特許第5734315号(P5734315)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5734315カーボンブラックペレットを調合する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5734315
(24)【登録日】2015年4月24日
(45)【発行日】2015年6月17日
(54)【発明の名称】カーボンブラックペレットを調合する方法
(51)【国際特許分類】
   C08J 3/12 20060101AFI20150528BHJP
   C08L 71/00 20060101ALI20150528BHJP
   C08K 3/04 20060101ALI20150528BHJP
   C08K 5/17 20060101ALI20150528BHJP
   C09C 1/58 20060101ALI20150528BHJP
【FI】
   C08J3/12 Z
   C08L71/00 Y
   C08K3/04
   C08K5/17
   C09C1/58
【請求項の数】7
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-551735(P2012-551735)
(86)(22)【出願日】2011年1月31日
(65)【公表番号】特表2013-518967(P2013-518967A)
(43)【公表日】2013年5月23日
(86)【国際出願番号】IN2011000063
(87)【国際公開番号】WO2011095986
(87)【国際公開日】20110811
【審査請求日】2013年8月20日
(31)【優先権主張番号】273/MUM/2010
(32)【優先日】2010年2月3日
(33)【優先権主張国】IN
(73)【特許権者】
【識別番号】510002958
【氏名又は名称】アディティア ビルラ サイエンス アンド テクノロジー カンパニー リミテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】512202808
【氏名又は名称】アディティア ビルラ ヌーヴォ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ADITYA BIRLA NUVO LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】特許業務法人あーく特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】プラブ・マユール
(72)【発明者】
【氏名】アガルワル・ヴィジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ゴーサル・ランジャン
(72)【発明者】
【氏名】ラジャモハメッド・スルサン
【審査官】 村松 宏紀
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−011664(JP,A)
【文献】 特開平08−012898(JP,A)
【文献】 特開2005−206621(JP,A)
【文献】 特開平11−100524(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08J 3/00−3/28;99/00
C08K 3/00−13/08
C08L 1/00−101/14
C09C 1/00−3/12
C09D 15/00−17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下のステップを含む、カーボンブラックをペレット化する方法。
・カーボンブラックの粉末、水、結合剤および分散剤の均質な混合物を取得するステップ、但し、カーボンブラックと水の比率を0.1:2から2:1までの範囲に収め、更に、前述の分散剤は、アミンとポリエーテルを含む、アミンをベースとする界面活性剤で、含有量を、当該混合物の0.005%から0.1%までの範囲に収めるものとする;
・ペレット化装置の中で均質な当該混合物をペレット化して生のカーボンブラックペレットを得るステップ;および
・生の当該カーボンブラックペレットを20分から60分までの範囲に収まる時間、150℃から250℃までの範囲に収まる温度で乾燥させるステップ。
【請求項2】
第1,第2,第3級、ジアミン、トリアミン、芳香族化合物および脂環式化合物からなるアミンのグループの中から前述のアミンを選ぶステップを含むことを特徴とする、請求項1に規定した方法。
【請求項3】
エチレン酸化物およびプロピレン酸化物からなるグループの中から選んだ少なくとも1つの化合物を構成するため、前述のポリエーテルを選ぶステップを含むことを特徴とする、請求項1に規定したカーボンブラックをペレット化する方法。
【請求項4】
脂肪族化合物、オレフィン化合物、環状化合物および芳香族化合物からなるグループの組の中から選んだ少なくとも1つのグループを構成するため、当該ポリエーテルを選ぶステップを含む、請求項1に規定したカーボンブラックをペレット化する方法、但し、当該グループをリニアーおよびブランチからなるタイプから選んだ少なくとも1つのタイプのものとする。
【請求項5】
ポリエーテルに対する比率が0.1:10から10:0.1までの範囲に収まる量のアミンを含む前述の分散剤を選ぶステップを含むことを特徴とする、請求項1に規定した、カーボンブラックをペレット化する方法。
【請求項6】
プロピレン酸化物に対する比率が1以上のエチレン酸化物を含む前述のポリエーテルを選ぶステップを含むことを特徴とする、請求項3に規定した、カーボンブラックをペレット化する方法。
【請求項7】
前述の混合物の5%から15%までの範囲に収まる量の当該結合剤を添加するステップを含むことを特徴とする、請求項1に規定した、カーボンブラックをペレット化する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカーボンブラックをペレット化する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ペレットに成形したカーボンブラックは、増加した高い密度を持ち、取り扱いと輸送が容易なので、産業界では、ルーズなカーボンブラックを一般にペレット化プロセスによって、カーボンペレットに成形している。また、ペレットにしたカーボンブラックは様々な処理装置でより容易に使うこともできる。従って、カーボンブラックが関与する産業的応用のほとんどにペレット化が求められている。ペレット化プロセスには習慣的に、カーボンブラックの粉末に水溶液と結合材を加えて、混合物を生成するステップが含まれ、生成された混合物はドラムペレット化装置かピンペレット化装置に入れてペレット化される。その後、ペレット化装置から得られたペレットから湿気を取り去るため、サーマルプロセスが施される。
【0003】
従来のペレット化法の持つ主要な欠点の1つは、カーボンブラックを含む混合物中の水分と結合剤の分布が不適切なことである。この欠点を克服して、ペレットの品質要件を満たすため、過剰な水が添加される。後で行うサーマルプロセス中に、回転ドラム式乾燥機に入れて、熱を与えることによって、水分を除去する。過剰な水は、乾燥機に適用される負荷を増加させ、結果的にプロセスの生産出力に低下が起こる。乾燥に要するエネルギーおよび乾燥に費やされる時間も過剰な水分によって増加する。それ故に、カーボンブラックを含む混合物中の水分と結合材の均一な分布はペレット化プロセスには非常に重要である。以上に加え、ペレット化コンポーネントの不適切な分布によって、品質が一定しないカーボンブラックペレットが生産される。
【0004】
最終的に、カーボンブラックにより均一な分布がもたらされるように、例えば、ゴムまたはプラスチックに分散剤を使用することが過去に調査された。しかし、均一な品質を持ったカーボンブラックペレットが得られるように、カーボンブラックを含む混合物中の水分と結合剤に均一な分布を保証する改良されたペレット化プロセスを提供する必要があると、まだ感じられている。
【0005】
上に列記した1つまたはそれ以上の欠点を克服できるカーボンブラックのペレット化プロセスを提供する幾つかの試みがなされてきた。幾つかの公開特許が以下の従来技術の中に列記されている:
【0006】
合衆国特許NO.3776750は、カーボンブラックをペレット化する2ステージのプロセスを開示している。第1ステージは、カーボンブラックとオイルと水のエマルジョンの第1混合物を形成するステップを含み、第2ステージは、第1混合物に水を添加して、第2混合物を得るステップを含む。 第2混合物はその後、カーボンブラックペレットを形成するため、後攪拌される。 合衆国特許NO.3776750に開示されているプロセスは、崩壊させて、ゴムの中に容易に分散させることができるソフトなペレットを提供することを目指す。
【0007】
合衆国特許NO.3956445は、比較的高い密度を持つ積層ペレットを生み出す改良されたカーボンブラックペレット化方法を開示している。方法には、水生ペレット化液とルーズなカーボンブラックを、重量比が約2/3〜2になるように組み合わせるステップと、結果として生まれた混合物をペレットミルに入れて攪拌するステップが含まれている。一連の増加分に追加のカーボンブラックを添加して、追加の水を最終的に添加する。カーボンブラックの相対量、ペレット化液、および追加のカーボンブラックを添加するタイミングを管理することによって、積層ペレットが形成される。
【0008】
合衆国特許NO.4102967は、硬化させた外殻を持つ積層カーボンブラックペレットを生産する方法を開示している。方法には以下のステップが含まれている:水生ペレット液とルーズカーボンブラックを約2:3〜約2:1の重量比になるように混ぜ、混合物をペレットミルに入れて攪拌してペレットを形成し、追加のカーボンブラックをミルに添加して、最後に、アンモニウム リグニンスルフォン酸塩または炭化水素オイルを含む追加の液体をミルに加えて、積層ペレットを得る。このようにして取得した積層ペレットは、取り扱い中に起こる分散に関する問題や掃除問題を軽減する。
【0009】
本発明は、カーボンブラックをペレット化する改良された方法を提供することを目指す。当該方法は、カーボンブラックペレットの表面上に、水と結合剤の均一な分布を提供し、これによって、最終消費時にカーボンペレットの均一な分散を提供することを目指す。本発明は、生産性を高め、ペレットの品質を向上させながら、水の消費を減らし、エネルギーを節約することも目指す。
【0010】
発明の目的
本発明の目的は、カーボンブラックをペレット化するための方法を提供することである。
【0011】
本発明のもう1つの目的は、ペレットの表面に水の均一な分布を付与するカーボンブラックペレット化のための方法を提供することである。
【0012】
本発明の更なるもう一つの目的は、エネルギーを節約しながらカーボンブラックをペレット化することができる方法を提供することである。
【0013】
本発明の更なるもう一つの目的は、ペレットに均一な品質を付与するカーボンブラックのペレット化を実現することができる方法を提供することである。
【0014】
本発明のもう1つの目的は、粉末のカーボンブラックをペレット化するに要する水の量を減らすことができるペレット化方法を提供することである。
【0015】
本発明の更なるもう1つの目的は、ペレットの乾燥に要する時間を短縮することができるカーボンブラックのペレット化方法を提供することである。
【0016】
本発明の更なるもう一つの目的は、生産速度を高めることができるカーボンブラックのペレット化方法を提供することである。
【0017】
発明の総括
本発明に基づき、以下のステップを含む、カーボンブラックペレット化方法が開示される:
【0018】
・カーボンブラックの粉末、水、結合剤および分散剤の混合物を取得するステップ、但し、カーボンブラックと水の比率を0.1:2から21までの範囲に収め、当該分散剤は、アミンとポリエステルを含む、アミンをベースとする表面活性剤とし、その濃度は、当該混合物の0.005%から0.1%までの範囲に収めるものとする:
【0019】
・ペレット化装置の中で均質な当該混合物をペレット化して生のカーボンブラックペレットを得るステップ;および
【0020】
・生の当該カーボンブラックペレットを20分から60分までの範囲に収まる時間、150℃から250℃までの範囲に収まる温度で乾燥させるステップ。
【0021】
本発明の要件を満たす典型的な方法は、第1,第2,第3ジアミン、トリアミン、芳香族化合物および脂環式化合物からなるグループの中から前述のアミンを選ぶステップを含む。
【0022】
カーボンブラックをペレット化する方法には、本発明に基づきなるべく、エチレン酸化物およびプロピレン酸化物からなるグループの中から選んだ少なくとも1つの化合物を構成するため、前述のポリエーテルを選ぶステップを含める。
【0023】
本発明に基づきカーボンブラックをペレット化する方法には、脂肪族化合物、オレフィン化合物、環状化合物および芳香族化合物からなるグループの組の中から選んだ少なくとも1つのグループを構成するため、当該ポリエーテルを選ぶステップが更に含まれる。但し、当該グループをリニアーおよびブランチからなるタイプから選んだ少なくとも1つのタイプとする。
【0024】
本発明に基づきカーボンブラックをペレット化する方法には大抵、0.1:10から10:0.1までの範囲に収まる比率で、アミンとポリエーテルを含む当該分散剤を選ぶステップが含まれる。
【0025】
本発明に基づきカーボンブラックをペレット化する方法には好ましくは、プロピレン酸化物に対する比率が1以上のエチレン酸化物を含む前述のポリエーテルを選ぶステップが含まれる。
【0026】
本発明に基づきカーボンブラックをペレット化する方法には、前述の混合物の5%から15%まで範囲に収まる量の当該結錠剤を添加するステップが含まれる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明は、大抵、アミンおよびポリエーテルを含むアミンベースの表面活性剤が水および結合剤と同時に、全混合物の0.005%から0.1%までの範囲に収まる量添加されることを条件とし、均一な品質のカーボンブラックペレットを提供する、カーボンブラックをペレット化する方法を想定している。ペレット化中に分散剤を添加すると、カーボンブラックの表面に均一な水の分布をもたらし、これによって、ペレット品質の均一化、水消費の削減、エネルギーの節約および生産速度の上昇のメリットが付与される。
【0028】
本発明に基づきカーボンブラックをペレット化する方法には一次的に以下が含まれる:カーボンブラックの粉末、水、結合剤および分散剤の均質な混合物を取得するステップ、但し、均質な混合物中のカーボンブラックと水の比率を0.1:2.0から2:1までの範囲に収め:大抵、ポリエーテルであるアミンと重合体チェーンを含む、アミンをベースにした表面活性剤である分散剤を、均質な混合物の0.005%から0.1%までの範囲に収まる量とし、結合剤を均質な混合物の5%から15%までの範囲に収まる値とする。均質な混合物はその後、ペレット化装置の中でペレット化され、生または湿ったカーボンブラックペレットが生まれる。ペレット化中に分散剤を添加すると、均質な混合物を形成するため要求される水の量の削減が助けられる。そのため、このようにして形成された生のカーボンブラックペレットの含水量は、分散剤を添加しなかったときに比べて低い。生の当該カーボンブラックペレットは20分から60分までの範囲に収まる時間、150℃から250℃までの範囲に収まる温度で乾燥される。生のペレット中の含水量が低いことに起因して、ペレットを乾燥させるに要する時間がより短くなるので、2%から最高10%までの範囲に収まる量のエネルギーが節約される。乾燥機の中にある選択ゾーンからペレットのサンプルを採取して、含水量を計測することによって、ペレットの含水量を断続的にチェックすることができる。
【0029】
分散剤として使われる、アミンをベースとする表面活性剤には、アミンとポリエーテルのチェーンが主要成分として含まれている。但し、アンカーリンググループであるアミンは、第1、第2,第3,ジアミン、トリアミン、芳香族および脂環式化合物からなるアミングループの中から選ばれ、ポリエーテルチェーンは、エチレン酸化物およびプロピレン酸化物から選ばれた少なくとも1つの化合物を含む。本発明の界面活性剤には、1つまたはそれ以上の有機酸化物を含めることができる。但し、当該有機酸化物は重合チェーン中のポリエーテルである。 ポリエーテルチェーンは、脂肪族化合物、オレフィン化合物および芳香族グループから選ばれた少なくとも1つのグループを更に含む。但し、当該グループは、リニアーおよび/またはブランチタイプのもので、エチレン酸化物および/またはプロピレン酸化物と一緒に、いずれかのリンクに添付される。 分散剤中のポリエーテルとアミンの比率は、0.1:10から10:0.1までの範囲に収まる:但し、ポリエーテルに対するアミンの比率は、0.5:2.0がより好ましい。最適なプロセス状態を得るため、分散剤を合計ペレット化混合物の0.005%から0.1%までの範囲に収まる量添加する。
【0030】
本発明の好適な具体化例では、カーボンブラックの粉末と水は1対1の比率で混合され、湿った生のカーボンブラックペレットは、180℃から220℃までの範囲に収まる温度で、30分から45分までの範囲に収まる時間乾燥される。湿ったペレットを乾燥させるため費やされた時間は、従来のペレット化方法と比べて、3%〜10%削減されるので、ペレットの生産速度は顕著に増加し、エネルギー消費は十分減少する。水と結合剤のカーボンブラックを含む混合物中での均一な分布は、分散剤の添加によって、ペレットに均一な乾燥をもたらすと共に、均一な品質と性質をももたらす。本発明のペレット化方法は連続処理かバッチ処理することができる。いずれの処理の場合も、単位時間のペレット生産速度は増加する。ペレット化サイクルは単位時間ごとに短縮されるので、サイクル数が増加することになる。更に、カーボンブラックの粉末に添加する水分の量を減らすと、湿ったカーボンブラックペレットのサイズに均一な分布を提供するのが助けられる。本発明の方法は、様々な種類のカーボンブラックに適用可能で、従来のペレット化装置を使って利用することができる。
【0031】
試験結果
発明を、その範囲と領域を制限せず、ただ発明を実証する以下の例を使って説明する。
【0032】
実施例1
カーボンブラックの粉末と水を1対1の割合で含む第1混合物(A):を分散剤を使わずにペレット化し、混合物中に0.01 %の分散剤を含むカーボンブラックの粉末と水の第2混合物(B)を同様にペレット化した。第2混合物(B)の中に使用した水の量は、第1混合物(A)より5%少なかった。このようにして形成した湿ったペレットを30分から45分までの範囲に収まる時間、150℃から250℃までの範囲に収まる温度で乾燥させた。この場合、すべてのペレットを実質同等な条件で乾燥した。このようにして形成したカーボンブラックペレットの最終性質およびプロセスパラメータを分析した。分析結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
本発明のプロセスによって得られたカーボンブラックペレットは向上された品質を持っていることが表1から判明された。水の消費が減ることも判明した。 以上に加え、混合と乾燥のサイクル中にエネルギーが節約されることも明らかとなった。
【0035】
実施例2
カーボンブラックペレットを、従来のペレット化方法と本発明のペレット化方法を使って、ペレット化した。ここでは、カーボンブラックの粉末は、水、ポリエーテルアミン界面活性剤および結着剤がそれぞれ、1:0.0001:0.1の比率となった溶液と混合した。その結果、カーボンブラックペレットは、望みの品質のカーボンブラックペレットを得るには、35分間だけ乾燥が必要なものであった。
【0036】
技術的メリット
カーボンブラックのペレット化方法は、カーボンブラック粉末と水と結合剤と分散剤とを混合するステップであって、カーボンブラック粉末と水の比率が0.1:2〜2:1の範囲であり、結合剤の割合が混合物の5〜15%であり、分散剤の割合が混合物の0.005〜0.1%であるステップと;混合物をペレット化するステップと;原料ペレットを150〜250℃の温度で20〜60分乾燥させてカーボンブラックペレットを得るステップとを含んでいる。本発明の方法は、以下の実現を含む幾つかの技術的メリットを有するが、技術的メリットはこれらに限定されるものではない。
【0037】
・カーボンブラックをペレット化するプロセスは、ペレットの表面に水の均一な分布を形成させ、これによって、均一な品質をペレットに保証するため、アミンとポリエーテルを含み、アミンをベースとする界面活性剤である分散剤を水および結合剤と共に添加するステップを含む;
【0038】
・ペレットの表面に水の均一な分布を付与することによって、カーボンブラックをペレット化するプロセスは、ペレット化プロセス中に添加することが要求される水の量を削減するのを助け、これによって、水の消費量の削減のみならず、乾燥サイクル中に、2%から最高10%までの範囲に収まる値のエネルギー節約も実行される;更に
【0039】
・カーボンブラックをペレット化するプロセスは、乾燥サイクル中に時間を節約し、これによって、生産速度を高める。
【0040】
様々な物理的パラメータ、寸法あるいは量に対して述べた数値は近似値に過ぎないが、パラメータ、寸法あるいは量に割り当てた数値より高いか低い値は、仕様中に反する陳述が特になされない限り、発明の範囲に収まるものと想定される。値の範囲が規定されている場合、規定された範囲内の最高値と最低値の上下に最高10%高いか低い値はそれぞれ発明の範囲に含まれる。
【0041】
本発明の原理が適用できる様々な実施形態を考慮して、例証された具体化例は模範的なものだけであると理解すべきである。発明の持つ固有な特徴をかなり強調しながら、好適な実施形態に様々な改良並びに多くの変更を、本発明の原理から外れることなく、施すことができるこが高く評価される。発明またはその好適な実施形態の性質中のこれらおよびその他の改良は、この分野の熟練した技能を有する人々には明白なものである。しかし、前述の記述事項は発明の説明を目的とするもので、発明を制限するものでないと解釈すべきである。