(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
摂取エネルギーの低減量と運動消費エネルギーの増加量との振分比を表す振分条件を、前記ユーザの活動量の傾向に関するパターン情報として取得する活動傾向取得手段をさらに有し、
前記活動目標算出手段は、前記振分条件と前記身体消費目標値とに基づいて摂取エネルギー目標値と前記活動量目標値とを決定する請求項1から4のいずれか一項に記載の活動量計。
前記活動傾向取得手段は、月経周期内の期間ごとに設定された活動量目標値の傾向が互いに異なる複数の目標変化パターンを提示するとともに、選択された前記目標変化パターンを前記パターン情報として取得する請求項6に記載の活動量計。
前記活動傾向取得手段は、摂取エネルギーの低減量と運動消費エネルギーの増加量との振分比を表す振分条件と、黄体期と卵胞期とにおける活動量目標値の配分を表す配分条件と、を前記パターン情報として取得し、
前記活動目標算出手段は、黄体期と卵胞期とで異なる前記振分比で前記活動量目標値を決定する請求項6から9のいずれか一項に記載の活動量計。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0015】
<第一実施形態>
図1は、本実施形態にかかる活動量計100の一例を示す模式的な外観図である。活動量計100は、ユーザが入力操作を行う操作ボタンを備える入力部80と、活動量AMの測定結果およびその他の情報を表示出力する出力部90とを備えている。なお、図示の態様に代えて、出力部90をタッチパネル式として入力部80の操作ボタンの機能を兼用してもよい。
【0016】
活動量計100は可搬性を有し、ユーザは衣服等に装着して日常生活を行う。活動量計100は加速度センサ(図示せず)を備えており、ユーザの歩行や走行などの運動消費エネルギーを測定する。また、活動量計100は、入力部80の操作によって入力されたユーザの年齢、性別および体重からユーザの基礎代謝量を算出する。これにより、活動量計100は、ユーザの総消費エネルギー量を算出することができる。よって、活動量計100を装着したユーザが、かりに一日中運動をしなくとも、基礎代謝量に相当する消費エネルギーを活動量AMとして算出して出力部90で表示出力することもできる。出力部90では、活動量AMに代えて、または活動量AMとともに、運動消費エネルギーを表示出力してもよい。または、入力部80の操作によって、活動量AMと運動消費エネルギーとを出力部90に交互に表示出力してもよい。また、出力部90には、その日の活動量目標値TAを併せて表示することができる。これにより、ユーザは目標達成のために基礎代謝量に加えて更にどの程度の運動をすべきかを目視的に知ることができる。
【0017】
本実施形態において活動量とは総消費エネルギー量である。ユーザの体重が安定している場合、総消費エネルギー量と摂取エネルギー量とはバランスしている。
【0018】
本実施形態の活動量計100の概要について説明する。
図2は活動量計100の機能ブロック図である。
活動量計100は、ユーザの活動量AMを測定する活動量測定部10を備える。
活動量計100は、ユーザの身体に関する身体基礎情報BAの入力を受け付ける基礎情報取得部20と、ユーザの身体消費目標値CSの入力を受け付ける目標情報取得部30と、ユーザの活動量AMの傾向に関するパターン情報を取得する活動傾向取得部40と、身体基礎情報BAおよび身体消費目標値CSと、活動傾向取得部40が取得したパターン情報と、に基づいて活動量目標値TAを決定する活動目標算出部50と、を含む。
【0019】
本発明の各種の構成要素は、その機能を実現するように形成されていればよく、たとえば、所定の機能を発揮する専用のハードウェア、所定の機能がコンピュータプログラムにより付与されたデータ処理装置、コンピュータプログラムによりデータ処理装置に実現された所定の機能、これらの任意の組み合わせ、等として実現することができる。
また、本発明の活動量計は、コンピュータプログラムを読み取って対応する処理動作を実行できるように、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、I/F(Interface)ユニット、等の汎用デバイスで構築されたハードウェア、所定の処理動作を実行するように構築された専用の論理回路、これらの組み合わせ、等として実施することができる。
【0020】
次に、本実施形態の活動量計100、および本実施形態の活動量計100を用いて行う活動目標算出方法(以下、本方法という場合がある)について詳細に説明する。
図3は本方法のフローチャートである。
【0021】
本実施形態の活動目標算出方法(本方法)は、身体基礎情報入力ステップS10、消費目標設定ステップS20、目標パターン設定ステップS30、目標決定ステップS40を含む。
身体基礎情報入力ステップS10は、ユーザの身体に関する身体基礎情報BAの入力を基礎情報取得部20が受け付けるステップである。
消費目標設定ステップS20は、ユーザの身体消費目標値CSの入力を目標情報取得部30が受け付けるステップである。
目標パターン設定ステップS30は、ユーザの活動量AMの傾向に関するパターン情報を活動傾向取得部40が取得するステップである。
そして目標決定ステップS40は、身体基礎情報BA、身体消費目標値CSおよびパターン情報に基づいて活動目標算出部50が活動量目標値TAを決定するステップである。
【0022】
また、本実施形態のプログラムは、活動量測定部10を備える活動量計100のためのプログラムであって、上記の活動目標算出処理を活動量計100に実行させるためのプログラムである。
活動目標算出処理は、上述のように、ユーザの身体に関する身体基礎情報BAの入力を受け付けるステップと、ユーザの身体消費目標値CSの入力を受け付けるステップと、ユーザの活動量AMの傾向に関するパターン情報を取得するステップと、身体基礎情報BA、身体消費目標値CSおよびパターン情報に基づいて活動量目標値TAを決定するステップと、を含む。
【0023】
活動量計100は、ユーザの活動量AMを測定して所定の期間ごとに集計する装置である。期間は1日単位が代表的であるが、1週間を単位として活動量AMを積算して集計することも可能である。活動量AMは総消費エネルギー量であり、運動消費エネルギー量と基礎代謝量と食事誘発性熱産生量との合計である。基礎代謝量は、年齢、性別および体重に基づいて統計的に算出することができる。食事誘発性熱産生量は摂取エネルギーに比例し、一般に基礎代謝量の6分の1程度である。本実施形態では、身体基礎情報BAとしてユーザの年齢、性別および体重をそれぞれ示す情報を少なくとも取得する。
【0024】
基礎情報取得部20は、入力部80より入力されたこれらの身体基礎情報BAを取得して記憶部70に格納する。記憶部70には、年齢、性別および体重と基礎代謝量との関係を表すテーブルまたは関数(代謝演算情報)が記憶されている。本実施形態の代謝演算情報は、厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準」に掲載された下記の数式(1):
基礎代謝量(kcal/日)=基礎代謝基準値(kcal/kg体重/日)×ユーザの体重(kg) ・・・(1)
および基礎代謝基準値(たとえば30〜49歳の女性の場合21.7(kcal/kg体重/日)、同年代の男性の場合22.3(kcal/kg体重/日)など)である。
本実施形態の例では、当初体重(50kg)と上記の基礎代謝基準値とから、当該女性ユーザの基礎代謝量は、上記の数式(1)より、1085(kcal/日)と求まる。
【0025】
活動量測定部10は、ユーザの運動量(運動消費エネルギー量)を測定する運動量測定部12と、身体基礎情報BAに基づいてユーザの基礎代謝量を算出する基礎代謝量算出部14と、を含んでいる。
運動量測定部12は、加速度センサ(図示せず)と、この加速度センサから出力された加速度データに所定の演算処理を行ってユーザの運動消費エネルギー量を算出する演算部(図示せず)とで構成されている。
基礎代謝量算出部14は、記憶部70に記憶された身体基礎情報BAと代謝演算情報とからユーザの基礎代謝量を演算する(
図3:ステップS10)。
【0026】
以下、本実施形態では例示として、ユーザを30歳代の女性とし、ダイエット開始時の体重を50kgとする。
【0027】
目標情報取得部30は、入力部80より入力された身体消費目標値CSを取得して記憶部70に格納する(
図3:ステップS20)。身体消費目標値CSとしては、ユーザの体重の減少量に換算可能な情報を用いることができる。体重減少量のほか、体重減少率、体脂肪減少量、体脂肪率減少量、BMI減少量など、特に限定されない。また、身体消費目標値CSとして、さらにダイエット期間をユーザから取得してもよく、またはプリセットされた所定期間(たとえば3ヶ月や6ヶ月など)を用いて活動量目標値TAを決定してもよい。
【0028】
本実施形態では例示として、3ヶ月(=90日)間で3kgだけ体重減少することをダイエット目標として設定するものとする。
【0029】
ここで、基礎代謝量は体重と正の相関があるため、ユーザのダイエット開始時(当初)の体重に基づいて演算された基礎代謝量は、ダイエットの目標達成時におけるユーザの基礎代謝量よりも大きくなる。よって、ダイエット開始時点の体重に基づいて演算した基礎代謝量は、ダイエット目標達成時の基礎代謝量よりも大きく見積もられる。言い換えると、ダイエット前の基礎代謝量に基づいて決定された活動量目標値TAをそのまま維持した場合には、ダイエットの進行に伴って本来減少するはずの基礎代謝量が過大に見積もられることとなるため、ユーザの希望する行動パターンよりも徐々に「大食多運動型」に乖離したダイエット目標となる虞がある。このため、本実施形態の基礎代謝量算出部14は、ダイエットの目標達成時の体重またはダイエットの開始時と目標達成時の中間の体重に基づいて基礎代謝量を演算してもよい。
なお、ダイエットの目標達成時の体重は、ユーザの当初の体重と身体消費目標値CSとから求めることができる。
【0030】
つぎに、食事誘発性熱産生量に関して説明する。食事誘発性熱産生量は摂取エネルギー量と正の相関がある。後述するようにユーザの体重の推移を示す体重情報を追跡することで、ユーザの摂取エネルギー量を推定することができ、したがってダイエットの進行とともに変動する食事誘発性熱産生量を算出することもできる。また、第二実施形態で説明するようにダイエット開始時にユーザの活動量を予備測定して、これと釣り合うと推定される摂取エネルギー量を算出することで、ユーザの初期の食事誘発性熱産生量を算出することが可能である。
ただし本実施形態では、簡単のため食事誘発性熱産生量を算出せず、上記「日本人の食事摂取基準」に掲載された下記の数式(2):
総消費エネルギー量(kcal/日)=推定エネルギー必要量(kcal/日)=基礎代謝量(kcal/日)×身体活動レベル(PAL) ・・・(2)
および身体活動レベル(PAL)を用いてユーザの総消費エネルギー量を推算する。
ここで、身体活動レベルは、二重標識水法で測定された総エネルギー消費量を基礎代謝量で除した指標であり、レベルI(低い:身体活動レベルの代表値=1.50)、レベルII(ふつう:身体活動レベルの代表値=1.75)、レベルIII(高い:身体活動レベルの代表値=2.00)に区分される。これらの身体活動レベルの代表値は、記憶部70に記憶されている。
【0031】
本実施形態の例では、上記の数式(2)および身体活動レベル(例えばレベルII=1.75)より、総消費エネルギー量は1899(=1085×1.75)(kcal/日)と求まる。これは、ダイエット前のユーザの体重が増減しない、摂取エネルギー量と総消費エネルギー量(活動量)とがバランスした標準的な状態を表している。以下、この総消費エネルギー量を「標準活動量」という場合がある。
【0032】
活動傾向取得部40は、ユーザ個々の活動量AMの傾向に関するパターン情報を取得する手段であり、パターン情報に関するユーザからの入力を受け付ける。
パターン情報は、ダイエットに関してユーザが希望する行動パターンを表す情報であり、種々のものを例示することができる。本実施形態ではパターン情報として身体活動レベルおよび振分比を挙げる。このほか、第二実施形態で説明するように幾つかの目標変化パターンTPをユーザに提示し、そのいずれかの選択を受け付けることでパターン情報を取得してもよい。
【0033】
本実施形態の活動傾向取得部40は、身体活動レベルI〜IIIの選択を受け付ける。具体的には、ユーザの身体活動レベルの大小に関する設問(選択肢)を出力部90に表示し、入力部80の操作入力を受け付ける(
図3:ステップS30)。
【0034】
さらに活動傾向取得部40は、振分比の設定を入力部80から受け付ける。振分比は、摂取エネルギーの低減量と運動消費エネルギーの増加量との比率である。言い換えると、ダイエット目標(身体消費目標値CS)を達成するにあたっての、食事量の制限と運動による脂肪消費とのバランスを表す数値、または当該数値に換算可能な情報である。
【0035】
具体的な振分比は種々の態様で設定することができる。一例として本実施形態では、食事量の制限によって身体消費目標値CSの7割、運動による脂肪消費によって身体消費目標値CSの3割を達成するように設定する。
【0036】
このほか振分比としては、当初の食事量に対して抑制する摂取エネルギー量の目標値(たとえば200kcal/日など)を入力してもよい。また、振分比として、当初の運動量に対して増加する運動消費エネルギー量の目標値(たとえば100kcal/日など)を入力してもよい。摂取エネルギーの低減量または運動消費エネルギーの増加量の一方の目標値を入力すれば、身体消費目標値CSとの差分によって、他方の目標値を演算することができる。
【0037】
すなわち、本実施形態の活動傾向取得部40は、摂取エネルギーの低減量と運動消費エネルギーの増加量との振分比を表す振分条件をパターン情報として取得する。
活動目標算出部50は、かかる振分条件と身体消費目標値CSとに基づいて摂取エネルギー目標値TCと活動量目標値TAとを決定する(
図3:ステップS40)。
【0038】
これにより、小食少運動型や大食多運動型などのユーザの行動パターンに応じて、食事量の抑制と運動消費の増大とをバランスよく目標設定することができる。また、本実施形態のようにユーザの活動量AMを予め測定してパターン情報を取得することでユーザのダイエット開始前の摂取エネルギーが推定されるため、さらに振分比を勘案することでユーザの食事量に適した無理のないダイエット目標が設定される。
【0039】
活動目標算出部50は、身体基礎情報BAおよび身体消費目標値CSと、活動傾向取得部40が取得したパターン情報と、に基づいて活動量目標値TAを決定する。活動量目標値TAは、総消費エネルギー量(kcal/日)のダイエット目標である。本実施形態の活動目標算出部50は、活動量目標値TAに加えて、さらに摂取エネルギー目標値TCや運動消費エネルギー量(またはウォーキングの歩数への換算値)を算出して出力部90に表示出力してもよい。
【0040】
本実施形態では、身体消費目標値CSとして3ヶ月(=90日)間で3kgの脂肪を消費することが設定されているため、1日あたりに減らすべき脂肪エネルギーは下記の数式(3):
1日あたりの脂肪減少量Z(kcal/日)=3kg/90日×7200(kcal/kg)=240(kcal/日) ・・・(3)
より求まる。
【0041】
さらに、本実施形態では振分比として摂取エネルギーの低減量:運動消費エネルギーの増加量=7:3と設定している。したがって、ダイエット前に比べて、Z×0.7=168(kcal/日)だけ食事量を制限すること(摂取エネルギー低減量)が目標設定される。また、ダイエット前に比べて、Z×0.3=72(kcal/日)だけ運動量を増加すること(運動消費エネルギー増加量)が目標設定される。
【0042】
すなわち本実施形態の例では、
活動量目標値TA=標準活動量+運動消費エネルギー増加量=1899+72(kcal/日)=1971(kcal/日) ・・・(4)
摂取エネルギー目標値TC=標準活動量−摂取エネルギー低減量=1899−168(kcal/日)=1731(kcal/日) ・・・(5)
とそれぞれ算出される(
図3:ステップS40)。
【0043】
活動量目標値TAと摂取エネルギー目標値TCは出力部90で表示出力され、ユーザはその数値を目視確認して日々の運動および食事制限をおこなう。かかるダイエット中の活動量AMおよびユーザの運動量を活動量測定部10で測定する(
図3:ステップS50)。かかる測定は所定期間ごとに訪れる達成度判定の処理まで継続される(
図3:ステップS60:NO)。
【0044】
判定部52は、算出された活動量目標値TAと、活動量測定部10が測定した活動量AMと、を対比して目標達成度ACを判定する手段である。
【0045】
判定部52は、ユーザの活動量AMを測定し、活動量目標値TAの目標達成度ACを所定の期間ごとに判定する(
図3:ステップS60:YES)。本実施形態では期間を1日とする。ただし、たとえば1週間ごと等にまとめて目標達成度ACを判定するよう、判定処理の間隔はユーザが選択可能としてもよい。
【0046】
本実施形態の目標達成度判定処理は、具体的には、運動量測定部12で実測された1日分の運動量(運動消費エネルギー量)に基礎代謝量を加えた活動量実績値と、活動量目標値TAとの差分の正負を判定する処理である。かかる差分を目標達成度ACという。また、この目標達成度ACは、活動量実績値を活動量目標値TAで割った値としてもよい。さらに本実施形態に代えて、運動量測定部12で実測された1日分の運動量を、活動量目標値TAから基礎代謝量を減じた運動消費エネルギー目標値で割った値を目標達成度ACとしてもよい。
また、ダイエット開始からの脂肪減少量Zの累積量が身体消費目標値CSに達した場合またはダイエット期間の満了により測定終了の場合(
図3:ステップS62=YES)はステップ
S69に移行し、その他の場合(
図3:ステップS62=NO)には本方法は継続処理される。
【0047】
目標達成度ACの判定結果は出力部90でユーザに告知するとよい。これによりユーザは、身体消費目標値CSの達成に向けて、以後のダイエットのペース配分を計ることができる。具体的には、目標達成度ACがゼロまたは正である場合、目標達成度とともに当該日のダイエット目標が達成されたことを示すメッセージを出力部90に表示出力する(
図3:ステップS64)。一方、目標達成度が負である場合、目標達成度とともに当該日のダイエット目標が未達であったことを示すメッセージを出力部90に表示出力する(
図3:ステップS64)。
【0048】
活動目標算出部50は、活動量測定部10が測定した活動量AMの累積量に基づいて身体消費目標値CSの残目標TRを算出し、この残目標TRに基づいて活動量目標値TAを更新する(
図3:ステップS66)。
ここで、活動量AMの累積量とは、ダイエット開始以降に測定された活動量AMの和から求まる値である。残目標TRは、具体的には、1日ごとの活動量AMと標準活動量との差分値を累積的に積算した「総脂肪消費エネルギー」を、身体消費目標値CS(脂肪エネルギーへの換算値)から差し引くことにより求められる。
そして、残目標TRをダイエット期間の残日数で消費するという条件で、活動量目標値TAと摂取エネルギー目標値TCを再決定して値を更新する。
【0049】
本実施形態によれば、設定された活動量目標値TAと実際の活動量AMとを比較して、目標以上のペースでエネルギー消費がされている場合には以降の目標を緩やかに再設定することができる。逆に当初の活動量目標値TAが未達である場合には、この未達分を上乗せした新たな活動量目標値TAに目標を再設定することができる。これにより、ユーザが初期に設定した身体消費目標値CSの達成に向けてユーザを導くことができる。そして、活動量目標値TAを上回るペースでエネルギー消費をするようユーザの意欲を高めることができる。特に、予備測定期間中はユーザのダイエット意欲が高いため、当該ユーザのダイエット開始前の日常的な活動量よりも大きな測定結果が活動量AMとして測定されて予備測定結果AM0となる場合がある。このため活動量目標値TAが高めに設定され、特にダイエット期間の後半になってダイエット意欲が減退してくると活動量目標値TAを達成することが困難となる。したがって、本実施形態のようにダイエット期間中の実際の活動量AMに基づいて活動量目標値TAを再設定することで、ユーザのダイエット意欲を維持させながら目標の達成に向けて導くことができる。
【0050】
活動目標算出部50は、活動量測定部10が測定した活動量AMの累積量に基づいて身体消費目標値CSの達成予定時期を算出する(
図3:ステップS68)。
【0051】
図3のステップS70〜S74は任意の処理である。
【0052】
本方法では、ユーザの体重に関する体重情報の入力を受け付け(
図3:ステップS70=YES)、この体重情報と、測定された活動量AMとに基づいて摂取エネルギー目標値TCの目標達成度ACを所定の期間ごとに判定する。体重情報の入力は、入力部80の操作によってユーザが手動で行ってもよく、または活動量計100にインタフェース部(図示せず)を設けて体重計の測定データを受信してもよい。
【0053】
活動量計100は、ユーザの毎日の活動量AMを測定することで、これが活動量目標値TAを上回っているか否かを判断することはできるものの、ユーザの食事量を測定することはできない。このため、ユーザが摂取エネルギー目標値を達成しているか否かについては、ユーザの体重情報を勘案して判断するとよい。たとえば、ダイエット期間の途中において、活動量AMの累積量が活動量目標値TAを満足していたとしても、ユーザの体重の減少量が目標のペースを下回っていた場合には、食事量が摂取エネルギー目標値TCを超過しているものと推定される。この場合には、入力された体重情報と目標達成時の体重(=当初体重−身体消費目標値CS)との差分を新たな残目標TRとし、これをダイエット期間の残日数で消費するという条件で、活動量目標値TAと摂取エネルギー目標値TCを再決定して値を更新する(
図3:ステップS72)。あわせて、摂取エネルギーが過剰であることをユーザに告知するメッセージを出力する(
図3:ステップS74)。
【0054】
その後、およびステップS70にて体重情報の入力が無かった場合(
図3:ステップS70=NO)は、活動量AMの測定を継続する(
図3:ステップS50)。
【0055】
一方、ステップS62において目標達成または測定終了の場合(
図3:ステップS62=YES)、その旨を示すメッセージを出力部90で表示出力する(
図3:ステップ
S69)。
【0056】
さらに本方法では、目標達成によって測定を終了する場合に、急激なダイエットの反動による体重増加(リバウンド)の可能性を表すリスク情報IRを出力する(
図3:ステップ
S69)。リスク情報IRは、一例として、ステップS66において残目標TRに基づいて再設定された活動量目標値TAがステップS40で当初設定された活動量目標値TAよりも大きな値である場合に出力する。ユーザにとって過負荷となる厳しい活動量目標値TAを達成したものと推定されるためである。
【0057】
すなわち本方法では、ユーザの活動量AMの測定結果に基づいて身体消費目標値CSの残目標TRを算出し、この残目標TRに基づいて活動量目標値TAを更新する。そして、身体消費目標値CSが達成されたときの活動量目標値TAの大小に基づいて、リバウンドの可能性を表すリスク情報IRを出力する。
【0058】
<第二実施形態>
図4は本実施形態にかかる活動量計100の機能ブロック図であり、
図5は本実施形態の活動量計100を用いて行う活動目標算出方法(本方法)のフローチャートである。
【0059】
本実施形態のフローチャート(
図5)は、入力部80の操作によって、第一実施形態のフローチャート(
図3)と選択的に切り替えて用いられる。
【0060】
図6(a)から(d)および
図7(a)から(c)は、それぞれ目標変化パターンTPを示すチャートである。各チャートの縦軸は、1日あたりの脂肪減少量Z(kcal/日)である。以下、本実施形態を説明する。第一実施形態と共通する事項の説明は省略する。
【0061】
月経周期は大別して月経開始から排卵までの卵胞期と排卵から月経開始までの黄体期とに分かれる。
図6(a)に模式的に示すように、一般の女性の場合、月経期Dは約4日、卵胞期Aは約8日、排卵期Bは約4日、黄体期Cは約12日で月経周期は約28日である。
黄体期Cは高温期であり、卵胞期Aに比べて基礎代謝量が大きく運動消費効率が高い。しかしながら、黄体期Cは精神的に不安定であり、積極的な運動がつらいと感じる女性も多い。また、黄体期Cはさらに前半と後半に大別され、特に月経期Dの直前にあたる黄体期後半の約6日はPMS(月経前症候群:Premenstrual Syndrome)期と呼ばれ、体調や精神が不安定となりやすい。
以上より、本実施形態では、卵胞期A
に対応する期間名をダイエットおすすめ期と呼称し、排卵期B
に対応する期間名をチェンジ期と呼称し、黄体期C
に対応する期間名をリラックスおすすめ期と呼称する。
【0062】
本実施形態の活動量計100は、月経周期の各期間における少なくとも一部の時期と他の時期とで活動量目標値TAおよび脂肪減少量Zの大きさが互いに異なることを特徴とする。
【0063】
図6(a)の目標変化パターンTP1は、卵胞期Aと排卵期Bにおける脂肪減少量a1、b1が大きく(a1=b1)、黄体期Cおよび月経期Dにおける脂肪減少量c1、d1がこれよりも小さい(ただしゼロではない。c1=d1)ことを特徴とする。
図6(b)の目標変化パターンTP2は、卵胞期Aと排卵期Bにおける脂肪減少量a2、b2が大きく(a2=b2)、黄体期Cの脂肪減少量c2がこれよりも小さく、月経期Dの脂肪減少量d2がゼロである。
図6(c)の目標変化パターンTP3は、卵胞期Aと排卵期Bにおける脂肪減少量a3、b3が大きく(a3=b3)、黄体期Cの前半の脂肪減少量c31がこれよりも小さく、黄体期Cの後半の脂肪減少量c32がさらに小さく、月経期Dの脂肪減少量d3がゼロである。
図6(d)の目標変化パターンTP4は、卵胞期Aと排卵期Bにおける脂肪減少量a4、b4のみでダイエットを行い(a4=b4)、黄体期Cおよび月経期Dにおける脂肪減少量c4、d4がともにゼロである。
【0064】
図7(a)の目標変化パターンTP5は、排卵期Bにおける脂肪減少量b5を、卵胞期Aの脂肪減少量a5と黄体期Cの脂肪減少量c5との中間とする点で、
図6(b)の目標変化パターンTP2と相違している。
図7(b)の目標変化パターンTP6は、黄体期Cにおける脂肪減少量c6を、卵胞期Aや排卵期Bの脂肪減少量a6、b6と等しくしている点で、
図6(a)の目標変化パターンTP1と相違している。
図7(c)の目標変化パターンTP7は、黄体期Cの前半における脂肪減少量c71を、卵胞期Aや排卵期Bの脂肪減少量a7、b7(a7=b7)よりも大きくしている点で、
図6(c)の目標変化パターンTP3と相違している。
【0065】
本実施形態の活動量計100は、目標変化パターンTP1〜TP7のように月経周期内の期間ごとに脂肪減少量の目標の高低を変化させた目標イメージをユーザに提示し(
図5:ステップS31)、ユーザが希望する目標イメージを選択することができる(
図5:ステップS32)。
【0066】
すなわち、本実施形態の活動傾向取得部40は、月経周期内の期間ごとに設定された活動量目標値TAの傾向が互いに異なる複数の目標変化パターンTP1〜TP7を提示するとともに、選択された目標変化パターンTPをパターン情報として取得する。
【0067】
これにより、ユーザが希望する傾向の目標変化パターンTPに基づいて活動量目標値TAがきめ細かく設定される。
【0068】
以下、本実施形態では、
図6(c)の目標変化パターンTP3が選択された場合を例に説明する。
【0069】
第一実施形態と同様に、基礎情報取得部20は入力部80より入力されたこれらの身体基礎情報BAを取得する。目標情報取得部30は、入力部80より入力された身体消費目標値CSを取得する。そして、活動傾向取得部40は、上記数式(2)の身体活動レベル(PAL)および振分比を入力部80から受け付ける。
活動目標算出部50は、基礎代謝量および標準活動量を算出したうえで、上記数式(4)および(5)に基づいて活動量目標値TAと摂取エネルギー目標値TCを求める。
ただし、本実施形態では月経期Dにダイエットを行わないことから、上記の数式(3)に代えて、
1日あたりの脂肪減少量Z(kcal/日)=3kg/(90日−4日×3)×7200(kcal/kg)=277(kcal/日) ・・・(3a)
とする。
【0070】
本実施形態における振分比は、第一実施形態と同様に、摂取エネルギー低減量:運動消費エネルギー増加量=7:3とする。これにより、本実施形態のダイエット目標としては、食事量の制限=Z×0.7=194(kcal/日)、運動量の増加=Z×0.3=83(kcal/日)となる。
よって、上記の数式(4)より、活動量目標値TA=1899+83(kcal/日)=1982(kcal/日)、
摂取エネルギー目標値TC=1899−194(kcal/日)=1705(kcal/日)とそれぞれ算出される。
【0071】
つぎに、活動目標算出部50は、目標変化パターンTP3の傾向に従って、脂肪減少量a3、b3、c31、c32を決定する。
【0072】
本実施形態の活動目標算出部50は、月経期Dおよび黄体期Cの活動量目標値TAよりも、卵胞期Aの活動量目標値TAを高く算出する。
【0073】
一般に月経期Dは運動を控えて安静に過ごすことが好ましい。また、黄体期Cは高温期であり基礎代謝量が増えるものの、精神的に不安定となりがちなため、1日ごとの活動量目標値TAについては確実に達成できるように低く設定することが好適である。これに対し、卵胞期Aは体調と精神が安定し、活発に運動したり食事量を制限したりするのにもっとも好適な時期であって、活動量目標値TAを高く設定して身体消費量を稼ぐことが容易なチャンス期である。このため、本実施形態の活動量計100では、月経期Dや黄体期Cよりも卵胞期Aの活動量目標値TAが高く設定された目標パターンを少なくとも一つ算出する。本実施形態では目標変化パターンTP1〜TP5がこれに該当する。
【0074】
活動目標算出部50は、黄体期Cの摂取エネルギー目標値TCよりも卵胞期Aの摂取エネルギー目標値TCを低く算出する。
【0075】
黄体期後半のPMS期は体調変化が大きく精神的に不安定であるため、ユーザによっては食事量の制限を緩やかにすることが好ましい。この場合には、卵胞期Aの摂取エネルギー目標値TCをより低く抑えて、その分だけ黄体期Cのエネルギー摂取を許容することが好適である。これにより、ダイエット目標の達成を損なうことなく、黄体期Cのダイエット目標を緩やかに設定することができる。
同様の理由で、黄体期Cを前半と後半に区分し、黄体期前半の摂取エネルギー目標値TCを、黄体期後半(PMS期)の摂取エネルギー目標値TCよりも低く算出してもよい。
具体的には、月経期Dを基準として卵胞期Aの食事量を5〜15%程度低減するよう設定してもよい。
【0076】
以下、より具体的に説明する。卵胞期Aは黄体期Cに比べて約9%だけ基礎代謝量が低下しており、その分だけ食事制限が容易であることが本発明者らの検討により明らかとなっている。
そこで、本実施形態では、一例として、基礎代謝量(1085(kcal/日))の9%にあたる98(kcal)のうちの振分比(0.7)に相当する摂取エネルギー量(=68kcal)を、卵胞期A(8日)および排卵期B(4日)の合計12日間に亘って食事量より制限し、これを黄体期Cの後半のPMS期(6日)に等分して摂取エネルギー目標値TCを緩和する。
同様に、運動消費エネルギー増加量に関しても、基礎代謝量(1085(kcal/日))の9%にあたる98(kcal)のうちの振分比(0.3)に相当する運動消費エネルギー(=29kcal)を、卵胞期A(8日)および排卵期B(4日)の合計12日間に亘って活動量目標値TAに積み増してダイエットを進め、これを黄体期Cの後半のPMS期(6日)に等分して活動量目標値TAを緩和する。
すなわち、本実施形態の活動量計100は、ダイエットに適した卵胞期Aおよび排卵期Bに摂取エネルギー目標値TCの一部を積み立てるとともに活動量目標値TAを高く設定し、これをPMS期の摂取エネルギー目標値TCおよび活動量目標値TAに割り当てて目標を緩和するものである。
【0077】
これにより、精神的に不安定なPMS期に過度な食事制限をすることがなくなり、ダイエットの成功確率を高めることができる。
【0078】
上述のように、本実施形態の活動傾向取得部40は、摂取エネルギーの低減量と運動消費エネルギーの増加量との振分比を表す振分条件と、黄体期Cと卵胞期Aとにおける活動量目標値TAの配分を表す配分条件と、をパターン情報として取得する。そして、活動目標算出部50は、黄体期Cと卵胞期Aとで異なる振分比で活動量目標値TAを算出する。
ここで、配分条件とは、黄体期Cと卵胞期Aとにおいて活動量目標値TAが異なることを示す情報である。言い換えると、本実施形態の活動量計100は、食事制限と運動増加の比率を表す振分条件と、月経周期における時期ごとのダイエット目標の軽重を表す配分条件とをともに考慮して目標変化パターンTPを決定する。
【0079】
ここで、女性ユーザが無理なく達成できる運動消費エネルギーと摂取エネルギーは月経周期の時期ごとに変動することが一般的であり、この変動幅の大小はユーザごとに千差万別である。よって、本実施形態の活動量計100のように振分条件と配分条件を勘案することで、女性ユーザにきめ細かいダイエット目標を設定することができる。
【0080】
なお、後記の時期データ取得部16にて時期データDTを取得して月経周期が正確に把握されてからは、卵胞期Aおよび排卵期Bの合計日数として、ユーザ個々の該当期間の日数を用いて、摂取エネルギー目標値TCの積み立て量および活動量目標値TAの上積み量を算出するとよい。
以上により、卵胞期Aから月経期Dまでの目標値(摂取エネルギー目標値TCおよび活動量目標値TA)が仮決定される(
図5:ステップS33)。
【0081】
図4に示す本実施形態の活動量計100は、時期データ取得部16と時刻演算部60とを備える点で第一実施形態の活動量計100と相違する。
【0082】
時期データ取得部16は、月経周期における時期を表す時期データDTを取得する(
図5:ステップS34)。そして後述するように、本実施形態の活動目標算出部50は、身体基礎情報BA、身体消費目標値CS、パターン情報および時期データDTに基づいて、月経周期内の期間ごとに異なる活動量目標値TAを決定する。
【0083】
時期データ取得部16は、月経開始日を表す基準日情報RDの入力を時期データDTとして受け付ける。そして活動量計100は、基準日情報RDと、時期データDTを受け付けてからの経過日数とに基づいて月経周期における時期を算出する。
【0084】
活動量計100は、タイマーカウンタ(図示せず)を含む時刻演算部60と、数字やメッセージなどのテキスト情報を表示出力する出力部90とを有している。時刻演算部60は、ユーザの活動量AMの測定を開始してからの経過時間を計数する。これにより、ダイエット期間の満了と、ユーザの月経周期の遷移をモニタすることができる。
【0085】
ここで、基準日情報RDとしては、月経開始日からの経過日数(月経開始日当日を含む)を例示することができるが、これに限られない。例えば、基礎体温の測定値を併用して、月経期D、黄体期Cまたは卵胞期Aのいずれに属するかを時期データDTとして選択的に入力してもよい。
【0086】
本実施形態によれば、女性ユーザの月経周期における時期を考慮した活動量目標値TAが算出される。このように、ユーザの活動量AMの傾向に関するパターン情報と、ユーザの基礎代謝量や運動消費効率が変動する時期データDTとに基づいて活動量目標値TAを算出することにより、ユーザのライフスタイルに合った無理のないダイエット目標を提示することができる。
【0087】
また、ダイエットに適するチャンス期(卵胞期Aおよび排卵期B)の到来日または終了日のほか、リラックス推奨期(黄体期C)の到来日または終了日、および次回の月経開始日などの時期をユーザは知ることができ、活動計画の立案に資することができる。
【0088】
時期データ取得部16は、月経開始日が到来する度にユーザより基準日情報の入力を受け付けるとよい。これによりユーザの月経周期が正確に把握される。時期データDTは入力部80の操作により入力される。
【0089】
本実施形態の活動傾向取得部40は、活動量測定部10が測定した活動量に基づいてパターン情報を取得することを特徴とする。
これにより、ユーザの実際の行動パターンに基づいて活動量目標値TAが算出される。このため、本実施形態の活動量計100によれば、ユーザのライフスタイルに適合した活動量目標値TAが算出され、無理のないダイエット目標を提示することができる。したがって本実施形態の活動量計100は、ユーザの活動量AMを測定して消費エネルギー量を把握するための活動量測定部10を用いてユーザの行動パターンを事前にモニタし、当該ユーザに適した目標変化パターンTPを活動目標算出部50で決定する。
【0090】
本実施形態の活動目標算出部50は、ダイエット開始前の所定の予備測定期間中にユーザの活動量(予備測定結果AM0)を測定し(
図5:ステップS35)、この測定された予備測定結果AM0に基づいて活動量目標値TAを算出する。予備測定期間は、たとえば数日から1週間程度とすることができる。予備測定期間のユーザには極力自然なライフスタイルで生活してもらう。これにより、ユーザの総消費エネルギーと摂取エネルギーとの自然なバランスレベルを把握することができる。女性ユーザの場合は、予備測定期間が月経周期におけるどの時期にあたるかを勘案してパターン情報を取得するとよい。
【0091】
本方法では、予備測定期間とその後の活動量測定期間とをユーザが区別することなくダイエットを行うことができる。すなわち、ステップS35においては、活動量測定部10で測定された活動量(予備測定結果AM0)と、ステップS33で仮決定された活動量目標値TAとの差分から目標達成度ACを判定するとともに、相当する脂肪減少量Zを身体消費目標値CSから減算していく。これにより、予備測定期間中にダイエットを開始できないといった不都合を生じることなく、予備測定期間中のダイエット成果をも含めて身体消費目標値CSの達成を判定することができる。
【0092】
活動量測定部10は、ユーザの運動量を測定する運動量測定部12と、身体基礎情報BAに基づいてユーザの基礎代謝量を算出する基礎代謝量算出部14と、を含む。そして活動傾向取得部40は、運動量測定部12が測定した運動量をパターン情報として取得する。
これにより、ダイエット前におけるユーザの日常的な基礎代謝量と運動量が求まる。この基礎代謝量と運動量の合計は、ユーザの体重が安定する摂取カロリーと等しいと推定され、言い換えるとユーザの消費と摂取とのバランスレベルを知得することができる。
【0093】
活動傾向取得部40は、パターン情報に関するユーザからの入力を受け付ける。
これにより、ユーザが希望する行動パターンに合致したダイエット目標が設定される。活動量計100は、ユーザの行動パターンを複数通りに区分するための問診質問を表示出力し、これに対応する回答入力をパターン情報として受け付ける。
【0094】
活動傾向取得部40は、活動量測定部10が測定した活動量AMと、時期データDTとを対応づけてパターン情報を取得する。活動傾向取得部40は、特にユーザが黄体期Cまたは月経期Dにあるか、または卵胞期Aにあるかという情報を活動量AMに対応づけて取得する。
【0095】
これにより、予備測定期間に測定された活動量(予備測定結果AM0)が月経周期におけるどの時期に対応するものであるかを勘案したパターン情報を取得することができ、ユーザごとにきめ細かいダイエット目標を設定することができる。具体的には、黄体期Cと卵胞期Aにおける運動消費エネルギーの振分比の設定を、予備測定期間に測定された活動量(予備測定結果AM0)の実績に基づいて自動的に設定することができる。
また、予備測定結果AM0が一定の場合において、予備測定期間が月経期Dや黄体期Cすなわちユーザが活動しにくい時期にあたる場合には、当該ユーザが比較的活発に運動する行動パターンであることが推定される。活動しにくい時期であるにもかかわらず所定の活動をするユーザであるためである。一方で、予備測定期間が卵胞期Aすなわちユーザが活動しやすい時期にあたる場合には、当該ユーザが比較的運動を控えた行動パターンであることが推定される。
【0096】
したがって、本実施形態の活動量計100においては、時期データDTが表す時期が卵胞期Aである場合には、予備測定期間に測定した予備測定結果AM0に対して1未満の係数を乗じた値をパターン情報として取得してもよい。そして、時期データDTが表す時期が月経期Dまたは黄体期Cである場合には、予備測定結果AM0に対して1を超える係数を乗じた値をパターン情報として取得してもよい。これにより、ユーザが振分比を入力せずとも、ユーザの行動パターンに合致した目標変化パターンTPを活動目標算出部50は決定することができる。
以上により、活動量目標値TAと摂取エネルギー目標値TCが決定される(
図5:ステップS40)。
【0097】
なお本方法では、ユーザの活動量を所定期間に亘って予備測定してパターン情報を取得し、予備測定された活動量(予備測定結果AM0)に付加運動消費量AAを追加して活動量目標値TAを算出する。付加運動消費量AAは、たとえば上記の数式(3a)に対して運動消費エネルギー増加量の振分比を乗じた値である。
【0098】
目標達成度ACの判定処理に関しては、本実施形態の活動量計100は、算出された活動量目標値TAと、活動量測定部10が測定した活動量AMと、を対比して目標達成度ACを判定する判定部52を備える点で第一実施形態と共通する。
そして本実施形態の活動量計100は、判定された目標達成度ACが同じである場合に黄体期Cと卵胞期Aとで異なる態様で判定結果を出力する点で第一実施形態と相違する。
【0099】
黄体期C、特に黄体期後半のPMS期は一般にユーザが精神的に不安定となるため、かりにダイエット目標に未達であったとしてもユーザのダイエット意欲が減退しないように甘い評価をすることが好適である場合がある。逆に精神的に安定している卵胞期Aには、ユーザの奮起を促すように厳しい評価をすることが好適である場合がある。したがって、本実施形態の活動量計100では、互いに同程度の目標未達の場合に黄体期Cと卵胞期Aとで異なる態様で判定結果を出力する。ことにより、ユーザの意欲が持続され、またダイエット目標の達成に向けてユーザを導くことができる。
その他の処理は第一実施形態と共通するため説明を省略する。
【0100】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
【0101】
上記第一および第二実施形態は、以下の技術的思想を包含する。
(1)ユーザの活動量を測定する活動量測定手段を備える活動量計であって、
ユーザの身体に関する身体基礎情報の入力を受け付ける基礎情報取得手段と、
ユーザの身体消費目標値の入力を受け付ける目標情報取得手段と、
ユーザの活動量の傾向に関するパターン情報を取得する活動傾向取得手段と、
前記身体基礎情報および前記身体消費目標値と、前記活動傾向取得手段が取得した前記パターン情報と、に基づいて活動量目標値を決定する活動目標算出手段と、
を含む活動量計。
(2)前記活動傾向取得手段は、前記活動量測定手段が測定した前記活動量に基づいて前記パターン情報を取得することを特徴とする上記(1)に記載の活動量計。
(3)前記活動量測定手段は、ユーザの運動量を測定する運動量測定手段と、前記身体基礎情報に基づいて前記ユーザの基礎代謝量を算出する基礎代謝量算出手段と、を含み、
前記活動傾向取得手段は、前記運動量測定手段が測定した前記運動量を前記パターン情報として取得する上記(2)に記載の活動量計。
(4)前記活動傾向取得手段は、摂取エネルギーの低減量と運動消費エネルギーの増加量との振分比を表す振分条件を前記パターン情報として取得し、
前記活動目標算出手段は、前記振分条件と前記身体消費目標値とに基づいて摂取エネルギー目標値と前記活動量目標値とを決定する上記(1)から(3)のいずれか一項に記載の活動量計。
(5)前記活動傾向取得手段は、前記パターン情報に関するユーザからの入力を受け付ける上記(1)から(4)のいずれか一項に記載の活動量計。
(6)月経周期における時期を表す時期データを取得する時期データ取得手段をさらに含み、
前記活動目標算出手段が、前記身体基礎情報、前記身体消費目標値、前記パターン情報および前記時期データに基づいて、月経周期内の期間ごとに異なる活動量目標値を決定する上記(1)から(5)のいずれか一項に記載の活動量計。
(7)前記活動傾向取得手段は、月経周期内の期間ごとに設定された活動量目標値の傾向が互いに異なる複数の目標変化パターンを提示するとともに、選択された前記目標変化パターンを前記パターン情報として取得する上記(6)に記載の活動量計。
(8)前記活動目標算出手段は、月経期および黄体期の活動量目標値よりも、卵胞期の活動量目標値を高く決定する上記(6)または(7)に記載の活動量計。
(9)前記活動傾向取得手段が、前記活動量測定手段が測定した前記活動量と、前記時期データとを対応づけて前記パターン情報を取得することを特徴とする上記(6)から(8)のいずれか一項に記載の活動量計。
(10)前記活動傾向取得手段は、摂取エネルギーの低減量と運動消費エネルギーの増加量との振分比を表す振分条件と、黄体期と卵胞期とにおける活動量目標値の配分を表す配分条件と、を前記パターン情報として取得し、
前記活動目標算出手段は、黄体期と卵胞期とで異なる前記振分比で前記活動量目標値を決定する上記(6)から(9)のいずれか一項に記載の活動量計。
(11)前記活動目標算出手段が、黄体期の摂取エネルギー目標値よりも卵胞期の摂取エネルギー目標値を低く決定する上記(6)から(10)のいずれか一項に記載の活動量計。
(12)前記時期データ取得手段は、月経開始日を表す基準日情報の入力を前記時期データとして受け付け、
前記基準日情報と、前記時期データを受け付けてからの経過日数とに基づいて月経周期における時期を算出する上記(6)から(11)のいずれか一項に記載の活動量計。
(13)決定された前記活動量目標値と、前記活動量測定手段が測定した活動量と、を対比して目標達成度を判定する判定手段をさらに備える上記(1)から(12)のいずれか一項に記載の活動量計。
(14)決定された前記活動量目標値と、前記活動量測定手段が測定した活動量と、を対比して目標達成度を判定する判定手段を備えるとともに、
判定された前記目標達成度が同じである場合に黄体期と卵胞期とで異なる態様で判定結果を出力する上記(6)から(12)のいずれか一項に記載の活動量計。
(15)前記活動目標算出手段は、前記活動量測定手段が測定した活動量の累積量に基づいて前記身体消費目標値の残目標を算出し、前記残目標に基づいて前記活動量目標値を更新する上記(13)または(14)に記載の活動量計。
(16)前記活動目標算出手段は、前記活動量測定手段が測定した活動量の累積量に基づいて前記身体消費目標値の達成予定時期を算出する上記(1)から(15)のいずれか一項に記載の活動量計。
(17)ユーザの身体に関する身体基礎情報の入力を受け付けるステップと、
ユーザの身体消費目標値の入力を受け付けるステップと、
ユーザの活動量の傾向に関するパターン情報を取得するステップと、
前記身体基礎情報、前記身体消費目標値および前記パターン情報に基づいて活動量目標値を決定するステップと、を含む活動目標算出方法。
(18)ユーザの活動量を所定期間に亘って予備測定して前記パターン情報を取得し、予備測定された前記活動量に付加運動消費量を追加して前記活動量目標値を決定する上記(17)に記載の活動目標算出方法。
(19)ユーザの活動量を測定し、前記活動量目標値の目標達成度を所定の期間ごとに判定する上記(17)または(18)に記載の活動目標算出方法。
(20)ユーザの体重に関する体重情報の入力を受け付け、前記体重情報と測定された前記活動量とに基づいて摂取エネルギー目標値の目標達成度を所定の期間ごとに判定する上記(17)から(19)のいずれか一項に記載の活動目標算出方法。
(21)ユーザの活動量の測定結果に基づいて前記身体消費目標値の残目標を算出し、前記残目標に基づいて前記活動量目標値を更新するとともに、
前記身体消費目標値が達成されたときの前記活動量目標値の大小に基づいて、リバウンドの可能性を表すリスク情報を出力する上記(17)から(20)のいずれか一項に記載の活動目標算出方法。
(22)活動量測定手段を備える活動量計のためのプログラムであって、
ユーザの身体に関する身体基礎情報の入力を受け付けるステップと、
ユーザの身体消費目標値の入力を受け付けるステップと、
ユーザの活動量の傾向に関するパターン情報を取得するステップと、
前記身体基礎情報、前記身体消費目標値および前記パターン情報に基づいて活動量目標値を決定するステップと、を含む活動目標算出処理を、前記活動量計に実行させるためのプログラム。