特許第5733876号(P5733876)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5733876フリップ型発光ダイオードをもつ薄型バックライト
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5733876
(24)【登録日】2015年4月24日
(45)【発行日】2015年6月10日
(54)【発明の名称】フリップ型発光ダイオードをもつ薄型バックライト
(51)【国際特許分類】
   F21V 8/00 20060101AFI20150521BHJP
   F21V 7/00 20060101ALI20150521BHJP
   F21V 29/00 20150101ALI20150521BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20150521BHJP
   F21Y 101/02 20060101ALN20150521BHJP
【FI】
   F21V8/00 320
   F21V8/00 340
   F21V8/00 350
   F21V7/00
   F21V29/00 111
   G02F1/13357
   F21Y101:02
【請求項の数】15
【外国語出願】
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2007-248050(P2007-248050)
(22)【出願日】2007年8月27日
(65)【公開番号】特開2008-98162(P2008-98162A)
(43)【公開日】2008年4月24日
【審査請求日】2010年8月26日
【審判番号】不服2013-25528(P2013-25528/J1)
【審判請求日】2013年12月26日
(31)【優先権主張番号】11/467,522
(32)【優先日】2006年8月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500507009
【氏名又は名称】フィリップス ルミレッズ ライティング カンパニー リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ジェラルド ハーバーズ
(72)【発明者】
【氏名】オーレグ ビー シュチェキン
(72)【発明者】
【氏名】セルジュ ビールフイゼン
【合議体】
【審判長】 丸山 英行
【審判官】 出口 昌哉
【審判官】 平田 信勝
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2005/0254258(US,A1)
【文献】 実開昭51−92087(JP,U)
【文献】 特開2004−6193(JP,A)
【文献】 特開2002−182205(JP,A)
【文献】 特開2005−283825(JP,A)
【文献】 特開2006−66171(JP,A)
【文献】 特開2005−26101(JP,A)
【文献】 特開2005−251687(JP,A)
【文献】 特開2004−355889(JP,A)
【文献】 特開2003−281912(JP,A)
【文献】 特開2008−46430(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0072315(US,A1)
【文献】 米国特許第6065845(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 8/00
F21V 7/00
G02F 1/13357
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の表面上に全ての電気端子を有するフリップチップ型であり、前記第1の表面に隣接する側表面及び前記第1の表面に対向する第2の表面を有する発光ダイオード(LED)ダイと、
前面及び裏面を有し、前記LEDダイから放射される光が結合される、固体材料から形成された実質的に長方形の光導波路と、
前記光導波路の前記前面上の液晶層積層体のパネルと、
前記LEDダイの前記電気端子に結合した電気端子を有するサブマウントと、
を含み、第1の方向で前記光導波路の前記前面から放射される光が、バックライトとして前記液晶層積層体のパネルの裏面を照射し、
前記LEDダイは前記光導波路に形成されたキャビティ内に取り付けられ、前記LEDダイの前記第1の表面は実質的に第1の方向に向き、前記LEDダイの少なくとも一部は前記光導波路の前記前面と前記光導波路の前記裏面との間の面内において位置し、
前記液晶層積層体のパネルは前記光導波路の縁を超えて延び、前記LEDダイは、前記液晶層積層体のパネルによって支持されるように、前記光導波路の縁を超えて延びる前記液晶層積層体のパネルに前記サブマウントを介して取り付けられ、
前記光は、前記LEDダイの側面からのみ前記光導波路に放射され
前記LEDダイの前記第2の表面に対向する切り替え可能ミラーをさらに含み、前記切り替え可能ミラーは、前記LEDダイの前記第2の表面に面する前記切り替え可能ミラーの表面が反射性である第1の状態と、前記切り替え可能ミラーが実質的に透過性である第2の状態との間で電気的に切り替え可能であることを特徴とするLCDデバイス。
【請求項2】
前記LEDダイの前記第2の表面に面するリフレクタをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のLCDデバイス。
【請求項3】
前記LEDダイの前記電気端子に結合した電気端子を有するサブマウントをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のLCDデバイス。
【請求項4】
前記液晶層積層体のパネルは、前記光導波路の縁を超えて延び、前記デバイスは前記光導波路の縁を超えて延びる前記液晶層積層体のパネルの一部に取り付けられた固定具をさらに含み、前記固定具は前記サブマウントを支持することを特徴とする請求項3に記載のLCDデバイス。
【請求項5】
前記サブマウントの少なくとも一部分は、前記光導波路の前記前面と前記液晶層積層体のパネルの前記裏面との間の内にあることを特徴とする請求項3に記載のLCDデバイス。
【請求項6】
白色光が生成されるように、前記LEDダイによって放射される光の色変換のために、前記LEDダイに近接する蛍光体をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のLCDデバイス。
【請求項7】
前記光導波路と前記液晶層積層体のパネルとの間に拡散器をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のLCDデバイス。
【請求項8】
前記LEDダイから熱を取り除くために、前記LEDダイに熱的に結合された放熱板をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のLCDデバイス。
【請求項9】
前記第2の状態において、前記切り替え可能ミラーによって透過される光の光パターンを変更するために、前記切り替え可能ミラーの光出力側に集光光学部品をさらに含むことを特徴とする請求項に記載のLCDデバイス。
【請求項10】
前記切り替え可能ミラーがデジタルカメラのフラッシュとして用いられる前記第2の状態にある間に、前記LEDダイに電流パルスを与えるためのLEDドライバをさらに含むことを特徴とする請求項に記載のLCDデバイス。
【請求項11】
前記デジタルカメラを含む携帯電話に収容されることを特徴とする請求項10に記載のLCDデバイス。
【請求項12】
前記LEDダイは、プリント基板を用いることなく前記液晶層積層体のパネルに前記サブマウントを介して取り付けられることを特徴とする請求項1に記載のLCDデバイス。
【請求項13】
前記LCDデバイスの合計厚さは約2mmより少ないことを特徴とする請求項1に記載のLCDデバイス。
【請求項14】
前記LEDダイは青色光を放射することを特徴とする請求項1に記載のLCDデバイス。
【請求項15】
前記LEDダイに電気的に結合されるLEDドライバと、前記液晶層積層体のパネルに電気的に結合されるLCDドライバとをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のLCDデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶ディスプレイのためのバックライトに関し、具体的には、発光ダイオード(LED)を用いるバックライトを照射することに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ(LED)のために用いられる多数の種類のバックライトがある。一般に、フルカラーのバックライトにおいて、バックライトを照射するために用いられる光は、赤色、緑色、及び青色の成分を有する。蛍光ランプは、最も一般的に光源として用いられる。高出力LEDの発展に伴い、そのようなLEDは、幾つかの用途において蛍光ランプに取って代わってきている。赤色、緑色、及び青色LEDの組み合わせを用いてもよいし、又は「白色」LEDを用いてもよい。白色LEDは、結果としてもたらされる光が白色に見えるように、波長変換蛍光体で覆われた青色又はUVのLEDを用いる。
【0003】
小型又は中型LCDのための標準的なバックライトは、ポリマーから形成された固体の透明光導波路を用いる。蛍光灯又はLEDのどちらかである光源は、長方形の光導波路の1つの側縁に光学的に結合される。光導波路はくさび形状であってもよいし、又は、ファセット、或いは光導波路の面から液晶層上に光を一様に漏出する他の種類のリフレクタを有していてもよい。液晶層の赤色、緑色、及び青色ピクセルの位置は、LCD画面上にカラーイメージを生成するRGBピクセルのための光シャッタとして効果的に機能するように、電気信号によって制御される。
【0004】
図1は、バックライトに1つ又はそれ以上のLEDを用いる標準的なLCDを示す。光源はLEDモジュール10である。モジュール10は、反射キャビティ16内に格納された、サブマウント14に取り付けられたLEDダイ12を含む。キャビティは、固体光導波路20の側縁に光学的に結合された窓18を有する。LED12は青色光を放射することができ、LED上の蛍光層(例えばYAG:Ce)は青色光の幾らかを漏出し、黄緑色光を放射するため、混合光は白色になる。代替的に、光導波路20に赤色、緑色、及び青色の光成分を供給するために、多数のカラーLEDがあってもよい。
【0005】
LEDダイ12上の金属パッドは、サブマウント14上の対応するパッドに結合される。LEDダイ12は、フリップチップ型であってもよいし、又は結合は配線によるものであってもよい。サブマウント14は、プリント基板(PCB)24に接続する端子22を有する。PCB24は、端子22をLEDドライバ26に接続する導体パターンを有する。
【0006】
LEDダイ12及びサブマウント14は、或いは、固体光導波路20に形成されたキャビティ内に配置してもよい。
【0007】
拡散器28及び輝度増強膜(BEF)30は、狭い視覚内で光をより一様かつより明るくするために、光導波路20の上に配置される。
【0008】
液晶層32は、BEF30膜上に配置される。LCDドライバ34は、LCD上にイメージを表示するために、各RGBピクセル位置において電場を制御する。
【0009】
底面反射膜36は、光導波路におけるすべての光を液相層32の方向に上方に反射する。光導波路20は、くさび形状であってもよいし、表面上で粗面化されてもよいし、ファセットを有してもよいし、又は上面を通る光を漏出する他の変形を有していてもよい。
【0010】
携帯電話、個人用携帯型情報端子(PDA)、デジタルカメラ、及び他の小型デバイスに適するような、非常に薄型で小型のLCDにおいては、液晶層は0.75mmほど薄い場合があり、拡散器28及びBEF30は0.25mmの組み合わせ厚さを有することができ、光導波路20及びリフレクタ36は0.6mmの組み合わせ厚さを有する場合があり、合計厚さは約1.6mmとなる。これらの厚さは、現在到達している最も薄い厚さであると信じられている。
【0011】
LDCモジュール10の合計高さは、光導波路/拡散器と同じだけ薄く作ることができる。PCB24は、LEDモジュール10及び電気端子に機械的支持を与えるため、LCDに大幅な厚さを加える。PCBはまた、LEDの電力レベルに応じて、サブマウント14から熱を取り除くために役立つことができる。PCBは、1.5mmほどの厚さである場合がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
非常に薄型のデバイスにおいては、LCDの厚さをさらに縮小することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0013】
いずれのプリント基板も用いずに、1つ又はそれ以上のLEDをLCD内に取り付けて、通常のPCBのおおよその厚さだけLCDの厚さを減少させる、LCDの種々の実施形態が説明される。
【0014】
一実施形態においては、LED及びサブマウントは、サブマウントがLCDの液晶層側に対向するように、LCD内に「逆さま」に取り付けられる。従って、液晶層はサブマウント及びLEDダイに機械的支持を与える。(サブマウント上に取り付けられた)LEDダイは、光導波路の「上」面に形成されたキャビティに挿入することができ、光導波路の上面は液晶層、任意の拡散器、及び光導波路と液晶層との間のBEFに当接する。そのような構成においては、全ての支持部品を含むLED光源は、LCDにどのような厚さも加えない。
【0015】
LEDは、白色光LEDであってもよいし、又は、赤色、緑色、及び青色の光成分で液晶層を照射するために複数のLEDを含んでもよい。
【0016】
別の実施形態においては、LEDダイに対向するLCDの「底」面上には、2つの状態を有する電気切り替え可能ミラーがある。電気信号は、切り替え可能ミラーが、該ミラー上に当たる全ての光をLEDの方向に反射して戻すように反射性になるようにするか、又は、光が切り替え可能ミラーを通過するように透過性になるようにする。光学レンズ、又は他の集光光学部品は、切り替え可能ミラーを通過する光をコリメートし、コリメートされた光は、携帯電話又はデジタル写真のための他のデバイスにおけるフラッシュとして、又はフラッシュ光として用いられる。LEDがフラッシュとして用いられる場合には、LEDを通して電流のパルスが与えられるように、好適なドライバ回路が設けられる。
【0017】
さらに、他の実施形態も説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
様々な図において、同じ符号が付けられた要素は、同じ又は同等である。
図2は、本発明の一実施形態によるLCD40を示す側面図である。図3は、図2のトップダウン透視図である。
【0019】
ポリマー又はガラスから形成されるような固体透明光導波路42は、その中にキャビティ44が形成されており、そのキャビティは側面発光LED46とほぼ同じ大きさを有する。側面発光LED46は、LEDダイの周りの低角360度において、その光の大部分を放射する。このように、LED46からの大部分の光は、直接、光導波路42に透過される。任意のリフレクタは、光が側壁から逃げ出さないように、光導波路42の側壁の周りに配置することができる。
【0020】
底面リフレクタ48は光導波路42の光を液晶層の方向に上方に反射する。光導波路42は、ファセットであるか、粗面化された表面であるか、又は光導波路42の上表面から光を漏出させることを可能にする他の変形を有することができる。光導波路42は、さらに、くさび形状であってもよい。光導波路から一様に光を漏出させるための多数の技術が周知である。
【0021】
半透明膜とすることができる拡散器50は、表面全体にわたる光の一様性を増加させるように、光導波路42から光を拡散する。輝度増強膜(BEF)52は、より狭い視覚の中へ光の方向を変えて、視角内の輝度を増加させるようにする。そのようなBEF膜は周知のものである。
【0022】
結果としてもたらされる光は、その後、液晶層54の背面上に入射し、それは非常によく知られたものであり、詳細に説明される必要はない。液晶層の1つの種類は、基本的に、底面偏光子56と、ガラス基板上の透明薄膜トランジスタ(TFT)アレイ58と、液晶層60と、ガラス基板上の透明接地層62と、RGBピクセル位置に対応するRGBフィルタ64と、第2の偏光子66とで構成される。LCDドライバ68によって、選択されたピクセル位置でTFTアレイ58に適用された信号は、光の極性を変え、そのピクセル位置で光をLCD40から、赤色、緑色、又は青色ピクセルとして出力させる。TFT信号の適切な選択によって、カラーイメージがLCD40により生成される。
【0023】
LED46は、サブマウント70上に取り付けられる。サブマウント70は、セラミック、シリコン、絶縁金属板、又は他の好適な材料から形成することができる。LED46上の金属パッドは、サブマウント70上の対応するパッドに結合される(はんだ屑72が示される。)LED46は、厚さを最小にするためにフリップチップ型であることが好ましく、フリップチップとは、サブマウント又は他の取り付け構造への直接結合のために、チップの「底」面上に全ての電気端子をもつチップである。サブマウント70は、LEDドライバ76に接続する端子74を有する。ドライバ76とLED46との間の電気的インターフェイスとして機能するサブマウント70に加えて、サブマウント70はまた、LED46から熱を取り除くための放熱板として働く。サブマウント70の表面は、光導波路42の方向にLED光を反射して戻すために、反射性であってもよい。
【0024】
サブマウント70とLEDドライバ76との間の電気的接続は、例えば、グールド・エレクトロニクスによって製造される、JTC Flex(商標)のような、いわゆるフレックスフォイル相互接続によって、容易に実現することができる。代替技術として、サブマウント70及び液晶層は、同じフレックスフォイル上で接続を共有してもよい。サブマウントが小さすぎて、フレックスフォイルに取り付けられない場合は、ワイヤボンディングを用いて、フレックスフォイルに対する電気的接続を行い、サブマウントの側面にクランプしてもよいし、又は、サブマウントをフレックスフォイル内の穴の中に配置(接着)してもよいし、又はLED46を薄いフレックスフォイルの上面上に直接取り付けてもよい。フレックスフォイルのような電気コネクタは、付加的に、LEDダイから熱を取り除くための放熱板として働くことができる。
【0025】
金属ブラケット78は、サブマウント70を定位置に取り付けるため、及び付加的な放熱板として機能するために、液晶層の底面及びサブマウント70の両方に接続される。金属ブラケット78はまた、LEDの電力使用に応じて、付加的な放熱を提供するために、LCD領域を超えて延びることができる。ブラケット78及びサブマウント70は、定位置に接着して取り付けてもよいし、又は熱伝導性テープ等による他の好適な方法で固定してもよい。別の実施形態によれば、サブマウント70は、中間ブラケット78を用いないで、液晶層54に直接に取り付けられる。サブマウント70を支持するために、1つ又はそれ以上の付加的な層を液晶層54の底面に加えることができる。液晶層及び光導波路は、サブマウント70から熱を除去する際の助けとなる。
【0026】
金属ブラケットはまた、リードフレームであってもよく、そこでは金属ブラケットは少なくとも2つの部分に分けられ、各々の部分は、LEDダイにアノード電圧及びカソード電圧を提供する電気接続部であり、並びに、機械的支持及び放熱を提供する。ビアをもつサブマウントが用いられて、そのサブマウントはリードフレームにはんだ付けされるか、又はLEDサブマウントがワイヤボンドによりリードフレームに接続されるかのどちらかである。
【0027】
LED46及びサブマウント70は、機械的支持、放熱、及び電気的インターフェイスのためにどのようなプリント基板(PCB)も必要としないため、LCDは図1の従来のLCDよりもよりはるかに薄くすることができる。
【0028】
液晶層上に逆さまにLEDを取り付ける別の利点は、LED46の発光部分からサブマウント70への距離が非常に明確になることである。この構成によって、液晶層のインターフェイス及び光導波路とのサブマウント70の位置合わせを正確に確定し、LED46の発光部分を光導波路42と正確に位置合わせすることができる。図1に示されるような従来技術の構成においては、光導波路に対するLEDの発光部分の位置は、種々の部品(例えば、PCB、サブマウント、リフレクタ)の大きさ及び位置合わせに基づいており、より大きな位置合わせ誤差が起こることがある。数ミクロンまでの位置合わせの正確さが超薄型バックライトに関連するのであれば、そのような位置合わせ誤差をなくすことは、顕著な進歩となる。
【0029】
側面発光LEDは、最小の反射数で光導波路42に光を結合するが、任意の種類のLEDを図2の実施形態において用いることができる。サブマウントをもつ多数のLEDは、光導波路42の1つ又はそれ以上の側面又は角部に沿って、光を光導波路42に結合するのに用いることができる。このことは、より大きなLCDに必要になることがある。各々のLEDは、図2に示されるように支持される。
【0030】
様々な層の厚さは、本開示の背景技術の部分で説明されるものと同様とすることができ、結果として得られるLCD全体の厚さは、2mmよりも少ない。
【0031】
図4は、図2で用いることができる、1つの種類の側面発光白色光LED82の断面図である。AlInGaN材料から形成される青色LEDダイ83は、その上に蛍光体層84が付着又はめっきされている。蛍光体は、青色LEDによって励起されたときに、赤色及び緑色の光を放射し、青色光のいくらかを漏出させる。組み合わされた光は白色光である。多くの種類の白色光LEDが知られており、適している。側面発光レンズ85は、LEDダイ83からの光を反射及び屈折して、光の大部分がLEDダイ83の周りの低角で発光されるようにする。代替的に、赤色、緑色、及び青色LEDを用いて白色光を生成することができ、又は、赤色LEDと併せて白色光LEDを用いて光の赤色成分を増加させることができる。赤色、緑色、及び青色蛍光体をもつUV LEDもまた、用いることができる。
【0032】
LED86は、基板70の上に取り付けられた青色LEDダイ87を含み、蛍光板88がLEDダイ87の上部に取り付けられている。蛍光体組成は、本明細書に説明される、青色光と組み合わされた照射が白色光を生成する、任意の蛍光体組成とすることができる。上部にあるリフレクタ89は、全ての光が、LED86の側面から放射されることを保証する。
【0033】
図5は、図2のLCD40と多くの点で類似するLCD90の側断面図であり、その類似点は繰り返す必要はない。図5においては、サブマウント70は、液晶層54に直接取り付けられるが、金属ブラケットもまた用いることができる。図5においては、光導波路42の底部のリフレクタ48は、LED46の下に延びない。むしろ、電気切り替え可能ミラー92が、LEDの下に配置される。切り替え可能ミラーは市販されており、一般に、通信用途における光スウィッチングのために用いられる。切り替え可能ミラーは、ミラー制御装置94による、そのミラーに対する第1の電圧の印加による第1状態では反射性であり、第2の電圧の印加による第2の状態では透過性である。図5において、切り替え可能ミラーが第1の状態にあるときには、ミラーは衝突する光をキャビティ44に反射して戻して、光導波路42に結合されることができるようにする。このモードは、LCDだけが用いられるときに用いられる。
【0034】
その第2の状態では、LED46は、携帯電話におけるようなデジタルカメラのフラッシュ又はフラッシュ光として用いることができる。切り替え可能ミラー92が透過性であるときには、LED光は集光光学部品96(レンズ)によってコリメートされ、デジタル写真の対象を照射するために用いられる。携帯電話における通常のカメラ光学部品及び電子機器98が示される。典型的には、LCDは写真の構図を決めるために用いられ、使用者はカメラのボタンを押し、切り替え可能ミラー92は透過性になり、増加された電流パルスがドライバ76によりLED46に供給されて明るいフラッシュを生成し、写真が現像されることになる。
【0035】
図6は、図5のLCD及びフラッシュ機能を含む携帯電話のフリップ部分100の側面図である。フラッシュ及びLCD画面は対向する側にあり、従来技術の図1と比較したときにLEDを逆にすることによって可能になる。使用者が自分自身の写真を撮ることを望む場合のように、同じ側にフラッシュ及びLCDを有することが望ましい場合には、フラッシュを携帯電話本体内に格納することができ、LCDは、曲げることができるフリップ部分内に収容することができる。
【0036】
実施形態の任意の組み合わせが、可能である。LCDは、カラーであってもよいし又は単色であってもよい。
【0037】
本発明が詳細に説明されたが、当業者であれば、本開示が与えられた場合、本明細書に説明される本発明の概念の精神から逸脱することなく、修正を行うことができることを理解するであろう。従って、本発明の範囲は図示され説明される特定の実施形態に限定されることを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】LEDモジュールがプリント基板(PCB)上に取り付けられた薄型LCDの側断面図である。
図2】PCBの必要性をなくすようにサブマウントが液晶層及び/又は光導波路により支持されたLCDの側断面図である。
図3】液晶層、光導波路、サブマウント、及びLEDダイの相対位置を示す、図2のLCDのトップダウン透視図である。
図4図2のLCDにおいて用いることができる、可能な側面発光白色光LEDの側断面図である。
図5】切り替え可能ミラーが透過性の状態であるときには、LEDを携帯電話カメラのフラッシュとして用いることができる、図2と同様であるが、LEDダイと対向する電気切り替え可能ミラーをもつLCDの側断面図である。
図6図5におけるLCD及び集光光学部品を示す携帯電話のフリップ部分の側面図である。
【符号の説明】
【0039】
40:液晶ディスプレイ
42:光導波路
44:キャビティ
46:側面発光LED
48:リフレクタ
50:拡散器
52:輝度増強膜
54:液晶層
56:偏光子
58:TFTガラス基板
60:液晶層
62:透明接地層
64:偏光子
66:RGBフィルタ
68:LCDドライバ
70:サブマウント
72:はんだ屑
74:端子
76:LEDドライバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6