特許第5733544号(P5733544)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5733544
(24)【登録日】2015年4月24日
(45)【発行日】2015年6月10日
(54)【発明の名称】電子機器カバー
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/00 20060101AFI20150521BHJP
   H05K 5/03 20060101ALI20150521BHJP
   H01B 17/56 20060101ALI20150521BHJP
【FI】
   H05K7/00 B
   H05K5/03 D
   H01B17/56 L
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-57569(P2014-57569)
(22)【出願日】2014年3月20日
(62)【分割の表示】特願2010-147900(P2010-147900)の分割
【原出願日】2010年6月29日
(65)【公開番号】特開2014-123776(P2014-123776A)
(43)【公開日】2014年7月3日
【審査請求日】2014年3月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】山本 賢
【審査官】 遠藤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−312781(JP,A)
【文献】 特開平09−027685(JP,A)
【文献】 特開2005−236154(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/00
H05K 5/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面状のカバー本体の一端縁に設けられたヒンジ状部によりケース本体に係止されケース本体に設けられた開口部をカバー本体が覆う電子機器カバーにおいて、
前記カバー本体に取り付けられた電池本体と、
この電池本体に一端が接続されるケーブルと、
このケーブルの他端に接続され前記ケース本体の開口部内の基板上に設けられたコネクタに接続されるコネクタと、
前記カバー本体の一端縁側に一端が接続され、途中が前記カバー本体の平面と平行をなし、他端が前記カバー本体との間に前記他端の弾性変形により前記ケーブルの途中をとおし、前記カバー本体と共同して挟持出来るような隙間を有し、前記カバー本体の開閉に伴い前記ケーブルの途中が前記カバー本体と共同して挟持され、且つ前記ケーブルの途中が前記カバー本体の平面に平行に移動するように拘束されて前記ケーブルのたるみを吸収する係止腕と、
を具備したことを特徴とする電子機器カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器カバーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
図10は従来より一般に使用されている従来例の要部構成説明図である。
図において、電子機器のケース1の側面の内部などに付いた基板2の上のコネクタ41にカバー31を付ける場合、図10に示す如く、ヒンジ状にカバー31を取付ける。
ケース1の上下に突起部3を付け、カバー31には穴32を付けて、ケースの突起部3をカバーの穴32に入れて、カバー31とケース1を組立てる。
【0003】
カバー31には、コネクタ41にコネクタ接続される電池11が取り付けられている。
電池11にはケーブル12とコネクタ13が付いている。
そして、電池11をケース1内で保持するために、カバー31の下側には、電池11を保持するための溝33が付いている。
また、カバー31の上側にも同様に電池11を保持するための爪34が付いている。
【0004】
基板2の上には、電池のコネクタ13を接続するコネクタ41が付いている。
カバー31に電池11を取付け後、電池11のコネクタ13を基板上のコネクタ41に接続させる。
ケースの突起部3に、カバー31の穴32を挿入し、カバーの止爪35をケースの止爪4に付けて、カバー31を閉じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平09−170619号公報
【特許文献2】特開2002−051131号公報
【特許文献3】特開2002−139024号公報
【特許文献4】特開2004−085071号公報
【特許文献5】特開2006−058414号公報
【特許文献6】特開2006−129038号公報
【特許文献7】特開2007−013813号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような装置においては、以下の問題点がある。
ケース1に取付いた状態では、電池11から基板上のコネクタ41に接続されたケーブル12の位置が定まらず、ケーブル12が基板の部品搭載側や基板の反対面側に配置されるかもしれない。
このとき、下記の問題がある。
【0007】
ケーブル12が基板の部品搭載側にたわんだ際、ケーブル12が基板上の部品に接触すると、部品が基板2から外れたり、部品が破壊したりする可能性がある。
ケース1に振動が加わった場合、ケーブル12が振動で動き、基板2上の部品に接触して、部品が基板2から外れたり、部品が破壊したりする可能性がある。
【0008】
本発明の目的は、上記の課題を解決するもので、電池からのケーブルについて、ケーブルのたわみを規制することができる電子機器カバーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような課題を達成するために、本発明の請求項1の電子機器カバーにおいては、
平面状のカバー本体の一端縁に設けられたヒンジ状部によりケース本体に係止されケース本体に設けられた開口部をカバー本体が覆う電子機器カバーにおいて、前記カバー本体に取り付けられた電池本体と、この電池本体に一端が接続されるケーブルと、このケーブルの他端に接続され前記ケース本体の開口部内の基板上に設けられたコネクタに接続されるコネクタと、前記カバー本体の一端縁側に一端が接続され、途中が前記カバー本体の平面と平行をなし、他端が前記カバー本体との間に前記他端の弾性変形により前記ケーブルの途中をとおし、前記カバー本体と共同して挟持出来るような隙間を有し、前記カバー本体の開閉に伴い前記ケーブルの途中が前記カバー本体と共同して挟持され、且つ前記ケーブルの途中が前記カバー本体の平面に平行に移動するように拘束されて前記ケーブルのたるみを吸収する係止腕と、を具備したことを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項2の電子機器カバーにおいては、請求項1記載の電子機器カバーにおいて、前記移動係止手段は、カバー本体の一端縁側に一端が接続され途中が前記カバー本体の平面と平行をなして前記カバー本体と前記ケーブルの途中を挟持し他端が前記カバー本体との間に他端の弾性変形により前記ケーブルの途中が通過できるような隙間を有する係止腕を具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の請求項1によれば、次のような効果がある。
ケーブルが基板の部品搭載側にたわんだ際、ケーブルが基板上の部品に接触して、部品が基板から外れたり、部品が破壊したりする恐れのない電子機器カバーが得られる。
ケースに振動が加わった場合、ケーブルが振動で動き、基板上の部品に接触して、部品が基板から外れたり、部品が破壊したりする恐れのない電子機器カバーが得られる。
【0012】
ケーブルの途中を容易に着脱でき、組立性に優れる電子機器カバーが得られる。


【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施例の要部構成説明図である。
図2図1の要部斜視説明図である。
図3図1の要部正面説明図である。
図4図3のS-S断面図である。
図5図1の動作説明図である。
図6図1の動作説明図である。
図7図1の動作説明図である。
図8図1の動作説明図である。
図9図1の動作説明図である。
図10】従来より一般に使用されている従来例の要部構成説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下本発明を図面を用いて詳細に説明する。
図1は本発明の他の実施例の要部構成説明図、図2図1の要部斜視説明図、図3図1の要部正面説明図、図4図3のS-S断面図、図5図6図7図8図9図1の動作説明図である。
【0015】
図1において、電池本体11は、カバー本体71に取り付けられている。
ケーブル12は、この電池本体11に一端が接続される。
コネクタ13は、このケーブル12の他端に接続され、ケース本体1の開口部から見えるコネクタ41に接続される。
【0016】
移動係止手段72は、カバー本体71に設けられ、ケーブル12の途中が係止され、カバー本体71の開閉に伴い、ケーブル12の途中が、ケーブル12のたるみを吸収できるように、カバー本体71の平面に平行に移動でき、且つ、係止される。
【0017】
この場合は、移動係止手段72は、カバー本体71の一端縁側に一端731が接続され、途中732がカバー本体71の平面と平行をなして、カバー本体71とケーブル12の途中を挟持し、他端733がカバー本体71との間に他端の弾性変形により、ケーブル12の途中が通過できるような隙間734を有する係止腕73を有する。
【0018】
以上の構成において、組立方法は下記の如くなる。
電池11を傾けながら、カバー71の溝33に入れる。
電池11の上側を押して、カバー71の上側のツメ34に電池11を引っ掛け、電池11をツメ34で保持させる。
電池のケーブル12を係止腕73とカバー71との隙間734に入れる。
ケース1内の基板上のコネクタ41に電池のコネクタ13を接続する。
【0019】
図5に、電池11をカバー71に保持させ、電池のコネクタ13を基板上のコネクタ41に接続してからケース1の側面にカバー71をはめた状態の図を示す。
この図ではケース1とカバー71の開放角度は約90度である。
【0020】
図6は、図5の状態で、電池のケーブル12がどのような屈曲状態になっているかを示した図である。なお、図6ではケース1を省略している。
図6の状態では、ケーブル12は、ケーブル12を引っ掛けた係止腕73とカバー71との隙間に対して、カバーの一端縁52の近くに位置する。
これはカバー71の開放角度が広いため、電池のコネクタ13を接続した基板上のコネクタ41と電池11との距離が遠いためである。
【0021】
図7は、図5と同様の状態であるが、カバー71の開放角度が約45度となっている。なお、図8ではケース1を省略している。
図8の状態ではケーブル12は、ケーブル12を引っ掛けた係止腕73とカバー71との隙間に対して、係止腕73中央付近に位置する。
【0022】
これはカバー71の開放角度が狭くなったことで、ケーブル12が係止腕73の中央付近に位置したことと、先ほどの図6の状態よりもケーブル12の長さに余りが生じてケーブルがたわみ始めたため、ケーブル12の弾性によってケーブル12の位置が、係止腕73とカバー71との隙間の中央付近に移動したためである。
【0023】
図9は電池を付けた状態のカバー71を、ケース1に取付けた(閉めた)状態の図である。
なお、カバー71、基板上のコネクタ41、電池11と電池のケーブル12と電池のコネクタ13以外の部品は省略している。
【0024】
この状態ではケーブル12は、ケーブル12を引っ掛けた係止腕73とカバー71との隙間に対して、係止腕73の他端733側に位置する。
これはカバー71をケース1に付けたことで、図8の状態よりもさらにケーブル12の長さに余りが生じてケーブル12が更にたわんだため、ケーブル12の弾性によって、ケーブル12が係止腕73の他端733側に移動したためである。
【0025】
図9の状態では、ケーブル12は係止腕73から外れることはないので、ケーブル12が基板2側に移動することはない。
また、ケーブル12に振動がかかったとしても、ケーブル12は係止腕73で動きが規制されているため、ケーブル12が基板2の側に移動することはない。
【0026】
次に、係止腕73が無い場合について述べる。
電池11をカバー71に取付ける際、ケーブル12のたわむ量が増えるため、ケーブル12が基板2側に屈曲する可能性が高い。
ケーブル12が基板2側に屈曲して、ケーブル12が基板2上の部品に接触すると、部品が基板2から外れたり、部品が破壊したりする可能性がある。
【0027】
この結果、
ケーブル12が基板2の部品搭載側にたわんだ際、ケーブル12が基板2上の部品に接触して、部品が基板から外れたり、部品が破壊したりする恐れのない電子機器カバーが得られる。
【0028】
ケース1に振動が加わった場合、ケーブル12が振動で動き、基板2上の部品に接触して、部品が基板から外れたり、部品が破壊したりする恐れのない電子機器カバーが得られる。
ケーブル12の途中を、係止腕73に容易に着脱でき、組立性に優れる電子機器カバーが得られる。
【0029】
なお、以上の説明は、本発明の説明および例示を目的として特定の好適な実施例を示したに過ぎない。
したがって本発明は、上記実施例に限定されることなく、その本質から逸脱しない範囲で更に多くの変更、変形をも含むものである。
【符号の説明】
【0030】
1 ケース
2 基板
3 突起部
4 止爪
5 係止穴
11 電池
12 ケーブル
13 コネクタ
31 カバー
32 穴
33 溝
34 爪
35 止爪
41 コネクタ
71 カバー本体
72 移動係止手段
73 係止腕
731 一端
732 途中
733 他端
734 隙間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10