【実施例】
【0150】
本発明を以下、具体的な実施例に基づいて説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0151】
単離された新規化合物の構造は、
1H NMRおよび/または電子スプレイ源を備えた単一四重極装置(single quadrupole instrumentation)を用いる質量分析、その他適切な分析法により確認した。
1H NMRスペクトル(300MHzまたは400MHz、DMSO−d
6またはCDCl
3)を測定したものについては、その化学シフト(δ:ppm)およびカップリング定数(J:Hz)を示す。質量分析の結果については、M
++H、すなわち化合物分子質量(M)にプロトン(H
+)が付加した値として観測された測定値を示す。なお、以下の略号はそれぞれ次のものを表す。
s=singlet、d=doublet、t=triplet、q=quartet、brs=broad singlet、m=multiplet。
【0152】
以下の実施例の方法に従って合成された化合物について、さらに高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析、および電子スプレーイオン源を備えた飛行時間型質量分析計(TOF−MS:Time Of Flight−Mass Spectroscopy)を用いる質量分析法によっても分析を行った。
下記分析条件でのHPLC分析における化合物の保持時間(単位:分)を、HPLC保持時間として示す。
HPLC測定条件
測定装置:Hewlett−Packard 1100HPLC
カラム:Imtakt Cadenza CD−Cl8 100mm×4.6mm 3μm
UV:PDA検出(254nm)
カラム温度:40度
グラジエント条件:
溶媒:A:H
2O/アセトニトリル=95/5
0.05%TFA(トリフルオロ酢酸)
B:H
2O/アセトニトリル=5/95
0.05%TFA(トリフルオロ酢酸)
流速:1.0mL/分
勾配:0〜1分、溶媒B:2% 溶媒A:98%
1〜14分、溶媒B:2%→100% 溶媒A:98%→0%
14〜17分、溶媒B:100% 溶媒A:0%
17〜19分、溶媒B:100%→2% 溶媒A:0%→98%
また、質量分析の結果については、以下に示す装置および分析条件により観測された「M
++H」の値(Obs.Mass:すなわち化合物の分子質量(M)にプロトン(H
+)が付加した実測値)、「M
++H」の計算値(Pred.Mass)と共に、実測された「M
++H」の値から算出された組成式(Formula)も示す。
TOF−MS測定条件
質量分析装置:島津製作所 LCMS−IT−TOF
LC:Prominence
カラム:Phenomenex Synergi Hydro−RP 4.0mm×20mm 2.5μm
UV:PDA検出(254nm)
流量:0.6mL/分
カラム温度:40度
検出電圧:1.63kV
グラジェント条件:
溶媒:A:H
2O/アセトニトリル=95/5
0.1%HCOOH
B:H
2O/アセトニトリル=5/95
0.1%HCOOH
流速:0.5mL/分
勾配:0〜0.2分、溶媒B:2% 溶媒A:98%
0.2〜2.5分、溶媒B:2%→100% 溶媒A:98%→0%
2.5〜3.8分、溶媒B:100% 溶媒A:0%
3.8〜4.0分、溶媒B:100%→2% 溶媒A:0%→98%
4.0〜5.0分、溶媒B:2% 溶媒A:98%
【0153】
[参考例]N’−[(1E)−2,2−ジクロロエチリデン]−4−メチルベンゼン−1−スルホンヒドラジン(参考例化合物)の合成
p−トルエンスルホニルヒドラジン1.86gをプロピオン酸4mLに溶解し、0℃に冷却させた後に、ジクロロアセトアルデヒド水和物1.36gをプロピオン酸8mLに溶解させた溶液をゆっくりと滴下させた。この反応溶液を0℃で1時間撹拌させた後に、析出した固体を濾過し、トルエン10mLで洗浄後、減圧乾燥させることで、N’−[(1E)−2,2−ジクロロエチリデン]−4−メチルベンゼン−1−スルホンヒドラジン1.98gを得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ(ppm):2.45(3H,s),6.11(1H,d,J=8.0Hz),7.19(1H,d,J=4.0Hz), 7.35(1H,d,J=8.0Hz),7.80(1H,d,J=8.0Hz),7.92(1H,s)
【0154】
[実施例1]2−[3−(1H−イミダゾール−1−イル)−4−(2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボン酸(化合物番号
1)の合成(合成法(A))
(1)3−フルオロ−4−ヒドロキシベンゾニトリル41.1mg、臭化イソブチル33.4mgおよび炭酸カリウム62.2mgをジメチルホルムアミド1mLに懸濁させ、窒素雰囲気下、110℃で5時間加熱した。反応混合液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄後、乾燥、減圧濃縮を行い、3−フルオロ−4−(2−メチルプロポキシ)ベンゾニトリルの粗体を得た。
(2)上記で得られた3−フルオロ−4−(2−メチルプロポキシ)ベンゾニトリルの粗体に水素化ナトリウム15.7mg、イミダゾール24.5mgを加え、ジメチルスルホキシド1mLに懸濁させ、窒素雰囲気下、110℃で5時間加熱した。反応混合液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄後、乾燥、減圧濃縮を行い、3−(1H−イミダゾール−1−イル)−4−(2−メチルプロポキシ)ベンゾニトリルの粗体を得た。
ESI/MS m/e:242.1(M
++H,C
14H
16N
3O)
(3)上記で得られた3−(1H−イミダゾール−1−イル)−4−(2−メチルプロポキシ)ベンゾニトリルの粗体を酢酸0.2mL、チオ酢酸0.5mLに懸濁させ、窒素雰囲気下、50℃で14時間加熱した。その後、減圧濃縮を行い、3−(1H−イミダゾール−1−イル)−4−(2−メチルプロポキシ)ベンゼン−1−カルボチオアミドの粗体を得た。
ESI/MS m/e:276.1(M
++H,C
14H
18N
3OS)
(4)上記で得られた3−(1H−イミダゾール−1−イル)−4−(2−メチルプロポキシ)ベンゼン−1−カルボチオアミドの粗体にエチル−2−クロロアセトアセテート74.1mgを加え、エタノール1mLに懸濁させ、窒素雰囲気下、80℃で5時間加熱した。反応混合液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄後、乾燥、減圧濃縮を行い、エチル 2−[3−(1H−イミダゾール−1−イル)−4−(2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレートの粗体を得た。
ESI/MS m/e:386.1(M
++H,C
20H
24N
3O
3S)
(5)上記で得られたエチル 2−[3−(1H−イミダゾール−1−イル)−4−(2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレートの粗体をテトラヒドロフラン/メタノール=1/1の混合溶液1mLに溶解し、2M水酸化ナトリウム水溶液0.2mLを加えて、室温で4時間撹拌した。反応混合液に2M塩酸0.2mLを加えて撹拌した後に、水3mLを加え、酢酸エチル4mLで抽出した。有機相を濃縮した後に常法により精製し、2−[3−(1H−イミダゾール−1−イル)−4−(2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボン酸2.50mgを得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO d
6)δ(ppm):0.89(6H,d,J=6.4Hz),1.96−2.02(1H,m),2.65(3H,s),3.92(2H,d,J=6.4Hz),7.13(1H,s),7.37(1H,d,J=8.8Hz),7.55(1H,s),7.95−8.07(3H,m)
HPLC保持時間:8.15分
Obs Mass(M
++H):358.1215
Pred Mass(M
++H):358.1220
Formula(M):C
18H
19N
3O
3S
【0155】
[実施例2−6]
実施例1と同様にして、化合物番号
2〜
6を合成した。
【0156】
【表1】
【0157】
[実施例7]2−[3−(1H−イミダゾール−1−イル)−4−フェノキシフェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボン酸(化合物番号
7)の合成(合成法(A))
(1)3−クロロ−4−フルオロベンゾニトリル77.8mg、フェノール51.8mgおよび炭酸カリウム82.9mgをジメチルスルホシキド2mLに懸濁させ、窒素雰囲気下、100℃で14時間加熱した。続いて、反応混合液に水素化ナトリウム24.0mg、イミダゾール40.8mgを加え、窒素雰囲気下、140℃で5時間加熱した。反応混合液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄後、乾燥、減圧濃縮を行い、得られた粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製することで、3−(1H−イミダゾール−1−イル)−4−フェノキシベンゾニトリル65.2mgを得た。
ESI/MS m/e:262.2(M
++H,C
16H
12N
3O)
(2)上記で得られた3−(1H−イミダゾール−1−イル)−4−フェノキシベンゾニトリル65.2mgを酢酸0.3mL、チオ酢酸1.0mLに懸濁させ、窒素雰囲気下、50℃で14時間加熱した。その後、減圧濃縮を行い、3−(1H−イミダゾール−1−イル)−4−フェノキシベンゼン−1−カルボチオアミドの粗体を得た。
ESI/MS m/e:296.1(M
++H,C
16H
14N
3OS).
(3)上記で得られた3−(1H−イミダゾール−1−イル)−4−フェノキシベンゼン−1−カルボチオアミドの粗体にエチル−2−クロロアセトアセテート123.2mgを加え、エタノール2mLに懸濁させ、窒素雰囲気下、80℃で5時間加熱した。反応混合液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄後、乾燥、減圧濃縮を行い、得られた粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製することで、エチル 2−[3−(1H−イミダゾール−1−イル)−4−フェノキシフェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート72.2mgを得た。
ESI/MS m/e:406.1(M
++H,C
22H
20N
3O
3S).
(4)上記で得られたエチル 2−[3−(1H−イミダゾール−1−イル)−4−フェノキシフェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート20.2mgをテトラヒドロフラン/メタノール=1/1の混合溶液1mLに溶解し、2M水酸化ナトリウム水溶液0.2mLを加えて、50℃で2時間撹拌した。反応混合液に2M塩酸0.2mLを加えて撹拌した後に、水3mLを加え、酢酸エチル4mLで抽出した。有機相を濃縮した後に常法により精製し、2−[3−(1H−イミダゾール−1−イル)−4−フェノキシフェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボン酸9.0mgを得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO d
6)δ(ppm):2.61(3H,s),7.07−7.13(3H,m),7.20(1H,t,J=6.8Hz),7.42(2H,t, J=8.0Hz),7.59(2H,s),7.74(1H,d,J=7.6Hz),7.86(1H,dd,J=1.2,8.4Hz),8.08(1H,s)
HPLC保持時間:7.86分
Obs Mass(M
++H):378.0906
Pred Mass(M
++H):378.0907
Formula(M):C
20H
15N
3O
3S
【0158】
[実施例8]
実施例7と同様にして、化合物番号
8を合成した。
【0159】
【表2】
【0160】
[実施例9−14]
実施例1と同様にして、化合物番号
9−
14を合成した。
【0161】
【表3】
【0162】
[実施例15]
実施例7と同様にして、化合物番号
15を合成した。
【0163】
【表4】
【0164】
[実施例16]4−メチル−2−[4−(プロパン−2−イルオキシ)−3−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)フェニル]−1,3−チアゾール−5−カルボン酸(化合物番号
16)の合成(合成法(B))
(1)4−ブロモ−2−ニトロフェノール2.18gおよび炭酸カリウム2.07gをジメチルホルムアミド40mLに懸濁させ、窒素雰囲気下、ヨウ化イソプロピル2.04gを加えて、110℃で14時間加熱した。反応混合液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄後、乾燥、減圧濃縮を行い、得られた粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製することで、4−ブロモ−2−ニトロ−1−(プロパン−2−イルオキシ)ベンゼン2.08gを得た。
(2)上記で得られた4−ブロモ−2−ニトロ−1−(プロパン−2−イルオキシ)ベンゼン2.08gに炭酸水素化カリウム1.05g、塩化パラジウム(II)22mg、臭化銅(I)ジメチルスフフィド錯体102mgを加え、トルエン15mLに懸濁させた。その後にエチル 4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート1.02g、イソ酪酸46.2μL及びジ−t−ブチルシクロヘキシルホスフィン114mgを加えて、窒素雰囲気下、120℃で14時間加熱した。反応混合液をセライトろ過して不溶物を取り除き、ろ液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄後、乾燥、減圧濃縮した後に常法により精製し、エチル 4−メチル−2−[3−ニトロ−4−(プロパン−2−イルオキシ)フェニル]−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート1.38gを得た。
ESI/MS m/e:351.0(M
++H,C
16H
19N
2O
5S)
(3)エチル 4−メチル−2−[3−ニトロ−4−(プロパン−2−イルオキシ)フェニル]−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート1.38gをエタノール15mLに懸濁させ、パラジウム/炭素(10%wt)100mgを加えた後に、水素雰囲気下、50℃で14時間撹拌した。反応混合液をセライトろ過し、ろ液を減圧濃縮することで、エチル 2−[3−アミノ−4−(プロパン−2−イルオキシ)フェニル]− 4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート1.26gを得た。
ESI/MS m/e:321.1(M
++H,C
16H
21N
2O
3S)
(4)エチル 2−[3−アミノ−4−(プロパン−2−イルオキシ)フェニル]− 4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート1.26gをメタノール10mLに懸濁させた後、トリエチルアミン1.12mLを加え、反応溶液を0℃に冷却した。その後にN’−[(1E)−2,2−ジクロロエチリデン]−4−メチルベンゼン−1−スルホンヒドラジン1.01gをメタノール10mLに溶解させた溶液をゆっくり加えて、窒素雰囲気下、40℃で2時間加熱した。反応混合液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄後、乾燥、減圧濃縮を行い、得られた粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製することで、エチル 4−メチル−2−[4−(プロパン−2−イルオキシ)−3−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)フェニル]−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート501mgを得た。
ESI/MS m/e:373.1(M
++H,C
18H
21N
4O
3S)
(5)エチル 4−メチル−2−[4−(プロパン−2−イルオキシ)−3−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)フェニル]−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート501mgをテトラヒドロフラン/メタノール=1/1の混合溶液10mLに溶解し、2M水酸化ナトリウム水溶液1.35mLを加えて、室温で3時間撹拌した。反応混合液に2M塩酸1.35mLを加えて撹拌した後に、水8mLを加え、酢酸エチル20mLで抽出した。有機相を濃縮した後に常法により精製し、4−メチル−2−[4−(プロパン−2−イルオキシ)−3−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)フェニル]−1,3−チアゾール−5−カルボン酸415mgを得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO d
6)δ(ppm): 1.28(6H,d,J=5.6Hz),2.66(3H,s),4.83−4.89(1H,m),7.46(1H,d,J=8.8Hz),7.95(1H,s),8.06(1H,dd,J=2.0,8.8Hz),8.22(1H,d,J=2.8Hz),8.52(1H,s),13.39(1H,s)
HPLC保持時間:9.96分
Obs Mass(M
++H):345.1005
Pred Mass(M
++H):345.1016
Formula(M):C
16H
16N
4O
3S
【0165】
[実施例17−21]
実施例16と同様にして、化合物番号
17−
21を合成した。
【0166】
【表5】
【0167】
[実施例22−23]
実施例7と同様にして、化合物番号
22、
23を合成した。
【0168】
【表6】
【0169】
[実施例24]4−メチル−2−[4−(プロパン−2−イルオキシ)−3−(1H−1,2,3,4−テトラゾール−1−イル)フェニル]−1,3−チアゾール−5−カルボン酸(化合物番号
24)の合成(合成法(C))
(1)エチル 2−[3−アミノ−4−(プロパン−2−イルオキシ)フェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート1.23gを酢酸20mLに懸濁させた後、アジ化ナトリウム478mg、オルソギ酸トリエチル1.09gを加え、窒素雰囲気下、70℃で2時間加熱した。室温まで冷却させた後に反応混合液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄後、乾燥、減圧濃縮した後に常法により精製し、エチル 4−メチル−2−[4−(プロパン−2−イルオキシ)−3−(1H−1,2,3,4−テトラゾール−1−イル)フェニル]−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート1.13gを得た。
ESI/MS m/e:374.1(M
++H,C
17H
20N
5O
3S)
(2)エチル 4−メチル−2−[4−(プロパン−2−イルオキシ)−3−(1H−1,2,3,4−テトラゾール−1−イル)フェニル]−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート1.13gをテトラヒドロフラン/メタノール=1/1の混合溶液15mLに溶解し、2M水酸化ナトリウム水溶液3.0mLを加えて、室温で3時間撹拌した。反応混合液に2M塩酸3.0mLを加えて撹拌した後に、水7mLを加え、酢酸エチル30mLで抽出した。有機相を濃縮した後に常法により精製し、4−メチル−2−[4−(プロパン−2−イルオキシ)−3−(1H−1,2,3,4−テトラゾール−1−イル)フェニル]−1,3−チアゾール−5−カルボン酸920mgを得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO d
6)δ(ppm): 1.28(6H,d,J=6.0Hz),2.65(3H,s),4.84−4.90(1H,m),7.50(1H,d,J=9.6Hz),8.13(1H,dd,J=2.4,8.8Hz),8.27(1H,d,J=2.4Hz),9.79(1H,s),13.41(1H,s)
HPLC保持時間:9.99分
Obs Mass(M
++H):346.0958
Pred Mass(M
++H):346.0968
Formula(M):C
15H
15N
5O
3S
【0170】
[実施例25−30]
実施例24と同様にして、化合物番号
25−
28を合成した。
【0171】
【表7】
【0172】
[実施例29]2−[4−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−3−(1H−1,2,3,4−テトラゾール−1−イル)フェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボン酸(化合物番号
29)の合成(合成法(C))
(1)実施例16および24と同様にして、4−ブロモ−2−ニトロフェノール4.36gからエチル [4−(メトキシメトキシ)−3−(1H−1,2,3,4−テトラゾール−1−イル)フェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート1.97gを得た。
ESI/MS m/e:376.0(M
++H,C
16H
18N
5O
4S)
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ(ppm): 1.40(6H,d,J=7.2Hz),2.78(3H,s),3.48(3H,s),4.36(2H,q,J=6.8Hz),5.34(2H,s),7.45(1H,d,J=8.8Hz),8.05(1H,dd,J=2.4,8.8Hz),8.44(1H,d,J=2.4Hz),9.17(1H,s)
(2)エチル [4−(メトキシメトキシ)−3−(1H−1,2,3,4−テトラゾール−1−イル)フェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート1.97gを1,4−ジオキサン25mLに溶解し、2M塩酸5.0mLを加えて、60℃で8時間撹拌した。反応混合液を室温まで冷却した後、析出した固体をろ過することにより、エチル 2−[4−ヒドロキシ−3−(1H−1,2,3,4−テトラゾール−1−イル)フェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート1.49gを得た。
ESI/MS m/e:332.0(M
++H,C
14H
14N
5O
3S)
1H−NMR(400MHz,DMSO d
6)δ(ppm): 1.39(6H,d,J=7.2Hz),2.76(3H,s),4.35(2H,q,J=7.2Hz),7.22(1H,d,J=8.4Hz),7.39(1H,s),7.90(1H,dd,J=2.4,8.8Hz),8.45(1H,d,J=2.8Hz),9.44(1H,s)
(3)2−メチルプロパン−1,3−ジオール13.5mgをテトラヒドロフラン1mLに溶解し、トリフェニルホスフィン39.3mg、ジエチル アゾジカルボキシレートの40%トルエン溶液65μLを加えて、室温で30分間撹拌した後、エチル 2−[4−ヒドロキシ−3−(1H−1,2,3,4−テトラゾール−1−イル)フェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート33.1mgを加えて、室温で3時間撹拌した。反応混合液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄後、乾燥、減圧濃縮した後に常法により精製し、エチル 2−[4−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−3−(1H−1,2,3,4−テトラゾール−1−イル)フェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート67.7mgを得た。
ESI/MS m/e:404.1(M
++H,C
18H
22N
5O
4S)
(4)エチル 2−[4−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−3−(1H−1,2,3,4−テトラゾール−1−イル)フェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート34.1mgをテトラヒドロフラン/メタノール=1/1の混合溶液1.0mLに溶解し、2M水酸化ナトリウム水溶液0.2mLを加えて、室温で3時間撹拌した。反応混合液に2M塩酸0.2mLを加えて撹拌した後に、水3mLを加え、酢酸エチル4mLで抽出した。有機相を濃縮した後に常法により精製し、2−[4−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−3−(1H−1,2,3,4−テトラゾール−1−イル)フェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボン酸15.4mgを得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO d
6)δ(ppm): 0.82(3H,d,J=6.8Hz),1.90−1.98(1H,m),2.66(3H,s),3.25−3.28(2H,m),4.04−4.15(2H,m),4.62(1H,m),7.48(1H,d,J=8.8Hz),8.17(1H,dd,J=2.0,8.8Hz),8.28(1H,d,J=2.0Hz),9.80(1H,s),13.37(1H,brs)
HPLC保持時間:8.23分
Obs Mass(M
++H):376.1074
Pred Mass(M
++H):376.1074
Formula(M):C
16H
17N
5O
4S
【0173】
[実施例30]2−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−3−(1H−1,2,3,4−テトラゾール−1−イル)フェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボン酸(化合物番号
30)の合成(合成法(C))
(1)エチル 2−[4−ヒドロキシ−3−(1H−1,2,3,4−テトラゾール−1−イル)フェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート33.1mgをジメチルホルムアミド1.0mLに溶解し、炭酸カリウム20.7mg、3−ブロモ−2−メチルプロペン16.2mgを加えて、100℃で4時間撹拌した。反応混合液を室温まで冷却した後に、水3mL、酢酸エチル4mLを加えて撹拌し、有機相を濃縮し、エチル 4−メチル−2−{4−[(2−メチルプロペン−1−イル)オキシ]−3−(1H−1,2,3,4−テトラゾール−1−イル)フェニル}−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート34.1mgを得た。
(2)エチル 4−メチル−2−{4−[(2−メチルプロペン−1−イル)オキシ]−3−(1H−1,2,3,4−テトラゾール−1−イル)フェニル}−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート34.1mgに35%硫酸水溶液1.0mLを加えて、80℃で4時間撹拌した。反応混合液を室温まで冷却した後に、水3mL、酢酸エチル4mLを加えて撹拌し、有機相を濃縮した後に常法により精製し、エチル 2−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−3−(1H−1,2,3,4−テトラゾール−1−イル)フェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート9.9mgを得た。
ESI/MS m/e:404.1(M
++H,C
18H
22N
5O
4S)
(3)エチル 2−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−3−(1H−1,2,3,4−テトラゾール−1−イル)フェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート9.9mgをテトラヒドロフラン/メタノール=1/1の混合溶液1.0mLに溶解し、2M水酸化ナトリウム水溶液0.2mLを加えて、室温で3時間撹拌した。反応混合液に2M塩酸0.2mLを加えて撹拌した後に、水3mLを加え、酢酸エチル4mLで抽出した。有機相を濃縮した後に常法により精製し、2−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−3−(1H−1,2,3,4−テトラゾール−1−イル)フェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボン酸4.8mgを得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO d
6)δ(ppm): 1.08(6H,s),2.66(3H,s),3.96(2H,s),4.80(1H,s),7.50(1H,d,J=8.8Hz),8.15(1H,dd,J=2.8,8.8Hz),8.31(1H,d,J=2.4Hz),9.90(1H,s),13.44(1H,brs)
HPLC保持時間:8.29分
Obs Mass(M
++H):376.1073
Pred Mass(M
++H):376.1074
Formula(M):C
16H
17N
5O
4S
【0174】
[実施例31−32]
実施例24と同様にして、化合物番号
31および
32を合成した。
【0175】
【表8】
【0176】
[実施例33]4−メチル−2−[4−フェノキシ−3−(1H−1,2,3,4−テトラゾール−1−イル)フェニル]−1,3−チアゾール−5−カルボン酸(化合物番号
33)の合成(合成法(C))
(1)5−ブロモ−2−フルオロニトロベンゼン2.20gに炭酸水素化カリウム2.10g、塩化パラジウム(II)44mg、臭化銅(I)ジメチルスルフィド錯体205mgを加え、トルエン20mLに懸濁させた。その後にエチル 4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート2.05g、イソ酪酸92.5μL及びジ−t−ブチルシクロヘキシルホスフィン228mgを加えて、窒素雰囲気下、120℃で14時間加熱した。反応混合液をセライトろ過して不溶物を取り除き、ろ液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄後、乾燥、減圧濃縮を行い、得られた粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製することで、エチル 2−(4−フルオロ−3−ニトロフェニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート2.28gを得た。
ESI/MS m/e:311.0(M
++H,C
13H
12FN
2O
4S)
(2)エチル 2−(4−フルオロ−3−ニトロフェニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート931mg、フェノール339mgおよび炭酸カリウム622mgをジメチルホルムアミド15mLに懸濁させ、窒素雰囲気下、100℃で14時間加熱した。室温まで冷却させた後に反応混合液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄後、乾燥、減圧濃縮を行い、得られた粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製することで、エチル 2−(3−ニトロ−4−フェノキシフェニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート1.14gを得た。
ESI/MS m/e:385.0(M
++H,C
19H
17N
2O
5S)
(3)エチル 2−(3−ニトロ−4−フェノキシフェニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート1.14gをエタノール15mLに懸濁させ、パラジウム/炭素(10%wt)300mgを加えた後に、水素雰囲気下、室温で14時間撹拌した。反応混合液をセライトろ過し、ろ液を減圧濃縮することで、エチル 2−(3−アミノ−4−フェノキシフェニル)− 4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート1.05gを得た。
ESI/MS m/e:355.1(M
++H,C
19H
19N
2O
3S)
(4)エチル 2−(3−アミノ−4−フェノキシフェニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート1.05gを用いて、実施例24と同様にして、4−メチル−2−[4−フェノキシ−3−(1H−1,2,3,4−テトラゾール−1−イル)フェニル]−1,3−チアゾール−5−カルボン酸458mgを得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO d
6)δ(ppm): 2.67(3H,s),7.11−7.29(4H,m),7.43−7.48(2H,m),8.15(1H,dd,J=2.4,8.8Hz),8.42(1H,d,J=2.0Hz),9.97(1H,s)
HPLC保持時間:10.79分
Obs Mass(M
++H):380.0803
Pred Mass(M
++H):380.0812
Formula(M):C
18H
13N
5O
3S
【0177】
[実施例34−48]
実施例33と同様にして、化合物番号
34−
48を合成した。
【0178】
【表9】
【0179】
【表10】
【0180】
[実施例49]4−メチル−2−{4−[(2−メチルプロピル)スルファニル]−3−(1H−1,2,3,4−テトラゾール−1−イル)フェニル}−1,3−チアゾール−5−カルボン酸(化合物番号
49)の合成(合成法(D))
(1)エチル 2−[4−フルオロ−3−ニトロフェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート155.2mgと炭酸セシウム244.4mgをN,N−ジメチルホルムアミド1.5mLに懸濁させ、2−メチルプロピルチオール49.6mgを加え、窒素雰囲気下、80℃で5時間加熱した。室温まで冷却させた後に反応混合液に水3mLを加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を減圧濃縮することでエチル 2−[4−(2−メチルプロピルチオ)−3−ニトロフェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレートの粗体を得た。
(2)上記で得られたエチル 2−[4−(2−メチルプロピルチオ)−3−ニトロフェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレートの粗体を水素雰囲気下、パラジウム炭素で還元することによりエチル 2−[3−アミノ−4−(2−メチルプロピルチオ)フェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレートを得た。
(3)上記で得られたエチル 2−[3−アミノ−4−(2−メチルプロピルチオ)フェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレートを酢酸2.0mLに懸濁させた後、アジ化ナトリウム65mg、オルソギ酸トリエチル148mgを加え、窒素雰囲気下、70℃で5時間加熱した。室温まで冷却させた後に反応混合液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄後、乾燥、減圧濃縮した後に常法により精製し、エチル 4−メチル−2−{4−[(2−メチルプロピル)スルファニル]−3−(1H−1,2,3,4−テトラゾール−1−イル)フェニル}−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート123mgを得た。
(4)上記で得られたエチル 4−メチル−2−{4−[(2−メチルプロピル)スルファニル]−3−(1H−1,2,3,4−テトラゾール−1−イル)フェニル}−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート123mgをテトラヒドロフラン/メタノール=1/1の混合溶液2mLに溶解し、2M水酸化ナトリウム水溶液0.5mLを加えて、室温で3時間撹拌した。反応混合液に2M塩酸0.5mLを加えて撹拌した後に、水3mLを加え、酢酸エチルで抽出した。有機相を濃縮した後に常法により精製し、4−メチル−2−{4−[(2−メチルプロピル)スルファニル]−3−(1H−1,2,3,4−テトラゾール−1−イル)フェニル}−1,3−チアゾール−5−カルボン酸67.9mgを得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO d
6)δ(ppm):0.91(6H,d,J=8.0Hz),1.75(1H,septet,J=8.0Hz),2.66(3H,s),2.93(2H,d,J=8.0Hz),7.78(1H,d,J=8.0Hz),8.17−8.19(2H,m),9.89(1H,s),13.48(1H,brs)
HPLC保持時間:11.19分
Obs Mass(M
++H):376.0887
Pred Mass(M
++H):376.0896
Formula(M):C
16H
17N
5O
2S
2【0181】
[実施例50−51]
実施例49と同様にして、化合物番号
50、
51を合成した。
【0182】
【表11】
【0183】
[実施例52]4−メチル−2−[4−(N,N−ジエチルアミノ)−3−(1H−1,2,3,4−テトラゾール−1−イル)フェニル]−1,3−チアゾール−5−カルボン酸(化合物番号
52)の合成
(1)5−ブロモ−2−フルオロニトロベンゼン220mgと炭酸カリウム276mgをN,N−ジメチルホルムアミド2mLに懸濁させ、N,N−ジエチルアミン88mgを加え、窒素雰囲気下、40℃で14時間加熱した。室温まで冷却させた後に反応混合液に水3mLを加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を減圧濃縮することで5−ブロモ−2−(N,N−ジエチルアミノ)ニトロベンゼンの粗体を得た。
(2)上記で得られた5−ブロモ−2−(N,N−ジエチルアミノ)ニトロベンゼンの粗体に炭酸水素化カリウム210.3mg、塩化パラジウム(II)5.3mg、臭化銅(I)ジメチルスルフィド錯体49.3mg、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ビフェニル21.5mgを加え、トルエン2mLに懸濁させた。その後にエチル 4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート188.3mg、イソ酪酸10.6mgを加え、窒素雰囲気下、130℃で13時間加熱した。反応混合液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を減圧濃縮した後に、得られた粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製することで、エチル 2−[4−(N,N−ジエチルアミノ)−3−ニトロフェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート256.1mgを得た
(3)上記で得られたエチル 2−[4−(N,N−ジエチルアミノ)−3−ニトロフェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレートを水素雰囲気下、パラジウム炭素で還元することによりエチル 2−[3−アミノ−4−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレートを得た。
(4)上記で得られたエチル 2−[3−アミノ−4−(N,N−ジエチルアミノ)フェ
ニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレートを酢酸3.0mLに懸濁させた後、アジ化ナトリウム91.6mg、オルソギ酸トリエチル209.2mgを加え、窒素雰囲気下、70℃で5時間加熱した。室温まで冷却させた後に反応混合液に水および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄後、乾燥、減圧濃縮した後に常法により精製し、エチル 2−[4−(N,N−ジエチルアミノ)−3−(1H−1,2,3,4−テトラゾール−1−イル)フェニル]−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート295.9mgを得た。
(5)上記で得られたエチル 2−[4−(N,N−ジエチルアミノ)−3−(1H−1,2,3,4−テトラゾール−1−イル)フェニル]−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート295.9mgをテトラヒドロフラン/メタノール=1/1の混合溶液3mLに溶解し、2M水酸化ナトリウム水溶液2.0mLを加えて、室温で2時間撹拌した。反応混合液に2M塩酸2.0mLを加え、常法により精製することで4−メチル−2−[4−(N,N−ジエチルアミノ)−3−(1H−1,2,3,4−テトラゾール−1−イル)フェニル] −1,3−チアゾール−5−カルボン酸199.9mgを得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO d
6)δ(ppm):0.85(6H,d,J=8.0Hz),2.64(3H,s),2.80(4H,d,J=8.0Hz),7.41(1H,d,J=8.0Hz),8.02(1H,d,J=4.0Hz),8.08(1H,dd,J=8.0, 4.0Hz),9.82(1H,s)
HPLC保持時間:10.50分
obs Mass(M
++H):359.1289
Pred Mass(M
++H):359.1285
Formula(M):C
16H
18N
6O
2S
【0184】
[実施例53]
実施例52と同様にして、化合物番号53を合成した。
【0185】
【表12】
【0186】
[実施例54]
以上の実施例の方法に従って合成された化合物について、キサンチンオキシダーゼ阻害活性を測定した。
(1)試験化合物の調製
試験化合物をDMSO(シグマ社製)に20mMの濃度になるように溶解した後、使用時の目的の濃度に調製して用いた。
(2)測定方法
本発明化合物のキサンチンオキシダーゼ阻害活性評価を文献記載の方法(Method Enzymatic Analysis,1,521−522,1974)を一部改変して実施した。本評価は、オキシダーゼ型のキサンチンオキシドレダクターゼ活性の測定により行われた。すなわち、あらかじめ20mM水酸化ナトリウム溶液にて10mMに調製したキサンチン(シグマ社製)溶液を100mMリン酸緩衝液を用いて30μMに調製し、96穴プレートに75μL/穴ずつ加えた。最終濃度の100倍になるようにDMSOにて希釈した各試験化合物を1.5μL/穴ずつ添加し、ミキシング後にマイクロプレートリーダーSPECTRA max Plus384(モレキュラーデバイス社製)にて290nmの吸光度を測定した。続けてオキシダーゼ型キサンチンオキシドレダクターゼ(バターミルク由来、Calbiochem社製)を100mMリン酸緩衝液を用いて30.6mU/mLに調製し、73.5μL/穴ずつ加えた。ミキシング後速やかに290nmにおける吸光度変化を5分間測定した。試験化合物溶液の代わりにDMSOを添加したときの酵素活性を100%として試験化合物の阻害率を計算し、用量応答曲線にフィットさせてオキシダーゼ型キサンチンオキシドレダクターゼに対する50%阻害濃度を計算した。
この結果を以下の表に示す。但し、表中の記号(+、++、+++)は以下の通りの阻害活性値を表しているものとする。
10.0nM≦IC
50:+
5.0nM≦IC
50<10.0nM:++
1.0nM≦IC
50<5.0nM:+++
【0187】
【表13】
【0188】
[実施例55]
血中尿酸低下作用(正常ラット)
化合物番号17、24、25および26の化合物について、血中尿酸低下作用を確認した。8〜9週齢のSprague−Dawley系雄性ラット(日本チャールス・リバー株式会社)に0.5%メチルセルロース液に懸濁した試験化合物を経口ゾンデを用いて強制投与した。投与後2時間に尾静脈より採血した後、血漿を分離した。血中尿酸値は尿酸測定キット(LタイプワコーUA・F:和光純薬工業)を用いて、ウリカーゼ法にて吸光度計を用いて測定し、尿酸低下率を下式により求めた。
尿酸低下率(%)=(対照動物の尿酸値−試験化合物投与動物の尿酸値)x100/対照動物の尿酸値
化合物番号17、24、25および26の化合物はいずれも、10mg/kgの用量において尿酸低下率50%以上を示した。
さらに、化合物番号24、25及び26の化合物は1mg/kgの用量においても、尿酸低下率50%以上を示した。
この結果から、本発明の化合物が強力な血中尿酸低下効果を有することが示された。
【0189】
[実施例56]
血中尿酸低下作用の持続性(正常ラット)
化合物番号17、25及び26の化合物を用いて、実施例55と同じ方法でSprague−Dawley系雄性ラットに試験化合物を投与した。投与後24時間に尾静脈より採血した後、血漿を分離した。血中尿酸値は尿酸測定キット(LタイプワコーUA・F:和光純薬工業)を用いて、ウリカーゼ法にて吸光度計を用いて測定し、尿酸低下率を下式により求めた。尿酸低下率(%)
=(対照動物の尿酸値−試験化合物投与動物の尿酸値)x100/対照動物の尿酸値 化合物番号17、25及び26の化合物はいずれも、10mg/kgの用量において、投与後24時間において、尿酸低下率50%以上を示した。
さらに、化合物番号25及び26の化合物はいずれも、3mg/kgの用量においても、投与後24時間において、尿酸低下率40%以上を示した。
この結果から、本発明の化合物が長時間にわたる持続的な血中尿酸低下効果を有することが示された。
【0190】
[実施例57]
血中尿酸低下作用(高尿酸血症ビーグル犬)
化合物番号25について、オキソン酸により高尿酸血症を惹起したビーグル犬における血中尿酸低下作用を確認した。ビーグル犬(北山ラベス)に0.5%メチルセルロース液に懸濁した試験化合物を強制経口投与した。化合物投与前および投与4時間後にオキソン酸カリウム(50mg/kg)を皮下投与した。化合物投与8時間後、橈側皮静脈より採血した後、血漿を分離した。血中尿酸値はLC−MS/MS法を用いて測定し、尿酸低下率を下式により求めた。
尿酸低下率(%)=(対照動物の尿酸値−試験化合物投与動物の尿酸値)x100/対照動物の尿酸値
投与8時間後において、化合物25は10mg/kgの用量において尿酸低下作用を示した。
この結果から、本発明の化合物がイヌにおいて強力な血中尿酸低下効果を有することが示された。
【0191】
[実施例58]
組織および血漿におけるキサンチンオキシダーゼ阻害活性の持続性
本発明の「キサンチンオキシダーゼ」について、本実施例に限り、オキシダーゼ型のキサンチンオキシドレダクターゼが担う酸化反応触媒活性と、オキシダーゼ型とデヒドロゲナーゼ型両方のキサンチンオキシドレダクターゼが担う酸化反応触媒活性とを区別するために、前者を「XO活性」、後者を「XOR活性」と称する。「組織XO活性」、「血漿XO活性」、「組織XO阻害活性」、「組織XOR阻害活性」等についても、「XO活性」および「XOR活性」は同じ意味を有する。「組織」には、肝臓、腎臓、脂肪組織、腸、血管が含まれる。なお、下記の結果より、本発明の化合物について、同一サンプルにおけるXOR活性阻害率とXO活性阻害率は同程度の数値となるものと解される。
化合物番号17、25および26の化合物について、組織XO活性、組織XOR活性および血漿XO活性を確認した。7〜9週齢のSprague−Dawley系雄性ラット(日本チャールス・リバー株式会社)に0.5%メチルセルロース液に懸濁した試験化合物を経口ゾンデを用いて強制投与した。投与後24時間または27時間後に腹大動脈からの採血および組織の採材を行った。得られた血液は遠心分離し、血漿を採取した。
組織XO活性、組織XOR活性および血漿XO活性は、pterinがそれぞれの型のキサンチンオキシドレダクターゼにより酸化され蛍光物質であるisoxanthopterinが生成される反応を用いて測定した。組織を各組織濃度が肝臓:25mg/mL、腎臓:25mg/mL、脂肪:5mg/mL、腸:5mg/mL、血管:30mg/mLとなるように、1mMEDTAおよびプロテアーゼ阻害剤を含んだpH7.4のリン酸カリウム溶液でホモジナイズし、4℃、12000rpmで15分遠心した。XO活性の測定時は組織ホモジネートの上清または血漿を50μM pterinを含んだ溶液と混合し37℃で反応させた。XOR活性の測定時は、組織ホモジネートの上清を50μM pterinおよび50μM Methylene Blueを含んだ溶液と混合し37℃で反応させた。コントロールとしてオキシダーゼ型キサンチンオキシドレダクターゼ(バターミルク由来、Calbiochem社製)と50μM pterinを含んだ溶液を同様の方法で反応させた。生成されたisoxanthopterinの蛍光強度を測定し、コントロールの酵素活性およびタンパク濃度で補正しXOまたはXOR活性として算出した。
XO阻害活性およびXOR阻害活性は下式により求めた。
XO阻害活性(%)=(対照動物のXO活性またはXOR活性−試験化合物投与動物のXO活性またはXOR活性)x100/対照動物のXO活性またはXOR活性
化合物17,25,26投与約27時間後の組織および血漿XO阻害活性を次の表に示す。
【0192】
【表14】
【0193】
化合物25投与24時間後の腸、脂肪組織および血管のXOR阻害活性を次の表に示す。
【0194】
【表15】
【0195】
化合物番号17、25及び26の化合物はいずれも、10mg/kgの用量において、投与後27時間の肝臓のXO活性を対照動物と比較して80%以上阻害した。
化合物番号17、25及び26の化合物はいずれも、10mg/kgの用量において、投与後27時間の腎臓のXO活性を対照動物と比較して70%以上阻害した。
化合物番号17、25及び26の化合物はいずれも、10mg/kgの用量において、投与後27時間の血漿のXO活性を対照動物と比較して40%以上阻害した。
また、化合物25は10mg/kgの用量において、投与後24時間の腸のXOR活性を対照動物と比較して80%以上阻害した。
化合物25は10mg/kgの用量において、投与後24時間の脂肪組織のXOR活性を対照動物と比較して60%以上阻害した。
化合物25は10mg/kgの用量において、投与後24時間の血管のXOR活性を対照動物と比較して40%以上阻害した。
化合物25は10mg/kgの用量において、投与後24時間の肝臓のXOR活性およびXO活性それぞれを対照動物と比較して80%以上阻害した。
化合物25は10mg/kgの用量において、投与後24時間の腎臓のXOR活性およびXO活性それぞれを対照動物と比較して70%以上阻害した。
さらに、化合物番号17、25及び26の化合物はいずれも、1mg/kgの用量において、投与後27時間の肝臓のXO活性を対照動物と比較して80%以上阻害した。
化合物番号17、25及び26の化合物はいずれも、1mg/kgの用量において、投与後27時間の腎臓のXO活性を対照動物と比較して60%以上阻害した。
化合物番号17、25及び26の化合物はいずれも、1mg/kgの用量において、投与後27時間の血漿のXO活性を対照動物と比較して25%以上阻害した。
また、化合物25は1mg/kgの用量において、投与後24時間の腸XOR活性を対照動物と比較して60%以上阻害した。
化合物25は1mg/kgの用量において、投与後24時間の脂肪組織XOR活性を対照動物と比較して30%以上阻害した。
化合物25は1mg/kgの用量において、投与後24時間の血管XOR活性を対照動物と比較して25%以上阻害した。
化合物25は1mg/kgの用量において、投与後24時間の肝臓のXOR活性およびXO活性それぞれを対照動物と比較して80%以上阻害した。
化合物25は1mg/kgの用量において、投与後24時間の腎臓のXOR活性およびXO活性それぞれを対照動物と比較して60%以上阻害した。
この結果から、本発明の化合物が長時間にわたる持続的なXO活性、XOR活性阻害作用を有することが示された。