特許第5734258号(P5734258)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ジーエヌ リザウンド エー/エスの特許一覧

<>
  • 特許5734258-設定可能な出力セルを有する集積回路 図000002
  • 特許5734258-設定可能な出力セルを有する集積回路 図000003
  • 特許5734258-設定可能な出力セルを有する集積回路 図000004
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5734258
(24)【登録日】2015年4月24日
(45)【発行日】2015年6月17日
(54)【発明の名称】設定可能な出力セルを有する集積回路
(51)【国際特許分類】
   H03K 19/00 20060101AFI20150528BHJP
   H03K 19/0175 20060101ALI20150528BHJP
【FI】
   H03K19/00 A
   H03K19/00 101F
【請求項の数】11
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-236675(P2012-236675)
(22)【出願日】2012年10月26日
(65)【公開番号】特開2013-138412(P2013-138412A)
(43)【公開日】2013年7月11日
【審査請求日】2012年12月21日
(31)【優先権主張番号】11187140.6
(32)【優先日】2011年10月28日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】PA201100832
(32)【優先日】2011年10月28日
(33)【優先権主張国】DK
(31)【優先権主張番号】13/304991
(32)【優先日】2011年11月28日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】503021401
【氏名又は名称】ジーエヌ リザウンド エー/エス
【氏名又は名称原語表記】GN RESOUND A/S
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジェンセン ダン クリスチャン ラウン
(72)【発明者】
【氏名】ペダルセン パラ ヘグナ
【審査官】 宮島 郁美
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−041086(JP,A)
【文献】 特開平10−233675(JP,A)
【文献】 特開平05−037336(JP,A)
【文献】 特開平08−017183(JP,A)
【文献】 特開平03−289717(JP,A)
【文献】 特開平07−086900(JP,A)
【文献】 特開平09−275191(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/056712(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03K19/00,19/01−19/082,19/094−19/096
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
聴覚装置用の集積回路であって、
前記集積回路は、接地レールと、第1電圧(V1)を供給するように構成された第1電力レールと、第2電圧(V2)を供給するように構成された第2電力レールを備えており、
前記集積回路は、前記集積回路と他の構成要素を接続するための複数のパッドを備えており、
前記複数のパッドは、第1出力パッドを含む少なくとも1つの出力パッドを含んでおり、
前記集積回路は、前記接地レールに接続された接地ピンと、前記第1電力レールに接続された第1電力供給ピンと、前記第2電力レールに接続された第2電力供給ピンと、データピンと、少なくとも1つの電圧選択ピンと、前記第1出力パッドに結線された出力ピンを有する第1出力セルを含む少なくとも1つの出力セルを備えており、
前記第1出力セルは、前記少なくとも1つの電圧選択ピンに入力される制御信号に応じて、前記出力ピンの電圧が第1振幅を有する第1モードによって、および前記出力ピンの電圧が第1振幅よりも大きい第2振幅を有する第2モードによって、動作するように構成されており、
前記第1出力セルが、それぞれのトランジスタが第1端子と、第2端子と、第3端子と、第4端子を有する、第1トランジスタと、第2トランジスタと、第3トランジスタを含む、少なくとも3つのトランジスタを備えており、
前記第2トランジスタの前記第4端子と、前記第3トランジスタの前記第4端子が、最大電圧を供給する電力供給ピンに結線されているとともに共通端子に結線されており
前記第1トランジスタの前記第1端子が前記接地ピンに結線されており、前記第1トランジスタの前記第2端子が、必要に応じてレベルシフタを介して、前記データピンに接続されており、前記第3端子が前記出力ピンに結線されており、前記第4端子が前記第1端子に結線されている、集積回路。
【請求項2】
前記第3トランジスタの前記第1端子が前記第2電力供給ピンに結線されており、前記第3トランジスタの前記第1端子が前記共通端子である、請求項の集積回路。
【請求項3】
前記第2トランジスタの前記第1端子が前記第1電力供給ピンに結線されている、請求項1又は2の集積回路。
【請求項4】
前記第2トランジスタおよび前記第3トランジスタの前記第3端子が前記出力ピンに結線されている、請求項1からの何れか一項の集積回路。
【請求項5】
前記集積回路が、第3電圧(V3)を供給する第3電力レールを備えており、
前記第1出力セルが、前記出力ピンと第3電力供給ピンの間に接続された第4トランジスタを備えており、
前記第3電力供給ピンが前記第3電力レールに接続されている、請求項1からの何れか一項の集積回路。
【請求項6】
前記第4トランジスタが、第1端子と、第2端子と、第3端子と、第4端子を有しており、
前記第4端子が、前記共通端子に結線されており、
前記第1出力セルが、前記少なくとも1つの電圧選択ピンに入力される制御信号に応じて、前記第1出力ピンの電圧が第3振幅を有する第3モードによって、動作するように構成されている、請求項の集積回路。
【請求項7】
前記第4トランジスタの前記第1端子が、前記第3電力供給ピンに結線されており、
前記第4トランジスタの前記第3端子が、前記出力ピンに結線されている、請求項の集積回路。
【請求項8】
前記第1出力セルが、前記第2、第3および第4トランジスタをそれぞれ選択的にアクティブ化することによってモードを選択するための、前記少なくとも1つの電圧選択ピンと前記データピンに接続された入力と、前記第2、第3およびもしあれば第4トランジスタの前記第2端子に接続された出力を有する論理回路を備える、請求項1からの何れか一項の集積回路。
【請求項9】
前記集積回路が、前記第1出力セルに接続されたコアを備えており、
前記コアが、聴覚装置のための信号処理を実行するように構成されている、請求項1からの何れか一項の集積回路。
【請求項10】
請求項1からの何れか一項の集積回路を備える聴覚装置。
【請求項11】
集積回路を製造するための方法であって、
出力ピンと、それぞれが第1端子と、第2端子と、第3端子と、第4端子を有する、少なくとも2つの駆動トランジスタを有する少なくとも1つの出力セルを提供する工程を備えており、
前記第1端子は、それぞれの前記出力セルの第1および第2電力供給ピンに接続されており、
前記第3端子は、前記出力ピンに接続されており、
前記2つの駆動トランジスタの前記第4端子は、前記それぞれの駆動トランジスタの前記第3および第4端子の間の電圧差が、前記第3および第4端子の間のダイオードしきい値電圧よりも小さくなるように、結線されており
前記2つの駆動トランジスタの前記第4端子は、共通端子に結線されている、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設定可能な出力セルを備える集積回路(IC)に関し、特に、聴覚装置用の、あるいは聴覚装置に適応可能なICに関する。
【背景技術】
【0002】
埋め込み型のデジタル信号プロセッサを備える集積回路(IC)またはチップは、コンパクトで小さい補聴器を提供するために、補聴器の業界において広く用いられている。補聴器に使用されるICは、小型であり、入力/出力ポートまたはパッドの数は限られている。典型的には、ICは補聴器の特定の構成要素とインターフェース接続するように設計されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
様々な構成要素を使用可能とし、あるいは複数の様々な聴覚装置モデルにおいて同一の構成要素を使用可能とするように、補聴器を設計および組立てる際の設計の柔軟性を高めることが必要とされている。さらに、聴覚装置の限られた電力供給能力に起因して、低消費電力のICを提供することが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記を踏まえて、補聴器用の集積回路(IC)が提供される。その集積回路は、接地レールと、第1電圧を供給するように構成された第1電力レールと、第2電圧を供給するように構成された第2電力レールを備えている。その集積回路は、集積回路を他の構成要素に接続するための複数のパッドを備えている。その複数のパッドは、第1出力パッドを含む、少なくとも1つの出力パッドを含んでいる。集積回路は、接地レールに接続された接地ピンと、第1電力レールに接続された第1電力供給ピンと、第2電力レールに接続された第2電力供給ピンと、データピンと、少なくとも1つの電圧選択ピンと、第1出力パッドに結線された出力ピンを有する第1出力セルを含む、少なくとも1つの出力セルを備えている。第1出力セルは、少なくとも1つの電圧選択ピンに入力される制御信号に応じて、出力ピンの電圧が第1振幅を有する第1モードによって、および出力ピンの電圧が第1振幅より大きい第2振幅を有する第2モードによって、動作するように構成されている。
【0005】
集積回路を製造する方法も開示される。その方法は、少なくとも1つの出力セルを提供する工程を備えている。少なくとも1つの出力セルは、出力ピンと、少なくとも2つの駆動トランジスタを有している。少なくとも2つの駆動トランジスタは、それぞれが第1端子と、第2端子と、第3端子と、第4端子を有している。第1端子は、第1および第2電力供給端子にそれぞれ接続されている。第3端子は、出力ピンに接続されている。第4端子は、それぞれの駆動トランジスタの第3および第4端子の間の電圧差が、第3および第4端子の間のダイオードしきい値電圧よりも小さくなるように、結線されている。その方法は、第4端子を、最大供給電圧を供給するように構成された電力供給ピン、例えば第2電力供給ピンに結線する工程を備えていてもよい。
【0006】
本発明の利点は、設定時に、あるいは使用中に、レジスタの設定内容を調整することで、第1出力パッドの電圧振幅を容易に調整することが可能となり、それによって、ICのパッドの数を増やすことなく補聴器の製造者にとっての設計の柔軟性を高めると同時に、ICにおける望ましくない電流経路を取り除いて低消費電力を維持できることである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明の上記および他の特徴および利点は、添付図面と、例示的な実施形態についての以下の詳細な説明によって、当業者に容易に明らかになるであろう。
図1】聴覚装置を模式的に示す図である。
図2】例示的な集積回路を示す図である。
図3】例示的な出力セルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
添付の図面は模式的であり、分かり易くするために簡略化されており、本発明の理解に不可欠な詳細のみを示しているが、その他の詳細については省略されている。全体を通して、同じ参照符号は同一または対応する部分に使用される。
【0009】
少なくとも一つの出力セル、例えば第1出力セルは、双方向通信が必要な場合、入力/出力(IO)セルの一部を形成し、あるいは入力/出力(IO)セルに埋め込まれていてもよい。
【0010】
集積回路は、ユーザの聴覚障害を補償するために、例えばデジタル音声信号のデジタル信号処理のための、プロセッサコアを、必要に応じて備えている。プロセッサコアは、聴覚装置の他のユニットまたは構成要素、例えばAD変換ユニット、ユーザインターフェース、メモリユニットおよび/または無線ユニットと通信するための、複数の通信セルまたは周辺ユニットに接続されている。従って、上記のICは、ここで記載するように、少なくとも1またはそれ以上の出力セルが埋め込まれた第1通信セルを含む、少なくとも1つの通信セルを備えている。上記のICは、第2および/または第3通信セルを備えていてもよい。
【0011】
通信セルは、1またはそれ以上の標準プロトコルによって通信するように構成することができる。代表的なプロトコルは、ただしこれには限定されないが、シリアルペリフェラルインターフェース(SPI)バス、マスタおよび/またはスレーブを備える集積回路間通信(IICまたはI2C)、統合チップ間サウンド(IIS、I2S)、および無線通信用プロトコルなどを含んでいてもよい。
【0012】
通信セルまたはユニットは、通信セルの機能に応じて、1またはそれ以上の出力セル、例えば第1出力セルおよび/または第2出力セルを備えることができる。通信セルは、1またはそれ以上の入力セルを備えていてもよい。通信セルは、1またはそれ以上の入力/出力(IO)セル、すなわち双方向通信するように構成されているセルを備えていてもよい。
【0013】
集積回路は、ICまたはICの通信セルを、他の構成要素、例えばメモリユニット、無線ユニット、ユーザインターフェース、バッテリなどの電力供給装置などと接続するための複数のパッドを備えている。複数のパッドは、接地電位または他の基準電圧に接続するための第1パッドと、電力供給装置、例えばバッテリと接続するための第2パッドと、ICを他の構成要素と接続するための出力パッドとして動作するように構成された第1通信パッドを含む複数の通信パッドを含んでいる。
【0014】
第1電力レールは、第1電圧V1、例えばVbatteryを供給するように構成することができ、第2電力レールは、第2電圧V2を供給するように構成することができる。第2電圧V2は、第1電圧V1よりも大きくすることができる。1またはそれ以上の実施形態において、V2=2*Vbatteryである。
【0015】
出力セル、例えば第1出力セルおよび/または第2出力セルは、第1トランジスタ、第2トランジスタおよび第3トランジスタを備えていてもよい。ここで、それぞれのトランジスタは、第1端子、第2端子、第3端子および第4端子を有している。
【0016】
第1トランジスタはN−MOSトランジスタであってもよい。ここで、第1端子はソースであり、第2端子はゲートであり、第3端子はドレインであり、第4端子はボディである。第1トランジスタは、出力ピンの電圧を、接地レールに印加された接地電位または他の基準電圧とするように、構成することができる。従って、第1トランジスタは、接地トランジスタということもできる。
【0017】
第2、第3および/または第4トランジスタは、P−MOSトランジスタとすることができる。ここで、第1端子はソースであり、第2端子はゲートであり、第3端子はドレインであり、第4端子はボディである。第2、第3および/または第4トランジスタは、出力ピンの電圧を、ICにおいて利用可能な電力レールを介してそれぞれの電力供給ピンに印加される電圧とするように、構成することができる。ICは、それぞれが出力ピンとそれぞれの電力供給ピンの間に接続された、複数の駆動トランジスタを備えていてもよい。少なくとも2つの駆動トランジスタの第4端子は、少なくとも2つの駆動トランジスタの第3端子の電圧レベル以上の電圧を備える共通端子に接続してもよい。
【0018】
1またはそれ以上の出力セルにおいて、第1トランジスタの第1端子は接地ピンに結線されていてもよく、第1トランジスタの第3端子は出力ピンに結線されていてもよい。第1トランジスタの第4端子は、第1端子に結線されていてもよい。
【0019】
第1トランジスタの第2端子は、データピンに結線されていてもよいし、データピン上のデータ信号を処理して信号振幅を補正する第1レベルシフタの出力に接続されていてもよい。
【0020】
1またはそれ以上の出力セルにおいて、第2トランジスタの第1端子は第1電力供給ピンに結線されていてもよいし、第2トランジスタの第3端子は出力ピンに結線されていてもよい。
【0021】
1またはそれ以上の出力セルにおいて、第3トランジスタの第1端子は第2電力供給ピンに結線されていてもよいし、第3トランジスタの第3端子は出力ピンに結線されていてもよい。
【0022】
1またはそれ以上の出力セルにおいて、駆動トランジスタの第4端子は、それぞれの駆動トランジスタの第3端子と第4端子の間の電圧差Vdif=Vthird terminal−Vfourth terminalが、第3および第4端子の間の寄生ダイオードについてのダイオードしきい値電圧Vthresよりも小さくなるように、結線されていてもよい。電圧差Vdifは、0.4Vより低くてもよい。1またはそれ以上の駆動トランジスタについて、電圧差Vdifは0.4Vより低くてもよく、例えば0.3Vより低くてもよく、0.2Vより低くてもよい。1またはそれ以上の実施形態において、電圧差Vdifは0V以下であってもよい。第4端子が最大の電力供給電圧に結線されている実施形態においては、Vdifは動作モードに関わりなく、0V以下であることが保証される。
【0023】
1またはそれ以上の出力セル、例えば第1出力セルにおいて、第2トランジスタの第4端子および第3トランジスタの第4端子は、最大電圧を供給する電力供給ピンに結線されていてもよい。第2トランジスタの第4端子および第3トランジスタの第4端子は、共通端子に結線されていてもよい。第3トランジスタの第1端子は共通端子であってもよい。それによって、出力ピンの電圧振幅が最小となるモードで出力セルが動作する場合の、望ましくないリーク電流を回避することができる。
【0024】
第2トランジスタと第3トランジスタの第2端子は、第1動作モード(第2トランジスタがアクティブ)と第2動作モード(第3トランジスタがアクティブ)を選択するために、第1出力セルの論理回路の出力に接続されていてもよい。
【0025】
集積回路の1またはそれ以上の出力セルは、少なくとも1つの電圧選択ピンに入力される制御信号に応じて、出力ピン上の電圧信号がVGND*とV1*の間で切り換わる第1モードで、および出力ピン上の電圧信号がVGND*とV2*の間で切り換わる第2モードで動作可能となるように構成することができる。
【0026】
集積回路は第3電圧V3を供給するように構成された第3電力レールを備えていてもよく、第1出力セルは出力ピンと第3電力レールに接続された第3電力供給ピンの間に接続された第4トランジスタを備えていてもよい。
【0027】
第4トランジスタは、第1端子、第2端子、第3端子および第4端子を有する。第4端子は共通端子に結線されていてもよい。第1出力セルは、少なくとも1つの電圧選択ピンに入力される制御信号に応じて、第1出力ピン上の電圧が第3振幅を有する第3モードによって動作するように構成されていてもよい。第4トランジスタの第1端子は第3電力供給ピンに結線されていてもよく、第4トランジスタの第3端子は出力ピンに結線されていてもよい。第4トランジスタの第2端子は、第3の動作モードにおいて第4トランジスタのアクティブ化が可能な論理回路に結線されていてもよい。ここで、出力ピンの電圧信号は、少なくとも1つの電圧選択ピンに入力される制御信号に応じて、VGND*とV3*の間で切り換わる。
【0028】
集積回路の1またはそれ以上の出力セルは、第2、第3および第4トランジスタを選択的にアクティブ化することによってモードを選択するための、少なくとも1つの電圧選択ピンとデータピンに接続された入力と、駆動トランジスタ(第2、第3およびもしあれば第4トランジスタ)の第2端子に接続された出力を有する論理回路を備えていてもよい。
【0029】
集積回路は、データ信号を処理して信号振幅を補正するための、データピンと第1、第2および第3トランジスタの第2端子の間の第1レベルシフタを含む、少なくとも1つのレベルシフタを備えていてもよい。第1レベルシフタは、データピンと論理回路の間および/または論理回路と駆動トランジスタの第2端子の間に配置することができる。
【0030】
少なくとも1つのレベルシフタは、電圧選択信号を処理して論理回路に対する信号振幅を補正するための、少なくとも1つの電圧選択ピンと論理回路の間の第2レベルシフタを含んでいてもよい。
【0031】
集積回路は、第1出力セルに接続されたコアを備えていてもよい。ここで、コアは聴覚装置についての信号処理を実行するように構成されている。
【0032】
図1は聴覚装置2を示している。聴覚装置2は、電気的および/または音響的な形式の音声信号を受信するための音声入力インターフェース4を備えている。音声入力インターフェース4は、1またはそれ以上のマイク、例えば第1マイクおよび/または第2マイク、および/またはテレコイルを備えることができる。音声入力インターフェース4は、外部音源を聴覚装置2に結合するための、音声コネクタまたは音声入力ブーツを備えることができる。音声入力インターフェース4は、信号処理ユニットまたは集積回路8に接続されているAD変換ユニット6に接続されている。AD変換ユニット6は、音声入力インターフェース4からの音声信号を変換または変形して、デジタル音声信号を処理するために、例えば聴覚損失やその他の聴覚障害を補償するために、信号処理ユニット8に送信する。信号処理ユニット8は、AD変換ユニット6の動作を設定し、制御するために、AD変換ユニット6に制御信号を送信することができる。信号処理ユニット8は、例えば設定の際に、および/または補聴器の使用時に、ユーザ、コンピュータまたは別の聴覚装置が当該聴覚装置と通信できるように、ユーザインターフェース10に接続することができる。ユーザインターフェース10は、例えば設定の際にコンピュータに結合できるように、あるいは別の聴覚装置に結合できるように、プッシュボタンおよび/またはデータケーブル用のコネクタを備えることができる。聴覚装置2は、データまたは補聴器パラメータを格納するための、信号処理ユニット8に接続されたメモリユニット12を備えることができる。聴覚装置2は、信号処理ユニット8に接続されており、例えば聴覚装置2が別の装置、例えば聴覚装置および/または無線インターフェースと無線によって通信できるように、無線信号を受信および/または送信するように構成された無線ユニット14を必要に応じて備えることができる。AD変換ユニット6は、信号処理ユニットまたは集積回路8に埋め込むことができる。聴覚装置2は、ユーザに音声信号を発するための信号処理ユニット8に接続されたレシーバまたはラウドスピーカ16を備えることができる。
【0033】
図2は、本発明に係る典型的な信号処理ユニットまたは集積回路8を示す。集積回路8は、例えばAD変換器6からのデジタル音声信号のデジタル信号処理のためのプロセッサコア18を備えている。プロセッサコア18は、聴覚装置の別のユニット、例えばAD変換ユニット6、ユーザインターフェース10、メモリユニット12および/または無線ユニット14と通信するための、複数の通信セルまたは周辺ユニットに接続されている。
【0034】
集積回路8は、プロセッサコア18のインターフェースを形成する、複数の通信セル20、28、30、32、34、36、38を備えている。通信セルは、接続されるユニットに応じた様々な通信プロトコルを実装するように構成することができる。第1および/または第2の出力セルまたはIOセルは、通信セル20、28、30、32、34、36、38のそれぞれ、あるいは1またはそれ以上において実装することができる。また、集積回路は、ここで記載されるように、1またはそれ以上の出力セルまたはIOセルを必要に応じて備えているクロック管理セル22を備えることができる。
【0035】
図3は、本発明による典型的な出力セル、例えば、図2の集積回路の1またはそれ以上の通信セルに実装された、第1および/または第2の出力セルを示す。出力セル106は、集積回路の接地レール50に接続された接地ピン108と、第1電圧V1を供給するように構成された集積回路の第1電力レール52に接続された第1電力供給ピン110と、第2電圧V2を供給するように構成された集積回路の第2電力レール54に接続された第2電力供給ピン112と、データピン114と、少なくとも1つの電圧選択ピン116と、第1出力パッド104に結線された出力ピン118を有している。出力セル106は、さらにコア電力レール56に接続されたコア電力供給ピン120を備えている。第1出力パッド104は、図に示すように出力セル106に埋め込まれていてもよいし、集積回路内で出力セルの外側に配置されていてもよい。
【0036】
出力セル106、すなわち第1出力セルは、少なくとも1つの電圧選択ピン116に入力される制御信号に応じて、出力ピン118の電圧が第1振幅V1*を有する第1モードによって、あるいは第1出力ピンの電圧が第1振幅よりも大きい第2振幅V2*を有する第2モードによって、動作するように構成されている。出力セル106は、それぞれ第1端子128A、128B、128C、第2端子130A、130B、130C、第3端子132A、132B、132C、第4端子134A、134B、134Cを有する、第1トランジスタ122、第2トランジスタ124および第3トランジスタ126を備えている。論理回路136は、少なくとも1つの電圧選択ピン116と第2端子130Bおよび130Cの間に配置されており、所望の動作モードに応じて、第2トランジスタおよび第3トランジスタを選択的にアクティブにする。出力セルは、データ信号レベルを調整するために、データピン114と第2端子130Bおよび130Cの間に連結されている、第1レベルシフタ138を備えている。さらに、第2レベルシフタ140は、電圧選択信号レベルを調整するために、少なくとも1つの電圧選択ピン116と第2端子130Bおよび130Cの間に連結されている。レベルシフタ138,140は、第2電力供給ピン112とコア電力供給ピン120に接続されている。少なくとも1つの電圧選択ピン116は、2を超える様々な出力セルの動作モードを選択するために、第1電圧選択ピンと第2電圧選択ピンを備えることができる。各トランジスタは、図3に示されている第3端子と第4端子の間に、固有の寄生ダイオードを有している。第4端子のカップリングは、駆動トランジスタの第4および第3端子の間の寄生電流を除去または軽減する。
【符号の説明】
【0037】
2 聴覚装置
4 音声入力インターフェース
6 AD変換ユニット
8 信号処理ユニット
10 ユーザインターフェース
12 メモリユニット
14 無線ユニット
16 ラウドスピーカ/レシーバ
18 コア
20 通信セル(マスタインターフェース)
22 クロック管理セル
24 音声入力/出力
26 Hブリッジ
28 通信セル(無線通信コントローラ)
30 通信セル(IICマスタ)
32 通信セル(IISマスタ)
34 通信セル(SPIマスタ)
36 通信セル(COMインターフェース)
38 通信セル(IICスレーブ)
50 接地レール
52 第1電力レール
54 第2電力レール
56 コア電力レール
104 第1出力パッド
106 出力セル
108 接地ピン
110 第1電力供給ピン
112 第2電力供給ピン
114 データピン
116 電圧選択ピン
118 出力ピンまたは出力ノード
120 コア電力供給ピン
122 第1トランジスタ
124 第2トランジスタ
126 第3トランジスタ
128A,128B,128C 第1端子
130A,130B,130C 第2端子
132A,132B,132C 第3端子
134A,134B,134C 第4端子
136 論理回路
138 第1レベルシフタ
140 第2レベルシフタ
図1
図2
図3