特許第5734105号(P5734105)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 矢崎エナジーシステム株式会社の特許一覧

特許5734105酸素濃度検出装置及びアルコール検出装置
<>
  • 特許5734105-酸素濃度検出装置及びアルコール検出装置 図000002
  • 特許5734105-酸素濃度検出装置及びアルコール検出装置 図000003
  • 特許5734105-酸素濃度検出装置及びアルコール検出装置 図000004
  • 特許5734105-酸素濃度検出装置及びアルコール検出装置 図000005
  • 特許5734105-酸素濃度検出装置及びアルコール検出装置 図000006
  • 特許5734105-酸素濃度検出装置及びアルコール検出装置 図000007
  • 特許5734105-酸素濃度検出装置及びアルコール検出装置 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5734105
(24)【登録日】2015年4月24日
(45)【発行日】2015年6月10日
(54)【発明の名称】酸素濃度検出装置及びアルコール検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/41 20060101AFI20150521BHJP
   G01N 27/416 20060101ALI20150521BHJP
【FI】
   G01N27/46 325Z
   G01N27/46 321
   G01N27/46 336C
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-127128(P2011-127128)
(22)【出願日】2011年6月7日
(65)【公開番号】特開2012-251975(P2012-251975A)
(43)【公開日】2012年12月20日
【審査請求日】2014年5月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】501418498
【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097113
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 城之
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 孝
(72)【発明者】
【氏名】矢部 弘男
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 隆之
(72)【発明者】
【氏名】松島 知宏
(72)【発明者】
【氏名】渥美 文治
(72)【発明者】
【氏名】流石 岳史
【審査官】 黒田 浩一
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭58−061460(JP,A)
【文献】 特開昭58−124943(JP,A)
【文献】 特開2010−091503(JP,A)
【文献】 特開2010−121946(JP,A)
【文献】 特開2011−053049(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 27/00−27/49
G01N 33/48−33/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
限界電流式酸素濃度センサと、
前記限界電流式酸素濃度センサの近傍に配されたヒータ手段と、
前記ヒータ手段を含んで構成されたホイートストンブリッジ回路と、
電源から前記ホイートストンブリッジ回路への電流供給を制御する電流制御手段と、
前記ホイートストンブリッジ回路のブリッジに入力が接続され、前記電流制御手段を制御するオペアンプと、
前記限界電流式酸素濃度センサの検出値を取得するとともに、前記オペアンプによる制御状態が開始した後に、前記ヒータ手段に関する電圧が所定値に達した場合に、前記限界電流式酸素濃度センサの検出値を無効と判断する演算手段と
を備え
前記ヒータ手段に関する電圧は、
前記ホイートストンブリッジ回路の上流側の端子と下流側の端子の間の電圧、または前記ホイートストンブリッジ回路において、前記ヒータ手段が配置される側の経路の前記ヒータ手段と抵抗との間の点と前記ホイートストンブリッジ回路の下流側の端子との間の電圧である
ことを特徴とする酸素濃度検出装置。
【請求項2】
前記演算手段は、駆動開始後から前記オペアンプの制御状態に移る期間における前記ヒータ手段に関する電圧の最大値を前記所定値として用いることを特徴とする請求項1に記載の酸素濃度検出装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の酸素濃度検出装置と、
ユーザの呼気に含まれるアルコール濃度を検出するアルコールセンサと、
前記酸素濃度検出装置が検出した酸素濃度を用いて、前記アルコールセンサの検出結果を補正するとともに、前記酸素濃度検出装置の前記演算手段が、前記限界電流式酸素濃度センサの検出値を無効と判断した場合に、アルコール濃度の検出値が適正値でないと判断する判断手段と、
を備えることを特徴とするアルコール検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸素濃度検出装置及びアルコール検出装置に係り、ヒータ付き限界電流式の酸素濃度検出装置及びそのような酸素検出装置を備えたアルコール検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
飲酒運転防止のために、車両にアルコールインターロック装置が搭載されることがある。この装置では、一般的にはエンジン始動ごとにドライバがマウスピースを介して呼気をアルコール検出装置に吹き込み、アルコール濃度が所定以下であると判断されると、エンジン始動が可能となる。マウスピースを介して呼気を吹き込む方式(以下、「呼気吹き込み式」という)では、ドライバは、マウスピースの使用や、所定時間(例えば5秒)以上にわたって呼気を強く吹き込む必要があることに対して、煩わしさを感じることが多い。その課題を解決する技術として、呼気をセンシング装置に吹きかける方式(以下、「呼気吹きかけ式」という)がある。この種の装置では、一般に浅い呼吸や外気の巻き込みによって精度が悪化する傾向がある。そこで、吹きかけに伴う希釈呼気の定量化と終末呼気に関する課題を解決し簡易的なセンシングを実現するために、呼気中の酸素を補正ガスとして用いる技術が開示されている(特許文献1参照)。
【0003】
ここで、酸素濃度センサ(以下「O2センサ」ともいう)には幾つかのタイプがあるが、よく用いられるものとして限界電流式酸素濃度センサがある。そして、その種のO2センサの検出精度を所望に維持するために、O2センサ近傍にマイクロヒータを配してセンサ検出領域の温度を所定範囲に保つ技術がある(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2008−81757号公報
【特許文献2】特開昭58−124943号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献2に開示の技術では、酸素濃度のセンシング部分の温度を一定に保持することで精度の高い検出が可能であるものの、酸素濃度のセンシング部分に強い呼気が吹き込まれると、センシング部分の温度を一定に保つことができなくなることがある。その場合、O2センサの出力値が狂ってしまい、酸素濃度を用いた呼気濃度の補正が適切に行うことができなくなり、最終的にはアルコール濃度の誤検出のおそれが生じるという課題があった。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、上記課題を解決する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある態様は、酸素濃度検出装置に関する。この酸素濃度検出装置は、限界電流式酸素濃度センサと、前記限界電流式酸素濃度センサの近傍に配されたヒータ手段と、前記ヒータ手段を含んで構成されたホイートストンブリッジ回路と、電源から前記ホイートストンブリッジ回路への電流供給を制御する電流制御手段と、前記ホイートストンブリッジ回路のブリッジに入力が接続され、前記電流制御手段を制御するオペアンプと、前記限界電流式酸素濃度センサの検出値を取得するとともに、前記オペアンプによる制御状態が開始した後に、前記ヒータ手段に関する電圧が所定値に達した場合に、前記限界電流式酸素濃度センサの検出値を無効と判断する演算手段とを備え、前記ヒータ手段に関する電圧は、前記ホイートストンブリッジ回路の上流側の端子と下流側の端子の間の電圧、または前記ホイートストンブリッジ回路において、前記ヒータ手段が配置される側の経路の前記ヒータ手段と抵抗との間の点と前記ホイートストンブリッジ回路の下流側の端子との間の電圧である
また、前記演算手段は、駆動開始後から前記オペアンプの制御状態に移る期間における前記ヒータ手段に関する電圧の最大値を前記所定値として用いてもよい。
本発明の別の態様はアルコール検出装置に関する。このアルコール検出装置は、上記の酸素濃度検出装置と、ユーザの呼気に含まれるアルコール濃度を検出するアルコールセンサと、前記酸素濃度検出装置が検出した酸素濃度を用いて、前記アルコールセンサの検出結果を補正するとともに、前記酸素濃度検出装置の前記演算手段が、前記限界電流式酸素濃度センサの検出値を無効と判断した場合に、アルコール濃度の検出値が適正値でないと判断する判断手段と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、酸素濃度を用いたアルコール濃度の補正を適切に行うことができる技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係る、アルコール検出装置の構成を示す図である。
図2】実施形態に係る、ヒータ装置の構成を示す回路図である。
図3】実施形態に係る、アルコール検出装置に空気を吹きかけた状態の実験データの一例を示すグラフである。
図4】実施形態に係る、アルコール検出装置に空気を吹きかけた状態の実験データの一例を示すグラフである。
図5】実施形態に係る、アルコール検出装置の動作を示すフローチャートである。
図6】実施形態の変形例に係る、ヒータ装置を示す回路図である。
図7】実施形態の変形例に係る、ヒータ装置を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という)を、図面を参照しつつ説明する。
【0011】
図1は、本実施形態に係るアルコール検出装置10の概略構成を示す図である。アルコール検出装置10は、車両のドライバ等のユーザが呼気を吹きかける呼気吹きかけ式であって、アルコールセンサ12と、その他センサ14と、O2センサ装置30と、アルコール濃度表示部25と、主制御部20と、を備える。このアルコール検出装置10は、アルコールセンサ12で検出値に対して、補正ガスとしてO2センサ装置30で検出した酸素濃度を反映させることで、アルコール検出誤差を低減する。補正ガスとして酸素を用いる技術に関しては、特許文献1に開示の技術を用いることができるので、詳細な説明は省略する。
【0012】
アルコールセンサ12は、運転者の呼気からアルコールの濃度を検出する。その他センサ14は、水蒸気センサや赤外センサであって、必要に応じてアルコールセンサ12の検出値の補正に用いられる。
【0013】
O2センサ装置30は、O2出力部35と、ヒータ装置40とを備える。O2出力部35は、固定電解質を用いて酸素濃度を検出する一般的な酸素センサであって、ここでは、限界電流式酸素センサである。
【0014】
ヒータ装置40は、O2出力部35(限界電流式酸素センサ)の検出部分を所望の温度に保つものであって、図2で後述するマイクロヒータMHを備えている。
【0015】
主制御部20は、アルコールセンサ12、その他センサ14、O2センサ装置30の各出力値(検出値)を取得して、アルコール濃度を算定し、算定結果をアルコール濃度表示部25に表示する。アルコール濃度表示部25は、アルコール濃度の算定結果を、数字又は所定の色のランプ等で表示したり、また、アルコール検出動作状態を表示する。
【0016】
図2は、ヒータ装置40の概略構成を例示する回路図である。図示のように、ヒータ装置40は、マイクロヒータMHを備えるホイートストンブリッジ回路45と、マイクロヒータMHに定電圧の電力を供給する電源V1と、電源V1からホイートストンブリッジ回路45への電流を制御する電流制御トランジスタQ1と、電流制御トランジスタQ1への制御信号を出力するオペアンプOP1とを備える。電源V1は、マイクロヒータMHを数百℃の一定温度に保持する十分な能力を備える。
【0017】
電流制御トランジスタQ1は、PNP型トランジスタであって、エミッタが電源V1に接続され、コレクタがホイートストンブリッジ回路45に接続され、ベースがオペアンプOP1の出力部に第4の抵抗R4を介して接続されている。
【0018】
ホイートストンブリッジ回路45では、電流制御トランジスタQ1のコレクタと接地の間に、2つのブリッジ経路が形成されている。より具体的には、一方のブリッジ経路は、第1の抵抗R1と第2の抵抗R2とを備える。他方のブリッジ経路は、マイクロヒータMHと第3の抵抗R3とを備える。ここで第1の抵抗R1とマイクロヒータMHは、電流制御トランジスタQ1側に配置され、それぞれの一方の端点が電流制御トランジスタQ1に延びる接点Bで接続されている。第2の抵抗R2と第3の抵抗R3は、接地側に配置され、それぞれが接地に延びる接点Aで接続されている。なお、第1から第3の抵抗R1〜R3の値及びマイクロヒータMHの抵抗値は、マイクロヒータMHの動作温度が制御限界の上限値となる際に、接点Cと接点Dの電位が平衡するように設定される。
【0019】
マイクロヒータMHは、白金(Pt)の薄膜によって所望の形状に形成されたヒータである。マイクロヒータMHの常温での抵抗値は、所定の動作温度(数100℃)に保持されている状態と比較して、1/3程度となる。このマイクロヒータMHは、O2出力部35の酸素検出領域近傍に配置され、酸素検出領域を所望の温度に保持する。
【0020】
オペアンプOP1は、ホイートストンブリッジ回路45の不平衡電圧を検出及び増幅して電流制御トランジスタQ1の動作を制御する。具体的には、オペアンプOP1の非反転入力(+)は、ホイートストンブリッジ回路45の第1の抵抗R1と第2の抵抗R2の接続点である接点Dに接続される。また、オペアンプOP1の反転入力(−)は、ホイートストンブリッジ回路45のマイクロヒータMHと第3の抵抗R3の接続点である接点Cに接続される。なお、オペアンプOP1の反転入力(−)と電源V1との間には、起動時に接点Cの電位を接点Dよりもわずかに高くして起動を確実にするための第5の抵抗R5が設けられている。オペアンプOP1の仕様によっては、第5の抵抗R5を省くことができる。
【0021】
この構成によるヒータ装置40において、ホイートストンブリッジ回路45の上流側の電圧、つまり接点Bの電圧がヒータ電圧出力端子Out_Hに接続され、主制御部20に出力される。
【0022】
以上の構成のヒータ装置40の動作について、図3及び図4のグラフをさらに参照して説明する。ここでは、アルコール検出装置10(O2センサ装置30)に空気を吹きかけた状態の実験データを示し、呼気を吹きかけた際に課題となる点を説明する。各グラフでは、O2出力電圧、ヒータ電圧出力(接点B及び接点C)及びヒータ電流を示している。
【0023】
期間T1(図3):
まず、図3の期間T1に示すように、ヒータ装置40の電源V1をオンして、ホイートストンブリッジ回路45へ電力供給を開始すると、室温状態となっているマイクロヒータMHへは、接点D及び接点Cの電位が同じ値となるまで、電源V1の最大能力にていわゆる突入電流が流れる。
【0024】
期間T2(図3):
接点D及び接点Cの電位が同じ値になると、オペアンプOP1は、電流制御トランジスタQ1のオンオフ制御することで、ホイートストンブリッジ回路45のブリッジ出力(接点D及び接点C)が一定値となり平衡するように制御する。
【0025】
なお、期間T1と期間T2の境界における電圧が、マイクロヒータMHに印加できる最大の電圧となる。したがって、期間T2で最大電圧を超えなければ、電源V1の能力範囲でヒータ温度がコントロールされることになる。
【0026】
ここで図3において、電源V1がオンした約8秒後(約時間13sの時点)の期間T3及び13秒後(約時間18sの時点)の期間T4で、呼気をイメージして空気を吹きかけている。期間T3では、約2秒程度空気を吹きかけている。また、期間T4では、約20秒程期間T3より弱く空気を吹きかけている。いずれの期間T3、T4でも、接点Bのヒータ電圧出力は、最大電圧を超えることがなく、O2出力電圧は略一定に維持されている。検出ガス(吹きかけたガス)は空気であるため、マイクロヒータMHの温度が安定していれば、図示のようにO2出力電圧は変化しない。
【0027】
期間T5(図4):
図4のグラフに示すように、電源V1のオン後約8秒経過時に風速の速い空気を約20秒程吹きかけている。空気を吹きかけてすぐに、接点Bのヒータ電圧出力は、最大電圧に達したままその値に張り付き、マイクロヒータMHの温度をコントロールすることができなくなっている。検出ガスが空気であることから本来一定のはずのO2出力電圧が、グラフに示すように、マイクロヒータMHの温度が低下することで、低下している。したがって、酸素濃度の検出が不正確になり、アルコールセンサ12の検出値への補正が適正に行うことができず、アルコール濃度の検出が不正確になるという課題が生じる。
【0028】
そこで、図5のフローチャートの処理を主制御部20が行うことで、不正確なアルコール検出状態か否かを判断し、不正確な検出状態の場合は検出値を無効として扱う。
【0029】
電源V1をオンしてヒータ装置40の起動時動作が開始すると、主制御部20は接点Bのヒータ電圧出力Vbをモニタリングし、上述した期間T1が期間T2に移る境界を特定し、その時点の電圧を最大電圧Vb_maxとして設定する(S10)。このとき、主制御部20は、O2出力電圧を参照して、前述の境界を特定しても良い。また、最大電圧Vb_maxとして、あらかじめ所定の固定値が設定されてもよい。
【0030】
期間T2に入ると、S12〜S20の各処理をループする処理が開始し、電源オフ等による割り込みが発生しない限り継続される。具体的には、主制御部20は、接点Bのヒータ電圧出力Vbが最大電圧Vb_max未満であるか否かを判断する(S12)。最大電圧Vb_max未満である場合(S12のY)、主制御部20は、O2出力部35の検出値(O2センサ出力)を有効であると判断し(S14)、その検出値をアルコールセンサ12の検出結果に反映させる補正処理を行いアルコール濃度を算定し、アルコール濃度表示部25に算定されたアルコール濃度を表示する(S16)。
【0031】
一方、最大電圧Vb_maxに達していると判断した場合(S12のN)、主制御部20は、O2出力部35の検出値(O2センサ出力)を無効であると判断し(S18)、適正にアルコール濃度を検出できない旨の警告をアルコール濃度表示部25に表示する(S20)。このとき、音声による警告がなされてもよい。
【0032】
以上、本実施形態によると、接点Bのヒータ電圧出力Vbをモニタリングすることで、オペアンプOP1がコントロール開始した以降に最大電圧Vb_maxに達した場合には、マイクロヒータMHの温度がコントロール範囲外であることを判断できる。さらに、その場合のO2出力部35の検出値を無効とすること、酸素濃度を誤検知することを回避することができる。さらに、誤検知した酸素濃度をアルコール濃度の検出に使用しないので、誤ったアルコール濃度を示すことを回避することができる。つまり、精度の高いO2センサを実現することができ、吹き込み式のアルコール検出装置10において、アルコール濃度を高精度に検知することができる。
【0033】
なお、接点Cのヒータ電圧出力をモニタリングすることでも同様の処理が可能であるが、期間T1と期間T2の境界を判断することが必要となる。その場合、電源V1のオン後所定時間経過したときに、期間T2に移ったと判断しても良いし、O2出力部35の検出値を参照してもよい。
【0034】
以上、本発明を実施形態を基に説明した。この実施形態は例示であり、それらの各構成要素及びその組合せ、さらに各プロセスにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。そのような変形例を次に示す。
【0035】
図6は、変形例に係るヒータ装置40aを示す図である。このヒータ装置40aは、ブリッジ経路上のマイクロヒータMHが、第3の抵抗R3と入れ替わり接地側に配置されているものである。本変形例でも、接点Bの代わりに接点Cがモニタリングされてもよい。図7は、別の変形例に係るヒータ装置40bを示す図である。このヒータ装置40bは、電流制御トランジスタQ11としてPチャネルMOSFETを用いたものである。上記の各変形例にあっても、実施形態と同様の効果が得られる。
【符号の説明】
【0036】
10 アルコール検出装置
12 アルコールセンサ
14 その他センサ
20 主制御部
25 アルコール濃度表示部
30 O2センサ装置
35 O2出力部
40、40a、40b ヒータ装置
45 ホイートストンブリッジ回路
R1〜R4 抵抗
Q1、Q11 電流制御トランジスタ
OP1 オペアンプ
MH マイクロヒータ
V1 電源
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7