(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5732404
(24)【登録日】2015年4月17日
(45)【発行日】2015年6月10日
(54)【発明の名称】排気系が組み込まれたプロセスチャンバ
(51)【国際特許分類】
F04B 37/08 20060101AFI20150521BHJP
F04B 37/16 20060101ALI20150521BHJP
C23C 14/54 20060101ALI20150521BHJP
【FI】
F04B37/08
F04B37/16 E
C23C14/54 B
【請求項の数】18
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2011-546243(P2011-546243)
(86)(22)【出願日】2009年11月19日
(65)【公表番号】特表2012-509442(P2012-509442A)
(43)【公表日】2012年4月19日
(86)【国際出願番号】US2009065168
(87)【国際公開番号】WO2011075110
(87)【国際公開日】20110623
【審査請求日】2012年11月14日
(31)【優先権主張番号】61/199,794
(32)【優先日】2008年11月19日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505047094
【氏名又は名称】ブルックス オートメーション インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100087941
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 修司
(74)【代理人】
【識別番号】100086793
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅士
(74)【代理人】
【識別番号】100112829
【弁理士】
【氏名又は名称】堤 健郎
(74)【代理人】
【識別番号】100144082
【弁理士】
【氏名又は名称】林田 久美子
(74)【代理人】
【識別番号】100154771
【弁理士】
【氏名又は名称】中田 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100155963
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 大輔
(72)【発明者】
【氏名】バートレット・アレン・ジェイ
【審査官】
所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】
特開平10−003877(JP,A)
【文献】
特開2007−154785(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 37/08
C23C 14/54
F04B 37/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセスチャンバシステムであって、
プロセス空間を有し、基板上で処理を実行可能なプロセスチャンバと、
前記プロセスチャンバに取り付けられた複数の二段式の冷凍機と、
を備え、
前記複数の二段式の冷凍機のそれぞれが、前記二段式の冷凍機の第一段に取り付けられて前記二段式の冷凍機の第一段によって冷却される複数の第一段アレイと、前記二段式の冷凍機の第二段に取り付けられて前記二段式の冷凍機の第二段によって冷却される複数の第二段アレイとを有し、
前記複数の二段式の冷凍機と、前記複数の第一段アレイと、前記複数の第二段アレイとが、前記プロセスチャンバ内に延在して、前記プロセス空間内に排気面を形成している、プロセスチャンバシステム。
【請求項2】
請求項1において、さらに、
前記プロセス空間を気体分子源に曝すことが可能なプロセススロット、
を備える、プロセスチャンバシステム。
【請求項3】
請求項1において、さらに、
閉塞プレート、を備えており、
前記冷凍機および前記アレイが、前記閉塞プレートに着脱可能に取り付けられており、前記閉塞プレートは、前記プロセスチャンバに着脱可能に取付けられている、プロセスチャンバシステム。
【請求項4】
請求項1において、前記処理が、半導体ウェハ製造、フラットパネル製造、OLED製造、ソーラーパネル製造、電子顕微鏡検査、およびガスクロマトグラフ分析のうちのいずれか1つに用いられる処理工程を含む、プロセスチャンバシステム。
【請求項5】
請求項4において、前記半導体ウェハ製造での処理工程がイオンビーム注入を含む、プロセスチャンバシステム。
【請求項6】
請求項1において、さらに、
前記排気面を前記プロセス空間の一部から遮断可能なアイソレーションバルブ、
を備える、プロセスチャンバシステム。
【請求項7】
請求項1において、前記複数のアレイが、前記複数の冷凍機のうちの1つの異なる箇所に取り付けられている、プロセスチャンバシステム。
【請求項8】
請求項1において、前記複数の冷凍機のうちの1つが、単一の箇所に取り付けられた単一のアレイを有する、プロセスチャンバシステム。
【請求項9】
請求項1において、前記複数のアレイのうちの1つが、前記複数の冷凍機に取り付けられている、プロセスチャンバシステム。
【請求項10】
請求項7において、前記複数のアレイが、前記複数の冷凍機の1つの冷凍器の1つの箇所に取り付けられている、プロセスチャンバシステム。
【請求項11】
請求項1において、前記冷凍機が極低温冷凍機であり、前記排気面が極低温排気面である、プロセスチャンバシステム。
【請求項12】
請求項1において、さらに、
前記冷凍機に対する作動ガスの供給を制御可能な、クライオポンプシステム用のコントローラ、を備える、プロセスチャンバシステム。
【請求項13】
プロセスチャンバシステムであって、
プロセス空間を有し、基板上で処理を実行可能な基板プロセスチャンバと、
前記プロセス空間と連通する気体分子源と、
前記基板プロセスチャンバに取り付けられた複数の二段式の冷凍機と、
を備え、
前記複数の二段式の冷凍機のそれぞれが、前記二段式の冷凍機の第一段に取り付けられて前記二段式の冷凍機の第一段によって冷却される複数の第一段アレイと、前記二段式の冷凍機の第二段に取り付けられて前記二段式の冷凍機の第二段によって冷却される複数の第二段アレイとを有し、
前記取り付けられた複数の二段式の冷凍機と、前記複数の第一段アレイと、前記複数の第二段アレイとが、前記プロセス空間に延在して、前記気体分子源の近傍に位置した排気面を形成している、プロセスチャンバシステム。
【請求項14】
プロセス空間内の気体分子を捕集する方法であって、
基板において処理を実行可能なプロセス空間を有する基板プロセスチャンバを用意する工程と、
前記プロセス空間と連通する気体分子源を用意する工程と、
前記基板プロセスチャンバ内における最適な配置箇所を決定する工程と、
前記基板プロセスチャンバに複数の二段式の冷凍機を取り付ける工程と、
を含み、
前記複数の二段式の冷凍機のそれぞれの第一段に、この第一段によって冷却される複数の第一段アレイを取り付け、前記二段式の冷凍機のそれぞれの第二段に、この第二段よって冷却される複数の第二段アレイを取り付ける工程とを含み、
前記取り付けられた複数の二段式の冷凍機と、前記複数の第一段アレイと、前記複数の第二段アレイとが、前記基板プロセスチャンバ内に延在して、前記プロセス空間を有する最適な配置箇所において複数の排気面を形成する、プロセス空間内の気体分子の捕集方法。
【請求項15】
請求項14において、前記最適な配置箇所が、前記気体分子源の近傍である、プロセス空間内の気体分子の捕集方法。
【請求項16】
請求項14において、さらに、
前記排気面を前記プロセス空間の一部から遮断可能なアイソレーションバルブを用意する工程と、
前記プロセスチャンバを粗引き排気可能な粗引きポンプを用意する工程と、
を含む、プロセス空間内の気体分子の捕集方法。
【請求項17】
請求項16において、さらに、
前記排気面を前記プロセス空間の前記一部から遮断する工程と、
前記排気面を再生する工程と、
前記プロセスチャンバを粗引き排気する工程と、
前記プロセス空間の前記一部からの前記排気面の遮断を止める工程と、
を含む、プロセス空間内の気体分子の捕集方法。
【請求項18】
請求項17において、前記排気面を再生する工程が、前記複数の排気面の全てを再生すること、前記複数の排気面を個別に再生すること、および前記複数の排気面をグループで再生すること、を含む、プロセス空間内の気体分子の捕集方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
本願は、2008年11月19日付出願の米国仮特許出願第61/199,794号の利益を主張する。
【0002】
上記米国仮特許出願の全教示内容は、参照をもって本願に取り入れたものとする。
【技術分野】
【0003】
1.分野
本発明の実施形態は、プロセスチャンバ(処理チャンバ)に関し、より詳細には、排気面がプロセス空間内に組み込まれたプロセスチャンバに関する。
【背景技術】
【0004】
2.関連分野の発展に関する簡単な説明
真空プロセスチャンバは、半導体ウェハ製造、フラットパネルディスプレイ製造、OLED製造、LED製造、ソーラーパネル製造、電子顕微鏡検査などの作業用の真空環境(真空雰囲気)を提供するために、製造業においてよく利用される。典型的に、このようなチャンバには、付属の真空ポンプがフランジや導管などの真空接続手段を介して取り付けられており、10
−3Torr(トール)未満の高真空が達成されている。真空ポンプによってプロセスチャンバからほぼ全ての気体分子が取り除かれることにより、真空環境が形成される。
【0005】
極低温真空ポンプ(クライオポンプとも称される)には、凝縮面を低温に冷却して多くの種類の気体(ガス)を凝縮させるための冷凍機構が用いられている。クライオポンプの一種として、本願と同一の譲受人に譲渡された、1999年1月26日付発行の特許文献1に開示されたものが挙げられる。同特許文献に開示されているような種類のクライオポンプには、コールドフィンガを10K(ケルビン)付近の温度にまで冷却することのできる、二段式のヘリウム冷凍機が使用される。
【0006】
一般的なクライオポンプは、第二段に、通常4〜25K(ケルビン)の温度で動作する、低温アレイで構成された主な排気面を有する。この主な排気面は、それよりも高い温度の通常60〜130K(ケルビン)で動作する輻射シールドによって囲まれており、この輻射シールドにより、上記低温アレイは輻射熱から遮蔽される。
【0007】
通常運転時には、まず、水蒸気などの高沸点気体が、前部アレイにおいて凝縮される。低沸点気体は、前部アレイを通過して輻射シールド内の体積空間に進入し、前述の低温アレイで凝縮する。当該体積空間内には、例えば、低温アレイ以下の温度で作用するチャーコールやモレキュラーシーブなどの吸着材によって被覆された排気面が、水素などの極低沸点気体を除去する目的で設けられる。これらの排気面に気体を凝縮および/または吸着させることにより、前述のプロセスチャンバ内において真空環境を維持することができる。
【0008】
クライオパネルに凝縮した気体のフロスト、特に、吸着された気体のフロストは、数日または数週間経つと、そのフロスト内の温度勾配が大きくなったり、フロストと高温の表面との間で熱的短絡が生じたりすることにより、あるいは、吸着材が飽和状態に近付くことにより、平衡圧が上昇し始める。そうなると、クライオポンプを昇温させて真空システムから気体を放出・除去する再生処理を実行しなければならない。再生処理時には、クライオポンプを、暖かい不活性ガスでパージしてもよい。不活性ガスは、クライオパネルの昇温を速め、かつ、水やその他の蒸気をクライオポンプから排出する役割も果たす。窒素は不活性であり且つ水蒸気を含まないため、パージ用の気体として普及している。一般的に、パージに用いられる窒素は、クライオポンプに接続された導管(配管)及びパージバルブを介して窒素貯蔵容器から供給されるか、または液体窒素源からのボイルオフによって供給される。パージ用の気体およびその他の蒸気は、クライオポンプに標準装備されているベントバルブによって排出される。
【0009】
パージ後のクライオポンプは、気体の熱伝導による熱伝達を減少させるために、極低温排気面およびコールドフィンガの周辺を粗引き排気によって真空にして、再び通常の動作温度域にまで冷凍機を冷却させる。一般的に使用される粗引きポンプは、導管(配管)によって粗引きバルブに接続された機械式のポンプであり、その粗引きバルブを介してクライオポンプに取り付けられている。
【0010】
再生処理の制御は、例えば、クライオポンプを手動で電源をオン/オフしたり、パージバルブおよび粗引きバルブを手動制御したりすることで行われるが、より洗練されたシステムでは、別体の再生運転コントローラまたは統合型の再生運転コントローラによって制御が行われる。
【0011】
典型的に、真空槽の内部には、二段式のヘリウム冷凍機、アレイ、および輻射シールドが収容されている。一般的に真空槽は、冷凍機と一体化されており、かつ、任意で、クライオポンプの機能を制御するために一体化された制御部を有する。あるいは、クライオポンプの機能の制御は、別体の遠隔のコントローラによって実行されてもよい。クライオポンプは、プロセスチャンバの付属のポンプとして取り付けられてもよい。この構成の場合、極低温排気面は、クライオポンプの真空槽の内部に収容されている。かつ、クライオポンプは、アイソレーションバルブを介することでプロセスチャンバから隔離されている。このアイソレーションバルブは、クライオポンプの極低温排気面とプロセスチャンバ内のプロセス空間(処理空間)との間の防護壁として機能する。アイソレーションバルブは、クライオポンプが真空チャンバの圧力を低下させる必要があるとき以外は、基本的に閉じた状態のままである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第5862671号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
プロセスチャンバに任意で取り付けられる全ての付属のクライオポンプに対してアイソレーションバルブを設けることは、プロセスチャンバシステムの全体コストを大幅に増加させる。また、一般的に、付属のポンプの位置は、プロセスチャンバのレイアウト要件および物理的寸法要件によって制限される。そのため、付属のポンプは、プロセスチャンバのプロセス空間に流入する気体分子の気体分子源に対して最適な位置に配置されない。
【課題を解決するための手段】
【0014】
例示的な一実施形態において、プロセスチャンバシステムを提供する。このプロセスチャンバシステムは、プロセス空間を有し当該プロセス空間内で処理を実行可能なプロセスチャンバと、前記プロセスチャンバに着脱可能に取り付けられた冷凍機と、前記冷凍機に着脱可能に取り付けられたアレイとを備え、前記冷凍機および前記アレイは、前記プロセスチャンバ内に延在して、前記プロセス空間内に排気面を形成している。
【0015】
例示的な他の実施形態において、他のプロセスチャンバシステムを提供する。このプロセスチャンバシステムは、プロセス空間を有し当該プロセス空間内で処理を実行可能なプロセスチャンバと、前記プロセス空間と連通する気体分子源と、前記プロセスチャンバに取り付けられた冷凍機と、前記冷凍機に取り付けられたアレイとを備え、前記冷凍機および前記アレイは、前記プロセスチャンバ内に延在して、前記気体分子源の近傍に最適に位置する排気面を形成している。
【0016】
例示的なさらなる他の実施形態は、プロセス空間内の気体分子を捕集する方法を提供する。この方法は、プロセス空間を有し当該プロセス空間内で処理を実行可能なプロセスチャンバを用意する工程と、前記プロセス空間と連通する気体分子源を用意する工程と、前記プロセスチャンバ内における最適な配置箇所を決定する工程と、前記プロセスチャンバに冷凍機を取り付ける工程と、前記冷凍機にアレイを取り付ける工程とを含み、前記冷凍機および前記アレイは、前記プロセスチャンバ内の最適な配置箇所に排気面を形成する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】アイソレーションバルブおよび付属のクライオポンプを備える従来技術のプロセスチャンバを示す図である。
【
図2】例示的な実施形態にかかるプロセスチャンバシステムの冷凍機、アレイ、冷凍機用のコントローラ、およびコンプレッサ部を示す概略図である。
【
図3】本発明の例示的な他の実施形態にかかる構成を備える、例示的なプロセスチャンバシステムを示す図である。
【
図4】本発明の例示的なさらなる他の実施形態にかかる構成を備える、例示的なプロセスチャンバシステムを示す図である。
【
図5】本発明の例示的なさらなる他の実施形態にかかる構成を備える、例示的なプロセスチャンバシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
前述の構成および本発明の実施形態のその他の特徴は、添付の図面を参照しながら以下で説明する。
【0019】
本発明の実施形態の説明は、図面に示された実施形態を参照しながら行う。しかしながら、本発明の実施形態に対して数多くの変形または変更が実施可能であることを理解されたい。また、構成要素または材料については、任意の好適な寸法、形状または種類のものが用いられてよい。
【0020】
図1に、従来技術の典型的なプロセスチャンバシステム100、アイソレーションバルブ(遮断弁)120、およびクライオポンプ110を示す。プロセスチャンバシステム100は取付孔を含むフランジ101を備えており、この取付孔を含むフランジ101は、例えば、プロセス空間103へのアクセス開口部を形成し得る。アイソレーションバルブ120を、取付孔を含むフランジ101に取り付けクライオポンプ110をアイソレーションバルブ120に固定してもよい。変形例として、クライオポンプ110を、取付孔を含むフランジ101に固定してアイソレーションバルブ120とクライオポンプ110とを一体としてもよい。アイソレーションバルブ120は、クライオポンプ110の内部機構とプロセス空間103との間の防護壁として機能する。クライオポンプ110の内部に、アレイのセット112を収納してもよい。アレイのセット112または排気面112を、クライオポンプ110の内部に収容し、アイソレーションバルブ120を介することでプロセス空間103から隔離してもよい。プロセスチャンバシステム100は、プロセス開口部102を有してもよい。プロセス開口部102は、図示しない上流のプロセスモジュールと相互作用する。この上流のプロセスモジュールは、プロセス空間103の圧力とほぼ同一の圧力であり得る。プロセス開口部102は、プロセスチャンバ100のプロセス空間103に流入する気体分子の気体分子源となり得る。付属のクライオポンプ110は、プロセス空間103に流入する気体分子の気体分子源の近傍に最適に配置されていない。そのため、排気面112に気体分子が凝縮するのに要する時間および/または吸着されるのに要する時間が増える可能性がある。
【0021】
図2に、例示的な一実施形態にかかるプロセスチャンバシステムの一部である、冷凍機202、アレイまたはアレイのセット203、冷凍機用のコントローラ201、およびコンプレッサ(圧縮器)(C1)210を概略的に示す。冷凍機202は、当該技術分野において周知であり一般的な、図示しないモータ、電子センサ、バルブ、およびコントローラ201を有していてもよい。コンプレッサ(C1)210は、ライン211を介して、ヘリウムガスなどの圧縮された作動ガスを冷凍機202に供給する。作動ガスの分配、割り当て、および供給は、冷凍機の複数のコントローラ201によって制御されてもよい。変形例として、コントローラは、コンプレッサ(C1)210に一体化されていてもよいし、別体の遠隔のホストコントローラ(図示せず)であってもよい。ライン211は、コンプレッサ210から冷凍機202に作動ガスが流れることを可能にする導管(配管)であってもよいし、冷凍機の各コントローラ201間の通信を容易に行うための通信線であってもよい。導管は、冷凍機202でマニホールド化(分岐化)されていてもよいし、コンプレッサ210でマニホールド化されていてもよい。アレイ203は、1/4回転のねじ山付き固定リング、ねじ、ボルトなどの脱容易手段、またはその他の任意の好適な取付手段を介して、冷凍機202に取り付けられてもよいし、および/または冷凍機202から取り外されてもよい。アレイ203と冷凍機202との間の脱容易構成により、アレイ203(または排気面203)の保守が容易になる。複数のアレイ203を、冷凍機202における図示しない異なる箇所に取り付け、当該複数のアレイ203が異なる温度で動作するようにしてもよい。アレイ203は、冷凍機202の第一段及び第二段に取り付けられてもよい。第一段のアレイ203は、60〜130K(ケルビン)の温度域で特定の種類の気体を排気し得る。また、第二段のアレイ203は、4〜25K(ケルビン)のより低温の温度域で特定の他の種類の気体を排気し得る。第一段のアレイ203は、特定の種類の気体が第二段のアレイ203に進入するのを遮断し得る。複数の冷凍機202に対して共通の第一段のアレイ203を取り付けて、当該複数の冷凍機202を冷却するようにしてもよい。また、複数の冷凍機202に対して共通の第二段のアレイ203を取り付けてもよい。変形例として、複数のアレイ203を、冷凍機202における単一の箇所に取り付け、当該複数のアレイ203がほぼ同一の温度域で動作するようにしてもよい。
【0022】
図3に、本発明の例示的な他の実施形態にかかる構成が組み込まれた、例示的なプロセスチャンバシステム300を示す。冷凍機302は、ねじ、ボルトなどの一般的または周知の任意の取付手段、またはその他の好適な取付手段もしくは真空シール手段によって、取付孔312を介してプロセスチャンバ300に取り付けられてもよいし、および/またはプロセスチャンバ300から取り外されてもよい。冷凍機302は、一部がプロセスチャンバ300のプロセス空間311内にまで延在してもよい。取付孔312は、プロセスチャンバ300に直接形成されてもよいし、閉塞プレート310に形成されてもよい。閉塞プレート310、各冷凍機302、アレイ303、および冷凍機用のコントローラ301を、1つのモジュールとしてまたは別々に、プロセスチャンバ300に取り付けてもよいしプロセスチャンバ300から取り外してもよい。アレイ303(または排気面303)は、好適な脱容易手段を介して、冷凍機302に取り付けられてもよいし、および/または冷凍機302から取り外されてもよい。プロセスチャンバ300は、当該プロセスチャンバ300にアクセスするためのアクセス開口部315を備えていてもよく、このアクセス開口部315により、プロセスチャンバ300もしくは閉塞プレート310への冷凍機302の取付けおよび/またはプロセスチャンバ300もしくは閉塞プレート310からの冷凍機302の取外し、または冷凍機302へのアレイ303の取付けおよび/または冷凍機302からのアレイ303の取外しを容易に行うことができる。複数のアレイ303を、冷凍機302における異なる箇所に取り付け、当該複数のアレイ303が異なる温度になるように構成してもよい。アレイまたは排気面303が全体的に、プロセス空間311内に組み込まれてもよい。冷凍機302の電源をオンにするのに先立ってプロセスチャンバ300を大気圧未満の圧力に排気するために、図示しない粗引きポンプがあってもよい。アレイまたは排気面303をプロセス空間311内に組み込む構成により、付属のポンプ110をプロセス空間311に取り付けるのに必要な、槽の導管及びアイソレーションバルブ(図示せず)によって生じる、コンダクタンス損失を解消することができる。プロセスチャンバ100とクライオポンプ110との間のバルブ及び導管に起因する典型的なコンダクタンス損失は、市販の付属のポンプ110の排気速度の20〜40%に及ぶ。付属のポンプの排気速度をプロセス空間311において指定どおりに実現したいのであれば、当該付属のポンプを指定のサイズよりも20〜40%大きくしなければならない。この「オーバーサイズ」は、初期の購入費および長期の運転費である所有コストを増加させる。この「オーバーサイズ」のポンプおよび取付部品を収容するためには、プロセスチャンバ300に余分なスペースが必要となるかもしれない。しかしながら、排気系を組み込むことにより、アレイまたは排気面303を直接プロセス空間311内に配置し、かつ、気体分子源の近傍に最適に配置させることができるので、コンダクタンス損失を解消できる。すなわち、従来よりも20〜40%小さいアレイまたは排気面で指定どおりの排気速度を実現することができ、あるいは、プロセスチャンバのより多くの内部空間または表面積を占める、より大型のアレイを用いることにより、さらに排気速度を向上させることができる。
【0023】
図4に、本発明の例示的なさらなる他の実施形態にかかる構成が組み込まれた、例示的なプロセスチャンバシステム400を示す。本実施形態のプロセスチャンバ400は、特に言及しない限り、
図3を参照しながら説明したプロセスチャンバ300とほぼ同一である。本実施形態では、アイソレーションバルブ(遮断弁)420により、排気系が組み込まれたプロセス空間414が、プロセス空間413の一部から遮断される。アイソレーションバルブ420は、プロセス空間413の圧力が、排気系が組み込まれたプロセス空間414の圧力と異なるときに閉じられてもよい。アイソレーションバルブ420は、プロセス空間413の圧力が、排気系が組み込まれたプロセス空間414の圧力とほぼ同一であるとき、または処理が行われているときは開かれてもよい。アイソレーションバルブ420は、アレイ404(または排気面404)の再生処理の一工程として閉じられてもよい。背景技術の欄で述べたように、アレイまたは排気面404を昇温させてシステムから気体を放出・除去するために、再生処理は必要である。再生処理は、昇華処理、または当該技術分野において一般的または周知の任意の処理であってもよい。変形例として、再生処理は、個々の排気面404を他の排気面404から隔離すること、または排気面404のグループ(複数の排気面404)を他の排気面404から隔離することを含む。排気面404は、一度に全てが再生されてもよいし、個別に他の排気面404から隔離されて再生されてもよいし、グループで他の排気面404から隔離されて再生されてもよい。プロセス開口部412は、上流のプロセスモジュールと相互作用したり、基板をプロセス空間413内に搬送するためのプロセススロットとして機能したりし得る。上流のプロセスモジュールとの相互作用、またはプロセス空間413内への基板の導入は、プロセス空間413に流入する気体分子の気体分子源となり得る。プロセス空間413内で処理される基板の一部は、排気系が組み込まれたプロセス空間414にまで延在してもよい。
【0024】
図5に、本発明の例示的なさらなる他の実施形態にかかる構成が組み込まれた、例示的なプロセスチャンバシステム500を示す。本実施形態のプロセスチャンバ500は、特に言及しない限り、
図3を参照しながら説明したプロセスチャンバ300とほぼ同一である。冷凍機502およびアレイ504は、プロセスチャンバ500において、プロセス空間514内に含まれる水素ガス、アルゴンガス、窒素ガス、その他の種類のガスなどの気体の排気速度が最適となる箇所に取り付けられてもよい。冷凍機502の数およびアレイ504の数は、その時々の用途に応じて排気速度を変化させるために、増加させたり減少させたりしてよい。変形例として、冷凍機502は、プロセスチャンバシステム500の最適な動作を実現するために、クライオポンプシステム用のコントローラによって自動制御されてもよい。各冷凍機の機能の制御は、クライオポンプシステム用の共通のコントローラによって調整されてもよい。クライオポンプシステム用のコントローラは、クライオポンプシステムに作動ガスを供給するにあたって、複数のコンプレッサ(圧縮器)を利用してもよい。クライオポンプシステム用の好適なコントローラは、2006年10月31日付発行の米国特許第7,127,901号「Helium Management Control System」および2007年5月17日付公開の米国特許出願公開公報第2007/0107448号「Helium Management Control System」に記載・図示されている。これらの文献の全内容は、参照をもって本願に取り入れたものとする。冷凍機502およびアレイ504は、排気面504の気体分子捕集確率を高めるために、気体分子源の近傍に最適に配置されてもよい。プロセススロット512は、処理または搬送モジュール(図示せず)と相互作用し、プロセスチャンバへの基板の搬送を可能にしたり、気体分子源となったりする。冷凍機502およびアレイ504をプロセススロット512の近傍または気体分子源の近傍に配置することにより、プロセス空間514に流入する気体の捕集確率を高めることができる。複数の冷凍機502が、共通のアレイ504に取り付けられてもよい。また、アレイ504のセットにおける複数の部位が、冷凍機502から延びていてもよい。
【符号の説明】
【0025】
100,200,300,400,500 プロセスチャンバシステム
(プロセスチャンバ)
102,412,512 気体分子源
103,311,413,414,514 プロセス空間
110,202,302,502 冷凍機
112,203,303,404,504 アレイ(排気面)