【実施例1】
【0061】
図1、
図2および
図3は、本発明の実施例1のコイン払出装置1を示す。このコイン払出装置1は、バラ積みされたコインを所定の払出位置に
1枚ずつ払いだす機能を有し、大まかにはコイン送出装置10とコイン搬送装置20とを含んで構成される。コイン払出装置1は、外径(すなわち、直径)または厚みの異なる複数種類(すなわち、金種)のコインを払出可能であり、いわゆるサイズフリー対応のコイン払出装置として機能する。
【0062】
(コイン送出装置)
まず、
図1〜6を参照しながら、コイン送出装置10について説明する。コイン送出装置10は、バラ積み状態のコインを1枚ずつ分離して送り出す機能を有するもので、多数のコインを保留する保留ボウル102、その保留ボウル102を上向きに傾斜して支持し固定する取付ベース104、コインを
1枚ずつ区分けする回転ディスク106、回転ディスク106を駆動する駆動手段108、回転ディスク106からコインを受け取る受取手段112、およびコイン落下手段118を有している。
【0063】
(保留ボウル)
保留ボウル102は、多数のコインをバラ積み状態に保留し、回転ディスク106に向けて送り込む機能を有する。保留ボウル102は、取付ベース104より前方(
図3において右側)に突出し、回転ディスク106に近づくに従って深さが増し、換言すれば、底壁122が回転ディスク106に向かって下向きに傾斜しているヘッド部102Aと、コインを投入するためのコイン投入口102Bと、取付ベース104に密接すると共に回転ディスク106の少なくとも下側の外周を囲う外装部102Cを有している。
【0064】
底壁122の傾斜は、コインが自重によって回転ディスク106側に滑落できる角度である。ヘッド部102Aは、回転ディスク106側が開放された、かいば桶形であり、その開放端部は取付ベース104に密着して固定されている。回転ディスク106の下部の前方には、
図5に示すように、狭幅の縦溝124を形成し、落下したコインが立ち易いようにしてある。縦溝124は外装部102Cに続いて形成された回転ディスク106に対し略平行な垂線に対し回転ディスク106側に傾斜する縦壁126と回転ディスク106および外装部102Cによって形成され、その幅、換言すれば、回転ディスク106の上面と保留ボウル102の縦壁126との間隔は、最小コインの直径よりも小さく、かつ、最大厚みコインの厚みの5倍から10倍に設定され、回転ディスク106の回転方向下流側ほどその間隔が広まるように設定されている。コインを立たせ、更に回転ディスク106側に傾け、コインを最後の
1枚まで後述のコイン係止体128に係止させて、払い出すことができるようにするためである。
【0065】
外装部102Cは、円筒リング形であって、回転ディスク106の外周に近接配置される。よって、直径の異なるコインは、保留ボウル102内にバラ積み状態に保留され、傾斜する底壁122上を自重によって滑り落ち、回転ディスク106に送り込まれる。さらに、回転ディスク106によって連れ回りされるコインは、外装部102Cにより回転ディスク106上に留まるよう案内される。
【0066】
(取付ベース)
取付ベース104は、回転ディスク106を回転自在に支持し、保留ボウル102が固定される等の機能を有する。取付ベース104は、2つの水平な載置台部104Aと、載置台部104Aに対し傾斜する第1取付部104Bと、第1取付部104Bの上端から鉛直上方に延びる第2取付部104Cと、載置台部104Aに対して略直角に立設された支持側壁104L、104Rとを含んでいる。載置台部104Aは、矩形の平板状であり、支持側壁104L、104Rと一体に形成されている。第1取付部104Bは、平板状であり、載置台部104Aに対し約60度の上向き角で傾斜し、その上向き上面104U側には、回転ディスク106が配置され、裏面側には駆動手段108が取付けられる。第1取付部104Bの傾斜角は、50度〜70度の範囲が好ましい。50度よりも小さい場合、コインC保留量が少なくなり、70度よりも大きい場合、コインが後述のコイン係止体128から落下し易くなるからである。第2取付部104Cは第1取付部104Bと一体で形成され、コイン搬送装置20を支持する。
【0067】
(回転ディスク)
回転ディスク106は、バラ積みされた外径が異なるコインを
1枚ずつ区分けし、受取手段112に搬送する機能を有する。回転ディスク106は円板であって、中央に円形の中央突起132、中央突起132の周囲にリング形の保持面134が形成され、保持面134に放射状にコイン係止体128が形成され、裏面は上向き上面104Uに近接配置されている。回転ディスク106は、上向きに傾斜し、
図4において反時計方向に回転される。中央突起132の上面に茸形の突起140を形成し、これによってコインを攪拌することが好ましい。
【0068】
中央突起132の外周は支持棚136であり、支持棚136は保持面134に対し略直角をなし、保持面134からの突出量は使用が想定される最薄のコインの厚みよりも低く設定されている。支持棚136は、コイン係止体128間の保持面134に
1枚のみのコインが保持されるようにする機能を有する。2枚のコインが支持棚136に支持されないためである。
【0069】
保持面134は、支持棚136に周面が支持されるコインの一面と面接触してコインを保持する機能を有する。保持面134は、中央突起132の外周に形成されたリング形の扁平面であり、水平面に対し約60度傾斜している。
【0070】
コイン係止体128はコインの周面に接し、コインを押動する機能を有する。コイン係止体128は、回転ディスク106回転軸線に対し放射状に等間隔で固定状態に形成されたリブ状の凸条である。本実施例において、コイン係止体128は正面視台形かつ断面台形であり、回転方向前端の押動縁138によってコインを押動する。押動縁138は保持面134に対し垂直上方に伸び、その保持面134からの高さは、コインを押動できる高さであればよい。しかし、押動縁138の高さが低い場合、コインを押動する際の単位長さ当たりの接触圧力が高まるので、可及的に高いことが好ましい。他方、押動縁138の高さが所定量以上に高い場合、後述の受取手段112のための乗上スロープ142の長さが長くなり、最小径コインが押動縁138に押されているときに乗上スロープ142に押し上げられ、最小径コインがコイン受取手段112から落下し易くなる。よって、最小径コインが押動縁138に押されているときに、乗上スロープ142に押し上げられない範囲で可及的に押動縁138を高く形成することが好ましい。実験によれば、直径20ミリ以上のコインを対象にする場合、押動縁138の高さは、約2ミリが好ましい。
【0071】
コイン係止体128の回転方向下流側縁144は、
図4に示すように、コイン受取手段112を構成するコイン受取体145の受取縁146の全長が同時に保持面134に近接するよう押動縁138に対し傾斜して形成することが好ましい。コイン受取体145が保持面134に近接した時、保持面134とコイン受取体145との間にコインが挟まれないためである。コイン係止体128の頂部147と下流側縁144は段付斜面149に形成されている。隣り合うコイン係止体128の間の保持面134にコインの一面が面接触して保持される。よって、保持面134上の押動縁138と下流側縁144との間隔は、支持棚136側が狭く、回転ディスク106の周縁に近づくにしたがって順次拡大する形状であり、保持面134は中央突起132に対し倒立台形を呈する。支持棚136に使用が想定される最小径コインの一つが支持されている場合、他の最小径コインは支持棚136に支持されないよう設定されている。換言すれば、支持棚136に近接した位置において最小径コインの2個が保持面134に面接触しないように設定されている。2枚のコインが連続払出されることを防止するためである。
【0072】
乗上スロープ142は、コイン受取体145の受取縁146の支持棚136側の端部をこれに沿わせて保持面134から押し上げる機能を有する。
図4に示すように乗上スロープ142は、支持棚136と押動縁138とがなすコーナーに形成され、保持面134からコイン係止体128の頂部147まで傾斜するスロープであり、最小径のコインが支持棚136および押動縁138に接している場合、それらがなす三角形空間内に形成することが好ましい。乗上スロープ142が大きすぎる場合、コインが受取縁146に案内されている状態においてコインの一部が乗上スロープ142上に載ってしまい、コインが受取縁146から落下しやすくなるからである。
【0073】
(駆動手段)
駆動手段108は、回転ディスク106を所定の速度で回転駆動する機能を有する。本実施例において駆動手段108は、電気モータ152および減速機154を含んでいる。減速機154が第1取付部104Bの裏面に固定され、その入力歯車には減速機154に固定された電気モータ152の出力歯車(図示せず)が噛み合っている。減速機154の出力軸(図示せず)は、第1取付部104Bを貫通し、回転ディスク106の中心部の嵌合孔(図示せず)に密に挿入され、固定されている。
【0074】
なお、駆動手段108は過負荷防止機能を有している。すなわち、コイン詰まり等の異常により駆動手段108が過負荷状態となった場合、図示しない制御装置によって電気モータ152に逆極性の電流が流れ、回転ディスク106が逆回転される。これにより、異常が解消されて駆動手段108の負荷状態が正常になると、制御装置により回転ディスク106が再び正回転される。
【0075】
(コイン受取手段)
コイン受取手段112は、回転ディスク106によって
1枚ずつ区分けして送られてくるコインを回転ディスク106の周方向へ移動させ、かつ、コイン係止体128に対する逃げ運動を行う機能を有する。本実施例においてコイン受取手段112は、五角形の板体であり、押動縁138に面する端縁が直線状の受取縁146が形成され、他端部を遊動支持手段174によって遊動可能に支持され、かつ、中間部に押動縁138を付勢手段(図示せず)によって回転ディスク106側に付勢されているコイン受取体145である。
【0076】
受取縁146は、支持棚136の近傍から回転ディスク106の周方向に一直線に伸び、押動縁138と対向関係にある場合(それらの間にコインが位置する場合)、それら縁の延長線は鋭角をなすよう形成されている。換言すれば、
図4に示すように受取縁146は、回転ディスク106の中心に対し上方にオフセットし、保持面134の周方向の幅の全長に面している。
【0077】
遊動支持手段174は、コイン受取手段112を所定の範囲において上下左右の如何なる方向にも姿勢を変更できるように支持する機能を有する。詳しくは、コイン受取手段112の受取縁146が保持面134に近接した位置および乗上スロープ142に接触しつつコイン係止体128を乗り越えることが出来る動きが可能である。遊動支持手段174は、上述した特許文献2(特開2008−97322)と同じ構成であり、ここでは具体的な構成についての説明を省略する。
【0078】
(コイン落下手段)
コイン落下手段118は、重なっているコインが受取手段112に到達しないよう、保持面134に接して保持されているコインの上に載っているコインを落下させる機能を有する。コイン落下手段118は、回転ディスク106の軸線よりも上方であって、かつ、回転ディスク106の周縁に相対して配置されている。換言すれば、コイン落下手段118は、回転ディスク106に対しおおよそ2時の位置であって、
図4に示すように、回転ディスク106の保持面134に近接し、かつ、平行な平面内において進退可能に構成されている。コイン落下手段118は、上述した特許文献2(特開2008−97322)と同じ構成であり、ここではその詳細な説明を省略する。
【0079】
(コイン搬送装置)
次に、
図1〜19および
図34〜40を参照しながら、コイン搬送装置20について説明する。コイン搬送装置20は、
図1〜9に示すように、入口202から出口204に向かって延在するコイン案内通路210を有するコイン案内部200と、一対のコイン押動体504A〜504L、506A〜506Lがそれぞれ設けられた第1〜第12回転盤502A〜502Lを有するコイン押動機構500と、出口204の近傍に配置されたコイン放出手段230およびコイン払出検出センサ240とを含んでいる。また、コイン搬送装置20は、コイン案内通路210をその延在方向において3分割する第1〜第3コイン搬送ユニット21〜23により構成されている。換言すれば、コイン搬送装置20は、第1および第3コイン搬送ユニット21、23を第2コイン搬送ユニット22を介して接続することにより、コイン案内通路210が形成されるよう構成されている。コイン案内通路210の入口202は第1コイン搬送ユニット21の下部に設けられ、出口204は第3コイン搬送ユニット23の上部左側に設けられている。
【0080】
(コイン案内部)
コイン案内部200は、ベース体300と、ベース体300の表面302上に設けられたトッププレート400および入口ガイド部材450とを含んで構成される。ベース体300の表面302側には、
図6、
図7および
図10に示すように、第1〜第12回転軸線332A〜332Lの回りを回転可能に支持された第1〜第12回転盤502A〜502Lが配置されている。第1〜第12回転軸線332A〜332Lは、ベース体300の表面302に対して略直角である。
【0081】
ベース体300の表面302は、
図10に示すように、第1案内面部分222と第2案内面部分224とを有している。第1案内面部分222は、第1取付部104Bの上向き上面104Uと平行であり、換言すれば、回転ディスク106の保持面134と同様に水平面に対し約60度の傾斜角を有する。第2案内面部分224は、水平面に対し略直角であり、第1案内面部分222に対して約150度の角度で交わる。換言すれば、第1および第2案内面部分222、224は、互いに約30度の角度で交わる法線をそれぞれ有している。第1および第2案内面部分222、224の間には、第1曲面部分226が形成されている。換言すれば、第1および第2案内面部分222、224は、第1曲面部分226を介して滑らかに接続されている。
【0082】
第1および第2回転軸線332A、332Bは第1の軸配列線312上に所定間隔d1を置いて配置され、かつ、
図5に示すように、ベース体300の側方から見て(すなわち、後述する左右の案内面212、214のいずれか一方の側から見て)所定の角度αで交わるよう配置される。換言すれば、コイン案内通路210の延在方向に略直角で、かつ、ベース体300の表面302に略平行である方向から見て所定の角度αで交わるよう配置される。そして、第1回転軸線332Aは第1案内面部分222に略直角であり、第2回転軸線332Bは第2案内面部分224に略直角であるため、角度αは約30度である。
【0083】
第2〜第12回転軸線332B〜332Lは、相互に略平行である。第2、第4、第6、第8、第10および第12回転軸線332B、332D、332F、332H、332J、332Lは第1の軸配列線312上に所定間隔d2を置いて一列に配置され、第3、第5、第7、第9および第11回転軸線332C、332E、332G、332I、332Kは第2の軸配列線314上に所定間隔d2を置いて一列に配置されている。換言すれば、第2〜第12回転軸線332B〜332Lのうち、偶数番目が第1の軸配列線312上に一列に配置され、奇数番目が第2の軸配列線314上に一列に配置される。第1および第2の軸配列線312、314は互いに平行であって、所定間隔wを置いて配置されている。第3、第5、第7、第9および第11回転軸線332C、332E、332G、332I、332Kは、第2、第4、第6、第8、第10および第12回転軸線332B、332D、332F、332H、332J、
332Lに対して、所定の距離sだけオフセットしている。換言すれば、第2〜第12回転軸線332B〜332Lは、コイン案内通路210の延在方向に沿ってジグザク状(すなわち、千鳥状)に配置される。
【0084】
トッププレート400の裏面404側には、
図8および
図9に示すように、入口202から出口204に向けて延在するコイン案内溝406が形成されている。コイン案内溝406は底面410と第1および第2の側面412、414とを有しており、裏面404がベース体300の表面302に重ねられた状態でベース体300に固定されている。コイン案内溝406の幅wgは最大径コインの直径より僅かに大きくなるように設定され、深さdg(
図11参照)は最大厚コインの厚さより僅かに大きくなるように設定されている。換言すれば、直径および厚さの異なる複数金種のコインが、底面410と第1および第2の側面412、414とによって案内されながら、コイン案内溝406の内部を通過可能となるように、コイン案内溝406の幅wgおよび深さdgが設定されている。換言すれば、所定の範囲において外径(直径)または厚みのみが異なるコインを搬送できるように設定されている。
【0085】
コイン案内溝406の第1の側面412は、第3、第5、第7、第9および第11回転軸線332C、332E、332G、332I、332Kを中心とする複数の円弧が接続されてなる曲線418に沿って形成されている。コイン案内溝406の第2の側面414は、第2、第4、第6、第8、第10および第12回転軸線332B、332D、332F、332H、332J、332Lを中心とする複数の円弧が接続されてなる曲線416に沿って形成されている。
【0086】
コイン案内溝406の底面410には、第1および第2の側面412、414間において所定の間隔で配置された複数の溝442がコイン案内溝406に沿って形成されている。溝442の形成によりコイン案内溝406内のコインが表の案内面216と接触した場合の接触面積が小さくなるので、コインがコイン案内通路210内を移動する際の接触抵抗が低減する。
【0087】
トッププレート400の表面402および裏面404は、ベース体300の表面302に対して略平行であり、ベース体300の表面302の形状に対応して湾曲している。そして、コイン案内溝406の底面410は、ベース体300の第1曲面部分226に対向する第2曲面部分228を有している。
【0088】
トッププレート400の裏面404には、後述するコイン押動体504A〜504L、506A〜506Lが周回する際に、トッププレート400への接触を防止する円環状の溝422が第1〜第12回転軸線332A〜332Lのそれぞれに対応して形成されている。また、
図9および
図11に示すように、トッププレート400の裏面404において、第3〜第12回転軸線332C〜332Lに対応する位置に位置合わせ用突起432が形成されると共に、トッププレート400の周辺部の所定位置に位置合わせ用突起434が形成されている。位置合わせ用突起432は後述の第3〜第12の支軸334C〜334Lに形成された位置合わせ用穴342に挿入され、位置合わせ用突起434はベース体300の表面302において周辺部の所定位置に形成された位置合わせ用穴344に挿入される。これにより、トッププレート400はベース体300に対して位置合わせされた状態で固定可能である。
【0089】
ベース体300の表面302と、トッププレート400のコイン案内溝406の底面410と、第1および第2の側面412、414とにより、コイン案内通路210が構成される。換言すれば、ベース体300の表面302がコイン案内通路210の裏の案内面218として機能し、トッププレート400のコイン案内溝406の底面410がコイン案内通路210の表の案内面216として機能し、トッププレート400のコイン案内溝406の第1および第2の側面412、414がコイン案内通路210の左右の案内面212、214として機能する。そして、コイン案内通路210において、入口202から導入されたコインの周面は、コイン案内通路210の左右の案内面212、214(すなわち、コイン案内溝406の第1および第2の側面412、414)により案内される。また、コインの表面および裏面は、コイン案内通路210の表裏の案内面216、218(すなわち、コイン案内溝406の底面410およびベース体300の表面302)により案内される。
【0090】
入口ガイド部材450は、トッププレート400と共にコイン案内通路210の入口202を形成するものである。
図4および
図6に示すように、入口ガイド部材450は、ほぼ五角形の取付部452と、取付部452から第1回転軸線332Aに向かって延びる突部456と、突部456に設けられた支軸に回動自在に支持された円板体454とを有している。円板体454は、後述する第1回転盤502Aの中央部分に形成された凹部502Aaを覆うように、突部456の裏面側に配置される。
図4に示すように、突部456は、その下向き側面458をコイン送出装置10のコイン送出口190に向けた状態で配置されている。突部456の下向き側面458は、コイン送出口190から送り出されるコインの周面を案内し、コイン案内通路210の入口202にコインを円滑に導入する機能を有している。
【0091】
(コイン押動機構)
図6〜
図8および
図10に示すように、コイン押動機構500は、第1〜第12回転軸線332A〜332Lの回りを回転する第1〜第12回転盤502A〜502Lを有している。第1〜第12回転盤502A〜502Lは、ベース体300に配置された第1〜第12の支軸334A〜334Lに回転自在に支持されている。第1〜第12の支軸334A〜334Lは、第1〜第12回転軸線332A〜332Lを中心軸線とする略円柱の外形状を有すると共に、略同一の直径を有している。第1回転盤502Aは、平面視略円形の外形状を有しており、中央に円形状の凹部502Aa(
図6参照)が形成されている。換言すれば、第1回転盤502Aは、第1回転軸線332Aに平行な方向に突出する円環状の周辺部を有している。第2〜第12回転盤502B〜502Lは、平面視略円形の外形状を有している。
【0092】
第1回転盤502Aの表面には、第1回転盤502Aの外周に沿って屈曲して延びる略台形の平面形状を有し、かつ、第1回転軸線332Aに平行な方向に突出する柱状の外形状を有する一対のコイン押動体504A、506Aが設けられている。コイン押動体504A、506Aは第1回転盤502Aの回転方向に垂直な平面からなる側面を有し、この側面を押動面とすることによりコインを安定して押動することができる。特に、外径(すなわち、直径)の小さいコインの場合、コインの周面が押動面から外れるとコイン押動体504A、506Aとコイン案内通路210との間にコインが挟まる現象(すなわち、噛み込み)が生じてしまう。押動面を回転方向に垂直な平面とすることにより、噛み込みを防止できる利点がある。また、コイン押動体504A、506Aは第1回転盤502Aの回転方向の長さが回転方向に直角な方向の幅よりも相対的に大きくなっているので、コインを押動するのに十分な機械的強度および耐摩耗性を有している。コイン押動体504A、506Aは第1回転盤502Aの周辺部において第1回転軸線332Aを挟んで対向して配置されており、換言すれば、コイン押動体504A、506Aは第1回転盤502Aにおいて第1回転軸線332Aに対称に配置されている。コイン押動体504A、506Aは、第1回転盤502Aの回転に伴って第1回転軸線332Aの回りを周回する第1コイン押動手段として機能する。
【0093】
第1回転盤502Aと同様に、第2〜第12回転盤502B〜502Lの表面には、コイン押動体504A、506Aと同様の平面形状を有し、かつ、第2〜第12回転軸線332B〜332Lに平行な方向に突出する柱状の外形状を有する一対のコイン押動体504B〜504L、506B〜506Lがそれぞれ設けられている。コイン押動体504B〜504L、506B〜506Lは回転盤502B〜502Lの周辺部において回転軸線332B〜332Lを挟んで対向して配置されており、換言すれば、コイン押動体504B〜504L、506B〜506Lは回転盤502B〜502Lにおいて回転軸線332B〜332Lに対称に配置されている。コイン押動体504B〜504L、506B〜506Lは、回転盤502B〜502Lの回転に伴って回転軸線332B〜332Lの回りを周回する第2〜第12コイン押動手段として機能する。
【0094】
第1および第2コイン押動手段として機能するコイン押動体504A、504B、506A、506Bの高さ(換言すれば、回転盤表面からの突出長)は、第3〜第12コイン押動手段として機能するコイン押動体504C〜504L、506C〜506Lの高さに対して大きく設定されている。コインの進行角度を変更しながらコインを搬送するには、コインが傾斜した状態であっても確実にコインを押動する必要があるからである。コイン押動体504C〜504L、506C〜506Lの高さは同一である。
【0095】
コイン押動体504A〜504L、506A〜506Lは、第1〜第12回転盤502A〜502Lと一体で形成してもよいし、別体で作製したものを適宜の方法により第1〜第12回転盤502A〜502Lに固定して形成することもできる。本実施例では、作製コストを低減する観点から一体で形成されている。コイン押動体504A〜504L、506A〜506Lは、円柱体であってもよいし、支持軸に円筒形のカラーを被せた回転自在なローラタイプとしてもよい。ローラタイプとした場合には、コイン押動体504A〜504L、506A〜506Lの磨耗が抑制されて耐久性を高められる利点がある。あるいは、略長円形(または、小判形)の平面形状を有する柱状とすることもできる。その場合には略長円形(または、小判形)の長軸方向に向かってコインを押動することになるため、コイン押動体504A〜504L、506A〜506Lの機械的強度および磨耗に対する耐久性を高めることができる。
【0096】
上述したように、第2〜第12回転軸線332B〜332Lは、第1および第2の軸配列線312、314上に交互にジグザグ状に配置される。第1の軸配列線312上に配置された第2、第4、第6、第8、第10および第12回転軸線332B、332D、332F、332H、332J、332Lに対応するコイン押動体504B、504D、504F、504H、504J、504Lおよび506B、506D、506F、506H、506J、506Lは、第1の押動体グループを構成する。第2の軸配列線314上に配置された第3、第5、第7、第9および第11回転軸線332C、332E、332G、332I、332Kに対応するコイン押動体504C、504E、504G、504I、504Kおよび506C、506E、506G、506I、506Kは、第2の押動体グループを構成する。第2、第4、第6、第8、第10および第12回転盤502B、502D、502F、502H、502J、502Lは第1回転盤グループを構成し、第3、第5、第7、第9および第11回転盤502C、502E、502G、502I、502Kは第2回転盤グループを構成する。
【0097】
第2〜第12回転盤502B〜502Lの裏面には、それらの回転盤502B〜502Lを回転駆動するための従動歯車として機能する歯車522B〜522Lがそれぞれ同軸で設けられている。第2〜第12回転盤502B〜502Lおよび歯車522B〜522Lの中央には貫通孔508がそれぞれ形成され、貫通孔508には軸挿入孔510を有する軸受管336がそれぞれ挿入されている(
図11参照)。これらの軸挿入孔510には、対応する支軸334B〜334Lがそれぞれ挿入されている。歯車522B〜522Lは、第2〜第12回転盤502B〜502Lと一体で形成してもよいし、別体で作製したものを適宜の方法により回転盤502B〜502Lに固定して形成することもできる。第2〜第12回転盤502B〜502Lと歯車522B〜522Lとがそれぞれ一体で回転できればよい。本実施例では、作製コストの低減と同軸精度を高めるという観点から一体で形成されている。
【0098】
歯車522B〜522Lは、互いに隣接するもの同士が噛み合っている。すなわち、歯車522Cは歯車522B、522Dと噛み合っている。同様に、歯車522Eは歯車522D、522Fと噛み合い、歯車522Gは歯車522F、522Hと噛み合っている。歯車522Iは歯車522H、522Jと噛み合い、歯車522Kは歯車522J、522Lと噛み合っている。そのため、
図10に示すように、第1回転盤グループに属する第2、第4、第6、第8、第10および第12回転盤502B、502D、502F、502H、502J、502Lは反時計方向に回転し、第2回転盤グループに属する第3、第5、第7、第9および第11回転盤502C、502E、502G、502I、502Kは時計方向に回転する。すなわち、第1回転盤グループに属する第2、第4、第6、第8、第10および第12回転盤502B、502D、502F、502H、502J、502Lと、第2回転盤グループに属する第3、第5、第7、第9および第11回転盤502C、502E、502G、502I、502Kとが、互いに相反する方向に回転する。そのため、第1の押動体グループに属するコイン押動体504B、504D、504F、504H、504J、504Lおよび506B、506D、506F、506H、506J、506Lと、第2の押動体グループに属するコイン押動体504C、504E、504G、504I、504Kおよび506C、506E、506G、506I、506Kとが、互いに相反する方向に周回する。
【0099】
第2〜第12回転盤502B〜502Lのうちの隣接する一対のものにおいて、コイン押動体504B〜504Lと506B〜506Lとが所定の回転位相差を保つように配置される。例えば、隣接する第2および第3回転盤502B、502Cにおいて、コイン押動体504Bと506Cおよびコイン押動体506Bと504Cが所定の回転位相差を保つように配置される。具体的には、
図10に示すように、第2および第3回転軸線332B、332Cを含む平面Pを定義すると、周回するコイン押動体504Bが平面Pに到達した際に、周回するコイン押動体506Cが平面Pに対して歯車ピッチの1/2だけ手前の位置に到達するように、コイン押動体504Bと506Cとが配置される。同様に、周回するコイン押動体506Bが平面Pに到達した際に、周回するコイン押動体504Cが平面Pに対して歯車ピッチの1/2だけ手前の位置に到達するように、コイン押動体506Bと504Cとが配置される。第3回転盤502Cと第4回転盤502D、第4回転盤502Dと第5回転盤502E、第5回転盤502Eと第6回転盤502F、第6回転盤502Fと第7回転盤502G、第7回転盤502Gと第8回転盤502H、第8回転盤502Hと第9回転盤502I、第9回転盤502Iと第10回転盤502J、第10回転盤502Jと第11回転盤502K、第11回転盤502Kと第12回転盤502Lのそれぞれにおいても同様である。
【0100】
このように、コイン押動体504B〜504L、506B〜506Lは、第2〜第12回転軸線332B〜332Lのうちの対応するものの回りを所定の回転位相差を保ちながら同期して周回する。しかも、コイン押動体504B〜504L、506B〜506Lのうち、回転軸線が隣接するもの同士は互いに相反する方向に周回する。
【0101】
図6および
図17〜
図19に示すように、第1回転盤502Aの裏面には、平歯車部分622とかさ歯車部分626とを有する歯車612が同軸で設けられている。第2回転盤502B歯車522Bの裏面には、平歯車部分624とかさ歯車部分628とを有する歯車614が同軸で設けられている。これら2つ歯車612、614は同一形状であり、かさ歯車部分626、628は約30度の円錐角をそれぞれ有している。換言すれば、かさ歯車部分626、628は第1回転軸線332Aと第2回転軸線332Bとがなす角度αに相当する円錐角をそれぞれ有している。
【0102】
歯車612のかさ歯車部分626と歯車614のかさ歯車部分628とは互いに噛み合っている。そのため、第1および第2回転盤502A、502Bは、互いに相反する方向に回転する。すなわち、
図10に示すように、第1回転盤502Aは時計方向に回転し、第2回転盤502Bは反時計方向に回転する。したがって、コイン押動体504A、506Aとコイン押動体504B、506Bとは、互いに相反する方向に周回する。第1および第2回転盤502A、502Bにおいても、コイン押動体504Aと506Bおよびコイン押動体506Aと504Bが所定の回転位相差を保つように配置される。このように、コイン押動体504A、506Bおよびコイン押動体506A、504Bは、第1および第2回転軸線332A、332Bの回りを互いに相反する方向に所定の回転位相差を保ちながら同期して周回する。
【0103】
上記の通り、かさ歯車部分626、628は、第1回転軸線332Aと第2回転軸線332Bとがなす角度αに相当する円錐角を有している。そのため、第1および第2歯車612、614を噛み合わせるという簡単な構成でありながら、第1および第2回転軸線332A、332Bのなす角度αを形成した状態で、第1および第2回転盤502A、502Bを回転駆動することができる。
【0104】
平歯車部分622およびかさ歯車部分626は、一体で形成してもよいし、別体で作製したものを適宜の方法により互いに固定して形成することもできる。本実施例では、作製コストの低減と同軸精度を高めるという観点から一体で形成されている。平歯車部分624およびかさ歯車部分628についても同様である。また、歯車612は回転盤502Aと一体で形成することができ、歯車614は歯車522Bと一体で形成することができる。一体で形成した場合には作製コストの低減と同軸精度を高める上で有利であり、本実施例では一体で形成されているが、別体で作製したものを適宜の方法により互いに固定して形成することも勿論可能である。第1および第2回転盤502A、502Bと歯車612、614とがそれぞれ一体で回転できればどのように構成してもよい。
【0105】
(駆動力伝達機構)
図17〜19に示すように、駆動力伝達機構600は、コイン送出装置10の回転ディスク106の裏面側に配置された歯車602と、歯車602と噛み合う歯車604と、歯車604と同軸で設けられると共にトルクリミッタ611が装着された歯車110と、歯車110と噛み合う歯車606と、歯車606と同軸で設けられた歯車608とを含んでいる。歯車602は回転ディスク106に固定されており、歯車608は歯車612の平歯車部分622と噛み合っている。
【0106】
コイン送出装置10の駆動手段108により回転ディスク106が回転すると、歯車602が回転ディスク106と一体で回転し、その回転駆動力は、歯車604、610、606および608を介して、歯車612に伝達される。回転駆動力を伝達された歯車612は回転し、その回転駆動力は歯車614を介して歯車522B〜522Lへと伝達される。これにより、歯車612、614および歯車522B〜522Lの全てが回転し、第1〜第12回転盤502A〜502Lの全てが回転する。
駆動力伝達機構600は、コイン送出装置10の回転ディスク106とコイン搬送装置20の第1回転盤502Aとが所定の回転速度差を有するよう構成される。すなわち、回転ディスク106が45度回転する毎に第1回転盤502Aが180度回転するように回転ディスク106および第1回転盤502Aの回転速度が設定される。このように回転速度を設定することにより、回転ディスク106が有する8つの押動縁138のそれぞれがコイン受取手段112と協働してコインを送り出したときに、コイン押動体504A、506Aがその送り出されたコインのそれぞれを押動するのに最適な位置へと移動する。換言すれば、回転ディスク106が有する8つの押動縁138のそれぞれにより送り出されたコインの全ては、コイン押動体504A、506Aのいずれか一方によって確実に押動することが可能となる。
【0107】
なお、駆動手段108の過負荷防止機能が作動して回転ディスク106が逆回転された場合、第1〜第12回転盤502A〜502Lもまた逆回転される。第1〜第12回転盤502A〜502Lが逆回転された場合、コイン案内通路210内のコインはコイン押動体504A〜504L、506A〜506Lにより逆方向に押動される。そして、押動されたコインは出口204から入口202に向けて搬送され、一部のコインはコイン送出口190を介して回転ディスク106上に戻される。この場合にも、上記した回転ディスク106と第1回転盤502Aとの間の最適な位置関係が保たれるので、コイン案内通路210内のコインが円滑に回転ディスク106上に移動される。
【0108】
トルクリミッタ611の入力軸である中心軸611aには歯車604の回転軸604aが接続されて固定され、トルクリミッタ611の出力軸である外周面611bには歯車610の嵌合穴(図示せず)が嵌入されて固定される。これにより、歯車604に所定値以上の過大なトルクが作用したときに、そのトルクが遮断されて歯車604が空転する。換言すれば、コイン搬送装置20内においてコインの噛み込みが生じるなどして、第1〜第12回転盤502A〜502Lに所定値以上の過大な回転抵抗が加わった場合には、トルクリミッタ611の入力軸と出力軸との間で回転力を逃がし、第1〜第12回転盤502A〜502Lを強引に回転させないようにするものである。これにより、関連する部品に過大な負荷をかけないので、部品の破損が防止されると共に、耐久性が向上するという利点がある。さらに、過大な負荷がかからなくなるので必要とされる部品強度も小さくて済み、部品を小型化でき、ひいては装置全体も小型化できる利点もある。
【0109】
図19に示すように、歯車606の回転軸606aには、第1〜第12回転盤502A〜502Lの回転状態を監視する回転監視センサ650が設けられている。回転監視センサ650は、回転軸606aの下端に固定されたエンコーダ円板652と、透過型の光電センサ654とを有している。エンコーダ円板652には、その周縁に沿って等間隔で配置された複数の通孔(図示せず)が形成されている。光電センサ654は、エンコーダ円板652の通孔に向けて光を照射する投光器(図示せず)と、投光器からの光を受光して電気信号を生成する受光器(図示せず)とから構成される。回転監視センサ650は、第1〜第12回転盤502A〜502Lが回転すると、その回転角に同期したパルス信号を出力する。換言すれば、回転監視センサ650がコイン押動体504A〜504L、506A〜506Lの周回の状態を監視するセンサとして機能する。このパルス信号の状態をモニタすることにより、トルクリミッタ611の作動状態を検知することができる。すなわち、トルクリミッタ611が非作動状態の場合には所定周期のパルス信号が回転監視センサ650から出力され、トルクリミッタ611が作動状態である場合には所定周期以上の周期のパルス信号が回転監視センサ650出力されるので、このパルス信号の周期を計測することによりトルクリミッタ611の非作動/作動の状態を検知できる。トルクリミッタ611が作動した場合には、電気モータ152を停止して回転ディ
スク106の回転を停止する。これにより、コイン送出装置10からのコインの送り出しが中止され、コインの噛み込みが生じているコイン搬送装置20へコインを供給し続けることが防止されるので、関連する部品に不要な負荷がかかるのを防止でき、耐久性が向上する。
【0110】
トルクリミッタ611としては、例えば、特開2001−263364号公報に開示されたスチールボールと凹溝とを有するトルクリミッタなどの公知のものが使用可能であり、特に、回転軸線を挟んで対向する一対の凹溝を有するものが好ましい。その場合、トルクリミッタ611の非作動状態(すなわち、スチールボールが凹溝内に係止された状態)が180度の回転角で生起されるので、コイン送出装置10の回転ディスク106とコイン搬送装置20の第1回転盤502Aとの回転位相差が維持される。
【0111】
(コイン搬送ユニット)
第1コイン搬送ユニット21は、
図4〜
図6に示すように、第1ベース部分300Aと、第1ベース部分300A上に設けられた第1トッププレート部分400Aとを含んでいる。第1ベース部分300Aには、
図10に示すように、第1〜第4回転軸線332A〜332Dおよび第1〜第4回転盤502A〜502Dが配置される。換言すれば、第1〜第4回転軸線332A〜332Dおよび第1〜第4回転盤502A〜502Dは、第1コイン搬送ユニット21に配置される。第1ベース部分300Aは、保留ボウル102と一体で形成されたカバ体180、第1部材306Aおよび第2部材308Aを有している。
【0112】
カバ体180は第1取付部104Bの上向き上面104Uと平行に形成された傾斜面181を有し、カバ体180の左上部には開口188が形成されている。開口188の周囲には周壁184を有する凹部182が形成され、凹部182の一部はさらに後退して部分環状面186が形成されている。凹部182の底面183は、取付ベース104の第1取付部104Bの上向き上面104Uと平行であり、換言すれば、回転ディスク106の保持面134と同様に水平面に対し約60度の傾斜角を有する。凹部182の深さ(換言すれば、周壁184の高さ)は、最厚のコインの厚さよりも大きく設定されている。開口188内には回転盤502Aが配置され、凹部182の右上部には上述の入口ガイド部材450が配置される。
【0113】
第1ベース部分300Aの第1部材306Aは、左右それぞれの分割部分306Aa、306Abからなり、これらの分割部分306Aa、306Abを合わせた状態で、
図7に示す貫通孔315の一部が形成される。第1ベース部分300Aの第2部材308Aは、平板状の第1プレート部308Aaと、第1プレート部308Aaの両側端から垂直に延びる一対の第2プレート部308Abとを有する。第1プレート部308Aaには、第3および第4の支軸334C、334Dが設けられている。第3回転盤502Cおよび歯車522Cの軸挿入孔510には第3支軸334Cが挿入され、第4回転盤502Dおよび歯車522Dの軸挿入孔510には、第4支軸334Dが挿入されている。第1プレート部308Aaの下部には開口308Acが形成されている。第2プレート部308Abを第2取付部104Cに固定することにより、第2部材308Aが第2取付部104Cに取り付けられている。第2取付部104Cには、開口308Acを通って第1プレート部308Aaから突出する第2支軸334Bが設けられている。第2回転盤502B、歯車522Bおよび歯車614の軸挿入孔510には、第2支軸334Bが挿入されている。第2取付部104Cの上端には、
図5に示すように、L字形状に折れ曲がった部分104Caが形成されており、第2部材308Aが第2取付部104Cに取り付けられた状態では、第2部材308Aの第1プレート部308Aaと取付ベース104の第2取付部104Cとの間に、空間308Adが形成されるようになっている。この空間308Ad内には、歯車614の一部が収納される。第1ベース部分300Aの第1部材306Aは、その下部が部分環状面186上に配置された状態で、第2部材308A上に固定される。
【0114】
取付ベース104の第1取付部104Bの左上部には、第1支軸334Aが設けられている。第1支軸334Aは、カバ体180(すなわち、保留ボウル102)を取付ベース104に取り付けた状態で、カバ体180の開口188に対して同軸となるように配置されている。第1回転盤502Aおよび歯車612の軸挿入孔(図示せず)には、第1支軸334Aが挿入されている。これにより、カバ体180の開口188内に第1回転盤502Aが配置される。さらに、取付ベース104の第1取付部104B上には、歯車604および歯車608が配置される。
【0115】
第1トッププレート部分400Aは、第1〜第4回転軸線332A〜332Dに対応する第1コイン案内通路部分210Aを形成するための第1コイン案内溝部分406Aを有している。上述の第2曲面部分228は、第1トッププレート部分400Aに形成されている。第1トッププレート部分400Aには、コイン押動体504A〜504D、506A〜506Dが第1〜第4回転軸線332A〜332Dの回りを周回する際に接触を防止する溝422が形成されている。
【0116】
図4に示すように、第1コイン搬送ユニット21は、その上端に第2コイン搬送ユニット22を接続するための接続部251を有している。接続部251において、第1ベース部分300Aの第1部材306Aは、第1および第2コイン搬送ユニット21、22を接続する際に突合せ面として機能する端面322Aを有している。
図6に示すように、端面322Aは、第1コイン搬送ユニット21の左上端に位置する第1端面部分322Aaと、第1コイン搬送ユニット21の右上端に位置する第2端面部分322Abとを含んで構成される。第2端面部分322Abは、第1端面部分322Aaに対し、第1コイン案内通路部分210A(換言すれば、コイン案内通路210)の延在方向に沿って下方に後退した位置に配置されている。換言すれば、第1および第2端面部分322Aa、322Abの間には段差が形成されている。端面322Aには、歯車522Dを露出する開口253が形成されている。歯車522Dの歯列の一部は、開口253を介して外部に突出している。
【0117】
接続部251において、第1トッププレート部分400Aおよび第1ベース部分300Aの第2部材308Aには切り欠き縁252a、252bが形成されている。切り欠き縁252a、252bは、溝422のうちのコイン押動体504D、506Dの接触防止用部分に沿って円弧状に形成される共に、その円弧状部分から上方向および右方向に延びている。換言すれば、切り欠き縁252a、252bの一部は第4回転盤502Dの周縁に沿って形成されている。切り欠き縁252aと第1部材306Aとの間には、第1コイン案内通路部分210Aの出口211Aaが形成されている。
【0118】
第1ベース部分300Aの第1部材306Aの右上端には、第2端面部分322Abから上方に突出すると共に円柱を切り欠いた形状の凸面326Aを有する接続用突部258が設けられている。換言すれば、接続用突部258は端面322Aにおいて第2コイン搬送ユニット22側に突出し、凸面326Aはコイン案内通路210の表裏の案内面216、218に略直角な軸線に平行に形成されている。接続用突部258は、
図6に示すように、表裏の案内面216、218に略平行な一対の被保持面327Aを有している。接続用突部258には、後述の固定用ネジ282の直径よりも僅かに大きい直径を有するネジ挿入孔259が形成されている。第1部材306Aの左上端には、円柱を切り欠いた形状に窪んだ凹面324Aが形成されている。凹面324Aは、後述する第2コイン搬送ユニット22の凸面326Bに倣った形状を有している。なお、凸面326Aおよび凹面324は軸線に直角な断面が必ずしも円弧状である必要はなく、適宜の形状を選択できる。
【0119】
第1コイン搬送ユニット21の左上端において、第1ベース部分300Aの第1部材306Aにはその表面から第1トッププレート部分400A側に突出する保持部254が形成されている。この保持部254と第2部材308Aとの間には、後述する第2コイン搬送ユニット22の接続用突部268を挿入可能な凹部255が形成されている。凹部255内には凹面324Aが配置されている。換言すれば、凹部255は凹面324Aを有している。凹部255において、保持部254の内面と第2部材30
8Aの内面は、後述する第2コイン搬送ユニット22の突部268の被保持面327Bを保持する一対の保持面として機能する。換言すれば、凹部255には突部268の被保持面327Bを保持する一対の保持面が設けられている。第1ベース部分300Aにおいて、第1部材306Aの保持部254には後述の固定用ネジ282の直径よりも僅かに大きい直径を有するネジ挿入孔256が形成され、第2部材308Aの左上部にはネジ282を螺合可能なネジ孔257が形成されている。
【0120】
第2コイン搬送ユニット22は、
図12、
図13、
図34および
図35に示すように、第2ベース部分300Bと、第2ベース部分300B上に設けられた第2トッププレート部分400Bとを含んでいる。第2ベース部分300Bには、第5〜第10回転軸線332E〜332Jおよび第5〜第10回転盤502E〜502Jが配置される。換言すれば、第5〜第10回転軸線332E〜332Jおよび第5〜第10回転盤502E〜502Jは、第2コイン搬送ユニット22に配置される。
【0121】
第2ベース部分300Bは、第1部材306Bおよび第2部材308Bを有している。第2ベース部分300Bの第1部材306Aは、左右それぞれの分割部分306Ba、306Bbからなり、これらの分割部分306Ba、306Bbを合わせた状態で、
図7に示す貫通孔315の一部が形成される。分割部分306Ba、306Bbは同一形状であり、分割部分306Baに対して分割部分306Bbを180度回転させて突き合わせることにより
図34および
図35の状態が得られる。このように、分割部分306Ba、306Bbを同一形状とすることで、作製に必要な金型の種類を減少させることができ、コストが低減される。第2部材308Bには、第5〜第10の支軸334E〜334Jが設けられている。第5回転盤502Eおよび歯車522Eの軸挿入孔510には、第5支軸334Eが挿入されている。同様に、第6〜第10回転盤502F〜502Jおよび歯車522F〜522Jの軸挿入孔510には、第6〜第10の支軸334F〜334Jが挿入されている。
【0122】
第2トッププレート部分400Bは、第5〜第10回転軸線332E〜332Jに対応する第2コイン案内通路部分210Bを形成するための第2コイン案内溝部分406Bを有している。第2トッププレート部分400Bには、コイン押動体504E〜504J、506E〜506Jが第5〜第10回転軸線332E〜332Jの回りを周回する際に接触を防止する溝422が形成されている。
【0123】
図34および
図35に示すように、第2ベース部分300Bの第1部材306Bには、2つのネジ挿入孔354および6つのネジ挿入孔365が所定の位置に形成されている。第2部材308Bには、第1部材306Bのネジ挿入孔354のそれぞれに対応する位置にネジ孔356が形成されると共に、第1部材306Bのネジ挿入孔365のそれぞれに対応する位置にネジ孔366が形成されている。換言すれば、第2部材308B上に第1部材306Bを載置した状態で、ネジ挿入孔354とネジ孔356とが連通すると共にネジ挿入孔365とネジ孔366とが連通するように、ネジ挿入孔354、365およびネジ孔356、366が配置されている。第2トッププレート部分400Bには、第2ベース部分300Bの第1部材306Bに形成されたネジ挿入孔365のそれぞれに対応する位置にネジ挿入孔364が形成されている。換言すれば、第2ベース部分300B上に第2トッププレート部分400Bを載置した状態でネジ挿入孔364とネジ挿入孔365とが連通するように、ネジ挿入孔364およびネジ挿入孔365が配置されている。第1部材306Bのネジ挿入孔354に挿入された固定ネジ352を第2部材308Bのネジ孔356に螺合することにより、第1部材306Bが分割部分306Ba、306Bbを合わせた状態で第2部材308Bに固定される。第2トッププレート部分400Bのネジ挿入孔364に挿入された固定ネジ362を第2ベース部分300Bのネジ挿入孔365を介してネジ孔366に螺合することにより、第2トッププレート部分400Bが第2ベース部分300Bに固定される。
【0124】
第2コイン搬送ユニット22は、
図12および
図13に示すように、その上端および下端に第1および第3コイン搬送ユニット21、23を接続するための接続部261A、261Bを有している。接続部261A、261Bは、対象軸線CPに対して回転対称(すなわち、点対称)であると共に同一の構成を有している。そのため、接続部261Aについてのみ説明することとし、接続部261Bについての説明は省略する。
【0125】
接続部261Aにおいて、第2ベース部分300Bの第1部材306Bは、第2および第3コイン搬送ユニット22、23を接続する際に突合せ面として機能する端面322Bを有している。端面322Bは、第2コイン搬送ユニット22の左上端に位置する第1端面部分322Baと、第2コイン搬送ユニット22の右上端に位置する第2端面部分322Bbとを含んで構成される。第2端面部分322Bbは、第1端面部分322Baに対し、第2コイン案内通路部分210B(換言すれば、コイン案内通路210)の延在方向に沿って下方に後退した位置に配置されている。換言すれば、第1および第2端面部分322Ba、322Bbの間には段差が形成されている。端面322Bには、歯車522Jを露出する開口263が形成されている。歯車522Jの歯列の一部は、開口263を介して外部に突出している。
【0126】
接続部261Aにおいて、第2トッププレート部分400Bおよび第2ベース部分300Bの第2部材308Bには切り欠き縁262a、262bが形成されている。切り欠き縁262a、262bは、溝422のうちのコイン押動体504J、506Jの接触防止用部分に沿って円弧状に形成される共に、その円弧状部分から上方向および右方向に延びている。換言すれば、切り欠き縁262a、262bの一部は第10回転盤502Jの周縁に沿って形成されている。切り欠き縁262aと第1部材306Bとの間には、第2コイン案内通路部分210Bの出口211Baが形成されている。なお、接続部261Bにおいて、切り欠き縁262aと第1部材306Bとの間には、第2コイン案内通路部分210Bの入口211Bbが形成されている。
【0127】
第2ベース部分300Bの第1部材306Bの右上端には、第2端面部分322Bbから上方に突出すると共に円柱を切り欠いた形状の凸面326Bを有する接続用突部268が設けられている。換言すれば、接続用突部268は端面322Bにおいて第3コイン搬送ユニット23側に突出し、凸面326Bはコイン案内通路210の表裏の案内面216、218に略直角な軸線に平行に形成されている。接続用突部268は、
図13に示すように、表裏の案内面216、218に略平行な一対の被保持面327Bを有している。接続用突部268は、第1コイン搬送ユニット21の突部2
58と略同一の外形状を有している。接続用突部268には、後述の固定用ネジ282の直径よりも僅かに大きい直径を有するネジ挿入孔269が形成されている。第1部材306Bの左上端には、円柱状に窪んだ凹面324Bが形成されている。凹面324Bは、後述する第3コイン搬送ユニット23の凸面326Cに倣った形状を有している。
【0128】
第2コイン搬送ユニット22の左上端において、第2ベース部分300Bの第1部材306Bには、その表面から第2トッププレート部分400B側に突出すると共に略L字形に延びる保持片264が形成されている。この保持片264と第2部材308Bとの間には、後述する第3コイン搬送ユニット23の接続用突部278を挿入可能な凹部265が形成されている。凹部265内には凹面324Bが配置されている。換言すれば、凹部265は凹面324Bを有している。凹部265において、保持片264の内面と第2部材30
8Bの内面は、後述する第3コイン搬送ユニット23の突部278の被保持面327Cを保持する一対の保持面として機能する。換言すれば、凹部265には突部278の被保持面327Cを保持する一対の保持面が設けられている。第2ベース部分300Bにおいて、第1部材306Bの保持片264には後述の固定用ネジ282の直径よりも僅かに大きい直径を有するネジ挿入孔266が形成され、第2部材308Bの左上部にはネジ282を螺合可能なネジ孔267が形成されている。
【0129】
第3コイン搬送ユニット23は、
図14〜
図16に示すように、第3ベース部分300Cと、第3ベース部分300C上に設けられた第3トッププレート部分400Cと、コイン放出手段230と、コイン払出検出センサ240とを含んでいる。第3ベース部分300Cには、
図10に示すように、第11および第12回転軸線332K、332Lと第11および第12回転盤502K、502Lとが配置される。換言すれば、第11および第12回転軸線332K、332Lと第11および第12回転盤502K、502Lは、第3コイン搬送ユニット23に配置される。第3ベース部分300Cは、第1部材306Cおよび第2部材308Cを有している。
【0130】
第3ベース部分300Cの第1部材306Cには、
図7に示す貫通孔315の一部が形成される。第2部材308Cには、第11および第12の支軸334K、334Jが設けられている。第11回転盤502Kおよび歯車522Kの軸挿入孔510には、第11支軸334Kが挿入されている。第12回転盤502Lおよび歯車522Lの軸挿入孔510には、第12支軸334Lが挿入されている。
【0131】
第3トッププレート部分400Cは、第11および第12回転軸線332K、332Lに対応する第3コイン案内通路部分210Cを形成するための第3コイン案内溝部分406Cを有している。第3トッププレート部分400Cには、コイン押動体504K、504L、506K、506Lが第11および第12回転軸線332K、332Lの回りを周回する際に接触を防止する溝422が形成されている。
【0132】
第3コイン案内通路部分210Cは、第12回転軸線332Lを中心にして左側に湾曲し、左側に配置された出口204に向かってほぼ真横に延在する。第3コイン案内通路部分210Cにおける第12回転軸線332Lより左側の領域は、出口204側へ進むにしたがって幅wgが広くなっている。換言すれば、第3コイン案内通路部分210Cは、出口204に向かって斜め下方に傾斜するコイン案内面220aを有する出口通路領域220を含んでいる。これにより、コインが出口204から斜め下方に向かって放出され易くなる。
【0133】
第3コイン搬送ユニット23は、その下端に第2コイン搬送ユニット22を接続するための接続部271を有している。接続部271において、第3ベース部分300Cの第1部材306Cは、第2および第3コイン搬送ユニット22、23を接続する際に突合せ面として機能する端面322Cを有している。端面322Cは、第3コイン搬送ユニット23の右下端に位置する第1端面部分322Caと、第3コイン搬送ユニット23の左下端に位置する第2端面部分322Cbとを含んで構成される。第2端面部分322Cbは、第1端面部分322Caに対し、第3コイン案内通路部分210C(換言すれば、コイン案内通路210)の延在方向に沿って上方に後退した位置に配置されている。換言すれば、第1および第2端面部分322Ca、322Cbの間には段差が形成されている。端面322Cには、歯車522Kを露出する開口273が形成されている。歯車522Kの歯列の一部は、開口273を介して外部に突出している。
【0134】
接続部271において、第3トッププレート部分400Cおよび第3ベース部分300Cの第2部材308Cには切り欠き縁272a、272bが形成されている。切り欠き縁272a、272bは、溝422のうちのコイン押動体504K、506Kの接触防止用部分に沿って円弧状に形成される共に、その円弧状部分から下方向および左方向に延びている。換言すれば、切り欠き縁272a、272bの一部は第11回転盤502Kの周縁に沿って形成されている。切り欠き縁272aと第1部材306Cとの間には、第3コイン案内通路部分210Cの入口211C
bが形成されている。
【0135】
第3ベース部分300Cの第1部材306Cの左下端には、第2端面部分322Cbから下方に突出すると共に円柱を切り欠いた形状の凸面326Cを有する接続用突部278が設けられている。換言すれば、突部278は端面322Cにおいて第2コイン搬送ユニット22側に突出し、凸面326Cはコイン案内通路210の表裏の案内面216、218に略直角な軸線に平行に形成されている。接続用突部278は、
図16に示すように、表裏の案内面216、218に略平行な一対の被保持面327Cを有している。接続用突部278は、第1および第2コイン搬送ユニット21、22の突部2
58、2
28と略同一の外形状を有している。接続用突部278には、後述の固定用ネジ282の直径よりも僅かに大きい直径を有するネジ挿入孔279が形成されている。第1部材306Cの右下端には、円柱状に窪んだ凹面324Cが形成されている。凹面324Cは、第2コイン搬送ユニット22の凸面326Bに倣った形状を有している。凹面324Cは、第2コイン搬送ユニット22の凹面324Bと略同一の形状を有している。
【0136】
第3コイン搬送ユニット23の右下端において、第3ベース部分300
Cの第1部材306Cには、その表面から第3トッププレート部分400C側に突出すると共に略L字形に延びる保持片274が形成されている。この保持片274と第2部材308Bとの間には、第2コイン搬送ユニット22の接続用突部268を挿入可能な凹部275が形成されている。凹部275内には凹面324Cが配置されている。換言すれば、凹部275は凹面324Cを有している。凹部275において、保持片274の内面と第2部材30
8Cの内面は、第2コイン搬送ユニット22の突部268の被保持面327Bを保持する一対の保持面として機能する。換言すれば、凹部275には突部268の被保持面327Bを保持する一対の保持面が設けられている。第3ベース部分300Cにおいて、第1部材306Bの保持片274には後述の固定用ネジ282の直径よりも僅かに大きい直径を有するネジ挿入孔276が形成され、第2部材308Bの右下部にはネジ282を螺合可能なネジ孔277が形成されている。
【0137】
コイン放出手段230は、部品を装着するためのフレーム231と、コインの周面に弾性的に接触する弾きローラ232(
図7参照)と、弾きローラ232を回動自在に支持すると共に
回動軸239を中心に回動する回動レバ233と、弾きローラ232が第3コイン案内通路部分210Cの出口通路領域220に臨むように回動レバ233を出口通路領域220側に付勢する捻りバネ234と、弾きローラ232が出口通路領域220に臨んだ静止位置で回動レバ233を受け止めて保持するためのストッパ235とから構成されている。フレーム231にはその表面と直角をなすよう折り曲げられた下向きコの字形の止め金具237が設けられている。捻りバネ234の一端は止め金具237の溝に掛け止めされ、他端は回動レバ233に掛け止めされている。弾きローラ232は、第3トッププレート部分400Cに形成された弧状の弾きローラ用長孔236を介して第3コイン案内通路部分210Cの出口通路領域220に露出している。コイン放出手段230は、第3トッププレート部分400Cを貫通するネジ(図示せず)によりフレーム231を第3ベース部分300Cに設けられた第12支軸334Lに固定することにより、第3コイン搬送ユニット23に取り付けられる(
図7および
図8参照)。
【0138】
コイン払出検出センサ240は、出口204の直前に第3コイン案内通路部分210Cの出口通路領域220を跨ぐように配置される。コイン払出検出センサ240は、チャネル型形状の樹脂製の外装ケース242を有し、2つの柱状部244の一方に投光器を内蔵すると共に他方に受光器を内蔵して対向配置された光電センサである。出口通路領域220においてコインが2つの柱状部244間を通過する際に光路を遮断し、それに基づいて出力される検出信号によりコインが1つずつ検出される。
【0139】
(コイン搬送ユニットの接続)
まず、
図36および
図37を参照しながら、第2コイン搬送ユニット22と第3コイン搬送ユニットとを接続する場合について説明する。
【0140】
第2コイン搬送ユニット22と第3コイン搬送ユニット23とを接続する場合、
図36(A)および
図37(A)に示すように、第2コイン搬送ユニット22の接続部261Aと第3コイン搬送ユニット23の接続部271とを対向させて配置し、第10回転盤502Jと第11回転盤502Kとの間に上記した所定の回転位相差が生じるように第10および第11回転盤502J、502Kの回転位置を調整する。この位置調整は、第10および第11回転盤502J、502Kに設けられた位置合わせ用マークMKを用いてなされる。換言すれば、位置合わせマークMKを基準に第10および第11回転盤502J、502Kの回転位置を調整する。
【0141】
図38は、第10回転盤502Jの位置合わせ用マークMKを示す。なお、第2〜第9回転盤502B〜502I、第11および第12回転盤502K、502Lは、第10回転盤502Jの位置合わせ用マークMKと同じ位置合わせマークMKを有している。そのため、ここでは第10回転盤502Jの位置合わせ用マークMKについてのみ説明し、他の回転盤の位置合わせマークMKについてはその説明を省略する。
【0142】
第10回転盤502Jの裏面側に設けられた歯車522Jは18個の歯T1〜T18からなる歯列TLを有しており、コイン押動体506J、504Jは歯T1、T10に隣接して配置されている。換言すれば、コイン押動体506J、504Jは歯T1、T10に対応して配置されている。第10回転盤502の表面において、コイン押動体506Jの両側には時計方向および反時計方向のそれぞれの回転方向に対応した1対の第1マークM1、M2が形成され、コイン押動体504Jの両側には反時計方向および時計方向のそれぞれの回転方向に対応した1対の第2マークM3、M4が形成されている。
【0143】
第1マークM1、M2は歯車522Jの歯T3、T17にそれぞれ隣接して配置されている。換言すれば、第1マークM1、M2は歯車522Jの歯T3、T17にそれぞれ対応して配置されている。第1マークM1、M2にそれぞれ対応する歯T3、T17は、コイン押動体506Jに対応する歯T1から2ピッチの間隔を有している。第1マークM1は時計方向の回転を示す矢尻形の平面形状を有し、第1マークM2は反時計方向の回転を示す矢尻形の平面形状を有している。
【0144】
第2マークM3は歯車522Jの歯T8、T9間に形成された歯底TDに隣接して配置され、第2マークM4は歯車522Jの歯T11、T12間に形成された歯底TDに隣接して配置されている。換言すれば、第2マークM3は歯車522Jの2つの歯T8、T9間に在る歯底TDに対応して配置され、第2マークM4は歯車522Jの2つの歯T11、T12間に在る歯底TDに対応して配置されている。第2マークM3、M4にそれぞれ対応する歯底TDは、コイン押動体504Jに対応する歯T10から3/2ピッチの間隔を有している。第2マークM3は反時計方向の回転を示す矢尻形の平面形状を有し、第2マークM4は時計方向の回転を示す矢尻形の平面形状を有している。
【0145】
第2および第3コイン搬送ユニット22の接続において、
図37(A)の矢印R1、R2に示すように、第10回転盤502Jが半時計方向に回転し、第11回転盤502Kが時計方向に回転するので、第10回転盤502Jの第2マークM3と第11回転盤502Kの第1マークM1とが相対するように第10および第11回転盤502J、502Kの回転位置を調整する。この状態を維持しながら、接続部271の突部278を接続部261Aの凹部265内に嵌め合わせると共に、接続部261の突部268を接続部271の凹部275に嵌め合わせ、第3コイン搬送ユニット23を第2コイン搬送ユニット22に対して下方に押し付けると、第10回転盤502Jの歯車522Jと第11回転盤502Kの歯車522Kとが噛み合いつつ、接続部261の端面322Bが接続部271の端面322Cに当接して挿入が停止される(
図36(B)、
図37(B)参照)。換言すれば、端面322B、322Cが突き合わせ面として機能して上下方向(換言すれば、コイン案内通路210の延在方向)の位置決めがなされる。同時に、接続部261、271において、突部268と凹部275との嵌合、および凹部265と突部278との嵌合により、左右(換言すれば、表裏の案内面216、218に平行で、かつ、コイン案内通路210の延在方向に直角な方向)および前後(換言すれば、表裏の案内面216、218に直角な方向)の位置決めがなされる。すなわち、突部268の凸面326Bが凹部275の凹面324Cに保持されると共に、突部278の凸面326Cが凹部265の凹面324Bに保持されることにより、左右方向の移動が制限されて左右方向の位置決めがなされる。突部268の有する一対の被保持面327Bが凹部275の有する一対の保持面に保持されると共に、突部278の有する一対の被保持面327Cが凹部265の有する一対の保持面に保持されることにより、前後の移動が制限されて前後の位置決めがなされる。
【0146】
この状態で、接続部261のネジ挿入孔266および接続部271のネジ挿入孔279に挿入したネジ282を接続部261Aのネジ孔267に螺合する。同様に、接続部271のネジ挿入孔276および接続部261のネジ挿入孔269に挿入した固定用ネジ282を接続部271のネジ孔277に螺合する。これにより、第2コイン搬送ユニット22が第1コイン搬送ユニット21に固定される(
図36参照)。なお、ネジ挿入孔266、279の直径は固定用ネジ282の直径に対して僅かに大きいため、接続部261、271における位置の微調整が可能である。
【0147】
上述したように、第2マークM3に対応する歯底TDはコイン押動体504Jに対応する歯T10から3/2ピッチの間隔を有し、第1マークM1に対応する歯T3はコイン押動体506Jに対応する歯T1から2ピッチの間隔を有している。そのため、上記した第10および第11回転盤502J、502Kの回転位置合わせにより、第10回転盤502Jのコイン押動体504Jと第11回転盤502Kのコイン押動体506Jとが相対する位置に到達した場合に、コイン押動体506Kがコイン押動体504Jに対し回転方向に1/2ピッチ後退することとなる。換言すれば、コイン押動体506Kがコイン押動体504Jに対し1/2ピッチ遅れて所定位置に到達する。隣接する回転盤502J、502K(すなわち、隣接する回転軸線3
32J、3
32Kの回りを周回するコイン押動体504J、506J、504K、506K)において、こうした回転位相を持たせることにより、コイン押動体504Jの押動により移動されたコインをコイン押動体506Kに円滑に受け渡すことができる。換言すれば、コインの押動においてコイン押動体504Jから次のコイン押動体506Kへ円滑に引き継ぐことができる。
【0148】
なお、
図38に示すように、第10回転盤502Jの直径は歯底TDが形成する歯底円TDCの直径よりも大きいため、第10回転盤502Jは歯底に対しオーバーハングしている。第2〜第9回転盤502B〜502I、第11および第12回転盤502K、502Lにおいても同様である。これにより例えば、
図37(B)に示すように、歯車522J、522Kを噛み合わせた場合に隣接する第10および第11回転盤502J、502Kを接近させることができる。コイン押動体504J、506Jは第10回転盤502Jの外周縁に沿って配置され、コイン押動体504K、506Kは第11回転盤502Kの外周縁に沿って配置されるので、隣接する第10および第11回転盤502J、502Kを接近させる程、コイン押動体504J、506Jの周回軌跡とコイン押動体504K、506Kの周回軌跡とが接近し、コイン押動体504J、506Jの押動により移動されたコインをコイン押動体506K、504Kに一層円滑に受け渡すことができる。
【0149】
第10回転盤502Jには、第2マークM3、M4に隣接する位置に歯挿入溝532、534がそれぞれ形成されている。歯挿入溝532、534は、歯車522
Jの歯形状に沿った平面形状を有し、第2マークM3、M4に対応する歯底TDに連通している。換言すれば、歯挿入溝532は歯車522Jの歯T8、T9間に形成される凹部に沿って形成され、歯挿入溝534は歯車522
Jの歯T11、T12間に形成される凹部に沿って形成される。第2〜第9回転盤502B〜502I、第11および第12回転盤502K、502Lにおいても、同様の歯挿入溝532、534が形成されている。歯挿入溝532、534は、第1〜第3コイン搬送ユニット21〜23の作製を容易にするために形成されている。
【0150】
例えば、第2コイン搬送ユニット21を作製する場合、
図39に示すように、第5〜第10回転盤502E〜502Jは第2ベース部分300Bの第2部材308Bに設けられた第5〜第10支軸334E〜334Jに順次挿入される。第5回転盤502Eを第5支軸334Eに挿入した後に第6回転盤502Fを第6支軸334Fに挿入する場合、
図40に示すように、第5回転盤502Eは時計方向に回転し第6回転盤502Fは反時計方向に回転するので、第5回転盤502Eの第2マークM4と第6回転盤の第1マークM2とが相対するように第5および第6回転盤502E、502Fの回転位置を調整する。こうして回転位置を合わせつつ、第6回転盤502Fを第6支軸334Fに挿入する。第6回転盤502Fの歯車522Fを第5回転盤502Eの歯車522Eに噛み合わせる際、歯車522Fの歯T17を第5回転盤502Eの歯挿入溝534を介して第5回転盤502Eの歯車5
22Eに噛み合わせる。これにより、オーバーハングした第5回転盤502Eに遮られることなく歯車5
22Eと歯車5
22Fとを容易に噛み合わせることが可能となる。第7〜第10回転盤502G〜502Jを対応する第7〜第10支軸に順次挿入する場合にも同様であり、第6〜第10回転盤502F〜502Jのうちの隣接するもの同士の回転方向に応じて第1マークM1、M2および第2マークM3、M4の組み合わせが適宜選択される。また、第1および第3コイン搬送ユニット21、23の場合も同様である。
【0151】
第1コイン搬送ユニット21と第2コイン搬送ユニット22とを接続する場合も、第2コイン搬送ユニット22と第3コイン搬送ユニットとを接続する場合と同様である。すなわち、接続部251の開口253から露出する歯車522Dと接続部261Bの開口263から露出する歯車522Eとを噛み合わせながら、接続部261Bの突部268を接続部251の凹部255内に挿入すると共に、接続部251の突部258を接続部261の凹部265に挿入する。歯車5
22Dと5
22Eとを噛み合わせる際には、第4回転盤502Dと第5回転盤502Eとの間に上記した所定の位相差が生じるように位置合わせマークMKを基準に第4および第5回転盤502D、502Eの回転位置を調整する。この状態を維持しながら、第2コイン搬送ユニット22を第1コイン搬送ユニット21に対して下方に押し付けると、第4回転盤502Dの歯車522Dと第5回転盤502Eの歯車522Eとが噛み合いつつ、接続部251の切り欠き縁252a、252bが接続部261Bの切り欠き縁262a、262bに当接して挿入が停止される。換言すれば、切り欠き縁252a、252bおよび262a、262bが突き合わせ面として機能して位置決めがなされる。さらに、接続部251のネジ挿入孔256および接続部261Bのネジ挿入孔269に挿入したネジ(図示せず)を接続部251のネジ孔257に螺合する。同様に、接続部261Bのネジ挿入孔266および接続部251のネジ挿入孔259に挿入したネジ(図示せず)を接続部261Bのネジ孔267に螺合する。これにより、第2コイン搬送ユニット22が第1コイン搬送ユニット21に固定される。
【0152】
こうして、第1および第3コイン搬送ユニット21、23は第2コイン搬送ユニット22を介して接続され、
図1〜
図3、
図7〜
図10の状態が実現される。すなわち、第1〜第3ベース部分300A〜300Cによりベース体300が構成され、第1〜第3トッププレート部分400A〜400Cによりトッププレート400が構成される。第1〜第3コイン案内通路部分210A〜210Cが連通されてコイン案内通路210が構成される。また、
図7に示すように、ベース体300において、第1〜第3ベース部分300A〜300Cの第1部材306A〜306Cが第1部材306を構成し、第1〜第3ベース部分300A〜300Cの第2部材308A〜308Cが第2部材308を構成する。
【0153】
すなわち、ベース体300は第2部材308の上に第1部材306を積み重ねた構造体からなり、第1部材306には貫通孔315が形成されている。貫通孔315は、同一の内寸法を有する11個の円形孔が一部を重複させた状態でジグザグ状に接続された平面形状を有し、かつ、
図11に示すように、ベース体300の表面側に配置された内寸法の小さい第1開口315aと裏面側に配置された内寸法の大きい第2開口315bとを有している。貫通孔315の裏面側は第2部材308により閉鎖され、ベース体300には凹部316が形成される。
【0154】
ベース体300の表面302側において、第1開口315a内には第2〜第12回転盤502B〜502Lが収納され、第2開口315b内には歯車522B〜522Lが収納される。換言すれば、凹部316内に第2〜第12回転盤502B〜502Lと歯車522B〜522Lとが収納される。凹部316の底面318には、第3〜第12の支軸334C〜334Lが設けられている。
図8および
図11に示すように、第3〜第12の支軸334C〜334Lの一端にはカシメ部310が形成され、
カシメ部310が第2部材308を貫通した状態でベース体300の裏面304側においてかしめられることにより、第3〜第12の支軸334C〜334Lがベース体300に固定されている。
【0155】
第1〜第12回転盤502A〜502Lのそれぞれの表面は、ベース体300の表面302とほぼ面一になるよう配置される。そのため、第1〜第12回転盤502A〜502Lのそれぞれの表面に設けられたコイン押動体504A〜504L、506A〜506Lは、ベース体300の表面302の上方に突出する。換言すれば、コイン押動体504A〜504L、506A〜506Lは、コイン案内通路210内にそれぞれ突出する。
【0156】
コイン案内通路210内に突出したコイン押動体504A〜504L、506A〜506Lは、第1〜第12回転盤502A〜502Lの回転に伴って周回し、コイン案内通路210内のコインを押動する。押動されたコインは、左右の案内面212、214により周面が案内され、かつ、表裏の案内面216、218により表裏面を案内されながらコイン案内通路210内を移動される。この場合、搬送可能なコインの外径(直径)または厚みの範囲が広くなる。すなわち、コイン案内通路210内に突出したコイン押動体504A〜504L、506A〜506Lは左右の案内面212、214の間に配置されるので、左右の案内面212、214とコイン押動体504A〜504L、506A〜506Lとの間の間隔よりも大きく(換言すれば、左右の案内面212、214とコイン押動体504A〜504L、506A〜506Lの周回する際の軌跡との間に生じる間隔よりも大きく)、かつ、左右の案内面212、214の間隔よりも小さい範囲の外径(直径)を有するコインであれば、左右の案内面212、214のいずれか一方とコイン押動体504A〜504L、506A〜506Lとにより支えられながら移動されて搬送が可能となる。したがって、搬送可能なコインの外径範囲が広くなる。他方、コイン押動体504A〜504L、506A〜506Lのそれぞれによりコインが
1枚ずつ押動されて搬送されるので、コイン案内通路210内において隣接するコイン同士が重なり合うことがない。そのため、表裏の案内面21
6、21
8の間隔を広く設定しても、コイン詰まりが生じることがない。したがって、搬送可能なコインの厚み範囲が広くなる。
【0157】
(コイン払出装置の動作)
次に、
図20〜
図30を参照しながら、コイン払出装置1の動作について説明する。実際の動作では保留ボウル102に山積みされる程度に多数のコインが保留されるが、ここでは説明を簡略化するため、保留ボウル102に4つのコインC1〜C4が保留されているものとする。
【0158】
図20は、コイン送出装置10の回転ディスク106によりコインC1〜C4が搬送される状態を示すものであり、回転ディスク106が有する8つの保持面134のうちの4つの保持面134上にコインC1〜C4(C4は図示されず)がそれぞれ保持されている。コインC1〜C4のそれぞれは反時計方向に回転する回転ディスク106のコイン係止体128に押動されることにより移動され、コインC1がコイン受取手段112の受取縁146に接近する。
【0159】
さらに回転ディスク106が回転すると、
図21に示すように、コインC1がコイン受取手段112の受取縁146に接触した状態でコイン係止体128に押動され、回転ディスク106の周方向に移動される。そして、コインC1が回転ディスク106の外部に押し出された状態で、コインC1はコイン係止体128の先端と周壁184で支えられた受け渡し位置に静止される。この受け渡し位置にあるコインC1の周面に時計方向に周回するコイン押動体504Aが接触すると、コイン押動体504AによりコインC1が押動される。
【0160】
第1回転盤502Aの回転に伴って、
図22に示すように、コインC1はコイン押動体504Aに押動され、コインC1の周面が周壁184に押し付けられる。そして、コインC1は周壁184およびコイン案内通路210の左の案内面212に周面を案内されて上方に移動され、入口202を通ってコイン案内通路210内に導入される。また、回転ディスク106のコイン係止体128に押動された次のコインC2は、コイン受取手段112の受取縁146に接触する。
【0161】
第1回転盤502Aがさらに回転すると、コイン押動体504AによるコインC1の押動が続けられ、
図23に示すように、コインC1はその周面がコイン案内通路210の右の案内面214に押し付けられながら上方に移動される。このとき、第2回転盤502Bの反時計方向の回転によりコイン押動体506BがコインC1に接近する。また、コインC1の場合と同様に、コイン係止体128およびコイン受取手段112の受取縁146により回転ディスク106の外部に押し出されたコインC2は、コイン押動体506Aにより押動されて、周壁184に周面を案内されて上方に移動される。回転ディスク106のコイン係止体128に押動された次のコインC3は、コイン受取手段112の受取縁146に接近する。
【0162】
さらに、
図24に示すように、コイン押動体506BがコインC1に接触してコインC1を押動し、コインC1はコイン案内通路210の右の案内面214に案内されながら上方に移動される。コイン押動体506Aにより押動されたコインC2は、入口202を通ってコイン案内通路210内に導入される。コインC3はコイン受取手段112の受取縁146に接触した状態でコイン係止体128に押動され、回転ディスク106の周方向に移動される。
【0163】
図22から
図24に至るコインC1の移動において、コインC1は裏の案内面218の第1案内面部分222から第2案内面部分224へと移動され、コインC1の進行角度が水平面に対して約60度から約90度に変化する。このとき、第1および第2案内面部分222、224の間に形成された第1曲面部分226とそれと対向して配置された第2曲面部分228とによりコインC1が案内されることにより進行角度が徐々に変化するので、コインC1はコイン案内通路210内を円滑に移動される。
【0164】
次に、
図25に示すように、コイン押動体506Bに押動されたコインC1は、コイン案内通路210の左の案内面212に案内されながら上方に移動される。第3回転盤502Cの時計方向の回転に伴って周回するコイン押動体504Cは、コインC1に接近する。コイン押動体506Aに押動されたコインC2は、コインC1の場合と同様に、第1および第2曲面部分226、228により案内されることにより徐々に進行角度を変化させながら上方へ移動される。回転ディスク106の外部に押し出されたコインC3は、コイン押動体504Aに押動される。回転ディスク106のコイン係止体128に押動された次のコインC4は、コイン受取手段112の受取縁146に接近する。
【0165】
次に、
図26に示すように、コインC1はコイン押動体504Cの押動によって上方へ移動され、コインC2はコイン押動体504Bの押動によって上方へ移動され、コインC3はコイン押動体504Aの押動によって上方に移動される。コインC4はコイン受取手段112の受取縁146に接触した状態でコイン係止体128に押動され、回転ディスク106の周方向に移動される。
【0166】
さらに、
図27に示すように、コインC1はコイン押動体504Eの押動によって上方へ移動され、コインC2はコイン押動体506Cの押動によって上方へ移動される。コインC3はコイン押動体506Bの押動によって上方に移動され、コインC4はコイン押動体506Aの押動によって上方に移動される。
【0167】
上記のコイン押動機構500の動作が繰り返されることにより、
図28に示す状態が生起される。この状態から第12回転盤502Lが反時計方向にさらに回転すると、
図29に示すように、コイン押動体506Lに押動されたコインC1はコイン案内通路210の右の案内面214に案内されてコイン放出手段230の位置に達する。コインC1がコイン押動体506Lによりさらに押動されると、弾きローラ232に接触したコインC1が捻りバネ234の付勢力に抗してコイン放出手段230の回動レバ233を押し上げながら、出口204に向けて移動する。そして、コインC1の最大径部分が弾きローラ232を通過した時点で、捻りバネ234の弾性により回動レバ233が下方に復帰し、その際の回動力によりコインC1が出口204に向かって弾き飛ばされる。コインC1は、
図30に示すように、弾き飛ばされた直後にコイン払出検出センサ240で検出された後、出口204から放出される。その後、コインC2〜C4についても同様の動作が繰り返されることにより、コインC2〜C4が出口204から放出される。