(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記選択ユニットは、前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”に基づいて前記現在映像の原映像データの中の各‘圧縮ブロック’の動きベクトルを計算し、前記動きベクトルに対応する‘圧縮ブロック’と、前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”の各ピクセルの色値の差の絶対値の合計(以下、‘SAD’という)を計算し、前記SADを予め定めた基準値と比較し、前記SADが前記基準値より小さい場合、前記比較の結果が一致すると判別することによって、前記“現在映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”を前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”と比較することを特徴とする請求項15に記載の映像データ表示システム。
現在映像の原映像データと、前記現在映像の原映像データに含まれる、複数のピクセル(画素)からなるブロック(以下、‘圧縮ブロック’という)を圧縮後、復元して得られる“現在映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”と、前記現在映像に先行する“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”と、を受信するステップと、
前記現在映像の原映像データ、前記“現在映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”、及び、前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”に基づき、前記“現在映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”と前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”の対応する画素同士の画素値のSAD(差分の絶対値の合計)が0かどうか、または、前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”の位置を基準として、前記現在映像の原映像データの調査範囲の内で対応する画素同士の画素値のSADが最小となる‘圧縮ブロック’位置を示す動きベクトルに対応する‘圧縮ブロック’が画像整合性、色整合性、周波数整合性、及び‘圧縮ブロック’整合性の内のいずれか一つを満たすかどうかで前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”と一致する‘圧縮ブロック’が前記現在映像の原映像データ中に存在するか否かを判別するステップと、
前記判別の結果、前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”と一致する‘圧縮ブロック’が前記現在映像の原映像データ中に存在する場合、前記現在映像の原映像データの中の前記一致した‘圧縮ブロック’を第1、第2出力として出力するステップと、
前記判別の結果、前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”と一致する‘圧縮ブロック’が前記現在映像の原映像データ中に存在しない場合、前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”を前記第1出力として出力し、前記“現在映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”を前記第2出力として出力するステップと、を有することを特徴とする映像データ処理方法。
現在映像の原映像データと、前記現在映像の原映像データに含まれる、複数のピクセル(画素)からなるブロック(以下、‘圧縮ブロック’という)を圧縮後、復元して得られる“現在映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”と、前記現在映像に先行する“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”と、を受信するステップと、
優先順位によって、先ず前記“現在映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”を前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”と比較するステップと、
前記“現在映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”と前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”の対応する画素同士の画素値のSAD(差分の絶対値の合計)が0の場合、前記比較の結果が一致することと判別するステップと、を有し、
次に前記SADが0でない場合、前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”の位置を基準として、前記現在映像の原映像データの調査範囲の内で対応する画素同士の画素値のSADが最小となる‘圧縮ブロック’位置を示す動きベクトルに対応する‘圧縮ブロック’のパラメーターを前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”の対応するパラメーターと比較するステップと、
予め定めた許容範囲内で前記パラメーターと近似である場合、前記比較の結果が一致すると判別するステップとをさらに有し、
いずれかの前記判別の結果、前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”と一致する‘圧縮ブロック’が前記現在映像の原映像データ中に存在する場合、前記現在映像の原映像データの中の前記一致した‘圧縮ブロック’を第1、第2出力として出力するステップをさらに有し、
いずれの前記判別の結果とも、前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”と一致する‘圧縮ブロック’が前記現在映像の原映像データ中に存在しない場合、前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”を前記第1出力として出力し、前記“現在映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”を前記第2出力として出力するステップとをさらに有することを特徴とする映像データ処理方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、映像画質を劣化させない映像圧縮スキームを使用して映像データを処理する表示装置及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一特徴において、映像データ処理装置は、現在映像の原映像データを格納するラインバッファーと、エンコーダ&デコーダー部及びデコーダー部からなり、前記現在映像の原映像データに含まれる、複数のピクセル(画素)からなるブロック(以下、‘圧縮ブロック’という)を圧縮及び復元するデータ圧縮及び復元ブロックと、メモリと、前記エンコーダ&デコーダー部は、前記‘圧縮ブロック’を圧縮後、復元して、“現在映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”として出力すると共に、前記圧縮された‘圧縮ブロック’を前記メモリに一時記憶させ、前記デコーダーは、前記一時記憶させた、前記現在映像に先行する以前映像の圧縮された‘圧縮ブロック’を復元して“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”として出力し、前記現在映像の原映像データ、前記“現在映像の圧縮
・復元された圧縮ブロック”、及び前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”を受信する選択ユニットと、からなるタイミング制御ユニットを含み、
前記選択ユニットは、前記現在映像の原映像データ、前記“現在映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”、及び、前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”に基づ
き、前記“現在映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”と前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”の対応する画素同士の画素値のSAD(差分の絶対値の合計)が0かどうか、または、前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”の位置を基準として、前記現在映像の原映像データの調査範囲の内で対応する画素同士の画素値のSADが最小となる‘圧縮ブロック’位置を示す動きベクトルに対応する‘圧縮ブロック’が画像整合性、色整合性、周波数整合性、及び‘圧縮ブロック’整合性の内のいずれか一つを満たすかどうかで前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”と一致する‘圧縮ブロック’が前記現在映像の原映像データ中に存在するか否かを判別し、前記判別
の結果
、前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”と一致する‘圧縮ブロック’が前記現在映像の原映像データ中に存在する場合、前記現在映像の原映像データ中の前記一致した‘圧縮ブロック’を第1、第2出力として出力し、前記判別
の結果
、前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”と一致する‘圧縮ブロック’が前記現在映像の原映像データ中に存在しない場合、前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”を前記第1出力として出力し、前記“現在映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”を前記第2出力として出力する、ことを特徴とする。
【0008】
本発明の例示的な実施形態において、前記タイミング制御ユニットは、応答速度補償回路をさらに含み、前記応答速度補償回路は、前記選択ユニットの第1出力を、以前映像データとして受信する第1入力と、前記選択ユニットの第2出力を、現在映像データとして受信する第2入力と、前記第1、第2入力データの間の差に基づいて補償映像データを発生する変換ユニットと、を含む。
【0011】
本発明の例示的な実施形態において、前記映像データ処理装置は、前記動きベクトルの計算の時、エラーを訂正するエラー訂正ユニットをさらに含む。
【0012】
本発明の例示的な実施形態において、前記映像データ処理装置は、前記
画素値の比較の時、エラーを訂正するエラー訂正ユニットをさらに含む。
【0013】
本発明の例示的な実施形態において、前記選択ユニットは、
前記動きベクトルに対応する‘圧縮ブロック’
の各色値の平均値を、前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”の各色値の平均値と比較し、前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”の画素の各色成分毎の色値の平均値のそれぞれと、選択された前記動きベクトルに対応する前記現在映像の原映像データの画素の前記各色成分と同色成分の色値の平均値の差の絶対値のそれぞれがそれぞれの同色成分の基準値の範囲内であれば、前記比較
の結果が一致すると判別することによって、前記“現在映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”を前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”と比較する。
【0015】
本発明の例示的な実施形態において、前記映像データ処理装置は、前記動きベクトルの計算の時、エラーを訂正するエラー訂正ユニットをさらに含む。
【0016】
本発明の例示的な実施形態において、前記映像データ処理装置は、前記色値の計算の時、エラーを訂正するエラー訂正ユニットをさらに含む。
【0017】
本発明の例示的な実施形態において、前記選択ユニット
は、前記動きベクトルに対応する‘圧縮ブロック’の周波数特性値を前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”の周波数特性値と比較し、
前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”に属する各画素の画素値が、前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”の画素の各色成分毎の画素値の平均値より大きいか小さいかによって定義する記号と、前記動きベクトルに対応する前記現在映像の原映像データの画素の各々の画素値が前記動きベクトルに対応する前記現在映像の原映像データの画素の前記各色成分と同色成分の画素値の平均値より大きいか小さいかによって定義する記号とが一致すれば、前記比較
の結果が一致すると判別することによって、前記“現在映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”を前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”と比較する。
【0019】
本発明の例示的な実施形態において、前記映像データ処理装置は、前記動きベクトルの計算の時、エラーを訂正するエラー訂正ユニットをさらに含む。
【0020】
本発明の例示的な実施形態において、前記映像データ処理装置は、前記周波数特性値の計算の時、エラーを訂正するエラー訂正ユニットをさらに含む。
【0021】
本発明の例示的な実施形態において、前記選択ユニットは、前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”に基づいて前記現在映像の原映像データの中の各‘圧縮ブロック’の動きベクトルを計算し、前記動きベクトルに対応する‘圧縮ブロック’と、前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”の各ピクセルの色値の差の絶対値の合計(以下、‘SAD’という)を計算し、前記SADを予め定めた基準値と比較し、前記SADが前記基準値より小さい場合、前記比較
の結果が一致すると判別することによって、前記“現在映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”を前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”と比較する。
【0022】
本発明の例示的な実施形態において、前記基準値は、前記映像データ処理装置において使われたデータ圧縮動作モードのエラー率に基づいて決定される。
【0023】
本発明の例示的な実施形態において、前記映像データ処理装置は、前記動きベクトルの計算の時、エラーを訂正するエラー訂正ユニットをさらに含む。
【0024】
本発明の例示的な実施形態において、前記映像データ処理装置は、前記SADの計算の時、エラーを訂正するエラー訂正ユニットをさらに含む。
【0025】
本発明の他の特徴において、(a)タイミング制御ユニットと、前記タイミング制御ユニットは、(1)現在映像の原映像データを格納するラインバッファーと、(2)エンコーダ&デコーダー部及びデコーダー部からなり、前記現在映像の原映像データに含まれる、複数のピクセル(画素)からなるブロック(以下、‘圧縮ブロック’という)を圧縮及び復元するデータ圧縮及び復元ブロックと、(3)メモリと、前記エンコーダ&デコーダー部は、前記‘圧縮ブロック’を圧縮後、復元して“現在映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”として出力すると共に、前記圧縮された‘圧縮ブロック’を前記メモリに一時記憶させ、前記デコーダー部は、前記一時記憶させた、前記現在映像に先行する以前映像の圧縮された‘圧縮ブロック’を復元して“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”として出力し、(4)前記現在映像の原映像データ、前記“現在映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”、及び前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”を受信する選択ユニットと、
前記選択ユニットは、前記現在映像の原映像データ、前記“現在映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”、及び、前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”に基づ
き、前記“現在映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”と前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”の対応する画素同士の画素値のSAD(差分の絶対値の合計)が0かどうか、または、前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”の位置を基準として、前記現在映像の原映像データの調査範囲の内で対応する画素同士の画素値のSADが最小となる‘圧縮ブロック’位置を示す動きベクトルに対応する‘圧縮ブロック’が画像整合性、色整合性、周波数整合性、及び‘圧縮ブロック’整合性の内のいずれか一つを満たすかどうかで前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”と一致する‘圧縮ブロック’が前記現在映像の原映像データ中に存在するか否かを判別し、前記判別
の結果
、前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”と一致する‘圧縮ブロック’が前記現在映像の原映像データ中に存在する場合、前記現在映像の原映像データ中の前記一致した‘圧縮ブロック’を第1、第2出力として出力し、前記判別
の結果
、前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”と一致する‘圧縮ブロック’が前記現在映像の原映像データ中に存在しない場合、前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”を前記第1出力データとして出力し、前記“現在映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”を前記第2出力として出力し、(b)応答速度補償回路と、前記応答速度補償回路は、前記選択ユニットの第1出力を、以前映像データとして受信する第1入力と、前記選択ユニットの第2出力を、現在映像データとして受信する第2入力と、前記第1、第2入力データの間の差に基づいて補償映像データを発生する変換ユニットと、を備え、(c)前記補償映像データを表示する表示装置と、を含むことを特徴とする。
【0028】
例示的な実施形態において、前記映像データ表示システムは、前記動きベクトルの計算の時、エラーを訂正するエラー訂正ユニットをさらに含む。
【0029】
例示的な実施形態において、前記映像データ表示システムは前記
画素値の比較の時、エラーを訂正するエラー訂正ユニットをさらに含む。
【0030】
例示的な実施形態において、前記選択ユニットは
、前記動きベクトルに対応する‘圧縮ブロック’の各色値の平均値を、前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”の各色値の平均値と比較し、
前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”の画素の各色成分毎の色値の平均値のそれぞれと、選択された前記動きベクトルに対応する前記現在映像の原映像データの画素の前記各色成分と同色成分の色値の平均値の差の絶対値のそれぞれがそれぞれの同色成分の基準値の範囲内であれば、前記比較
の結果が一致すると判別することによって、前記“現在映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”を前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”と比較する。
【0032】
例示的な実施形態において、前記映像データ表示システムは、前記動きベクトルの計算の時、エラーを訂正するエラー訂正ユニットをさらに含む。
【0033】
例示的な実施形態において、前記映像データ表示システムは、前記色値の計算の時、エラーを訂正するエラー訂正ユニットをさらに含む。
【0034】
例示的な実施形態において、前記選択ユニットは
、前記動きベクトルに対応する‘圧縮ブロック’の周波数特性値を前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”の周波数特性値と比較し、
前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”に属する各画素の画素値が、前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”の画素の各色成分毎の画素値の平均値より大きいか小さいかによって定義する記号と、前記動きベクトルに対応する前記現在映像の原映像データの画素の各々の画素値が前記動きベクトルに対応する前記現在映像の原映像データの画素の前記各色成分と同色成分の画素値の平均値より大きいか小さいかによって定義する記号とが一致すれば、前記比較
の結果が一致すると判別することによって、前記“現在映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”を前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”と比較する。
【0036】
例示的な実施形態において、前記映像データ表示システムは、前記動きベクトルの計算の時、エラーを訂正するエラー訂正ユニットをさらに含む。
【0037】
例示的な実施形態において、前記映像データ表示システムは、前記周波数特性値の計算の時、エラーを訂正するエラー訂正ユニットをさらに含む。
【0038】
前記選択ユニットは、前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”に基づいて前記現在映像の原映像データの中の各‘圧縮ブロック’の動きベクトルを計算し、前記動きベクトルに対応する‘圧縮ブロック’と、前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”の各ピクセルの色値の差の絶対値の合計(以下、‘SAD’という)を計算し、前記SADを予め定めた基準値と比較し、前記SADが前記基準値より小さい場合、前記比較
の結果が一致すると判別することによって、前記“現在映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”を前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”と比較する。
【0039】
例示的な実施形態において、前記基準値は、前記映像データ
表示システムにおいて使われたデータ圧縮動作モードのエラー率に基づいて決定される。
【0040】
例示的な実施形態において、前記映像データ表示システムは、前記動きベクトルの計算の時、エラーを訂正するエラー訂正ユニットをさらに含む。
【0041】
例示的な実施形態において、前記映像データ表示システムは、前記動きベクトルの絶対誤差の合計SADの計算の時、エラーを訂正するエラー訂正ユニットをさらに含む。
【0042】
本発明の他の特徴において、映像データ処理方法は、現在映像の原映像データと、前記現在映像の原映像データに含まれる、複数のピクセル(画素)からなるブロック(以下、‘圧縮ブロック’という)を圧縮後、復元して得られる“現在映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”と、前記現在映像に先行する“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”と、を受信
するステップと、前記現在映像の原映像データ、前記“現在映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”、及び、前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”に基づ
き、前記“現在映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”と前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”の対応する画素同士の画素値のSAD(差分の絶対値の合計)が0かどうか、または、前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”の位置を基準として、前記現在映像の原映像データの調査範囲の内で対応する画素同士の画素値のSADが最小となる‘圧縮ブロック’位置を示す動きベクトルに対応する‘圧縮ブロック’が画像整合性、色整合性、周波数整合性、及び‘圧縮ブロック’整合性の内のいずれか一つを満たすかどうかで前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”と一致する‘圧縮ブロック’が前記現在映像の原映像データ中に存在するか否かを判別
するステップと、前記判別
の結果
、前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”と一致する‘圧縮ブロック’が前記現在映像の原映像データ中に存在する場合、前記現在映像の原映像データの中の前記一致した‘圧縮ブロック’を第1、第2出力として出力
するステップと、前記判別
の結果
、前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”と一致する‘圧縮ブロック’が前記現在映像の原映像データ中に存在しない場合、前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”を前記第1出力として出力し、前記“現在映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”を前記第2出力として出力する
ステップと、を有することを特徴とする。
【0043】
例示的な実施形態において、前記映像データ処理方法は、前記第1、第2出力のデータの間の差に基づいて補償映像データを発生する
ステップをさらに含む。
【0046】
例示的な実施形態において、前記映像データ処理方法は、
前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”と一致する‘圧縮ブロック’が前記現在映像の原映像データ中に存在するか否かを判別するステップにおいて、前記動きベクトルの計算の時、エラーを訂正することをさらに含む。
【0047】
例示的な実施形態において、前記映像データ処理方法は、
前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”と一致する‘圧縮ブロック’が前記現在映像の原映像データ中に存在するか否かを判別するステップにおいて、前記
画素値の比較の時、エラーを訂正することをさらに含む。
【0048】
前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”と一致する‘圧縮ブロック’が前記現在映像の原映像データ中に存在するか否かを判別するステップは、前記動きベクトルに対応する‘圧縮ブロック’の各色値の平均値を、前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”の各色値の平均値と比較
するステップと、前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”の画素の各色成分毎の色値の平均値のそれぞれと、選択された前記動きベクトルに対応する前記現在映像の原映像データの画素の前記各色成分と同色成分の色値の平均値の差の絶対値のそれぞれがそれぞれの同色成分の基準値の範囲内であれば、前記比較
の結果が一致すると判別する
ステップとを含む。
【0050】
例示的な実施形態において、前記映像データ処理方法は、
前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”と一致する‘圧縮ブロック’が前記現在映像の原映像データ中に存在するか否かを判別するステップにおいて、前記動きベクトルの計算の時、エラーを訂正することをさらに含む。
【0051】
例示的な実施形態において、前記映像データ処理方法は、前記色値の計算の時、エラーを訂正することをさらに含む。
【0052】
例示的な実施形態において、
前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”と一致する‘圧縮ブロック’が前記現在映像の原映像データ中に存在するか否かを判別するステップは、前記動きベクトルに対応する‘圧縮ブロック’の周波数特性値を前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”の周波数特性値と比較し、
前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”に属する各画素の画素値が、前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”の画素の各色成分毎の画素値の平均値より大きいか小さいかによって定義する記号と、前記動きベクトルに対応する前記現在映像の原映像データの画素の各々の画素値が前記動きベクトルに対応する前記現在映像の原映像データの画素の前記各色成分と同色成分の画素値の平均値より大きいか小さいかによって定義する記号とが一致すれば、前記比較の結果が一致すると判別する
ステップを含む。
【0054】
例示的な実施形態において、
前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”と一致する‘圧縮ブロック’が前記現在映像の原映像データ中に存在するか否かを判別するステップにおいて、前記動きベクトルの計算の時、エラーを訂正することをさらに含む。
【0055】
例示的な実施形態において、
前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”と一致する‘圧縮ブロック’が前記現在映像の原映像データ中に存在するか否かを判別するステップにおいて、前記周波数特性値の計算の時、エラーを訂正することをさらに含む。
【0056】
例示的な実施形態において、
前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”と一致する‘圧縮ブロック’が前記現在映像の原映像データ中に存在するか否かを判別するステップは、前記動きベクトルに対応する‘圧縮ブロック’と、前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”の各
画素の色値の差の絶対値の合計(以下、‘SAD’という)を計算
するステップと、前記SADを予め定めた基準値と比較
するステップと、前記SADが前記基準値より小さい場合、前記比較
の結果が一致すると判別する
ステップを含む。
【0057】
例示的な実施形態において、前記基準値は、前記映像データ処理
方法において使われたデータ圧縮動作モードのエラー率に基づいて決定される。
【0058】
例示的な実施形態において、
前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”と一致する‘圧縮ブロック’が前記現在映像の原映像データ中に存在するか否かを判別するステップにおいて、前記動きベクトルの計算の時、エラーを訂正することをさらに含む。
【0059】
例示的な実施形態において、
前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”と一致する‘圧縮ブロック’が前記現在映像の原映像データ中に存在するか否かを判別するステップにおいて、前記SADの計算の時、エラーを訂正することをさらに含む。
【0060】
本発明の他の特徴によると、現在映像の原映像データと、前記現在映像の原映像データに含まれる、複数のピクセル(画素)からなるブロック(以下、‘圧縮ブロック’という)を圧縮後、復元して得られる“現在映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”と、前記現在映像に先行する“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”と、を受信
するステップと、優先順位によって、
先ず前記“現在映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”を前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”と比較
するステップと、前記“現在映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”と前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”の対応する画素同士の画素値のSAD(差分の絶対値の合計)が0の場合、前記比較
の結果が一致することと判別
するステップと、を有し、次に前記SADが0でない場合、前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”の位置を基準として、前記現在映像の原映像データの調査範囲の内で対応する画素同士の画素値のSADが最小となる‘圧縮ブロック’位置を示す動きベクトルに対応する‘圧縮ブロック’のパラメーターを前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”の対応するパラメーターと比較
するステップと、予め定めた許容範囲内で前記パラメーター
と近似である場合、前記比較
の結果が一致すると判別
するステップとをさらに有し、いずれかの前記判別
の結果
、前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”と一致する‘圧縮ブロック’が前記現在映像の原映像データ中に存在する場合、前記現在映像の原映像データの中の前記一致した‘圧縮ブロック’を第1、第2出力として出力
するステップをさらに有し、
いずれの前記判別
の結果
とも、前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”と一致する‘圧縮ブロック’が前記現在映像の原映像データ中に存在しない場合、前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”を前記第1出力として出力し、前記“現在映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”を前記第2出力として出力する
ステップとをさらに有することを特徴とする。
【0061】
例示的な実施形態において、前記映像データ処理方法は、前記第1、第2出力のデータ間の差に基づいて補償映像データを発生する
ステップをさらに
有する。
【0063】
例示的な実施形態において、前記動きベクトルに対応する‘圧縮ブロック’のパラメーターを前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”の対応するパラメーターと比較する
ステップは、前記動きベクトルに対応する‘圧縮ブロック’の各ピクセルの色値を前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”の対応する各ピクセルの色値と比較
するステップと、予め定めた許容範囲内で前記色値が
近似である場合、前記比較
の結果が一致すると判別する
ステップとを含む。
【0064】
例示的な実施形態において、
前記動きベクトルに対応する‘圧縮ブロック’の各ピクセルの色値を前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”の対応する各ピクセルの色値と比較するステップは、前記動きベクトルに対応する‘圧縮ブロック’の各ピクセルの色成分の平均色値を、前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”の各ピクセルの色成分の平均色値と比較する
ステップを含む。
【0065】
例示的な実施形態において、前記動きベクトルに対応する‘圧縮ブロック’のパラメーターを前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”の対応するパラメーターと比較する
ステップは、前記動きベクトルに対応する‘圧縮ブロック’の周波数特性値を前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”の周波数特性値と比較し、
前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”に属する各画素の画素値が、前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”の画素の各色成分毎の画素値の平均値より大きいか小さいかによって定義する記号と、前記動きベクトルに対応する前記現在映像の原映像データの画素の各々の画素値が前記動きベクトルに対応する前記現在映像の原映像データの画素の前記各色成分と同色成分の画素値の平均値より大きいか小さいかによって定義する記号とが一致すれば、前記比較の結果が一致すると判別する
ステップを含む。
【0067】
例示的な実施形態において、前記映像データ処理方法は
、前記動きベクトルに対応する‘圧縮ブロック’と、前記“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”の各ピクセルの色値の差の絶対値の合計(以下、‘SAD’という)を計算
するステップと、前記SADを予め定めた基準値と比較
するステップと、前記SADが前記基準値より小さい場合、前記比較
の結果が一致することと判別する
ステップをさらに含む。
【0068】
例示的な実施形態において、前記基準値は、前記映像データ処理
方法において使われたデータ圧縮動作モードのエラー率に基づいて決定される。
【発明の効果】
【0069】
本発明の例示的な実施形態によると、現在映像の生(圧縮・復元されていない)データを可能な限り用いるので、圧縮エラーを最小限にとどめ、映像圧縮スキームを使用する表示装置によって表示される映像の画質を向上できる。
【発明を実施するための形態】
【0071】
本発明の長所、及び特徴、それを達成する方法は、添付される図面と共に詳細に後述されている実施形態を通じて説明される。しかし本発明は、ここで説明される実施形態に限定されることなく他の形態に具体化され得る。但し、本実施形態は、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が本発明の技術的思想を容易に実施できる程度に詳細に説明するために提供されるものである。
図面において、本発明の実施形態は、図示した特定の実施形態に制限されない。また、明確性を確保するために誇張されている場合がある。また、明細書全体にわたって同一の参照番号が付された部分は、同一の構成要素を表す。
【0072】
本明細書で‘及び/又は’という表現は、前後に羅列された構成要素の中で少なくとも1つを含む意味として使われる。また、‘連結する/結合される’という表現は、他の構成要素と直接的に連結するか、或いは他の構成要素を通じて間接的に連結されることを含む意味として使われる。本明細書で単数型は、文脈上で特別に限定しない限り複数型も含む。また、本明細書で使われる‘含む’の目的語となった構成要素、段階、動作、及び/又は、素子は、1つ以上の他の構成要素、段階、動作、素子、及び/又は、それらのグループの存在、又は、追加を意味する。
【0073】
図2は、本発明の例示的な実施形態によるディスプレーシステムを概略的に示すブロック図である。本発明の例示的な実施形態によるディスプレーシステムは、液晶表示装置(LCD)又は発光ダイオード(LED)表示と関連したディスプレーシステムである。しかし、本発明の例示的な実施形態によるディスプレーシステムがこれらのディスプレーシステムに限定されないことは、明白であろう。
【0074】
図2を参照すると、本発明の例示的な実施形態によるディスプレーシステムは、映像データ提供ユニット1000、タイミング制御ユニット2000、そしてディスプレーパネル3000を含む。映像データ提供ユニット1000は、タイミング制御ユニット2000に映像データ(例えば、RGBデータ)を提供するように構成される。例えば、映像データ提供ユニット1000は、デジタルTVの映像データ受信機[例えば、セットボックス(Set−Top Box)、又は、その類似品]である。しかし、映像データ提供ユニット1000がここに開示した場合に限定されないことは、よく理解できよう。例えば、ディスプレーシステムがコンピュータシステムに適用される場合、映像データ提供ユニット1000はコンピュータであり、タイミング制御ユニット2000は映像データ提供ユニット1000から提供される映像データがディスプレーパネル3000に表示されるように、映像データのタイミングを制御する。ディスプレーパネル3000は、デジタルTVパネル、PCスクリーンパネル、を含む。
【0075】
ディスプレーパネル3000は、特に図示していないけれども、ピクセル(画素)アレイ(pixel array)、ゲートドライバー、ソースドライバー、などの構成要素を含む。例示的なディスプレーパネル3000が上記の特許文献1に開示されており、その内容全体は、本出願にレファレンスとして組み込まれている。
【0076】
本発明の例示的な実施形態において、タイミング制御ユニット2000は、映像データ提供ユニット1000から提供される映像データを圧縮し、圧縮された映像データを一時的に格納し、圧縮された映像データを復元するように構成される。本発明の例示的な実施形態によるディスプレーシステムの場合、映像データの圧縮率を増加しても圧縮エラー(又は、データ損失)による映像の画質低下を防止できる。この特徴及びその他の特徴を、以下に詳細に説明する。
【0077】
図3は、本発明の例示的な実施形態による、
図2に示すタイミング制御ユニットを概略的に示すブロック図である。
【0078】
図3を参照すると、タイミング制御ユニット2000は、制御器2100、ラインバッファー2200、データ圧縮及び復元ブロック2300、メモリー2400、無損失データ選択ユニット(Lossless Data Selection Unit、LDSUと略す)2500、そして応答速度補償回路(Dynamic Capacitance Compensating circuit、DCCと略す)2600を含む。
【0079】
制御器2100は、タイミング制御ユニット2000の全般的な動作を制御するように構成される。ラインバッファー2200は、映像データをライン単位で格納する。ラインバッファー2200に格納された映像データは、通常隣接する複数の画素からなるブロック(以下、‘圧縮ブロック’という)単位で、データ圧縮及び復元ブロック2300に提供される。ラインバッファー2200には、本発明の場合、‘圧縮ブロック’の調査範囲(search range)(又は、動き推定範囲(motion estimation range))を含む映像データが格納される。例えば、‘圧縮ブロック’の大きさが2×2(2行×2列の画素からなる)であり、‘圧縮ブロック’の調査範囲が8×8であると仮定すれば、ラインバッファー2200には8個のライン(画素の行)に対応する映像データが格納される。映像データは、複数の画素各々のRGBデータを含む。
【0080】
データ圧縮及び復元ブロック2300は、エンコーダー&デコーダー部2310とデコーダー部2320とを含む。エンコーダー&デコーダー部2310は、ラインバッファー2200から提供される‘圧縮ブロック’の現在(current)映像データを圧縮し、圧縮されたデータ2311をビットストリームとしてメモリー2400に出力するように構成される。また、エンコーダー&デコーダー部2310は、現在映像の圧縮されたデータを復元するように構成される。
この、現在映像の復元されたデータ(以下、“現在映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”と称する)CURR_RECは、無損失データ選択ユニット2500に提供される。また、エンコーダー&デコーダー部2310によって圧縮されたデータ2311は、メモリー2400に格納される。
【0081】
メモリー2400に格納された圧縮されたデータ2311は、以前(previous)映像のデータとして使われる。デコーダー部2320は、メモリー2400から‘圧縮ブロック’単位に圧縮されたデータ2401を受信し、入力された圧縮データを復元する。復元されたデータ(以下、“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”と称する)PREV_RECは、無損失データ選択ユニット2500に提供される。ここで、デコーダー部2320に提供される圧縮されたデータ2401は、現在映像でなく以前映像と関連したデータである。
【0082】
データ圧縮及び復元ブロックの一例が上記の特許文献2に掲載され、その特許文献2は、本出願にレファレンスとして組み込まれている。このレファレンスに開示されているところによれば、データ圧縮及び復元ブロック2300は、多様なデータ圧縮方式、例えば、差動パルス符号変調(Differential Pulse Code Modulation、DPCM)方式とパルス符号変調(PCM)方式を使用してデータを圧縮するように構成される。データ圧縮及び復元ブロック2300は、複数のモードによって、データを各々圧縮し、複数のモードの中から選択されたモードによって、圧縮されたデータを出力する。そのようなモードによって、各々圧縮されたデータのエラー率は、互いに異なる。
【0083】
引続き
図3を参照すると、無損失データ選択ユニット2500は、データ圧縮及び復元ブロック2300から“現在映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”CURR_RECと“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”PREV_RECを、そしてラインバッファー2200から現在映像の原データ(生データ)CURR_ORGを受信する。‘圧縮ブロック’CURR_REC、PREV_RECのデータは、圧縮・復元されたデータであり、一方、データCURR_ORGは、圧縮も復元もされていない現在映像の原データである。無損失データ選択ユニット2500は、入力されたCURR_REC、PREV_REC、CURR_ORGに基づいて、“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”と一致する(又は、予め定めた許容範囲内で一致する)‘圧縮ブロック’が現在映像(又は、現在映像の調査範囲(現在映像の動き推定範囲))の内に存在するか否かを判別する。
【0084】
仮りに、“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”PREV_RECと一致する(又は、予め定めた許容範囲内で一致する)‘圧縮ブロック’が現在映像の原映像データ中(又は、現在映像の調査範囲(現在映像の動き推定範囲))に存在すると判別した場合、無損失データ選択ユニット2500は、現在映像の原映像データ中の一致した‘圧縮ブロック’を第1、第2出力とする。
しかし、仮りに、“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”PREV_RECと一致する(又は、予め定めた許容範囲内で一致する)‘圧縮ブロック’が現在映像の原映像データ中(又は、現在映像の調査範囲(即ち、現在映像の動き推定範囲))に存在しないと判別した場合、無損失データ選択ユニット2500は、“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”PREV_REC、“現在映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”CURR_RECを各々、第1、第2出力とする。
【0085】
応答速度補償回路2600は、無損失データ選択ユニット2500から上記第2、第1出力を受けて各々、第2入力(現在映像データCURR)と第1入力(以前映像データPREV)を受信し、この入力されたデータCURR、PREVの差によって、現在映像のデータを選択的に補償する。現在映像のデータを補償することによって表示装置の応答速度を向上させることができる。
【0086】
以上の説明から分かるように、“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”と一致する(又は、予め定めた許容範囲内で一致する)‘圧縮ブロック’が現在映像(又は、現在映像の調査範囲)に存在すると判別される時、応答速度補償回路2600に提供される以前映像データPREVとして、“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”の代りにデータ圧縮及び復元ブロック2300を経由しない現在映像の原データ中の該当‘圧縮ブロック’が提供される。その場合、圧縮エラーを含む“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”が以前映像データPREVとして使われないので、圧縮によるエラーを最小化することが可能である。これは、映像圧縮方式を使用する表示装置の画質が向上することを意味する。
【0087】
“現在映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”CURR_RECと、“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”PREV_RECの比較結果を一致する(又は、予め定めた許容範囲内で一致する)と判別した場合、それは映像のその部分が不変である(即ち、静止している)と判別したことを意味する。
該部分が不変(静止)と判別したので、無損失データ選択ユニット2500は現在映像の原(生)データCURR_ORGの該当‘圧縮ブロック’を、応答速度補償回路(DCC)2600の以前映像データPREV入力として適用する。
その結果、現在映像の原データCURR_ORGの該当‘圧縮ブロック’は、応答速度補償回路DCCの現在映像データCURR入力として供給され、同時に、応答速度補償回路DCCの以前映像データPREV入力として供給される。
従来技術による動作の場合は、このケースでも“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”PREV_REC(これは、圧縮エラーを含む)が応答速度補償回路(DCC)2600の以前映像データPREV入力として供給される。
この以前映像データPREV入力は現在映像の原データCURR_ORGと一致しないので、応答速度補償回路DCC、2600は“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”PREV_RECの圧縮エラーをディスプレーパネルに与えてしまう。
一方、本発明の実施形態では、このシナリオによれば、現在映像の原データCURR_ORGの中の該当‘圧縮ブロック’を応答速度補償回路(DCC)2600の以前映像データPREV入力として適用するので、圧縮エラーは映像に導入されない。
即ち、現在映像の原データCURR_ORGを使い圧縮エラーを最小限に抑えるので、映像品質が維持できる。
【0088】
図4は、
図3に示す応答速度補償回路(DCC)2600を概略的に示すブロック図である。
【0089】
図4を参照すると、応答速度補償回路2600は、ルックアップテーブル(LUT)2610と変換部2620を含む。ルックアップテーブル2610には現在映像の画素データを補償するための補正値が格納される。ルックアップテーブル2610には以前映像データPREV(第1入力)と現在映像データCURR(第2入力)が入力される。ルックアップテーブル2610に格納された補正値の中の何れか1つが、入力されたデータPREV、CURR(又は、入力されたデータ各々の上位m−ビットデータ)を行及び列アドレスとして使用して選択される。変換部2620は、入力されたデータCURR、PREVとの間の差が基準値より小さいか否かを判別する。仮りに、この差がある基準値より大きければ、変換部2620は、選択された補正値に基づいて現在映像の画素データを補償する。そのように補償されたデータは、ディスプレーパネル3000に提供される。仮りに、この差がある基準値より小さければ、変換部2620は、補償なしで入力された現在映像の画素データをそのまま出力する。
【0090】
応答速度補償回路2600の構成が、ここに開示した実施形態に限定されないことは、よく理解できよう。応答速度補償回路2600の多様な例が特許文献3に開示され、その特許文献3は、本出願のレファレンスとして含まれる。
【0091】
図5は、本発明の例示的な実施形態による
図3に示す無損失データ選択ユニットを概略的に示すブロック図である。
【0092】
本発明の例示的な実施形態による無損失データ選択ユニット2500は、応答速度補償回路2600に提供される以前映像データPREV(第1入力)として、現在映像の原データCURR_ORGの中の‘圧縮ブロック’と“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”PREV_RECとのいずれか1つを選択するように構成される。
同時に、応答速度補償回路2600に提供される現在映像データCURR(第2入力)として、現在映像の原データCURR_ORGの中の‘圧縮ブロック’と“現在映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”CURR_RECとのいずれか1つを選択するように構成される。
この選択は、“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”PREV_RECと一致する(又は、予め定めた許容範囲内で一致する)‘圧縮ブロック’が現在映像の原データの中に存在するか否かに基づいて決定される。これは、以下に詳細に説明される。
【0093】
図5を参照すると、本発明の例示的な実施形態による無損失データ選択ユニット2500は、レジスター2510、停止映像判別部2520、動きベクトル決定部2530、整合性判別部2540、エラー訂正部2550、決定部2560、そして基準値決定部2570を含む。
【0094】
ラインバッファー2200に格納されたデータ(複数のラインに対応するデータ)の中の調査範囲(search range)(例えば、‘圧縮ブロック’の動き推定範囲)に対応する映像データが、制御器2100の制御の下でレジスター2510に格納される。
停止映像判別部2520は、“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”PREV_RECと“現在映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”CURR_RECに基づいて現在映像が停止映像であるか否かを判別する。
動きベクトル決定部2530は、“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”PREV_RECと調査範囲に属する現在映像の原データに基づいて動きベクトルMVを決定する。
整合性判別部2540は、基準値決定部2570からの基準値に基づいて動きベクトル決定部2530によって決定された動きベクトルMVの整合性を判別するように構成される。
エラー訂正部2550は、現在決定された動きベクトルMVが、以前に決定された動きベクトル(又は周辺の動きベクトル)と一貫性がある(consistent)か否かを判別し、もし必要なら、現在決定された動きベクトルMVを周辺の動きベクトルと一貫性がある動きベクトルに補正するように構成される。
決定部2560は、停止映像判別部2520の判別結果、整合性判別部2540の判別結果、エラー訂正部2550の補正結果に基づいて応答速度補償回路2600の以前映像データPREVとして、“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”PREV_REC、又は現在映像の原データCURR_ORGの中の該当(決定された動きベクトルに対応する)‘圧縮ブロック’を選択する。
基準値決定部2570は、データ圧縮及び復元ブロック2300で使われる圧縮モードに基づいて整合性判別部2540に提供すべき基準値を決定する。
使われた圧縮モードを表す情報は、データ圧縮及び復元ブロック2300から提供されるか、或いは以前映像の圧縮・復元されたデータPREV_RECに組み込むか、或いはまた、他の方法で包含させることができる。
各圧縮モードは固有のエラー率を有している。無損失データ選択ユニット2500はエラー率を、データ圧縮及び復元ブロック2300から受け取り、現在映像の原データCURR_ORGの中の該当‘圧縮ブロック’と、“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”PREV_RECのいずれかを、DCC回路2600に供給すべき以前映像データPREVとして出力するかを決定する。
結局、使われたモードによって、基準値が決定されることは、使われたモードのエラー率に基づいて基準値が決定されることを意味する。
【0095】
以下、無損失データ選択ユニット2500の各構成要素の動作を
図6乃至
図12に基づいて詳細に説明する。
【0096】
データ圧縮及び復元ブロック2300がブロック単位(例えば、4×2)で画素データを圧縮すると仮定する。即ち、‘圧縮ブロック’は、3つの色成分(R、G、B)を含み、‘圧縮ブロック’の大きさが4×2である場合、
図6に示したように、4×2‘圧縮ブロック’CBは、色成分(R、G、B)に各々対応する3個の‘圧縮ブロック’から構成される。
説明の便宜上、‘圧縮ブロック’の各画素値は、[color][k]の形式で表現される。ここで、「color」は、‘圧縮ブロック’の色成分R、G、Bのいずれかを表し、「k」は、各画素の位置を表す。‘圧縮ブロック’に対応する現在映像の画素データがラインバッファー2200からエンコーダー&デコーダー部2310に伝送される時、メモリー2400に格納された以前映像の対応する‘圧縮ブロック’は、デコーダー部2320に伝送される。
エンコーダー&デコーダー部2310によって圧縮・復元された、“現在映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”CURR_RECと、デコーダー部2320によって復元された、“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”PREV_RECは、無損失データ選択ユニット2500に各々提供される。
[停止映像判別(JUDGMENT OF STILL IMAGE)]
【0097】
停止映像判別部2520は、“現在映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”CURR_RECと“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”PREV_RECとに基づいて現在映像が停止映像であるか否かを判別し、これは、下の式[数1]によって、実行される。
【数1】
【0098】
[数1]で、Nblockは、‘圧縮ブロック’に属する画素の数を表す。例えば、‘圧縮ブロック’の大きさが4×2である時、Nblockの値は、8である。
【0099】
停止映像を判別する動作が
図7に示されている。各々の色成分に対する計算は、同様に実行されることが
図7から分かる。各々の色成分において、
図7に示したように、“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”PREV_RECに属する画素[0]〜[7]の画素値と“現在映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”CURR_RECに属する画素[0]〜[7]の画素値との間の差の絶対値の合計が計算機(2521R、2521G、2521B)によって得られる。そのようにして得られた値は、加算器2522によって合算され、合算された結果である差値diff_valueは、[数1]の結果値を表す。
[数1]によって計算された差値diff_valueが‘0’である時、現在映像は、停止映像として判別される。これは、データ圧縮及び復元ブロック2300に入力された以前、及び現在の映像が同一であるからである。[数1]によって計算された結果値diff_valueが‘0’である時、停止映像判別部2520は、停止映像を表すヒット信号Still
hitを差値diff_valueと共に決定部2560に出力する。‘1’のヒット信号Still
hitは、停止映像を表すために使われ、‘0’のヒット信号Still
hitは、動映像を表すために使われる。
[動きベクトル決定(DETERMINATION OF MOTION VECTOR)]
【0100】
動きベクトル決定部2530は、現在映像の動き推定範囲の内で“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”PREV_RECと最も良く一致する現在映像の圧縮・復元されていない原データCURR_ORGに属する‘圧縮ブロック’に対する動きベクトルMVを決定する。本発明の例示的な実施形態において、動きベクトルMVは、比較的演算量が少ないながら高い正確度を有するSAD(Sum of Absolute values of Differences、差の絶対値の合計)を利用して決定される。他の例として、動きベクトルMVを決定するためにSSD(Sum of Square values of Differences、差の2乗の合計)が利用できる。しかし、動きベクトルMVを決定する方式がこれらに限定されないことは、よく理解できよう。
【0101】
図8に示したように、以前映像の‘圧縮ブロック’CBp(即ち、“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”PREV_REC)の位置を基準として、現在映像の圧縮・復元されていない原データCURR_ORGの調査範囲(動き推定範囲)2531の内で‘圧縮ブロック’を所定の方向に移動しながら、そのSAD値を下の式[数2]によって、各々計算する。そのように計算したSAD値の中で最も小さなSAD値minSAD
(i、j)が選択される。即ち、式[数3]から分かるように、最も小さなSAD値に基づいて動きベクトルMV(i、j)が決定される。
ここで、(i、j)は、現在映像の圧縮・復元されていない原データCURR_ORGから選択された‘圧縮ブロック’を以前映像の‘圧縮ブロック’CBpを基準として行方向にi画素分だけ、そして列方向にj画素分だけ移動したことを表す。そのように決定された動きベクトルMV(i、j)は、整合性判別部2540に出力される。
【数2】
【数3】
[整合性判別(JUDGMENT OF MATCHING)]
【0102】
たとえ最も小さなSAD値に対応する‘圧縮ブロック’の動きベクトルMV(i、j)が上記のようにして決定されても、決定された動きベクトルMV(i、j)が正確であるか否かを判別する必要がある。最も小さなSAD値に対応する‘圧縮ブロック’の動きベクトルMV(i、j)が決定されても、動きベクトルMV(i、j)に対応する候補ブロックの画素データが“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロックPREV_REC”と正確に一致するか否かを保証することは、難しい。その理由で、決定された動きベクトルMV(i、j)に対する整合性を検証する必要がある。これは、整合性判別部2540によって下記のように実行される。整合性は、画素を基準として、色相を基準として、そして‘圧縮ブロック’を基準として各々実行される。
【0104】
動きベクトルMV(i、j)に対応する現在映像の‘圧縮ブロック’CBcに属する画素の整合性は、下の式[数4]乃至[数6]によって決定される。
【数4】
【数5】
【数6】
【0105】
以下、画素を基準として整合性を判別する動作を
図9、及び[数4]乃至[数6]を参照して詳細に説明する。
図9及び[数4]、[数5]において、
PREV_REC [color][k] は、「当該‘圧縮ブロック’CBp、即ち、“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”PREV_RECの各画素値」であり、
MV(i、j)[color][k] は、「圧縮・復元されていない)現在映像の原データCURR_ORGから、動きベクトルMV(i、j)に対応して選択された‘圧縮ブロック’CBcの各画素値」を意味する。これは、レジスター2510に一時的に格納されている。
【0106】
まず、
図9を参照すると、色成分Rに関しては、以前映像の‘圧縮ブロック’CBpの最初の画素値R0と、動きベクトルMV(i、j)に対応する現在映像の‘圧縮ブロック’CBcの最初の画素値R0の差を減算器2531Rによって得る。
同様に、色成分G、色成分Bに関しても、最初の画素値G0の差、最初の画素値B0の差を各々、減算器2531G、2531Bによって得る。
次に最初の画素値の差が基準値Th
modeより小さいか否かを判別機2532によって各々判別する。仮りに、最初の画素値の差が全て基準値Th
modeより小さいと判別されれば、即ち、R
hit=1、G
hit=1、そしてB
hit=1であると、最初の画素に対する画素ヒット値Pixel
hit[k]が’1’に決定される。この場合を除外すると、画素ヒット値Pixel
hit[k]は、‘0’に決定される。
【0107】
本発明の例示的な実施形態において、画素[1]〜[7]のヒット値は、先に画素[0]について説明したのと同一の方式によって、順次的に又は、同時に計算される。計算されたヒット値(
図9内の画素ヒット値テーブル2533を参照)、又は、該ヒット値の合計)は、決定部2560に提供される。基準値Th
modeは、データ圧縮及び復元ブロック2300で使われる、選択されたモードのエラー率に基づいて基準値決定部2570によって決定される。
基準値Th
modeは、色相R、G、Bにより異なっている場合がある。
【0108】
これは、使用するモードの圧縮特性を考慮して画素整合性可否を判別することによって、整合性の正確度を高めると同時に使用した圧縮エンジンの構造に柔軟に対処できることを意味する。
【0110】
色成分に対する整合性は、“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”の画素のR成分の平均値Avg_R
prevと、選択された動きベクトルMV(i、j)に対応する現在映像の原データの画素のR成分の平均値Avg_R
MV(i、j)に基づいて決定できる。平均値Avg_R
prev、Avg_R
MV(i、j)は、次の式[数7]、及び[数8]によって計算される。これらの式は、R成分に関したものであるが、残りの色成分G、Bに関する平均値も同様に計算できる。
【数7】
【数8】
【0111】
R成分の平均値Avg_R
prev、Avg_R
MV(i、j)の差が基準値TH_R
modeより小さければ、R成分に係るヒット値Avg_R
hitは、‘1’に決定される。しかし、R成分の平均値Avg_R
prev、Avg_R
MV(i,j)の差が基準値TH_R
modeより大きければ、R成分に係るヒット値Avg_R
hitは、‘0’に決定される。これは、下の式[数9]、及び[数10]によって表現される。
【数9】
【数10】
【0112】
以下、色成分に対する整合性を判別する動作を、
図10、及び式[数7]乃至[数10]を参照して詳細に説明する。
【0113】
まず、
図10を参照すると、R成分の平均値Avg_R
prev、Avg_R
MV(i、j)は、計算機2541a、2541bを通じて各々計算され、平均値Avg_R
prev、Avg_R
MV(i、j)の差は、減算器2544Rによって計算される。そして、G成分の平均値Avg_G
prev、Avg_G
MV(i、j)は、計算機2542a、2542bを通じて各々計算され、平均値Avg_G
prev、Avg_G
MV(i、j)の差は、減算器2544Gによって計算される。B成分の平均値Avg_B
prev、Avg_B
MV(i、j)は、計算機2543a、2543bを通じて各々計算され、平均値Avg_B
prev、Avg_B
MV(i、j)の差は、減算器2544Bによって計算される。上述した動作は、順次的に又は、同時に実行される。
【0114】
そのように計算された差値が対応する基準値TH_Rmode、TH_Gmode、TH_Bmodeより小さいか否かが判別機2545によって判別される。仮りに、R成分に対応する差値が基準値TH_Rmodeより小さいと判別されれば、R成分に対する整合性を表すヒット信号Avg_R
hitは、‘1’と決定される。そうではないと判定されれば、ヒット信号Avg_R
hitは、‘0’と決定される。同様に、残りの色成分G、Bに対する整合性を表すヒット信号Avg_G
hit、Avg_B
hitも、上記と同様に決定される。色成分R、G、Bに対する整合性を表すヒット信号Avg_R
hit、Avg_G
hit、Avg_B
hitのテーブル2546_i(i=1〜m)は、決定部2560に提供される。
【0115】
基準値TH_Rmode、TH_Gmode、TH_Bmodeは、互いに同一に又は、異なるように設定されることができる。
【0117】
周波数成分に対する整合性は、下の式[数11]乃至[数15]によって、決定される。
【数11】
【数12】
【数13】
【数14】
【数15】
【0118】
以下、周波数成分に対する整合性を判別する動作を、
図11と式[数11]乃至[数15]を参照して詳細に説明する。
【0119】
まず、以前映像の‘圧縮ブロック’に属する画素に対する周波数特性と、圧縮・復元されていない、即ち原データ(生データ)からなる現在映像の‘圧縮ブロック’に属する画素に対する周波数特性が計算される。“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”に属する各画素に対する周波数特性は、“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”に属する各画素の値が上記[数7]によって計算された平均値Avg_R
prevより大きいか否かによって、決定される。
例えば、
図11を参照すると、“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”に属する画素[0]の値が平均値Avg_R
prevより大きいか否かが判別機2547によって判別される。仮りに、“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”に属する画素[0]の値が平均値Avg_R
prevより大きいと判別されれば、周波数特性は、‘H’と決定される。しかし、“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”に属する画素[0]の値が平均値Avg_R
prevより小さいと判別されれば、周波数特性は、‘L’と決定される。
残りの画素の周波数特性も、同様に決定される。そのように決定された周波数特性は、
図11のテーブル2548を構成する。このテーブル2548は、“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”に属するR成分の周波数特性R_Freq
prev[k]を表す。
【0120】
圧縮・復元されていない現在映像の‘圧縮ブロック’に属する各画素に対する周波数特性は、現在映像の‘圧縮ブロック’に属する各画素の値が上記の式[数8]によって計算された平均値Avg_R
MV(i、j)より大きいか否かによって、決定される。
例えば、
図11を参照すると、現在映像の‘圧縮ブロック’に属する画素[0]の値が平均値Avg_R
MV(i、j)より大きいか否かが判別機2549によって判別される。仮りに、現在映像の‘圧縮ブロック’に属する画素[0]の値が平均値Avg_R
MV(i、j)より大きいと判別されれば、周波数特性は、‘H’と決定される。しかし、現在映像の‘圧縮ブロック’に属する画素[0]の値が平均値Avg_R
MV(i、j)より小さいと判別されれば、周波数特性は、‘L’に決定される。
残りの画素の周波数特性も、同様に決定される。そのように決定された周波数特性は、
図11のテーブル2551を構成する。このテーブル2551は、現在映像の‘圧縮ブロック’に属するR成分の周波数特性R_FreqMV(i、j)[k]を表す。
【0121】
現在映像の‘圧縮ブロック’に属する画素の周波数特性R_Freq
prev[k]と以前映像の‘圧縮ブロック’に属する画素の周波数特性R_FreqMV(i、j)[k]に基づいてR成分に係る周波数整合性が判別される。より具体的に説明すると、
図11を参照すると、現在映像の‘圧縮ブロック’に属する画素各々の周波数特性と以前映像の‘圧縮ブロック’に属する画素各々の周波数特性が一致するか否かが判別機2552によって判別される。
例えば、現在映像の‘圧縮ブロック’に属する画素[0]の周波数特性が以前映像の‘圧縮ブロック’に属する画素[0]の周波数特性と一致すると判別されれば、画素[0]のR成分に係る周波数整合性を表す値Freq_R
hit[0]は、‘1’と設定される。しかし、現在映像の‘圧縮ブロック’に属する画素[0]の周波数特性が以前映像の‘圧縮ブロック’に属する画素[0]の周波数特性と一致しないと判別されれば、画素[0]のR成分に係る周波数整合性を表す値Freq_R
hit[0]は、‘0’と設定される。
‘圧縮ブロック’に属する画素[0]〜[7]の周波数整合性は、
図11のテーブル2553に表現される。このテーブル2553は、‘圧縮ブロック’のR成分の周波数整合性Freq_R
hit[k]を表し、決定部2560に提供される。
【0122】
G成分とB成分に対する周波数整合性も、上記のR成分に対する場合と同様に決定され、それに対する説明は、したがって省略する。
【0123】
周波数成分の整合性を判別することは、無損失データ選択ユニット2500の誤った演算によって発生できるフリッカーリング(flickering)のような副作用を抑制するためである。
無損失データの画素エラーは比較的小さいけれども、無損失データの‘圧縮ブロック’の周波数分布は、無損失データ選択ユニット2500により出力されるPREVデータの周波数分布と必ずしも良く一致しない。大多数のフリッカーリングは‘圧縮ブロック’内の周波数分布が大きい場合に生じる。周波数整合は‘圧縮ブロック’の周波数分布の平坦化を利用して個々の画素エラーを‘圧縮ブロック’全体に拡散し、特定画素のフリッカーリングを抑制する。
【0125】
‘圧縮ブロック’の整合性は、SAD値が選択されたモードのエラー率によって予め決定された基準値TH
SADより小さいか否かを判別することによって決定される。‘圧縮ブロック’の整合性は、下の式[数16]によって決定される。
【数16】
【0126】
[数16]によると、SAD値が選択されたモードのエラー率によって予め決定された基準値TH
SADより小さいと判別されれば、‘圧縮ブロック’の整合性を表す値Block
hitは、‘1’と決定される。しかし、SAD値が選択されたモードのエラー率によって予め決定された基準値TH
SADより大きいと判別されれば、‘圧縮ブロック’の整合性を表す値Block
hitは、‘0’と決定される。‘圧縮ブロック’の整合性を表す値Block
hitは、決定部2560に提供される。
[エラー訂正(ERROR CORRECTION)]
【0127】
エラー訂正部2550は、動きベクトル決定部2530と整合性判別部2540のエラーを補完するために使われる。これは、選択された動きベクトルMV(i、j)の信頼度をさらに高めるためである。例えば、
図12を参照すると、エラー訂正部2550は、選択された動きベクトル2558が周辺の動きベクトル2554〜2557と一貫性を有するか否かを判別する。周辺の動きベクトル2554〜2557は、以前に処理された‘圧縮ブロック’に係るものであって、例えば4個のそのような動きベクトルが、エラー訂正の可否を判別するのに使われる。
仮りに、選択された動きベクトル2558が周辺の動きベクトル2554〜2557と一貫性を有すると判別されれば、エラー訂正は、行なわれない。しかし、仮りに、選択された動きベクトル2558が周辺の動きベクトル2554〜2557と一貫性を有しないと判別されれば、動きベクトルを周辺の動きベクトル2554〜2557に基づいて推定する。
選択された動きベクトル2558が周辺の動きベクトル2554〜2557と一貫性を有するか否かは、周辺の動きベクトルの全て又は、一部が互いに同一であるか否かによって、決定される。
選択された動きベクトルが周辺の動きベクトルと同一であるか否かの推定によって実行されるエラー訂正に用いられる方法は、SADエラー訂正と整合性エラー訂正を含む。
【0128】
SADエラー訂正は、推定された動きベクトルに対応する現在映像の‘圧縮ブロック’に対するSAD値を計算して計算されたSAD値が基準値より小さいか否かを判別することによって行なわれる。このような判別は、‘圧縮ブロック’の整合性を判別すること([数16]参照)と実質的に同一に実行され、それに対する説明は、したがって省略される。判別結果は、決定部2560に提供される。
【0129】
整合性エラー訂正は、推定された動きベクトルに対する整合性を判別することによって行なわれる。このような判別は、先に説明された画素整合性、色整合性、そして周波数整合性を判別することと実質的に同一に実行され、それに対する説明は、したがって省略される。整合性エラー訂正の判別結果は、決定部2560に提供される。
[決定(DETERMINATION)]
【0130】
図5を再び参照すると、決定部2560は、停止映像判別部2520によって判別された結果、整合性判別部2540によって判別された結果、エラー訂正部2550によって判別された結果のうち少なくとも1つの提供を受ける。決定部2560は、これらの受け取った結果をある決まった優先順位に従い処理して、どのデータを応答速度補償回路2600に、以前映像データPREVとして伝達すべきかを決定する。例えば、停止映像判別部2520の結果が最も高い優先順位を有する。
【0131】
その場合、まず、決定部2560は、停止映像判別部2520の結果即ち、ヒット信号Still
hitに基づいて現在映像が停止映像であるか否かを判別する。ヒット信号Still
hitが‘1’である場合、決定部2560は、応答速度補償回路2600に対して供給すべき以前映像データPREVとして現在映像の‘圧縮ブロック’即ち、圧縮・復元されていない原データ(無損失データ)を選択する。そのように選択されたデータは、応答速度補償回路2600に提供される。圧縮・復元されていない原データは、選択された動きベクトルMV(i、j)に基づいてレジスター2510内から選択される。このような場合、応答速度補償回路2600の補償動作は、実行できない。なぜならば、応答速度補償回路2600の2入力値CURR、PREVが同一であるからである。現在映像の‘圧縮ブロック’が停止映像と判別される場合、圧縮による画質劣化は、発生しない。
【0132】
ヒット信号Still
hitが‘0’と判別される場合、決定部2560は、[数1]の差値diff_valueが基準値より小さいか否か、そして選択された動きベクトルMV(i、j)が停止位置MV(0、0)を表すか否かを判別する。これは、ノイズによって生じうる差値diff_valueのエラーを処理するためである。
現在映像が停止映像にも拘わらずヒット信号Still
hitがノイズによって‘0’と判別されても、現在映像が停止映像であるか否かを判別することが可能である。差値diff_valueが基準値より小さく、且つ、選択された動きベクトルMV(i、j)が停止位置MV(0、0)を表す時、決定部2560は、現在映像を停止映像と判別する。その結果、決定部2560は、応答速度補償回路2600に対して送るべき以前映像データPREVとして現在映像の原データ中の‘圧縮ブロック’即ち、圧縮・復元されていない原データ(無損失データ)を選択する。そのように選択されたデータは、応答速度補償回路2600に提供される。圧縮・復元されていない原データは、選択された動きベクトルMV(i、j)に基づいてレジスター2510内から選択される。
【0133】
仮りに、現在映像が停止映像でないと判別されれば、決定部2560は、整合性判別部2540の結果が所定の条件を満足するか否かを判別する。整合性判別部2540の結果は、上記の通り、画素整合性、色整合性、周波数整合性、若しくは‘圧縮ブロック’整合性を含む。
より具体的には、上記のように、‘圧縮ブロック’の第k番目の画素のヒット値Pixel
hit[k]は、その画素の3色成分のヒット値R
hit[k]、G
hit[k]、B
hit[k]が全て‘1’の場合のみ‘1’とした場合、画素整合性は、‘圧縮ブロック’に属する各画素のヒット値Pixel
hit[k]が全て‘1’である時(又は、各画素のヒット値Pixel
hit[k]の合計が基準値(又は予め定めた許容値、例えば、7)以上である時)、ヒットとして決定される。
色整合性は、各色成分の平均値に係るヒット値、Avg_R
hit、Avg_G
hit、Avg_B
hitが全て‘1’である時(又は、各色成分の平均値Avg_R
hit、Avg_G
hit、Avg_B
hitに係るヒット値、の合計が基準値(又は予め定めた許容値、例えば、2)以上である時)、ヒットとして決定される。
周波数整合性は、当該‘圧縮ブロック’の第k番目の画素の各色成分に係る周波数整合性を表わす、Freq_R
hit[k]、Freq_G
hit[k]、Freq_B
hit[k]の値が全て‘1’を表す時(又は、Freq_R
hit[k]、Freq_G
hit[k]、Freq_B
hit[k]の値の合計が基準値(又は予め定めた許容値、例えば、21)以上である時)、ヒットとして決定される。
‘圧縮ブロック’整合性は、‘圧縮ブロック’の整合性を表す値Block
hitが‘1’である時、ヒットとして決定される。
【0134】
入力された決定結果(画像整合性、色整合性、周波数整合性、‘圧縮ブロック’整合性)のいずれか、又は全てが上記のヒット条件を満足する時、決定部2560は、選択された動きベクトルMV(i、j)が有効であると判別し、その結果選択された動きベクトルMV(i、j)に対応する現在映像の‘圧縮ブロック’が選択される。即ち、圧縮・復元されていない原の画素データが応答速度補償回路2600に以前映像データPREVとして提供される。
【0135】
他の例として、入力された決定結果(画素整合性、色整合性、周波数整合性、‘圧縮ブロック’整合性)のいずれか、又は全てが上記ヒット条件の許容範囲を満足する時、決定部2560は、選択された動きベクトルMV(i、j)が有効であると判別する。満足しない場合、選択された動きベクトルMV(i、j)は、無効であると判別する。
【0136】
その他の例として、入力された決定結果(画像整合性、色整合性、周波数整合性、‘圧縮ブロック’整合性)のいずれか、又は全てが上記ヒット条件を全て満足するか、又は、上記ヒット条件の許容範囲を満足させる時であって、エラー訂正部2550によって推定された動きベクトルが選択された動きベクトルMV
(i、j)と一致又は実質的に同一である時、決定部2560は、選択された動きベクトルMV(i、j)が有効であると判別する。
このケースでは、推定された動きベクトルは上記ヒット条件も満足するか、又は、ヒット条件の許容範囲も満足する。
【0137】
その他の例として、入力された決定結果(画像整合性、色整合性、周波数整合性、‘圧縮ブロック’整合性)が上記ヒット条件を満足するか、又は、上記ヒット条件の許容範囲を満足する時、決定部2560は、エラー訂正部2550によって推定され訂正された動きベクトルが有効か否かを判別する。
このように上記のヒット条件を、又は、ヒット条件の許容範囲を満足する場合、選択された動きベクトルMV
(i、j)は、有効と判別できる。
推定された動きベクトルの有効性は上記のヒット条件に基づく。
即ち、推定された動きベクトルの有効性は、その動きベクトルが上記のヒット条件を満足するか、又は、ヒット条件の許容範囲を満足するかによって判別される。
ヒット条件が満たされない場合、訂正され推定された動きベクトルMV
(i、j)は、無効と判別される。
【0138】
上記の方式によって、動きベクトルが無効と判別された場合、決定部2560は、応答速度補償回路2600に対して出力する以前映像データPREVとして、“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”PREV_RECを選択する。
同時に、決定部2560は、応答速度補償回路2600に対して出力する現在映像データCURRとして、“現在映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”CURR_RECを選択する。
【0139】
図13は、本発明によるディスプレーシステムの動作を概略的に説明するための図面である。以下、本発明によるディスプレーシステムの動作を参照図面に基づいて詳細に説明する。
【0140】
まず、ラインバッファー2200には、‘圧縮ブロック’の調査範囲(又は、‘圧縮ブロック’の動き推定範囲)を含む映像データ(例えば、複数のラインで構成される)が一時的に格納される。‘圧縮ブロック’の調査範囲を含む映像データがラインバッファー2200に格納されると、制御器2100の制御の下に、現在映像の‘圧縮ブロック’CBcと以前映像の‘圧縮ブロック’CBpに反応して応答速度補償回路2600が動作する。特に、本発明の実施形態によると、応答速度補償回路2600の第1入力として、即ち、以前映像データPREVとして、“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”PREV_REC又は、現在映像の原データCURR_ORGの中の最適の‘圧縮ブロック’が提供され、応答速度補償回路2600の第2入力として、即ち、現在映像データCURRとして、“現在映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”CURR_REC又は、現在映像の原データCURR_ORGの中の最適の‘圧縮ブロック’が提供される。より具体的に説明すると、次の通りである。
【0141】
ラインバッファー2200に格納された、‘圧縮ブロック’の調査範囲に対応する映像データは、制御器2100の制御の下にレジスター2510に伝送される。次に、エンコーダー&デコーダー部2310には現在映像の‘圧縮ブロック’CBcが提供され、デコーダー部2320にはメモリー2400に格納された以前映像の‘圧縮ブロック’CBpが提供される。
エンコーダー&デコーダー部2310は、現在映像の‘圧縮ブロック’CBcを圧縮し、圧縮されたデータ2311をメモリー2400に書き込む(格納する)と共に、この圧縮されたデータから復元されたデータ、即ち、“現在映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”CURR_RECを有効動きベクトル判別ブロック2580に提供する。
デコーダー部2320は、メモリー2400から以前映像の‘圧縮ブロック’CBpを読み出して(受信して)復元し、復元されたデータ、即ち、“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”PREV_RECを有効動きベクトル判別ブロック2580に提供する。
さらに、レジスター2510に格納された現在映像の原データCURR_ORGが有効動きベクトル判別ブロック2580に提供される。
【0142】
有効動きベクトル判別ブロック2580は、
図5に示す構成要素2520〜2570で構成される。即ち、
有効動きベクトル判別ブロック2580は、“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”PREV_RECを基準として動きベクトルMVを計算し、計算された動きベクトルMVが有効か否かを判別する。ここで、計算された動きベクトルMVが有効か否かの判別の詳細は、上述のとおりである。
仮りに、計算された動きベクトルMVが有効と判別されると、有効動きベクトル判別ブロック2580は、有効な動きベクトルMVに対応する現在映像の原データCURR_ORGの中の‘圧縮ブロック’、即ち、無損失データを応答速度補償回路2600への以前映像データPREV、及び現在映像データCURRとして選択する。ここで、計算された動きベクトルMVは、再び
図5を参照すると、動きベクトル決定部2530によって決定された動きベクトル又は、エラー訂正部2550によって推定され訂正された動きベクトルである。
仮りに、計算された動きベクトルMVが無効と判別されると、有効動きベクトル判別ブロック2580は、“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”PREV_REC、及び、“現在映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”CURR_REC、即ち、損失データを各々、応答速度補償回路2600の以前映像データPREV、及び、現在映像データCURRとして選択する。
【0143】
以上の説明によると、応答速度補償回路2600の以前映像データPREVとして、“以前映像の圧縮・復元された圧縮ブロック”PREV_RECの代りに現在映像の原データCURR_ORGの中の該当(有効な動きベクトルMVに対応する)‘圧縮ブロック’を提供することによって、データ圧縮方式を採用したディスプレーシステムの画質の向上が可能である。
一般に高度のデータ圧縮を実行するシステムにおいては、圧縮エラーとフリッカーリング問題のせいで、得られる映像の画質が劣る。しかしながら本発明によれば、現在映像の原(圧縮・復元されていない)データを可能な限り用いるので、圧縮エラーを最小限にとどめ、高品質の映像が得られる。
【0144】
本発明の範囲又は、技術的思想を逸脱することなく本発明の構造を多様に修正、或いは変更できることは、この分野の熟練者には自明である。従って、本発明の修正及び変更が別紙特許請求の範囲の請求項及び同等物の範疇の内に属する限り、本発明は、この発明の修正及び変更を包含すると見なされる。