特許第5733246号(P5733246)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5733246
(24)【登録日】2015年4月24日
(45)【発行日】2015年6月10日
(54)【発明の名称】機種判別システム
(51)【国際特許分類】
   H02P 5/00 20060101AFI20150521BHJP
   B66F 9/24 20060101ALN20150521BHJP
【FI】
   H02P7/67 Z
   !B66F9/24 W
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-63074(P2012-63074)
(22)【出願日】2012年3月21日
(65)【公開番号】特開2013-198302(P2013-198302A)
(43)【公開日】2013年9月30日
【審査請求日】2014年5月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(72)【発明者】
【氏名】高野 竜児
(72)【発明者】
【氏名】池田 成喜
【審査官】 森山 拓哉
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−286187(JP,A)
【文献】 特開2001−245488(JP,A)
【文献】 特開2005−168241(JP,A)
【文献】 特開2005−16859(JP,A)
【文献】 特開2007−330000(JP,A)
【文献】 特開2008−131817(JP,A)
【文献】 特開2001−220099(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02P 5/00−5/753
B66F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータの駆動を制御する複数のモータドライバと、
複数の前記モータドライバを制御する制御装置と、
前記制御装置に対して複数の前記モータドライバを通信可能に並列に接続し、前記制御装置から出力される制御信号を複数の前記モータドライバに伝送する制御ラインと、
複数の前記モータドライバと前記制御装置とをそれぞれ通信可能に接続し、前記制御装置から出力される前記モータの動作を停止させる信号を各前記モータドライバに伝送する複数の信号ラインと、
を備え、
前記制御装置は、複数の前記モータドライバが前記モータを駆動するための制御動作を開始する前に、前記モータドライバが自機の制御対象を判別するための判別信号を、各前記信号ラインによって各前記モータドライバにそれぞれ出力し、
各前記モータドライバは、前記制御装置から出力された前記判別信号より自機の制御対象を判別することを特徴とする機種判別システム。
【請求項2】
前記判別信号は方形波のパルス信号であり、
前記判別信号では、前記パルス信号のパルス幅を前記制御対象毎に変えることにより、前記制御対象が区別されている、請求項1記載の判別システム。
【請求項3】
前記判別信号は方形波のパルス信号であり、
前記判別信号では、前記パルス信号のパルス周期を前記制御対象毎に変えることにより、前記制御対象が区別されている、請求項1記載の機種判別システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機種判別システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電動フォークリフトには、走行用モータや荷役用モータなど、複数のモータが搭載されており、また、これら複数のモータのそれぞれに対応して当該モータを制御するためのモータドライバが搭載されている(例えば、特許文献1参照)。これら複数のモータドライバは、コストや汎用性の観点から、走行用と荷役用とでハードウェア構成を同じにしている。そして、同じハードウェア構成を有する複数のモータドライバは同一の通信ライン(CANBUSライン)に接続され、制御装置によってそれぞれの動作が制御される。このため、各モータドライバは、モータを動作させる前に自機の制御対象を判別するための判別信号を制御装置から受け取り、その判別信号に応じて制御対象を判別してソフトウェアを切り替えている。この制御装置から伝送される判別信号の受け取りには、各モータドライバに専用で設けられた機種判別信号線が利用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−316096号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の構成では、モータの搭載数が多くなるとこれに応じて機種判別信号線の数も多くなるため、配線の構成が複雑化すると共にコストが増大するといった問題がある。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、構成の簡易化を図ることができ、コストの増大を抑制できる機種判別システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る機種判別システムは、モータの駆動を制御する複数のモータドライバと、複数のモータドライバを制御する制御装置と、制御装置に対して複数のモータドライバを通信可能に並列に接続し、制御装置から出力される制御信号を複数のモータドライバに伝送する制御ラインと、複数のモータドライバと制御装置とをそれぞれ通信可能に接続し、制御装置から出力されるモータの動作を停止させる信号を各モータドライバに伝送する複数の信号ラインと、を備え、制御装置は、複数のモータドライバがモータを駆動するための制御動作を開始する前に、モータドライバが自機の制御対象を判別するための判別信号を、各信号ラインによって各モータドライバにそれぞれ出力し、各モータドライバは、制御装置から出力された判別信号より自機の制御対象を判別することを特徴とする。
【0007】
この機種判別システムでは、制御装置が、モータドライバが制御動作を開始する前に、モータドライバが自機の制御対象を判別するための判別信号を、信号ラインによって各モータドライバに出力する。モータの動作を停止させる信号である例えばイネーブル信号やスタンバイ信号などは、モータが動作しているときに信号ラインを介して制御装置から各モータドライバに伝送される信号である。この信号ラインは、モータの制御を実施するために必須のラインであり、通常はモータの動作中に用いられる。そこで、モータが動作を開始する前に、判別信号を信号ラインによって各モータドライバに出力することにより、判別信号を伝送するためのラインを設けなくとも予め設けられている信号ラインによって判別信号をモータドライバに伝送できる。したがって、判別信号用のラインを削減できる。その結果、構成の簡易化を図ることができ、コストの増大を抑制できる。
【0008】
判別信号は方形波のパルス信号であり、判別信号では、パルス信号のパルス幅を制御対象毎に変えることにより、制御対象が区別されている。また、判別信号は方形波のパルス信号であり、判別信号では、パルス信号のパルス周期を制御対象毎に変えることにより、制御対象が区別されている。このような判別信号を用いることにより、モータドライバにおいて制御対象を好適に判別できる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、構成の簡易化を図ることができ、コストの増大を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】機種判別システムの構成を示すブロック図である。
図2】判別信号の波形を示す図である。
図3】判別信号の波形を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0012】
図1は、機種判別システムの構成を示すブロック図である。図1に示す機種判別システム1は、例えば電動フォークリフトに搭載されるシステムである。機種判別システム1は、ECU(Electric Control Unit:制御装置)3と、複数(ここでは2機)の第1及び第2モータドライバ5,7とを備えている。ECU3と第1及び第2モータドライバ5,7とは、制御ラインL1、及び、第1及び第2信号ラインL2,L3により接続されている。本実施形態では、第1及び第2モータドライバ5,7が走行モータ9と荷役モータ11との2つのモータを制御する形態を一例に説明する。
【0013】
制御ラインL1は、例えば、CAN(Controller Area Network)BUSであり、ECU3と第1及び第2モータドライバ5,7とを相互に通信可能に接続している。制御ラインL1により、第1及び第2モータドライバ5,7は、ECU3に対して並列に接続されている。制御ラインL1は、後述するECU3から出力される制御信号を伝送すると共に、第1及び第2モータドライバ5,7から出力される信号(情報)を伝送する。
【0014】
第1及び第2信号ラインL2,L3は、ECU3と第1及び第2モータドライバ5,7のそれぞれとを通信可能に接続している。第1信号ラインL2は、ECU3と第1モータドライバ5とを一対一に接続しており、第2信号ラインL3は、ECU3と第2モータドライバ7とを一対一に接続している。すなわち、第1及び第2信号ラインL2,L3は、ECU3と第1及び第2モータドライバ5,7のそれぞれとを独立して接続している。
【0015】
第1及び第2信号ラインL2,L3は、ECU3から出力されるEN(イネーブル)信号やスタンバイ信号(モータ9,11の動作を停止させる信号)を伝送する。EN信号及びスタンバイ信号は、第1及び第2モータドライバ5,7がモータ9,11の動作を制御しているときにECU3から出力される信号であり、モータ9,11の動作を許可又は緊急停止させるものである。即ち、EN信号やスタンバイ信号は、モータ9,11が動作していない第1及び第2モータドライバ5,7の非制御中には伝送する必要がない。そこで、この第1及び第2モータドライバ5,7の非制御中の期間を使用して、第1及び第2信号ラインL2,L3は、ECU3から出力される判別信号S1,S2(図2参照)を伝送する。
【0016】
ECU3は、電動フォークリフトの動作を総合的に制御する部分である。ECU3は、制御ラインL1を介して第1及び第2モータドライバ5,7にモータ9,11を制御するための制御信号を出力する。ECU3から出力される制御信号には、第1モータドライバ5及び第2モータドライバ7それぞれの動作を制御する情報が含まれている。
【0017】
また、ECU3は、第1モータドライバ5及び第2モータドライバ7に対して、第1モータドライバ5及び第2モータドライバ7において自機の制御対象を判別するための判別信号を出力する。図2は、判別信号の波形を示す図である。図2に示すように、判別信号S1,S2は、方形波のパルス信号である。判別信号S1,S2は、走行モータ9用(図2(a))と荷役モータ11用(図2(b))との2種類があり、第1及び第2モータドライバ5,7のそれぞれに出力される。
【0018】
判別信号S1と判別信号S2とは、一周期Tにおけるパルス幅(デューティ比)が異なっており、これにより走行モータ9用と荷役モータ11用とに区別されている。具体的には、図2(a)に示すように、走行モータ9用の判別信号S1は、一周期Tにおいてオン期間(Hi)が「d1ON」であり、オフ期間(Low)が「d1OFF」である。また、図2(b)に示すように、荷役モータ11用の判別信号S2は、一周期Tにおいてオン期間が「d2ON」であり、オフ期間「d2OFF」である。このように、判別信号S1と判別信号S2とでは、一周期Tにおけるオン期間とオフ期間との割合が異なっている(d1ON<d2ON,d1OFF>d2OFF)。なお、後述する第1及び第2モータドライバ5,7は、例えば0.5ms間隔で信号を取得している。そのため、判別信号におけるパルス幅は、第1及び第2モータドライバ5,7が信号を取得する間隔(例えば0.5ms)よりも大きいことが好ましい。
【0019】
ECU3は、例えば電動フォークリフトがオンにされると、第1モータドライバ5及び第2モータドライバ7に判別信号S1,S2を第1及び第2信号ラインL2,L3を介してそれぞれ出力する。すなわち、ECU3は、第1及び第2モータドライバ5,7が制御動作を開始する前に、第1及び第2信号ラインL2,L3を介して判別信号S1,S2を出力する。ECU3は、判別信号S1,S2を出力した後、第1モータドライバ5及び第2モータドライバ7に対して、制御信号を制御ラインL1を介して出力する。
【0020】
第1モータドライバ5と第2モータドライバ7とは、同じハードウェア構成を有している。また、第1モータドライバ5及び第2モータドライバ7には、走行モータ9を制御するためのソフトウェアと、荷役モータ11を制御するためのソフトウェアとがプログラムされている。第1及び第2モータドライバ5,7では、ソフトウェアが制御対象に応じて切り替え可能とされている。そのため、第1及び第2モータドライバ5,7では、走行モータ9及び荷役モータ11の両方の制御が可能とされている。
【0021】
第1モータドライバ5は、ECU3から出力される制御信号に応じて、モータの駆動を制御する。本実施形態では、第1モータドライバ5には例えば走行モータ9が接続されており、第1モータドライバ5が走行モータ9を制御する。第1モータドライバ5は、ECU3から第1信号ラインL2を介して出力された判別信号S1を受けとると、判別信号S1が走行モータ9用又は荷役モータ11用であるのかを判別する。具体的には、第1モータドライバ5は、受信した判別信号S1と予め設定されている2種類の判別信号とを比較し、受信した判別信号S1が走行モータ9用又は荷役モータ11用であるのかを判別する。
【0022】
第1モータドライバ5は、ECU3から出力された判別信号S1が走行モータ9用であると判別すると、プログラムされている走行モータ9用のソフトウェアを選択して設定する。また、第1モータドライバ5は、走行モータ9用であると判別したことを示す信号を制御ラインL1を介してECU3に出力する。これにより、ECU3は、この信号を受け取ると、判別信号S1の出力を停止する。そして、第1モータドライバ5は、ECU3から出力される制御信号のうち、走行モータ9の制御に係る信号を取得して、制御信号に応じて走行モータ9を制御する。また、第1モータドライバ5は、ECU3から第1信号ラインL2を介してEN信号(スタンバイ信号)を受け取ると、走行モータ9の制御を終了(走行モータ9の動作を停止)する。
【0023】
第2モータドライバ7は、ECU3から出力される制御信号に応じて、モータの駆動を制御する。本実施形態では、第2モータドライバ7には例えば荷役モータ11が接続されており、第2モータドライバ7が荷役モータ11を制御する。第2モータドライバ7は、ECU3から第2信号ラインL3を介して出力された判別信号S2を受け取ると、判別信号S2が走行モータ9用又は荷役モータ11用であるのかを判別する。具体的には、第2モータドライバ5は、受信した判別信号S2と予め設定されている2種類の判別信号とを比較し、受信した判別信号S2が走行モータ9用又は荷役モータ11用であるのかを判別する。
【0024】
第2モータドライバ7は、ECU3から出力された判別信号S2が荷役モータ11用であると判別すると、プログラムされている荷役モータ11用のソフトウェアを選択して設定する。また、第2モータドライバ7は、荷役モータ11用であると判別したことを示す信号を制御ラインL1を介してECU3に出力する。これにより、ECU3は、この信号を受け取ると、判別信号S2の出力を停止する。そして、第2モータドライバ7は、ECU3から出力される制御信号のうち、荷役モータ11の制御に係る信号を取得して、制御信号に応じて荷役モータ11を制御する。また、第2モータドライバ7は、ECU3から第2信号ラインL3を介してEN信号(スタンバイ信号)を受け取ると、荷役モータ11の制御を終了(荷役モータ11の動作を停止)する。
【0025】
第1及び第2モータドライバ5,7では、電動フォークリフトが起動されたときに初期化され、判別内容がリセットされる。すなわち、第1及び第2モータドライバ5,7では、電動フォークリフトが起動される度に、上述の判別処理が実施される。
【0026】
続いて、機器判別システム1の動作を説明する。まず、電動フォークリフトにおいてキースイッチがオンにされると、ECU3は、第1及び第2モータドライバ5,7のそれぞれに判別信号S1,S2を出力する。
【0027】
次に、第1及び第2モータドライバ5,7は、ECU3から出力された判別信号S1,S2を受け取ると、予め記憶されている判別信号と判別信号S1,S2とを比較し、ECU3から出力された判別信号S1,S2が走行モータ9用又は荷役モータ11用であるのかを判別する。そして、第1及び第2モータドライバ5,7は、判別結果に応じてソフトウェアを切り替えると共に、ECU3に判別した結果を示す信号を出力する。
【0028】
続いて、第1及び第2モータドライバ5,7は、ECU3から出力される制御信号のうち、判別した制御対象(走行モータ9又は荷役モータ11)に係る制御信号を受け取り、当該制御信号に応じて走行モータ9及び荷役モータ11のそれぞれを制御信号に応じて制御する。
【0029】
以上説明したように、本実施形態では、ECU3が、第1及び第2モータドライバ5,7が制御動作を開始する前に、第1及び第2モータドライバ5,7が自機の制御対象を判別するための判別信号S1,S2を、第1及び第2信号ラインL2,L3によって第1及び第2モータドライバ5,7に出力する。モータ9,11の動作を停止させる信号である例えばEN信号やスタンバイ信号などは、モータ9,11が動作しているときに第1及び第2信号ラインL2,L3を介してECU3から第1及び第2モータドライバ5,7に伝送される信号である。この第1及び第2信号ラインL2,L3は、モータ9,11の制御を実施するために必須のラインであり、通常はモータ9,11の動作中に用いられる。
【0030】
そこで、モータ9,11が動作を開始する前に、判別信号S1,S2を第1及び第2信号ラインL2,L3によって第1及び第2モータドライバ5,7に出力することにより、判別信号S1,S2を伝送するためのラインを設けなくとも予め設けられている第1及び第2信号ラインL2,L3によって判別信号S1,S2を第1及び第2モータドライバ5,7に伝送できる。したがって、判別信号S1,S2専用のラインを削減できる。その結果、構成の簡易化を図ることができ、コストの増大を抑制できる。具体的には、例えば判別信号用の専用のラインが不要になり、そのラインが接続されるコネクタにおいてピンの数を減らすことができるので、コネクタの小型化及び簡易化が図れ、コストの増大が抑制できる。
【0031】
また、本実施形態では、判別信号S1と判別信号S2とを、パルス信号におけるパルス幅により区別している。これにより、第1及び第2モータドライバ5,7において、自機が制御対象とするモータが走行モータ9又は荷役モータ11であるのかを好適に判別できる。
【0032】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、判別信号S1,S2において、一周期Tにおけるパルス幅をそれぞれ変えることにより、走行モータ9用と荷役モータ11用とが区別されているが、判別信号は以下のような信号であってもよい。図3は、判別信号の波形を示す図である。
【0033】
図3に示すように、判別信号S11と判別信号S12とは、パルス周期が異なっている。図3(a)に示すように、判別信号S11は、例えば所定時間Sにおいて2周期存在するパルス周期T1を有している。また、図3(b)に示すように、判別信号S12は、例えば所定時間Sにおいて10周期存在するパルス周期T2を有している。このような判別信号S11,S12により、第1及び第2モータドライバ5,7において、自機の制御対象を好適に判別できる。なお、判別信号は、図2及び図3に示す信号に限定されず、モータドライバ5,7において判別可能な信号であればよい。
【0034】
また、上記実施形態に加えて、機種判別システム1では、第1モータドライバ5及び第2モータドライバ7のそれぞれに接続される機器に基づいて、自機の制御対象を判別してもよい。例えば、走行モータ9を制御する第1モータドライバ5には、回転角を検出するホールICが2個(前進用及び後進用)接続されていると共に、モータ温度センサが接続されている。一方、荷役モータ11を制御する第2モータドライバ7には、ホールICが1個接続されており、温度センサは接続されていない。このように、機種判別システム1では、第1及び第2モータドライバ5,7が自機に接続されている機器に基づいて制御対象を判別してもよい。
【0035】
また、上記実施形態では、モータドライバを2機備える構成を一例に説明したが、モータドライバは、制御対象となるモータの数に対応して設けられればよい。このような構成では、ECU3と各モータドライバとが信号ラインにより接続され、判別信号が各モータドライバに出力されればよい。
【0036】
また、上記実施形態では、機器判別システム1を電動フォークリフトに適用した一例を示したが、機器判別システム1は、例えばハイブリット車やインホイールモータを備える車両などに適用できる。
【符号の説明】
【0037】
1…機種判別システム、3…ECU(制御装置)、5…第1モータドライバ、7…第2モータドライバ、9…走行モータ、11…荷役モータ、L1…制御ライン、L2…第1信号ライン、L3…信号ライン、S1,S2,S11,S12…判別信号。
図1
図2
図3