(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記不可視領域内のサムネイル画像ファイル群及び該サムネイル画像ファイル群に対応する前記内蔵メモリ内の撮影地点情報群を前記外付け記憶媒体内のユーザがアクセス可能なフォルダに保存するフォルダ内保存手段
を有する、
請求項7又は請求項8に記載の撮影情報管理装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、一般的な撮影装置は、撮影画像ファイル(例えばGPSによる目的地の位置情報、名称、撮影画像等を含むファイル)の保存領域として内蔵メモリを搭載している。しかし、内蔵メモリは、容量が少なく補助的な領域として提供されているにすぎない。そのため、内蔵メモリに保存可能な撮影画像ファイル数は少なく、撮影画像ファイルを内蔵メモリに一括保存することは難しい。そこで、この種の撮影装置においては、撮影画像ファイルを内蔵メモリに限らずメモリカード等の小型外付け記憶媒体にも保存するというのが一般的な使い方として定着している。
【0007】
この種の小型外付け記憶媒体は撮像装置本体に対して着脱自在であるため、撮像装置とは独立してデータの更新や消去が可能である。また、撮影装置には全く別の小型外付け記憶媒体が装填されて使用されることもある。このため、撮像装置本体において撮影画像ファイルを小型外付け記憶媒体から読み出して利用する場合、互換性の無い他の装置で撮影された画像ファイルであったり、データが不在であったり等の不都合が生じる。すなわち、撮影画像ファイルの保存先を内蔵メモリから小型外付け記憶媒体に単純に置き換えても目的地に関する情報(画像や位置情報等)を表示画面に適切に表示できないこともある。
【0008】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、撮影装置本体に大きな改良や機構を追加することなく撮影画像とその地点情報を表示画面に表示させるのに好適な撮影情報管理方法、及び撮影情報管理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決する本発明の一形態に係る撮影情報管理方法は、撮影装置に対して着脱自在な外付け記憶媒体に保存されている画像ファイルに付加されている撮影地点情報と、該撮影装置の内蔵メモリに記憶されている撮影地点情報との同一性を判断する同一性判断ステップと、2つの撮影地点情報に同一性があると判断された場合に、該画像ファイルの画像が撮影装置の所有者たるユーザが撮影を行ったことのある場所のものである可能性が高いため、該画像ファイルの撮影地点情報及び画像を撮影装置の表示画面に表示させる情報表示ステップとを有することを特徴とした方法である。
【0010】
本発明によれば、2つの撮影地点情報に同一性がないと判断される場合、判断対象の画像ファイルの画像は、撮影装置の所有者たるユーザが撮影を行ったことのない場所のものであるとの推定が働く。そのため、当該画像ファイルの撮影地点情報及び画像は、ユーザにとって不要な情報であるとして(撮影装置の内蔵メモリに記憶されている情報とは関連しない情報であるから)撮影装置の表示画面に表示させない。
【0011】
本発明に係る撮影情報管理方法は、撮影地点情報が付加された画像ファイルからサムネイル画像を生成するサムネイル画像生成ステップと、画像ファイルから撮影地点情報を抽出する撮影地点情報抽出ステップと、抽出された撮影地点情報をサムネイル画像のメタ情報として付加してサムネイル画像ファイルを作成するサムネイル画像ファイル作成ステップと、作成されたサムネイル画像ファイルを外付け記憶媒体に保存するサムネイル画像ファイル保存ステップと、抽出された撮影地点情報を内蔵メモリに記憶する撮影地点情報記憶ステップとを有した方法であってもよい。この場合、同一性判断ステップにおいては、サムネイル画像ファイルに付加されている撮影地点情報と、内蔵メモリに記憶されている撮影地点情報との同一性を判断する。
【0012】
サムネイル画像ファイルは、ファイルサイズが小さく、また、ファイルサイズが大きい元の画像ファイルを消去しても外付け記憶媒体内に残る。そのため、本発明によれば、撮影地点情報及び画像を撮影装置側(内蔵メモリや外付け記憶媒体)に多数固定することができる。そのため、例えば撮影装置の携帯時に撮影画像を撮影地点情報と共に利用する機能(例えば撮影画像と撮影地点情報を利用したナビゲーション機能)の実行に有利である。
【0013】
本発明に係る撮影情報管理方法は、外付け記憶媒体内の画像ファイルを指定する画像ファイル指定ステップと、指定された画像ファイルに撮影地点情報が付加されているか否かを判断する情報付加判断ステップとを有する方法としてもよい。この場合、撮影地点情報が付加されていると判断された画像ファイルに対してのみサムネイル画像生成ステップが実行される。
【0014】
本発明に係る撮影情報管理方法は、内蔵メモリに記憶されている撮影地点情報群の中から消去対象を指定する消去対象指定ステップと、指定された消去対象の撮影地点情報と共に該消去対象に対応する不可視領域内のサムネイル画像ファイルも消去する消去実行ステップとを有する方法としてもよい。
【0015】
本発明に係る撮影情報管理方法は、GPSを用いて撮影画像の撮影地点情報を取得する撮影地点情報取得ステップと、取得された撮影地点情報を撮影画像のメタ情報として付加して画像ファイルを生成する画像ファイル生成ステップとを有する方法としてもよい。
【0016】
上記の課題を解決する本発明の一形態に係る撮影情報管理装置は、外付け記憶媒体を接続自在な接続手段と、撮影地点情報を記憶した内蔵メモリと、外付け記憶媒体に保存されている画像ファイルに付加されている撮影地点情報と、内蔵メモリ内の撮影地点情報との同一性を判断する同一性判断手段と、2つの撮影地点情報に同一性があると判断された場合に、画像ファイルの撮影地点情報及び画像を所定の表示画面に表示させる表示手段とを有することを特徴とした装置である。
【0017】
本発明に係る撮影情報管理装置は、撮影地点情報が付加された画像ファイルからサムネイル画像を生成するサムネイル画像生成手段と、画像ファイルから撮影地点情報を抽出する撮影地点情報抽出手段と、抽出された撮影地点情報をサムネイル画像のメタ情報として付加してサムネイル画像ファイルを作成するサムネイル画像ファイル作成手段と、作成されたサムネイル画像ファイルを外付け記憶媒体に保存するサムネイル画像ファイル保存手段と、抽出された撮影地点情報を内蔵メモリに記憶する撮影地点情報記憶手段とを有し、同一性判断手段は、サムネイル画像ファイルに付加されている撮影地点情報と、内蔵メモリに記憶されている撮影地点情報との同一性を判断し、サムネイル画像ファイル保存手段は、サムネイル画像ファイルを外付け記憶媒体内のユーザが認識できない不可視領域に保存する構成としてもよい。
【0018】
本発明に係る撮影情報管理装置は、不可視領域内のサムネイル画像ファイル群及び該サムネイル画像ファイル群に対応する内蔵メモリ内の撮影地点情報群を外付け記憶媒体内のユーザがアクセス可能なフォルダに保存するフォルダ内保存手段を有する構成としてもよい。
【0019】
本発明に係る撮影情報管理装置は、不可視領域内のサムネイル画像ファイル群及び内蔵メモリ内の撮影地点情報群を消去する各種情報消去手段と、フォルダに保存されているサムネイル画像ファイル群、撮影地点情報群をそれぞれ不可視領域、内蔵メモリに保存する各種情報保存手段とを有する構成としてもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、撮影装置本体に大きな改良や機構を追加することなく撮影画像とその撮影地点情報を表示画面に表示させるのに好適な撮影情報管理方法、及び撮影情報管理装置が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態の撮影装置について説明する。
【0023】
図1、2は共に、本実施形態の撮影装置1の構成を模式的に示す図である。
図1は、主に、撮影装置1のメカブロックと回路ブロックを示し、
図2は、主に、撮影装置1の光学系を示している。本実施形態において、撮影装置1は、デジタル一眼レフカメラを想定しているが、コンパクトデジタルカメラ、カムコーダ、携帯電話端末、PHS(Personal Handy phone System)、携帯ゲーム機等の撮影機能を有する別の形態の撮影装置に置き換えてもよい。
【0024】
撮影装置1は、
図1に示されるように、カメラ本体部10と撮影レンズ50を有している。カメラ本体部10には、各種回路の動作やタイミングを統括的に制御するCPU12が搭載されている。電源スイッチSW0がオンされると、図示省略されたバッテリから撮影装置1の各種回路に電源ラインを通じて電源供給が行われる。
【0025】
被写体からの光は、
図2に示されるように、撮影光学系L、ミラーMを介して、ファインダ光学系Fに入射する。撮影者は、ファインダ光学系Fの接眼レンズを覗くことにより被写体像を観察することができる。
【0026】
レリーズスイッチSW1が押されると、CPU12の駆動制御によってミラーMが
図2の破線位置にアップすると共にフォーカルプレーンシャッタFPがシャッタ速度に応じて開放する。これにより、被写体からの光は、撮影光学系L、フォーカルプレーンシャッタFPを通過して固体撮像素子14により受光される。
【0027】
固体撮像素子14は、例えばベイヤ型画素配置を有する単板式カラーCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサである。固体撮像素子14は、CPU12のドライブ制御に従い、撮像面14a上の各画素で結像した光学像を光量に応じた電荷として蓄積して、撮像信号に変換する。変換された撮像信号は、図示省略された回路によるAD変換、信号増幅等の処理後、DSP16に入力する。なお、固体撮像素子14は、CCDイメージセンサに限らず、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサとしてもよい。
【0028】
DSP16は、入力した撮像信号に対して色補間、マトリクス演算、Y/C分離等の所定の信号処理を施して輝度信号Y、色差信号Cb、Crを生成し、JPEG(Joint Photographic Experts Group)等のフォーマットで圧縮する。DSP16は、圧縮画像データを所定のファイルシステム上でアクセスできるようにファイル化する。圧縮画像ファイルは、例えばExif規格に準拠したファイルであり、カードスロット18に差し込まれているメモリカード40に保存される。また、DSP16は、マトリクス演算後の各色信号を別個のフレームメモリにフレーム単位でバッファリングする。DSP16は、バッファリングされた各色信号を所定のタイミングで各フレームメモリから掃き出して画像信号に変換して画像を生成し、LCD(Liquid Crystal Display)モニタ20上に表示させる。撮影者は、LCDモニタ20を通じて撮影画像を視認することができる。
【0029】
カメラ本体部10のアクセサリシューには、着脱自在なGPSアダプタ24が取り付けられている。GPSアダプタ24には、GPSモジュール26が実装されている。GPSモジュール26は、複数のGPS衛星から測位に必要な個数以上のGPS衛星信号を捕捉、追尾して位置情報(例えば緯度・経度)を演算して、CPU12に出力する。GPSモジュール26は、自律航法を行うための周知のDR(Dead Reckoning)センサを実装したセンサモジュールに置き換えてもよい。または、GPSとDRとの併用により単一の位置情報を演算する構成としてもよい。GPSアダプタ24は、別個独立した装置でなく、カメラ本体部10に内蔵された構成としてもよい。
【0030】
圧縮画像データのファイル化の際には、レリーズスイッチSW1を押したときにGPSモジュール26で演算された位置情報(緯度・経度)がExif領域にジオタグとして埋め込まれる。なお、ジオタグとして埋め込まれる位置情報は、緯度・経度に限らず、例えば方位を含めてもよい。方位は、例えばGPSモジュール26がGPSの測位解に基づいて推定演算することができる。または、ホール電圧を基に地磁気の向きを検知する磁気センサを構成要素として追加してもよい。この場合は、CPU12が磁気センサの出力を用いてカメラ本体部10の方位を計算する。
【0031】
一般に、メモリカード40はメモリ容量の制約が大きいため、過去の撮影画像ファイルほどPC等の情報処理端末やHDD等の大容量ストレージに転送された後にメモリカード40から消去される。そこで、本実施形態においては、メモリカード40から消去された撮影画像ファイルの撮影画像及び位置情報までをも含む過去の撮影画像及び位置情報をカメラ本体部10のLCDモニタ20上で確認可能とするため、次に説明する処理を実行する。
【0032】
以下においては、次に掲げる項目を順に説明する。
1.目的地情報の登録
2.目的地情報のメモリカード内でのコピー
3.目的地情報の消去
4.メモリカードからの目的地情報の読み込み
5.目的地情報の選択
【0033】
<1.目的地情報の登録>
LCDモニタ20に画像を表示させているときに所定の操作が行われると、撮影装置1のモードが目的地情報登録モードに移行する。目的地情報登録モードは、撮影画像及び位置情報を目的地情報として登録するためのモードである。なお、以降の説明中の「操作」は、特に断りのない限り、設定スイッチSW2をはじめとするカメラ本体部10の背面に設けられたメカニカルキー又はLCDモニタ20上のGUI(Graphical User Interface)の何れの操作であってもよい。
【0034】
図3は、本実施形態の目的地情報登録モード移行後の画面遷移図である。目的地情報登録モードは、所定のモード終了操作時又は電源オフ時に終了する。説明の便宜上、
図3の各遷移画面に符号[STn(nは自然数)]を付す。
【0035】
目的地情報登録モードに移行した直後は、当該モードの開始を選択する開始選択画面[ST1]が表示される。開始選択画面[ST1]において目的地情報登録モードの開始ボタンが選択されると、LCDモニタ20に直前に表示させていた画像のファイルが目的地登録可能なファイルか否かが判定される。ここでいう目的地登録可能なファイルとは、Exif領域にジオタグが埋め込まれている撮影画像ファイルを指す。このとき他の判定条件を加重してもよい。加重される判定条件には、例えば目的地情報の登録件数が最大件数に達しているか否か等が考えられる。目的地情報の登録件数が最大件数に達している場合には、所定のエラーメッセージがLCDモニタ20に表示されて目的地情報登録モードが終了する。若しくは、登録されている目的地情報を選択的に消去するための目的地情報消去モード(後述)に移行してもよい。
【0036】
判定対象のファイルが目的地登録可能なファイルの場合、LCDモニタ20の表示は、開始選択画面[ST1]から確認画面[ST2]に遷移する。確認画面[ST2]には、目的地登録の対象となる登録対象画像、決定ボタン、取消ボタン等が表示される。決定ボタンが選択されると、LCDモニタ20の表示は、確認画面[ST2]から名称登録画面[ST4]に遷移する。取消ボタンが選択されると、LCDモニタ20の表示は、確認画面[ST2]から開始選択画面[ST1]に戻る。
【0037】
判定対象のファイルが目的地登録可能なファイルでない場合、LCDモニタ20の表示は、開始選択画面[ST1]から検索中画面[ST3]に遷移する。検索中画面[ST3]の表示中は、目的地登録がされていない残りの画像ファイルを対象として目的地登録可能なファイルの検索が行われる。目的地登録可能なファイルが検索されない場合、所定の検索エラーメッセージがLCDモニタ20に表示された後、検索中画面[ST3]から開始選択画面[ST1]に戻る。なお、目的地登録がされている撮影画像ファイルか否かは、例えば撮影画像ファイル中の所定のフラグをチェックして判断する。所定のフラグについては後述する。目的地登録可能なファイルが検索されると、LCDモニタ20の表示は、検索中画面[ST3]から確認画面[ST2]に遷移する。
【0038】
名称登録画面[ST4]は、目的地情報の登録名を設定するための画面である。名称登録画面[ST4]には、ソフトウェアキーボード、デフォルト登録名「No.XX(XXはユニークな数字)」、決定ボタン、取消ボタン等が表示される。登録名は、デフォルト登録名そのままでもよく、又はソフトウェアキーボードを用いて適宜変更してもよい。決定ボタンが選択されると登録名が確定して、LCDモニタ20の表示が名称登録画面[ST4]から登録位置選択画面[ST5]に遷移する。取消ボタンが選択されると、LCDモニタ20の表示は、名称登録画面[ST4]から確認画面[ST2]に戻る。
【0039】
登録位置選択画面[ST5]は、登録されている目的地情報をリストした目的地リスト(以下、符号「L」を付す。)中の、登録対象の登録名の挿入位置を指定するための画面である。登録位置選択画面[ST5]には、目的地リストLの他、決定ボタン、取消ボタン等が表示される。デフォルトの挿入位置は、目的地リストLの末尾である。挿入位置は、上下キー等を操作すると末尾位置から暫定的に移動する。決定ボタンが選択されると挿入位置が確定して、LCDモニタ20の表示が登録位置選択画面[ST5]から登録確認画面[ST6]に遷移する。取消ボタンが選択されると、LCDモニタ20の表示は、登録位置選択画面[ST5]から名称登録画面[ST4]に戻る。
【0040】
登録確認画面[ST6]は、目的地情報の登録を確定するための画面である。登録確認画面[ST6]には、所定の確認メッセージ、決定ボタン、取消ボタン等が表示される。決定ボタンが選択されると所定の目的地情報登録処理が実行されて、LCDモニタ20の表示が登録確認画面[ST6]から登録画像確認画面[ST7]に遷移する。取消ボタンが選択されると、LCDモニタ20の表示は、登録確認画面[ST6]から登録位置選択画面[ST5]に戻る。
【0041】
登録画像確認画面[ST7]には、目的地情報として登録された撮影画像が表示される。何れかのボタン操作が行われると、LCDモニタ20の表示は、登録画像確認画面[ST7]から開始選択画面[ST1]に戻る。
【0042】
図4は、
図3の登録確認画面[ST6]で決定ボタンが選択されたときに実行される目的地情報登録処理のフローチャートを示す。以降の本明細書中の説明並びに図面において、処理ステップは「S」と省略して記す。
【0043】
図5は、
図4の目的地情報登録処理を説明するための説明補助図である。
図5(a)は、目的地情報を追加登録する前のメモリカード40のフォルダ構造をツリー表示した図である。
図5(b)は、目的地情報を追加登録する前のカメラ本体部10の内蔵メモリ22に記憶されている目的地リストLの内容を示す図である。
図5(c)は、目的地情報を追加登録した後のメモリカード40のフォルダ構造をツリー表示した図である。
図5(d)は、目的地情報を追加登録した後の目的地リストLの内容を示す図である。
【0044】
図5(a)に示されるように、DCIMフォルダ直下の100PENTXフォルダには、撮影画像ファイルが保存されている。GPSフォルダ直下のTEMP_IMGフォルダには、これまでの目的地情報登録処理の実行の結果作成されたサムネイル画像ファイルが保存されている。サムネイル画像ファイルのファイル名は一定の規則に従って決められる。各図に示されるように、サムネイル画像ファイルのファイル名中の数字部分にはシリアルな値が付けられる。なお、本実施形態においては、利用者の誤操作を防止する目的で、TEMP_IMGフォルダは不可視領域に設けられており、ユーザがその存在を認識できずに、アクセスすることはできない構成としたが、TEMP_IMGフォルダを可視領域に生成してもよい。
【0045】
目的地情報登録処理において、Nは、目的地情報を追加登録する前の登録目的地総数と定義される。nは、追加登録される目的地情報の目的地リストL中の挿入位置と定義される。
図4に示されるように、S1の処理では、n=N+1か否かが判定される。n=N+1でない場合(S1:NO)、識別ナンバIDがNに設定される(S2)。続くS3の処理では、TEMP_IMGフォルダに保存されている既存のファイルLIST[ID].JPGがLIST[ID+1].JPGにリネームされる(S3)。リネーム後にNが1デクリメントされると(S4)、処理がS1に戻る。
【0046】
S1〜S4の処理が繰り返し実行されてn=N+1が成立すると(S1:YES)、識別ナンバIDがnに設定されたうえで登録対象画像のサムネイル画像ファイルLIST[ID].JPGが新規に作成されてTEMP_IMGフォルダに保存されると共に(S5)、目的地リストLが更新される(S6)。
【0047】
目的地リストLは、目的地の各種情報を関連付けて記憶している。目的地の各種情報は、サムネイル画像のファイル名に対応する識別ナンバID、登録名、緯度情報、経度情報で構成される。S6の目的地リストLの更新処理においては、目的地の追加登録に伴うIDのリナンバが行われると共に、追加登録される目的地の情報として、ID、名称登録画面[ST4]で設定された登録名、登録対象となった元の撮影画像ファイル(以下、「元ファイル」と記す。)のジオタグから抽出した緯度・経度情報が追加される。
【0048】
なお、
図3の登録位置選択画面[ST5]で目的地リストLの末尾位置への挿入が指定された場合は、n=N+1である。この場合(S1:YES)、S2〜S4の処理が一度も実行されることなくS5の処理が実行される。
【0049】
S5の処理の実行時、登録対象画像のファイルには所定のフラグが付けられる。フラグの有無は、サムネイル画像ファイルの存否とリンクしている。具体的には、サムネイル画像ファイルが作成されるとフラグが付されるが、サムネイル画像ファイルが消去するとフラグも消える。
【0050】
S5の処理で作成されるサムネイル画像ファイルは、例えばSQCIF(Sub Quarter Common Intermediate Format)規格の解像度を有するファイルサイズが縮小された画像ファイルであり、登録対象となった元ファイルのジオタグから抽出した緯度・経度情報をメタ情報として有している。サムネイル画像ファイルは、サムネイル画像、経度・緯度情報、及びファイルシステム上でアクセスするために必要な最小限の情報のみで構成されたファイルであるため、ファイルサイズが小さい。そのため、ユーザは、目的地情報として撮影画像及び位置情報を有するサムネイル画像ファイルを残容量を気にすることなくメモリカード40に多数保存させることができる。加えて、サムネイル画像ファイルは、ファイルサイズの大きい元ファイルを消去してもメモリカード40内に残る。本実施形態によれば、多数の撮影画像及び位置情報を撮影装置1側(内蔵メモリ22やメモリカード40)に固定できるため、撮影装置1の携帯時に撮影画像を位置情報と共に利用する機能(例えば撮影画像と撮影地点情報を利用したナビゲーション機能)の実行に有利である。
【0051】
ここで、登録目的地総数Nが37、挿入位置nが5である場合を例に考える(
図5(a)、(c)の例)。この場合、
図5(c)に示されるように、登録対象画像(例えば
図5(a)に示されるIMGP0123.JPG)のサムネイル画像ファイルLIST05.JPGが新規に作成されてTEMP_IMGフォルダに保存される。追加登録前のサムネイル画像ファイルLIST05.JPG〜LIST37.JPGはそれぞれ、LIST06.JPG〜LIST38.JPGにリネームされる。また、
図5(d)に示されるように、新規の目的地の各種情報が目的地リストLに追加され、挿入位置に応じたIDのリナンバ及びリスト位置の更新が行われる。
【0052】
<2.目的地情報のメモリカード内でのコピー>
全ての目的地情報(TEMP_IMGフォルダに保存されているサムネイル画像ファイル群及び目的地リストLであり、以下、「目的地情報セット」と記す。)は、メモリカード40内のユーザがアクセス可能な領域に一括操作でコピーすることができる。
図6は、目的地情報セットをメモリカード40内のアクセス可能な領域にコピーする目的地情報複製処理のフローチャートを示す。
図7は、
図6の目的地情報複製処理を説明するための説明補助図である。
図7は、ツリー表示されたメモリカード40のフォルダ構造と、内蔵メモリ22に記憶された目的地リストファイルGPS_DATAを示している。
【0053】
図7に示されるように、GPSフォルダ直下には、TEMP_IMGフォルダ以外に複数のDATAフォルダ(DATA1フォルダ、DATA2フォルダ、・・・)が配置されている。これらのDATAフォルダは、ユーザがアクセス可能なフォルダである。目的地情報セットのコピー先として何れかのDATAフォルダ(
図7の例ではDATA1フォルダ)が選択されると(S11:YES)、内蔵メモリ22に記憶されている目的地リストファイルGPS_DATAのテキストデータが抽出されてテキストファイル(
図7の例ではファイル名:GPS_DAT1.TXT)が作成される(S12)。テキストデータには、登録名等の文字情報の他、各文字情報の種別等を定義する所定の制御コード情報が含まれている。作成されたテキストファイルGPS_DAT1.TXTは、DATA1フォルダに保存される(S13)。続くS14の処理では、TEMP_IMGフォルダに保存されているサムネイル画像ファイル群が全てDATA1フォルダにコピーされて、本フローチャートの処理が終了する。なお、コピー先として選択されたDATAフォルダに前回コピーしたファイルが保存されている場合は、S13の処理の実行の前に全て消去される。
【0054】
<3.目的地情報の消去>
撮影装置1のモードは、所定の操作に従って目的地情報消去モードに移行する。
図8(a)、(b)は、目的地情報消去モード移行後の画面表示例を示す。
図9は、目的地情報消去モードにおいて登録されている目的地情報を消去する際に実行される目的地情報消去処理のフローチャートを示す。
図10(a)〜(d)は、
図9の目的地情報消去処理を説明するための、
図5(a)〜(d)と同様の説明補助図である。
図10(a)は、目的地情報の消去を実行する前のメモリカード40のフォルダ構造を示し、
図10(b)は、目的地情報の消去を実行する前の目的地リストLを示す。
図10(c)は、目的地情報の消去を実行した後のメモリカード40のフォルダ構造を示し、
図10(d)は、目的地情報の消去を実行した後の目的地リストLを示す。
【0055】
目的地情報消去モードへの移行後は、目的地リストLに登録された目的地の登録名の一覧がLCDモニタ20に表示される。なお、本実施形態においては、
図8(a)、(b)の例に示すように、LCDモニタ20の画面サイズを考慮して、登録目的地総数10のうち5つの登録名を一画面に表示するようにしている。各登録名には、消去する目的地を指定するためのチェックボックスが付されている。本例では、「Paris」、「Amsterdam」、「Denver」、「Chicago」が消去対象として指定されている。なお、画面下欄には、消去する目的地をユーザに視認させるため、フォーカスが当てられている(選択されている)登録名に対応するサムネイル画像と緯度・経度情報が表示される。
【0056】
チェックボックスのチェック後に画面下欄の消去ボタンが選択されると、
図9に示される目的地情報消去処理が消去対象として指定された目的地情報ごとに実行される。目的地情報消去処理において、N’は、目的地情報の消去を実行する前の登録目的地総数と定義される。n’は、消去対象として指定された目的地のID(後述のS25の処理でリネームされた場合はリネーム後のID)と定義される。
【0057】
図9に示されるように、S21の処理では、識別ナンバIDがn’に設定される。S22の処理では、TEMP_IMGフォルダに保存されているファイルLIST[ID].JPGが消去される。S23の処理では、識別ナンバIDが1インクリメントされる。S24の処理では、TEMP_IMGフォルダ内のファイルLIST[ID].JPGの存否が判定される。
【0058】
S24の処理においてファイルLIST[ID].JPGが存在する場合(S24:YES)、ファイルLIST[ID].JPGがLIST[ID−1].JPGにリネームされて(S25)、処理がS26に進む。ファイルLIST[ID].JPGが存在しない場合(S24:NO)は、S25の処理を実行することなくS26に進む。
【0059】
S26の処理では、識別ナンバIDがN’か否かが判定される。識別ナンバIDがN’である場合(S26:YES)、目的地リストLが更新されて(S27)、本フローチャートの処理が終了する。S27の目的地リストLの更新処理においては、消去対象として指定された目的地の情報が消去されると共に当該削除に伴うIDのリナンバが行われる。識別ナンバIDがN’でない場合は(S26:NO)、S23の処理に戻り、リネーム処理が繰り返し行われる。
【0060】
図8〜10の例では、ID=3、4、8、10に対応する目的地情報が消去される。そのため、
図10(c)、(d)に示される通り、TEMP_IMGフォルダのサムネイル画像ファイル及び目的地リストLが更新される。
【0061】
<4.メモリカードからの目的地情報の読み込み>
図11は、GPSフォルダ直下のDATAフォルダからファイルを読み込む際に実行される目的地情報読込処理のフローチャートを示す。
図12は、
図11の目的地情報読込処理を説明するための、
図7と同様の説明補助図である。
【0062】
図11に示されるように、何れかのDATAフォルダ(
図12の例ではDATA1フォルダ)が読み込み元として選択されると(S31:YES)、内蔵メモリ22に記憶されている目的地リストファイルGPS_DATAが消去される(S32)。続くS33の処理では、DATA1フォルダのテキストファイルGPS_DAT1.TXTが読み込まれて解釈され、解釈結果に基づいて目的地リストファイルGPS_DATAが作成されて内蔵メモリ22に記憶される。S34の処理では、TEMP_IMGフォルダに保存されているサムネイル画像ファイル群が全て消去される。S35の処理では、DATA1フォルダに保存されているサムネイル画像ファイル群が全てTEMP_IMGフォルダにコピーされて、本フローチャートの処理が終了する。
【0063】
<5.目的地情報の選択>
撮影装置1のモードは、所定の操作に従って目的地情報選択モードに移行する。
図13は、目的地情報選択モードにおいて目的地リストLから目的地を設定する際に実行される目的地情報選択処理のフローチャートを示す。
【0064】
目的地情報選択モードへの移行後は、目的地リストLに登録されている目的地の登録名の一覧が
図8の例と同様に一画面で最大5件を限度としてLCDモニタ20に表示される。このときフォーカスが当てられている登録名に対して目的地情報選択処理が実行される。目的地情報選択処理において、n”は、フォーカスが当てられている登録名のIDと定義される。
【0065】
図13に示されるように、S41の処理では、識別ナンバIDがn”に設定される。S42の処理では、TEMP_IMGフォルダ内のファイルLIST[ID].JPGの存否が判定される。ファイルLIST[ID].JPGが存在する場合は(S42:YES)、フォーカスが当てられている登録名に対応する位置情報(目的地リストLに記憶されているもの)とファイルLIST[ID].JPGのジオタグ(位置情報)とを照合して同一性を判断する(S43)。なお、ここでの同一性は厳格に判断しなくてもよい。同一性には、所定距離離れている場合も同一と判断されるように多少の許容幅を設けてもよい。両者の位置情報に同一性がある場合は、撮影装置1の所有者(目的地リストLの作成者)たるユーザが当該登録名に対応する場所で以前撮影を行ったことがあるとの推定が働く。そのため、両者の位置情報が同一性ありと判断された場合(S43:YES)、ファイルLIST[ID].JPGがLCDモニタ20に表示されて(S44)、本フローチャートの処理が終了する。ユーザは、過去に撮影した場所をLCDモニタ20を通じて視認することができる。
【0066】
図14は、
図13のS44の処理の実行時にLCDモニタ20に表示される画面例を示す。
図14の例では、目的地リストLの中からID38の登録名「Tokyo Dome」にフォーカスが当てられている。画面下欄には、登録名「Tokyo Dome」の緯度・経度とサムネイル画像が表示されている。本画面において決定ボタンが選択されると、登録名「Tokyo Dome」が目的地として設定される。目的地設定後は、GPSモジュール26で演算される現在位置情報と設定地との相対距離が簡易的なナビゲーション情報として画面に表示される。
【0067】
S42の処理においてTEMP_IMGフォルダにファイルLIST[ID].JPGが存在しない場合(S42:NO)、ファイルLIST[ID].JPGをLCDモニタ20に表示できずに(S45)、本フローチャートの処理が終了する。なお、S42の処理で「NO」と判定される状況として、例えばカードスロット18に差し込まれたメモリカードが撮影装置1あるいは同種の装置で書き込みがなされていない関連性のないカードである等が想定される。
【0068】
S43の処理において上記の位置情報の同一性がない場合は、撮影装置1の所有者(目的地リストLの作成者)たるユーザが当該登録名に対応する場所で撮影を行ったことがないとの推定が働く。この場合(S43:NO)、当該場所の画像は、ファイルLIST[ID].JPGがLCDモニタ20に表示されることなく(S45)、本フローチャートの処理が終了する。ファイルLIST[ID].JPGは、目的地リストLに登録されている目的地とは関連しない撮影画像であるため、TEMP_IMGフォルダから消去してもよい。なお、S43の処理で「NO」と判定される状況として、例えばS42の処理と同じく、カードスロット18に差し込まれたメモリカードが撮影装置1あるいは同種の装置で書き込みがなされていない関連性のないカードと想定される。
【0069】
図15は、
図13の目的地情報選択処理を説明するための説明補助図である。
図15は、ツリー表示されたメモリカード40のフォルダ構造と目的地リストLの内容を示している。
図15の例においてもID38の登録名「Tokyo Dome」が選択されている。目的地リストL中のID38の緯度・経度とTEMP_IMGフォルダのファイルLIST[38].JPGのジオタグに同一性があれば、
図14に示される画面がLCD20に表示される。両者に同一性がなければ、登録名「Tokyo Dome」の緯度・経度とサムネイル画像がLCD20に表示されない。撮影装置1の仕様によっては、TEMP_IMGフォルダからファイルLIST[38].JPGが不要なファイルとして消去される。
【0070】
目的地情報選択モードへの移行直後に目的地情報選択処理の実行に先立ち、目的地リストLの登録目的地総数とTEMP_IMGフォルダ内のファイル数とを比較してもよい。比較の結果、TEMP_IMGフォルダ内のファイル数が登録目的地総数よりも多い場合、TEMP_IMGフォルダ内の一部のファイルは不要なファイルであるとの推定が働く。例えば登録目的地総数38、TEMP_IMGフォルダ内のファイル数40の場合、ファイルLIST[39].JPG、ファイルLIST[40].JPGに対応する目的地情報が目的地リストLに存在しない。これらのファイルの撮影画像は、撮影装置1の所有者(目的地リストLの作成者)たるユーザが撮影を行ったことがない場所の画像である可能性が高いため、消去される。
【0071】
以上が本発明の実施形態の説明である。本発明は、上記の構成に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲において様々な変形が可能である。