(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来、電源コネクタ等の電子部品では、例えば、ケーブル等の相手方部品を差込んで接続する際に、電源コネクタ等の電子部品に差込み時の物理的付加、つまり圧力が掛かる。その結果、電子部品の性能に微妙な狂いが生じたり、場合によっては、損壊することもある。
そのため、電源コネクタ等の電子部品に掛かる圧力を抑える工夫が多くなされている。
【0003】
例えば、第1の従来例として、
図30に示すような電子部品収納体100が知られている。この電子部品収納体100では、筐体101とカバー部材102とを備えた箱状の電子部品収納体100の内部に電源コネクタ105が装備されている。そして、この電源コネクタ105は、筐体101に固定された基板104に取り付けられている。
電源コネクタ105の先端部、つまりケーブル接続部105Bは、カバー部材102に形成された貫通穴102Cに挿通されている。このような電源コネクタ105の後端面は、基板104の上面に固着された補強部材103と当接した構造となっており、この補強部材103により、ケーブル等の差込時の圧力に対抗できるようになっている。
【0004】
第2の従来例として、
図31に示すような電子部品収納体110が知られている。
この電子部品収納体110では、基板114上に前記電源コネクタ105が装備されており、また、その電源コネクタ105の背後に、縦長状の板部材で構成された補強部材113が立設されている。そして、電源コネクタ105の後端面と補強部材113の先端とが当接するように補強部材113の位置が設定されている。
【0005】
このような電子部品収納体110を組立てるには、まず、電源コネクタ105が装備され、補強部材113が固着された基板114を筐体111に取付けた後、
図31に示すように、電源コネクタ105のケーブル接続部105Bと、それに対応するカバー部材112の貫通穴112Cとが係合するようにカバー部材112をスライドさせる。
その後、カバー部材112を筐体111に取付け、固定する。その結果、電子部品収納体110の内部において、電源コネクタ105が補強部材113により補強されているので、ケーブル等の差込時の圧力に対抗できるようになっている。
【0006】
また、第3の従来例として、
図32,33に示すような電子部品収納体120が知られている。
この電子部品収納体120では、筐体121の内部で、かつ奥側の側面部に幅方向の一端を当接させた状態で、板状の補強部材123を筐体121の底面部に立設しておき、その補強部材123に、基板124に形成された貫通溝124Aを通して基板124を所定位置に固定する構造となっている。この例では、基板124の貫通溝124Aとは反対側に前記電源コネクタ105が装備され、この電源コネクタ105の後端面と上記板状の補強部材123の先端とが当接している。
【0007】
このような電子部品収納体120を組立てるには、まず、筐体121に、電源コネクタ105が装備された基板124を取付けた後、
図31に示すように、電源コネクタ105のケーブル接続部105Bと、それに対応するカバー部材122の貫通穴122Cとが係合するようにカバー部材122をスライドさせて、筐体121とカバー部材122とを取付け、固定する。
その結果、電子部品収納体120の内部において、電源コネクタ105が補強部材123により補強されているので、ケーブル等の差込時の圧力により後退しないようになっている。
【0008】
さらに、第4の従来例として、
図34,35に示すような電子部品収納体130が知られている。
この電子部品収納体130では、筐体131の奥側の側面部内部に、縦長の板状部材からなる補強部材133が、筐体131の底面部から所定寸法高い位置に、かつ横方向に向けて上記側面部と直交させた状態で固着されている。
その補強部材133の下端側に基板134が配置されるようになっており、この基板134には前記電源コネクタ105が装備されている。そして、基板134が筐体131の所定位置に固定されたとき、上記補強部材133の先端部が電源コネクタ105の後端面に当接するように構成されている。
【0009】
このような電子部品収納体130を組立てるには、まず、筐体131に、電源コネクタ105が装備された基板134を取付けた後、
図35に示すように、電源コネクタ105のケーブル接続部105Bと、それに対応するカバー部材132の貫通穴132C1とが係合するようにカバー部材132をスライドさせて、筐体131とカバー部材132とを取付け、固定する。
その結果、電子部品収納体130の内部において、電源コネクタ105が補強部材133により補強されているので、ケーブル等の差込時の圧力により後退しないようになっている。
【0010】
また、上記第1〜第4の実施例とは別に、コネクタ等の電子部品の取付け構造として、例えば、特許文献1〜3が挙げられる。
すなわち、特許文献1では、フラット配線用コネクタおよび嵌合部材が開示されている。このフラット配線材用コネクタおよび嵌合部材では、フラット配線用コネクタ配線材用コネクタにおいて、フラット配線材の接続、あるいは取外し作業時の作業性を向上させるように構成されている。
【0011】
特許文献2では、基板用コネクタの取付構造が開示されている。この基板用コネクタの取付構造では、基板用コネクタに相手方コネクタを嵌合させる際の基板用コネクタの撓みを防止して、回転基板とのハンダ接続の信頼性を高めるためのものであり、回路基板に支持壁と固定部とが設けられた構成となっている。
【0012】
また、特許文献3では、スライド部材組立体,スライド部材組立体の使用方法,及びスライド部材組立体を備えた筐体装置が開示されている。
このスライド部材組立体,スライド部材組立体の使用方法,及びスライド部材組立体を備えた筐体装置では、仮固定部材を用いることなく輸送中にスライド部材が動くことを防止することができるように構成されている。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、
図1〜5を参照して、本願発明に係る電子部品収納体の第1実施形態を詳細に説明する。
【0022】
図1は本第1実施形態の電子部品収納体10を示す全体外形斜視図であり、
図2は
図1におけるII−II線に沿った縦断面図であり、
図3は
図2の分解縦断面図であり、
図4は
図2の状態からカバー部材を筐体に取付ける状態を示す作用図であり、
図5は
図2におけるV−V線に沿った縦断面図である。
【0023】
本第1実施形態の電子部品収納体10は、
図1〜5に示すように、略直方体の外形形状に形成されており、内部に電子部品である電源コネクタ15が装備されると共に開口部11Dを有する筐体11と、この筐体11に取付けられ上記開口部11Dを塞ぐ弾性部材(プラスチック)からなるカバー部材12と、を備え、電源コネクタ15の先端部、つまりケーブル接続部15Bが開口部11Dの先端部側に配置され、カバー部材12に、上記ケーブル接続部15Bに対応した貫通穴12Cを形成すると共に、電源コネクタ15の後端面を係止する補強部12Dをカバー部材12の裏面から電源コネクタ15側に突出させて一体形成した構成となっている。
なお、上記電源コネクタ15は、所定の装置に電源を供給するために使用されるものである。
【0024】
筐体11は、
図1〜4に示すように、対向する2辺の側面部11A,11Aと、これらの側面部11A,11Aの一端部同士を連結する他の側面部(奥側の側面部)11Bと、これらの側面部11A,11A,11Bの下端同士を連結する底面部11Cとを備えて構成されている。そして、これらの側面部11A,11A,11Bおよび底面部11Cで囲まれた空間が開放空間となっており、側面部11Bと底面部11Cとのそれぞれの反対側が前記開口部11Dとなっている。
以上のような筐体11は、例えば、ステンレス製のプレートやプラスチック製のプレートで形成されている。
【0025】
筐体11の内部には、底面部11Cの上面から所定寸法高い位置に配置されて基板14が設けられている。この基板14は、対向する側面部11A,11A間の寸法より幅狭に形成されており、筐体11の一方の側面部11Aと、この側面部11Aと直交する他の側面部11B間に架けわたされ、公知の手段により固定されている。なお、基板14の幅寸法を、対向する側面部11A,11A間に架けわたせるような幅寸法に形成してもよい。
【0026】
基板14の上面かつ幅方向略中央部には前記電源コネクタ15が装備されており、この電源コネクタ15の前記ケーブル接続部15Bは、電源コネクタ15の本体部15Aから突出している。そして、ケーブル接続部15Bが前記貫通穴12C内に挿入され、ケーブル接続部15Bの先端がカバー部材12の前面部12Bの表面と同一面となっている。
【0027】
前記カバー部材12は、前述のように弾性部材であるプラスチック製のプレートで形成されており、上面部12Aと、この上面部12Aと直交する前記前面部12Bからなる断面L字形状とされている。カバー部材12は、上記筐体11の前記開口部11Dを塞ぐように筐体11の上端に載置され、かつ、例えば、接着や図示しないビス止め等により固定されるようになっている。
【0028】
カバー部材12の上面部12Aの裏面には、断面略U字形状の補強部12Dがカバー部材12と一体形成されている。この補強部12Dは、
図3等に示すように、上面部12Aの裏面と直交しかつ裏面から筐体11側に延びた一端部12Eと、この一端部12Eの延長線上にその一端部12Eから間隔をおいた位置に配置される他端部12Fと、これらの一端部12Eおよび他端部12F同士を連結する撓み部12Gとで形成されている。
【0029】
撓み部12Gは、一端部12Eおよび他端部12F同士を連結すると共に断面略U字形状に形成されており、カバー部材12の上面部12Aと略平行に、かつカバー部材12の前面部12B側に突出している。
ここで、カバー部材12において補強部12Dの上記一端部12Eおよび他端部12Fの取付け位置は、
図2,4に示すように、カバー部材12を筐体11に被せて固定したとき、補強部12Dの他端部12Fの裏面が前記電源コネクタ15の後端面と当接できるような位置に設定されている。
【0030】
カバー部材12の前面部12Bには、前記電源コネクタ15のケーブル接続部15Bに対応する貫通穴12Cが形成されており、この貫通穴12Cには、ケーブル接続部15Bが挿通可能となっている。
【0031】
次に、
図3〜5に基づいて、カバー部材12を筐体11に取付ける手順を説明する。
まず、
図3に示すように、カバー部材12の前面部12Bの貫通穴12Cが、筐体11に装備された電源コネクタ15のケーブル接続部15Bに接触しないように、カバー部材12を筐体11の上方から降ろす。
【0032】
カバー部材12の前面部12Bの貫通穴12Cの位置と、電源コネクタ15のケーブル接続部15Bの高さ位置とが一致する位置までカバー部材12を降ろすと、
図4に示すように、カバー部材12の補強部12Dの他端部12Fの先端が電源コネクタ15の上端面に当接すると共に、その上端面に押されてカバー部材12の撓み部12が撓む。
【0033】
次いで、この状態から、
図4に矢印(水平方向)で示すように、カバー部材12を筐体11の奥側の側面部11に向けてスライドさせる。すると、前面部12Bの貫通穴12Cに電源コネクタ15のケーブル接続部15Bの先端部が挿入すると共に、補強部12Dの他端部12Fと電源コネクタ15の上端面との当接が解除される結果、撓み部12Gが初期の形状に復帰し、それに連れて他端部12Fも初期の形状に復帰し、
図2,4に示すように、補強部12Dの他端部12Fの裏面が電源コネクタ15の後端面と当接し、これにより、電源コネクタ15が補強部12Dに係止される。
【0034】
以上のような構成の第1実施形態の電子部品収納体10によれば、次のような効果が得られる。
(1)電源コネクタ15の後端面を係止する補強部12Dがカバー部材12と一体形成されているので、補強部12が基板14に干渉することがなく、その結果、基板14の部品実装やパターン配置の制約を解除することができると共に、外装部品の内装制約を削減することができる。
【0035】
(2)電源コネクタ15の後端面を係止する補強部12Dがカバー部材12と一体形成されているので、カバー部材12を筐体11に取付けるだけで補強部12Dも同時に取付けることができる。その結果、組み付け性の向上を図ることができ、生産性の向上を図ることができるようになる。
【0036】
(3)電源コネクタ15の後端面を係止する補強部12Dがカバー部材12と一体形成されているので、カバー部材12と別部材の補強部材を準備する必要がなくなり、製作の手間やコスト削減を図ることができる。
【0037】
(4)カバー部材12および補強部12Dがプラスチック製とされており、補強部12Dの撓み部12Gが断面U字形状に形成されているので、補強部12Dの他端部12Fが電源コネクタ15の上面と当接したとき撓み部12Gが充分に撓むと共に、当接が解除されたとき弾性により初期状態に戻る。その結果、補強部12Dをカバー部材12と容易に一体形成することができる。
【0038】
次に、
図6〜11を参照して、本願発明に係る電子部品収納体の第2実施形態を詳細に説明する。なお、本第2実施形態において、前記第1実施形態で使用された部材等には同一符号を付し、異なる部材のみを詳細に説明する。
【0039】
図6は本第2実施形態の電子部品収納体20を構成する筐体21とカバー部材22とを示す分解斜視図、
図7は
図6の状態からカバー部材22を筐体21に取付ける状態を示す斜視図、
図8は
図7におけるVIII−VIIII線に沿った縦断面図、
図9は
図7の状態からカバー部材22をスライドさせて筐体21に取付けた状態を示す斜視図、
図10は
図9におけるX−X線に沿った縦断面図である。
【0040】
本第2実施形態の電子部品収納体20は、内部に電子部品として前記電源コネクタ15を収納するものであり、この電源コネクタ15をカバー部材22の補強部22Dで補強する構造としたものである。
そして、この電子部品収納体20では、カバー部材22と一体形成された補強部22Dの形状を、前記第1実施形態の電子部品収納体10における補強部12Dの形状と異なる形状としたものである。
【0041】
筐体21は、前記第1実施形態の筐体11と同一材料で、かつ略同一形状に形成されており、開口部21Dを有している。そして、筐体21の内部には、予め上記電源コネクタ15を装備した基板24が、筐体21の底面部31Cの上面から所定寸法高い位置に固定されている。
【0042】
また、カバー部材22も前記第1実施形態のカバー部材12と同一材質の部材で形成され、かつ第1実施形態のカバー部材12と略同一形状に形成されている。すなわち、カバー部材22は、上面部22Aと前面部22Bとからなる断面L字形状に形成されており、筐体21の前記開口部21Dを塞ぐようになっている。
【0043】
カバー部材22の上面22Aの裏面には、
図6等に示すように、前記電源コネクタ15の長手方向に沿って平行に配置された2枚の上記補強部22D,22Dがカバー部材22と一体形成されており、この補強部22D,22Dはプレート状に形成されている。
【0044】
これらの補強部22D,22Dは、カバー部材22の上面22Aの裏面から筐体21の底面部21C側に延びて形成され、カバー部材22を筐体21に取付けたとき(組立てたとき)、補強部22D,22Dの先端が筐体21の底面部21Cの上面から所定寸法離れるような長さに形成されている(
図10等参照)。
【0045】
また、補強部22D,22Dの幅寸法は電源コネクタ15の前記本体部15Aの長さ寸法と略同じ寸法に形成されている。そして、
図10に示すように、補強部22D,22D同士の間隔L1は、初期状態で、電源コネクタ15の本体部15Aの幅寸法Lより僅かに狭い寸法に設定されている。
【0046】
そのため、
図7,8に示すように、カバー部材22を筐体21に被せたとき、弾性を有する2つの補強部22D,22Dの先端側がハ字状に拡がり、それらの補強部22D,22Dにより電源コネクタ15が挟持された状態となる。
【0047】
そして、その状態からカバー部材22を筐体21の奥側に向けてスライドさせ、カバー部材22が筐体21に取付けられたとき、
図9,10に示すように、ハ字状に拡がっていた2つの補強部22D,22Dの先端側が、その弾性力により初期の姿勢、つまり平行な状態に戻る。その結果、補強部22D,22Dの先端部が電源コネクタ15の後端面と当接し、これにより、図略の電源プラグ等を電源コネクタ15に接続する際に生じる圧力に対抗できるようになっている。
【0048】
カバー部材22の前面部22Bには、上記電源コネクタ15のケーブル接続部15Bに対応する貫通穴22Cが形成されており、本実施形態では、
図11に示すように、ケーブル接続部15Bが貫通穴22C内に挿入されるようになっている。
【0049】
次に、
図6〜10に基づいて、上記カバー部材22を筐体21に取付ける手順を説明する。
【0050】
まず、
図6に示すように、カバー部材22の前面部22Bの貫通穴22Cが、筐体21に装備された電源コネクタ15のケーブル接続部15Bに接触しないように、カバー部材12を筐体11の上方から降ろす。
【0051】
カバー部材22の前面部22Bの貫通穴22Cの位置と、電源コネクタ15のケーブル接続部15Bの高さ位置とが一致する位置までカバー部材22を降ろすと、
図7,8に示すように、カバー部材22の2つの補強部22D,22Dの先端部側が電源コネクタ15の本体部15Aの幅方向の両側面部を挟み込む。
【0052】
その状態から、
図7に示すようにカバー部材22を筐体21の奥側に向かってスライドさせると、
図9〜11に示すように、カバー部材22の2つの補強部22D,22Dと電源コネクタ15の本体部15Aの幅方向の両側面部との係合が解除され、補強部22D,22Dが弾性力により初期の形状に戻る。
そして、補強部22D,22Dの幅方向の一端部が電源コネクタ15の本体部15Aの長さ方向の後端面と当接し、電源コネクタ15にケーブル等が差し込まれる際の圧力に対抗できるようになっている。
【0053】
以上のような構成の第2実施形態の電子部品収納体20によれば、前記(1)〜(3)と略同様の効果の他、次のような効果が得られる。
(5)補強部22D,22Dのそれぞれが板状に形成され、各補強部22D,22Dの幅方向の一端部が電源コネクタ15の後端面の全面と当接するようになっているので、より強力な補強構造とすることができる。その結果、電源コネクタ15にケーブル等が差し込まれる際の圧力に充分に対抗することができる。
【0054】
(6)補強部22D,22Dのそれぞれが板状の簡単な形状に形成されているので、カバー部材22との一体形成が容易となる。
【0055】
次に、
図12〜14を参照して、本願発明に係る電子部品収納体の第3実施形態を詳細に説明する。
【0056】
図12は本第3実施形態の電子部品収納体30を構成する筐体31とカバー部材32とを示す分解斜視図であり、
図13は
図12の状態からカバー部材32を筐体31に取付けた状態を示す斜視図であり、
図14は
図13におけるXIV−XIV線に沿った縦断面図である。
【0057】
本第3実施形態の電子部品収納体30では、内部に電子部品として前記電源コネクタ15に換えて、USBコネクタを含まない他のコネクタ類(横長コネクタと呼ぶ)35を筐体31内に収納するものであり、この横長コネクタ35をカバー部材32の補強部32Dで補強する構造としたものである。
なお、上記横長コネクタ35は、データ通信用として使用されるものである。
【0058】
第3実施形態の電子部品収納体30は、
図13に示すように、筐体31とカバー部材32とにより略直方体の外形形状に形成されている。
筐体31は、前記第1実施形態の筐体11と同一材料で、かつ略同じ形状に形成されており、開口部31Dを有している。そして、筐体31の内部には、予め上記横長コネクタ35を装備した基板34が、筐体31の底面部31Cの上面から所定寸法高い位置に固定されている。
この際、横長コネクタ35のケーブル接続部35Bの先端は、基板34の先端と略同一面に揃えられている。
【0059】
また、カバー部材32も前記第1実施形態のカバー部材12と同一材料で、かつ略同一形状に形成されている。すなわち、カバー部材32は、上面部32Aと前面部32Bとからなる断面L字形状に形成されており、筐体31の前記開口部31Dを塞ぐようになっている。
【0060】
カバー部材32の上面部32Aの裏面には、
図14に詳細を示すように、横長コネクタ35の後端面を補強する補強部32Dがカバー部材32と一体に形成されている。この補強部32Dの形状は、前記第1実施形態のカバー部材12における補強部12Dの形状と略同じ形状に形成されている。
【0061】
すなわち、補強部32Dは、
図14に示すように、上面部32Aの裏面と直交しかつ裏面から筐体31側に延びた一端部32Eと、この一端部32Eの延長線上にその一端部32Eから間隔をおいた位置に配置される他端部32Fと、これらの一端部32Eおよび他端部32F同士を連結する撓み部32Gとで形成されている。
撓み部32Gは、一端部32Eおよび他端部32F同士を連結すると共に断面略U字形状に形成されており、上面部32Aと略平行に上記前面部32B側に突出している。
【0062】
また、カバー部材32の前面部32Bには、横長コネクタ35のケーブル接続部35Bの先端に対応する長方形形状の貫通角長穴32Cが形成されている。
【0063】
以上のような構成の第3実施形態の電子部品収納体30では、
図12に示すように、 カバー部材32の前面部32Bの貫通穴32Cが、筐体31に装備された横長コネクタ35のケーブル接続部35Bに接触しないように、カバー部材32を筐体31の上方から降ろす。
【0064】
上記両者32C,35Bの水平方向の位置が一致したら、カバー部材32を筐体31の奥側に向けてスライドさせる。この際の補強部32Dの作用は、前記第1実施形態の補強部12Dの動き、変形と同じように、補強部32Dの撓み部32Gが変形して撓み、スライド終了時、つまり、カバー部材32と筐体31とが完全に所定の位置に納まったとき、補強部32Dにより横長コネクタ35の後端面が係止される。
【0065】
以上のような構成の第3実施形態の電子部品収納体30によれば、前記(1)〜(3)と略同様の効果を得ることができる他、次のような効果が得られる。
(7)電子部品収納体30内に横長コネクタ35が収納されている場合でも、その横長コネクタ35の後端面を、カバー部材32と一体形成された補強部32Dで確実に補強することができる。
【0066】
次に、
図15〜17を参照して、本願発明に係る電子部品収納体の第4実施形態を詳細に説明する。
【0067】
図15は本第4実施形態の電子部品収納体40を構成する筐体41とカバー部材42とを示す分解斜視図であり、
図16は
図15の状態からカバー部材42を筐体41に取付けた状態を示す斜視図であり、
図17は
図16におけるXVII−XVII線に沿った縦断面図である。
【0068】
本第4実施形態の電子部品収納体40では、内部に電子部品としてスイッチ45を収納するものであり、このスイッチ45をカバー部材42の補強部42Dで補強する構造としたものである。
なお、上記スイッチ45は、装置の初期化をするために使用されるものである。
【0069】
第4実施形態の電子部品収納体40は、
図16に示すように、筐体41とカバー部材12とにより、略直方体の外形形状に形成されており、開口部41Dを有している。
筐体41は、前記第1実施形態の筐体11と同一材料で、かつ略同じ形状に形成されている。そして、筐体41の内部には、予めスイッチ45を装備した基板44が、筐体41の底面部41Cの上面から所定寸法高い位置に固定されている。
この際、スイッチ45の先端部45Aは、基板44の先端から所定寸法突出している。
【0070】
また、カバー部材42も前記第1実施形態のカバー部材12と同一材料で、かつ略同一形状に形成されている。すなわち、カバー部材42は、上面部42Aと前面部42Bとからなる断面L字形状に形成されており、筐体41の前記開口部41Dを塞ぐようになっている。
【0071】
カバー部材42の上面部42Aの裏面には、
図17に詳細を示すように、スイッチ45の後端面を補強する補強部42Dがカバー部材42と一体に形成されている。また、この補強部42Dの形状は、前記第1実施形態のカバー部材12における補強部12Dの形状と略同じ形状に形成されている。
【0072】
すなわち、補強部42Dは、
図17に示すように、上面部42Aの裏面と直交しかつ裏面から筐体41側に延びた一端部42Eと、この一端部42Eの延長線上にその一端部42Eから間隔をおいた位置に配置される他端部42Fと、これらの一端部42Eおよび他端部42F同士を連結する撓み部42Gとで形成されている。
撓み部42Gは、一端部42Eおよび他端部42F同士を連結すると共に断面略U字形状に形成されており、上面部42Aと略平行に上記前面部42B側に突出している。
【0073】
また、カバー部材42の前面部42Bには、スイッチ45の先端部45Aに対応する貫通穴42Cが形成されており、
図17に示すように、本実施形態では、先端部45Aが貫通穴42Cに挿入されるようになっている。
【0074】
以上のような構成の第3実施形態の電子部品収納体40では、
図15に示すように、 カバー部材42の前面部42Bの貫通穴42Cが、筐体41に装備されたスイッチ45の先端部45Aに接触しないように、カバー部材42を筐体41の上方から降ろす。
【0075】
上記両者42C,45Aの水平方向の位置が一致したら、カバー部材42を筐体41の奥側に向けてスライドする。この際の補強部42Dの作用は、前記第1実施形態の補強部12Dの動き、変形と同じように、補強部42Dの撓み部42Gが変形して撓み、スライド終了時、つまり、カバー部材42と筐体41とが完全に所定の位置に納まったとき、補強部42Dによりスイッチ45の後端面が係止される。
【0076】
以上のような構成の第4実施形態の電子部品収納体40によれば、前記(1)〜(3)と略同様の効果の他、次のような効果が得られる。
(8)電子部品収納体40の筐体41内にスイッチ44がされている場合でも、そのスイッチ44の後端面を、カバー部材42と一体形成された補強部42Dで確実に補強することができる。
【0077】
次に、
図18〜20を参照して、本願発明に係る電子部品収納体の第5実施形態を詳細に説明する。
【0078】
図18は本第5実施形態の電子部品収納体50を構成する筐体51とカバー部材52とを示す分解斜視図であり、
図19は
図18の状態からカバー部材52を筐体51に取付けた状態を示す斜視図であり、
図20は
図19におけるXX−XX線に沿った縦断面図である。
【0079】
本第5実施形態の電子部品収納体50では、内部に電子部品として幅の広いコネクタ55を収納するものであり、この幅の広いコネクタ55をカバー部材52の補強部52Dで補強する構造としたものである。
なお、上記幅の広いコネクタ55は、データ通信用として使用されるものである。
このコネクタ55は、4個の電源コネクタ55Cを外枠55A内に並列配置して構成されており、この外枠55Aの幅方向両端の2個所に設けた補強部52D,52Dで補強する構成となっている。
【0080】
第5実施形態の電子部品収納体50では、4個の電源コネクタ55Cを外枠55A内に並列配置して構成されたコネクタ55を使用していることから、筐体51の幅寸法が前記各実施形態1〜4の筐体11,21,31,41より大きな寸法に形成されている。また、それに対応して、カバー部材52も前記カバー部材12等に比べて幅広に形成されている。
【0081】
筐体51は、前記第1実施形態の筐体11と同一材料で、かつ略同じ形状に形成されており、開口部51Dを有している。ただし、上述のように、全体の大きさは第1実施形態の筐体11等に比べて大きく形成されている。
そして、筐体51の内部には、予め上記4個の電源コネクタ55Cからなるコネクタ55を装備した基板54が、筐体51の底面部51Cの上面から所定寸法高い位置に固定されている。この際、コネクタ55のケーブル接続部55Bの先端は、基板54の先端と略同一面に揃えられている。
【0082】
また、カバー部材52も前記第1実施形態のカバー部材12と同一材料で、かつ略同一形状に形成されている。すなわち、カバー部材52は、上面部52Aと前面部52Bとからなる断面L字形状に形成されており、筐体51の前記開口部51Dを塞ぐようになっている。
【0083】
カバー部材52の上面部52Aの裏面には、カバー部材52と一体に形成されると共に、幅広のコネクタ55の後端面と当接し、かつ補強する補強部52Dが、そのコネクタ55の幅方向両端側に対応するように2箇所に設けられている。
これらの補強部52D,52Dの形状は、前記第1実施形態のカバー部材12における補強部12Dの形状と略同じ形状に形成されている。
【0084】
すなわち、各補強部52Dは、
図20に示すように、それぞれ、上面部52Aの裏面と直交しかつ裏面から筐体51側に延びた一端部52Eと、この一端部52Eの延長線上にその一端部52Eから間隔をおいた位置に配置される他端部52Fと、これらの一端部52Eおよび他端部52F同士を連結する撓み部52Gとで形成されている。
撓み部52Gは、一端部52Eおよび他端部52F同士を連結すると共に断面略U字形状に形成されており、上面部52Aと略平行に上記前面部52B側に突出している。
【0085】
また、上記カバー部材52の前面部52Bには、コネクタ55のケーブル接続部55Bの先端に対応する貫通角長穴52Cが形成されている。
【0086】
以上のような構成の第5実施形態の電子部品収納体50では、
図18に示すように、カバー部材52の前面部52Bの貫通穴52Cが、筐体51に装備されたコネクタ55のケーブル接続部55Bの先端に接触しないように、カバー部材52を筐体51の上方から降ろす。
【0087】
上記両者52C,55Bの高さ方向の位置が一致したら、カバー部材52を筐体51の奥側に向けてスライドする。この際の補強部52Dの作用は、前記第1実施形態の補強部12Dの動き、変形と同じように、補強部52Dの撓み部52Gが変形して撓み、スライド終了時、つまり、カバー部材52と筐体51とが完全に所定の位置に納まったとき、補強部52Dによりコネクタ55の後端面が係止される。
【0088】
以上のような構成の第5実施形態の電子部品収納体50によれば、前記(1)〜(3)と略同様の効果の他、次のような効果が得られる。
(9)コネクタ55が筐体51の幅方向のほぼ全域にわたって配置されていても、そのコネクタ55の幅方向両端の2箇所を補強できるように、カバー部材52の2箇所に補強部52D,52Dが設けられているので、幅の広いコネクタ55であっても、安定して、かつ確実に補強することができる。
【0089】
次に、
図21〜25を参照して、本願発明に係る電子部品収納体の第6実施形態を詳細に説明する。
【0090】
図21は、本第6実施形態の電子部品収納体60を構成する筐体61とカバー部材62とを示す分解斜視図であり、
図22は
図21の状態からカバー部材62を筐体61に取付けた状態を示す斜視図であり、
図23はカバー部材62を筐体61に取付ける際の補強部62Dの撓み変形状態を示す平面図であり、
図24はカバー部材62のスライドが終了した状態を示す平面図であり、
図25は補強部62Dの詳細を示す斜視図である。
【0091】
本第6実施形態の電子部品収納体60では、内部に電子部品として前記第5実施形態の電子部品収納体50で使用されているコネクタ55と略同様の大きさのコネクタ65を、高さの低い筐体61に装備すると共に、上記コネクタ65を、その両側面部側の後端面で補強する構造としたものである。
なお、上記幅の広いコネクタ65は、データ通信用として使用されるものである。
【0092】
筐体61は、前記第1実施形態の筐体11と同一材料で、かつ略同じ形状に形成されており、開口部61Dを有している。ただし、上述のように、全体の幅寸法は第1実施形態の筐体11等に比べて大きく形成されているのに対し、高さ寸法は上述のように、低く形成されている。
【0093】
筐体61の内部には、予め上記4個の電源コネクタ65Cからなるコネクタ65を装備した基板64が、筐体61の底面部61Cの上面から所定寸法高い位置に固定されている。
この際、コネクタ65のケーブル接続部65Bの先端は、基板64の先端と略同一面に揃えられている。
【0094】
また、カバー部材62も前記第1実施形態のカバー部材12と同一材料で、かつ略同一形状に形成されている。すなわち、カバー部材62は、上面部62Aと前面部62Bとからなる断面L字形状に形成されており、筐体61の前記開口部61Dを塞ぐようになっている。
【0095】
カバー部材62の上面部62Aの裏面には、
図25に詳細を示すように、コネクタ65の幅方向両側面部と直交した後端面を補強する補強部62Dが、カバー部材62と一体に形成されている。
この補強部62Dの形状は、前記第1実施形態のカバー部材12における補強部12Dの形状に支持部65Hを加えた形状に形成されている。
【0096】
すなわち、補強部62Dは、
図25に示すように、上面部62Aの裏面と直交しかつ裏面から筐体51側に延びた支持部65Hと、この支持部65Hの下端に連続すると共に、上記筐体61の一方の側面部側に延びた一端部62Eと、この一端部62Eの延長線上にその一端部62Eから間隔をおいた位置に配置される他端部62Fと、これらの一端部62Eおよび他端部62F同士を連結する撓み部62Gとで形成されている。
【0097】
撓み部62Gは断面略U字形状に形成されており、コネクタ65および筐体61の一方の側面部と略平行に、カバー部材62の前面部62B側に突出している。
上記支持部65Hは、カバー部材62の裏面の一部として一体形成されたフランジ部65aと、このフランジ部65aと直交すると共に上記一端部62Eに繋がる繋ぎ部65bとで形成されている。
なお、
図23,24は、カバー部材62の上面62Aを透過した状態を表している。
【0098】
また、上記カバー部材62の前面部62Bには、コネクタ65のケーブル接続部65Bの先端に対応する貫通角長穴62Cが形成されている。
【0099】
以上のような構成の第6実施形態の電子部品収納体60では、まず、
図21に示すように、カバー部材62の前面部62Bの貫通穴62Cが、筐体61に装備されたコネクタ65のケーブル接続部65Bの先端に接触しないように、カバー部材62を筐体61の上方から降ろす。
【0100】
上記両者62C,65Bの高さ方向の位置が一致したら、カバー部材62を筐体61の奥側に向けてスライドさせる。この際、補強部62Dの撓み部62Gは
図23に示すように変形する。
すなわち、前記第1実施形態の補強部12Dとは向きが異なるが、補強部62Dの他端部62Fが、コネクタ65の側面部と当接することで撓み部62Gが変形し、その姿勢でさらにスライドさせると、補強部62Dの他端部62Fとコネクタ65の側面部との当接状態が解除され、撓み部62Gが初期の形状に戻り、その結果、他端部62Fとコネクタ65の幅方向両端部の後端面とが係止される。
【0101】
以上のような構成の第6実施形態の電子部品収納体60によれば、前記(1)〜(3)と略同様の効果の他、次のような効果が得られる。
(10)幅の広いコネクタ65を、高さの低い筐体61に収納しなければならない場合であっても、カバー部材62に一体形成された補強部62Dの一端部62E、他端部62Fおよび撓み部62Gが、コネクタ65の幅方向両側面に沿ってスライドすると共に、スライド終了後にコネクタ65の幅方向両側面の後端面を係止するようになっているので、高さの低い筐体61に幅の広いコネクタ65を補強しつつ収納することができる。
【0102】
次に、
図26〜28を参照して、本願発明に係る第7実施形態の電子部品収納体を詳細に説明する。
【0103】
図26は、第7実施形態の電子部品収納体70を構成する筐体71とカバー部材72とを示す分解斜視図であり、
図27は
図26の状態からカバー部材72を筐体71に取付けた状態を示す斜視図であり、
図28は
図27におけるY−Y線に沿った縦断面図である。
【0104】
この第7実施形態の電子部品収納体70では、レンズ部品75をカバー部材72の補強部72D,72Dで補強する構造としたものである。
なお、上記レンズ部品75は、発光ランプの導光用として使用されるものである。
【0105】
筐体71は、前記第1実施形態の筐体11と同一材料で、かつ略同じ形状に形成されており、開口部71Dを有している。
筐体71の内部には、予めレンズ部品75を装備した基板74が、筐体71の底面部71Cの上面から所定寸法高い位置に固定されている。
この際、レンズ部品75の先端部75Aは、基板74の先端から突出している。
【0106】
また、カバー部材72も前記第1実施形態のカバー部材12と同一材料で、かつ略同一形状に形成されている。すなわち、カバー部材72は、上面部72Aと前面部72Bとからなる断面L字形状に形成されており、筐体71の前記開口部71Dを塞ぐようになっている。
【0107】
カバー部材72の上面部72Aの裏面には、レンズ部品75の後端面を補強する補強部72Dが、カバー部材72と一体に形成されている。
すなわち、補強部72Dは、
図28に示すように、上面部72Aの裏面と直交しかつ裏面から筐体71側に延びた一端部72Eと、この一端部72Eの延長線上にその一端部72Eから間隔をおいた位置に配置される他端部72Fと、これらの一端部72Eおよび他端部72F同士を連結する撓み部72Gとで形成されている。
撓み部72Gは、一端部72Eおよび他端部72F同士を連結すると共に断面略U字形状に形成されており、上面部72Aと略平行に上記前面部72B側に突出している。
【0108】
上記カバー部材72の前面部72Bには、レンズ部品75の先端部75Aに対応する貫通穴72Cが形成されており、
図28に示すように、本応用例では、レンズ部品75の先端部75Aが貫通穴72Cに挿入されるようになっている。
【0109】
以上のような構成の応用例の電子部品収納体70では、まず、
図26に示すように、カバー部材72の前面部72Bの貫通穴72Cが、筐体71に装備されたレンズ部品75の先端部75Aの先端に接触しないように、カバー部材72を筐体71の上方から降ろす。
【0110】
上記両者72C,75Aの高さ方向の位置が一致したら、カバー部材72を筐体71の奥側に向けてスライドさせる。この際の補強部72Dの作用は、前記第1実施形態の補強部12Dの動き、変形と同じように、補強部72Dの撓み部72Gが変形して撓み、スライド終了時、つまり、カバー部材72と筐体71とが完全に所定の位置に納まったとき、補強部72Dによりレンズ部品75の後端面が係止される。
【0111】
以上のような構成の第7実施形態の電子部品収納体70によれば、前記(1)〜(3)と略同様の効果の他、次のような効果が得られる。
(11)電子部品収納体70の筐体71内にレンズ部品75が収納されている場合でも、そのレンズ部品75の後端面を、カバー部材72と一体形成された補強部72Dで確実に補強することができる。
【0112】
以上、上記各実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記各実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細については、当業者が理解し得るさまざまな変更を加えることが出来る。また、本願発明には、上記各実施形態の構成の一部又は全部を相互に適宜組み合わせたものも含まれる。
【0113】
例えば、前記第1、第3〜7実施形態では、カバー部材12等に設けられた補強部12D等の断面形状を、撓み部12Gがカバー部材12の前面部12B側に突出した形状としたがこれに限らない。
図29に示すような構成としてもよい。
すなわち、筐体81とカバー部材82からなる電子部品収納体80の内部に、基板84および電源コネクタ85が装備され、カバー部材82の上面82Aに補強部82Dが一体形成されている。補強部82Dは、一端部82Eと、他端部82Fと、撓み部12Gとで形成されており、撓み部82Gは、筐体81の奥側に突出している。
このようにしても、前記(1)〜(3)と略同様の効果を得ることができる。
【0114】
(付記1)
内部に基板を介して電子部品が装備されると共に開口部を設けた筐体と、
この筐体に取付けられ前記開口部を塞ぐ弾性部材からなるカバー部材と、を備え、
前記電子部品の先端部が前記開口部の先端部側に配置され、
前記カバー部材に、前記電子部品の先端部に対応した状態の貫通穴を形成すると共に前記電子部品の後端面を係止する補強部を前記カバー部材の裏面から前記電子部品側に突出させて一体形成し、
前記筐体を一つの側面部側および上面部側が開口部となった箱状に形成し、
前記カバー部材を前記一つの側面部側および上面部側を塞ぐ断面L字状に形成し、
前記カバー部材をプラスチックで構成すると共に、前記L字の一辺に前記貫通穴を形成しかつ他辺に前記補強部を形成し、
前記補強部を、一対の直線部とこれらの直線部同士を繋ぐ曲線状の撓み部からなる断面形状に形成し、
前記一方の直線部を前記カバー部材の裏面に当該カバー部材と直交して設けると共に他方の直線部を前記電子部品側に向けて一方の直線部の延長上に設け、前記撓み部を前記一方の直線部と他方の直線部と直交する方向のいずれか一方に向けて設け、
前記カバー部材を前記筐体に取付けた際に、前記補強部の他方の直線部が前記電子部品の後端面と係合するように前記補強部の位置を設定したことを特徴とする電子部品収納体。
【0115】
(付記2)
付記1に記載の電子部品収納体において、
前記補強部を前記電子部品の幅方向の両端部の2か所に設けたことを特徴とする電子部品収納体。
【0116】
(付記3)
内部に基板を介して電子部品が装備されると共に開口部を設けた筐体と、
この筐体に取付けられ前記開口部を塞ぐ弾性部材からなるカバー部材と、を備え、
前記電子部品の先端部が前記開口部の先端部側に配置され、
前記カバー部材に、前記電子部品の先端部に対応した状態の貫通穴を形成すると共に前記電子部品の後端面を係止する補強部を前記カバー部材の裏面から前記電子部品側に突出させて一体形成し、
前記筐体を一つの側面部側および上面部側が開口部となった箱状に形成し、
前記カバー部材をプラスチックで構成すると共に前記一つの側面部側および上面部側を塞ぐ断面L字状に形成し、
前記カバー部材の前記L字の一辺に前記貫通穴を形成しかつ他辺に前記補強部を形成し、
前記補強部を、前記電子部品の幅寸法より狭い間隔で平行に配設されたプレート状の2枚で構成すると共に、これらプレート状の2枚の補強部の一端部が前記カバー部材を前記筐体に取付けた際に前記電子部品の後端面に係止するように設けたことを特徴とする電子部品収納体。
【0117】
(付記4)
内部に基板を介して電子部品が装備されると共に開口部を設けた筐体と、
この筐体に取付けられ前記開口部を塞ぐ弾性部材からなるカバー部材と、を備え、
前記電子部品の先端部が前記開口部の先端部側に配置され、
前記カバー部材に、前記電子部品の先端部に対応した状態の貫通穴を形成すると共に前記電子部品の後端面を係止する補強部を前記カバー部材の裏面から前記電子部品側に突出させて一体形成し、
前記筐体を一つの側面部側および上面部側が開口部となった箱状に形成し、
前記カバー部材を、前記一つの側面部側および上面部側を塞ぐ断面L字状に形成すると共にプラスチックで構成しかつ前記L字の一辺に前記貫通穴を形成し他辺に前記補強部を形成し、
前記補強部を、一対の直線部とこれらの直線部同士を繋ぐ曲線状の撓み部とからなる断面形状とすると共に、直線部および撓み部のいずれか一方に形成され前記カバー部材に支持される支持部を設けた形状とし、
前記一対の直線部を前記電子部品の後端面と平行になるように設けると共に、前記撓み部を前記一対の直線部と直交する方向のいずれか一方に向けて設け、
前記カバー部材を前記筐体に取付ける際に、前記補強部を前記電子部品の幅方向の両側面部と前記筐体の側面部との間にそれぞれ配置し、前記補強部の他方の直線部が前記電子部品の後端面と係合するように前記補強部を設けたことを特徴とする電子部品収納体。