特許第5732476号(P5732476)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ジェンテックス コーポレイションの特許一覧

特許5732476一体化された車両用双方向無線インタフェースを備える汎用無線トレーニング可能トランシーバユニット
<>
  • 特許5732476-一体化された車両用双方向無線インタフェースを備える汎用無線トレーニング可能トランシーバユニット 図000002
  • 特許5732476-一体化された車両用双方向無線インタフェースを備える汎用無線トレーニング可能トランシーバユニット 図000003
  • 特許5732476-一体化された車両用双方向無線インタフェースを備える汎用無線トレーニング可能トランシーバユニット 図000004
  • 特許5732476-一体化された車両用双方向無線インタフェースを備える汎用無線トレーニング可能トランシーバユニット 図000005
  • 特許5732476-一体化された車両用双方向無線インタフェースを備える汎用無線トレーニング可能トランシーバユニット 図000006
  • 特許5732476-一体化された車両用双方向無線インタフェースを備える汎用無線トレーニング可能トランシーバユニット 図000007
  • 特許5732476-一体化された車両用双方向無線インタフェースを備える汎用無線トレーニング可能トランシーバユニット 図000008
  • 特許5732476-一体化された車両用双方向無線インタフェースを備える汎用無線トレーニング可能トランシーバユニット 図000009
  • 特許5732476-一体化された車両用双方向無線インタフェースを備える汎用無線トレーニング可能トランシーバユニット 図000010
  • 特許5732476-一体化された車両用双方向無線インタフェースを備える汎用無線トレーニング可能トランシーバユニット 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5732476
(24)【登録日】2015年4月17日
(45)【発行日】2015年6月10日
(54)【発明の名称】一体化された車両用双方向無線インタフェースを備える汎用無線トレーニング可能トランシーバユニット
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20150521BHJP
   H04W 88/02 20090101ALI20150521BHJP
【FI】
   H04Q9/00 301D
   H04W88/02 131
【請求項の数】12
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-550141(P2012-550141)
(86)(22)【出願日】2011年1月21日
(65)【公表番号】特表2013-518468(P2013-518468A)
(43)【公表日】2013年5月20日
(86)【国際出願番号】US2011022002
(87)【国際公開番号】WO2011094124
(87)【国際公開日】20110804
【審査請求日】2013年12月24日
(31)【優先権主張番号】102010005385.6
(32)【優先日】2010年1月22日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】500115826
【氏名又は名称】ジェンテックス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(72)【発明者】
【氏名】ピラート、 ホリア エドゥアルト
(72)【発明者】
【氏名】ビュイスト、 クリス エイチ.
【審査官】 保田 亨介
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−233566(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0089118(US,A1)
【文献】 特開2003−319470(JP,A)
【文献】 特表平04−505082(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03J9/00−9/06
H04B7/24−7/26
H04M3/00
3/16−3/20
3/38−3/58
7/00−7/16
11/00−11/10
H04Q9/00−9/16
H04W4/00−8/24
8/26−16/32
24/00−28/00
28/02−72/02
72/04−74/02
74/04−74/06
74/08−84/10
84/12−88/06
88/08−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両内に配置されたトレーニング可能トランシーバと無線でインタフェース接続する方法であって、
複数のモードの1つに入るステップと、
前記複数のモードの1つを使用して双方向通信で遠隔装置とインタフェース接続するステップと、
前記トレーニング可能トランシーバから前記遠隔装置にパケットを送信するステップと、
前記遠隔装置から前記トレーニング可能トランシーバに要求コマンドを含むパケットを送信するステップと、
前記要求コマンドに基づき、前記トレーニング可能トランシーバから前記遠隔装置に応答コマンドを送信するステップと
前記トレーニング可能トランシーバにより受信された前記パケットが有効であるか否かを判定するステップと、
受信された前記パケットが無効であり、かつ既定の時間が経過したとき、トレーニングモードに入るステップと、
受信された前記パケットが有効であるとき、前記遠隔装置からの前記要求コマンドが有効であるか否かを判定し、
前記要求コマンドが無効である場合、トレーニングモードに入り、
前記要求コマンドが有効である場合、前記要求コマンドが通常動作に関するものであるとき、前記トレーニングモードに入り、前記要求コマンドが診断モードに関するものであるとき、無線診断モードに入るステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記複数のモードの1つに入るために前記トレーニング可能トランシーバ上の複数の入力の1つを受信するステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記トレーニング可能トランシーバ上の複数の入力のシーケンスを受信するステップと、
前記シーケンスが有効であるか否かを判定するステップと、
前記シーケンスが無効である場合、通常動作モードに入るステップと、
前記シーケンスが有効である場合、
前記トレーニング可能トランシーバで前記遠隔装置から要求コマンドを受信し、
前記要求コマンドに基づき、前記トレーニング可能トランシーバから前記遠隔装置に応答コマンドを送信するステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記パケットが受信されたかどうかを判定するステップと、
前記パケットが受信され、かつ有効である場合、前記要求コマンドにより前記複数のモードのどの1つが要求されたかを判定するステップと、
前記要求コマンドが診断に関するものである場合、応答コマンドを前記遠隔装置に送信して、無線診断モードに入るフラグを設定し、前記無線診断モードに入るステップと、
前記要求コマンドがフラッシュに関するものである場合、応答コマンドを前記遠隔装置に送信し、無線フラッシュモードに入るステップと
をさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記パケットが受信されず、かつ既定の時間が経過した場合、通常動作モードに入るステップと、
前記パケットが受信された場合、受信された前記パケットが有効であるか否かを判定するステップと、
受信された前記パケットが無効である場合、通常動作モードに入るステップと
をさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記複数のモードが、無線診断モード、無線フラッシュモード、および無線車両インタフェースモードのうち1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記複数のモードのそれぞれが、前記トレーニング可能トランシーバのメモリに記憶された実行可能プログラムあり、マイクロコントローラにより実行可能である、請求項に記載の方法。
【請求項8】
車両用のトレーニング可能トランシーバユニットであって、
マイクロコントローラと、
前記マイクロコントローラと通信可能なメモリと、
前記メモリに記憶されて、前記トレーニング可能トランシーバユニットと少なくとも1つの遠隔装置との間で無線双方向通信を確立するように構成される実行可能命令を有する無線双方向インタフェースモードと
前記トレーニング可能トランシーバユニットを診断するために無線インタフェースを提供するように構成される実行可能命令を有する無線診断モードを含む前記無線双方向インタフェースモードと、
前記メモリに記憶される既定の無線診断モード選択シーケンスと、
ユーザ入力の選択シーケンスを検出して、前記既定の無線診断モード選択シーケンスと相関する前記選択シーケンスに応じた前記無線診断モードの前記実行可能命令を実行するように構成される前記マイクロコントローラと
を備える、トレーニング可能トランシーバユニット。
【請求項9】
無線トランシーバをさらに備え、
前記無線双方向インタフェースモードは、前記無線トランシーバを使用して前記少なくとも1つの遠隔装置に対して連続的にスキャンを開始するように構成される実行可能命令を有する自動スキャンモードを含む、請求項に記載のトレーニング可能トランシーバユニット。
【請求項10】
前記トレーニング可能トランシーバユニットの前記無線双方向インタフェースモードを開始するためにユーザによって選択可能な前記マイクロコントローラと通信する複数のユーザ入力をさらに備える、請求項に記載のトレーニング可能トランシーバユニット。
【請求項11】
前記トレーニング可能トランシーバユニットをユーザがプログラムおよび再プログラムすることができるように構成される実行可能命令を有する無線フラッシュモードを含む前記無線双方向インタフェースモードと、
前記メモリに記憶される既定の無線フラッシュモード選択シーケンスと、
前記ユーザ入力の選択シーケンスを検出して、前記既定のフラッシュモード選択シーケンスと相関する前記選択シーケンスに応じた前記無線フラッシュモードの前記実行可能命令を実行するように構成される前記マイクロコントローラと
をさらに備える、請求項10に記載のトレーニング可能トランシーバユニット。
【請求項12】
前記トレーニング可能トランシーバユニットを前記少なくとも1つの遠隔装置と結び付けるように構成される実行可能命令を有する無線車両インタフェースモードを含む前記無線双方向インタフェースモードと、
前記メモリに記憶される既定の無線車両インタフェースモード選択シーケンスと、
前記ユーザ入力の選択シーケンスを検出して、前記無線車両インタフェースモード選択シーケンスと相関する前記選択シーケンスに応じた前記無線フラッシュモードの前記実行可能命令を実行するように構成される前記マイクロコントローラと
をさらに備える、請求項11に記載のトレーニング可能トランシーバユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一体化された双方向無線インタフェース機能を備える汎用無線トレーニング可能トランシーバユニット、およびその方法に関する。
【0002】
(関連出願の相互参照)
この国内段階の特許出願は、出願の開示全体が本出願の開示の一部であると考えられ、かつ参照により本明細書に組み込まれる、2011年1月21日に提出され“Universal Wireless Trainable Transceiver Unit With Integrated Bidirectional Wireless Interface For Vehicles”と題された国際特許出願第PCT/US2011/022002号および2010年1月21日に提出された独国特許出願第102010005385.6号明細書の利益を主張する。
【背景技術】
【0003】
機器および装置を制御するための従来のシステム、例えばガレージドア開閉装置、防犯ゲート、住宅用警報器、照明装置、コンピュータなどは、個々の遠隔制御装置を使用して、それぞれの機器および/または装置を動作させる。この従来のシステムでは、複数の装置または機器を制御することが困難であり、まして機器および装置の動作を1つの制御可能なシステムに統合できない。例えば、ガレージドア開閉装置機構は、無線周波数の制御信号に応答してガレージドアを開閉する。制御信号は、典型的には、ガレージ開閉装置と共に販売される遠隔制御装置から生成され、送信される。制御信号は、ガレージドア開閉装置機構が、関連する制御信号を発行する遠隔制御装置だけに応答するように、前もってセットされた搬送周波数および制御コードを有する。この種のシステムに関連する問題は、動作させられるためには、ドア開閉装置が特定の所定の制御信号を受信しなければならないことである。すなわち、機器および装置はそれぞれ、特定の所定の制御信号を受信しなければならない。したがって、複数の機器および/または装置を制御することを望むユーザが、複数の遠隔制御装置を有する必要がある。
【0004】
絶えず進化する技術社会では、複数の機器および装置を統合された方法で動作させることができる通信システムに対する要求がますます増大している。現在、複数の機器および装置が、中央のまたは単一の遠隔装置と通信することが可能になる通信システムが存在する。1つのそのようなシステムが、ジョンソンコントロールズ(Johnson Controls)社が所有するホームリンク(Homelink)(商標)であり、これは、トレーニング可能トランシーバが、受信した制御信号の特徴を「学習する」ことができ、その結果、トレーニング可能トランシーバは、その後、学習した特徴を有する信号を生成し、遠隔で制御される装置または機器に送信することができる。図1は、トランシーバ回路4を有する無線制御システム12の一例であり、遠隔電子システム16(遠隔装置)もトランシーバ回路18を有する。1つのそのようなシステムが、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5、903、226号明細書で開示されている。別のそのようなシステムが、同様に参照により本明細書に組み込まれる欧州特許第0935226B1号明細書で開示されている。
【0005】
トレーニング可能トランシーバが動作するためには、各信号が、典型的にはユーザ作動スイッチ20に関連付けられる、またはユーザが、関連するスイッチ20を選択することにより(例えば、動作させる装置に関連するトレーニング可能トランシーバ上のボタンを押すことにより)トレーニング可能トランシーバ上の学習された信号の1つを選択する。例えば、ユーザが、図2に示されるボタンB1、B2、B3のうち1つまたは複数を選択してもよい。トレーニング可能トランシーバが、異なる長さおよび継続期間の様々な信号の信号特徴を学習するためには、各伝送チャネルに対して、トレーニング可能トランシーバ内部に提供され割り当てられるメモリ量22が、学習される最も大きな信号の特徴を記憶するのに十分でなければならない。
【0006】
さらに、トレーニング可能トランシーバが通信システムで適切に機能するためには、機器または装置に対して、特に、トレーニング可能トランシーバが時間の経過につれて通信する可能性が高い潜在的に多数の機器および装置と互換性がなければならない。当然、ユーザがどの機器および/または装置を制御することを望むことができ、その結果、トレーニング可能トランシーバが、互換性のためにプログラムされうるかを予測することは困難である。さらに、トレーニング可能トランシーバが最初にプログラムされた後、新しい機器および装置が開発されたとき、新しい機器および装置が通信システムで使用するために互換性があるように、トレーニング可能トランシーバを更新する方法が現在ない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、一体化された双方向無線インタフェース機能を備える汎用無線トレーニング可能トランシーバユニット、およびその方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態では、複数のモードの1つに入るステップと、双方向通信で複数のモードの1つを使用して遠隔装置とインタフェース接続するステップとを含む、車両内に配置されたトレーニング可能トランシーバと無線でインタフェース接続する方法がある。
【0009】
本発明の一様態では、方法は、トレーニング可能トランシーバ上の複数の入力の1つを選択するステップと、トレーニング可能トランシーバから遠隔装置にパケットを送信するステップと、要求コマンドを含むパケットを遠隔装置から受信するステップと、要求されたコマンドに基づき応答コマンドを遠隔装置に送信するステップとをさらに含む。
【0010】
本発明の別の様態では、方法は、トレーニング可能トランシーバにより受信されたパケットが有効であるか否かを判定するステップと、受信されたパケットが無効であり、かつ所定の時間が経過したとき、トレーニングモードに入るステップと、受信したパケットが有効であるとき、遠隔装置からの要求が有効であるか否かを判定し、要求が無効である場合、トレーニングモードに入り、要求が有効である場合、要求が通常動作に関するものであるとき、トレーニングモードに入り、要求が診断モードに関するものであるとき無線診断モードに入るステップとをさらに含む。
【0011】
本発明のさらに別の様態では、方法は、トレーニング可能トランシーバ上の複数の入力の1つのシーケンスを選択するステップと、シーケンスが有効であるか否かを判定するステップと、シーケンスが無効である場合、通常動作モードに入るステップと、シーケンスが有効である場合、トレーニング可能トランシーバで遠隔装置から要求コマンドを受信し、要求コマンドに基づき、トレーニング可能トランシーバから遠隔装置に応答コマンドを送信するステップとをさらに含む。
【0012】
本発明のさらに別の様態では、方法は、パケットが受信されたか否かを判定するステップと、パケットが受信され、かつ有効である場合、要求コマンドにより複数のモードのどの1つが要求されたかを判定するステップと、要求コマンドが診断に関するものである場合、要求コマンドを遠隔装置に送信して、無線診断モードに入るフラグをセットし、無線診断モードに入るステップと、要求コマンドがフラッシュに関するものである場合、応答コマンドを遠隔装置に送信し、無線フラッシュモードに入るステップとをさらに含む。
【0013】
本発明の別の様態では、方法は、パケットが受信されず、かつ所定の時間が経過した場合、通常動作モードに入るステップと、パケットが受信された場合、受信されたパケットが有効であるか否かを判定するステップと、受信されたパケットが無効である場合、通常動作モードに入るステップとをさらに含む。
【0014】
本発明の別の様態では、複数のモードは、無線診断モード、無線フラッシュモード、および無線車両インタフェースモードのうち1つを含む。
【0015】
本発明のさらに別の様態では、複数のモードそれぞれが、トレーニング可能トランシーバのメモリに記憶された実行可能プログラム製品であり、マイクロコントローラにより実行可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】従来技術によるトレーニング可能受信機の概略図の例である。
図2図1によるトレーニング可能トランシーバ用のインタフェースの例である。
図3】本発明の一実施形態によるトレーニング可能トランシーバの図の例である。
図4】本発明の別の実施形態によるトレーニング可能トランシーバの図の例である。
図5】本発明による送受信用のパケットコマンドを含む表の例である。
図6】本発明による様々なモードに入る、流れ図の例である。
図7】本発明による、トレーニング可能トランシーバと試験機器の間の通信の図の例である。
図8】本発明の様々なモードに入る、流れ図の例である。
図9】本発明による、トレーニング可能トランシーバと試験機器の間の通信の図の例である。
図10】本発明によるトレーニング可能トランシーバ内の、ブート・ローダ・コードBLCおよびアプリケーションコードACのメモリの例である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、一体化された双方向無線インタフェース機能を備える汎用無線トレーニング可能トランシーバユニット、およびその方法に関する。スキャン、押しボタン、または未トレーニング・チャネル・モードを使用して、ユーザは、トレーニング可能トランシーバの無線双方向インタフェースモードに入ることができる。インタフェースモードにより、ユーザは、診断、フラッシュ(例えばプログラミングおよび再プログラミング)、および車両インタフェースを含むがそれらに限定されない、モードのサブセットを選択することができる。各モードは、双方向の方法で別の遠隔装置と無線で通信するトレーニング可能トランシーバを提供する。
【0018】
システムは2つのタイプの機能を提供する。第1のタイプの機能は、例えばガレージドア、所有地の門、セキュリティシステム、および照明システムを作動させるために使用される遠隔制御装置の無線周波数コードを学習および再生することにより、1つまたは複数の遠隔制御装置を単一の組み込まれた構成要素と置換するトレーニング可能トランシーバである。
【0019】
図3に描かれるように、このタイプのトレーニング可能トランシーバのバージョンは、機能をボタン状態変化に基づいて、有線通信を使用する。すなわち、トレーニング可能トランシーバでのモードを変更するためには、ボタンまたはボタンの組合せ、あるいはボタンシーケンスを起動しなければならない。起動すると、状態モードは、アイドルモード37(活動状態のLIN通信38なし)、クリアモード30、学習モード31、送信モード32、デフォルトモード33、チェンバレン(Chamberlain)モード34、国コード変更モード35、および情報モード36のうち1つに変化する。具体的には、アイドルモード37では、トレーニング可能トランシーバは、診断、メモリの再フラッシュなどを達成するために、車両からの活動状態のLIN有線通信38を待たなければならない。
【0020】
第2のタイプの機能は、以下でより詳細に説明されるように、遠隔装置との双方向通信(送信−受信)モードを有するトレーニング可能トランシーバである。本発明のトレーニング可能トランシーバは、無線双方向インタフェースモード40を提供することにより機能を強化する。無線双方向インタフェースモード40は、新しいモードの動作、すなわち、呼ばれる、無線診断モード41、無線フラッシュモード42、および無線車両インタフェースモード43を提供するこれらの3つのモードは、トレーニング可能トランシーバの従来バージョンで使用されるクリアモード30、学習モード31、送信モード32、デフォルトモード33、チェンバレンモード34、国コード変更モード35、および情報モード36に加わったものである。
【0021】
本発明のトレーニング可能トランシーバは、アイドルモード37を無線双方向インタフェースモード40(送信−受信モード)と置換する。無線双方向インタフェースモード40により、トレーニング可能トランシーバは、1)自動スキャンモード、2)押しボタンモード、および3)未トレーニング・チャネル・モードという3つのモードの1つで、遠隔装置と無線通信することが可能になる。
【0022】
一実施形態では、トレーニング可能トランシーバは、組み込まれた無線トランシーバ14の受信機24を使用して、装置を探して連続的にまたは自動的にスキャンする。各装置は、周波数、および周波数に関連したIDデータコードを有する。周波数の1つを受信したとき、トレーニング可能トランシーバ内のマイクロコントローラ26が、対応するIDコードがメモリ22内に存在するか否かを判定するためにチェックし、存在する場合、遠隔装置との通信を開始する。通信のモード(例えば無線診断モード41、無線フラッシュモード42、無線車両インタフェースモード43)は、検出された遠隔装置に依存する。例えば、遠隔装置が診断ツールである場合、トレーニング可能トランシーバは、無線診断モード41に入る。さらに、遠隔装置から受信されるデータを、内部ネットワークを通して車内の別の電子装置に転送することができる。
【0023】
無線双方向インタフェースモードはまた、押しボタンモード(ボタン状態変化)を使用して設定してもよい。例えば、図4に示されるように、ユーザが、インタフェースINT(図2)上のボタンB1、B2およびB3を選択してまたは押して、指定したモードに入ってもよい。例えば、インタフェースINT上のボタンB1およびB2(同時にまたは順に)を押すと、無線診断モード41に入り、一方では、インタフェースINT上のボタンB2およびB3を(同時にまたは順に)押すと、無線フラッシュモード42に入る。別の例では、ブート・ローダ・コードBLC(図10)が、1)3つのボタンB1、B2、B3全てを押す、2)3つのボタンB1、B2およびB3全てを解放する、3)所定の時間以内に外側のボタンB1およびB3を押し、次に、解放する、および4)中央のボタンB2を所定の時間以内に押すといった例示したシーケンスにより起動された電源投入を検出した場合、ブート・ローダ・コードBLCはパケット受信モードに入り、所定の時間、どのモード(無線診断モード41無線フラッシュモード42、または無線車両インタフェースモード43)に入るべきかを示す、遠隔装置からのコマンドを待つ。所定の時間以内に有効なコマンドを受信しない場合、トレーニング可能トランシーバは、保持された電源を解除し、電源を切る。この時間だけでなく、モードの1つにいる間の任意の時間にボタンを押しても、保持された電源が解除され、トレーニング可能トランシーバが電源を切ることができるようになる。ボタンの数、シーケンス、および/または期間は、例示した実施形態に限定されないことが理解される。任意の変化、またはボタンの数および期間が、指定されたモードに入るために使用されてもよい。
【0024】
無線双方向インタフェースモード40に入る別の方法が、図6に最良に示されている未トレーニングチャネルのデフォルト伝送方法を使用するものである。ステップ50で、未トレーニング・チャネル・ボタンを押したとき(例えば未トレーニングボタンの選択)、ステップ52で、トレーニング可能トランシーバは、所定の時間パケットを送信する。ステップ54で、送信に応答して、以下でより詳細に説明されるように、トレーニング可能トランシーバはパケット受信RXモードに入って、遠隔装置からの要求を待って、指定されたモード(例えば無線診断モード)に入る。
【0025】
無線双方向インタフェースモード40の設定または活動化により、ユーザは、1)無線診断モード41、2)無線フラッシュモード42、および3)無線車両インタフェースモード43を含む3つのサブモードのうち任意の1つを選択することが可能になる。上記で説明されたように、または以下の詳細な実施形態の例で説明されるように、スキャン、押しボタン、または未トレーニングチャネル選択により、これらの3つのモード41、42、43に入ってもよい。
【0026】
無線診断モード
【0027】
無線診断は、車両内に備えつけられたトレーニング可能トランシーバ診断に内在する特定の診断機能を行うために無線インタフェースを提供する(すなわち、診断のために、トレーニング可能トランシーバを分解してケーブルを接続する必要がない)。無線診断モード41は、典型的には、診断ツールを使用してトレーニング可能トランシーバを診断するなどの近距離場通信用である。診断コマンドは、例えば図5の表に示されるように、製造テストおよびベンチテスト、ならびに情報収集をサポートする。診断パケットコマンドは、例えばDIAG_REQ(要求)およびDIAG_RSP(応答)を含む。これらのコマンドは本来、例示的であり、かつ図5の表で説明されるコマンドに限定されないことが理解される。
【0028】
図6は、無線診断モード41に入るためのシーケンスの例を開示する。この場合、上記で説明されたように、ステップ50で、未トレーニング・チャネル・ボタン(モード)押下を行うと、トレーニング可能トランシーバは無線診断モード41、またはトレーニング/学習モードのいずれかに入ることができる。具体的には、ステップ50で、未トレーニング・チャネル・ボタン押下を行うと、ステップ52で、所定の時間、パケットを送信する(TX)。パケットは、ペイロードの中に、例えばデフォルトコード、部品番号などを含むことができる。さらに、遠隔装置(例えばツール)がパケットを受信するためには、パケット受信モードになければならない。ステップ52で、パケットを送信すると同時に、トレーニング可能トランシーバおよびツールは、図7に描かれるように(以下で説明される)通信状態に入る。ツールでトレーニング可能トランシーバからの初期パケットを受信すると同時に、ツールはパケットの受信に応答し、ステップ53で、トレーニング可能受信機にコマンド(例えば要求REQ)を返送し、ステップ54で、パケット受信モードが開始される。
【0029】
例えば図7に通信状態が示されている。この場合、ステップ0で、パケットがトレーニング可能トランシーバ(トレーニング可能トランシーバのメモリのアプリケーションコードACを指すHLV(App)により表される)により送信される。パケット受信モード2中にツールにより受信されると同時に所定の量の要求を送信する、または4で、トレーニング可能トランシーバから戻る応答(RSP)を受信するまで、ステップ6で、ツールから要求(REQ)を送信する。
【0030】
トレーニング可能トランシーバとツールの間でパケットが送信されるとき、以下を実行する。図6を参照するとステップ56で、パケットを受信したか否かが判定される。パケットを受信しなかった場合、ステップ58で、タイムアウトが発生したか否かを判定する。タイムアウトが発生した場合、トレーニング可能トランシーバは、ステップ60で、トレーニング/学習モードに入る。そうでない場合、手順はステップ56にループして戻り、そのようなタイムアウトが発生するまで、パケットを受信したか否かをモニタする。一方、ツールからパケットを受信した場合、手順は、ステップ62で、受信したパケットはツールからの有効なREQか否かを判定する。パケットが無効であると判定した場合、ステップ64で決定された無効なRSPを送信し、ステップ60でトレーニング/学習モードに入る。あるいは、ツールから送信されたREQにエラーが存在することがあり、その場合、ステップ64で、無効送信応答(TXRSPも決定する。ステップ62で、受信したパケットが、ツールからの有効なREQであると判定した場合、ステップ63で、REQ「NORMAL_OP」(通常動作)REQか「WIRELESS_DIAG」(無線診断)REQかを判定する。ステップ63で、REQは無線診断要求であると判定した場合、ステップ66で、診断モードに入るための応答RSPを送信し、68で無線診断モード41に入る。一方、REQが通常動作要求である場合、ステップ65で、トレーニング/学習モードに入るためのRSPを送信し、ステップ60でトレーニング/学習モードに入る。無線診断モード41はまた、無線フラッシュモード42に関して以下で説明されるように、スキャンモードまたはボタンシーケンス検出(押しボタンモード)を介して入ってもよいことが理解される。同様に、REQは説明された実施形態に限定されないこと、およびREQとして任意のコマンドまたはテキストを使用しもよいことが理解される。
【0031】
無線フラッシュモード
【0032】
無線フラッシュモード42により、ユーザは、トレーニング可能トランシーバをプログラムする(フラッシュする)または再プログラムする(再フラッシュする)ことが可能になる。トレーニング可能トランシーバをプログラミング/再プログラミングする詳細は、この出願では説明しない。むしろ、トレーニング可能トランシーバを使用して無線フラッシュモード42に入る能力が、以下のように、図8を参照して検討される。図8は、本発明の様々なモードに入る流れ図の例である。具体的には、流れ図は、予め定義されたボタンシーケンスを使用して無線診断モード41または無線フラッシュモード42に入るユーザを例示している。ボタン・シーケンス・モードを使用して、無線車両インタフェースモード43および無線診断モード41を含み、別のモードに入ることもできることが理解される。ステップ0で、トレーニング可能トランシーバの電源投入(例えば、ボタンB1、B2、B3を押す)と同時に、ユーザは、ステップ81でトレーニング可能トランシーバにより検出されたボタンシーケンスを入力する。例えば、図4に示されるように、ステップ81で、ユーザは、インタフェースINT上のボタンB2およびB3を押して、ボタンシーケンス検出を開始してもよい。ステップ82で、有効なボタンシーケンスが検出されない場合、手順はステップ83に続く(図10に描かれる、トレーニング可能トランシーバの通常動作アプリケーションコードを指す「Appにジャンプ」)。一方、ステップ82で、有効なボタンシーケンスが検出された場合、ステップ84で、パケット受信モードに入るに続く。このモードでは、トレーニング可能トランシーバおよびツールは、図9を参照して以下で説明されるように通信を開始する
【0033】
ステップ85で、パケットをツールから受信したか否かを判定する。受信しなかった場合、ステップ86で、タイムアウト(例えば所定の制限時間が満了した)またはボタン選択が発生したか否かを判定する。ステップ86で判定して、ボタン選択のタイムアウトが発生しなかった場合、手順はステップ85にループして戻って、パケットを受信したか否かを判定する。タイムアウトまたはボタン選択が発生した場合、手順はステップ83に続き、「Appにジャンプ」シーケンス(例えば、トレーニング可能トランシーバのメモリに記憶された正常動作アプリケーション・コード・シーケンス)に戻る。
【0034】
トレーニング可能トランシーバとツールの間でパケットが送信されたとき、以下を実行する。ステップ85で、パケットを受信したと判定した場合、ステップ7で、トレーニング可能トランシーバは、パケットが有効であるか否かを判定する。パケットが無効であると判定した場合、ステップ88で、パケットは無効であることを示すRSPをツールに送信し、手順はステップ83に続き、ステップ83で、トレーニング可能トランシーバは、図10で最良に示されるトレーニング可能トランシーバのメモリ100のアプリケーションコードACセクションに存在する該当するアプリケーションにジャンプすることにより、通常動作モードに入る。一方、パケットが有効であると判定した場合、ステップ89でトレーニング可能トランシーバは、図7で最良に示されるステップ6で、ツールがどのモード(ステップ51、診断またはフラッシュ)を要求したかを判定する。無線診断モード41を要求した場合、ステップ91で、無線診断モードに入るべきであることを示すフラグをステップ90で送信する。ステップ83で、図10に描かれる、トレーニング可能トランシーバのメモリ100に存在するアプリケーションコードACにジャンプすることにより、無線診断モード41に入る。ステップ89における要求が無線フラッシュモード42である場合トレーニング可能トランシーバは、ステップ92で、RSPを送信して、ステップ93で、無線フラッシュモードに入る。
【0035】
無線車両インタフェースモード
【0036】
無線車両インタフェースモード43は、トレーニング可能トランシーバを車両の中または外に配置された(近距離場または遠距離場)様々な設備、例えば遠隔キーレスシステム、タイヤ圧力計、移動装置、他の車両、ガレージドアなどと連結する能力を提供する。従来、前述の設備のそれぞれに対して、車両は、車両と設備の間の通信を可能にするモジュールを含む。トレーニング可能トランシーバが車両と設備の間の通信インタフェースになるように、これらのモジュールをトレーニング可能トランシーバと置換することができる(トレーニング可能トランシーバがモジュールを置換する)。トレーニング可能トランシーバをプログラムして、無数の装置およびアプリケーションとのインタフェース接続を可能にすることができる。
【0037】
図9は、トレーニング可能トランシーバのブート・ローダ・コードBLCおよびアプリケーションコードACのメモリの例を示している。ステップ90で、ツールは、要求REQ(例えば診断モードまたはフラッシュモードの要求)をトレーニング可能トランシーバに返送し始める。ステップ92で、ボタンシーケンスが開始されると、トレーニング可能トランシーバはツールからパケットを受信し始める。ツールから送信されたパケットに応答して、トレーニング可能トランシーバは、ステップ94で、REQに関連した情報を含む応答RSPをツールに返送する。
【0038】
ここで、本明細書では、広範な技術が様々な形態で実現されることができることを、当業者は前述の説明から理解することができる。したがって、説明された特徴が、その特定の事例に関連して説明されたが、図面および本明細書を研究すれば別の修正形態が当業者に明らかになるので、特徴の真の範囲はそのように限定されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10