(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記電流ミラーが、前記フォトトランジスタに結合された入力トランジスタと、前記入力トランジスタに結合されたアンチエイリアスフィルタと、前記アンチエイリアスフィルタと前記ADCとの間に結合された出力トランジスタとを含み、前記入力トランジスタの主電流経路電極および前記出力トランジスタの主電流経路電極に結合されたスイッチと、前記スイッチを制御するための、前記ADCの出力と前記スイッチとの間に結合されたレンジセレクタとをさらに含む、請求項8に記載の検出器。
【背景技術】
【0005】
拡散デバイスまたは拡散ディスペンサは、香水、脱臭剤、殺虫剤、防虫剤などの揮発性物質を分注(dispense)するために使用される。多くのそのようなデバイスは、揮発性物質を分注するために周囲の空気の流れのみを必要とするパッシブな拡散デバイスであるが、他のデバイスとしてアクティブな拡散デバイスがある。様々な形態のアクティブな拡散デバイスがあるが、いくつかのデバイスは、揮発性物質の拡散を補助するためのファンおよび/またはヒータを含むが、他のデバイスは、エアゾール容器の中に収容された揮発性物質を分注するために、エアゾール容器のバルブステムを作動させ、さらに他のデバイスは、液体揮発性物質を液滴に分散させ、それをデバイスから排出するために超音波トランスデューサを利用し、さらに他のデバイスは、上記のタイプのまたは任意の他の既知のタイプのアクティブな拡散デバイスの任意の組合せを含む。そのようなデバイスの様々な例は、Helfらの米国特許出願第11/401,572号、Belandらの米国特許出願第11/801,554号、Helfらの米国特許出願第11/893,456号、Helfらの米国特許出願第11/893,476号、Helfらの米国特許出願第11/893,489号、Helfらの米国特許出願第11/893,532号、Sipinskiらの米国特許出願第12/080,336号、Sipinskiらの米国特許出願第12/157,705号、Pedrottiらの米国特許第6,917,754号、Schwarzの米国特許第7,540,473号に見ることができ、これらの特許出願および特許はすべて、参照として本明細書に組み込まれる。
【0006】
さらに、いくつかの既知のアクティブな拡散デバイスは、時間ベースで厳密に動作し、他のアクティブな拡散デバイスは、条件の有無を示す感知パラメータに応じて動作する。後者の方法にしたがって動作するデバイスの一例は、デバイスの近傍の光レベルを感知し、次いで、そのデバイスが占める空間中の個人の存在を検出するフォトトランジスタを組み込んだスプレー制御を含む。デバイスは、そのような検出に応じて揮発性物質を分注する。さらに他のデバイスは、時間と感知された条件との組合せに基づいて揮発性物質を分注する。
【0007】
本出願の譲受人によって、プログラマブルコントローラと、動きセンサおよびモータコントローラとして共に動作する離散的電気構成要素とを含む揮発性物質分注デバイスが販売用に提案され、販売されてきた。モータコントローラは、モータ巻線(motor winding)がHブリッジ(H-bridge)の出力ジャンクションの両端間に結合されるHブリッジ構成で接続された複数のトランジスタを備える。感知構成要素と制御構成要素とがHブリッジに接続される。動きセンサは、フォトトランジスタと、フォトトランジスタのコレクタ電流の変化を示す出力信号を生じさせる電圧増幅器とを含む。選択された時間にLEDを照明したLEDドライバ回路もまた設けられる。このデバイスは、デバイスの様々な感知機能および制御機能を実装するために必要である比較的多数の離散的(discrete)電気構成要素を含む。
【0008】
Sipinskiらの米国特許出願第2009/0309717号は、揮発性物質を分注するためにディスペンサ内で利用される動き感知回路を含むデバイスを対象とする。このセンサは、
図5に示すように、フォトトランジスタU1を含むそのような適用例のフォトトランジスタ回路60を利用する。
【0009】
Blandinoらの米国特許第7,538,473号および米国特許第7,723,899号は、圧電アクチュエータまたは超音波アトマイザのための動きセンサを含む駆動回路を開示する。
【0010】
Furnerらの米国特許出願公開第2010/0243673号および米国特許出願公開第2010/0243674号は、フォトセル(photocell)動きセンサまたは他の市販されている動き検出器を利用する小型スプレーデバイスを対象とする。
【0011】
Carpenterらの米国特許出願公開第2007/0199952号には、様々なタイプの動きセンサを利用する小型スプレーデバイスについて記載されている。
【0012】
Selanderらの米国特許出願公開第2007/0023540号および米国特許出願公開第2007/0036673号には、動き検出器を採用している香料放出システムの使用について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許出願第11/401,572号明細書
【特許文献2】米国特許出願11/801,554号明細書
【特許文献3】米国特許出願第11/893,476号明細書
【特許文献4】米国特許出願第11/893,489号明細書
【特許文献5】米国特許出願第11/893,532号明細書
【特許文献6】米国特許出願第12/080,336号明細書
【特許文献7】米国特許出願第12/157,705号明細書
【特許文献8】米国特許第6,917,754号明細書
【特許文献9】米国特許第7,540,473号明細書
【特許文献10】米国特許出願公開第2009/0309717号明細書
【特許文献11】米国特許第7,723,899号明細書
【特許文献12】米国特許出願公開第2010/0243673号明細書
【特許文献13】米国特許出願公開第2010/0243674号明細書
【特許文献14】米国特許出願公開第2007/0199952号明細書
【特許文献15】米国特許出願公開第2007/0023540号明細書
【特許文献16】米国特許出願公開第2007/0036673号明細書
【特許文献17】米国特許出願第12/796,440号明細書
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1〜
図3に、(
図6に関してより詳細に後述する)動き検出システムを実装する特定用途向け集積回路(ASIC)22(
図4)を有する揮発性物質分注デバイス20を示す。
図1は、閉位置における揮発性物質分注デバイス20を示す。本実施形態は、放出ボタン24と、レンズ26と、揮発性物質開口部30を有する外形に密着した外側シェル28とを含む。動作中、香料が充填されたボトルなどの揮発性物質の加圧ボトルと、2つ(または異なる個数の)バッテリー(
図5)とが、外側シェル28の内部に配設される。
【0020】
一般に、ASIC22は、検出器と連携して動作する。検出器は、近接度条件を検出し、それに関連する電力のパラメータを発展させる検出デバイスを含み、検出デバイスにパラメータ測定デバイスが結合される。パラメータ測定デバイスはパラメータ検出器を備え、アナログデジタル変換器(ADC)は、パラメータ検出器に結合され、パラメータのデジタル表現を生じさせるように複数の動作範囲のうちの1つで動作可能である。パラメータ測定デバイスは、ADCと、電力のパラメータを表す出力信号の大きさをパラメータ検出器に生じさせるように動作可能であるパラメータ検出器との間に、結合されたレンジセレクタをさらに含み、出力信号の大きさはADCの動作範囲のうちの1つの範囲内にある。
【0021】
再び
図2および
図3を参照すると、
図1の揮発性物質分注デバイス20内にアクチュエータアセンブリが配設されている。アクチュエータアセンブリは、(
図5に関してより詳細に後述する)電気スイッチに結合された材料分注ボタン32と、光学センサ34と、さらなる揮発性物質開口部36と、ボトル支持構造38と、カバー取付けボア40および42と、アクチュエータギヤ44、46および48と、アクチュエータアーム50と、モータMとを含む。さらに、
図2および
図3には、本装置20において使用するための2つのバッテリー78Aおよび78Bを示す。カバー取付けボア40および42を規定する表面は、
図1の輪郭に合致したカバー28が
図2および
図3に示すデバイスをカバーしたときには、そのカバー28を支持する。ボトル支持構造38は、デバイス20中の揮発性物質のボトルまたは容器80を支持する。
【0022】
1つまたは複数の動作モードで動作するときに、デバイス中に配設された揮発性物質のボトル80から揮発性物質が分注される。モータMが動作すると、アクチュエータギヤ44、46および48が回転する。ギヤ44は、モータMの回転軸(図示せず)に結合される。ギヤ46は、ギヤ44とギヤ48との間に結合される。ギヤ48は、アクチュエータアーム50に結合され、アクチュエータアーム50は、ボトル80が
図1〜
図3のデバイス内に配設され、ボトル支持構造38によって支持されたときに、ボトル80からの揮発性物質の放出を制御する。詳細には、モータMが順方向に回転しているとき、ギヤ44および46が回転し、ギヤ48は、アクチュエータアーム50にボトル80のアクチュエータバルブを下向きに押圧させ、それにより、バルブが開いて、加圧された揮発性物質を、スプレーとしてボトル80から上方に向かわせて発することができるようになる。
【0023】
光学センサ34は、センサに当たっている周囲光を検出する感光デバイスを備える。この周囲光は、センサの近傍における動きの有無を示すことができる。光学センサ34は、好ましくは、
図5に示すフォトトランジスタQを備える。1つまたは複数の動作モードでは、光学センサ34による移動の検出によりモータMが動作して、より詳細に後述するように、整合した揮発性物質開口部30および36を通してボトル80から揮発性物質を排出することができる。
【0024】
揮発性物質分注デバイス20は、2010年6月8日に出願され、本出願の譲受人が所有するFurnerらの「Compact Spray Device」と題する米国特許出願第12/796,440号(代理人整理番号第j−4095D)により詳細に記載されており、当該出願の開示は参照として本明細書に組み込まれる。
【0025】
次に
図4を参照すると、ASIC22は、動き検出器52と、デジタルコントローラ54と、電流基準56と、電圧基準58と、バッテリーモニター60と、モータコントローラ62と、パワーオンリセット(「POR」)コントローラ64と、クロック68とを含む。動き検出器52は、外部感光デバイスおよびデジタルコントローラ54と通信する。モータコントローラ62は、
図5のデジタルコントローラ54とモータMとの間を通信する。ASIC22はさらに、詳細に口述されるように、電気スイッチSW1(
図5)から入力を受信し、2つの直列接続のAAサイズの電池を好ましくは備えるバッテリーから電力を受信する。バッテリーは、好ましくは、複数の入力端子またはパッドVcc1、Vcc2およびVcc3、ならびにGND1、GND2およびGND3を介して、ASIC22に電力を供給し、さらに様々な他の外部電気構成要素に電力を供給する。
【0026】
図4および
図5を参照すると、動作中、バッテリーモニター60は、バッテリーを監視し、バッテリーによって供給された電力のパラメータが第1のしきい値条件に達したときに、バッテリーモニター60は、ASIC22をシャットダウンする。好ましい実施形態では、バッテリーの出力電圧が2.0ボルトに等しいしきい値電圧まで降下したときに、第1のしきい値条件が達成される。電力の予期された急激な降下に起因する不要なシャットダウンを回避するために、バッテリーモニター60は、モータコントローラ62がモータMを動作させているとき、無効にされ、第1のしきい値条件が動作中に生じた場合でもASIC22をシャットダウンしないように動作する。
【0027】
電力パラメータが第2のしきい値条件に達したとき、POR64はデジタルコントローラ54をリセットする。さらに、POR64は、ASIC22が異なる動作状態に変わるようにデジタルコントローラ54をリセットすることができる。様々な状態の例を
図7〜
図10に示す。好ましい実施形態では、バッテリーの出力電圧が1.4ボルトに等しいしきい値電圧まで降下したときに、第2のしきい値条件が達成される。
【0028】
また、動作中に、動き検出器52は、感光デバイスの近傍範囲内の動きの有無を判断する。感光デバイスに入射する光は、そのような光に関係する電力のパラメータを生じる。本発明の好ましい実施形態では、感光デバイスは、バイポーラ接合NPNフォトトランジスタを備え、電力のパラメータは、そのフォトトランジスタのエミッタ電流の大きさIphを含む。Rrefは、基準エミッタ負荷抵抗である。感光デバイスのエミッタ電流は、(
図5に示される)ASIC22の入力端子またはパッドPHOTOに提供される。より詳細に後述するように、動き検出器52は、10Hz超でフィルタ処理した後にフォトトランジスタエミッタ電流の大きさが定常状態値から8%だけ変化したときに、動きが検出されたと判断する。
【0029】
動作中、デジタルコントローラ54は、モータコントローラ62をアクティブ化および非アクティブ化させる。好ましい実施形態では、モータコントローラ62は、モータMを動作させるために必要な構成要素のすべてを含む。詳細には、好ましい実施形態では、モータコントローラ62は、双方向Hブリッジモータコントローラの機能を実装する。モータMは、より詳細に後述するように、揮発性物質が揮発性物質ディスペンサの近傍内の動きの検出に応じて、および/または時間ベースで放出されるように、
図1〜
図3の揮発性物質ディスペンサを制御する。
【0030】
デジタルコントローラ54は、また、1つまたは複数の検出された状態に応じて、ASIC22の端子LEDまたはパッドLEDを介して、外部発光ダイオードLED(
図5)に電流を提供する。たとえば、動き検出器52がしきい値条件の発生にフラグを付けたとき、デジタルコントローラ54は、(バッテリーの合成電圧が、上述したようなシャットダウンまたはリセットを防止するのに十分であると仮定すると)所定の時間期間にわたってLEDに定電流を供給し、それにより、LEDによって生じる光の明るさは、その所定の時間期間中、一定となる。
【0031】
ASIC22の端子またはパッドSWITCHは、(
図5に示される)スイッチSW1によって接地に結合される。スイッチSW1は、モータコントローラに外部モータを動作させるように割込みを開始し、それにより、揮発性物質がすぐに分注される。
【0032】
クロック68は、好ましくは、160k Hzの典型的な動作周波数を有する内部R−C発振器を備える。クロック68は、タイミング信号のすべてをASIC22に提供する。電流基準56および電圧基準58は、ASIC22の他の構成要素に基準電流および電圧値を供給する。
【0033】
図5に、第1の実施形態によるASIC22に結合されたさらなる電気構成要素を示す。フィルタキャパシタC1およびC2は、Vcc(すなわち、バッテリーによって生じた正の電圧)と接地との間に接続され、さらに、キャパシタC3はモータの端子の両端間に接続される。出力端子またはパッドMP1およびMP2の第1の対はモータの第1の端子に接続され、端子またはパッドMN1およびMN2の第2の対は、モータの第2の端子に接続される。抵抗R2は、入力端子またはパッドPCとさらなる入力端子との間に結合され、あるいはパッドPDは接地に結合される。
図5の回路図の結果、ASIC22は
図7の状態図にしたがって動作する。
【0034】
図5Aには、ASICを
図8の状態図にしたがって動作させるための
図5の回路図に対する修正が示されている。この場合、入力端子PCは、接地に直接的に結合される。すべての他の接続および構成要素は、
図5に示したものと同じである。
【0035】
図5Bには、ASICを
図9の状態図にしたがって動作させるための
図5の回路図に対する修正が示されている。この実施形態では、入力端子PCは、3つの異なる値を有する抵抗R3〜R5のうちの1つによって接地に結合される。さらに、入力端子PDは、単極の3枝(または同等の)スイッチSW2によって、Vccに、または接地電位に、または抵抗R6を介してVccに直接的に結合される。
図5Aの場合と同様に、すべての他の接続および構成要素は、
図5に示されているものと同じである。
【0036】
モータコントローラの比較的高い電流需要がASIC22に集中するので、適切にそのような電流の大きさを供給するように仮定しなければならない。
図5に示すように、バッテリーBは、複数のワイヤによって、複数の端子を介してASIC22に接続されている。これらの複数のワイヤにより、ASIC22内に含まれる個別のエレメントの量がより大きいと仮定されたときに、電流の適切量をASIC22に供給することが可能になる。さらに、このようにすることにより、端子のサイズを小さく保つことができるので、電源とモータとの接続の単一のセットのみを有する集積回路と比較して、ASIC22のサイズを小さくすることが可能になる。またさらに、そのような構成は、金などのより高価な配線とは対照的に、銅またはアルミニウムなどの比較的安価なワイヤを使用することが可能になる。最終的には、追加のワイヤにより、電源をASIC22に接続するためにワイヤの単一の対を使用し、モータMをASIC22に接続するためにワイヤの単一の対を使用した場合よりも小さい直径を有するワイヤを使用することが可能になる。
【0037】
図5のフォトトランジスタQは、好ましくは、最大電流が500マイクロアンペアであり、最小電流が5マイクロアンペアであるバイポーラ接合NPNフォトトランジスタを備える。モータMは、好ましくは、1.8Vの最低電圧で動作する。本発明の一実施形態では、モータMは、DCモータを備える。この実施形態では、キャパシタC3は電圧フィルタとして作用する。代替的には、モータMは、ACモータを備えていてもよい。この実施形態では、キャパシタC3は、過渡動作中のモータMに対する電圧の急激な上昇および降下をフィルタ処理し、実電力のみがモータMに転送されるように力率補正を行うように選択される。
【0038】
動き検出器52および感光デバイスQを、
図6により詳細に示す。動き検出器52は、パラメータ検出器70と、アナログデジタル変換器(ADC)72と、レンジセレクタ74と、信号処理モジュール76とを備える。信号処理モジュール76は、乗算器76Aと、フィルタ76Bと、微分器76Cと、除算器76Dと、比較器の形態のしきい値検出器76Eとを含む。ADC72は、好ましくは、8ビット逐次比較型A/D変換器(SARADC)を備える。
【0039】
動作中、フォトトランジスタQのエミッタ電流の大きさは、フォトトランジスタQのエミッタ電流を表す。
図6に示すように、パラメータ検出器70は、好ましくは、FETのQ2およびQ3を含むデュアルnmos電流ミラーを備え、入力FET Q2と接地との間に制御可能なスイッチが接続され、2つのFETのQ2のゲートとQ3のゲートの間にアンチエイリアスフィルタAAFが接続される。制御可能なスイッチは、任意の好適なトランジスタまたは他のデバイスを備えることができる。
【0040】
パラメータ検出器70は、電力のパラメータの表現を複製し、この表現をレンジセレクタ74に提供する。この表現は、レンジセレクタ74によって決定されたファクタNによって除算されたエミッタ電流Iphに等しい。レンジセレクタは、パラメータ検出器70の出力の大きさがADC72の複数の動作範囲のうちの1つの範囲内となるように、パラメータ検出器70のスイッチを制御する。ADC72の複数の動作範囲を合わせると、ADC72の総動作範囲が規定される。詳細には、レンジセレクタ74は、ADC72の動作範囲のうちの1つの中にパラメータ検出器70の出力の大きさのほぼ中心が来るようにし、それにより、A/D変換が正確に達成される。さらに、レンジセレクタ74は、低分解能A/D変換器を使用する電力のパラメータの正確なデジタル表現を可能にする。
【0041】
ファクタNは、バイナリ加重数を好ましくは備える。Q1と接地との間に接続されたスイッチは、好ましくは、並列なスイッチのセットであるのが好まししいDACを備え、したがって、電流ミラーの出力は、ファクタNによってスケールされた(scaled)表現である。好ましい実施形態では、Nは4ビットバイナリ加重数であり、したがって、電流ミラーの出力は合計16個のレベルによってスケールされる。Q1のゲートとQ2のゲートとの間に低域フィルタAAFが接続され、それにより、電流ミラーの出力電流は、低い周波数についてフィルタ処理される。好ましくは、AAFは低域フィルタを備え、より好ましくは、RCフィルタを備える。このようにして電流ミラーの出力電流をフィルタ処理すると、ADC72は、より大きいカットオフ周波数を有するADC72の内部にある低域フィルタを使用して、得られた信号を適切にオーバーサンプリングすることが可能になる。これにより、集積チップ上の内部低域フィルタのサイズが小さくなる。信号処理ユニット76の乗算器76Aは、ADC72の出力にファクタNを乗算して、信号の大きさを再スケールする。パラメータ検出器70の出力のこの乗算されたデジタル表現は、デシメータ76Gに入力される。デシメータ76Gは、信号処理ユニット76のフィルタ76Bに入力されるデータ量を低減する。これは、ADC72によるオーバーサンプリングを考慮に入れるために行われる。フィルタ76Bは、好ましくは、低域フィルタと連携するD/A変換器を備える。フィルタ76Bのカットオフ周波数はナイキスト(Nyquist)基準を満たし、それにより、得られたアナログ信号が正確に再生される。
【0042】
アナログ信号は、信号処理ユニット76の微分器76Cによって処理される。微分器76Cは、時間に関して入力されたアナログ信号の1次導関数(derivative)を生じさせ、この微分された信号を信号処理ユニット76の除算器76Dに提供する。除算器76Dは、範囲選択モジュール76Fによって提供されるNによってこの信号を除算する。除算器76Dによる除算は、乗算器76Aの乗算された信号出力に関して信号を再スケールする。信号処理ユニット76は、しきい値検出器76Eにおいてしきい値条件が満たされているかどうかを判断する。好ましい実施形態では、このしきい値条件は、時間に関して、感光デバイスQに入射する光のパラメータの低域フィルタ処理された変化を表し、しきい値に達したという表示は、感光デバイスQの近傍の範囲内で動きが生じたかどうかを表す。
【0043】
次に、
図7を参照すると、前述のように、
図7に示された状態機械(state machine)図は、第1のモードにおけるASIC22の動作を示している。電力がASIC22に最初に供給されたとき、ASICは状態S1となる。状態S1において、ASIC22は、所定の時間期間にわたって、外部LEDに電流を定電流レベルで提供する。1つの実施形態では、所定の期間とは18.5秒である。所定の期間+追加の時間期間(たとえば、0.5秒)が満了すると、ASIC22は状態S2に進む。S2において、ASIC22は、バッテリーによって供給された電力を検査する。1つの実施形態では、ASIC22は、バッテリーモニター60を使用して、バッテリー電圧がしきい値電圧を上回ったかどうかを判断する。好ましい実施形態では、このしきい値レベルは2ボルトである。さらに、ASIC22は、動き検出器52をオフし、LEDを所定の回数オン/オフして明滅させる。1つの実施形態では、ASIC22は、LEDを、500ミリ秒にわたってオンにし、次いで、500ミリ秒にわたってオフにして、合計3回にわたるオン/オフサイクルを繰り返す。またさらに、ASIC22はモータMを動作させて、揮発性物質を放出させる。たとえば、ASIC22は、1000ミリ秒にわたって順方向に動き、次いで150ミリ秒にわたって停止し、次いで400ミリ秒にわたって逆方向に動くようにモータMを制御し、その結果、流体が放出される。1つの実施形態では、容器のバルブは、所定の体積の流体を排出するように計量される。他の実施形態では、モータのサイクル、すなわち、モータが順方向状態、静止状態、および逆方向状態で費やす時間により、各状態に費やされる時間に依存して、分注される流体の体積が変動する結果となる。状態S2への移行に続く所定の時間量の後に、ASIC22は、状態S3に進む。好ましい実施形態では、この所定の時間量は4.25秒である。
【0044】
状態S3において、ASIC22は、動き検出器52をオフにする。さらに、ASIC22は、50%デューティサイクルでパルス幅動作モードを使用して外部LEDをオンする。またさらに、ASIC22は、ロックアウトタイマーの動作を開始する。ロックアウトタイマーは、所定の時間量にわたってASIC22を状態S3に留まらせ、次いで、ASIC22は状態S4に進む。好ましい実施形態では、この所定の時間量は30分である。ASIC22が状態S3にあるとき、ASIC22は、代替的には、スイッチSW1がユーザによって閉じられたときに状態S5に進むことができる。
【0045】
状態S4において、ASIC22は、動き検出器52を使用して動きの有無を検出するために、周期的な感知動作を利用する。好ましい実施形態では、ASIC22は、動き検出器52を使用して、5秒ごとに動きの存在を周期的に検出する。詳細には、好ましい実施形態では、ASIC22は、5秒ごとに、(1)感光デバイスQの出力を無視(ignore)し、最初の0.35秒間隔中に外部LEDをオフにし、(2)動き検出器54を使用して感光デバイスQの出力を感知し、次に続く4.5秒間隔にわたって外部LEDをオフにし、(3)感光デバイスQの出力を無視し、次に続く0.15秒間隔にわってLEDをオンにするという動作を循環させる。動きが検出されるまで、制御は状態S4に留まり、トランジション(transition)は状態S2に移行して戻る。スイッチSW1がユーザによって閉じられた場合には、制御は代わりに、状態S4から状態S5に進むことができる。
【0046】
状態S5において、ASIC22は、動き検出器52をオフにする。さらに、モータは、好ましくは、状態S2の場合のように、1000ミリ秒にわたってモータを順方向に動作させ、150ミリ秒にわたってモータを停止し、次いで、400ミリ秒にわたってモータを逆方向に動作させることによって作動する。さらに、ASIC22は、状態S3に関して言及したように、ロックアウトタイマーをリセットする。制御トランジションは、1.25秒などの所定の時間期間で、状態S5から状態S3に戻る。
【0047】
図8に、別のモードにしたがって動作するASIC22を示す。状態S6において、ASIC22は、所定の時間にわたって外部LEDをオンにする。本発明の好ましい実施形態では、この時間は3.5秒である。0.5数秒など、追加の時間+所定の時間の後に、ASIC22は状態S7に進むが、これは、好ましくは、上述した状態S2に同様であるか、または同じである。4.25秒など、所定の時間量の後に、ASIC22は状態S8に進む。
【0048】
状態S8は、好ましくは、上述の
図7の状態S4に同様であるか、または同じである。状態S8にある間、動きが検出された場合には、制御は状態S9に進み、あるいは、ユーザによってスイッチSW1が閉じられた場合には、制御は状態S10に進む。状態S9は、状態S9ではバッテリー電圧が検査されないことを除いて、状態S7と同じである。好ましくは、状態S10は、
図7の状態S5に同様であるか、または同じである。制御は、4.25秒など、所定の時間期間の経過後に、状態S9から状態S11に進む。制御が状態S10にトランジションされた後、制御は、1.25秒など、さらなる所定の時間期間の経過後に、状態S10から状態S11に進む。状態S11は、好ましくは、
図7の状態S3に同様であるか、または同じである。
【0049】
ユーザによってスイッチSW1が閉じられた場合、制御は、状態S11から状態S10に戻る。制御が状態S11に進んだときから、20分など、特定の時間期間が経過すると、制御は、状態S11から状態S8に戻る。
【0050】
図9に、さらに別のモードで動作するASIC22を示す。ASIC22に電力供給すると、ASIC22は、状態S12で動作し、外部LEDをオンにする。制御は、4秒などの所定の時間期間にわたって状態S12に留まり、その後、制御トランジションは状態S13に移行するが、好ましくは、それぞれ、
図7および
図8の状態S2およびS7に同様であるか、または同じである。4.25秒など、ある特定の時間後に、制御は状態S14に進み、好ましくは、それぞれ、
図7および
図8の状態S4およびS8に同様であるか、または同じである。状態S14にある間に動きが検出された場合、制御は状態S15に進み、好ましくは、
図8の状態S9に同様であるか、または同じである。ASIC22が状態S14にある間にユーザによってスイッチSW1が閉じられた場合、制御は状態S16に移行し、好ましくは、それぞれ、
図7および
図8の状態S5およびS10に同様であるか、または同じである。制御は、4.25秒および1.25秒など、特定の時間期間の経過後に、それぞれ、状態S15およびS16から状態S17に進む。状態S17は、好ましくは、それぞれ、
図7および
図8の状態S3およびS11に同様であるか、同じである。
【0051】
ユーザがスイッチSW1を閉じた場合、制御は、状態S17から状態S16に進む。またさらに、以下により詳細に言及するように、第1の条件が満たされた場合、制御は、状態S17から状態S18に進む。また、以下でより詳細に言及するように、第2の条件が生じた場合、制御は、状態S17から状態S14に移行する。制御は、4.25秒など、ある特定の時間期間の経過後に、状態S18から状態S17に戻る。状態S18は、好ましくは、状態S15に同様であるか、または同じであるが、状態S18でロックアウトタイマーがリセットされない追加の機能を備えている。
【0052】
図9に示す機械状態において、第1の条件および第2の条件は、どの抵抗R3〜R5が端子PCに接続されているか、およびASIC22の端子PDに接続されたスイッチSW2の位置に左右される。以下の表1〜表3は、第1の条件がまったく生じないか、または状態S17への移行にかかる時間ベースで生じることを示している。第2の条件は、上述したように、状態S17への制御の移行にかかる複数の時間のうち1つの時間で生じる。スイッチSW2の位置は、以下の3つの表において、(
図5Bに示されるように)低位置、中間位置、および高位置と呼ばれる。
【表1】
【表2】
【表3】
【0053】
好ましい実施形態では、R3の抵抗値は10kΩであり、R4の抵抗値は20kΩであり、R5の抵抗値は160kΩである。
【0054】
図10は、ASIC22が動作を開始し、たとえば、
図7〜
図9のうちのいずれか1つに示した動作の特定の状態機械に進むときの、ASIC22の状態機械を示す。
図4のPOR64をアクティブ化すると、または、ASIC22に電力供給すると、動作の状態機械は、
図5のピンPCに接続された抵抗に依存するものとなる。システムは、状態PORで開始し、所定の時間にわたってこの状態に留まる。好ましい実施形態では、この時間は約1秒である。この時点で、ピンPCに接続された抵抗がR2に等しいとき、ASIC22は
図7の状態S1に進む。本発明の好ましい実施形態では、R2の抵抗値は40kΩである。ピンPCがGNDに接続されているとき、ASIC22は
図8に示す状態S6に進む。PCがR3、R4またはR5に接続されているとき、ASIC22は
図9の状態S12に進む。
【0055】
図11に、バッテリーレベルがしきい値レベルを下回ったときのASIC22の割込み動作の機械状態図を示す。本発明の好ましい実施形態では、バッテリーレベルは、上述したようなバッテリーモニター60によって感知され、バッテリーモニター60は、
図4のASIC22をシャットダウンするために、デジタルコントローラ54に信号フラグを送る。
図11の機械状態図は、外部モータが動作していない
図7〜
図10のいずれかの状態にあてはまり、これらの状態は状態S19によって表されている。ASICがモータを動作させておらず、バッテリー電圧レベルがしきい値まで降下したとき、ASIC22は状態S20に進む。この状態において、ASIC22は動作を停止する。