特許第5734145号(P5734145)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5734145
(24)【登録日】2015年4月24日
(45)【発行日】2015年6月10日
(54)【発明の名称】面状照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20060101AFI20150521BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20150521BHJP
   F21Y 101/02 20060101ALN20150521BHJP
【FI】
   F21S2/00 438
   F21S2/00 443
   F21S2/00 439
   G02F1/13357
   F21Y101:02
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2011-202004(P2011-202004)
(22)【出願日】2011年9月15日
(65)【公開番号】特開2013-65404(P2013-65404A)
(43)【公開日】2013年4月11日
【審査請求日】2014年7月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100068618
【弁理士】
【氏名又は名称】萼 経夫
(74)【代理人】
【識別番号】100104145
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 嘉夫
(74)【代理人】
【識別番号】100109690
【弁理士】
【氏名又は名称】小野塚 薫
(74)【代理人】
【識別番号】100135035
【弁理士】
【氏名又は名称】田上 明夫
(74)【代理人】
【識別番号】100131266
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼ 昌宏
(72)【発明者】
【氏名】國持 亨
【審査官】 太田 良隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−128820(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0239754(US,A1)
【文献】 特開2010−205451(JP,A)
【文献】 特開2009−170386(JP,A)
【文献】 特開2007−095555(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3167521(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0141397(US,A1)
【文献】 国際公開第2006/087863(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0249217(US,A1)
【文献】 特開2013−037846(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S2/00
F21V8/00
G02B6/00
G02F1/13357
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、該光源が配置される入光端面、該入光端面から入光した光を面状に出射させる出射平面、及び該出射平面と対向する主面である反射平面を有する導光板と、該導光板の前記反射平面側に配置される反射シートと、前記光源が実装され、前記反射シートと略同一面上に配置されるフレキシブルプリント基板と、を備える面状照明装置において、
前記フレキシブルプリント基板は、前記光源が実装される実装部、及び、該実装部の前方の端辺側に前記実装部よりも厚みが小さく形成された薄肉部を有しており、前記薄肉部の少なくとも一部と前記反射シートの端部とが重ねられることを特徴とする面状照明装置。
【請求項2】
前記フレキシブルプリント基板は、ベースフィルム、該ベースフィルム上に形成される配線層、及び、該配線層上に積層されるカバーフィルムを含んでおり、前記薄肉部は、前記ベースフィルムにより構成され、前記薄肉部の少なくとも先端側が前記導光板に配置されるとともに、前記薄肉部の前記導光板側と反対側の面に前記反射シートの端部が重ねられることを特徴とする請求項1に記載の面状照明装置。
【請求項3】
前記フレキシブルプリント基板の前記実装部と前記薄肉部の境界が、前記導光板の入光端面よりも前方に位置していることを特徴とする請求項2に記載の面状照明装置。
【請求項4】
前記フレキシブルプリント基板は、ベースフィルム、該ベースフィルム上に形成される配線層、及び、該配線層上に積層されるカバーフィルムを含んでおり、前記薄肉部は、前記カバーフィルムにより構成され、前記薄肉部が前記導光板に配置されるとともに、前記薄肉部の前記導光板側と反対側の面に前記反射シートの端部が重ねられることを特徴とする請求項1に記載の面状照明装置。
【請求項5】
前記フレキシブルプリント基板は、ベースフィルム、該ベースフィルム上に形成される配線層、及び、該配線層上に積層されるカバーフィルムを含んでおり、前記薄肉部は、前記ベースフィルムにより構成され、前記薄肉部の少なくとも先端側が、前記反射シートの前記導光板側とは反対側の面に配置されることを特徴とする請求項1に記載の面状照明装置。
【請求項6】
前記薄肉部の前記導光板に対向する面には、白印刷または黒印刷が施されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の面状照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、面状照明装置に関し、詳しくは、入光端面に光源を配置して出射部から面状の照明光を出射する導光板を備えたサイドライト方式の面状照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示パネルの照明手段として、小型で環境適合性に優れたLEDを導光板の入光端面に沿って配置してなるサイドライト方式の面状照明装置(バックライト)が、携帯電話等の小型携帯情報機器の分野を中心に広く採用されている。このような面状照明装置において、LEDは、通常、フレキシブルプリント基板(以下、FPCともいう)上に実装されて、導光板の入光端面に沿って配置される。近年、情報機器の薄型化に伴い、面状照明装置にも更なる薄型化が強く求められており、FPCの配置構成についても、この要求に応じた様々な提案がなされている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0003】
図5は、特許文献1に記載された面状照明装置の要部を示す側断面図である。この面状照明装置100は、液晶パネル120のバックライトとして用いられるものであり、導光板116を備えている。導光板116の出射面116a側には、拡散板やプリズム板からなる光学補償シート115が積層配置され、導光板116の裏面側116bには、反射シート107が配置されている。また、導光板116の入光端面116cに沿って、FPC105上に実装されたLED112が配置されており、FPC105は、両面テープ111によりモールドフレーム106に固定される。
【0004】
面状照明装置100では、A部に示すように、FPC105と反射シート107を、互いの先端部を突き合わせて(微小間隔で対向させるか、または当接させて)配置することにより、FPC105と反射シート107との重なりによる厚みの増大を回避することが図られている。
【0005】
図6は、特許文献2に記載された面状照明装置の要部を示す側断面図である。この面状照明装置200は、液晶パネル220のバックライトとして用いられるものであり、導光板216を備えている。導光板216の出射面216a側には、光学シート215が積層配置され、導光板216の裏面側216bには、反射シート207が配置されている。また、導光板216の入光端面216cに沿って、FPC205上に実装されたLED212が配置されており、導光板216の入光端面216c側は、LED212とともにバックケース206に収容される。
【0006】
面状照明装置200では、反射シート207に薄肉部207aを形成し、FPC205を薄肉部207aに重ねて配置することによって、厚みの増大を回避することが図られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−216753号公報
【特許文献2】特開2007−128820号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、図5に示す面状照明装置100のように、FPC105と反射シート107を突き合わせて配置した構成では、突き合わせ部分に隙間が生じやすく、その隙間から光が漏れることにより、面状照明装置の輝度の低下、及び/または、輝度ムラの発生等の問題が生じるおそれがある。加えて、面状照明装置100が搭載される製品に、光センサー等の受光部品の動作に基づく機能が実装されている場合には、面状照明装置100からの漏れ光が製品の誤動作の要因となるといった問題が生じる場合もある。
【0009】
一方、図6に示す面状照明装置200のように、FPC205を反射シート207に重ねて配置する場合には、このような光漏れの問題は生じないものの、反射シート207に薄肉部207aを設ける構成には、次のような問題がある。すなわち、一般に、反射シートを薄肉化すると、その反射率は低下するため、所定の反射率を維持しつつ薄肉部を形成することは容易ではない。特に、高い反射率を有するためこのような反射シートとして好適に用いられる誘電体多層膜構造を備えた反射シートでは、各層の厚みの低減や層数の低減により薄肉部を形成すると、薄肉部の反射率が大幅に低下するという問題がある。
【0010】
また、特許文献2には、反射シート207に薄肉部207aを形成することによって、FPC205を反射シート207に重ねて配置しても、導光板216の端面厚さ方向の中心軸に対するLED212の光軸の位置ずれが改善され、これによって、LED212からの導光板216に対する入射効率が向上することが記載されている。しかしながら、近年、導光板の更なる薄型化につれて、LED212と導光板216との位置合わせに要求される精度も厳しくなっている。そして、図6に示す面状照明装置200のような構成は、LED212の光軸と導光板216の端面厚さ方向の中心軸との間に、薄肉部207aの厚み程度の位置ずれは存在せざるを得ないことから、更なる高精度の位置合わせを達成するためには、不利な構成である。
【0011】
さらに、特許文献2には、反射シート207に薄肉部207aを形成する方法として、反射シート207の薄肉部207aを形成する箇所にプレス加工を施す方法、及び、反射シート207を多層に形成しておき、薄肉部207aのみを単層構成にする方法が記載されている。しかしながら、例えば、プレス加工を施す方法では、薄肉部207aを形成するためのプレス加工によって反射シート207の外形が変形することにより、プレス加工後に外形抜き等の追加の工程を要するものとなり、製造工数及びコストが増大するといった問題がある。
【0012】
また、元来単層で形成される反射シート207を使用して、反射シート207を多層に形成しておき、薄肉部207aのみを単層構成にする方法を適用する場合には、その反射シート207を多層に形成するため工程による、製造工数及びコストの増大という問題が生じする。そして、誘電体多層膜構造を備えた反射シートのように、元来多層で形成される反射シート207に対して、その一部を単層化して薄肉部207aを形成する方法は、上述したような反射率の低下の問題から、実際には適用が困難である。
【0013】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、容易かつ安価に製造可能であり、かつ、薄型化に適した面状照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、さらに他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
【0015】
(1)光源と、該光源が配置される入光端面、該入光端面から入光した光を面状に出射させる出射平面、及び該出射平面と対向する主面である反射平面を有する導光板と、該導光板の前記反射平面側に配置される反射シートと、前記光源が実装され、前記反射シートと略同一面上に配置されるフレキシブルプリント基板と、を備える面状照明装置において、
前記フレキシブルプリント基板は、前記光源が実装される実装部、及び、該実装部の前方の端辺側に前記実装部よりも厚みが小さく形成された薄肉部を有しており、前記薄肉部の少なくとも一部と前記反射シートの端部とが重ねられることを特徴とする面状照明装置(請求項1)。
【0016】
本項に記載の面状照明装置によれば、反射シートと略同一面上に配置されるフレキシブルプリント基板を、その薄肉部の少なくとも一部と反射シートの端部とを重ねて配置することによって、フレキシブルプリント基板と反射シートとの間に光漏れが発生する隙間を生じさせることなく、面状照明装置の厚みを低減させることが可能となる。その際、本項に記載の面状照明装置では、フレキシブルプリント基板が薄肉部を有するものであるため、反射シートに薄肉部を形成することによる反射率の低下の問題は生じない。
【0017】
(2)(1)項に記載の面状照明装置において、前記フレキシブルプリント基板は、ベースフィルム、該ベースフィルム上に形成される配線層、及び、該配線層上に積層されるカバーフィルムを含んでおり、前記薄肉部は、前記ベースフィルムにより構成され、前記薄肉部の少なくとも先端側が前記導光板に配置されるとともに、前記薄肉部の前記導光板側と反対側の面に前記反射シートの端部が重ねられることを特徴とする面状照明装置(請求項2)。
【0018】
本項に記載の面状照明によれば、フレキシブルプリント基板が、ベースフィルム、ベースフィルム上に形成される配線層、及び、配線層上に積層されるカバーフィルムを含んでおり、その薄肉部は、ベースフィルムにより構成されることにより、元来多層に形成されるフレキシブルプリント基板の構造を利用して、薄肉部を容易かつ安価に形成することが可能となる。また、フレキシブルプリント基板の薄肉部の少なくとも先端側が導光板に配置されるとともに、薄肉部の導光板側と反対側の面に反射シートの端部が重ねられている構成によって、光源の光軸と導光板の入光端面厚さ方向の中心軸との間に位置ずれを生じさせることなく、光源を導光板の入光端面に沿って配置することが可能となる。
【0019】
(3)(2)項に記載の面状照明装置において、前記フレキシブルプリント基板の前記実装部と前記薄肉部の境界が、前記導光板の入光端面よりも前方に位置していることを特徴とする面状照明装置(請求項3)。
【0020】
本項に記載の面状照明装置によれば、フレキシブルプリント基板の実装部の光源の前方部分も配線スペースとして有効に利用することが可能となる。
【0021】
(4)(1)項に記載の面状照明装置において、前記フレキシブルプリント基板は、ベースフィルム、該ベースフィルム上に形成される配線層、及び、該配線層上に積層されるカバーフィルムを含んでおり、前記薄肉部は、前記カバーフィルムにより構成され、前記薄肉部が前記導光板に配置されるとともに、前記薄肉部の前記導光板側と反対側の面に前記反射シートの端部が重ねられることを特徴とする面状照明装置(請求項4)。
【0022】
本項に記載の面状照明装置によれば、フレキシブルプリント基板が、ベースフィルム、ベースフィルム上に形成される配線層、及び、配線層上に積層されるカバーフィルムを含んでおり、その薄肉部は、カバーフィルムにより構成されることにより、元来多層に形成されるフレキシブルプリント基板の構造を利用して、薄肉部を容易かつ安価に形成することが可能となる。また、フレキシブルプリント基板の薄肉部が導光板に配置されるとともに、薄肉部の導光板側と反対側の面に反射シートの端部が重ねられている構成によって、光源の光軸と導光板の入光端面厚さ方向の中心軸との間に位置ずれを生じさせることなく、光源を導光板の入光端面に沿って配置することが可能となる。
【0023】
さらに、本項に記載の面状照明装置では、フレキシブルプリント基板の薄肉部がカバーフィルムにより構成され、その薄肉部が導光板に配置されることによって、フレキシブルプリント基板と導光板との密着面積を大きくすることができ、それによって、フレキシブルプリント基板と導光板との密着強度を向上させることが可能となる。
【0024】
(5)(1)項に記載の面状照明装置において、前記フレキシブルプリント基板は、ベースフィルム、該ベースフィルム上に形成される配線層、及び、該配線層上に積層されるカバーフィルムを含んでおり、前記薄肉部は、前記ベースフィルムにより構成され、前記薄肉部の少なくとも先端側が、前記反射シートの前記導光板側とは反対側の面に配置されることを特徴とする面状照明装置(請求項5)。
【0025】
本項に記載の面状照明装置によれば、フレキシブルプリント基板が、ベースフィルム、ベースフィルム上に形成される配線層、及び、配線層上に積層されるカバーフィルムを含んでおり、その薄肉部は、ベースフィルムにより構成されることにより、元来多層に形成されるフレキシブルプリント基板の構造を利用して、薄肉部を容易かつ安価に形成することが可能となる。また、フレキシブルプリント基板の薄肉部の少なくとも先端側が、反射シートの導光板側とは反対側の面に配置されることによって、光源の光軸と導光板の入光端面厚さ方向の中心軸との間に位置ずれを生じさせることなく、光源を導光板の入光端面に沿って配置することが可能となるとともに、反射シートを屈曲させることなく全面を導光板に接触させることができるため、反射特性の均一性を向上させることが可能となる。
【0026】
(6)(1)から(5)のいずれか1項に記載の面状照明装置において、前記薄肉部の前記導光板に対向する面には、白印刷または黒印刷が施されていることを特徴とする面状照明装置(請求項6)。
【0027】
本項に記載の面状照明装置によれば、光源からフレキシブルプリント基板の薄肉部に入射した光を吸収(例えば、黒印刷)、あるいは、反射(例えば、白印刷)して、薄肉部を通じた漏れ光の発生を防止することが可能となる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、以上のような構成により、容易かつ安価に製造可能であり、かつ、薄型化に適した面状照明装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の一実施形態における面状照明装置の要部を示す側面図である。
図2】本発明の一実施形態における面状照明装置の第1の変形例の要部を示す側面である。
図3】本発明の一実施形態における面状照明装置の第2の変形例の要部を示す側面である。
図4】本発明の一実施形態における面状照明装置の第3の変形例の要部を示す側面である。
図5】従来の面状照明装置の一例を示す側断面図である。
図6】従来の面状照明装置の別の例を示す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ここで、図1は、本発明の一実施形態における面状照明装置10の要部を示す側面図である。
【0031】
面状照明装置10は、光源として使用されるLED22と、LED22が実装されるフレキシブルプリント基板(以下、FPCともいう)21と、LED22が発光した光を面状に出射させるための導光板11とを備えている。ここで、LED22は、全体として直方体状に形成され、一側面に発光面22aを有する所謂サイドビュー型のLEDであり、FPC21上に実装される面(実装面)と発光面22aとが略直交している。
【0032】
導光板11は、透明材料(例えば、ポリカーボネート樹脂)を用いて上面視略矩形状に形成されており、その一側端面に入光端面14が設けられ、LED22は、その発光面22aを導光板11の入光端面14に向けた状態で、入光端面14に沿って配置される。
ここで、面状照明装置10において、LED22の発光面22aが向く方向(導光板11についていえば、入光端面14から対向する側端面(図示省略)に向かう方向)を「前方」と定義する。
【0033】
導光板11は、入光端面14から入光したLED22からの光を出射平面12から面状に出射させる出射部32を有している。出射部32は、入光端面14の厚さよりも薄い一定の厚さを有する矩形平板状に形成され、一方の主面を出射平面12とするものである。また、出射平面12に対向する他方の主面(裏面)である反射平面13側には、反射シート30が配置されている。また、反射平面13には、例えば複数のドットからなる光路変換パターンが形成されているものであってもよい。
【0034】
尚、面状照明装置10において、入光端面14と出射部32との間には傾斜部31が設けられている。傾斜部31は、入光端面14側から前方に向かうほど反射平面13に近づくように一定の勾配で傾斜して、出射平面12に連続する傾斜面16を有しており、これによって、入光端面14側から出射部32側に向かって厚みが漸減するように形成されている。
【0035】
面状照明装置10において、FPC21は、ベースフィルム23、ベースフィルム上に形成された配線層24、及び、配線層24上に積層されるカバーフィルム25を含み、さらに、配線層24は、第1の接着層24a、導体パターン(銅箔フィルム)層24b、及び第2の接着層24cの3層から構成されて、全体として5層からなる積層構造を有しており、導光板11の反射平面13に沿って、反射シート30と略同一平面上に配置されている。
【0036】
FPC21は、LED22が実装される実装部26、及び、実装部26の前方の端辺側に実装部26よりも厚みが小さく形成された薄肉部27を有している。面状照明装置10において、薄肉部27は、ベースフィルム23のみの単層構成からなり、それによって、5層からなる実装部26の厚みよりも小さい厚みを有するように形成されている。
【0037】
そして、FPC21は、その薄肉部27の少なくとも先端側が導光板11の反射平面13に配置される。この際、薄肉部27の反射平面11に配置される部分を、任意の接着または粘着手段により反射平面13に固定するものであってもよい。反射シート30は、薄肉部27の導光板11側と反対側の面27bに、その端部が重ねられて配置されている。
【0038】
面状照明装置10では、以上のような構成により、FPC21と反射シート30との間に光漏れが発生する隙間を生じさせることなく、面状照明装置の厚みを低減させることが可能となる。その際、面状照明装置10では、FPC21が薄肉部27を有するものであるため、反射シート30に薄肉部を形成することによる反射率の低下の問題は生じない。
【0039】
さらに、FPC21は、上述したように、元来5層からなる多層構造を備えるものであるため、薄肉部27を有するFPC21は、薄肉部を有しない通常のFPCを製造するための製造工程(例えば、各層の積層、エッチング、裁断等)を、単にベースフィルム23に薄肉部27となる単一層部分を残すように実施することにより、通常の製造工程に対して追加の工程及び材料等を何ら要することなく、容易かつ安価に製造することができる。
【0040】
また、面状照明装置10では、FPC21は、導光板11との間に反射シート30が介在することなく導光板11に配置されているため、反射シート30の厚みによって、LED22の光軸と導光板11の入光端面14厚さ方向の中心軸との間に位置ずれが生じることはない。そして、薄肉部27の厚みが小さいことにより容易に屈曲可能であることから、FPC21の実装部26を所定の位置に配置したときに、薄肉部27の導光板11の反射平面13に配置される先端側の部分と、基端側(実装部26側)の部分との間に生じる段差は、薄肉部27の屈曲によって吸収することにより、FPC21の実装部26を所定の位置に配置し、ひいてはLED22を、その光軸と導光板11の入光端面14厚さ方向の中心軸との間に位置ずれを生じさせることなく、入光端面14に沿って配置することができる。
【0041】
次に、図2図4を参照して、本発明の一実施形態における面状照明装置の変形例について説明する。尚、以下の説明では、図1に示す面状照明装置10と共通の構成要素については、同一の符号を付して参照し、重複する部分の説明は適宜省略して、主として図1に示す面状照明装置10との相違点について説明する。
【0042】
図2に示す面状照明装置40は、FPC21の実装部28と薄肉部27との境界mが、導光板11の入光端面14よりも前方に位置している点で、面状照明装置10と相違するものである。面状照明装置40では、FPCの実装部28の、LED22の前方部分(発光面22aに対応する箇所から境界mまでの部分)を、配線スペースとして有効に利用することができる。
【0043】
図3に示す面状照明装置50は、FPC21の薄肉部29が、カバーフィルム25のみの単一層により構成されており、この薄肉部29が導光板11に配置される点で、面状照明装置10と相違するものである。FPC21は、好ましくは、薄肉部29の導光板11側の面29aの全面が、導光板11の反射平面13に配置されるものである。面状照明装置50では、FPC21と導光板11との密着面積を大きくすることができるため、FPC21と導光板11との密着強度(薄肉部29を導光板11に接着または粘着等により固定する場合には、その固定強度)を向上させることが可能となる。
【0044】
尚、FPC21の薄肉部29を、カバーフィルム25のみの単一層により構成する場合も、このようなFPC21を、薄肉部を有しない通常のFPCを製造するための製造工程(例えば、各層の積層、エッチング、裁断等)を、単にカバーフィルム25に薄肉部29となる単一層部分を残すように実施することにより、通常の製造工程に対して追加の工程及び材料等を何ら要することなく、容易かつ安価に製造することができる。
【0045】
また、面状照明装置50では、FPC21の薄肉部29がカバーフィルム25から構成されているため、薄肉部29の屈曲を要することなく、LED22を、その光軸と導光板11の入光端面14厚さ方向の中心軸との間に位置ずれを生じさせることなく、入光端面14に沿って配置することができる。
【0046】
図4に示す面状照明装置60は、FPC21の薄肉部27の先端側が、反射シート30の導光板11側とは反対側の面30bに配置される点で、面状照明装置10と相違するものである。面状照明装置60では、反射シート30の先端部がFPC21の薄肉部27との重なりによって曲がることがないため、反射シート30の導光板11側の面30aの全体を反射平面13に接触させることができるため、反射特性の均一性を向上させることが可能となる。
【0047】
また、面状照明装置60においても、FPC21の実装部26を所定の位置に配置したときに、薄肉部27の、反射シート30の導光板11とは反対側の面30bに配置される先端側の部分と、基端側(実装部26側)の部分との間に段差が生じる場合には、その段差が薄肉部27の屈曲によって吸収されることによって、FPC21の実装部26を所定の位置に配置し、ひいてはLED22を、その光軸と導光板11の入光端面14厚さ方向の中心軸との間に位置ずれを生じさせることなく、入光端面14に沿って配置することができる。この際、面状照明装置60は、面状照明装置10の場合と比較して、反射シート30の厚みにより薄肉部27の屈曲によって吸収すべき段差が小さくなるため、薄肉部27の屈曲による反力が小さくなり、薄肉部27の先端側の部分が反射シート30から剥がれ難くなる点でも有利なものである。
【0048】
尚、図4には、反射シート30の厚みがFPC21の厚みよりも小さい場合の例が図示されているが、薄肉部27の屈曲による段差の吸収は、反射シート30の厚みがFPC21の厚みよりも大きい場合にも、同様に機能するものである。また、反射シート30とFPC21の厚みが等しい場合には、図3に示す面状照明装置50と同様に、FPC21は、薄肉部27の屈曲を要することなく、所定の位置に配置されることは言うまでもない。
【0049】
ここで、図1図4に示す面状照明装置10、40、50、60において、FPC21の薄肉部27、29の導光板11に対向する面27a、29aには、白印刷または黒印刷が施されているものであってもよい。これによって、LED22から(例えば、導光板11の反射平面13を介して)、薄肉部27、29に入射した光を吸収(例えば、黒印刷の場合)、あるいは、反射(例えば、白印刷の場合)して、薄肉部27、29を通じた漏れ光の発生を防止することが可能となる。
【0050】
この際、図2に示す面状照明装置40のように、実装部28と薄肉部27との境界mが導光板の入光端面14よりも前方に位置する場合には、実装部28のうちの導光板11の反射平面13に対向する面にも、白印刷または黒印刷が施されていることが望ましい。
【0051】
尚、上述した実施形態では、図示及び説明は省略したが、面状照明装置10、40、50、60が、導光板11の外周を覆う枠状のハウジングフレーム、導光板11の出射平面12側に積層される拡散シート、プリズムシート等の光学シート、及び、入光端面14付近及び入光端面14に対向する端面付近の上方に配置される遮光シート等の任意の適切な構成要素をさらに備えるものであってもよいことは、言うまでもない。
【符号の説明】
【0052】
10,20,40,60:面状照明装置、11:導光板、12:出射平面、13:反射平面、14:入光端面、21:フレキシブルプリント基板、22:LED(光源)、26,28:実装部、27,29:薄肉部、30:反射シート
図1
図2
図3
図4
図5
図6