【文献】
Motorola,PHR and P_CMAX Reporting,3GPP TSG-RAN WG2#72 R2-106478,2010年11月15日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)メッセージ、又は媒体アクセス制御(MAC)レイヤメッセージ、又は無線リソース制御(RRC)メッセージ内で、前記基地局から前記明示的な要求を受信する工程を含む、請求項6に記載の方法。
物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)メッセージ内で前記基地局から前記明示的な要求を受信する工程であって、前記PDCCHメッセージは、アップリンク搬送波、前記第1及び第2のRBセット、並びに前記複合レポートを送信すべき前記アップリンクでのリソースブロックを識別する識別情報を含む、請求項6に記載の方法。
【背景技術】
【0002】
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)長期エボリューション(LTE)無線通信システムでは、ユーザ機器(UE)は、電力ヘッドルーム(PH)レポートを基地局(3GPP LTEではeNBとしても知られる)に送信して、UE送信に利用可能な電力ヘッドルーム(PH)を示す。UEは、以下の式に従ってPHを計算する。
【0003】
【数1】
【0004】
式中、「i」はサブフレームであり、「c」はPHが報告される構成要素搬送波(CC)又はサービングセルである。M
PUSCHは、サブフレーム内でUEに割り当てられたリソースブロック数に関する、UEにシグナリングされる物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)リソース割当帯域幅であり、PLはダウンリンク(DL)経路損失推定であり、P
0_PUSCH及びαは開ループ電力制御パラメータであり、f(i)は閉ループ電力制御コマンドの蓄積により得られる電力制御状態であり、Δ
TFは変調・符号化方式(MCS)に基づく送信電力オフセットである。P
CMAXは、UEの構成最大出力電力であり、P_PowerClass(公称UE最大送信電力)、P
EMAX(eNBによりUEにシグナリングされる送信電力限界)、MPR(最大電力低減)、A−MPR(追加最大電力低減)、及びΔTc(搬送波の周波数位置に基づいてUEにより行われる最大電力調整)を含む3GPP36.101において定義されるいくつかのパラメータの関数である。LTEリリース10(Rel−10)では、各総合アップリンク(UL)構成要素搬送波のP
CMAX(P
CMAX,c)に別個の値が仮定される。LTE Rel−10では、PHに加えて、P
CMAXもUEによりeNBに報告される。LTEリリース8(Rel−8)では、P
CMAXは以下の式により定義される。
【0005】
【数2】
【0006】
ここで、MPRは、より高次の変調及びより大きな搬送波帯域幅を用いる送信を説明するために、UEに許された最大電力低減である(即ち、UEは0dBとMPRdBとの間で送信電力をバックオフし得る)。A−MPRは、追加の隣接チャネル漏洩電力比(ACLR)及びスペクトル放射要件が基地局によりシグナリングされる場合、UEに許される追加の最大電力低減である。P
CMAXの式は、UEが、P
CMAX値を決定するために、0dB〜(MPR+A−MPR+ΔTc)dBの電力バックオフを提供可能なことを示す。適用されるバックオフの値は、RF実装に基づいて異なるUEで異なることができ、従って、MPR及びA−MPR許可量を説明するために特定のUEにより適用される電力バックオフの厳密な値は、eNBには分からない。eNBはせいぜい、UEが適用されるバックオフが、MCSレベル、所与の周波数帯内でのリソースブロック(RB)割当、並びに追加としてシグナリングされるACLR及びスペクトル放射要件に応じて、MPR+A−MPR+ΔTcよりも小さいと仮定することしかできない。
【0007】
LTE Rel−10 UL送信メカニズム(物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)及びPUSCHの同時送信又は連続PUSCHリソースブロックの複数の非連続クラスタ(通常、クラスタPUSCH又は非連続PUSCHと呼ばれる)の送信等)は、UE送信器チェインに追加の変調間(IM)生成物を生成させる。これらの状況下では、新しい送信器電力バックオフ(LTE Rel−8で既に要求されるバックオフに加えて)が、LTE Rel−10においてIM問題に対処するために必要とされる可能性が高い。新しいバックオフの値は、UEに割り当てられるリソースブロック数及びその位置に応じて4dB〜10dBであることができる。この新しいバックオフは、LTE Rel−10においてP
CMAX,cを計算する間、UEにより含まれるものとも予期される。
【0008】
UEは、二重無線アクセス技術(RAT)送信(例えば、LTE及び1×RTT同時送信)に向けて構成される場合、RB割当に基づいて、さらに別の新しい追加の電力バックオフを適用する必要があることもある。UEが追加の電力バックオフを特定のRB割当に適用する必要があり得る他の状況もあり得る。そのような状況としては、LTE及びWiFi同時送信並びにLTE及びBluetooth(登録商標)同時送信が挙げられる。
【0009】
これらの新しい追加のバックオフ値をP
CMAXの計算に含め、P
CMAX(及び任意選択的に、P
CMACに基づいて計算されるPHも)をeNBに報告することは、eNBが、利用可能なUE送信電力及び送信電力ヘッドルームをよりよく理解するのに役立つ。eNBは、この情報を使用して、より正確にスケジューリング及び電力制御を行い、それにより、ネットワーク容量を増大させることができる。
【0010】
一般に、将来のLTEシステムでのUEは、ACLR及びスペクトル放射要件を満たすため、様々な端末電力管理要件を管理するため、又はこれら両方のために、異なるRB割当に異なる電力バックオフを適用する必要がある。ACLR及びスペクトル放射要件は一般に、PUSCH及びPUCCH同時送信又は非連続PUSCH送信のために満たさなければならない。端末電力管理要件は、LTE及び1×RTT同時送信、LTE及びWiFi同時送信、又はLTE及びBluetooth(登録商標)同時送信に関連し得る。
【0011】
LTE−Aは、所与のサブフレームでの複数の別個のPHレポートの送信をサポートし、各レポートは、3GPPコントリビューションR2−105960、R1−094274、R1−105761、及びR1−105802において記載されるように、特定の構成要素搬送波に関連付けられた特定のサービングセルに対応する。識別される従来技術は、単一の搬送波内のPUSCH RBの様々なサブセット(即ち、リソースブロック群)の所与のサブフレームでの複数のPH及びP
CMAXレポートの送信を考察していない。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の様々な態様、特徴、及び利点が、後述する添付図面と共に以下の本発明の詳細な説明を入念に考慮した上で、当業者により完全に明らかになるだろう。図面は、明確にするために簡素化されていることがあり、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではない。
【0014】
図1では、無線通信システム100は、地理的領域にわたって分散した通信ネットワークを形成するマルチセルサービングベースユニットを備える。ベースユニットは基地局、アクセスポイント(AP)、アクセス端末(AT)、ノードB(NB)、エンハンストノードB(eNB)、又は当分野で使用される過去、現在、又は将来の他の用語で称することもできる。1つ又は複数のベースユニット101及び102は、サービングエリア、サービングセル、又はサービングセルのセクタ内の複数の遠隔ユニット103及び110にサービスを提供(サービング)する。遠隔ユニットは、加入者ユニット、モバイルユニット、ユーザ、端末、加入者局、ユーザ機器(UE)、ユーザ端末、又は当分野で使用される他の用語で称することもできる。ネットワークベースユニットは、遠隔ユニットと通信して、無線リソースを使用する送信のスケジューリング及び情報の受信等の機能を実行する。無線通信ネットワークは、情報ルーティング、アドミッション制御、課金、認証等を含む管理機能も含み得、この管理機能は、他のネットワークエンティティにより制御してもよい。無線ネットワークのこれら及び他の側面が一般に、当業者には既知である。
【0015】
図1では、ベースユニット101及び102は、ダウンリンク通信信号を、時間領域、周波数領域、及び/又は符号領域にあり得る無線リソースで遠隔ユニット103及び110に送信する。遠隔ユニットは、アップリンク通信信号を介して1つ又は複数のベースユニットと通信する。1つ又は複数のベースユニットは、遠隔ユニットにサービングする1つ又は複数の送信器及び1つ又は複数の受信器を含み得る。ベースユニットでの送信器数は、例えば、ベースユニットでの送信アンテナ112の数に関連し得る。複数のアンテナを使用して、各セクタにサービングして、様々な高度通信モード、例えば、適応ビーム形成、送信ダイバーシチ、送信SDMA、及びマルチストリームトランザクション等を提供する場合、複数のベースユニットを配備することができる。セクタ内のこれらのベースユニットは、高度に統合し得、様々なハードウェア構成要素及びソフトウェア構成要素を共有し得る。例えば、ベースユニットは、セルにサービングする複数の同一場所に配置されたベースユニットを含むこともできる。遠隔ユニットも、1つ又は複数の送信器及び1つ又は複数の受信器を含むことができる。送信器の数は、例えば、遠隔ユニットでの送信アンテナ115の数に関連し得る。
【0016】
一実施態様では、無線通信システムは、EUTRAとも呼ばれる3GPPユニバーサル移動体通信システム(UMTS)LTEプロトコルに準拠し、ベースユニットは、ダウンリンクで直交周波数分割多重化(OFDM)変調方式を使用して送信し、ユーザ端末はアップリンクで、単一搬送波周波数分割多元接続(SC−FDMA)又は離散フーリエ変換拡散OFDM(DFT−SOFDM)方式を使用して送信する。さらに別の実施態様では、無線通信システムは、LTE−Aとも呼ばれる3GPPユニバーサル移動体通信システム(UMTS)LTE−アドバンストプロトコル又は何らかの後世代若しくは後にリリースされたLTEに準拠し、ベースユニットは、直交周波数分割多重化(OFDM)変調方式を使用して1つ又は複数のダウンリンク構成要素搬送波で送信し、ユーザ端末はアップリンクで、アップリンク構成要素搬送波の1つ又は複数を使用して送信することができる。より一般的には、無線通信システムは、他の何らかのオープン又はプロプライエタリ通信プロトコル、例えば、他の既存及び将来のプロトコルの中でも、WiMAXを実装し得る。本開示は、いかなる特定の無線通信システムアーキテクチャ又はプロトコルでの実装も意図されない。アーキテクチャは、一次元又は二次元拡散を用いるマルチキャリアCDMA(MC−CDMA)、マルチキャリア直接シーケンスCDMA(MC−DS−CDMA)、直交周波数及び符号分割多重化(OFCDM)等の拡散技法の使用を含んでもよい。本開示の特徴が実装されるアーキテクチャは、より単純な時間及び/又は周波数分割多重化/多元接続技法或いはこれらの様々な技法の組み合わせに基づいてもよい。代替の実施形態では、無線通信システムは、TDMA又は直接シーケンスCDMAを含むが、これらに限定されない他の通信システムを利用してもよい。通信システムはTDD(時分割二重)又はFDD(周波数分割二重)システムであってもよい。
【0017】
図2には、以下に説明する無線通信プロトコルの例に準拠して通信するように構成された無線送受信器210を一般に備える無線通信装置200の概略ブロック図を示す。送受信器210はプロセッサ220に通信可能に結合され、プロセッサ220は、送受信器による情報の送受信を制御する機能222を含む。コントローラの機能は、メモリ230に記憶された命令を実行するデジタルプロセッサとして容易に実装され、メモリ230は、RAM、ROM、又は他の何らかの既知のメモリ装置として具現し得る。ユーザ端末又は機器(UE)として実装される場合、装置200はユーザインタフェース240も含み、ユーザインタフェース240は通常、概して当業者に既知のように、触覚的、視覚的、及び音声インタフェース要素を含む。本開示に関する無線通信端末の他の態様についてさらに後述する。
【0018】
一般に、UEがPH及びP
CMAXを報告して、UEが送信することができる最大送信電力及びUEが利用可能な電力ヘッドルームの、eNBによるよりよい理解に役立てることが有益である。現システムでは、特定のサブフレームについて報告されるPH及びP
CMAX情報(通常のPHレポート及びP
CMAXレポート)は、そのサブフレームへの特定のリソース割当に基づいて計算される。リソース割当は一般に、周波数リソース(通常RB)の割当を、それらの周波数リソースで送信するためにUEが使用すべき搬送波帯域幅内の位置及びMCSを識別する手段と共に含む。現手法の一欠点は搬送波/サービスセル内の周波数領域(例えば、異なるRB又はRBの異なるサブセット)でのP
CMAX及びPHについての完全な情報を与えないことである。LTEシステムでのアップリンク(UL)スケジューリングは、時間領域及び周波数領域でのものであるため、eNBでの周波数固有P
CMAX及びPH情報により、eNBスケジューラは、搬送波/サービングセル内のRBをより効率的にUEに割り当てることができる。eNBが利用可能な一選択肢は、異なるリソース割当を用いる異なるサブフレームの、UEにより送信される複数のPHレポート及びP
CMAXレポートからの情報を記憶することにより、特定のUEのRB固有のPH及びP
CMAX情報を推定することである。次に、eNBは記憶された情報を処理して、搬送波/サービングセル内の、その搬送波/サービングセルの異なるサブフレーム内の異なるリソース割当によりカバーされたすべてのRB位置でのPH情報及びP
CMAX情報を含む複合レポートを作成することができる。しかし、eNBは通常、多数のUEにサービングするため、各UEの搬送波/サービングセル内のすべてのRB位置をカバーするそのような複合PHレポート及びP
CMAXレポートの作成は、複雑且つリソース集約的である。さらに、UEのPH及びP
CMAXは、様々な理由により(例えば、特に、経路損失変化、フェージング、送信電力制御(TPC)エラーあり又はなしで受信される新しいTPCコマンドの適用、UEの送信器特徴が条件とされる受信リソース割当によるMPR/A−MPR変化)、異なるサブフレームで異なるレポート間で変化し得る。eNBが、通常のPH及びP
CMAXレポートを使用して、PH及びP
CMAX情報の周波数領域変動を時間領域変動(即ち、サブフレーム間の変動)から分離することは不可能である。従って、eNB実装が、現在のLTEシステムでサポートされる通常のPHレポート及びP
CMAXレポートに基づいて、搬送波内の様々なRB位置でのUEのPH及びP
CMAX情報を推定することは実現不可能である。これら及び可能な他の状況下で、拡張PH及びP
CMAX報告方式が必要とされる。
【0019】
本開示の一態様によれば、
図3の処理フローチャートに示すように、310において、無線通信装置(例えば、
図1のUE103)は、搬送波のサブフレームの第1のリソースブロック(RB)セットに対応する第1の構成最大送信電力(P
CMAX)値を決定し、第1のRBセットは、搬送波を構成する完全なRBセットより少ないRBしか含まない。320において、UEは、搬送波のサブフレームの第2のRBセットに対応する第2のP
CMAX値を決定し、第1及び第2のRBセットは、共通の種類のRBを含み、第2のRBセットは第1のRBセットと異なり、第2のRBセットは、搬送波を構成する完全なRBセットより少ないRBしか含まない。
図2では、プロセッサは、メモリに記憶された命令の実行により容易に実装されるP
CMAX決定機能を含む。代替の実施形態では、この機能は、ハードウェア均等回路により、又はハードウェアとソフトウェアとの組み合わせにより実行し得る。
図3では、330において、UEは、少なくとも第1のP
CMAX値及び第2のP
CMAX値を含む、サブフレームについての複合レポートを基地局に送信する。
【0020】
いくつかの実施形態では、UEは、第1及び第2のRBセットの識別情報を基地局に送信する。
図2では、プロセッサは複合レポート生成機能226を含み、プロセッサは、メモリに記憶されたプログラム命令を実行することにより、複合レポート生成機能226を容易に実施し得る。代替の実施形態では、この機能は、ハードウェア均等回路により、又はハードウェアとソフトウェアとの組み合わせにより実行し得る。いくつかの実施態様では、複合レポートは、拡張P
CMAXレポートについての、基地局からの明示的な要求の受信に応答して、基地局に送信される。しかし、より一般には、UEは、さらに後述するように、複合レポートを送信するプロンプトを必要としない。
【0021】
一実施形態では、第1及び第2のRBセットは、
図4に示されるように、周波数領域において部分的に重なる。別の実施形態では、第1及び第2のRBセットは、
図5に示されるように、周波数領域において異なる。一実施態様では、UEは、サブフレームの第1の時間部分の第1のRBセットの第1のP
CMAX値を決定するとともに、サブフレームの第2の時間部分の第2のRBセットの第2のP
CMAX値を決定し、サブフレームの第1及び第2の時間部分又は領域は重ならず、第1及び第2の部分は、
図6に示されるように、サブフレームの一部分を構成する。別の実施形態では、第2のRBセットは第1のRBセットに重ならず、第1及び第2のRBセットは、搬送波の物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)RBの完全なセットを構成する。第1のRBセットが少なくとも2つのRBを含む一実施形態では、UEは、少なくとも2つのRBのそれぞれのP
CMAX値を決定し、少なくとも2つのRBのうちの一方のP
CMAX値は、他方のRBのP
CMAX値よりも低い。一実施形態では、基地局に送信される第1のP
CMAX値について、UEは低いほうのP
CMAX値のみを基地局に送信する。
【0022】
いくつかの実施形態では、UEは、第1のRBセットに対応する第1の電力ヘッドルーム(PH)値及び第2のRBセットに対応する第2のPH値を決定する。次に、UEは、第1及び第2のP
CMAX値あり、又はなしで、複合レポートにおいて第1のPH値及び第2のPH値を基地局に送信し得る。
【0023】
拡張P
CMAX及び/又はPH報告を用いて、UEは、拡張P
CMAX及び/又はPHレポート(周波数領域P
CMAX及び/又はPHレポートとも呼ばれる)を、搬送波/サービングセルでのサブフレームのPUSCH RBの異なるサブセットのUEのP
CMAX及び/又はPHについての情報と共にeNBに送信することができる。RBの各サブセットはリソースブロック群(RBG)と見なすことができる。RBGは通常、搬送波/サービングセル内の1つ又は複数の連続又は非連続RBセットを含む。上で示唆されるように、RBGに含まれるRBは、搬送波/サービングセルを構成する完全なRBセットより少ないRBしか含まない。異なるRBGは一般に、異なるRBセットを含むが、いくつかのRBはRBG間で同じであり得る。例えば、RBG0は{RB0,RB1,RB2}を含み得、その一方で、RBG1は{RB2,RB3,RB4}を含み得る。別のマッピング例では、搬送波に50個のRBがあると想定して、RBG0は{RB0,RB1}を含み得、その一方で、RBG1は{RB0,RB49}を含み得る。別の例では、搬送波に50個のRBがあると想定して、RBG0は{RB0,RB1,・・・,RB10}を含み得、その一方で、RBG1は{RB11,RB12,・・・,RB49}を含み得る。搬送波内の異なるRBGは、同じ又は異なる数のRBを含み得る。拡張P
CMAX及び/又はPH報告の計算に使用される搬送波内のRBGの数、各RBG内のRBの数、及び特定のRBからRBGへのマッピングについての情報は、UE及びeNBの両方にとって事前に既知であり得る。あるいは、eNBは、無線リソース制御(RRC)シグナリング、媒体アクセス制御(MAC)レイヤシグナリング、又は物理層シグナリングのいずれかを介して、UEにこの情報を送信することができる。
【0024】
UEには、それらのRBに関連付けられた物理チャネルに基づいて、複数の種類のRBを送信するように割り当てる、又は割り当てることができる。UEがPUSCH情報を送信する種類のRBは、PUSCH RBと呼ばれる。PUSCH RBは主に、UEからユーザデータを送信するために、eNBにより割り当てられる。ユーザデータは、アップリンク共有チャネル(UL−SCH)データとも呼ばれる。いくつかのサブフレームでは、PUSCH RBはさらに、制御データをUEからeNBに搬送し得る。制御データは、チャネル品質情報(CQI)、ACK/NACKフィードバック情報、スケジューリング要求(SR)情報を含む。UEがPUCCH情報を送信する種類のRBはPUCCH RBと呼ばれる。UEは、PUCCH RBを使用して、制御データのみを送信する。PUCCH RBは通常、UEにより、RRCシグナリングにより構成される搬送波内の位置又はeNBからのダウンリンクシグナリングに基づいて暗黙的に決定される搬送波内の位置において送信される。PUSCH RBは一般に、個々のサブフレームへの明示的なスケジューリング認可を介してUEに割り当てられる。時には、複数のサブフレームにわたって永続的又は半永続的にPUSCH RBをUEに割り当てることができる。PUSCH RBが半永続的に割り当てられる場合、所与のサブフレームでのPUSCH RBの割り当ては、そのサブフレームへの明示的なスケジューリング認可によりオーバーライドすることができる。任意のRBG内のRBは一般に、同じ種類のものである。UEからの拡張P
CMAX及び/又はPHレポートは一般に、同じ種類の少なくとも2つのRBGについてのP
CMAX及び/又はPH情報を含む。同じ種類の複数のRBGのP
CMAX及び/又はPH情報の送信は、eNBが適切なRBGにおいてその種類の物理チャネル送信をスケジューリングするのに役立つ。例えば、UEが、拡張P
CMAX及び/又はPHレポートで複数のPUSCH RBのP
CMAX及び/又はPH情報を送信する場合、eNBはレポート内の情報を使用して、より高いP
CMAX及び/又はより大きなPHを有するPUSCH RBにおいてPUSCHをスケジューリングすることができる。
【0025】
例えば、10MHz(50RB)帯域幅を有するUL搬送波の場合、搬送波内の様々なRBについての詳細なP
CMAX情報を拡張P
CMAXレポートに含むことができ、拡張P
CMAXレポートは、それぞれが5RBの各サブセットのP
CMAXを示す10個の別個のP
CMAX値を含む(例えば、P
CMAX_1:RB0〜RB4のP
CMAX、P
CMAX_2:RB5〜RB9のP
CMAX、・・・、P
CMAX_10:RB45〜RB49のP
CMAX)。あるいは、PH及びP
CMAXの両方についての詳細情報を拡張PH&P
CMAXレポートに含むことができる(例えば、PH&P
CMAX_1:RB0〜RB4のPH及びP
CMAX、PH&P
CMAX_2:RB5〜RB9のPH及びP
CMAX、・・・、PH&P
CMAX10:RB45〜RB49のPH及びP
CMAX)。
【0026】
UEは、RBサブセットへのリソース割当が与えられた場合に適用する必要がある電力バックオフに基づいて、搬送波内のサブフレームの各RBサブセットに別個のP
CMAXを計算することができる。UEは、基準変調方式(例えば、QPSKを仮定)及び変調方式に関連付けられた対応するMPRに基づいて、各RBサブセットの電力バックオフを決定することができる。UEは、RBサブセットで送信する場合に満たす必要がある任意の追加のACLR及びスペクトル放射要件に基づくと共に、それらのACLR及びスペクトル放射要件に関連付けられたA−MPR許容量に基づいて、各RBサブセットの電力バックオフを決定することもできる。UEは、PUSCH及びPUCCH同時送信又は非連続PUSCH送信を説明するために必要な任意の追加のバックオフに基づいて、各RBサブセットの電力バックオフを決定することもできる。UEは、マルチRAT動作(例えば、同時LTE及び1×RTT、同時LTE及びWiFi、又は同時LTE及びBluetooth(登録商標)送信)中に端末電力管理を説明するために必要な任意の追加のバックオフに基づいて、各RBサブセットの電力バックオフを決定することもできる。一般に、UEは、上述した複数の要因のうちの1つ又は複数に基づいて、サブフレームの搬送波内の各RBサブセットの電力バックオフを決定することもできる。
【0027】
特定の電力バックオフが1つのRBセットで必要とされる一実施形態では、UEは、対応するP
CMAX値の決定に特定の電力バックオフを含むが、特定の電力バックオフは、他のRBセットのP
CMAX値の決定には含まれない。特定の電力バックオフが、サブフレーム内の第1のリソースブロック(RB)セットで必要とされ、特定の電力バックオフが第2のRBセットでは必要とされない別の実施形態では、UEは、第2のRBセットに対応する構成最大送信電力(P
CMAX)値を決定し、第1のRBセットのP
CMAX値及び識別情報を含むレポートを基地局に送信する。
【0028】
一実施態様では、同時のCDMA(1×RTT)及びLTEをサポートするUEは通常、CDMA(1×RTT)搬送波上の同じサブフレーム内で同時に送信する場合、バックオフをLTE搬送波内の特定のRBサブセット(例えば、UEのLTE DL信号に対する感度が低いサブセットUL PUSCH RB)に適用する必要がある。電力バックオフは通常、端末電力管理要件を満たし、変調間(IM)及びUEのLTE及び/又はCDMA搬送波外部の他のスプリアススペクトル放射を低減するために必要とされる。従って、UEが第1及び第2のRATを使用して同時に通信する実施形態では、第1のP
CMAX値が特定の電力バックオフ値だけ低減されて、電力管理要件を満たす。
【0029】
UEが電力バックオフをLTE搬送波において適用する必要があるRBのサブセットは、CDMA搬送波上でUEが使用するCDMAチャネルに基づくことができる。サブセット以外のRBでは、バックオフを要求しなくてもよい。例えば、特定のUEでは、所与のサブフレームで、
CDMAチャネル1がCDMA搬送波でアクティブな場合:UL RB44〜49は大きなバックオフ(例えば、10dB)が必要であり、その一方で、他のRBは、LTE搬送波にバックオフは必要なく、
CDMAチャネル2がCDMA搬送波でアクティブな場合:UL RB47〜49は大きなバックオフ(例えば、10dB)が必要であり、その一方で、他のRBは、LTE搬送波にバックオフは必要なく、
CDMAチャネル>2がCDMA搬送波でアクティブな場合:LTE搬送波でのいかなるUL RBにもバックオフは必要ない。
【0030】
このUEでは、CDMA呼がCDMAチャネル1でアクティブであり、公称UE最大送信電力が23dBである場合、UEが他の理由で電力をバックオフする必要がない(例えば、MCS又はACLR及び追加のスペクトル要件を説明するために、バックオフ許容量がUEに与えられない(即ち、MPR=0、A−MPR=0、且つΔTc=0)と仮定すると、RB44〜49のUEのP
CMAXは比較的大きなバックオフを反映すべきであり(例えば、P
CMAX=23−10=13dBm)、他のRBのUEのP
CMAXは比較的小さなバックオフを反映すべきであるか、又は電力バックオフがない(例えば、P
CMAX=23−0=12dBm)。拡張P
CMAX報告を用いて、UEは、所与のサブフレームのすべてのRBサブセットのP
CMAXレポートを送信することができる。この状況での所与のサブフレームのUEからeNBへの例示的なPCMAXレポートの内容をテーブル1に示す。テーブル1に示されるRBサブセット情報は通常、UE及びeNBの両方にとって既知であり得、任意選択的にレポートから除外し得る。
【0032】
UEのP
CMAXがRBG内の異なるRB間で変わる場合、UEは、平均P
CMAX値を報告するか、又はそのRBGの最小P
CMAX値を報告することができる。テーブル1の例では、RBGインデックス8の場合、RB40〜43のP
CMAXは23dBmであり、その一方で、RB44のP
CMAXは23−10=13dBmである。ここでは、UEが、そのRBGの最小P
CMAXを報告し、従って、RB40〜44を含むRBGで、13dBmが報告されると仮定された。
【0033】
仮に通常のP
CMAX報告メカニズムが使用される場合、UEは、サブフレームでのLTE UL RB割当がRB44〜49内にあるか、それともRB44〜49外にあるかに応じて、そのサブフレームについて23dBm又は23−10=14dBmのいずれかの単一のP
CMAXを報告する。通常のP
CMAX報告メカニズムでは、eNBが、異なるサブフレームで異なるRBを認可し、異なるサブフレームにわたり複数の通常P
CMAXレポートを追跡し、時間領域と周波数領域とのP
CMAX変動を分離しない限り、スケジューラによる、より高いP
CMAXを有するRBの割当を最適化することができない。他方、UEが、所与のサブフレームで、テーブル1に示されるような拡張P
CMAXレポートを送信する場合、eNBは、拡張P
CMAXレポート内の情報を使用して、より低いP
CMAX値が報告されるRBGに対応するRBでのUEのスケジューリングを回避することができる。
【0034】
テーブル1に示される例では、RB0からRB49までのRBの順序は、搬送波/サービングセル内のRBの物理的な位置に直接対応するマッピングに基づくことができる。例えば、RB0は、搬送波内の最低周波数領域を占めるRBであることができ、その一方で、RB49は、搬送波内の最高周波数領域を占めるRBであることができる。あるいは、RB0からRB49までのRBの順序は、搬送波内のRBの物理的な位置がRBインデックスに適用されるマッピング規則又はマッピング機能を使用して決定される論理的インデックスに基づくことができる。
【0035】
いくつかの実施態様では、UEは、所与のサブフレームの詳細レポートにおいて、搬送波内の異なるRBサブセットのP
CMAX情報のみを送信し得る(PH及びP
CMAX情報の両方の代わりに)。各RBサブセットのP
CMAX情報が1バイト内に収まると仮定すると、50個のRB及びサイズ5RBのRBサブセット(又はRBG)を有するシステムでの拡張P
CMAXレポート(又は周波数領域P
CMAXレポート)は10バイトになる。
【0036】
いくつかの他の実施態様では、UEは、所与のサブフレームの搬送波/サービングセルの異なるRBサブセットのP
CMAX及びPH情報の両方を詳細レポートで送信し得る。P
CMAX及びPH情報の両方を送信することは、PHレポートにより、eNBはUEの現在送信電力の推定を回避することができるため、eNBが、さらに効率的にUEをスケジューリングするのに役立つ。そのような実施態様では、UEは、各RBサブセットに別個のPH値を計算し、PH値は、そのサブセットのP
CMAX値及びそのサブフレーム内のそのサブセットの、UEにより推定される送信電力値を使用して決定される。UEは、そのサブフレーム内の搬送波/サービングセルの経路損失推定、搬送波/サービングセルについて受信する開ループ電力制御パラメータ、搬送波/サービングセルについてUEにおいて維持される電力制御コマンド蓄積状態を使用して、送信電力値を決定することができる。送信電力値を計算する間、UEは、そのサブフレームについてeNBから受信するUL RB割当を使用することができ(UL RB割当は、PHが計算されているRBサブセットと異なり得る)、又は代替として、UEは基準UL RB割当を使用することができる。UEが基準UL RB割当を使用する場合、基準UL RB割当は、PHが計算されているRBサブセットと同じであり得る。あるいは、基準UL RB割当は、UE及びeNBにとって事前に既知の固定のRBセットであることができる。あるいは、基準UL RB割当は、eNBからUEにシグナリングされる基準RBセットであることができる。
【0037】
現在のLTEシステムでは、UEは、特定のタイマ及びトリガ条件に基づいて通常のP
CMAX又はPHレポートを送信する。例えば、LTE Rel−8及びRel−10では、UEは、禁止PHR定期的PHRタイマを保持する。UEは、定期的PHRタイマが切れた場合は常に、通常のPH及び/又はP
CMAXレポートを送信する。例えば、定期的PHRタイマは、50サブフレーム毎に切れ得る。各サブフレームが1msの持続時間を有する場合、これは、UEが通常のPH及び/又はP
CMAXレポートを50ms毎に報告することを暗示する。UEは、特定の搬送波/サービングセルでの実測DL経路損失の大きな変化を検出する場合も、その搬送波/サービングセルについての通常のPH及び/又はP
CMAXレポートを報告する。通常のPH及び/又はP
CMAXレポートの報告オーバーヘッドを低減するために、eNBは通常、UEが各PH及び/又はP
CMAXレポートを送信した後に開始する禁止PHRタイマをUEに構成する。UEは、禁止PHRタイマが切れるまで、いかなる通常のPH及び/又はP
CMAXレポートも送信しない。
【0038】
通常のP
CMAX及び/又はPHレポートと同様に、UEは、いくつかのトリガ条件が満たされる場合、拡張P
CMAX及び/又はPHレポートをサブフレームのPUSCH送信内で送信することができる。トリガ条件は、通常のP
CMAX及び/又はPHレポートと同様であることができる(例えば、定期的PHRタイマ切れ、禁止PHRタイマ切れ、新しいPUSCH送信の存在)。
【0039】
あるいは、拡張P
CMAX及び/又はPHレポートのオーバーヘッドが比較的高い場合、eNBは、別個の禁止PHRタイマ及び定期的PHRタイマを拡張P
CMAX及び/又はPHレポートに構成することができる。別個のタイマは、通常のP
CMAX及び/又はPHレポートに既に構成されたタイマに基づくことができる(例えば、通常のP
CMAX及び/又はPHレポートの持続時間の2倍の拡張P
CMAX及び/又はPHレポートの定期的PHRタイマ持続時間)。あるいは、eNBは、無線リソース制御(RRC)レイヤシグナリングを使用して、拡張P
CMAX及び/又はPH報告に別個のタイマセットを構成することができる。
【0040】
拡張P
CMAX及び/又はPHレポートはより多くの情報(ひいては、より多くのアップリンクオーバーヘッド)を含むため、これらのレポートの始動は、UEで行われる特定の動作の開始を条件とすることができる。例えば、UEは、同時1×CDMA音声呼の開始中及び終了中のみ、拡張P
CMAX及び/又はPHレポートを送信することができる。他の例としては、同時LTE及びWiFiセッション又は同時LTE及びBluetooth(登録商標)セッションの開始/終了が挙げられる。
【0041】
別の例では、UEは、搬送波内の任意の2つのRBG間のP
CMAX及び/又はPH値の差が特定の閾値を超える場合、所与のサブフレームの搬送波の拡張P
CMAX及び/又はPHレポートを送信することができる。閾値は、UE及びeNBの両方にとって事前に既知であり得る。あるいは、閾値は、RRCシグナリングを介してUEにシグナリングし得る。
【0042】
拡張P
CMAX及び/又はPHレポートは、搬送波内のすべてのRBGのP
CMAX及び/又はPH値を含むことができる。あるいは、レポートは、搬送波内のRBGの特定のサブセットのP
CMAX及び/又はPH値を含み得る。別の代替では、拡張P
CMAX及び/又はPHレポートは単に、P
CMAX及び/又はPH値が特定の閾値を下回るRBGのRBGインデックスを含むことができ、その理由は、UEがそれらのRBGにバックオフを適用する必要があるためである。一般に、P
CMAX及びPHに別個の閾値が使用される。閾値は、UE及びeNBの両方にとって事前に既知であり得る。あるいは、閾値は、RRCシグナリングを介してUEにシグナリングし得る。
【0043】
拡張P
CMAX及び/又はPHレポートのオーバーヘッドが比較的大きい場合、サブフレームのPUSCH割当が特定数のRBを超えるとき(例えば、M_PUSCH>4のとき)のみ、且つ/又はそのサブフレームのPUSCH割当のスペクトル効率が特定の閾値を超えるとき(例えば、I_MCS>10のとき)のみ、そのサブフレームのこれらのレポートを送信するように、UEを制限することもできる。
【0044】
一実施形態では、eNBは、UEからの拡張P
CMAX及び/又はPHレポートを明示的に要求する。明示的な拡張P
CMAX及び/又はPHレポート要求は任意選択的に、詳細なP
CMAX及び/又はPH情報が要求されるRBGのサブセットについての情報を含むことができる。一実施態様では、eNBからの要求は、特別な物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)メッセージを介して、又はPDCCHメッセージ内のビットにより、又は媒体アクセス制御(MAC)レイヤメッセージにより、又はRRCメッセージにより送信される。eNBは、UEからのデータ受信に繰り返し失敗することを検出した場合は常に、又はUEがマルチRAT送信を実行していることを判断した場合は常に、又はアップリンクスケジューリングのために正確なP
CMAX及び/又はPH情報が必要な場合は常に、拡張P
CMAX及び/又はPHレポートをUEから明示的に要求することができる。
【0045】
従って、UEがP
CMAX及び/又はPHレポートへの明示的な要求を受信する実施態様では、要求は、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)メッセージ内で、又は媒体アクセス制御(MAC)レイヤメッセージで、又は無線リソース制御(RRC)メッセージで基地局から受信し得る。特定の一実施態様では、UEは、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)メッセージ内で明示的な要求を基地局から受信し、その場合、PDCCHメッセージは、アップリンク搬送波、第1及び第2のRBセット、並びに複合レポートを送信すべきアップリンク搬送波上のリソースブロックを識別する識別情報を含む。
【0046】
P
CMAX及び/又はPHレポートを明示的に要求するメカニズムは、通常のP
CMAX及び/又はPHレポートに使用することもできる。そのような実施態様では、明示的なP
CMAX及び/又はPHレポート要求は、UEが通常のP
CMAX及び/又はPHレポートを送信すべきか、それとも拡張P
CMAX及び/又はPHレポートを送信すべきかを識別する情報を含むことができる。
【0047】
PDCCHメッセージが、明示的なP
CMAX及び/又はPHレポート要求に使用される実施態様では、eNBは、ULユーザデータ並びにP
CMAX及び/又はPHレポートを送信するためのPUSCHリソースのUEへの認可に同じPDCCHメッセージを使用することができる。これは、eNBが「P
CMAXレポート要求ビット」及び/又は「PHレポート要求ビット」をPDCCHメッセージ内に埋め込むことにより行うことができる。ユーザデータは、UL共有チャネル(UL−SCH)データとも呼ばれる。あるいは、eNBは、UL−SCHデータなしでP
CMAX及び/又はPH情報のみを送信するためにPUSCHリソースを割り当てて、PDCCH認可をUEに送信し得る。この場合、eNBは、PDCCHメッセージ内の特別なビットフィールドシーケンス(例えば、UL認可でのいくつかのパラメータがすべて1若しくはすべて0、又はUL認可内のいくつかのパラメータを特定のパラメータ値に向けて確保)をシグナリングし得る。UEは、特別なビットフィールドシーケンスに基づいて、UL−SCHにPUSCHリソースを認可するUL PDCCHメッセージと、P
CMAX及び/又はPH情報のみを送信するためにPUSCHリソースを認可するUL PDCCHメッセージとを区別することができる。
【0048】
いくつかの実施態様では、UEが実行中の禁止PHRタイマを有する場合、且つUEが明示的なP
CMAX及び/又はPHレポート要求を受信する場合、UEは、eNBによる要求に応じて、禁止PHRタイマをオーバーライドし、P
CMAX及び/又はPHレポートを送信することができる。UEは任意選択的に、明示的なP
CMAX及び/又はPHレポート要求を受信する場合は常に、禁止PHRタイマをリセットすることもできる。
【0049】
非連続PUSCH送信がサポートされる場合、UEが使用するバックオフは、UEに割り当てられるRB数のみならず、割り当てられたRBの周波数位置にも依存する。例えば、UEは、対向するバンド端に割り当てられた2つのRBの送信に大きなバックオフ(例えば、ACLR及びスペクトル放射マスク要件を満たすために、12dB)を要求する。仮にRBが互いにすぐ隣接して割り当てられる場合、要求されるバックオフははるかに小さい(例えば、0dB)。拡張P
CMAX及び/又はPH報告は、非連続リソース割当をスケジューリングする場合にeNBを支援するために使用することができる。一手法では、UEは、RBGの組み合わせを考慮して、UL送信のP
CMAXを報告することができる。例えば、搬送波が10RBGを有する場合、UEは、(RBG0&RBG1、RBG0&RBG2、・・・、RBG0&RBG9)、(RBG1&RBG2、RBG1&RBG3、・・・、RBG1&RBG9)、・・・、(RBG8&RBG9)等のRBGの組み合わせのP
CMAX値を単一の詳細P
CMAXレポートで報告することができる。多数の組み合わせが可能な場合(この例では、10から2つを選ぶ=45の組み合わせ=45バイト)、これらのより詳細な拡張P
CMAXレポートのオーバーヘッドははるかに高い。
【0050】
LTEでは、PUSCH RB及びPUCCH RBは一般に、UEにより異なるサブフレームで送信される。場合によっては、eNBは、PUSCH RB及びPUCCH RB両方を同じサブフレームで同時に送信するようにUEを構成し得る。そのような場合、UEは、PUSCHタイプのRB及びPUCCHタイプのRBの両方に対応する別個のP
CMAX及び/又はPH情報を報告することができる。一実施形態では、UEは、PUSCH RBの複数のセット(即ち、複数のPUSCH RBG)についてのP
CMAX及び/又はPH情報を含むことができ、拡張P
CMAX及び/又はPHレポート内のPUCCH RBの1つ又は複数のセットに対応するP
CMAX及び/又はPH情報を含むこともできる。
【0051】
いくつかの実施形態では、UEは、特定の電力バックオフ値が、いくつかのRBGに対して必要であり、共通サブフレームの搬送波内の残りのRBGでは必要とされないと判断することができる。特定の電力バックオフは、例えば、UEがLTE及びCDMA同時送信、又はLTE及びWiFi同時送信、又はLTE及びBluetooth(登録商標)同時送信等の同時マルチRAT送信を実行中の場合、端末電力管理のために必要であり得る。拡張P
CMAX及び/又はPHレポートの報告オーバーヘッドを低減するために、UEは単に、特定の電力バックオフを必要としないRBGのP
CMAX及び/又はPH値を報告することができ、特定の電力バックオフを必要とするRBGを識別する情報(例えば、それらのRBGのRBGインデックス)を含むこともできる。そのようなレポートは、eNBが、RBGの報告されるP
CMAX及び/又はPH値に基づいて、特定の電力バックオフを必要とするRBG(ブラックリストRBG)での送信スケジューリングを回避し、バックオフを必要としないRBGでの送信をスケジューリングするのに役立つ。UEは、eNBからのブラックリストRBGのレポートに対する明示的な要求に基づいて、そのようなレポートを送信し得る。eNBは、そのような拡張P
CMAX及び/又はPHレポートを受信すると、任意選択的に、指定される時間期間にわたりブラックリストRBGにおいてUEをスケジューリングしないことを選び得、指定される時間期間は、UE及びeNBの両方にとって事前に既知であるか、又はeNBを介してUEにシグナリングされる(例えば、指定されるサブフレーム数)。指定される時間期間後、UEは任意選択的に、ブラックリストRBGに対する任意の変更を示す別のレポートをeNBに送信することができる。eNBは、そのようなブラックリストRBGを含まないことを用いて、UEがもはや、いくつかのRBGに電力バックオフを適用する必要があるモードで動作していないことを暗示することができる。UEは、拡張P
CMAX及び/又はPHレポート内のビットの設定を通じて、いくつかのRBGでのいかなる電力バックオフもなく通常動作モードの再開を示すこともできる。eNBが拡張P
CMAX及び/又はPHレポートを復号化することができるように、レポートヘッダを通じてのいくつかのシグナリングが必要であり得、それにより、eNBは、UEがブラックリストRBGを識別する情報を拡張P
CMAX及び/又はPHレポートに含めたか否かを区別することができる。
【0052】
拡張P
CMAX及び/又はPHレポートをシグナリングする別の実施形態では、2クラスタ手法(3GPP RAN WG1技術仕様(TS)36.213バージョン10.0.1の従属節8.1.2に与えられるアップリンクリソース割当タイプ1等)が使用され、この手法では、各クラスタの開始及び終了リソースブロック群(RBG)インデックスが、各クラスタの対応するP
CMAXと共に与えられる。各クラスタがサイズPの1つ又は複数の連続RBGからなることに留意する。クラスタに含まれないRBGのP
CMAXは、P_powerclass又はそれらの周波数位置において前に報告されたP
CMAXに等しいと仮定することができる。一実施形態では、UEは、所与のサービングセルに、いくつかの数のクラスタ(例えば、2)及びクラスタが広がる搬送波のそれらの周波数位置(又はリソースブロック)を報告すると共に、各クラスタのP
CMAXも報告する。2つのクラスタについてのクラスタ情報を効率的に示す一方法は、アップリンクリソース割当タイプ1を使用することである。UEは、何らかの干渉レベルトリガに基づいて報告するクラスタを決定する。例えば、特定のRATによる干渉が閾値に合格する場合、又は特定のリソースブロックセットの干渉(例えば、所与のRATでUEの受信器により見られる)が閾値を超えるか、閾値に合格する場合。アップリンクリソース割当タイプ1のリソース割当情報は、スケジューリングされたUEに、2つのリソースブロックセットを示し、各セットは、アップリンクシステム帯域幅
【0054】
についてTS36.213バージョン10.0.01の表7.1.6.1−1に与えられるように、サイズPの1つ又は複数の連続リソースブロック群を含む。スケジューリング認可内のリソース割当フィールドは、リソースブロックセット1の開始及び終了RBGインデックスS
0及びS
1−1と、リソースブロックセット2の開始及び終了RBGインデックスS
2及びS
3−1とのそれぞれに対応する結合インデックスrからなり、rは、TS36.213 v10.0.1のセクション7.2.1に定義される式
【0058】
により与えられる。セクション7.2.1は、順序属性と、S
i(RBGインデックス)がマッピングされる値の範囲も定義する。対応する終了RBGインデックスが開始RBGインデックスに等しい場合、単一のRBGのみが、開始RBGインデックスにおいてセットに割り当てられる。別の実施形態では、サービングセルは、UEに割り当てられたアップリンク搬送波の周波数部分の各セットに別個のP
CMAX値(又はP
CMAX情報)を報告するようにUEをスケジューリングする(認可を介して)。UEに送信される認可は、UEがP
CMAX値(又は情報)を計算すべき所望の周波数部分(又はリソース数ブロッククラスタ、又はRBGセット)に対応するリソース識別情報(例えば、アップリンクリソース割当タイプ1に基づく)を含み、次に、周波数部分のP
CMAX値は、事前定義されるか、又は半統計的に構成されるか、永続的に若しくは動的にスケジューリングされるか、又は暗黙的に示されるアップリンクリソースでP
CMAX値(情報)を送信することにより報告される。
【0059】
本開示及び本開示の最良の形態を、所有権を確立し、当業者が本開示を作成し使用することができるように説明したが、本明細書に開示される例示的な実施形態への均等物があり、本発明の範囲及び趣旨から逸脱せずに変更及び変形を行い得、本発明の範囲及び趣旨が、例示的な実施形態ではなく、添付の特許請求の範囲により限定されるべきであることが理解され認識されるだろう。
<付記>
1. 無線通信装置における方法であって、
基地局から、サブフレームのPCMAX又は電力ヘッドルームレポートに対する明示的な要求を受信する工程であって、
前記明示的な要求は、制御チャネルを介するリソース割当メッセージ、MACレイヤメッセージ、又はRRCメッセージを通じて受信される、前記工程と、
前記明示的な要求の受信に応答して、PCMAX又は電力ヘッドルームを含むレポートを前記基地局に送信する工程と、
を備える、方法。
2. 前記明示的な要求を受信する工程は、前記PCMAXと電力ヘッドルームレポートとのうちの一方又は両方が要求される搬送波の識別情報を受信する工程を含む、付記1に記載の方法。
3. 前記明示的な要求を受信する工程は、前記PCMAX又は電力ヘッドルームレポートが要求される搬送波の前記サブフレームのリソースブロックセットの識別情報を受信する工程を含む、付記1に記載の方法。
4. 前記明示的な要求を受信する工程は、PCMAX又は電力ヘッドルームレポートを送信する場合に除外するリソースブロックセットの識別情報を受信する工程を含む、付記1に記載の方法。
5. 前記明示的な要求を受信する工程は、PCMAX又は電力ヘッドルームレポートを送信する場合に除外するリソースブロックセットの識別情報を受信する工程であって、
前記除外されるリソースブロックセットは追加の電力バックオフを受けるリソースブロックセットであり、除外されないリソースブロックセットは、追加の電力バックオフを受けないリソースブロックセットである、前記工程と、
除外されないリソースブロックのPCMAXレポートを送信する工程と、
をさらに備える、付記1に記載の方法。
6. 前記明示的な要求を受信する工程は、端末がマルチRATモードで動作していることと、端末が電力管理のために追加の電力バックオフを適用する必要があることとのうちの少なくとも一方を含む指示を送信することに応答して、前記明示的な指示を受信する工程を含む、付記1に記載の方法。
7. 拡張PCMAXレポートについての明示的な要求を前記基地局から受信することに応答して、前記基地局に複合レポートを送信する工程は、
第1の搬送波のサブフレームの第1の物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)リソースブロック(RB)セットに対応する第1の構成最大送信電力(PCMAX)値を決定する工程であって、
前記第1のRBセットは、前記搬送波を構成する完全なRBセットより少ないRBを含む、前記工程と、
前記第1の搬送波の前記サブフレームの第2のPUSCH RBセットに対応する第2のPCMAX値を決定する工程であって、
前記第2のRBセットは、前記第1の搬送波を構成する完全なRBセットより少ないRBを含み、前記第1のRBセットとは異なる、前記工程と、
少なくとも前記第1のPCMAX値及び前記第2のPCMAX値を含む前記サブフレームの複合レポートを基地局に送信する工程と、
をさらに備える、付記1に記載の方法。