(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5733788
(24)【登録日】2015年4月24日
(45)【発行日】2015年6月10日
(54)【発明の名称】携帯電子機器、そのデータ処理方法およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 5/225 20060101AFI20150521BHJP
H04M 1/00 20060101ALI20150521BHJP
H04N 5/238 20060101ALI20150521BHJP
G03B 15/05 20060101ALI20150521BHJP
G03B 17/00 20060101ALI20150521BHJP
G03B 17/04 20060101ALI20150521BHJP
【FI】
H04N5/225 F
H04M1/00 U
H04N5/238 Z
G03B15/05
G03B17/00 Q
G03B17/04
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2010-268963(P2010-268963)
(22)【出願日】2010年12月2日
(65)【公開番号】特開2012-120002(P2012-120002A)
(43)【公開日】2012年6月21日
【審査請求日】2013年11月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】390010179
【氏名又は名称】埼玉日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】大竹 政彰
【審査官】
▲徳▼田 賢二
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−206434(JP,A)
【文献】
特開2010−246134(JP,A)
【文献】
特開2008−271056(JP,A)
【文献】
国際公開第2009/128817(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/225
G03B 15/05
G03B 17/00
G03B 17/04
H04M 1/00
H04N 5/238
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体と、
前記装置本体に搭載されていて被写体を撮像するとともに事前に明度を検出するカメラ機能と、
前記カメラ機能で撮像される前記被写体を照明するカメラライトと、
検出された前記明度が所定の閾値以下であると前記カメラライトを点灯させるライト点灯手段と、
検出された前記明度が前記閾値を超過していると前記カメラライトを消灯させるライト消灯手段と、
前記カメラ機能と前記被写体とを結ぶ軸を中心に前記装置本体が回転されているときには前記明度が前記閾値を超過しても前記カメラライトを消灯させない消灯規制手段と、
を有する携帯電子機器。
【請求項2】
前記カメラ機能と前記被写体とを結ぶ軸が前記カメラ機能の光軸からなる請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項3】
前記カメラ機能と前記被写体とを結ぶ軸が所定の画像認識により設定される請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項4】
請求項1ないし3の何れか一項に記載の携帯電子機器のデータ処理方法であって、
検出された前記明度が所定の閾値以下であると前記カメラライトを点灯させるライト点灯動作と、
検出された前記明度が前記閾値を超過していると前記カメラライトを消灯させるライト消灯動作と、
前記カメラ機能と前記被写体とを結ぶ軸を中心に前記装置本体が回転されているときには前記明度が前記閾値を超過しても前記カメラライトを消灯させない消灯規制動作と、
を有するデータ処理方法。
【請求項5】
請求項1ないし3の何れか一項に記載の携帯電子機器のコンピュータプログラムであって、
検出された前記明度が所定の閾値以下であると前記カメラライトを点灯させるライト点灯処理と、
検出された前記明度が前記閾値を超過していると前記カメラライトを消灯させるライト消灯処理と、
前記カメラ機能と前記被写体とを結ぶ軸を中心に前記装置本体が回転されているときには前記明度が前記閾値を超過しても前記カメラライトを消灯させない消灯規制処理と、
を前記携帯電子機器に実行させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話端末などの携帯電子機器に関し、特に、カメラ機能とカメラライトとを搭載した携帯電子機器、そのデータ処理方法およびコンピュータプログラム、に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、携帯電話端末にはカメラ機能が搭載されていることが一般的である。さらに、そのカメラ機能で撮像する被写体を照明するカメラライトが搭載されている機種も普及している。そして、カメラライトの点灯、消灯を自動的に制御する機種もある。このような携帯電話端末などのカメラライトのオート制御は、カメラ機能から取得した被写体の明るさによって、カメラライトの点灯、消灯を制御している。
【0003】
しかし、現在存在するカメラライトのオート制御には課題がある。その課題は、カメラライトの点灯、消灯に応じて、カメラ機能から取得できる被写体の明るさが変化するため、ライトの点灯、消灯の急速な繰返し(ハンチング現象)が発生することである。
【0004】
ライブビュー中に発生するハンチング現象は、被写体の明るさを変化させるため、シャッタータイミングを逃すきっかけになる。現在、上述のようにカメラライトをオート制御する携帯電話端末として各種の提案がある(特許文献1〜3)。
【0005】
特許文献1のように、カメラライトのオート制御には、周辺の照度を検知する装置がある。特許文献1の装置は、周辺の照度を検知する手段から取得した周辺の明るさにより、カメラライトの点灯、消灯を制御している。
【0006】
また、特許文献2のように、カメラライトのオート制御には、被写体の照度を検知する装置もある。特許文献2の装置は、被写体の照度を検知する手段から取得した被写体の明るさによって、ライトを点灯、消灯を制御している。
【0007】
さらに、特許文献3のように、角度を検知する手段を利用した従来技術として、加速度センサのブレで補助ライトを消灯する制御が実施されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−012609号公報
【特許文献2】特開平06−014227号公報
【特許文献3】特開2010−019977号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、特許文献1の制御では、周辺の照度を検知する手段と被写体の明るさがイコールとならない。そのため、周辺の照度を検知する手段に指がかかる、周囲にライトがあるなど、周辺の明るさと被写体の明るさに乖離がある場合、カメラライトの点灯、消灯制御が意図した通りに動作しない。その場合、撮影した写真の露出が、オーバー、アンダーになる可能性がある。
【0010】
また、特許文献2の制御では、ライトの点灯によって被写体の照度が変化してしまう。上記に対し、特許文献2には、点灯状態から消灯状態に移行する被写体の照度レベルを所定値だけ大きく設定し、ライトの点灯、消灯の急速な繰返しを避けるとある。
【0011】
しかし、点灯状態から消灯状態に移行する被写体の照度レベルを所定値だけ大きく設定しても、ハンチング現象を押さえることは困難である。ハンチング現象を押さえることが困難な状況としては、被写体が白い場合、光沢がある場合で、被写体に近づいてしまった場合があげられる。この問題が発生する原因は、カメラ機能から取得する被写体の明るさによって、ライトの点灯、消灯制御をしていることに起因する。
【0012】
ハンチング現象を押さえることが困難な状況について、
図6を用いて説明する。
図6に示すように、カメラライト101と被写体103の距離102が遠い場合は、被写体103に反射するカメラライト101の光が減るため、該当の状況とはならない。
【0013】
携帯電話端末100と被写体の距離102が近い場合は、必然的にカメラライト101と被写体103の距離も近くなる。そのため、カメラライト101の光が、被写体103に反射することにより、被写体103の明るさが高く見えてしまう。
【0014】
被写体103の明るさが高くなり、一定の閾値を超えることで、カメラライト101を消灯すると、被写体103の明るさが落ちる。それにより、被写体103の明るさが低くなり、一定の閾値以下となることで、カメラライト101を点灯する。
【0015】
カメラライト101が点灯すると被写体103が明るくなり、と繰り返すことで、ハンチング現象が発生してしまう。上述の現象は、カメラライト101の点灯時の被写体103の明るさが、昼間の屋外程度となることで発生する。特に携帯電話の接写モード、近接モードなど、近くの本の内容をメモする代わりに撮影するといった用途で用いた場合に発生することが考えられる。
【0016】
このときに、特許文献2では、点灯状態から消灯状態に移行する被写体103の照度レベルを所定値だけ大きく設定することが記載されている。しかし、被写体の明るさが昼間の屋外程度になると、所定値が大きくなりすぎるため、今度は明るい場所に行っても、消灯しない状態に陥ることが容易に予想できる。
【0017】
また、特許文献3の制御は被写体の明るさと無関係に、加速度センサの特定の移動量でカメラライトの消灯制御を行うため、カメラ機能の縦横持ち換えなどで消灯してしまう。たとえば、
図7のようにカメラ機能201を被写体202に向けたまま、撮影できる範囲を変更するためにカメラ機能201を回転した場合でもライトが消灯することが考えられる。
【0018】
特許文献3にある接眼センサとの組み合わせで、有効となる制御であるが、接眼センサはファインダ窓のない携帯電話には適用できない。また部品点数を抑える必要のある携帯電話に向かず、特許文献3の制御を携帯電話に適用することは困難である。
【0019】
本発明は上述のような課題に鑑みてなされたものであり、ハンチング現象を発生させることなくカメラライトを適切に点灯または消灯させることができる携帯電子機器、そのデータ処理方法およびコンピュータプログラム、を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の携帯電子機器は、装置本体と、装置本体に搭載されていて被写体を撮像するとともに事前に明度を検出するカメラ機能と、カメラ機能で撮像される被写体を照明するカメラライトと、検出された明度が所定の閾値以下であるとカメラライトを点灯させるライト点灯手段と、検出された明度が閾値を超過しているとカメラライトを消灯させるライト消灯手段と、カメラ機能と被写体とを結ぶ軸を中心に装置本体が回転されているときには明度が閾値を超過してもカメラライトを消灯させない消灯規制手段と、を有する。
【0021】
本発明のデータ処理方法は、本発明の携帯電子機器のデータ処理方法であって、検出された明度が所定の閾値以下であるとカメラライトを点灯させるライト点灯動作と、検出された明度が閾値を超過しているとカメラライトを消灯させるライト消灯動作と、カメラ機能と被写体とを結ぶ軸を中心に装置本体が回転されているときには明度が閾値を超過してもカメラライトを消灯させない消灯規制動作と、を有する。
【0022】
本発明のコンピュータプログラムは、本発明の携帯電子機器のコンピュータプログラムであって、検出された明度が所定の閾値以下であるとカメラライトを点灯させるライト点灯処理と、検出された明度が閾値を超過しているとカメラライトを消灯させるライト消灯処理と、カメラ機能と被写体とを結ぶ軸を中心に装置本体が回転されているときには明度が閾値を超過してもカメラライトを消灯させない消灯規制処理と、を携帯電子機器に実行させる。
【0023】
なお、本発明の各種の構成要素は、その機能を実現するように形成されていればよく、例えば、所定の機能を発揮する専用のハードウェア、所定の機能がコンピュータプログラムにより付与された携帯電子機器、コンピュータプログラムにより携帯電子機器に実現された所定の機能、これらの任意の組み合わせ、等として実現することができる。
【0024】
また、本発明の各種の構成要素は、必ずしも個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等でもよい。
【0025】
また、本発明のコンピュータプログラムおよびデータ処理方法は、複数の処理および動作を順番に記載してあるが、その記載の順番は複数の処理および複数の動作を実行する順番を限定するものではない。
【0026】
このため、本発明のコンピュータプログラムおよびデータ処理方法を実施するときには、その複数の処理および複数の動作の順番は内容的に支障しない範囲で変更することができる。
【0027】
さらに、本発明のコンピュータプログラムおよびデータ処理方法は、複数の処理および複数の動作が個々に相違するタイミングで実行されることに限定されない。このため、ある処理および動作の実行中に他の処理および動作が発生すること、ある処理および動作の実行タイミングと他の処理および動作の実行タイミングとの一部ないし全部が重複していること、等でもよい。
【発明の効果】
【0028】
本発明の携帯電子機器では、カメラ機能で事前に検出された明度が所定の閾値以下であるとカメラライトをライト点灯手段が点灯させ、検出された明度が閾値を超過しているとカメラライトをライト消灯手段が消灯させるが、カメラ機能と被写体とを結ぶ軸を中心に装置本体が回転されているときには明度が閾値を超過してもカメラライトを消灯規制手段が消灯させない。このため、構図を決めている最中であることが予想されるときには点灯されたカメラライトが消灯されないので、ハンチング現象を発生させることなくカメラライトを適切に点灯または消灯させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の携帯電子機器である携帯電話端末を回転させる状態を示す模式的な斜視図である。
【
図2】携帯電話端末の回路構造を示すブロック図である。
【
図3】携帯電話端末の外観を示す正面図および背面図である。
【
図4】携帯電子機器によるデータ処理方法を示すフローチャートである。
【
図5】携帯電子機器によるデータ処理方法を示すタイムチャートである。
【
図6】一の従来例の携帯電話端末が被写体との距離を変化させる状態を示す模式的な斜視図である。
【
図7】他の従来例の携帯電話端末が被写体に対して回転する状態を示す模式的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の実施の一形態を
図1ないし
図5を参照して以下に説明する。本実施の形態の携帯電子機器である携帯電話端末300は、装置本体と、装置本体に搭載されていて被写体を撮像するとともに事前に明度を検出するカメラ機能411と、カメラ機能411で撮像される被写体を照明するカメラライトである高輝度LED413と、検出された明度が所定の閾値以下であると高輝度LED413を点灯させるライト点灯手段と、検出された明度が閾値を超過していると高輝度LED413を消灯させるライト消灯手段と、カメラ機能411と被写体とを結ぶ軸を中心に装置本体が回転されているときには明度が閾値を超過しても高輝度LED413を消灯させない消灯規制手段と、を有する。
【0031】
より具体的には、本実施の形態のカメラ機能411付き携帯電話端末300が、
図1に示すように、カメラライトである高輝度LED413が点灯中、カメラ機能411と被写体(図示せず)とを結んだ軸302を中心とした回転をおこなった場合、例として
図1(a)のように横長の状態から
図1(b)の縦長の状態に回転したとする。
【0032】
この場合は、被写体の明るさをカメラ機能411から取得する制御を行わない。または、被写体の明るさをカメラ機能411から取得する制御をおこなったとしても、高輝度LED413の消灯制御をおこなわない。これは、カメラ機能411が、まだ被写体の方向を向いているため、構図を決めている最中であることが予想されるためである。
【0033】
また、この場合にライト消灯制御をおこなうことは被写体の明るさを変えることになり、ライトの点灯、消灯の急速な繰返し(ハンチング現象)が発生することになるためである。なお、上述のようにカメラ機能411と被写体とを結ぶ軸とは、例えば、カメラ機能411の光軸である。
【0034】
カメラ機能411付き携帯電話端末300のライトが点灯中、カメラ機能411と被写体とを結んだ軸以外の線、例えば、装置本体の横軸301や縦軸303を軸として回転が発生した場合は、被写体の明るさをカメラ機能411から取得する制御を行う。そして、カメラ機能411から取得した被写体の明るさにより、消灯判定、消灯制御を実施する。これは、カメラ機能411が被写体から外れたことが推測されるためである。
【0035】
上記を実現するため、
図2に本実施の形態のカメラ機能411および高輝度LED413を搭載した携帯電話端末300の構成例を示す。角度を検知する手段として、加速度センサ409とセンサ制御部408を搭載している。
【0036】
撮影を行うための手段として、カメラ機能411とカメラ制御部410を搭載している。被写体を照らす手段として、カメラライト用の高輝度LED413とLED制御部412を搭載している。
【0037】
撮影するトリガーを発生させるためのキー入力部406を搭載している。撮影までのプレビュー、撮影した画像を表示、制御データを表示するための液晶表示部407を搭載している。
【0038】
画像データを変換、加速度センサ409のデータ処理などを行うデータ処理部404を搭載している。処理時の一時的なワーク領域としてのRAM(Random Access Memory)403と、携帯電話を処理する各種データを保存するためのROM(Read Only Memory)402を搭載している。
【0039】
携帯電話として基地局と送受信するための送受信部405を搭載している。携帯電話としての機能を処理、カメラ機能411の制御、加速度センサ411の制御、高輝度LED413の制御など、携帯電話全体の制御を行うCPU(Central Processing Unit)401を搭載している。
【0040】
CPU401は、携帯電話の全体の制御を行う処理装置である。CPU401は、バスを介して、装置内の各部と接続されている。
【0041】
ROM402は、CPU401が実行する画像解析、加速度センサ409の制御、カメラ機能411の制御、LED413の制御、読み出しなどの各種制御プログラムや、角度データの計算、判定プログラムなどが保存される領域である。
【0042】
RAM403は、CPU401が処理を行う上で必要とされる制御プログラム、データを展開する領域である。データ処理部404は、DSP(Digital Signal Processor)などで構成され、加速度センサ409からの角度データの解析、撮影したデータのエンコードなど撮影データの処理を行う処理部である。
【0043】
送受信部405は、移動体通信システムにおいて、基地局とのデータ送受信を行う回路であり、音声データ、画像データの送受信を実施する。キー入力部406は、使用者から入力されたキー情報を受け取り、CPU401に伝達する。方向入力装置、テンキー、カメラ機能起動キー、カメラ撮影開始キー、メニュー起動キーなどから構成される。
【0044】
液晶表示部407は、LCD(Liquid Crystal Display)からなる。カメラ機能機能、カメラ機能ライブビュー、カメラ機能撮影後の確認画、携帯電話の各種情報、ユーザーインターフェースなどを表示する。
【0045】
センサ制御部408は、加速度センサ409の制御、および加速度センサ409の出力解析を実施する制御部である。加速度センサ409は、重力を検出する二次元または三次元のセンサである。加速ベクトルの合計から、地面に対する姿勢を測定する装置で、本発明では携帯電話端末300の回転方向の検出に用いる。
【0046】
カメラ制御部410は、カメラ機能411の制御、およびカメラ機能411の出力データの受け取りを行う制御部である。カメラ機能411は、レンズやCCD(Charge Coupled Device)センサを搭載したカメラモジュールである。
【0047】
LED制御部412は、カメラライトとしての高輝度LED413の点灯制御、消灯制御を行う制御部である。高輝度LED413は、カメラ機能411用のライトとして用いられる。
【0048】
図3に本実施の形態の携帯電話端末300の外観を示す。
図3では、説明のため液晶表示部407が見える側を表、液晶表示部407が見えない側を裏としている。液晶表示部407は、カメラ機能ライブビューに使用されるため、カメラ機能411は液晶表示部407の裏側に搭載される。
【0049】
キー入力部406は、カメラ撮影のシャッターに使用されるため、液晶表示部407と同じ側に搭載される。高輝度LED413は、カメラライトとして搭載されるため、カメラ機能411と同じ側に搭載される。
【0050】
上述のような構成において、本実施の形態の携帯電話端末300の処理動作を、
図2,
図4,
図5を参照して以下に説明する。
図4は、ライトである高輝度LED413のオート制御処理のフローチャート、
図5はタイムチャート、である。
【0051】
ライトオート制御が始まると、高輝度LED413を点灯する必要があるかを確認するため、
図4に示すように、カメラ機能411により被写体の明るさ情報を取得する(601)。
【0052】
これは、
図2のROM402に保存されたプログラムにしたがって、CPU401が、カメラ機能411、カメラ制御部410から読み出しを行いRAM403に保存する制御である。
【0053】
取得した明るさ情報を判定し、明るさがライト点灯の閾値を超えているかを判定する(602)。これは、RAM403に保存された被写体の明るさ情報と、ROM402に保存された閾値とを比較することで判定する制御である。
【0054】
判定の結果、点灯の必要がない場合は(602−N)、カメラ機能411から被写体の明るさを取得する処理を継続する(601,602)。点灯の必要があると判断される程度に、被写体の明るさが暗い場合(602−Y)、
図4および
図5に示すように、高輝度LED413を点灯する(603、701)。
【0055】
高輝度LED413の点灯制御は、ROM402に保存されたプログラムにしたがって、CPU401が、LED制御部412、高輝度LED413を制御することで行う。ライト点灯中は、加速度センサ409から回転角度を取得する(604)。
【0056】
加速度線からの回転角度の取得は、ROM402に保存されたプログラムにしたがって、CPU401が、センサ制御部408、加速度センサ409から読み出しを行う。取得した回転角度の情報は、RAM403に保存する。
【0057】
ここで、回転角度が、
図1の軸302を中心とした回転であった場合は(605−N、702)、消灯制御を行わない。回転が、
図1の302を軸とした回転で無かった場合は(605−Y、703)、消灯の判定用に、カメラ機能から被写体の明るさ情報の取得を実施する(606)。
【0058】
回転角度の判断は、RAM403に保存された回転角度情報と、ROM402に保存された判定値との比較をおこなうことで実施する。カメラ機能から取得した被写体の明るさ情報の取得が(606)、ライト消灯の閾値を超えた場合(607−Y)、ライトの消灯制御を実施する(608)。
【0059】
本実施の形態の携帯電話端末300では、カメラ機能411で事前に検出された明度が所定の閾値以下であると高輝度LED413をライト点灯手段が点灯させ、検出された明度が閾値を超過していると高輝度LED413をライト消灯手段が消灯させるが、カメラ機能411と被写体とを結ぶ軸を中心に装置本体が回転されているときには明度が閾値を超過しても高輝度LED413を消灯規制手段が消灯させない。
【0060】
このため、構図を決めている最中であることが予想されるときには点灯された高輝度LED413が消灯されないので、ハンチング現象を発生させることなく高輝度LED413を適切に点灯または消灯させることができる。
【0061】
しかも、被写体の明度をカメラ機能411で検出するので、被写体の明度を検出するために専用のデバイスが必要なく、携帯電話端末300の小型軽量化に寄与することができる。
【0062】
なお、本発明は本実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で各種の変形を許容する。例えば、上記形態ではカメラ機能411と被写体とを結ぶ軸が、カメラ機能411の光軸としてハードウェアに固定されていることを例示した。
【0063】
しかし、カメラ機能411と被写体とを結ぶ軸が、所定の画像認識により設定されてもよい。例えば、近年のカメラ機能411には人間の顔面を認識して焦点を制御する機能などがあるので、この機能を利用して上述の軸を設定してもよい(図示せず)。
【0064】
また、上記形態では携帯電子端末がスライド構造の携帯電話端末300からなることを例示した。しかし、携帯電子端末が、折り畳み構造の携帯電話端末からなること、ソリッド構造の携帯電話端末からなること、折り畳み構造やスライド構造やソリッド構造のPDA(Personal Digital Assistance)や電子辞書からなること、等でもよい(図示せず)。
【0065】
さらに、本実施の形態では携帯電子機器の各部がコンピュータプログラムにより各種機能として論理的に実現されることを例示した。しかし、このような各部の各々を固有のハードウェアとして形成することもでき、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせとして実現することもできる。
【0066】
なお、当然ながら、上述した実施の形態および複数の変形例は、その内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。また、上述した実施の形態および変形例では、各部の構造などを具体的に説明したが、その構造などは本願発明を満足する範囲で各種に変更することができる。
【符号の説明】
【0067】
100 携帯電話端末
101 カメラライト
102 距離
103 被写体
201 カメラ機能
202 被写体
300 携帯電話端末
301 横軸
302 軸
303 縦軸
401 CPU
402 ROM
403 RAM
404 データ処理部
405 送受信部
406 キー入力部
407 液晶表示部
408 センサ制御部
409 加速度センサ
410 カメラ制御部
411 カメラ機能
412 LED制御部
413 高輝度LED