【実施例】
【0044】
本発明を、以下の非限定的な実施例において例示する。
【0045】
機械加工性向上剤
以下の物質を、本発明による機械加工性向上剤の例として用いた。
【0046】
本質的に20μm未満の粒径X
99及び以下により酸化物重量%として表した化学組成を有する
白雲母含有粉末:
SiO
2 48.0
Al
2O
3 33.3
K
2O 10.1
FeO 2.8
MgO 0.3
強熱減量(loss on ignition) 5.5
【0047】
約18μmの平均粒径X
50及び本質的に45μm未満の粒径X
99、並びに以下により酸化物重量%として表した化学組成を有する
金雲母含有粉末:
SiO
2 39.5
Al
2O
3 10.3
K
2O 12.8
FeO 10.3
MgO 22.7
CaO 0.5
強熱減量 3.0
【0048】
本質的に20μm未満の粒径X
99及び以下により酸化物重量%として表した化学組成を有する
スメクタイト群に属する鉱物を含む粉末:
SiO
2 68.2
Al
2O
3 10.9
K
2O 0.3
FeO 1.3
MgO 17.0
CaO 1.1
Na
2O 1.2
強熱減量(強熱減量を測定せず、強熱減量を除外した場合に計算した化学分析)
【0049】
本質的に15μm未満の粒径X
99及び以下により酸化物重量%として表した化学組成を有する
カルシウムベントナイト含有粉末:
SiO
2 55.1
Al
2O
3 23.3
K
2O 2.9
FeO 1.6
MgO 2.9
CaO 4.7
Na
2O 1.9
強熱減量 9.5
【0050】
例1
(旋削操作により実施された、焼結されたままのPM材料に関する機械加工性の検討)
ベントナイト粉末を金属粉末、すなわちHoganas AB(スウェーデン)から入手可能な水噴霧鉄粉末AHC100.29と混合した。金属粉末は、2重量%の銅粉末、潤滑剤としての0.8%のエチレンビスステアラミド及び黒鉛0.8重量%とも混合した。
【0051】
表1による金属粉末混合物を、ISO3325に準拠した標準化TRS棒及び55mmの外径、35mmの内径、20mmの高さを有するリングに、6.9g/cm
3の圧粉体密度まで圧縮成形した。
【0052】
TRS棒及びリングを、実験用メッシュベルト炉で10%水素及び90%窒素の混合物中にて1120℃で20分間焼結した。試料の得られた微細構造は、パーライトであった。焼結TRS棒は、ISO3325に準拠した横破断強度(transversal rupture strength)を決定するために用い、焼結リングは、表2でわかるように機械加工性指数を決定するための旋削試験に用いた。
【0053】
機械加工性指数は、バイト(turning tool)上の逃げ面摩耗(flank wear:側面摩耗)、すなわち、インサートカッティングエッジから除去された物質として定義される。
図1は、この摩耗をどのように測定するかを開示する。旋削は、炭化タングステンインサートを用いて、冷却剤を用いずに一定の主軸速度と一定の送り(feed)でリングの外径に対して行った。
【0054】
表1は、圧縮成形リングの機械的特性が添加ベントナイトによる影響をほとんど受けないことを示す。しかし、ベントナイトが添加されたリングについて、機械加工性の著しい改善が
図2に示されている事実である。ベントナイトを含むリングの機械加工性指数は、同じ切削距離について、この添加剤を含まないリングと比較してほぼ50%減少した(すなわち、インサートカッティングエッジの摩耗が減少した)。
【表1】
【表2】
【0055】
例2
(ドリル穴あけ操作により実施された、焼結されたままのPM材料に関する機械加工性の検討)
白雲母及び
金雲母粉末を、0.5%のMo、4%のNi及び1.5%のCuと拡散合金化した純鉄であるHoganas AB(スウェーデン)から入手可能な金属粉末Distaloy AEと混合した。金属粉末は、潤滑剤である0.8重量%のEBS(エチレンビスステアラミド)及び0.5重量%の黒鉛とも混合した。
【0056】
表3における材料混合物を、ISO2740に準拠した標準化引張試験棒及び80mmの直径、12mmの高さを有するディスクに、7.10g/cm
3の圧粉体密度まで圧縮成形した。引張棒及びディスクを、実験用メッシュベルト炉で10%水素及び90%窒素の混合物中にて1120℃で30分間焼結した。試料の得られた微細構造は、フェライト、ニッケルに富むオーステナイト、パーライト、ベイナイト及びマルテンサイトを含む不均一なものであった。
【0057】
ディスクは、表4でわかるように機械加工性指数を決定するためのドリル試験に用いた。この指数は、ドリルが完全に磨滅する前、すなわち、ドリルの完全な破損の前に機械加工することができる1本のドリル当たりの穴の数として定義される。ドリル穴あけは、直径φ3.5の高速度鋼ドリルを用いて、冷却剤を用いずに一定の速度と一定の送りで実施した。
【0058】
表3は、白雲母及び金雲母の雲母粉末を添加する場合、機械的特性のわずかな偏差が認められることを示す。機械加工性は、表4に示すように金雲母により顕著に改善され、白雲母によりさらに並はずれて改善されている(すなわち、かなりより多くの穴をドリルであけることができた)。
【表3】
【表4】
【0059】
例3
(旋削操作により実施された、焼結し、焼入れし、焼もどしたPM材料に関する機械加工性の検討)
ベントナイト粉末を、金属粉末、すなわちHoganas AB(スウェーデン)から入手可能な水噴霧鉄粉末AHC100.29と混合した。金属粉末は、2重量%の銅粉末、潤滑剤としての0.8重量%のEBS(エチレンビスステアラミド)及び黒鉛0.8重量%とも混合した。
【0060】
表5による材料混合物を、55mmの外径、35mmの内径、20mmの高さを有するリングに、6.9g/cm
3の圧粉体密度まで圧縮成形した。リングを、実験用メッシュベルト炉で10%水素及び90%窒素の混合物中にて1120℃で20分間焼結した。焼結後、リングを980℃で30分間熱処理し、次いで、油中で焼入れした。油焼入れの直後に、リングを空気中にて200℃に1時間で焼もどした。得られた微細構造は、完全にマルテンサイトであった。
【0061】
リングは、表6でわかるように機械加工性指数を決定するための旋削試験に用いた。機械加工性指数は、バイト上の逃げ面摩耗、すなわちインサートカッティングエッジから除去された物質として定義される。
図1は、この摩耗をどのように測定するかを開示する。旋削は、窒化ケイ素セラミックインサートを用いて、冷却剤を用いずに一定の主軸速度と一定の送りでリングの外径に対して行った。
【0062】
表5は、熱処理済みのリングの硬度が添加ベントナイトによる影響を受けないことを示す。しかし、機械加工性は、表6に示すようにベントナイトを用いる場合に著しく改善される。ベントナイトを含むリングの機械加工性指数は、同じ切削距離について、この添加剤を含まないリングと比較して50%超減少した(すなわち、インサートカッティングエッジの摩耗が減少した)。
【表5】
【表6】
【0063】
例4
(旋削操作により実施された、焼結硬化PM材料に関する機械加工性の検討)
ベントナイト粉末を、金属粉末、すなわち1.9%Ni及び0.55%Moとプレアロイ化させたHoganas AB(スウェーデン)から入手可能な水噴霧鋼粉末Astaloy Aと混合した。金属粉末は、2重量%の銅粉末、潤滑剤としての0.8重量%のEBS(エチレンビスステアラミド)及び黒鉛0.8重量%とも混合した。
【0064】
表7による材料混合物を、55mmの外径、35mmの内径、20mmの高さを有するリングに、6.9g/cm
3の圧粉体密度まで圧縮成形した。リングを、生産炉で10%水素及び90%窒素の混合物中にて1120℃で20分間焼結硬化させ、冷却速度を2.2℃/秒とした。焼結硬化後、リングを空気中にて200℃で30分間焼きもどした。得られた微細構造は、完全にマルテンサイトであった。
【0065】
リングは、表8でわかるように機械加工性指数を決定するための旋削試験に用いた。機械加工性指数は、バイト上のすくい面摩耗(face wear)、すなわち、インサートカッティングエッジから除去された物質として定義される。
図1は、この摩耗をどのように測定するかを開示する。旋削は、窒化ケイ素セラミックインサートを用いて、冷却剤を用いずに一定の主軸速度と一定の送りでリングの外径に対して行った。
【0066】
表7は、熱処理済みのリングの硬度が添加量のベントナイトによりわずかに硬くなっていることを示す。機械加工性は、表8に示すようにベントナイトを用いる場合に著しく改善される。ベントナイトを含むリングの機械加工性指数は、同じ切削距離について、この添加剤を含まないリングと比較して約60%減少した(すなわち、インサートカッティングエッジの摩耗が減少した)。
【表7】
【表8】
【0067】
例5
(旋削操作により実施された、焼結硬化PM材料に関する機械加工性の検討)
ベントナイト粉末を、金属粉末、すなわちHoganas AB(スウェーデン)から入手可能な水噴霧鋼粉末Astaloy CrL、1.5%Cr及び0.2%Moを有するプレアロイ化粉末と混合した。金属粉末は、2重量%の銅粉末、潤滑剤としての0.8重量%のEBS(エチレンビスステアラミド)及び黒鉛0.75重量%とも混合した。
【0068】
表9による混合物を、55mmの外径、35mmの内径、20mmの高さを有するリングに、6.9g/cm
3の圧粉体密度まで圧縮成形した。リングを、生産炉で10%水素及び90%窒素の混合物中にて1120℃で20分間焼結硬化させ、冷却速度を2.2℃/秒とした。焼結硬化後、リングを空気中にて200℃で30分間焼きもどした。得られた微細構造は、完全にマルテンサイトであった。
【0069】
リングは、表10でわかるように機械加工性指数を決定するための旋削試験に用いた。機械加工性指数は、バイト上のすくい面摩耗、すなわち、インサートカッティングエッジから除去された物質として定義される。
図1は、この摩耗をどのように測定するかを開示する。旋削は、窒化ケイ素セラミックインサートを用いて、冷却剤を用いずに一定の主軸速度と一定の送りでリングの外径に対して行った。
【0070】
表9は、熱処理済みのリングの硬度が添加量のベントナイトによりわずかに硬くなっていることを示す。機械加工性は、表10に示すようにベントナイトを用いる場合に著しく改善される。ベントナイトを含むリングの機械加工性指数は、同じ切削距離について、この添加剤を含まないリングと比較して約75%減少した(すなわち、インサートカッティングエッジの摩耗が減少した)。
【表9】
【表10】
【0071】
例6
(ドリル穴あけ操作により実施された、焼結硬化PM材料に関する機械加工性の検討)
白雲母、
金雲母及び
スメクタイト粉末を、金属粉末、すなわち3%のCr及び0.5%のMoとプレアロイ化した鉄であるHoganas AB(スウェーデン)から入手可能な水噴霧鋼粉末Astaloy CrMと混合した。金属粉末は、潤滑剤である0.8重量%のEBS(エチレンビスステアラミド)及び0.55重量%の黒鉛とも混合した。
【0072】
表11における材料混合物を、ISO2740に準拠した標準化引張試験棒及び80mmの直径、12mmの高さを有するディスクに、7.10g/cm
3の圧粉体密度まで圧縮成形した。引張棒及びディスクを、実験用メッシュベルト炉で10%水素及び90%窒素の混合物中にて1120℃で30分間焼結硬化させ、冷却速度を2.2℃/秒とした。焼結硬化後、TS棒及びディスクを、空気中にて200℃で30分間焼きもどした。得られた微細構造は、完全にマルテンサイトであった。
【0073】
ディスクは、表12でわかるように機械加工性指数を決定するためのドリル試験に用いた。この指数は、臨界切削速度(critical cutting speed)として定義される。ドリルが、ドリルの完全な破損なしに特定の切削速度で1つのディスク上の全量の穴(216個)を生じさせることができた場合、新たなドリルを、切削速度を増加させつつ用いて次の試験を実施すべきである。ドリル穴あけは、直径φ3.5の固体カーバイドドリルを用いて、冷却剤を用いずに一定の送りで実施した。
【0074】
表11は、白雲母、金雲母又はスメクタイトを添加する場合、機械的特性のいくつかのわずかな偏差が認められることを示す。機械加工性は、表12に示すように白雲母、金雲母又はスメクタイトにより顕著に改善し、ドリルの破損なしに主軸速度の増加が可能である。
【表11】
【表12】
【0075】
例7
(旋削操作により実施された、焼結硬化PM材料に関する機械加工性の検討)
白雲母、
金雲母及び
スメクタイト粉末を、例6と同様に金属粉末、すなわち水噴霧鋼粉末Astaloy CrMと混合した。金属粉末は、潤滑剤である0.8重量%のEBS(エチレンビスステアラミド)及び0.55重量%の黒鉛とも混合した。
【0076】
表13における混合物を、ISO2740に準拠した標準化引張試験棒及び64mmの外径、35mmの内径、25mmの高さを有するリングに、7.10g/cm
3の圧粉体密度まで圧縮成形した。引張棒及びリングを、実験用メッシュベルト炉で10%水素及び90%窒素の混合物中にて1120℃で30分間焼結硬化させ、冷却速度を2.2℃/秒とした。得られた微細構造は、完全にマルテンサイトであった。
【0077】
焼結硬化後、TS棒及びリングを空気中で200℃で30分間焼きもどした。リングは、表14でわかるように機械加工性指数を決定するための旋削試験に用いた。機械加工性指数は、バイト上の逃げ面摩耗、すなわち、インサートカッティングエッジから除去された物質として定義される。
図1は、この摩耗をどのように測定するかを開示する。旋削は、立方晶窒化ホウ素インサートを用いて、冷却剤を用いずに一定の切削速度と一定の送りでリングの端面に対して行った。
【0078】
表13は、白雲母、金雲母又はスメクタイト粉末を加える場合、機械的特性のいくつかのわずかな偏差が認められることを示す。
【0079】
機械加工性は、表14に示すように白雲母、金雲母又はスメクタイトを用いることにより顕著に改善する。各種添加剤を含むリングの機械加工性指数は、同じ切削距離について、これらの添加剤を含まないリングと比較してかなり減少した(すなわち、インサートカッティングエッジの摩耗が減少した)。
【表13】
【表14】
【0080】
例8
(旋削操作により実施された、焼結硬化PM材料に関する機械加工性の検討)
ベントナイト粉末を、例6と同様に金属粉末、すなわち水噴霧鋼粉末Astaloy CrMと混合した。金属粉末は、潤滑剤である0.8重量%のEBS(エチレンビスステアラミド)及び黒鉛0.6重量%とも混合した。
【0081】
表15による混合物を、55mmの外径、35mmの内径、20mmの高さを有するリングに、6.9g/cm
3の圧粉体密度まで圧縮成形した。リングを、生産炉で10%水素及び90%窒素の混合物中にて1120℃で20分間焼結硬化させ、冷却速度を2.2℃/秒とした。焼結硬化後、リングを空気中にて200℃で30分間焼きもどした。得られた微細構造は、完全にマルテンサイトであった。
【0082】
リングは、表16でわかるように機械加工性指数を決定するための旋削試験に用いた。機械加工性指数は、バイト上の逃げ面摩耗、すなわち、インサートカッティングエッジから除去された物質として定義される。
図1は、この摩耗をどのように測定するかを開示する。旋削は、窒化ケイ素セラミックインサートを用いて、冷却剤を用いずに一定の主軸速度と一定の送りでリングの外径に対して行った。
【0083】
表15は、熱処理済みのリングの硬度が添加量のベントナイトによりわずかに硬くなっていることを示す。機械加工性は、表16に示すようにベントナイトを用いる場合に著しく改善される。ベントナイトを含むリングの機械加工性指数は、同じ切削距離について、この添加剤を含まないリングと比較して約70%減少した(すなわち、インサートカッティングエッジの摩耗が減少した)。
【表15】
【表16】
【0084】
例9
(ドリル穴あけ操作により実施された、焼結されたままのPM材料に関する機械加工性の検討)
表17でわかるように、異なる粒径分布を有する
白雲母及び
金雲母粉末を、方法Fraunhofer App.ISO13320−1:1999に従ってレーザー回折装置(Sympatec GmbH)を用いて測定した。
【表17】
【0085】
白雲母及び金雲母粉末を、0.5%のMo、4%のNi及び1.5%のCuと拡散合金化した純鉄であるHoganas AB(スウェーデン)から入手可能な金属粉末Distaloy AEと混合した。金属粉末は、潤滑剤である0.8重量%のEBS(エチレンビスステアラミド)及び0.5重量%の黒鉛とも混合した。
【0086】
表18における材料混合物(重量パーセントとして表した)を、ISO2740に準拠した標準化引張試験棒及び80mmの直径、12mmの高さを有するディスクに、7.10g/cm
3の圧粉体密度まで圧縮成形した。引張棒及びディスクを、実験用メッシュベルト炉で10%水素及び90%窒素の混合物中にて1120℃で30分間焼結した。試料の得られた微細構造は、フェライト、ニッケルに富むオーステナイト、パーライト、ベイナイト及びマルテンサイトを含む不均一なものであった。
【表18】
【0087】
ディスクは、表19でわかるように機械加工性指数を決定するためのドリル試験に用いた。この指数は、ドリルが完全に磨滅する前、すなわち、ドリルの完全な破損の前に機械加工することができる1本のドリル当たりの穴の数として定義される。ドリル穴あけは、直径φ3.5の高速度鋼ドリルを用いて、冷却剤を用いずに一定の速度と一定の送りで実施した。
【0088】
機械加工性は、より粗い白雲母(M1)を除いて、表19に示すように金雲母により改善され、白雲母によりさらにより大きく改善されている(すなわち、かなりより多くの穴をドリルであけることができた)。
【表19】
【0089】
相対的機械加工性指数をドリルの完全な破損の前のドリル穴の平均数とドリルの完全な破損の前の添加剤を含まない材料におけるドリル穴の平均数との比として定義することにより、
図2でわかるように、機械加工性と白雲母の粒径分布(X
50)との相関が明らかになる。
【0090】
白雲母については粒径(X
50)が減少するにつれて機械加工性に対する影響は著しく、機械加工性を増加させる効果が高くなるが、金雲母についてはより低い増加効果が認められ得る。
【0091】
図2から明らかなように、平均粒径X
50は、好都合には20μm以下、好ましくは15μm以下、より好ましくは10μm以下、特に5μm以下である。
【0092】
例えば、白雲母について示した、添加した機械加工性剤の量は、表20でわかるように、寸法変化、機械的特性及び硬度に対して影響を及ぼす。
【表20】
本発明の諸態様は、以下のとおり要約される。
[1].鉄をベースとした粉末に加えて、粉末状のより少ない量の機械加工性改善添加剤を含み、前記添加剤がフィロケイ酸塩からなる群からの少なくとも1つのケイ酸塩を含む、鉄をベースとした粉末組成物。
[2].フィロケイ酸塩が、粘土鉱物からなる群から選択される、上記1項に記載の鉄をベースとした粉末組成物。
[3].粘土鉱物が、カオリナイト、スメクタイト及びベントナイトからなる群から選択される、上記2項に記載の鉄をベースとした粉末組成物。
[4].フィロケイ酸塩が、ベントナイトからなる群から選択される、上記3項に記載の鉄をベースとした粉末組成物。
[5].機械加工性改善添加剤の含量が、鉄をベースとした粉末組成物の重量で0.05〜1%、好都合には0.05〜0.5%、好ましくは0.05〜0.3%、より好ましくは0.05〜0.2%である、上記1から4項までのいずれか一項に記載の鉄をベースとした粉末組成物。
[6].フィロケイ酸塩が雲母からなる群から選択され、機械加工性改善添加剤の含量が、0.5重量%未満、好ましくは0.4重量%以下、例えば、0.3重量%以下、又は0.2重量%以下である、上記1項に記載の鉄をベースとした粉末組成物。
[7].フィロケイ酸塩が白雲母である、上記6項に記載の鉄をベースとした粉末組成物。
[8].機械加工性改善添加剤の粒径X99が、50μm未満、好ましくは30μm未満、より好ましくは20μm未満である、上記1から7項までのいずれか一項に記載の鉄をベースとした粉末組成物。
[9].機械加工性改善添加剤の平均粒径X50が、20μm未満、好ましくは15μm未満、より好ましくは10μm未満、最も好ましくは5μm未満である、上記1から8項までのいずれか一項に記載の鉄をベースとした粉末組成物。
[10].フィロケイ酸塩が、5未満、好ましくは4未満のモース硬度を有する、上記1から9項までのいずれか一項に記載の鉄をベースとした粉末組成物。
[11].フィロケイ酸塩がアルミニウムを含む、上記1から10項までのいずれか一項に記載の鉄をベースとした粉末組成物。
[12].鉄をベースとした粉末が、10重量%未満の合金化元素を含む、上記1から11項までのいずれか一項に記載の鉄をベースとした粉末組成物。
[13].鉄をベースとした粉末組成物における機械加工性改善添加剤に含まれるフィロケイ酸塩の使用。
[14].鉄をベースとした粉末を供給すること、及び
鉄をベースとした粉末を、少なくとも1つのフィロケイ酸塩を含む粉末状の機械加工性改善添加剤と混合すること
を含む、鉄をベースとした粉末組成物を調製する方法。
[15].上記1から12項までのいずれか一項に記載の鉄をベースとした粉末組成物を調製すること、
鉄をベースとした粉末組成物を400〜1200MPaの圧縮成形圧で圧縮成形すること、
圧縮成形部品を1000〜1300℃の温度で焼結すること、及び
場合により、焼結部品を熱処理することを含む、
改善された機械加工性を有する鉄をベースとした焼結部品を製造する方法。