルチマニホールド型のTダイにて、A層/B層/C層=10%/70%/20%であるフィルム厚みが150μmのポリオレフィン系樹脂多層フィルムを得た。フィルムを実施例1と同じ方法で太陽電池裏面保護シートとした。本フィルムは、EVAとの接着性試験において、B層とC層の界面での剥離が認められた。
【0175】
(比較例9)
A層に使用する樹脂として、融点127℃、密度0.940g/cm
3、MFR5g/10分のLLDPE100重量部に対して、融点150℃、密度0.900g/cm
3、MFR7g/10分、エチレン含有量4モル%のEPC600重量部を混合した樹脂混合物を用いた。
【0176】
B層は実施例1と同処方とした。C層は使用する樹脂として、融点160℃、密度0.900g/cm
3、MFR4g/10分、エチレン含有量7モル%のB−PPを用いた。このようにして用意した樹脂を各々単軸の溶融押出機に供給し、それぞれ260℃にて溶融押出を行い、マルチマニホールド型のTダイにて、A層/B層/C層=20%/70%/10%であるフィルム厚みが150μmのポリオレフィン系樹脂多層フィルムを得た。フィルムを実施例1と同じ方法で太陽電池裏面保護シートとした。本フィルムは、EVAとの接着性試験において、A層とEVAの密着力が低かった。
【0177】
【表1】
【0178】
【表2】