【実施例】
【0028】
(実施例1)
スチレンブタジエン共重合ゴム(商品名:SBR1502)100.0g、補強材としてカーボンブラック54.3g、軟化剤としてナフテン系オイル38.5g、老化防止剤RD(アンテージRD)0.66g、同じく6C(ノクラック6C)を0.66g、同じくBHT(アンテージBHT)を0.44g、亜鉛華4.27g、ステアリン酸0.77g、引き裂き防止剤としてマイクロクリスタリンワックス1.69g、硫黄2.75g、加硫促進剤TET(ノクセラーTET)0.38g、同じくD(ノクセラーD)を3.1g、同じくCZ(ノクセラーCZ)を0.58g、同じくDM(ノクセラーDM)を0.96g、同じくTT(ノクセラーTT)を0.10g配合し、二本ロールを使用し温度70℃で混練りした。この未加硫配合ゴムをここで「A配合」とする。
【0029】
このA配合209.2g(100.0gのゴムを含有)に吸水性材料としてベントナイトを120.0g加えて混練りした未加硫配合ゴムを「B配合」とする。
【0030】
次に、加硫条件を160℃、20分とし、B配合の未加硫ゴム・厚さ0.66mmの上下を、各々0.66mmの厚さのA配合の未加硫ゴムで挟んで加硫し、厚さ2.0mmの三層積層物の加硫ゴムシートを作製した。この積層物の物性は硬さ67.2HA、引張応力7.0MPa時伸び235%、引張強さ14.1MPa、引張伸び398%であった。このサンプルを40日間水に浸漬した時の吸水量はサンプル重量の1.8%であった。
以上の通り、本発明の積層物は、表1(JWWA K156(2004))の物性規格のIII・65の規格を満足するものであった。
【0031】
A配合209.2gに40.0gのベントナイトを加えて混練りした未加硫配合ゴムを「C配合」とする。このC配合で厚さ2.0mmの加硫ゴムシートを上記と同じ条件で作製した。このブレンド物は上記の積層物と等量の吸水性材料を含有する。このブレンド物の物性は硬さ66.2HA、引張応力7.0MPa時伸び253%、引張強さ12.3MPa、引張伸び389%であった。このサンプルを40日間水に浸漬した時の吸水量はサンプル重量の2.5%であった。
C配合のみによるゴム材料の場合は、表1(JWWA K156(2004))の物性規格のIII・65の規格を満足することはできなかった。
【0032】
これから等しい量の吸水性材料の使用で積層物がブレンド物に比べ物性上有利であることが分かる。吸水量は初期状態では若干ブレンド物が多いが吸水性材料の量は等しいので何れ同等になると考えられる。
【0033】
尚、
図1に積層物及びブレンド物のベントナイト配合率に対する引張応力の変化を示す。この図からも、積層物の方がブレンド物よりも優位なのは明らかである。層構造や吸水性材料が変わっても、積層物の優位性は変わらないことは言うまでもない。
【0034】
(実施例2)
実施例1におけるA配合である厚さ1.0mmの層の上下を実施例1に於けるB配合である厚さ0.5mmの層二枚で挟んだ厚さ2.0mmの三層構造の加硫ゴム積層物を作製した。
この積層物の物性は硬さ68.8HA、引張応力7.0MPa時伸び233%、引張強さ12.8MPa、引張伸び410%であった。このサンプルを40日間水に浸漬した時の吸水量はサンプル重量の5.7%であった。
以上の通り、本発明の積層物は、表1(JWWA K156(2004))の物性規格のIII・65の規格を満足するものであった。
【0035】
A配合209.2gに60.0gのベントナイトを加えて混練りした。この配合を「D配合」とする。このD配合で厚さ2.0mmの加硫ゴムシートを上記と同じ条件で作製した。 このブレンド物の物性は硬さ70.0HA、引張応力7.0MPa時伸び263%、引張強さ11.8MPa、引張伸び407%であった。
D配合のみによるゴム材料の場合は、表1(JWWA K156(2004))の物性規格のIII・65の規格を満足することはできなかった。
【0036】
このサンプルを40日間水に浸漬した時の吸水量はサンプル重量の3.8%であった。これから等しい量の吸水性材料の使用で積層物がブレンド物に比べ物性上有利であることが分かる。吸水量も積層物がブレンド物よりも多い。しかし吸水性材料の量は等しいので何れ同等になると考えられる。
【0037】
(実施例3)
実施例1におけるA配合209.2gに吸水性材料としてポリアクリル酸ソーダ架橋物を120.0g加えて混練した未加硫配合ゴムを「E配合」とする。そして、A配合である厚さ1.0mmの層の上下をE配合である厚さ0.5mmの層二枚で挟んだ厚さ2.0mmの三層構造の加硫ゴム積層物を作製した。
その積層物の物性は硬さ67.8HA、引張応力7.0MPa時伸び243%、引張強さ13.4MPa,引張伸び441%であった。このサンプルを40日間水に浸漬した時の吸水量はサンプル重量の13.6%であった。
以上の通り、本発明の積層物は、表1(JWWA K156(2004))の物性規格のIII・65の規格を満足するものであった。
【0038】
A配合209.2gにポリアクリル酸ソーダ架橋物を60.0g加えて混練りした。この配合を「F配合」とする。このF配合で厚さ2.0mmの加硫ゴムシートを上記と同じ条件で作製した。このブレンド物の物性は硬さ68.8HA,引張応力7.0MPa時伸び252%、引張強さ11.5MPa,引張伸び357%であった。
F配合のみによるゴム材料の場合は、表1(JWWA K156(2004))の物性規格のIII・65の規格を満足することはできなかった。
【0039】
このサンプルを40日間水に浸漬した時の吸水量はサンプル重量の11.8%であった。このことから等しい量の吸水性材料の使用で積層物がブレンド物に比べて物性上有利であることが分かる。吸水量も積層物がブレンド物よりも多い。しかし吸水性材料の量は等しいので何れ同等になると考えられる。
【0040】
(実施例4)
実施例1におけるA配合の加硫促進剤D(ノクセラーD)の量を3.1gから0.62gに変更したものを「G配合」とする。そのG配合206.7gに吸水性材料としてシリカ60.0g、木炭5.0gを加えて混練した未加硫配合ゴムを「H配合」とする。そして、A配合である厚さ1.0mmの層の上下をH配合である厚さ0.5mmの層二枚で挟んだ厚さ2.0mmの三層構造の加硫ゴム積層物を作製した。
その積層物の物性は硬さ72.0HA、引張応力7.0MPa時伸び177%、引張強さ14.1MPa、引張伸び364%であった.このサンプルを40日間水に浸漬した時の吸水量はサンプル重量の3.1%であった。
以上の通り、本発明の積層物は、表1(JWWA K156(2004))の物性規格のIII・75の規格を満足するものであった。
【0041】
G配合206.7gにシリカ30.0g、木炭2.5g加えて混練した。この配合を「I配合」とする。このI配合で厚さ2.0mmの加硫ゴムシートを上記と同じ条件で作製した。
このブレンド物の物性は硬さ71.2HA、引張応力7.0MPa時伸び223%、引張強さ14.3MPa,引張伸び416%であった。I配合のみによるゴム材料の場合は、表1(JWWA K156(2004))の物性規格のIII・75の規格を満足することはできなかった。
【0042】
このサンプルを40日間水に浸漬した時の吸水量はサンプル重量の1.9%であった。このことから等しい量の吸水性材料の使用で積層物がブレンド物に比べて物性上有利であることが分かる。吸水量も積層物がブレンド物よりも多い。しかし吸水性材料の量は等しいので何れ同等になると考えられる。