(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5733849
(24)【登録日】2015年4月24日
(45)【発行日】2015年6月10日
(54)【発明の名称】津波及び洪水被害防止のための擁壁築造システム及びその施工方法
(51)【国際特許分類】
E02B 3/12 20060101AFI20150521BHJP
E02B 3/14 20060101ALI20150521BHJP
E02D 29/02 20060101ALI20150521BHJP
【FI】
E02B3/12
E02B3/14 301
E02D29/02 304
E02D29/02 301
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-524764(P2013-524764)
(86)(22)【出願日】2010年9月8日
(65)【公表番号】特表2013-537591(P2013-537591A)
(43)【公表日】2013年10月3日
(86)【国際出願番号】KR2010006086
(87)【国際公開番号】WO2012023650
(87)【国際公開日】20120223
【審査請求日】2013年9月3日
(31)【優先権主張番号】10-2010-0079390
(32)【優先日】2010年8月17日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】513037720
【氏名又は名称】ケージーシー カンパニー,リミテッド
【氏名又は名称原語表記】KGC CO.,LTD.
(73)【特許権者】
【識別番号】513037731
【氏名又は名称】ユ,ヘウン シク
【氏名又は名称原語表記】YU,Heung Sik
(73)【特許権者】
【識別番号】513037742
【氏名又は名称】チン,ソン キュン
【氏名又は名称原語表記】JIN,Seong Kyun
(73)【特許権者】
【識別番号】513092589
【氏名又は名称】エコ−トップ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Eco−Top CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001494
【氏名又は名称】前田・鈴木国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ユ,ヘウン シク
(72)【発明者】
【氏名】チン,ソン キュン
【審査官】
▲高▼橋 祐介
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第04801220(US,A)
【文献】
特開2002−138500(JP,A)
【文献】
特開平06−311821(JP,A)
【文献】
韓国登録実用新案第20−0249169(KR,Y1)
【文献】
特開平10−046549(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02B 3/12 − 3/14
E02D 29/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下が貫通された3つの空間に区画されたブロックで、中央区画部(31)を中心に内部区画部(32)及び外部区画部(33)が区画され、前記中央区画部(31)の両側面には「S」字形の形象を持つ中央連結部(31a)が形成されて隣接するブロックと結合され、前記内部区画部(32)及び外部区画部(33)の両側面にも「S」字形の形象を持つ上部連結部(32a)及び下部連結部(33a)がそれぞれ形成されて隣接するブロックと結合されるようになっている重心安全下向き式ブロック(30)を含み、
前記内部区画部(32)及び外部区画部(33)の両側端部は中央区画部(31)の両側面より狭くなっており、重心安全下向き式ブロック(30)を複数連結する時、曲線型に連結することができ、
前記重心安全下向き式ブロック(30)の内部区画部(32)の長手方向の側面に六角柱型ブロック(20)と結合される「S」字形の形象を持つ長手方向連結部(32b)が形成されることを特徴とする津波及び洪水被害防止のための擁壁。
【請求項2】
前記重心安全下向き式ブロック(30)の外部区画部(33)の長手方向の側面に六角柱型ブロック(20)と結合される「S」字形の形象を持つ長手方向連結部(33b)が形成されることを特徴とする請求項1に記載の津波及び洪水被害防止のための擁壁。
【請求項3】
多層に擁壁が築造される前記重心安全下向き式ブロック(30)の最下部には、擁壁内側である内部区画部(32)側での高さ(h)が外部区画部(33)側での高さ(H)より低く形成され、鉛直線に対して擁壁内側に傾斜された安息角(β)が形成された安息角傾斜式底部ブロック(40)をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の津波及び洪水被害防止のための擁壁。
【請求項4】
上下が貫通された3つの空間に区画されたブロックで、中央区画部(31)を中心に内部区画部(32)及び外部区画部(33)が区画され、前記中央区画部(31)の両側面には「S」字形の形象を持つ中央連結部(31a)が形成されて隣接するブロックと結合され、前記内部区画部(32)及び外部区画部(33)の両側面にも「S」字形の形象を持つ上部連結部(32a)及び下部連結部(33a)がそれぞれ形成されて隣接するブロックと結合されるようになっている重心安全下向き式ブロック(30)を含み、前記内部区画部(32)及び外部区画部(33)の両側端部は中央区画部(31)の両側面より狭くなっており、重心安全下向き式ブロック(30)を複数連結する時、曲線型に連結することができ、前記重心安全下向き式ブロック(30)の内部区画部(32)の長手方向の側面に六角柱型ブロック(20)と結合される「S」字形の形象を持つ長手方向連結部(32b)が形成される擁壁を施工するにおいて、
斜面に隣接した内部区画部(32)には砂利、砂または土砂を混合して上端まで充填し、中央区画部(31)には中間まで充填し、外部区画部(33)には擁壁高さの1/3まで砂利、砂または土砂を充填して、重心が下向きされた安定される構造の擁壁を築造することを特徴とする津波及び洪水被害防止のための擁壁の施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は津波及び洪水被害防止のための擁壁築造システム及びその施工方法に関し、より詳しくは、インターロッキングブロックを利用して基礎沈下、流失、転倒を防止し、水平及び垂直インターロッキング機能が卓越な六角形、六角形多層、五角形、四角形ブロックなどを用いて海岸及び河川、陸地で堤防及び擁壁を築造することで、波及び流水による基礎沈下、流失、そして転倒を防止し、津波(海底地震)、洪水、地震など各種災害の発生の時にも「S」字状の連結部のインターロッキング組み立て式、階段式、重心安全下向き式、扶壁式、花壇式、柱混合式などの幾何学的、構造工学的特性によって、非常に安全な堤防及び擁壁を築造することができるようにする津波及び洪水被害防止のための擁壁築造システム及びその施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
21世紀に入ってから全世界的に大規模の洪水、地震、津波(海底地震)などの天災地変性の災害が発生している。
【0003】
しかし、未だに効果的な防止対策や工法が開発されていなく、その被害が日々に増加しており、今は世界のどこも自然災害から安全が保障された地域を捜すことができなくなった。
【0004】
特に、海で発生した地震によって津波が低地帯海岸を襲う場合には、うまく対処できない実情があり、津波が通過した所は施設の跡や人の死骸さえ捜すことができないほど被害の程度が非常に悽惨で、原状復旧さえほとんど不可能である。
【0005】
ところが、現在までに開発された既存の技術では上記の問題点を解決することが困難であり、工事期間が長く、工事費用が非常に高い。このような実情から、不幸な歴史が持続している。
【0006】
図1〜
図3は従来の堤防が波や流水の海水による浸蝕によって崩壊される現象を示した断面図で、一般的な堤防の場合、堤防の下部が波や流水によって浸蝕が繰り返されて結局
図3のように崩壊される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記のような問題点を解決するために案出されたもので、水平及び垂直にインターロッキングが卓越な六角形、六角形多層、五角形、四角形ブロックを利用して、海岸及び河川、陸地で組み立て式堤防及び擁壁を築造して波及び流水による基礎沈下、流失、転倒を根本的に防止し、特に、波や流水によって構造物の基礎部分が沈下され、流失時、垂直にインターロッキングされたブロックがシャッターのように下降して沈下された空間を防ぐようになるので、構造物の基礎下部が半永久的に安全を維持するようになり、「S」字状の連結部と連結部との間の遊隔そして階段式、重心安全下向き式、扶壁式、花壇式、柱混合式構造は幾何学的、構造力学的にも非常に安全で、洪水、津波、地震などの自然災害から被害を効果的に防止するとともに、ブロックを差し込むだけで済み、ブロック本体の広い空間を現地の砂利、砂、土で充填して植生空間として利用すれば、施工期間、工事費用を大きく減少させると同時に、自然親和的な堤防と擁壁を築造することができる津波及び洪水被害防止のための擁壁築造システム及びその施工方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1実施例による津波及び洪水被害防止のための擁壁築造システムは、その外周面には複数のインターロッキングブロック用「S」字状の連結部が形成され、互いに隣接する他の六角多層インターロッキングブロックが「S」字状の連結部を通じて互いに上下移動可能に結合され、複数列で築造して擁壁を形成する六角多層インターロッキングブロックを含むことを特徴とする。
【0009】
上記六角多層インターロッキングブロックは、擁壁や堤防の下部が海水によって浸蝕されても、六角多層インターロッキングブロックが下降して浸蝕された部分を埋めるようになり、6つの六角柱型ブロックを結合した面積で外周面を形成した中空状であることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の第2実施例による津波及び洪水被害防止のための擁壁築造システムは、上下が貫通された3つの空間に区画されたブロックで、中央区画部を中心に内、外部区画部が区画されており、上記中央区画部の両側面には中央「S」字状の連結部が形成されて隣接するブロックと結合され、上記内、外部区画部の両側面にも上、下部「S」字状の連結部がそれぞれ形成されて隣接するブロックと結合されるようになっている重心安全下向き式ブロックを含むことを特徴とする。
【0011】
上記内、外部区画部の両側端部は、αの角度に形成されており、中央区画部の両側面より狭くなっており、重心安全下向き式ブロックを複数連結する時、曲線型に連結することができることを特徴とする。
【0012】
上記重心安全下向き式ブロックの内部区画部の長手方向の側面に六角柱型ブロックと結合される長手方向「S」字状の連結部32bが形成されることを特徴とする。
【0013】
上記重心安全下向き式ブロックの外部区画部の長手方向の側面に六角柱型ブロックと結合される長手方向「S」字状の連結部が形成されることを特徴とする。
【0014】
多層に擁壁が築造される上記重心安全下向き式ブロック30の最下部には、擁壁側である内部区画部側での高さhが外部区画部側での高さHより低く形成され、鉛直線に対して擁壁内側に傾斜した安息角βが形成された安息角傾斜式底部ブロックをさらに含むことを特徴とする。
【0015】
本発明の津波及び洪水被害防止のための擁壁築造システムの施工方法は、斜面に隣接した内部区画部には砂利、砂または土砂を混合して上端まで充填して、中央区画部には中間まで充填し、外部区画部には擁壁高さの1/3まで砂利、砂または土砂を充填して、重心が下向きされた安定された構造の擁壁を築造することを特徴とする津波及び洪水被害防止のための擁壁築造システムの施工方法である。上記六角多層インターロッキングブロックは、擁壁や堤防の下部が海水によって浸蝕されても六角多層インターロッキングブロックが下降して浸蝕された部分を埋め、その内周面に6つの六角柱型ブロックが挿入結合されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の津波及び洪水被害防止のための擁壁築造システム及びその施工方法によれば、水平及び垂直にインターロッキングが卓越な六角形、六角多層、五角形、四角形ブロックを利用して海岸及び河川、陸地で組み立て式堤防及び擁壁を築造して波及び流水から基礎沈下、流失、転倒を根本的に防止し、特に、波や流水によって構造物の基礎部分が沈下され、流失時、垂直にインターロッキングされたブロックがシャッター(Shutter)のように下降して沈下された空間を埋めるようになるので、構造物の基礎下部が半永久的に安全を維持するようになり、「S」字状の連結部と連結部との間の遊隔、そして階段式、重心安全下向き式、安息角傾斜式の構造は幾何学的、構造力学的でも非常に安全で、洪水、津波、地震などの自然災害から被害を効果的に防止するとともに、ブロックを差し込むだけで済み、ブロック本体の広い空間を現地の砂利、砂、土で充填して植生空間として利用すれば、施工期間、工事費用を大きく減少し、且つ自然親和的な堤防と擁壁を築造することができるようにする効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図7】本発明の他の実施例の擁壁を示した断面図である。
【
図8】本発明の六角柱型ブロックと六角多層インターロッキングブロックで擁壁を築造した断面図である。
【
図9】本発明の六角柱型ブロックと六角多層インターロッキングブロックで擁壁を築造した平面図である。
【
図10】本発明の六角インターロッキングブロックで階段式擁壁を築造した断面図である。
【
図11】本発明の六角柱型ブロックで階段式擁壁を築造した平面図である。
【
図12】本発明の六角多層インターロッキングブロックで階段式擁壁を築造した平面図である。
【
図13】本発明の6つの六角柱型ブロックが結合された面積で外周面を形成した中空の六角多層インターロッキングブロックを示した斜視図である。
【
図14】本発明の重心安全下向き式ブロックで擁壁を築造した斜視図である。
【
図15】本発明の重心安全下向き式ブロックを示した断面図である。
【
図16】本発明の重心安全下向き式ブロックの重心を示した図面である。
【
図17】本発明の重心安全下向き式ブロックを詳細に示した平面図である。
【
図18】本発明の重心安全下向き式ブロックの最下部に安息角傾斜式ブロックを築造したことを示した断面図である。
【
図19】本発明の重心安全下向き式ブロックを曲線型に築造施工した例を示した平面図である。
【
図20】本発明の重心安全下向き式ブロックの他の形態を詳細に示した図面である。
【
図21】本発明の重心安全下向き式ブロックのまた他の形態を詳細に示した図面である。
【
図22】本発明の扶壁式擁壁を示した斜視図である。
【
図23】本発明の花壇式擁壁を示した斜視図である。
【
図24】本発明の柱混合式擁壁を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の第1実施例による津波及び洪水被害防止のための擁壁築造システムは、その外周面には複数のインターロッキングブロック用「S」字状の連結部が形成され、互いに隣接する他の六角多層インターロッキングブロックが「S」字状の連結部を通じて互いに上下移動可能に結合され、複数列築造して擁壁を形成する六角多層インターロッキングブロックを含むことを特徴とする。
【0019】
また、本発明の第2実施例による津波及び洪水被害防止のための擁壁築造システムは、上下が貫通された3つの空間に区画されたブロックで、中央区画部を中心に内、外部区画部が区画され、上記中央区画部の両側面には中央「S」字状の連結部が形成されて隣接するブロックと結合され、上記内、外部区画部の両側面にも上、下部「S」字状の連結部がそれぞれ形成されて隣接するブロックと結合されるようになっている重心安全下向き式ブロックを含むことを特徴とする。
【0020】
以下、本発明の好ましい実施例を添付された図面を通じて詳しく説明する。本発明を説明するにおいて、係わる公知構成または機能に対する具体的な説明が本発明の要旨を不明確にすると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。
【0021】
図4〜
図6は本発明の擁壁を示した断面図で、
図7は本発明の他の実施例の擁壁を示した断面図で、
図8は本発明の六角柱型ブロックと六角多層インターロッキングブロックで擁壁を築造した断面図で、
図9は本発明の六角柱型ブロックと六角多層インターロッキングブロックで擁壁を築造した平面図で、
図10は本発明の六角インターロッキングブロックで階段式擁壁を築造した断面図で、
図11は本発明の六角柱型ブロックで階段式擁壁を築造した平面図で、
図12は本発明の六角多層インターロッキングブロックで階段式擁壁を築造した平面図で、
図13は本発明の6つの六角形柱型ブロックが結合された面積で外周面を形成した中空の六角多層インターロッキングブロックを示した斜視図で、
図14は本発明の重心安全下向き式ブロックで擁壁を築造した斜視図で、
図15は本発明の重心安全下向き式ブロックを示した断面図で、
図16は本発明の重心安全下向き式ブロックの重心を示した図面で、
図17は本発明の重心安全下向き式ブロックを詳細に示した平面図で、
図18は本発明の重心安全下向き式ブロックの最下部に安息角傾斜式ブロックを築造したことを示した断面図で、
図19は本発明の重心安全下向き式ブロックを曲線型で築造施工した例を示した平面図で、
図20は本発明の重心安全下向き式ブロックの他の形態を詳細に示した図面で、
図21は本発明の重心安全下向き式ブロックのまた他の形態を詳細に示した図面で、
図22は本発明の扶壁式擁壁を示した斜視図で、
図23は本発明の花壇式擁壁を示した斜視図で、
図24は本発明の柱混合式擁壁を示した斜視図である。
【0022】
図4〜
図6に示したように、擁壁を築造する際に、六角柱型ブロック20、六角多層インターロッキングブロック10を垂直に複数列築造して擁壁を形成する。
【0023】
上記六角多層インターロッキングブロック10は、その外周面には複数のインターロッキングブロック用「S」字状の連結部11が形成され、互いに隣接する他の六角多層インターロッキングブロック10が「S」字状の連結部11を通じて連結結合される。このように連結結合された六角多層インターロッキングブロック10は互いに上下移動可能に結合され、
図2のように、擁壁や堤防の下部が海水によって浸蝕されても六角柱型ブロック20または六角多層インターロッキングブロック10が下降して浸蝕された部分を埋めるようになる。
【0024】
このように、海辺堤防の場合、結合状態で垂直に移動可能なブロック、即ち、六角柱型ブロック20や上記六角多層インターロッキングブロック10のようなブロックで堤防を築造する場合、海水の浸蝕による基礎沈下部分を上記ブロックで埋めるようになる。
【0025】
上記六角多層インターロッキングブロック10は
図13に詳しく示されている。
【0026】
上記六角多層インターロッキングブロック10は6つの六角柱型ブロック20が結合された面積で外周面を形成した中空のインターロッキングブロックである。
【0027】
上記六角柱型ブロック20は、中央に円形孔21が穿孔された正六角形柱型のブロックで、その六角面22のそれぞれに長手方向に「S」字状の連結部23が同一に形成されている。ここで、「S」字状の連結部23は六角面22を基準に外側に突出された長手方向突起23aと、上記六角面22を基準に内側に凹溝が形成された長手方向溝23bとで構成される。
【0028】
上記六角多層インターロッキングブロック10は施工の時または施工後、その内部に土砂、砂利、コンクリートなどを充填して自重を大きくして、
図10〜
図12のように階段式で築造することもできる。
【0029】
図14〜
図16は重心安全下向き式ブロックで擁壁を築造したことを示した図面である。即ち、上記重心安全下向き式ブロック30は上下が貫通された3つの空間に区画されたブロックで、
図17に示された詳細図のように、中央区画部31を中心に内部区画部32及び外部区画部33が区画されている。
【0030】
上記中央区画部31の両側面には中央「S」字状の連結部31aが形成されて隣接するブロックと結合されるようになっている。
【0031】
そして、上記内部区画部32及び外部区画部33の両側面にも上部「S」字状の連結部32a及び下部「S」字状の連結部33aがそれぞれ形成されて隣接するブロックと結合されるようになっている。
【0032】
上記内部区画部32及び外部区画部33の両側端部は、αの角度に形成されており、中央区画部31の両側面よりさらに狭くなっており、
図19のように重心安全下向き式ブロック30を複数連結する時、曲線型に連結することができる。
【0033】
このように、複数の空間に区画された重心安全下向き式ブロック30は
図15のように築造して、斜面に隣接した内部区画部32には砂利、砂または土砂を混合して上端まで充填し、中央区画部31には中間まで充填し、外部区画部33には擁壁高さの1/3まで砂利、砂または土砂を充填して擁壁を形成することができる。このように、砂利、砂または土砂を階段式に充填して擁壁を築造するとその重心が
図16のように下向きになるので、非常に安定した構造の擁壁になる。
【0034】
上記のように充填される1m
3当りの材料別質量は下記の表1の通りである。
【0036】
図21は本発明の重心安全下向き式ブロックの他の形態を示した断面図で、重心安全下向き式ブロック30の内部区画部32の長手方向の側面に六角柱型ブロック20と結合される長手方向「S」字状の連結部32bが形成されている。
【0037】
図20は本発明の重心安全下向き式ブロックのまた他の形態を示した断面図で、上記重心安全下向き式ブロック30の外部区画部33の長手方向の側面に六角柱型ブロック20と結合される長手方向「S」字状の連結部33bが形成されている。
【0038】
上記のように、六角多層インターロッキングブロック10は鉛直方向に「S」字状の連結部の突部を溝部に差し込んで、波、流水により地盤の空間が発生時、その流失された空間にブロックが下降して基礎の沈下を自動的に遮断するようになり、重心安全下向き式ブロック30を利用した擁壁築造システムは幾何学的、構造工学的に安全度を極大化させる効果を奏し、このブロック30で充填する時用いられる材料で比重の大きいものを構造物の下部と内部側へ充填して転倒の危険を防止するという効果を奏する。
【0039】
また、
図18のように、多層に擁壁が築造される上記重心安全下向き式ブロック30の最下部には、擁壁側である内部区画部32側での高さhが外部区画部33側での高さHより低く形成され、鉛直線に対して擁壁側に傾斜された安息角βが形成された安息角傾斜式底部ブロック40を築造して擁壁を形成している。
【0040】
図22に示されたような擁壁は扶壁式擁壁で、複数の六角柱型ブロック20で築造されたメイン擁壁51と、上記メイン擁壁51の後部側に傾斜するように形成されて、上記メイン擁壁51に対して垂直方向に築造された複数の扶壁式擁壁50とで構成される。
【0041】
図23に示されたような擁壁は花壇式擁壁で、複数の六角柱型ブロック20で築造されたメイン擁壁51と、上記メイン擁壁51の後部側に複数の花壇を形成するように築造された複数の花壇式擁壁60とで構成される。
【0042】
図24に示されたような擁壁は柱混合式擁壁で、複数の六角柱型ブロック20で築造されたメイン擁壁51と、上記メイン擁壁51の後部側に所定間隔を隔てて7つの六角柱型ブロック20で複数の柱を形成した柱式擁壁70とで構成される。
【0043】
上記のように、本発明の詳細な説明で具体的な実施例について説明したが、本発明の技術が当業者によって容易に変形実施されることができることは自明であり、このように変形された実施例は本発明の特許の請求の範囲に記載された技術思想に属するとすべきである。