(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5732467
(24)【登録日】2015年4月17日
(45)【発行日】2015年6月10日
(54)【発明の名称】移動側着信手続きの制御方法、端末装置、ネットワークノード装置、方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04W 48/18 20090101AFI20150521BHJP
H04W 68/12 20090101ALI20150521BHJP
H04W 60/00 20090101ALI20150521BHJP
H04W 88/06 20090101ALI20150521BHJP
【FI】
H04W48/18 111
H04W68/12
H04W60/00
H04W88/06
【請求項の数】28
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-538009(P2012-538009)
(86)(22)【出願日】2011年2月21日
(65)【公表番号】特表2013-520849(P2013-520849A)
(43)【公表日】2013年6月6日
(86)【国際出願番号】JP2011054417
(87)【国際公開番号】WO2011102560
(87)【国際公開日】20110825
【審査請求日】2014年1月14日
(31)【優先権主張番号】1002892.6
(32)【優先日】2010年2月22日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】314008976
【氏名又は名称】レノボ・イノベーションズ・リミテッド(香港)
(74)【代理人】
【識別番号】100084250
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】レイヤー ヤニック
(72)【発明者】
【氏名】イアネフ イスクレン
【審査官】
遠山 敬彦
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−208554(JP,A)
【文献】
国際公開第2010/016491(WO,A1)
【文献】
Ericsson, ST-Ericsson,Correction of CSFB MO call[online], 3GPP TSG-SA WG2♯78 S2-101302,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_sa/WG2_Arch/TSGS2_78_San_Francisco/Docs/S2-101302.zip>,2010年 2月16日
【文献】
Ericsson, ST-Ericsson,Correction of CSFB MT call[online], 3GPP TSG-SA WG2♯78 S2-101303,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_sa/WG2_Arch/TSGS2_78_San_Francisco/Docs/S2-101303.zip>,2010年 2月16日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動無線通信ネットワークの移動端末装置とネットワークノード装置との間の移動側着信手続きの制御方法であって、
前記移動側着信手続き中において、前記移動端末装置の移動に伴う位置更新手続き中に、前記移動端末装置から前記ネットワークノードへ接続維持要求を送信するステップと、
前記ネットワークノード装置との接続の維持を試みるステップと、
を有する方法。
【請求項2】
前記ネットワークノード装置は、目標ネットワークノード装置を有している、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記接続維持要求はフォールバックの後に第2の通信装置のネットワークノードへ送信される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の通信装置は回路切り換え通信装置を有している、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記接続維持要求は前記移動端末装置が現在の第1の通信装置にページングされた後に送信される、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記現在の第1の通信装置はE−UTRAN装置を有している、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記接続維持要求はフォローオン要求を有している、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
移動無線通信ネットワーク内で動作するように構成されており、ネットワークノード装置と移動側着信通信用に構成されている移動端末装置であって、
該移動端末装置は、
移動側着信手続き中において、前記移動端末装置の移動に伴う位置更新手続き中に、接続維持要求を前記ネットワークノード装置に送信し、前記ネットワークノード装置との接続の維持を試みるように構成されている、端末装置。
【請求項9】
前記要求は、フォールバック手続き後に第2の通信装置のネットワークノード装置へ送信されるように構成されている、請求項8に記載の端末装置。
【請求項10】
前記第2の通信装置は回路切り換え通信装置を有している、請求項9に記載の端末装置。
【請求項11】
前記接続維持要求は現在の第1の通信装置からのページング以降に送信されるように構成されている、請求項8から10のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項12】
前記現在の第1の通信装置はE−UTRAN装置を有している、請求項11に記載の端末装置。
【請求項13】
フォローオン要求を前記接続維持要求として送信するように構成されている、請求項8から12のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項14】
移動側着信手続き中において、移動端末装置の移動に伴う位置更新手続き中に、移動端末装置から接続維持要求を受信し、前記移動端末装置との接続を維持するように前記移動端末装置によって制御されるように構成されている、ネットワークノード装置。
【請求項15】
前記接続維持要求を、請求項8から13のいずれか1項に記載の端末装置から受信するように構成されている、請求項14に記載のネットワークノード装置。
【請求項16】
位置または追跡領域が変化する移動側着信手続き中において接続を維持するために、移動端末装置によって実行される方法であって、
位置更新手続きが要求されていると判断するステップと、
前記位置更新手続きを開始するように信号を生成するステップであって、前記信号は前記位置または追跡領域の更新を要求するメッセージと前記移動側着信手続き中において前記接続を維持すべきであるという指示を有しているステップと、
前記生成された信号をネットワークノード装置に送信し、それによって前記ネットワークノード装置は前記指示の受信に応答して前記接続を維持するステップと、
を有する、方法。
【請求項17】
前記位置更新手続きを開始するように前記信号の生成の前に回路切り換えフォールバック手続きを完了するステップをさらに有する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記生成された信号は回路切り替え装置のネットワークノードに送信される、請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
前記位置更新手続きを開始するように前記信号の生成の前にページングメッセージを受信するステップをさらに有する、請求項16から18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記ページングメッセージは前記生成された信号が送信される前記ネットワークノードとは異なるネットワークノードから受信される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記ページングメッセージはE−UTRAN装置の前記異なるネットワークノードから受信される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
位置または追跡領域が変化する移動側着信手続き中において移動端末装置の接続を維持するための、ネットワークノード装置によって実行される方法であって、
前記位置更新手続きを開始するように信号を受信するステップであって、前記信号は前記位置または追跡領域の更新を要求するメッセージと前記移動側着信手続き中において前記接続を維持すべきであるという指示を有しているステップと、
前記位置または追跡領域の更新を要求する前記受信したメッセージに応答して、前記位置更新手続の実行中に、さらなるネットワークノードに信号を送信するステップと、
前記移動側着信手続き中において前記接続を維持すべきであるという前記指示の受信に応答して前記位置更新手続き中の前記移動端末との信号リンクを維持するステップと、
を有する方法。
【請求項23】
前記移動側着信手続き中において前記接続を維持すべきであるという前記指示は前記位置または追跡領域の更新を要求する前記メッセージ内の指示を有している、請求項16から22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記位置または追跡領域の更新の前記要求メッセージは位置更新要求を有している、請求項16から23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
位置または追跡領域が変化する移動側着信手続き中において位置更新手続きが要求されていると判断する手段と、
前記位置更新手続きを開始するように信号を生成する手段であって、前記信号は前記位置または追跡領域の更新を要求するメッセージと前記移動側着信手続き中においてネットワークノードとの接続を維持すべきであるという指示を有している手段と、
前記生成された信号を前記ネットワークノード装置に送信し、それによって前記ネットワークノード装置は前記指示の受信に応答して前記接続を維持できる手段と、
を有する、移動端末装置。
【請求項26】
位置更新手続きを開始するように信号を受信する手段であって、前記信号は前記位置または追跡領域の更新を要求するメッセージと前記移動側着信手続き中において接続を維持すべきであるという指示を有している手段と、
前記位置または追跡領域の更新を要求する前記受信したメッセージに応答して、前記位置更新手続きを実行しているさらなるネットワークノードに信号を送信する手段と、
前記移動側着信手続き中において前記接続を維持すべきであるという前記指示の受信に応答して前記位置更新手続き中の前記移動端末との信号リンクを維持する手段と、
を有する、ネットワークノード装置。
【請求項27】
位置または追跡領域が変化する移動側着信手続き中において接続を維持するために、移動端末装置のコンピュータに、
位置更新手続きが要求されていると判断する処理と、
前記位置更新手続きを開始するように前記位置または追跡領域の更新を要求するメッセージと前記移動側着信手続き中において前記接続を維持すべきであるという指示を有する信号を生成する処理と、
前記生成された信号をネットワークノード装置に送信し、それによって前記ネットワークノード装置は前記指示の受信に応答して前記接続を維持する処理と、
を実行させるプログラム。
【請求項28】
位置または追跡領域が変化する移動側着信手続き中において移動端末装置の接続を維持するための、ネットワークノード装置のコンピュータに、
前記位置更新手続きを開始するように前記位置または追跡領域の更新を要求するメッセージと前記移動側着信手続き中において前記接続を維持すべきであるという指示を有する信号を受信する処理と、
前記位置または追跡領域の更新を要求する前記受信したメッセージに応答して、前記位置更新手続きの実行中に、さらなるネットワークノードに信号を送信する処理と、
前記移動側着信手続き中において前記接続を維持すべきであるという前記指示の受信に応答して前記位置更新手続き中の前記移動端末との信号リンクを維持する処理と、を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動側着信制御方法、関連する複数のネットワーク装置、単純なハンドオーバー要件であろうが、具体的な例として回路切り換えフォールバック(CSFB)手続きの一部であろうが、移動端末が異なる通信装置間を移動する時の移動側着信信号に関連して採用される制御シナリオに関する。
【背景技術】
【0002】
セルラネットワークなどの移動無線通信ネットワークの性質のせいで、セル間のハンドオーバーかネットワークと関連する通信装置との間のハンドオーバーかに関わらず、その動作接続を変更するように、いわゆるユーザ装置携帯電話ハンドセットなどの移動端末装置に対して要求が発生することが多い。
【0003】
さまざまな通信装置、特に既存のレガシー通信装置を考慮して、接続を最適化し、ハンドセット端末の性能を限定するような影響を最小化するように、異なる装置間の移動を可能にする機能には特に利点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、そのようなさまざまな装置の要件を考慮すると、そのような装置間の切り換えを試みる時と、その後新しい装置内で接続を確立する時の両方で、目立った遅延が発生することが多く不利である。特に、移動端末、現在登録されているネットワークノード、および目的のネットワークノードの間で発生するページング信号要求を考慮すると、接続が不適切に放棄されることと喪失することの少なくとも一方が発生しえることがわかる。シナリオによっては、移動端末の実行中の動作のせいで接続の再確立が容易ではなく、そのためサービスの中断がさらなる潜在的な問題である。
【0005】
本発明は、移動側着信信号と関連するネットワーク装置に関し、公知の方法や装置に対して有利な制御方法の提供を目的とする。
【0006】
さらなる説明として、現在の3GPP Rel−8とRel−9仕様によれば、ユーザ装置(UE)がレガシー2G/3G装置へ、例えば、一般に回路切り換えフォールバック(CSFB)目的の進化したパケットシステム(EPS)から移動するときに、UEは、UEが現在登録されている位置領域(LA)およびネットワークノードとは異なるLAおよび関連するネットワークノードに移動することを要求されることがある。
【0007】
前述の3GPP仕様から知られるCSFBの機能を特に参照すると、UEは、例えばE−UTRAN内の組み合わされた登録手続きを通してCSドメインに登録することができる。これによって、UEはCSサービスにアクセスできるので有利であり、このシナリオにおいて、UEのページングは移動通信交換局/ビジター位置登録(MSC/VLR)と移動管理エンティティ(MME)との間のSCインターフェイス上のMSC/VLRからのページングを通して達成される。UEがページングされた後、UEはMMEを介してCSFB手続きを要求することになり、MMEはそれからUEを、例えばレガシーGERANまたはUTRAN装置へ移動させることによって、CSFB手続きをトリガするように作動することになる。
【0008】
しかし、例えば第1のセル内でUEが接続されている場合、SGを通して第1の位置領域アイデンティティ(LAI)によって第1のMSCに登録されており、第1のLAIは、MMEの追跡領域アイデンティティ(TAI)/LAIマッピングテーブルを元に決定されている。その後、要求されたCSFB手続き時に、eNBなどのネットワークノードは、UEを異なる、例えば第2のLAIに関連付けられており、それぞれの第2のMSCにも所属している目的のセルに接続するのがより適切であると判断するかもしれない。そのようなシナリオは3GPPドキュメントS2−101441で説明されている。
【0009】
そのドキュメントで説明されているように、まずネットワークが2Gと3G装置用の様々なMSCを使用している時にこのような態様での異なるセルへのUEのハンドオーバーが発生する可能性があって、MMEがTAIを1つのLAIにだけマッピングするので、MMEは2G−MSCと3G−MSCのいずれのLAIを割り当てるのか判断しなければならない。MMEがTAIを2G装置のLAIにマッピングすると仮定すると、3G装置内でカバレッジがより大きいと考えられる場合、UEは3G LAに入ることができる。もちろんその代わりに、TAIが3G装置のLAIにマッピングされている場合、UEが考えられる改善されカバレッジのために2G LAに入ることができる。
【0010】
第2に、追跡領域(TA)とLAとが独立していることを考慮すると、TA/LA境界の間に不一致が発生することが非常に一般的で、ネットワークオペレータは一致させるのが困難なことがわかっているからである。
【0011】
UEを現在の登録のMSCに属しているLAに移動させることが必要な前述のような何らかのシナリオでは、いわゆる「ローミング再試行」手続きをUEがその位置更新(LU)手続きを実行するときに採用することができることが、3GPP技術仕様TS 23.271からさらに知られている。
【0012】
この手続き内で、移動側着信(MT)通信信号が発生し、UEはLUの実行後、MSCから呼設定を受信するのを待つことになる。しかし、MSCはUEがMT手続きに関わっていることに気付かず、そのため、そのUEとの接続を解放する可能性があり、任意のそのような実行中の移動側着信(MT)通信信号がLU手続きの完了の後に失敗し、MT呼の失敗の原因になる比較的高い危険性がある。
【0013】
MSCが再びUEのページングを試みるのでそれから不利な遅延が発生することになり、さらに、その間にUEが、例えばLTEセルを再び選択していると、ページングが失敗する可能性がある。
【0014】
本発明に関連している一般的な背景は、3GPPディスカッションドキュメントS2−101441でさらに説明されている。
【0015】
本発明は、公知の手続きや装置に対して有利な移動側着信制御手続きと移動端末装置やネットワークノード装置などの関連するネットワーク装置の提供を特に目指している。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の第1の実施態様によれば、移動無線通信ネットワークの移動端末装置とネットワークノード装置との間の移動側着信手続きの
制御方法であって、移動側着信手続き中に
おいて、移動端末装置の移動に伴う位置更新手続き中に、移動端末装置からネットワークノードへ接続維持要求を送信するステップと、ネットワークノード装置との接続の維持を試みるステップと、を有する方法が提供される。
【0017】
そのため、接続維持要求を移動側着信手続き中に端末装置から送信することによって、ネットワーク装置に移動端末装置との接続を維持することが必要なことに気付かせ、LU手続きの完了以降にその移動端末装置との接続を解放しないことがわかり、移動側着信手続きの失敗の危険性を減少させることが有利である。
【0018】
本発明は、ネットワークノード装置が目標ネットワークノード装置を有している時に特に有利であることが証明できる。
【0019】
また、接続維持要求は
フォールバックの後に第2の通信装置のネットワークノードへ送信される。
【0020】
さらに、第2の通信装置は回路切り換え通信装置を有していることが好ましい。
【0021】
また、接続維持要求は移動端末装置が現在の第1の通信装置にページングされた後に送信されることが好ましい。
【0022】
そして、現在の第1の通信装置はE−UTRAN装置を有していることが好ましい。
【0023】
また、接続維持要求はフォローオン要求を有していてもよい。
【0024】
本発明のさらなる態様によれば、移動無線通信ネットワーク内で動作するように構成されており、ネットワークノード装置と移動側着信通信用に構成されている移動端末装置であって、移動端末装置は、移動側着信手続き中において、移動端末装置の移動に伴う位置更新手続き中に、接続維持要求をネットワークノード装置に送信し、ネットワークノード装置との接続の維持を試みるように構成されている端末装置が提供される。
【0025】
また、要求は、フォールバック手続き後に第2の通信装置のネットワークノード装置へ送信されるように構成されている。
【0026】
さらに、第2の通信装置は回路切り換え通信装置を有していることが
好ましい。
【0027】
また、接続維持要求は現在の第1の通信装置からのページング以降に送信されるように構成されている。
【0028】
そして、現在の第1の通信装置はE−UTRAN装置を有していることが好ましい。
【0029】
また、
フォローオン要求を接続維持要求として送信するように構成されている。
【0030】
本発明のさらなる態様によれば、
移動側着信手続き中において、移動端末装置の移動に伴う位置更新手続き中に、移動端末装置から接続維持要求を受信し、移動端末装置との接続を維持するように移動端末装置によって制御されるように構成されているネットワークノード装置が提供される。
【0031】
本発明のさらなる態様によれば、位置または追跡領域が変化する移動側着信手続き中において接続を維持するために、移動端末装置によって実行される方法であって、位置更新手続きが要求されていると判断するステップと、位置更新手続きを開始するように信号を生成するステップであって、信号は前記位置または追跡領域の更新を要求するメッセージと移動側着信手続き中において接続を維持すべきであるという指示を有しているステップと、生成された信号をネットワークノード装置に送信し、それによってネットワークノード装置は指示の受信に応答して接続を維持するステップと、を有する方法が提供される。
また、本発明のさらなる態様によれば、位置または追跡領域が変化する移動側着信手続き中において移動端末装置の接続を維持するための、ネットワークノード装置によって実行される方法であって、位置更新手続きを開始するように信号を受信するステップであって、信号は位置または追跡領域の更新を要求するメッセージと移動側着信手続き中において接続を維持すべきであるという指示を有しているステップと、位置または追跡領域の更新を要求する受信したメッセージに応答して、位置更新手続の実行中に、さらなるネットワークノードに信号を送信するステップと、移動側着信手続き中において接続を維持すべきであるという指示の受信に応答して位置更新手続き中の移動端末との信号リンクを維持するステップと、を有する方法が提供される。
【0032】
本発明は、コンピュータプログラム製品と、そのような製品を保存しているコンピュータ読み取り可能媒体を有することが可能で、コンピュータプログラム製品は以前に定められている方法を実行する複数のコンピュータ読み取り可能命令を有していることも理解されるべきである。
【0033】
概要を前述したような本発明のさまざまな態様によって、例えば、初期アドレスメッセージ(IAM)がネットワークノードにいったん到着すれば、移動側着信通信を、例えばMSCとUEとの間の既存の接続上に設定することができるようにネットワークが接続を維持するために移動側着信手続き中に移動端末装置から指示を容易に受信することが可能になると理解されるべきである。それから、繰り返しページングの必要性も関連する呼の失敗もないので有利である。
【0034】
本発明は、例えば、3GPP TS 24.008から明らかなように位置更新メッセージで現在示されている「フォローオンリクエスト」を再使用するように構成することができるので有利である。
【0035】
また、前述の技術仕様は、MSからのネットワークによる「フォローオン要求」の受信時にネットワークが「フォローオン進行」で応答可能で、必要に応じて本発明で採用可能なレガシーな振る舞い定義している。
【0036】
本発明を添付の図面を参照して例としてのみ以下で説明する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】現在の技術で発生する可能性があって、本発明によって対応可能な潜在的な問題の例を示している信号ダイアグラムである。
【
図2】本発明の実施形態の制御方法の複数の態様を示している流れ図である。
【
図3】本発明の実施形態の移動端末装置の模式的なブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
まず
図1を参照すると、例えば現在の(すぐに「以前の」になる)MSCなどのネットワークノードから新しいMSCへの移動局(MS)などの移動端末装置の移動に伴うCSFB手続きに関連して発生し、前述のそして3GPP TS 23.272に指定されているようなローミング再試行手続きにつながる典型的な信号パターンを示している。
図1は、以降に説明する本発明に関連する、本発明が対応する潜在的な欠点の問題を特に示している。
【0039】
理解されるように、
図1はCSFB手続きによって発生する信号と、関門移動通信交換局(GMSC)10、ホーム位置レジスタ(HLR)12、「以前の」移動通信交換局(MSC1)14、「新しい」移動通信交換局(MSC2)16、およびシステムアーキテクチャエボリューション/ロングタームエボリューション(SAE/LTE)接続による移動局20の形態のネットワーク端末装置を示している。
【0040】
図のように、GMSC 10、HLR 12、およびMSC1 14の間で送信経路設定情報(SRI)とローミング番号提供(PRN)信号とが交換され、それが、移動局ローミング番号MSRNを有している初期アドレスメッセージによって開始されるMS 20へのページング信号に最終的につながる。ページング信号は、CSFBを開始するようにMS 20製品に配信され、その手続きがMS 20からのLU要求につながる。それから新しいMSC2 16、HLR 12および以前のMSC1 14とGMSC 10とを伴う認証手続きが開始されるが、理解されるように22で移動側着信呼び出しの確立がLU手続きの完了を待っているHLR 12によって遅延される。
【0041】
位置更新肯定応答/位置更新受付信号が新しいMSC2 16とMS 20にそれぞれ配信できるまでサブスクライバデータ挿入信号が、HLR 12と新しいMSC2 16との間で継続する。しかし、24の位置で示されているように、この段階で、新しいMSC2 16は継続中の移動側着信呼が存在することがわからず、そのためMSC2 16は24の位置で示されているように、更新位置肯定応答の受信後に直ちにLU受付信号をMS 20に送信する。
【0042】
26の位置でさらに示しているように、MSC2 16からMS 20へのLU受付信号以降に、MSC2 16は、着信の存在に気付かず、信号伝送と接続性と、ゆえに運用性に不利な影響がある接続をMSC2 16が解除する高い可能性がある。
【0043】
つまり、MSC2 16が接続を解除すると、MSCにIAMメッセージが到着したときに、さらなるページング信号をMS 20に送信しなければならないことになる。その結果、遅延と非効率が発生する。特に、CSFBによって、MS 20はまずE−UTRANにおいて複数のSGを通してページングされ、それからMS 20をネットワークによって必要に応じてGERANまたはUTRAN装置に移動させる。MS 20はMT呼が処理できるように新しい位置領域にあればLU手続きを実施する。そのため、理解されるように、ともかくもそのようなシーケンスは何らかの遅延を生じ、そのため、再ページングの必要性から発生するようなさらなる遅延を避けなければならない。
【0044】
そのような繰り返されるページング要求は、追加の遅延をCSFB手続きにもたらすことにおいてそれ自体が不利であるが、これらの制限がさらに悪化する可能性があり、それはE−UTRAN機能を有しているMS 20によって、MS 20は繰り返されるページングがともかくも失敗することになるようにLTEセルを選択していることになるからである。
【0045】
ここで
図2を参照すると、本発明の実施形態によるMT手続き中の制御動作を示している流れ図を示している。
【0046】
したがって、移動側着信手続き28の一部として、
図1のMS 20の
図1のMSC2 16への移動をCSFB 30が要求していると、MS 20はそのLU要求32内にMSC2 16との接続を維持し、
図1に示しているようなそうでなければ行われる解放を行うべきではないこと示す役割のある「フォローオン要求」を含める。ステップ34の位置で、更新位置手続きは継続するが、このシナリオでは、新しいMSC2 16は実行中のMT呼が存在することに気付いており、38で以降のMT呼が40で既存の接続上のIAMメッセージの後で設定され、接続を維持する。
【0047】
そのため、遅延と現在の技術では起こり得る呼の失敗を避けることができて有利である。
【0048】
図3に関連して、例えば、トランシーバ回路46と動作的に接続されているアンテナ/インターフェイス44を備えたユーザ装置ハンドセット装置42であって、トランシーバ回路46は標準的な態様ではハンドセット42内のプロセッサ48とメモリ50の機能にさらに接続されている移動局のブロック図を示している。
【0049】
本発明によれば、ハンドセット42内の処理機能48は、新しいMSC、つまり
図1のMSC2 16に対して接続を維持すべきであって接続が以降の呼の設定に使用されるという必要な指示を提供するようにハンドセット40からLU要求過程中に送信される「フォローオンリクエスト」[FOR]などの「接続を維持する」要素を有するように構成されている。
【0050】
理解されるように、そのような機能は、適切な特定の回路と適切な保存媒体から取得されるような適切なコンピュータプログラム要素の使用の少なくとも一方によってハンドセット42内で実現可能である。
【0051】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0052】
本出願は、2010年2月22日に出願された英国特許出願の第1002892.6の内容が全て取り込まれており、この英国特許出願を基礎として優先権を主張するものである。