(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
同種の電子回路部品を複数、バルク状に収容する部品収容部と、その部品収容部に収容された複数の電子回路部品を整列させ、予め定められた部品供給部に順次位置決めする部品整列・位置決め部とを含む部品ケースと、
その部品ケース内の電子回路部品を前記部品収容部から前記部品供給部へ移動させる部品移動装置と、
それら部品ケースと部品移動装置とを保持するとともに、自身はフィーダ保持部材の複数の保持部のいずれかに着脱可能に保持されるフィーダ本体と
を含み、前記部品ケースが複数、それら複数の部品ケースの複数の前記部品供給部が一平面上に位置するとともに、それら部品供給部の各々に位置決めされた電子回路部品が前記一平面に直角な方向に取り出し可能に、かつ、前記フィーダ保持部材の前記複数の保持部の並び方向と平行な方向である第1方向に並ぶように、前記フィーダ本体に保持され、
前記部品移動装置が、
前記第1方向と平行な回転軸線のまわりに回転するとともに、その回転軸線を中心とする一円周上に3個以上の磁石を等角度間隔に保持し、それら磁石により電子回路部品を吸着して、下方の前記部品収容部から上方の前記部品供給部へ移動させる回転盤を含み、
その回転盤が、前記第1方向において互いに隣接する2つの前記部品ケースに共用とされたことを特徴とするバルクフィーダ。
前記フィーダ本体が、前記複数の部品ケースを、前記フィーダ保持部材の前記複数の保持部の並び方向と直交し、かつ、前記一平面に平行な方向である第2方向に並べて保持する請求項1または請求項2に記載のバルクフィーダ。
前記部品移動装置を制御するコントローラを含み、そのコントローラを前記フィーダ本体に残して、前記部品ケースを前記フィーダ本体から取り外し可能である請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のバルクフィーダ。
前記部品ケースが互いに合わされる第1ケース部材と第2ケース部材とを含み、前記第1ケース部材の前記仕切板部を構成する部分の前記第2ケース部材側の面に前記部品案内溝が形成される一方、前記第2ケース部材の前記第1ケース部材側の面に凹部が形成され、その凹部の下部が前記部品収容部を構成するとともに、その凹部の上部の内壁面が前記部品案内溝を外周側から内周側へ横切る溝横切り部を備え、その溝横切り部が前記通過阻止部を構成する請求項6に記載のバルクフィーダ。
前記部品ケースが互いに合わされる第1ケース部材と第2ケース部材とを含み、前記第1ケース部材の前記仕切板部を構成する部分の前記第2ケース部材側の面に前記部品案内溝が形成される一方、前記第2ケース部材の前記第1ケース部材側の面に凹部が形成され、その凹部の下部が前記部品収容部を構成するとともに、その凹部の上部の内壁面が、前記部品収容部から前記部品案内溝より外周側においてその部品案内溝に沿って前記部品供給部に向かって延びるとともに、その部品供給部に近い部分ほど前記部品案内溝に近接し、前記磁石に吸引されて移動する電子回路部品を前記部品案内溝側へ寄せる部品寄せ部を含む請求項6または請求項7に記載のバルクフィーダ。
前記ストッパが、磁性材料から成る線材であって、前記回転盤が予め定められた回転停止位置に停止させられた状態で、一端において前記先頭部品と当接する一方、他端部が前記仕切板部を間に挟んで前記3個以上の磁石の一つと対向するストッパピンを含む請求項6ないし請求項8のいずれかに記載のバルクフィーダ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のバルクフィーダには、未だ改善の余地がある。例えば、バルクフィーダは部品収容部および部品供給部を1組有するのみであるため、1種類の電子回路部品しか供給できず、あるいは部品供給数に限界がある。そのため、バルクフィーダにより電子回路部品を供給する装置において、供給する電子回路部品の種類や数を多くしようとすれば、バルクフィーダの数を増やすこととなって電子回路部品供給装置が大形となり、あるいは装置の設置スペースに制限があれば、供給数や種類が制限されるというように改善の余地があるのである。
本発明は、このような実情に鑑みて為されたものであり、より実用的なバルクフィーダを得ることを課題として為されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題
を解決するために、本発明に係るバルクフィーダは、
同種の電子回路部品を複数、バルク状に収容する部品収容部と、その部品収容部に収容された複数の電子回路部品を整列させ、予め定められた部品供給部に順次位置決めする部品整列・位置決め部とを含む部品ケースと、
その部品ケース内の電子回路部品を前記部品収容部から前記部品供給部へ移動させる部品移動装置と、
それら部品ケースと部品移動装置とを保持するとともに、自身はフィーダ保持部材の複数の保持部のいずれかに着脱可能に保持されるフィーダ本体と
を含む
ことを前提とする。
そして、第1の発明に係るバルクフィーダは、
前記部品ケース
が複数、それら複数の部品ケースの複数の前記部品供給部が一平面上に位置するとともに、それら部品供給部の各々に位置決めされた電子回路部品が前記一平面に直角な方向に取り出し可能に、
かつ、前記フィーダ保持部材の前記複数の保持部の並び方向と平行な方向である第1方向に並ぶように、前記フィーダ本体に保持さ
れ、
前記部品移動装置が、
前記第1方向と平行な回転軸線のまわりに回転するとともに、その回転軸線を中心とする一円周上に3個以上の磁石を等角度間隔に保持し、それら磁石により電子回路部品を吸着して、下方の前記部品収容部から上方の前記部品供給部へ移動させる回転盤を含み、
その回転盤が、前記第1方向において互いに隣接する2つの前記部品ケースに共用とされる。
また、第2の発明に係るバルクフィーダは、
前記部品ケースが複数、それら複数の部品ケースの複数の前記部品供給部が一平面上に位置するとともに、それら部品供給部の各々に位置決めされた電子回路部品が前記一平面に直角な方向に取り出し可能に、前記フィーダ本体に保持され、
前記部品移動装置が、
前記フィーダ保持部材の複数の保持部の並び方向と平行な回転軸線のまわりに回転するとともに、その回転軸線を中心とする一円周上に3個以上の磁石を等角度間隔に保持した回転盤と、
その回転盤を回転駆動する回転駆動装置と
を含み、前記回転盤の回転に伴って、前記3個以上の磁石の各々が下方の前記部品収容部において電子回路部品を吸着し、上方の前記部品供給部へ移動させ、
前記部品ケースが、前記部品収容部および前記部品供給部と、前記回転盤との間に位置する仕切板部を含み、電子回路部品が回転盤には接触せず、
さらに、前記部品ケースが、
前記仕切板部の、前記回転盤とは反対側の面に、前記回転盤の回転に伴う前記3個以上の磁石の回転軌跡に沿って、前記部品収容部から前記部品供給部まで延びる状態で形成された溝であって、複数の電子回路部品を、一列に並び、かつ、各電子回路部品の全体が当該溝の内部に収容された状態で案内可能な部品案内溝と、
前記部品収容部と前記部品供給部との間の位置に設けられ、前記部品案内溝に全体が収容された電子回路部品の通過を許容する一方、少なくとも一部が前記部品案内溝の外部に位置する電子回路部品の通過を阻止する通過阻止部と、
前記部品案内溝の、前記通過阻止部より下流の位置に設けられ、その通過阻止部を通過した電子回路部品のうちの最も下流側に位置するものである先頭部品に当接して、その先頭部品を部品供給部に位置決めするストッパと
を含み、それら仕切板部,部品案内溝,通過阻止部およびストッパが前記部品整列・位置決め部を構成するものとされる。
【発明の効果】
【0007】
部品ケースに設けられた部品収容部と部品供給部とは互いに近接しており、電子回路部品は部品詰まりを生じることなく、整列させられて部品供給部へ送られる。このような部品ケースはコンパクトであり、フィーダ本体の大形化を抑制しつつ、複数保持させることができ、複数種類の電子回路部品あるいは多数の電子回路部品を供給させることができる。また、複数の部品供給部が一平面上に位置させられることにより、部品取出具は、いずれの部品ケースに対しても、一平面に直角な方向において同じ動作を行うことにより、部品供給部から電子回路部品を取り出すことができる。
複数の部品供給部からの電子回路部品の取出しは、複数の部品取出具により複数の部品供給部について同時に行われてもよく、複数の部品取出具が1つずつ、順番に行ってもよく、複数の部品供給部のうちの1つについて行われてもよい。
しかも、フィーダ本体はフィーダ保持部材の複数の保持部に着脱可能に保持されるため、必要に応じて複数の部品ケースをフィーダ本体と共に取り外すことができ、例えば、他のバルクフィーダと交換したり、電子回路部品装着機の外部で部品ケースへの電子回路部品の補給を行ったり、部品ケースの交換(部品ケースがフィーダ本体に対して着脱可能な場合)を行うことができる。
【0008】
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。請求可能発明は、少なくとも、請求の範囲に記載された発明である「本発明」ないし「本願発明」を含むが、本願発明の下位概念発明や、本願発明の上位概念あるいは別概念の発明を含むこともある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施形態の記載,従来技術等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
【0009】
(1)同種の電子回路部品を複数、バルク状に収容する部品収容部と、その部品収容部に収容された複数の電子回路部品を整列させ、予め定められた部品供給部に順次位置決めする部品整列・位置決め部とを含む部品ケースと、
その部品ケース内の電子回路部品を前記部品収容部から前記部品供給部へ移動させる部品移動装置と、
それら部品ケースと部品移動装置とを保持するとともに、自身はフィーダ保持部材の複数の保持部のいずれかに着脱可能に保持されるフィーダ本体と
を含み、前記部品ケースが複数、それら複数の部品ケースの複数の前記部品供給部が一平面上に位置するとともに、それら部品供給部の各々に位置決めされた電子回路部品が前記一平面に直角な方向に取り出し可能に、前記フィーダ本体に保持されたことを特徴とするバルクフィーダ。
(2)少なくとも前記複数の部品ケースが前記フィーダ本体に対して着脱可能である(1)項に記載のバルクフィーダ。
部品ケースは、部品移動装置全体と共にフィーダ本体に対して着脱可能とされてもよく、部品移動装置の一部(例えば、駆動源)をフィーダ本体側に残して着脱されるようにしてもよく、部品移動装置全体をフィーダ本体側に残して着脱されるようにしてもよい。
部品移動装置は、複数の部品ケースの各々について設けられてもよく、部品移動装置の少なくとも一部が少なくとも2つの部品ケースに共用とされてもよい。
部品ケースに部品収容部,部品整列・位置決め部および部品供給部が設けられれば、電子回路部品を部品収容部から部品供給部へ、フィーダ本体を経由することなく送り、供給されるようにすることができる。そのため、フィーダ本体に電子回路部品を残すことなく、部品ケースを着脱することができ、特に、部品ケースの交換により、供給する電子回路部品の種類を変更する場合、フィーダ本体に残った電子回路部品の除去が不要であり、迅速に変更を行うことができる。
部品ケースはフィーダ本体に対して着脱可能とされず、保持されたままとされてもよい。その場合でも、部品ケースについて電子回路部品の補給や、収容される電子回路部品の種類の変更を行うことは可能であるが、部品ケースをフィーダ本体に対して着脱可能とし、交換する方が、迅速に作業を行うことができる。
(3)前記フィーダ本体が、前記複数の部品ケースを、前記フィーダ保持部材の前記複数の保持部の並び方向と平行な方向である第1方向に並べて保持する(1)項または(2)項に記載のバルクフィーダ。
複数の保持部の並び方向は、1直線に沿った方向でも、1円弧に沿った方向でもよい。
電子回路部品が回路基材に装着され、その回路基材を保持する基材保持装置が、電子回路部品供給装置と、複数の部品供給部が位置する一平面内において第1方向と直交する方向に隣接して設けられる場合、複数の部品ケースの各部品供給部と基材保持装置との距離が同じになり、部品取出具の部品供給部と基材保持装置との間の移動に要する時間の増大を抑制し得る。
ここにおいて「複数の保持部の並び方向と平行な方向に並べる」には、原則的には並び方向に平行な方向に並べるのであるが、何らかの都合により、並び方向と直交する方向に小距離ずらさざるを得ない場合、あるいは、なんらかの理由で小距離ずらした方がよい場合も含まれるものとする。次項における「複数の保持部の並び方向と直交する方向に並べる」も同様である。なお、複数の部品ケースの並びを、原則的に、「複数の保持部の並び方向と平行な方向」あるいは「複数の保持部の並び方向と直交する方向」に対してずらして並べる態様は、(5)項のバルクフィーダに含まれるものとする。
なお、回路基材には、例えば、(a)回路基板、(b)ベアチップが搭載され、チップ付基板を構成する基材、(c)ボールグリッドアレイを備えた電子回路部品が搭載される基材等が含まれる。回路基板には、未だ電子回路部品が装着されていないプリント配線板、および一方の面に電子回路部品が搭載されるとともに電気的に接合され、他方の面には電子回路部品が未装着であるプリント回路板が含まれる。
(4)前記フィーダ本体が、前記複数の部品ケースを、前記フィーダ保持部材の前記複数の保持部の並び方向と直交し、かつ、前記一平面に平行な方向である第2方向に並べて保持する(1)項ないし(3)項のいずれかに記載のバルクフィーダ。
本項が(1)項または(2)項に従属する態様では、フィーダ保持部材により保持された状態において、フィーダ本体のフィーダ保持部材の複数の保持部の並び方向と平行な方向の寸法を大きくすることなく、フィーダ本体に複数の部品ケースを保持させることができる。そのため、例えば、バルクフィーダを複数有する電子回路部品供給装置の上記複数の保持部の並び方向と平行な方向の寸法が制限されている場合でも、部品ケースの数を増やし、供給する電子回路部品の種類や供給数を増やすことができる。
(5)前記フィーダ本体が、少なくとも2つの部品ケースを、前記フィーダ保持部材の前記複数の保持部の並び方向と平行な方向の成分と、その並び方向と直交し、かつ前記一平面に平行な方向の成分とを含む方向に隔たった状態で保持する(1)項または(2)項に記載のバルクフィーダ。
(6)前記部品移動装置を制御するコントローラを含み、そのコントローラを前記フィーダ本体に残して、前記部品ケースを前記フィーダ本体から取り外し可能である(1)項ないし(5)項に記載のバルクフィーダ。
フィーダ本体に対して着脱される複数の部品ケースに対して、コントローラを共用とすることができ、部品ケースを安価に構成することができる。
(7)前記部品移動装置の駆動源を前記フィーダ本体に残して、前記部品ケースを前記フィーダ本体から取り外し可能である(1)項ないし(6)項のいずれかに記載のバルクフィーダ。
部品移動装置の駆動源を部品ケースと共にフィーダ本体に対して着脱する場合には、駆動源にエネルギを供給する配線や配管を接続,分離可能とすることが必要になり、部品ケースの着脱が面倒となるのに対し、本態様を採用すれば、部品ケースの着脱が容易となる。あるいは、フィーダ本体に対して着脱される複数の部品ケースに対して、部品移動装置の駆動源を共用とすることができ、部品ケースを安価に構成することができる。
(8)前記部品移動装置が、前記第1方向と平行な回転軸線のまわりに回転するとともに、その回転軸線を中心とする一円周上に3個以上の磁石を等角度間隔に保持し、それら磁石により電子回路部品を吸着して、下方の前記部品収容部から上方の前記部品供給部へ移動させる回転盤を含み、その回転盤が、前記第1方向において互いに隣接する2つの前記部品ケースに共用とされた(3)項に記載のバルクフィーダ。
回転盤の共用により装置コストを低減させることができる。また、部品ケースをフィーダ本体に第1方向において密集させて配置することができ、フィーダ本体をコンパクトに構成することができる。
(9)前記部品移動装置が、
前記フィーダ保持部材の複数の保持部の並び方向と平行な回転軸線のまわりに回転するとともに、その回転軸線を中心とする一円周上に3個以上の磁石を等角度間隔に保持した回転盤と、
その回転盤を回転駆動する回転駆動装置と
を含み、前記回転盤の回転に伴って、前記3個以上の磁石の各々が下方の前記部品収容部において電子回路部品を吸着し、上方の前記部品供給部へ移動させる(1)項ないし(7)項のいずれかに記載のバルクフィーダ。
(10)前記部品ケースが、前記部品収容部および前記部品供給部と、前記回転盤との間に位置する仕切板部を含み、電子回路部品が回転盤には接触しない(9)項に記載のバルクフィーダ。
部品ケースがフィーダ本体および回転盤から分離された状態でも、部品収容部および部品供給部を含む内部空間内に収容された電子回路部品が外部に流出することを防止し得る容器状を成すことが望ましい。
回転盤は部品ケースの外にあり、部品ケースがフィーダ本体に対して着脱可能とする場合、部品ケースのみを着脱することが容易である。
(11)前記部品ケースが、
前記部品収容部および前記部品供給部と、前記回転盤との間に位置する仕切板部と、
その仕切板部の、前記回転盤とは反対側の面に、前記回転盤の回転に伴う前記3個以上の磁石の回転軌跡に沿って、前記部品収容部から前記部品供給部まで延びる状態で形成された溝であって、複数の電子回路部品を、一列に並び、かつ、各電子回路部品の全体が当該溝の内部に収容された状態で案内可能な部品案内溝と、
前記部品収容部と前記部品供給部との間の位置に設けられ、前記部品案内溝に全体が収容された電子回路部品の通過を許容する一方、少なくとも一部が前記部品案内溝の外部に位置する電子回路部品の通過を阻止する通過阻止部と、
前記部品案内溝の、前記通過阻止部より下流の位置に設けられ、その通過阻止部を通過した電子回路部品のうちの最も下流側に位置するものである先頭部品に当接して、その先頭部品を部品供給部に位置決めするストッパと
を含み、それら仕切板部,部品案内溝,通過阻止部およびストッパが前記部品整列・位置決め部を構成する(10)項に記載のバルクフィーダ。
(12)前記部品ケースが互いに合わされる第1ケース部材と第2ケース部材とを含み、前記第1ケース部材の前記仕切板部を構成する部分の前記第2ケース部材側の面に前記部品案内溝が形成される一方、前記第2ケース部材の前記第1ケース部材側の面に凹部が形成され、その凹部の下部が前記部品収容部を構成するとともに、その凹部の上部の内壁面が前記部品案内溝を外周側から内周側へ横切る溝横切り部を備え、その溝横切り部が前記通過阻止部を構成する(11)項に記載のバルクフィーダ。
(13)前記部品ケースが互いに合わされる第1ケース部材と第2ケース部材とを含み、前記第1ケース部材の前記仕切板部を構成する部分の前記第2ケース部材側の面に前記部品案内溝が形成される一方、前記第2ケース部材の前記第1ケース部材側の面に凹部が形成され、その凹部の下部が前記部品収容部を構成するとともに、その凹部の上部の内壁面が、前記部品収容部から前記部品案内溝より外周側においてその部品案内溝に沿って前記部品供給部に向かって延びるとともに、その部品供給部に近い部分ほど前記部品案内溝に近接し、前記磁石に吸引されて移動する電子回路部品を前記部品案内溝側へ寄せる部品寄せ部を含む(11)項または(12)項に記載のバルクフィーダ。
(14)前記ストッパが、磁性材料から成る線材であって、前記回転盤が予め定められた回転停止位置に停止させられた状態で、一端において前記先頭部品と当接する一方、他端部が前記仕切板部を間に挟んで前記3個以上の磁石の一つと対向するストッピンを含む(11)項ないし(13)項のいずれかに記載のバルクフィーダ。
(15)(1)項ないし(14)項のいずれかに記載のバルクフィーダを複数と、前記フィーダ保持部材とを含む電子回路部品供給装置。
電子回路部品供給装置をコンパクトに構成することができ、あるいは大形化を抑制しつつ、供給する電子回路部品の種類,数を増やすことができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、請求可能発明のいくつかの実施形態を、図を参照しつつ説明する。なお、請求可能発明は、下記実施形態の他、上記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更を施した態様で実施することができる。
【0012】
図1に、電子回路部品装着システムの外観を示す。本装着システムは、複数の装着モジュール10が、共通で一体のベース12上に互いに隣接して1列に1直線上に並ぶ状態で配列されて固定されることにより構成されている。複数の装着モジュール10はそれぞれ電子回路部品装着機であり、回路基板への電子回路部品の装着を分担し、並行して行う。
【0013】
装着モジュール10については、例えば、特開2004−104075号公報に詳細に記載されており、本請求可能発明に関する部分以外の部分については簡単に説明する。
各装着モジュール10はそれぞれ、
図2に示すように、モジュール本体18,基板搬送装置20,基板保持装置22,電子回路部品供給装置24,装着装置26,基準マーク撮像装置28(
図3参照),部品撮像システム30およびコントローラ32を備えている。
【0014】
本基板搬送装置20は、
図2に示すように、2つの基板コンベヤ34,36を備え、回路基板40を複数の装着モジュール10が並ぶ方向と平行な方向であって、水平な方向に搬送する。基板保持装置22は2つの基板コンベヤ34,36の各々について設けられ、それぞれ回路基板40を電子回路部品が装着される装着面が水平となる姿勢で保持する。
【0015】
装着装置26は、
図2および
図3に示すように、作業ヘッドたる装着ヘッド50と、装着ヘッド50を一平面内において互いに直交する2方向であるX軸,Y軸方向に移動させるヘッド移動装置52とを備えている。本実施形態では、基板搬送装置20による回路基板40の搬送に平行な方向をX軸方向、水平な一平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向とする。ヘッド移動装置52は、
図3に示すようにX軸方向移動装置54およびY軸方向移動装置56を備えている。Y軸方向移動装置56においては、リニアモータ58を駆動源とするYスライド移動装置60により、可動部材としてのY軸スライド62がY軸方向の任意の位置へ移動させられる。
【0016】
X軸方向移動装置54はY軸スライド62に設けられ、Y軸スライド62に対してX軸方向に移動させられるとともに、互いにX軸方向に相対移動させられる第1,第2X軸スライド64,66がそれぞれ、X軸スライド移動装置68(
図3には第2X軸スライド66を移動させる移動装置68のみが図示されている)によりX軸方向の任意の位置へ移動させられる。X軸スライド移動装置68は、駆動源たる電動回転モータの一種であるサーボモータと、ボールねじおよびナットを含む送りねじ機構とを備えている。
【0017】
装着ヘッド50は、第2X軸スライド66に着脱自在に搭載され、ヘッド移動装置52により、2つの基板保持装置22および電子回路部品供給装置24の部品供給部を含む領域内の任意の位置へ移動させられる。装着ヘッド50は、部品保持具の一種である吸着ノズル70が電子回路部品を負圧により吸着し、保持するものとされている。
【0018】
電子回路部品供給装置24は、部品供給具の一種である複数の部品フィーダと、フィーダ保持部材たる保持台80とを備えている。保持台80には、
図4および
図5に示すように、横断面形状が逆T字形を成し、Y軸方向に延びる溝82が複数、X軸方向に平行な方向に等間隔に並んで設けられ、それぞれ係合部を構成するとともに、その装着モジュール10の正面側の部分にはX軸方向に延びる溝84が設けられ、固定部を構成している。保持台80にはまた、複数の溝82の各々に対応する部分にそれぞれ、位置決め部を構成する位置決め穴86,88およびコネクタ90が設けられ、溝82,位置決め穴86,88および溝84の1つの溝82に対応する部分がフィーダ本体を保持する保持部92を構成し、保持台80には複数の保持部92がX軸方向に平行な一直線上に並ぶ状態で設けられている。本実施形態においては、X軸方向が第1方向、Y軸方向が第2方向であり、第1,第2方向と直交する第3方向をZ軸方向とする。本実施形態においては、電子回路部品供給装置24と基板保持装置22とは第2方向に隣接して設けられ、装着ヘッド50は第1,第2方向に移動させられる。
【0019】
部品フィーダには、例えば、
図2に示すバルクフィーダ96およびテープフィーダ98がある。本バルクフィーダ96は、
図4および
図9に示すように、2つの部品ケース100,部品移動装置102,コントローラ104およびフィーダ本体106を含む。本フィーダ本体106は長手形状の板状を成し、磁性材料、例えば、鉄製とされている。フィーダ本体106の長手方向の一端部であって、保持台80に保持された状態において基板保持装置22側となる前部の底面には、横断面形状が逆T字形を成し、被係合部を構成する脚部110がフィーダ本体106の長手方向に延びる状態で設けられ、フィーダ本体106の前面には、被位置決め部を構成する位置決め突部112,114およびコネクタ116が設けられている。フィーダ本体106にはまた、係合装置118が設けられている。
【0020】
バルクフィーダ96は、作業者が脚部110を溝82に嵌合させて前進させ、位置決め突部112,114を位置決め穴86,88に嵌合させるとともに、操作部材120を操作し、係合装置118の係合部材122を、溝84の鉛直な溝側面である係合面124に係合させることにより、X軸,Y軸およびZ軸方向(鉛直方向)において位置決めされた状態で保持台80に固定される。コネクタ116は保持台80のコネクタ90に接続され、バルクフィーダ96へ電力および情報,指令等が供給される。バルクフィーダ96は、係合部材122の溝側面124への係合が解除された状態で保持台80に対して後退させられることにより、保持台80から取り外される。
【0021】
前記部品移動装置102を説明する。
本部品移動装置102は、
図6に示すように、回転盤130および回転駆動装置132を含む。回転盤130は、
図7および
図8に示すように、横断面形状が円形を成し、フィーダ本体106により、バルクフィーダ96が保持台80に保持された状態でX軸方向に平行となる軸線まわりに回転可能に保持されている。回転盤130の回転軸線に平行な方向の中央部には、歯車134が一体に、かつ回転盤130の外周面から半径方向外向きに突出する状態で設けられている。回転盤130の歯車134の両側にはそれぞれ、駆動部136が形成されている。これら駆動部136は構造は同じであり、回転盤130の回転軸線に直角な平面に対して対称に設けられている。駆動部136には、
図7に示すように、回転盤130の回転軸線を中心とし、回転盤130の端面に開口する円環状の溝138が形成され、それにより、溝138の内周側に横断面形状が円形を成す突部140が設けられ、外周側に円環状の突部142が設けられている。突部140の端面は突部142の端面より溝138の底面側へ引っ込まされている。
【0022】
回転盤130には、
図7に示すように、その中心を回転軸線に平行な方向に貫通する貫通孔144が形成され、2つの駆動部136の各突部140の端面に開口させられ、被支持部を構成している。突部142には、回転盤130の外周面と端面とに開口する凹部150が複数、本回転盤130では8個、等角度間隔に形成され、それにより、隣接する2つの凹部150の間の部分にカム部152が形成されている。カム部152は8つ、等角度間隔に形成され、それぞれ、突部142の端面の一部である平坦面154と、平坦面154の回転盤130の周方向の両側にそれぞれ設けられ、回転軸線に平行な方向において平坦面154から離れるほど、回転方向においても平坦面154から遠ざかる向きに傾斜させられた傾斜面156とを含むカム面160を有する。8つのカム部152にはまた、それぞれ永久磁石162が設けられている。カム部152は永久磁石162と同数、設けられているのであり、8つの永久磁石162は回転盤130の回転軸線を中心とする一円周上に設けられている。本永久磁石162は円柱状を成し、その一端面が平坦面154内に位置し、外部に露出した状態でカム部152に埋設されている。
【0023】
前記フィーダ本体106の前端部には、
図6および
図9に示すように、フィーダ本体106の上面および両側面にそれぞれ開口させられた2つの凹部170が形成されている。フィーダ本体106の2つの凹部170の共通の底部を形成する部分には、フィーダ本体106の幅方向(バルクフィーダ96が保持台80に取り付けられた状態においてX軸方向に平行となる方向)に貫通し、横断面形状が円形の貫通穴172が形成されている。
【0024】
貫通穴172は、
図9に示すように段付状を成し、小径穴部174および大径穴部176を有する。貫通穴172はまた、
図6に示すように、一部がフィーダ本体106の上面と交差し、上方に開口させられており、回転盤130の通過を許容する。回転盤130は、
図9に示すように、2つの駆動部136の一方が小径穴部174に嵌合され、歯車134は大径穴部176に嵌合される。その状態で、
図6に示すように、板状の押さえ部材178が、大径穴部176より大径の有底の嵌合穴180に嵌合され、大径穴部176の底面との間に歯車134の歯部を挟み、フィーダ本体106にねじ182によって固定されている。それにより、回転盤130は、フィーダ本体106に回転可能かつ軸方向において位置決めされた状態で保持される。
【0025】
前記回転駆動装置132は、
図6に示すように、駆動源たる電動回転モータ200と、そのモータ200の回転を回転盤130に伝達する回転伝達装置202とを含む。本モータ200はステッピングモータにより構成され、フィーダ本体106に、バルクフィーダ96の幅方向に平行な軸線まわりに回転可能に設けられている。回転伝達装置202は、モータ200の出力軸204に取り付けられた歯車206と、フィーダ本体106に、歯車206の回転軸線と平行な軸線まわりに回転可能に取り付けられた歯車208,210とを含む。歯車208は歯車206,210と噛み合わされ、歯車210は回転盤130の歯車134と噛み合わされる。
【0026】
フィーダ本体106には、
図6に示すように回転位置検出装置220が設けられ、回転盤130の予め設定された回転位置を検出する。回転位置検出装置220は、被検出体222およびセンサ224を含む。被検出体222は、歯車210の回転軸225に相対回転可能に嵌合された円板状の本体226と、本体226の外周面に突設された複数、本被検出体222では4つの被検出部たるドグ228とを含む。これらドグ228は等角度間隔に設けられている。本体226には、歯車210の回転軸線を中心とする一円周上に複数、例えば、4つの長穴230が等角度間隔に形成され、これら長穴230を通ってねじ232が歯車210に螺合されることにより、被検出体222が歯車210に固定される。センサ224はフィーダ本体106に取り付けられ、例えば、非接触型センサの一種である光電センサであって、透過型の光電センサとされ、4つのドグ228のうちの1つがセンサ224によって検出されることにより、回転盤130の回転位置が検出される。この被回転検出位置は、被検出体222の歯車210に対する固定を解除し、被検出体222を歯車210に対して回転させることにより変えられる。モータ200は、前記コントローラ104により制御される。コントローラ104はコンピュータを主体として構成され、フィーダ本体106に取り付けられ、センサ224の検出信号が入力させられる。
【0027】
前記部品ケース100を説明する。
2つの部品ケース100は同様に構成されており、いずれもフィーダ本体106に対して着脱可能である。本部品ケース100は、
図10および
図11に示すように、ケース部材250,252を含む。本ケース部材250,252はいずれも透明な合成樹脂により作られ、ケース部材250の外形寸法はケース252より大きいが、ケース部材252より薄く、互いに合わされる。ケース部材250には、ケース部材252に合わされる合わせ面254とは反対側の面である外面256の中央部に、円形断面の軸部258が突設されている。ケース部材250の幅(部品ケース100がフィーダ本体106に保持された状態で前後方向となる方向の寸法)は前記回転盤130の直径より大きくされており、本部品ケース100は、ケース部材250が外面256側において前記回転盤130と対向させられ、その回転盤130と対向する部分が仕切板部253(
図12参照)を構成している。
【0028】
ケース部材250にはまた、
図10に示すように、軸部258の軸線を中心線とし、外面256の仕切板部253を構成する部分に開口する円環状の凹部260が形成されている。凹部260は、前記回転盤130の円環状の突部142が嵌入可能な外径および内径を有するものとされ、その上部はケース部材250の上面262と交差させられている。それにより、ケース部材250の上端部には、上面262および外面256に開口する開口264が形成されている。
【0029】
ケース部材250は、
図12に示すように凹部260が形成された部分は薄肉とされている。仕切板部253の一部が薄肉とされているのであり、その薄肉部268に、合わせ面254に開口して部品案内溝270が形成されている。部品案内溝270は、
図13に示すように、軸部258の軸線を中心とする円に沿った半円環状を成し、ケース部材250の下部から上部に至る状態で形成され、凹部260とは薄い壁によって仕切られている。部品案内溝270の上端は上記円の最上端に位置している。
【0030】
部品案内溝270は、電子回路部品(以後、部品と略称する)272(
図10参照)全体が、その長手方向が部品案内溝270の長手方向に延びる姿勢で収容されるとともに、複数の部品272が長手方向に1列に並んだ状態が得られる深さおよび幅を有するものとされている。部品案内溝270の深さは、部品272の幅より大きく、幅の2倍より小さくされており、部品272は、厚さ方向が部品案内溝270の幅方向となり、幅方向が部品案内溝270の深さ方向となる姿勢でのみ、部品案内溝270に収容され得る。部品272としては、リードを有しないチップ状の部品が収容され、例えば、コンデンサや抵抗器等、磁性材料製の電極を有する部品が収容される。半田付けのために電極にニッケルメッキが施された電子回路部品でもよい。
【0031】
ケース部材250の薄肉部268にはさらに、部品案内溝270の上端から、部品送り方向の下流側へ、部品案内溝270に対する接線に平行な方向に延び、合わせ面254に開口する凹部が形成されるとともに、
図12および
図13に示すように、ストッパピン274が埋設されている。ストッパピン274は、磁性材料、例えば、鉄から成る線状を成し、上記凹部内に、部品案内溝270の上端に位置する部品272と対向する姿勢で、接着等適宜の手段で固定される。
【0032】
ケース部材250にはさらに、前記開口264が形成されることにより得られる薄壁部280に、
図12および
図13に示すように、ケース部材250の厚さ方向に貫通して2つの切欠282,284が形成されている。切欠282は、部品案内溝270の上端部およびストッパピン274の先端部(部品案内溝270側の端部)に対応する部分に形成され、部品案内溝270の上端部が上方に開放されている。他方の切欠284は、切欠282より、部品案内溝270における部品272の送り方向において下流側に形成されている。また、薄壁部280の切欠282,284の間の部分は上面262より上方へ突出させられ、押さえ部288が設けられている。
【0033】
ケース部材250にはさらに、
図13に示すように、複数、例えば、4個の永久磁石296が設けられている。これら永久磁石296はケース部材250の四隅に埋設され、その端面は外面256に露出させられている。さらに、ケース部材250には、対角線方向に隔たった2箇所にそれぞれ、位置決め穴298,300が厚さ方向に貫通して形成されている。位置決め穴298は正円、位置決め穴300は長穴とされている。なお、永久磁石は3個設けられてもよい。
【0034】
前記ケース部材252には、
図12および
図14に示すように、ケース部材250に合わされる側の面である合わせ面320に開口する凹部322が形成されている。凹部322の内壁面324は、
図14に示すように、それぞれ直径が異なる2種類の円筒面の各一部である部分円筒面326,328がケース部材250の対角線方向に隔たって対向させられるとともに、それら部分円筒面326,328の各周方向の端部の間の部分が、合わせ面320に対して直角な平面330,332とされた形状を有する。直径が大きい方の部分円筒面326は部分円筒面328の下側に位置させられ、部分円筒面328は部分円筒面326より内側に位置させられている。ケース部材250,252が合わされ、かしめ等、適宜の固定手段によって固定されることにより、凹部322の開口がケース部材250により塞がれ、容器状の部品収容室334が形成されている。部品ケース100の部品収容室334が形成された部分が部品収容部336を構成している。部分円筒面326の直径は、部品案内溝270が沿う円の直径より大きくされ、部分円筒面328の直径は、部品案内溝270が沿う円の直径より小さくされている。それにより、ケース部材250,252が合わされた状態では、
図10に示すように、部品案内溝270の一部は合わせ面320により塞がれ、一部は部品収容室334に開口させられた状態が得られる。
【0035】
内壁面324の上側の平面330は、
図10に示すように、部品案内溝270を外周側から内周側に横切る状態となり、溝横切り部340を構成している。部品案内溝270の平面330より下側の部分は部品収容室334に開口させられる一方、上側の部分は合わせ面320により塞がれ、
図10および
図15に示すように、両端が開口し、全周が閉じられた通路342とされている。部品案内溝270の上端部であって、通路342の端部は、前記切欠282により上方に開放させられ、その部分が部品取出口344を構成している。部品取出口344は、前記軸部258の軸線と直交し、上下方向に延びる線上に位置する。部品ケース100の部品取出口344が設けられた部分が部品供給部346を構成し、溝横切り部340は部品収容部336と部品供給部346との間の位置に設けられている。また、仕切板部253,部品案内溝270,溝横切り部340,ストッパピン274が部品整列・位置決め部を構成している。
【0036】
また、内壁面324の部分円筒面326は、
図10に示すように、部品収容部336から、部品案内溝270より外周側において、部品案内溝270に沿って部品供給部346に向かって延びるとともに、その部品供給部346に近い部分ほど部品案内溝270に近接させられ、部品寄せ部350を構成している。
【0037】
ケース部材252にはまた、
図14および
図16に示すように、シャッタ360が設けられている。シャッタ360は、
図16に示すように、板状部材が、平面視の形状がU字形を成すように弾性的に曲げられて成る。ケース部材252の上端部の一部には、
図10に示すように、ケース部材250,252が合わされ、固定された状態においてケース部材250の上面262から上方へ突出した状態となる突部が設けられ、その突部のケース部材250の合わせ面254に合わされる部分には、ケース部材252の合わせ面320に開口して凹部362が形成されている。シャッタ360は凹部326内に収容され、U字の一方のアーム部364が接着等、適宜の手段によりケース部材252に固定されている。U字の他方のアーム部366は、その長手方向の中間部が凹部362の開口側へ突出させられて遮蔽部368が設けられ、先端部は遮蔽部368より大きく突出させられてカムフォロワ370が設けられている。カムフォロワ370は、突出端ほど遮蔽部368から離れる向きに傾斜させられた傾斜面372を備えている。
【0038】
アーム部366は、
図16に示すように、前記薄壁部280および押さえ部288によって凹部362からの抜出しを阻止され、その状態では、遮蔽部368が前記切欠282内へ突出させられて部品取出口344を覆う。また、カムフォロワ370は切欠284を通って、ケース部材250の開口264内へ突出させられる。遮蔽部368は通常は閉じられていて、吸着ノズル70によって部品272が取り出されるときには開かれている。なお、
図12においては、部品取出口344を図示するために、シャッタ360の図示が省略されている。また、凹部362を画定する上壁の遮蔽部368に対応する部分には、
図11に示すように、合わせ面320に開口し、上下方向に貫通する切欠374が形成されている。
【0039】
ケース部材252にはさらに、
図14に示すように、凹部322の底壁を貫通して開口380が形成されており、開口380から部品収容室334に同種の複数の部品272が入れられ、バルク状に収容される。部品収容後、蓋382が接着等、適宜の手段により固定され、開口380が閉塞される。
【0040】
2つの部品ケース100は、フィーダ本体106の前記2つの凹部170に嵌合され、固定される。そのため、各凹部170の、フィーダ本体106の幅方向に直角な底面には、
図6および
図17に示すように、対角線方向に隔たった2箇所にそれぞれ、位置決めピン390,392が突設されている。
【0041】
本バルクフィーダ96において部品ケース100のフィーダ本体106への取付け,取外しは、バルクフィーダ96が保持台80から取り外された状態で作業者により行われる。部品ケース100をフィーダ本体106に取り付ける場合には、作業者は部品ケース100を凹部170へ、フィーダ本体106の幅方向に嵌め入れ、位置決め穴298,300に位置決めピン390,392を嵌合させ、軸部258を回転盤130の貫通孔144に嵌合させる。部品ケース100は、永久磁石296の磁力により磁性材料製のフィーダ本体106に固定され、
図18に示すように、ケース部材250が凹部170の底面に密着させられる。本実施形態においては、凹部170と、フィーダ本体106の部品ケース100を磁力によって吸着する部分と、位置決めピン390,392とがケース保持部を構成し、本フィーダ本体106は複数、例えば、2つのケース保持部を有する。また、本実施形態においては、貫通穴172および押さえ部材178が回転盤保持部を構成している。
【0042】
2つの部品ケース100がそれぞれ凹部170に嵌め入れられ、フィーダ本体106に固定された状態では、
図17に示すように、回転盤130を挟んでケース部材250側が互いに背面合わせにされ、各部品供給部346がフィーダ本体106の幅方向に平行な一直線上に並び、一平面内に位置する状態となる。また、2つの部品ケース100の各部品案内溝270は方向が逆になる。部品ケース100の位置決め穴298,300およびフィーダ本体106の2つの凹部170の各位置決めピン390,392は、回転盤130の回転軸線と直交し、上下方向に延びる軸線まわりに反転させられた状態でフィーダ本体106に取り付けられる2つの部品ケース100のいずれについても、互いに嵌入させられて部品ケース100を位置決めするように設けられている。そして、バルクフィーダ96が保持台80に取り付けられた状態では、
図19に模型的に示すように、複数のバルクフィーダ96の各部品ケース100の部品供給部346がX軸方向に平行な一直線上に並び、水平な一平面内に位置する状態となる。
【0043】
回転盤130は、2つの部品ケース100の各軸部258の貫通孔144への嵌入により回転可能に支持されて回転軸線が位置決めされ、歯車134が歯車210と回転伝達可能に噛み合った状態となる。この状態で、回転位置検出装置220のドグ228の位置が調節されるが、この位置調節については後に説明する。また、回転盤130は、
図9に示すように、カム部152(突部142)の歯車134からの突出端部が部品ケース100の円環状の凹部260に嵌入させられた状態となるが、仕切板部253により隔てられ、部品272が回転盤130に接触することはない。また、この嵌入によりフィーダ本体106の幅の増大が抑制される。部品ケース100をフィーダ本体106から取り外す場合には、作業者は部品ケース100を、磁力に打ち勝って、フィーダ本体106の幅方向においてフィーダ本体106から離間させる向きに移動させる。それにより、本部品ケース100は、回転盤130,回転駆動装置132(部品移動装置102全体)およびコントローラ104をフィーダ本体106に残してフィーダ本体106から取り外される。本実施形態においては、部品移動装置102およびコントローラ104が2つの部品ケース100に共用とされている。
【0044】
前記テープフィーダ98は、電子回路部品を部品保持テープに保持させた状態で供給する部品フィーダであり、そのフィーダ本体400(
図2参照)はバルクフィーダ96のフィーダ本体106と同様にして保持台80に位置決めされて固定されるように構成されている。したがって、1つの保持台80にはバルクフィーダ96とテープフィーダ98との少なくとも一方を保持させることができる。例えば、
図1に示すように、複数の装着モジュール10のうち、最上流の装着モジュール10においてはバルクフィーダ96により電子回路部品が供給され、その他の装着モジュール10においてはテープフィーダ98により電子回路部品が供給される。
【0045】
さらに、装着モジュール10の前記コントローラ32は、コンピュータを主体として構成され、前記基板搬送装置20等を制御するとともに、バルクフィーダ96のコントローラ104との間で指令,情報等のやり取りを行う。
【0046】
本バルクフィーダ96においては、2つの部品ケース100に同種の部品272が収容され、一方の部品ケース100により部品272が供給され、その部品ケース100の部品272がなくなったならば、他方の部品ケース100により部品272が供給される。本バルクフィーダ96は予備の部品ケース100を備えていることになる。ただし、2つの部品ケース100にそれぞれ、種類が異なる回路基板40に装着される異なる種類の電子回路部品が収容されてもよい。
【0047】
本バルクフィーダ96においては、フィーダ本体104に取り付けられた2つの部品ケース100の各部品案内溝270の方向が逆であり、回転盤130が回転させられるとき、一方の部品ケース100においては部品272が送られ、他方の部品ケース100においては送られない。そのため、回転盤130は部品272を供給する部品ケース100において部品272を送る方向(
図10においては時計方向)に回転させられ、それにより、その部品ケース100においては、部品272が部品収容室334から部品取出口344へ送られる。回転盤130は、永久磁石162が埋設された突部142の部品ケース100の円環状の凹部260への嵌入により、部品ケース100の外において8個の永久磁石162が、凹部260の底壁を構成する薄肉部268を隔てて部品案内溝270に近接させられている。また、ケース部材250の薄肉部268に形成された部品案内溝270は、8個の永久磁石162の回転軌跡に沿って延びている。そのため、永久磁石162の磁力が部品272に作用し、回転盤130が、永久磁石162が部品案内溝270に沿って、部品収容部336の下部から部品供給部346へ向かう向きに回転させられるとき、永久磁石162により吸着された部品272が部品収容室334内を下方から上方へ移動させられる。
【0048】
複数の部品272が部品案内溝270に沿って移動させられるが、溝横切り部340へ至れば、部品案内溝270内に入っている部分のない部品272や、一部のみが部品案内溝270に入っている部品272は、部品案内溝270に対して直角な平面330により掻き落とされて通路342内への進入を阻止される。全体が部品案内溝270内に収容されている部品272のみが平面330に妨げられることなく通路342内へ進入し、1列に整列した状態で部品取出口344へ移動させられる。部品収容室334の内壁面324を構成する部分円筒面326は、平面330に近い部分ほど部品案内溝270に近接させられており、部品272は平面330側へ移動させられるほど、部品案内溝270側へ寄せられ、部品案内溝270内への収容が促される。
【0049】
通路342へ進入した部品272のうち、最も下流側に位置する先頭の部品272がストッパピン274の部品送り方向において上流側の端部に当接し、部品取出口344内に位置する部品取出位置に停止させられる。回転盤130は、8つの永久磁石162の配設角度間隔に等しい角度ずつ、間欠回転させられ、
図20に模型的に示すように、隣接する2個の永久磁石162が、部品取出口344の両側に等角度を隔てた状態となる停止位置に停止させられる。この状態では、上記部品取出口344の両側に位置する2個の永久磁石162のうち、
図20に矢印で示す回転方向において下流側の永久磁石162が薄肉部268を間に挟んでストッパピン274の後部(部品送り方向において下流側の端部)に対向し、上流側の永久磁石162が先頭の部品272から上流側に離れた状態となる。そのため、先頭の部品272は、磁性材料製のストッパピン274により導かれる永久磁石162の磁束の磁気吸引力によりストッパピン274に吸着され、部品取出位置に位置決めされた状態に保たれる。2番目以降の部品272には、上流側の永久磁石162の磁気吸引力が作用し、部品案内溝270の仕切板部253側の側面に引き寄せられ、1列に整列した状態に保たれる。
【0050】
また、回転盤130の凹部260に嵌入させられた突部142の上端部は、
図10に二点鎖線で示すように、ケース部材250の上面から突出させられる。この突出は開口264により許容され、カム部152がシャッタ360と相対する状態が得られる。回転盤130の回転に伴ってカム部152の傾斜面156がシャッタ360のカムフォロワ370の傾斜面372に係合し、斜面の作用によりアーム部366を凹部362内に引っ込む向きに移動させる。それにより、遮蔽部368が切欠282内から凹部362内へ引っ込まされ、部品取出口344が開放されて吸着ノズル70により部品272が取り出されるようにされる。回転盤130が上記の停止位置において停止させられた状態では、
図9(b)に示すように、平坦面154がカムフォロワ370に係合する状態となり、シャッタ360は部品取出口344を開放する状態に保たれる。
【0051】
前記回転位置検出装置220の被検出体222の歯車210に対する位相は、回転盤130が8つの停止位置のいずれかにおいて停止した状態において、4つのドグ228のうちの1つがセンサ224によって検出される位相に調節される。そして、いずれか1つのドグ228がセンサ224によって検出される位置を原点位置としてモータ200が制御され、回転盤130が1/8回転ずつ間欠回転させられる。
【0052】
装着ヘッド50は、装着プログラムに従って部品272を受け取るバルクフィーダ96の部品272を供給する部品ケース100へ移動させられ、吸着ノズル70が部品取出口344上に位置決めされた状態で下降させられ、部品取出口344を通って部品272を吸着する。この際、切欠374により、吸着ノズル70の吸着管を保持する部分とケース部材252との干渉が回避される。そして、吸着ノズル70が上昇させられ、上方に開口させられた部品取出口344から部品272が上方へ取り出される。部品取出し後、回転盤130が回転させられ、次の部品272が部品取出口344へ送られる。回転盤130の回転に伴ってカムフォロワ370が平坦面154から外れ、
図9(a)に示すように、凹部150内に位置させられ、遮蔽部368により部品取出口344が閉じられるが、回転盤130が次に停止させられたときには、再び部品取出口344が開かれる。なお、部品272を供給しない部品ケース100については、部品272は送られないが、回転盤130の回転に伴ってカム部152がカムフォロワ370に係合してアーム部366を移動させ、遮蔽部368により部品取出口344が開閉させられる。
【0053】
一方の部品ケース100が空になり、他方の部品ケース100によって部品272が供給される場合には、回転盤130の回転方向が逆にされる。2つの部品ケース100は同じものであり、それらが互いに向かい合う状態でフィーダ本体106に取り付けられるため、部品案内溝270の方向が逆になるのに対し、回転盤130が2つの部品ケース100に共用であるためである。カム面160は平坦面154の両側に傾斜面156が対称に形成されたものとされ、回転盤130が正逆いずれの方向に回転させられても、シャッタ360を同様に駆動することができる。
【0054】
フィーダ本体を非磁性材料製とし、その部品ケースの永久磁石と対向する部分に永久磁石を設け、あるいはその部分を磁性材料製として、部品ケースを吸着させてもよい。
【0055】
部品ケースは、上方へ移動させてフィーダ本体から取り外してもよい。また、回転盤はフィーダ本体により、回転軸線が位置決めされた状態で回転可能に保持されてもよい。それらの実施形態を
図21〜
図26に基づいて説明する。
本バルクフィーダ450においても、前記バルクフィーダ96と同様に、2つの部品ケース452がフィーダ本体454によりX軸方向に並んで保持され、部品移動装置460の回転盤462は、前記回転盤130と同様に2つの部品ケース452に共用とされ、部品移動装置460が共用とされている。そのため、フィーダ本体454には、
図21および
図22に示すように、上面および両側面にそれぞれ開口する2つの凹部464が形成されるとともに、2つの凹部464の底部を貫通して貫通穴466が形成され、回転盤462がフィーダ本体454の幅方向に平行な軸線まわりに回転可能に嵌合されている。
【0056】
回転盤462は前記回転盤130と同様に構成され、回転支持部材たる2つの鍔付きのローラ470および部品移動装置460の回転駆動装置472の歯車474により回転可能に支持されている。部品ケース452,回転盤462のそれぞれ、部品ケース100,回転盤130の構成要素と同じ作用を成す構成要素には同じ符号を付して説明に使用する。本回転駆動装置472は、エンコーダ476を備えたサーボモータ478および回転伝達装置480を含み、回転盤462の下方、本バルクフィーダ450では真下に設けられている。
【0057】
回転伝達装置480は、モータ478の出力軸484に取り付けられた歯車486と上記歯車474とを備え、これらモータ478,歯車486,474は、各回転軸線が、回転盤462の回転軸線と平行となるとともに、回転盤462の回転軸線を含む鉛直な平面内に位置するように設けられ、歯車474が歯車134,486と噛み合わされている。歯車474は、
図23に示すように、軸線方向に隔たった両端部から半径方向外向きに延び出させられた一対の鍔部488を備え、それら鍔部488により歯車134を軸線方向の両側から挟んでいる。
【0058】
前記鍔付きのローラ470は、
図21および
図24に示すように、回転軸線に平行な方向の両端部からそれぞれ、半径方向外向きに延び出させられた一対の鍔部496を備えている。フィーダ本体454の前記凹部464の底部の貫通穴466を画定する部分には、一方の凹部464に開口して2つの凹部498が形成されるとともに、それぞれ支持軸500が立設され、ローラ470が回転盤462の回転軸線に平行な軸線まわりに回転可能に支持されている。ローラ470は、一対の鍔部496によって回転盤462の歯車134を挟むとともに、鍔部496の外周面が一対の駆動部136の各外周面に接触させられている。回転盤462は、歯車134と歯車474との噛合いおよび2つのローラ470の駆動部136との接触により、周方向に隔たった3箇所を支持されて回転軸線が位置決めされるとともに、鍔部488,496により歯車134が挟まれて軸方向の移動を阻止されている。
【0059】
部品ケース452は、軸部258が設けられていないことを除いて前記部品ケース100と同様に構成されており、凹部464に嵌合され、位置決めピン520,522によって位置決めされるとともに、電磁石524により磁力によってフィーダ本体454に固定される。2つの凹部464を隔てる底部には、
図21に示すように複数、例えば4個の電磁石524が4隅に設けられている。これら電磁石524はそれぞれ、
図25に2つを示すように、磁性材料製のフィーダ本体454に設けられた嵌合穴526内に非磁性材料、例えば、合成樹脂製の筒状の保持部材528を介して設けられ、磁極が生じさせられる軸線方向の両端部がそれぞれ、2つの凹部464に臨む状態となるように設けられている。
【0060】
2つの部品ケース452は構成が同じものであり、フィーダ本体454には互いに反転させられた状態で取り付けられるのに対し、4個の電磁石524は2つの部品ケース452について共用とされる。そのため、
図25に示すように、部品ケース452に設けられた4つの永久磁石530の各磁極は前後(部品ケース452がフィーダ本体454に取り付けられた状態で、フィーダ本体454の長手方向と平行となる方向)で逆にされ、4個の電磁石524も前後で磁極が逆になるように設けられている。また、4個の電磁石524および部品ケース452の4個の永久磁石530は、2つの部品ケース452が互いに反転させられた状態でフィーダ本体454に取り付けられるとき、いずれの部品ケース452についても互いに対向した状態となるように設けられている。電磁石524は、コイルへの電流の供給方向により、両端部にそれぞれ生じさせられる磁極が異ならされる。そのため、フィーダ本体454には、
図21に示すように、操作部材たる切換スイッチ532が設けられ、作業者の操作により、電流供給の有無および供給方向の切換えが行われるようにされている。切換スイッチ532はコントローラ104に接続され、その出力信号に基づいて電磁石524への通電がコントローラ104によって制御される。
【0061】
部品ケース452を構成する前記ケース部材250はケース部材252より大きく、ケース部材250の縁部540はケース部材252の外方へ突出させられている。そのため、本バルクフィーダ450においては、2つの凹部464がそれぞれ、
図21および
図26に示すように、フィーダ本体454の側面に開口する側の部分は、ケース部材252の嵌合は許容するが、前後方向においてはケース部材250より小さい大きさに開口させられ、凹部464の底部側の前後方向に隔たった2箇所にそれぞれ、上下方向に延びる凹部542が設けられている。凹部542は、フィーダ本体454の幅方向において、縁部540が嵌合されるとともに、部品ケース452の位置決めピン520,522からの離脱および回転盤462の駆動部136からの離脱を許容する寸法を有するものとされている。なお、フィーダ本体454は、実際には、加工の都合上、複数の部材を一体に組み合わせて成るが、ここでは一体の部材として示すこととする。さらに、ケース部材252の上面には、
図21および
図25に示すように、前後方向に隔たった2箇所にそれぞれ取手550が設けられ、被保持部たる持手部を構成している。
【0062】
2つの部品ケース452は、バルクフィーダ450が保持台80に取り付けられたままの状態で、作業者によりフィーダ本体454に取り付けられ、フィーダ本体454から取り外される。そのため部品の供給,交換,セットが迅速に行われる。部品ケース452をフィーダ本体454に取り付ける場合には、部品ケース452を、ケース部材252を凹部464のフィーダ本体454の側面側の開口部に合わせ、ケース部材250を凹部542に合わせ、ケース部材252と位置決めピン520,522および回転盤462との干渉を避けつつ上方から挿入し、挿入後、部品ケース452を回転盤462へ移動させ、位置決め穴298,300に位置決めピン520,522を嵌合させ、回転盤462の駆動部136の先端部を部品ケース452の凹部260に嵌入させる。この際、作業者による切換スイッチ532の操作に基づいて電磁石524のコイルに電流が供給され、磁力が生じさせられる。通電は、
図25(b)に示すように、電磁石542に、部品ケース452の永久磁石530との間に反発力が得られる磁極が生じるように行われ、作業者は、この反発力に抗して位置決めピン520,522と位置決め穴298,300との位置を合わせ、嵌合する。そして、通電の方向が逆にされ、
図25(a)に示すように、電磁石524に、対向する永久磁石530を吸着する磁極が生じさせられ、部品ケース452が磁力によってフィーダ本体454に吸引され、固定される。
【0063】
部品ケース452をフィーダ本体454から取り外す場合には、電磁石542への通電方向が切り換えられ、部品ケース452の永久磁石530との間に反発力が得られる磁極が生じさせられる。それにより、部品ケース452が凹部464の底面から離間させられる。この離間は、
図25(b)に示すように、縁部540が凹部542の、凹部464の底面と対向する壁面に当接することにより規定され、部品ケース452が隣接するバルクフィーダ450に当たることが回避される。そして、位置決めピン520,522が位置決め穴298,300から抜け出させられるとともに、回転盤462が部品ケース452から離脱させられる。そのため、作業者は、2つの取手550のうち、フィーダ本体454の後部側(手前側)の取手550を持って部品ケース452を上方へ移動させ、凹部464から抜け出させ、フィーダ本体454から取り外すことができる。
【0064】
本バルクフィーダ450においても、2つの部品ケース452には同種の部品が収容され、一方の部品ケース452により部品が供給される。部品供給時には、サーボモータ478が起動させられ、回転盤462の間欠回転により部品ケース452内の部品が1個ずつ、部品取出口344へ送られる。サーボモータ478は、エンコーダ478による回転角度の検出に基づいてコントローラ104により制御され、回転盤462が所定の停止位置に停止させられる。
【0065】
フィーダ本体には、複数の部品ケースを第2方向に並べて設けてもよい。その実施形態を
図27〜
図31に基づいて説明する。
本バルクフィーダ600においては、
図27および
図28に示すように、複数、例えば、3個の部品ケース602がフィーダ本体604の長手方向(フィーダ本体604が保持台80に取り付けられた状態ではY軸方向)に一直線状に並んで保持される。フィーダ本体604には、3つの凹部610が長手方向に1列に並んで設けられており、それぞれ前記凹部464と同様に構成され、部品ケース602が位置決めピン612,614により位置決めされ、電磁石616により吸着されてフィーダ本体604に固定される。3つの凹部610の各々に設けられた電磁石616について切換スイッチ532が設けられ、凹部610毎に電磁石616への電流供給の切換えが作業者によって行われる。部品ケース602は、前記部品ケース452と同様に構成されているが、取手550はケース部材252の上面の後部、1箇所にのみ設けられている。また、4個の電磁石616および部品ケース602の4個の永久磁石は、前後で磁極を逆にすることは不可欠ではなく、同じにしてもよい。
【0066】
3個の部品ケース602はそれぞれ、別個の部品移動装置624により電子回路部品が移動させられる。これら部品移動装置624はそれぞれ、回転盤626および回転駆動装置628を備えている。回転盤626は、
図29に示すように、歯車630の片側にのみ駆動部632が設けられていることを除いて前記回転盤130と同様に構成され、
図30に示すように、フィーダ本体604に、凹部610に開口して形成された嵌合穴634に嵌合されるとともに、嵌合穴634の底部に立設された支持軸636により回転可能に支持されている。回転駆動装置628は前記回転駆動装置472と同様に構成され、
図27に示すように部品ケース602の真下に設けられている。なお、前記各実施形態のバルクフィーダの構成要素と対応する構成要素には、同一の符号を付して説明を省略する。また、
図27においては、フィーダ本体604の支持軸636を支持する側壁の図示が省略されている。
【0067】
部品ケース602は、前記部品ケース452と同様にして、フィーダ本体604が保持台80に保持されたままの状態でフィーダ本体604に取付け、取外しされ、3個の部品ケース452はフィーダ本体604の長手方向に1列に並ぶとともに、各部品供給部346が一平面内に位置する状態となる。バルクフィーダ600が保持台80に保持された状態では、3個の部品ケース602の各部品供給部346がY軸方向に平行な1直線上に並ぶとともに、水平な一平面内に位置する状態となる。保持台80に複数のバルクフィーダ600が保持された状態では、
図31に模型的に示すように、複数の部品供給部346が水平な一平面内に位置するとともに、X軸方向およびY軸方向にそれぞれ平行な1直線上において複数、並んだ状態となる。
【0068】
3個の部品ケース602には、全部に同じ種類の電子回路部品が収容されてもよく、少なくとも2つについて種類が異ならされてもよい。後者の場合、1枚の回路基板に装着される複数種類の電子回路部品が収容されてもよく、異なる種類の回路基板に装着される異種の電子回路部品が収容されてもよい。いずれにしても、装着ヘッド50は、部品を供給する部品ケース602へ移動させられ、吸着ノズル70が部品取出口344上に位置決めされ、部品ケース602から部品を取り出す。部品を供給する部品ケース602について部品移動装置624が作動させられ、部品が部品供給部346へ送られる。
【0069】
部品ケースは、フィーダ本体に第1方向と第2方向との両方において複数ずつ並べて保持させてもよい。例えば、
図32に示すバルクフィーダ650のように、フィーダ本体652に、X軸方向に平行な一直線上およびY軸方向に平行な一直線上にそれぞれ、複数、例えば2つずつの部品ケース452の各部品供給部346が位置するように、部品ケース452を並べて保持させる。X軸方向とY軸方向との少なくとも一方において3つ以上、部品ケースが並んで保持されてもよい。
【0070】
図33に示すバルクフィーダ660のように、フィーダ本体662に複数、例えば、2つの部品ケース602がX軸方向の成分とY軸方向の成分とを含む方向に隔たって並んで保持されてもよい。部品ケース602は、
図34に示すバルクフィーダ670のように、フィーダ本体672に、複数の部品ケース602のうちの一部がX軸方向の成分とY軸方向の成分とを含む方向に隔たって保持されるとともに、一部はX軸方向とY軸方向との少なくとも一方において並んで保持されてもよい。
【0071】
また、2つあるいは4つ以上の部品ケースを第2方向(上記各実施形態においてはY軸方向)に並べてもよく、3つ以上の部品ケースを第2方向に並べる場合にも第1方向(上記各実施形態においてはX軸方向)においても部品ケースを2つ並べてもよい。
【0072】
さらに、回転盤がフィーダ本体から取り外されるようにしてもよい。例えば、回転盤をローラによって回転可能に支持する場合、ローラを、その回転軸線が回転盤の回転軸線の下側に位置するように設け、回転盤を上方へ抜け出せるようにする。回転盤は部品ケースと共にユニット化されてフィーダ本体から取り外されるようにしてもよい。
【0073】
また、フィーダ本体の複数のケース保持部の全部に部品ケースが保持されることは不可欠ではなく、一部のケース保持部においてのみ部品ケースが保持されてもよい。
【0074】
さらに、回転盤を2つの部品ケースに共用とする場合、部品ケースは勝手違いに構成してもよい。2つの部品ケースを互いに向かい合わせにフィーダ本体に保持させた場合に、部品案内溝の方向が同じになるようにするのである。この場合、回転盤の回転方向は2つの部品ケースについて同じになり、2つの部品ケースについて同時に部品を、部品収容部から部品供給部へ移動させることができる。そのため、2つの部品ケースに収容される部品の種類を異ならせ、1枚の回路基板に装着される部品であって、種類が異なる部品をそれぞれ収容させ、供給させることができ、バルクフィーダの数を増やすことなく、供給する部品の種類を増やすことができる。また、2つの部品保持具に、2つの部品ケースから同時に部品を取り出させるようにすることもできる。
【0075】
また、回転駆動装置の駆動源は、
図1〜
図20に示す実施形態においてはステッピングモータにより構成され、
図21〜
図26および
図27〜
図31に示す各実施形態においてはサーボモータにより構成されていたが、逆にしてもよく、それら以外のモータとしてもよい。回転を制御することができる電動回転モータであれば、採用可能である。