(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5733529
(24)【登録日】2015年4月24日
(45)【発行日】2015年6月10日
(54)【発明の名称】コンベヤおよび仕分け設備
(51)【国際特許分類】
B65G 47/38 20060101AFI20150521BHJP
B65G 17/18 20060101ALI20150521BHJP
B65G 17/34 20060101ALI20150521BHJP
【FI】
B65G47/38
B65G17/18 A
B65G17/34
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-55199(P2012-55199)
(22)【出願日】2012年3月13日
(65)【公開番号】特開2013-189268(P2013-189268A)
(43)【公開日】2013年9月26日
【審査請求日】2014年2月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001298
【氏名又は名称】特許業務法人森本国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松井 修
(72)【発明者】
【氏名】江口 喬久
【審査官】
篠原 将之
(56)【参考文献】
【文献】
特開平09−327667(JP,A)
【文献】
特開2001−031237(JP,A)
【文献】
特開2007−245133(JP,A)
【文献】
実開平07−004432(JP,U)
【文献】
特公平06−010050(JP,B2)
【文献】
特開昭61−295920(JP,A)
【文献】
米国特許第05901854(US,A)
【文献】
実開昭57−169715(JP,U)
【文献】
特開昭58−135026(JP,A)
【文献】
特開昭59−217524(JP,A)
【文献】
実開昭50−121479(JP,U)
【文献】
中国特許出願公開第103303666(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/38
B65G 17/18
B65G 17/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送方向に並設された多数の物品支持体により下面が平らな物品を載置して搬送し得るとともに、上記物品支持体を排出シュート上流部で傾倒させて上記物品を当該物品支持体の長手方向に送り出し得るコンベヤであって、
上記物品支持体が、物品を載置し得る硬質の載置面を有し、
上記載置面が物品支持体の短手方向において凸状に形成され、長手方向において直線状に形成されることにより、1つの物品を複数の物品支持体の載置面で支持し得る構成であり、上記物品支持体が、物品の送り出し側とは反対側で片持状に構成され、且つ物品を載置する前の物品支持体が、物品の送り出し側で高くされていることを特徴とするコンベヤ。
【請求項2】
載置面の凸状が湾曲凸状であることを特徴とする請求項1に記載のコンベヤ。
【請求項3】
載置面の凸状が山折状であることを特徴とする請求項1に記載のコンベヤ。
【請求項4】
コンベヤが設けられた仕分け設備であって、
上記コンベヤが、搬送方向に並設された多数の物品支持体により、下面が平らな物品を載置して搬送し得るとともに、上記物品支持体を排出シュート上流部で傾倒させて物品を物品支持体の長手方向に送り出し得るものであり、
上記物品支持体が、物品を載置し得る硬質の載置面を有し、
上記載置面が物品支持体の短手方向において凸状に形成され、長手方向において直線状に形成されることにより、1つの物品を複数の物品支持体の載置面で支持し得る構成であり、上記物品支持体が、物品の送り出し側とは反対側で片持状に構成され、且つ物品を載置する前の物品支持体が、物品の送り出し側で高くされていることを特徴とする仕分け設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンベヤおよび仕分け設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
仕分け設備に設けられるコンベヤの一例として、搬送方向に並設された多数の物品支持体により搬送面を形成し、この搬送面に載置した物品を搬送し得るとともに、物品を載置した物品支持体を傾倒させて当該物品を送り出し得るように構成されたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、上記搬送面には、上記物品支持体の上面にブラシ状の立毛部材が配設されている。
【0003】
ところで、上記特許文献1のコンベヤでは、載置する物品が重いと、ブラシ状の立毛部材に物品が沈み込むので、物品支持体を十分に傾倒させなければ、物品を送り出すことができない。このため、立毛部材を配設しないコンベヤも実用化されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭58−135026号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、立毛部材を配設しないコンベヤでは、製作誤差などにより、各物品支持体の上面高さが均一ではなく、搬送面に段差が生ずることが一般的である。このようなコンベヤにおいて、物品支持体の幅を狭くした場合、すなわち、載置した物品が複数の物品支持体に亘る場合、これら複数の物品支持体のうち最も上面の高い物品支持体だけで物品を支持することになり、その1つの物品支持体に物品の荷重が集中する。このため、物品の荷重が集中する物品支持体、すなわち、上面の高い物品支持体が、他の物品支持体に比べて早期に破損するという問題があった。したがって、1つの物品が複数の物品支持体に亘る程度に物品支持体の幅を狭くできず、結果として、コンベヤに載置する物品の間が広くなり、搬送効率が低下するという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、物品を十分に送り出すことができるとともに、製作誤差などによる特定の物品支持体が早期に破損することなく、搬送効率を向上させたコンベヤおよび仕分け設備を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、搬送方向に並設された多数の物品支持体により
下面が平らな物品を載置して搬送し得るとともに、上記物品支持体を
排出シュート上流部で傾倒させて上記物品を当該物品支持体の長手方向に送り出し得るコンベヤであって、
上記物品支持体が、物品を載置し得る硬質の載置面を有し、
上記載置面が物品支持体の短手方向において凸状に形成され、
長手方向において直線状に形成されることにより、1つの物品を複数の物品支持体の載置面で支持し得る構成であり、
上記物品支持体が、物品の送り出し側とは反対側で片持状に構成され、且つ物品を載置する前の物品支持体が、物品の送り出し側で高くされていることを特徴とするものである。
【0008】
上記構成によれば、1つの物品が複数の物品支持体に亘っても、その物品が複数の物品支持体の載置面で支持されることで、物品の荷重が1つの物品支持体に集中しない。また、載置面が硬質であるから、物品を載置面に載置しても物品は沈み込まず、物品支持体を傾倒させると物品はスムーズに滑り降りる。
また、片持状に構成された物品支持体が、物品を載置することで物品の送り出し側が下がっても、物品が滑る程度にまで物品の送り出し側が低くならない。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、載置面の凸状が湾曲凸状であることを特徴とするものである。
上記構成によれば、物品が1つの物品支持体の載置面で支持されると不安定になり、当該物品が複数の物品支持体の載置面で支持される。
【0010】
さらに、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、載置面の凸状が山折状であることを特徴とするものである。
上記構成によれば、物品が1つの物品支持体の載置面で支持されると一層不安定になり、当該物品が複数の物品支持体の載置面で確実に支持される。
【0012】
また、
請求項4に記載の発明は、コンベヤが設けられた仕分け設備であって、
上記コンベヤが、搬送方向に並設された多数の物品支持体により、
下面が平らな物品を載置して搬送し得るとともに、上記物品支持体を
排出シュート上流部で傾倒させて物品を物品支持体の長手方向に送り出し得るものであり、
上記物品支持体が、物品を載置し得る硬質の載置面を有し、
上記載置面が物品支持体の短手方向において凸状に形成され、
長手方向において直線状に形成されることにより、1つの物品を複数の物品支持体の載置面で支持し得る構成であり、
上記物品支持体が、物品の送り出し側とは反対側で片持状に構成され、且つ物品を載置する前の物品支持体が、物品の送り出し側で高くされていることを特徴とするものである。
【0013】
上記構成によれば、仕分け設備のコンベヤにおいて、1つの物品が複数の物品支持体に亘っても、その物品が複数の物品支持体の載置面で支持されることで、物品の荷重が1つの物品支持体に集中しない。また、載置面が硬質であるから、物品を載置面に載置しても物品は沈み込まず、物品支持体を傾倒させると物品はスムーズに滑り落ちる。
【発明の効果】
【0014】
本発明のコンベヤは、複数の物品支持体に亘る物品が載置されても当該物品の荷重が分散されるので、特定の物品支持体が早期に破損することを防止できる。また、物品支持体の幅を狭くして1つの物品が複数の物品支持体に亘るように構成可能であるから、搬送する物品の間を狭くして、搬送効率を向上させることができる。さらに、傾倒させた物品支持体から物品がスムーズに滑り降りることで、十分に物品を送り出すことができる。
【0015】
また、本発明の仕分け設備は、これに設けられたコンベヤにおいて、複数の物品支持体に亘る物品が載置されても当該物品の荷重が分散されるので、特定の物品支持体が早期に破損することを防止できる。また、物品支持体の幅を狭くして1つの物品が複数の物品支持体に亘るように構成可能であるから、搬送する物品の間を狭くして、搬送効率を向上させることができる。さらに、傾倒させた物品支持体から物品がスムーズに滑り降りることで、十分に物品を送り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施の形態に係る仕分け設備の斜視図である。
【
図4】同仕分け設備に設けられた搬送コンベヤにおける物品支持体の斜視図である。
【
図6】
図5のB−B断面図であり、(a)は同物品支持体の載置面に物品を載置した時点の図を示し、(b)は物品が2つの物品支持体の載置面に支持された状態を示す。
【
図7】同搬送コンベヤに物品を最小間隔で載置した状態を示す斜視図である。
【
図8】同物品支持体の載置面の形状を変えた例を示す物品支持材の横断面図であり、(a)は同物品支持体の載置面に物品を載置した時点の図を示し、(b)は物品が2つの物品支持体の載置面に支持された状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態に係るコンベヤおよび仕分け設備を図面に基づき説明する。
まず、上記仕分け設備の概略について
図1および
図2に基づき簡単に説明する。ここで、
図1は上記仕分け設備の斜視図を示し、
図2は上記仕分け設備の平面図を示す。
【0018】
図1および
図2に示すように、この仕分け設備1は、物品Wを載置して搬送するとともに当該物品Wを選別して側方に送り出し得る搬送コンベヤ2と、この搬送コンベヤ2の側方に配置されて当該搬送コンベヤ2から送り出された物品Wを受ける複数の排出シュート3とが設けられている。なお、以下では、物品Wの搬送方向を上下流方向といい、下流(搬送先)に向かっての左右を左右方向という。
【0019】
上記搬送コンベヤ2は、左右方向が長手方向となるように所定ピッチに並設された(鍵盤状に配置された)多数の物品支持体(物品支持体ともいえる)11を、下流方向へ走行移動し得るようにしたものである。また、上記搬送コンベヤ2は、物品Wが載置された物品支持体11を左側(排出シュート3側)が低くなるように傾倒させることで、当該物品Wを滑り降ろして送り出すものである。このため、上記搬送コンベヤ2には、物品支持体11を傾倒させるための傾倒作動装置21が、物品支持体11の右側(排出シュート3とは反対側)で且つ各排出シュート3の上流端部に対応する位置に設置されている。
【0020】
上記排出シュート3は、搬送コンベヤ2から送り出された物品Wを、搬送コンベヤ2から離れる方向へ滑り降ろして貯留するものである。具体的に説明すると、上記排出シュート3は、搬送コンベヤ2から左右方向(
図1および2では一例として左方向)へ離れるにつれて低くした傾斜面31fを上面に有する傾斜台31と、この傾斜面31fの上下流側端縁および低側端縁に垂設されて物品Wの零れ落ちを防止するとともに物品Wを貯留し得る隔壁板32とを備えている。
【0021】
以下、上記搬送コンベヤ2について詳細に説明する。
まず、上記搬送コンベヤ2の全体構成について
図3に基づき説明する。ここで、
図3は
図1および
図2のA−A断面図を示す。
【0022】
図3に示すように、この搬送コンベヤ2は、上下流方向に設けられたガイドレール12と、このガイドレール12に案内されて物品支持体11を下流方向へ走行移動させる走行部13と、この走行部13の左側(排出シュート3側)に取り付けられた走行台座14と、物品支持体11の下方で上下流方向に配置されて傾倒した物品支持体11を受ける棒状ガイド15とを備えている。この棒状ガイド15は、排出シュート3に対応する位置において、
図3に示すように、物品支持体11が傾倒する角度δを20〜60°程度(好ましくは25〜35°であり30°が最適である)とする位置に配置されている。また、上記棒状ガイド15は、隣り合う排出シュート3の間に対応する位置において、図示しないが、傾倒した物品支持体11を案内して略水平状態に戻す位置に配置されている。
【0023】
次に、各物品支持体11に関連する部材について説明する。
図3に示すように、この搬送コンベヤ2は、上記走行台座14の上面に設けられて物品支持体11を上下流方向の第一支持軸16aで回転自在に支持するブラケット16と、このブラケット16に上下流方向の第二支持軸16bで回転自在に支持されるとともに物品支持体11の回転を規制して当該物品支持体11を略水平状態に維持し得る係合部材17とを備えている。この係合部材17には、物品支持体11に係合して当該物品支持体11の回転を規制し得る爪部17aと、上方から当接を受けることで係合部材17を回転させる受部17bとが形成されている。すなわち、上記係合部材17は、上記爪部17aに物品支持体11を係合させて当該物品支持体11の略水平状態を維持する一方、上記受部17bが上方から当接を受けることで、自身が回転して上記係合を解除するものである。このため、略水平状態に維持された物品支持体11は、片持状に構成(保持)されているといえる。
【0024】
さらに、上記傾倒作動装置21について説明する。
図3に示すように、この傾倒作動装置21は、スタンド25に支持されてプッシャー22aを下方に出退させ得るアクチュエータ22と、このアクチュエータ22の下方において一端部がスタンド25に支持されるとともに他端部が上記受部17bの直上方に位置する当接片23とを備えている。この当接片23は、下方に突出させたプッシャー22aに押し下げられることで、上記他端部が上記受部17bに当接して爪部17aと物品支持体11との係合を解除し得る位置に配置されている。
【0025】
次に、本発明の要旨である上記物品支持体11について
図4〜
図6に基づき詳細に説明する。ここで、
図4は物品支持体11の斜視図を示し、
図5は物品支持体11を上流側から見た正面図を示し、
図6は
図5のB−B断面図を示す。
【0026】
各物品支持体11は、硬質の材料(例えば、プラスチック、金属、木材など)からなり、
図3〜
図5に示すように、右端部に物品Wの右方への零れ落ちを防止するストッパー18sが形成された長尺状の物品支持材18と、この物品支持材18の右下部に取り付けられてブラケット16により回転自在に支持されるとともに爪部17aに係合され得る回転支持材19と、物品支持体11の下端に取り付けられて傾倒した当該物品支持体11を上記棒状ガイド15との衝突から保護する緩衝材10(例えばゴムなど弾性材料からなる)とを備えている。また、各物品支持体11は、係合部材17の爪部17aに上記回転支持材19が係合されることにより、略水平状態、正確には
図5に示すように、左側(排出シュート3側)を僅かに高くした状態に維持されて、載置した物品Wの左方への零れ落ちを防止するようにされている。ここで、係合部材17の爪部17aに係合した(左側を僅かに高くした)物品支持体11の上端面(後述するが載置面18fである)と水平面Hとの角度θは、物品Wが右側に滑り降りない程度が好ましい。
【0027】
上記物品支持材18には、
図4および
図5に示すように、物品Wを載置し得る面である載置面18fを有している。この載置面18fは、正確に説明すると、載置した物品Wが接触し得る面である。また、上記載置面18fは、上記物品支持材18が硬質の材料からなるので、当然ながら硬質である。さらに、上記載置面18fは、
図4に示すように、物品支持体11の短手方向において湾曲凸状に形成されている。すなわち、上記載置面18fは、
図6(a)および(b)に示すように、物品支持体11の横断面において、上円弧に形成されている。このため、
図6(a)に示すように、複数の物品支持体11に製作誤差などにより段差tがある場合でも、これら複数の物品支持体11に亘る物品Wを載置すると、1つの物品支持体11の載置面18fで支持された物品Wは不安定であるから、
図6(b)に示すように、当該物品Wが傾斜して他の物品支持体11の載置面18fでも支持される。したがって、上記物品支持体11は、複数の物品支持体11に亘る1つの物品Wを複数(少なくとも2つ)の物品支持体11の載置面18fで支持し得る構成であるといえる。なお、上記載置面18fは、
図3〜
図5に示すように、物品支持体11の長手方向において直線状に形成されている。
【0028】
以下、上記仕分け設備1におけるコンベヤの作用について説明する。
下流方向に走行移動する多数の物品支持体11に物品Wを載置していくと、これら物品Wは下流側に搬送される。ここで、物品支持体11の載置面18fは硬質であるから、物品Wは載置面18fに沈み込むことなく、載置面18fで物品Wが滑りやすい状態にある。さらに、物品支持体11は右側(排出シュート3とは反対側)で片持状に保持されているため、物品Wを載置した物品支持体11は、物品Wの荷重による撓みなどにより、左側(排出シュート3側)が下がるおそれがある。しかし、物品Wを載置する前の物品支持体11は、左側を僅かに高くした状態に維持されているので、物品Wを載置した物品支持体11は、左側が下がっても右側より低くならない。このため、物品支持体11に載置された物品Wは、左側に滑って零れ落ちることなく搬送される。
【0029】
そして、物品Wがその仕分け先に対応する排出シュート3の上流端部にまで搬送されると、傾倒作動装置21が作動し、アクチュエータ22がプッシャー22aを下方に突出させる。これにより、当接片23がプッシャー22aにより押し下げられて受部17bに当接し、係合部材17が回転して爪部17aと物品支持体11との係合が解除される。そして、物品支持体11は自重および物品Wの荷重により傾倒して棒状ガイド15で受けられる。このとき、緩衝材10により、棒状ガイド15との衝突から物品支持体11が保護される。傾倒した物品支持体11において、上記の通り載置面18fは硬質であるから、物品Wがスムーズに載置面18fを滑り降りて、排出シュート3に送り出される。排出シュート3に送り出される位置は、傾斜面31fの上流側端部であるが、当該物品Wには搬送されていたことによる下流方向への慣性力が作用するので、
図1および
図2に示すように、当該物品Wは傾斜面31fにおいて下流側に移動しつつ左側(低側)に滑り降りて貯留される。
【0030】
ところで、
図6(a)に示すように、複数の物品支持体11に製作誤差などにより段差tがある場合でも、これら複数の物品支持体11に亘る物品Wを載置すると、1つの物品支持体11の載置面18fで支持された物品Wは不安定であるから、
図6(b)に示すように、当該物品Wが傾斜して他の物品支持体11の載置面でも支持される。したがって、物品Wの荷重が少なくとも2つの物品支持体11に分散されて、1つの物品支持体11に集中することはない。
【0031】
このように、上記実施の形態に係る仕分け設備1の搬送コンベヤ2によると、複数の物品支持体11に亘る物品Wが載置されても当該物品Wの荷重が分散されるので、特定の物品支持体11が早期に破損することを防止できる。また、物品支持体11の幅を狭くして1つの物品Wが複数の物品支持体11に亘るように構成可能であるから、
図7に示すように、搬送する物品Wの最小間隔d(1つの物品支持体11の幅に相当)を狭くして、搬送効率を向上させることができる。
【0032】
また、傾倒させた物品支持体11から物品Wがスムーズに滑り降りることで、十分に物品Wを排出シュート3に送り出すことができる。
さらに、物品支持体11は、排出シュート3側を高くした状態に維持して物品Wが載置されるので、物品Wが載置されても排出シュート3側が低くならず、硬質の載置面18fであっても、物品支持体11に載置された物品Wを零れ落とすことなく搬送することができる。
【0033】
ところで、上記実施の形態では、載置面18fが物品支持体11の短手方向において湾曲凸状に形成されているとして説明したが、これに限定されるものではなく、
図8(a)および(b)に示すように、物品支持材48の載置面48fが物品支持体11の短手方向において山折状に形成されたものであってもよい。この場合、
図8(a)に示すように、複数の物品支持体11に製作誤差などにより段差tがある場合でも、これら複数の物品支持体11に亘る物品Wを載置すると、1つの物品支持体11の載置面で支持された物品Wは一層不安定であるから、
図8(b)に示すように、当該物品Wが直ちに傾斜して他の物品支持体11の載置面48fでも確実に支持される。勿論、載置面48fはこれら
図6および
図8に限定されるものではなく、物品支持体11の短手方向において凸状に形成されることにより、1つの物品Wを複数の物品支持体11の載置面で支持し得る構成であればよい。
【0034】
また、上記実施の形態では、物品Wを載置した物品支持体11の左側は右側より低くならないとして説明したが、これに限定されるものではない。具体的には、搬送される物品Wのうち基準重量と定義された物品(以下では基準物品という)が物品支持体11に載置されると、当該物品支持体11は左側が適度に下がって水平状態となる。また、基準物品よりも軽い物品が物品支持体11に載置されると、当該物品支持体11は左側が若干下がって右側より僅かに高くなる。さらに、基準物品よりも重い物品が物品支持体11に載置されると、当該物品支持体11は左側が下がって右側より僅かに低くなる。いずれにおいても、物品Wを載置した物品支持体11の傾斜は、載置された物品Wが左右に滑り下りない程度である。
【符号の説明】
【0035】
W 物品
1 仕分け設備
2 搬送コンベヤ
11 物品支持体
18f 載置面